JP5649792B2 - シースおよび内視鏡 - Google Patents

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本発明は、シースおよび内視鏡に関するものである。
従来、患者の体内に患部まで挿入して一時的に留置し、医療用デバイスを内部のルーメンに沿って挿入して患部まで案内するチューブ状の医療用器具が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、体内の病変部位を低侵襲で直接診察したり治療したりする手段として内視鏡が広く用いられている。
米国特許第6231514号明細書
しかしながら、特許文献1の器具や内視鏡のように断面が円形または楕円形で長尺状のものを心臓が動いている状態で心嚢内に挿入しようとすると、心臓の拍動にしたがって器具または内視鏡が激しく動かされてしまう。特に、器具または内視鏡は心臓表面と曲面で接触しているため、心臓の捩じれる方向の動きにより周方向に回転させられて姿勢が極めて不安定になり、容易に心臓表面を転がされて位置が移動したり、捩じられてとぐろを巻いたりする。その結果、器具や内視鏡を心臓表面に沿って所望の方向へ走行させたり、心臓表面の所望の位置に一時的に留置させて処置または診察したりすることが非常に困難であるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、心臓を拍動させたままの状態であっても心臓表面において姿勢を安定させて容易に操作することができるシースおよび内視鏡を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、可撓性を有し、長手方向に沿って内部に医療用デバイスを挿入可能な筒状のシース本体と、該シース本体の先端部に半径方向に出没可能に設けられた翼部と、前記シース本体の基端側において、前記翼部を出没させる操作部とを備え、前記翼部が、前記シース本体の長手方向に見たときに、該シース本体の半径方向の単一の軸に略沿って突出するシースを提供する。
本発明によれば、翼部を収納した状態でシース本体を先端から体内に挿入して所望の位置に留置し、シース本体の内部に沿って医療用デバイスを挿入していくと、医療用デバイスを所望の位置までスムーズに案内することができる。
この場合に、翼部を収納することにより、シース本体の先端部を体内の形状に沿わせた状態で挿入性を損なうことなく走行させてシースを容易に挿入および抜去することができる。
また、操作部により、翼部を体内の組織表面において出没させて翼部を組織表面に沿う方向に突出させると、翼部により組織表面に対してシース本体の先端部の周方向の回転が制限される。すなわち、シース本体の先端部は、拍動する心臓表面上であっても、翼部が心臓表面に沿った状態で姿勢が安定させられ、拍動にしたがって心臓表面を転がされたり捩じられたりすることが防止される。これにより、シース本体の先端部を心嚢内においても容易に所望の方向へ進行させることができ、また、心臓表面に安定に留置されたシース本体により医療用デバイスの先端が安定に支持され容易に処置や診察をすることができる。
上記発明においては、前記翼部が、前記シース本体を径方向に挟んで両側に出没可能に設けられていることとしてもよい。
このようにすることで、シース本体の先端部の姿勢をより安定させることができる。
また、上記発明においては、前記翼部が、前記シース本体の側面に沿う位置と、前記側面から半径方向外方に離間した位置との間で揺動可能に設けられた棒状部材を備えることとしてもよい。
このようにすることで、翼部を簡易に構成し、棒状部材の他端を回転させるだけで容易にシース本体の半径方向へ出没させることができる。
また、上記発明においては、前記翼部は、先端が前記シース本体の側面に固定され、前記シース本体の側面に沿った略直線形状と、前記シース本体の半径方向外方に湾曲した湾曲形状との間で変形可能な線状部材を備え、前記操作部が、前記線状部材の他端に接続されて前記シース本体の長手方向に沿って基端側まで延び、前記シース本体の長手方向に移動可能に設けられたワイヤ部材を備えることとしてもよい。
このようにすることで、ワイヤ部材を前後方向に操作するだけで線状部材が出没または収納され、翼部を簡易に構成および操作することができる。
また、上記発明においては、前記翼部が、前記シース本体の外面に設けられ、前記シース本体の半径方向であって互いに垂直な第1の方向および第2の方向のうち、前記第1の方向の寸法を略一定に保ちつつ前記第2の方向に膨張可能なバルーンを備え、前記操作部が、前記バルーン内に連通し前記シース本体の長手方向に沿って延びる流路と、該流路内へ流体を供給および前記流路内から流体を排出する給排手段とを備えることとしてもよい。
このようにすることで、流体を供給または排出するだけの簡易な操作でバルーンを膨張
または収縮させて、出没または収納させることができる。
また、本発明は、体内に挿入される挿入部と、該挿入部の先端部に、半径方向に出没可能に設けられた翼部と、前記挿入部より基端側において、前記翼部を出没させる操作部とを備え、前記翼部が、前記挿入部の長手方向に見たときに、該挿入部の半径方向の単一の軸に略沿って突出する内視鏡を提供する。
本発明によれば、翼部を収納させることにより、挿入部の体内における走行性を維持し
たまま、内視鏡を容易に体内へ挿入および抜去することができる。また、体内において翼
部を出没させることにより、拍動する心臓表面であっても挿入部の先端部を、姿勢を安定
させながら所望の方向へ容易に走行させ、また、所望の位置に安定させて留置して容易に
診察や処置をすることができる。
上記発明においては、前記翼部が、前記挿入部を径方向に挟んで両側に出没可能に設けられていることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記翼部が、前記挿入部の側面に沿う位置と、前記側面から半径方向外方に離間した位置との間で揺動可能に設けられた棒状部材を備えることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記翼部は、先端が前記挿入部の側面に固定され、前記挿入部の側面に沿った略直線形状と、前記挿入部の半径方向外方に湾曲した湾曲形状との間で変形可能な線状部材を備え、前記操作部が、前記線状部材の他端に接続されて前記挿入部の長手方向に沿って基端側まで延び、前記挿入部の長手方向に移動可能に設けられたワイヤ部材を備えることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記翼部が、前記挿入部の外面に設けられ、前記挿入部の半径方向であって互いに垂直な第1の方向および第2の方向のうち、前記第1の方向の寸法を略一定に保ちつつ前記第2の方向に膨張可能なバルーンを備え、前記操作部が、前記バルーン内に連通して前記挿入部の長手方向に沿って基端側まで延びる流路と、該流路内へ流体を供給または前記流路内から流体を排出する給排手段とを備えることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記挿入部が、その先端面の方向を変更するように湾曲可能な湾曲部を有し、前記翼部が、前記湾曲部より前方に設けられていることとしてもよい。
このようにすることで、内視鏡の湾曲部より前方において姿勢がより安定させられるので、狭い視野をより安定させた状態でより詳細に診察することができる。
また、上記発明においては、前記挿入部が、その先端面の方向を変更するように湾曲可能な湾曲部を有し、前記翼部が、前記湾曲部より後方に設けられていることとしてもよい。
このようにすることで、湾曲部の後方において挿入部の先端部の姿勢を安定させつつ、翼部により湾曲部の動きが制限されることなくより広い範囲を診察することができる。
また、本発明の参考例は、体内に挿入される挿入部と、該挿入部の先端面の方向を変更するように、少なくとも一方向に湾曲可能な湾曲部と、前記一方向に交差する方向に離れた少なくとも2箇所を前記先端面より前方に突出させた突起部とを備え、前記2個所の間隔が、前記挿入部の直径寸法と略同一またはそれよりも大きく、前記突起部が、前記挿入部の前記一方向の側には設けられていない内視鏡を提供する。
本発明の参考例によれば、挿入部を心臓表面に沿って挿入して先端面を心臓表面へ向けるように湾曲部を湾曲させると、突起部の最先端部が心臓表面上に一時的に固定され、内視鏡の心臓表面に対する周方向の回転が制限される。すなわち、心臓が拍動していても内視鏡の先端部を心臓表面に対して姿勢を安定させながら留置して、所望の位置を容易に診察または処置することができる。
上記参考例においては、前記突起部の最先端部が、被写界深度の範囲内に配置されていることとしてもよい。
このようにすることで、内視鏡の先端面が観察部位の表面に接近し過ぎて汚染されたり、内視鏡の先端面と観察部位の表面との間に適切な距離が確保されず像が不鮮明になったりすることを防止することができる。
また、上記参考例においては、前記突起部が、前記挿入部内に長手方向に沿って形成され前記先端面に開口したチャネル内に、前記先端面から前方へ出没可能に設けられていることとしてもよい。
このようにすることで、診察や処置をしないときは突起部を収納して内視鏡の操作を容易にすることができる。
本発明によれば、心臓を拍動させたままの状態であっても心臓表面において姿勢を安定させて容易に操作することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係るシースの(a)全体構成を示す側面図および(b)正面図である。 図1のシースの変形例を示す(a)側面図および(b)正面図である。 図1のシースのもう1つの変形例を示す(a)側面図および(b)正面図である。 翼部を備える内視鏡の例を示す図であり、翼部が(a)湾曲部の前方に設けられている場合および(b)湾曲部の後方に設けられている場合を示している。 本発明の第2の実施形態に係る内視鏡の(a)全体構成図および(b)先端部の拡大図である。 図5の内視鏡の使用方法を説明する図であり、(a)心嚢内を挿入時および(b)心臓表面に固定時をそれぞれ示している。 図5の内視鏡の変形例を示す図である。 図5の内視鏡のもう1つの変形例を示す図である。
本発明の第1の実施形態に係るシース1について、図1〜図4を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るシース1は、図1(a)に示されるように、筒状のシース本体12と、該シース本体12の先端部に設けられた棒状部材(翼部)13と、先端が棒状部材13に接続されて基端側まで延びるワイヤ(操作部)14とを備えている。
シース本体12は、体内の組織形状に沿って湾曲可能な可撓性を有し、内腔12aは長手方向に貫通して他の医療用デバイスを挿入可能な内径を有している。また、シース本体12の先端部の外面には、シース本体12の中心軸線に対して略対称な位置に長手方向に沿う溝12bが形成され、該溝12bの基端側の内壁には、シース本体12の側壁内に長手方向に形成された小径の孔12cが開口している。
棒状部材13は、各溝12b内に長手方向に沿って配置され、先端は溝12bの内壁に、シース本体12の径方向に回転可能に取り付けられている。
また、溝12b内には、棒状部材13の基端と溝12bの基端側の内壁とに両端が固定され、棒状部材13の基端をシース本体12の半径方向外方へ付勢する弾性部材、例えば、バネ15が設けられている。
ワイヤ14は、バネ15の空芯部および孔12c内に移動可能に挿入され、基端はハンドル等(図示略)に接続されて操作者により前後方向に操作されるようになっている。また、ワイヤ14は、少なくとも先端部分において、バネ15の形状に倣って変形可能な可撓性を有している。
操作者がワイヤ14を前方へ操作すると、棒状部材13の他端がバネ15の付勢力によりシース本体12の側面から半径方向に離間する方向へ揺動させられて溝12b内からシース本体12の半径方向へ出没し、シース本体12に対して略平面内に広がるようになっている(図1(a),(b)の2点鎖線参照。)。また、操作者がワイヤ14を後方へ操作すると、棒状部材13の基端が、バネ15を収縮させながらシース本体12の側面に接近する方向へ揺動させられ、バネ15および棒状部材13が溝12b内に収納されるようになっている。
このように構成されたシース1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係るシース1を用いて他の医療用デバイスにより心臓表面を処置するには、ワイヤ14を最も後方まで操作した状態でシース1の先端を、患者の剣状突起から、心嚢膜を穿孔して心嚢内まで挿入する。そして、心嚢内においてワイヤ14を前方へ操作して棒状部材13を心臓表面に沿って広げた状態でシース1の先端をさらに前方へ所望の位置まで走行させたら、棒状部材13を広げたままシース1を留置する。
続いて、シース本体12の内腔12aに沿って医療用デバイスを挿入していくと医療用デバイスの先端が心臓表面の所望の位置へ案内される。心臓表面の処置が完了したら、医療用デバイスを体外へ抜去し、また、ワイヤ14を後方へ操作して棒状部材13を溝12b内に収納した状態でシース1抜去すると、心臓を拍動させた状態で処置することができる。
この場合に、本実施形態によれば、心臓が捩じる方向に回転しながら収縮と拡張とを繰り返してシース1の先端部に周方向の回転力がかかっても、心嚢内においてその形状に沿って略平坦に広がった棒状部材13により、シース1の先端部は回転させられる範囲が制限されて心臓表面に対して一定の姿勢が保持される。
したがって、シース1の先端部が心臓表面を転がされたり捩じられてとぐろを巻いたりすることが防止され、シース1を心臓表面に沿って所望の方向へ容易に走行させ、また、心臓表面に対して一定の位置と向きを保持しながら所望の位置に安定させて留置することができるという利点がある。また、シース本体12により医療用デバイスの先端の向きおよび位置が患部に対して安定に支持されるので、診察や治療を容易にしてそれらの精度を向上することができるという利点がある。
また、棒状部材13をシース本体12内に収納することで、心嚢外において棒状部材13が妨げになることなくシース1の走行性が維持され、シース1を容易に体内へ挿入および体内から抜去することができるという利点がある。
また、筒状のシース本体12に棒状部材13、バネ15およびワイヤ14の簡易な構成を設けるだけでよいのでシース1の寸法が小さく抑えられ、従来のシースを用いた手技と同様に患者へ低侵襲性で処置することができる。
上記実施形態においては、棒状部材13の先端がシース本体12に回転可能に取り付けられていることとしたが、これに代えて、棒状部材13の基端がシース本体12に回転可能に取り付けられていることとしてもよい。このようにしても、上記実施形態と同様の構成と操作でシース1の先端部の姿勢を安定させることができる。
また、上記実施形態においては、シース1が、棒状部材13に代えて、図2(a),(b)に示されるように、シース本体12の長手方向に配置されて半径方向外に湾曲可能な線状部材(翼部)、例えば、先端部分に円弧形状が記憶された形状記憶合金ワイヤ16を備えることとしてもよい。
形状記憶合金ワイヤ16は、先端部分がシース本体12の外周面上に配置されて先端がシース本体12の側面に固定され、他の部分は、シース本体12の側壁内に長手方向に形成された小径の孔12c内に長手方向に移動可能に挿入されている。なお、この場合、孔12cは、先端側において外周面に開口している。
形状記憶合金ワイヤ16の基端を前方へ操作すると、シース本体12外に露出したその先端部分が記憶された形状に湾曲してシース本体12の半径方向に突出する(図2(a),(b)の2点鎖線参照。)。また、形状記憶合金ワイヤ16の基端を後方へ操作すると、その先端部分がシース本体12の側面に沿って略直線状に延びる。このようにすることで、簡易な構成と操作のみで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、シース1が、棒状部材13に代えて、図3(a),(b)に示されるように、シース本体12の外面に設けられたバルーン(翼部)17を備えることとしてもよい。
バルーン17は、その横断面において、シース本体12の半径方向外方へ、該半径方向外方に直交する方向の寸法を略一定に保ちながら膨張可能である。
また、この場合、シース本体12には、バルーン17内に連通して基端側に延びる流路、例えば、第2の内腔12dと、基端側において第2の内腔内から外部に開口した給排口12eとが設けられる。給排口12eにポンプやシリンジ等の給排手段(操作部)18を接続して第2の内腔12d内へ流体を供給または第2の内腔12d内から流体を排出することにより、バルーン17が膨張または収縮させられるようになっている。このようにしても、簡易な構成と操作のみでシース1の先端部の姿勢を安定させることができる。
また、上記実施形態においては、シース1がその先端部に上述した翼部を備えることとしたが、これに代えて、内視鏡がその挿入部の先端部に上述した翼部を備えることとしてもよい。
内視鏡の挿入部は、シース1と同様に横断面が略円形の長尺状であり、心嚢内に挿入されると拍動する心臓から周方向の回転力を受けて容易に転がされたり捩じられたりする。
したがって、挿入部の先端部に翼部を備えることにより、内視鏡の先端を心臓表面に対して姿勢を安定させながら心臓表面を這わせて容易に所望の方向へ走行させることができる。また、内視鏡の先端部を心臓表面に留置しても位置と方向とが安定させられるので、内視鏡で心臓表面を観察する場合に、内視鏡の視野が瞬時に移動して所望の観察部位を見失ったり、視野が画面上で激しく回転したりすることなく、心臓表面の所望の位置の安定した像を得ることができる。また、このようにすることで、診察や、内視鏡が備える処置具による処置をより容易にし、それらの精度を向上することができる。
また、この場合に、内視鏡は、図4(a)に示されるように、その湾曲部22の前方に翼部、例えば、棒状部材13を備えることとしてもよく、図4(b)に示されるように、その湾曲部22の後方に翼部を備えることとしてもよい。
翼部が、湾曲部22より前方に設けられた場合、より先端面に近い部位において回転が制限されるので、先端面の姿勢がより安定させられる。したがって、病変部位など限定された狭い視野を診察する場合、その視野の像をより安定させてより詳細に診察することができる。
また、翼部が、湾曲部22より後方に設けられた場合、湾曲部22の動きが翼部により制限されないので、視野を移動させながら不特定の、または、広い範囲を観察する場合に好適である。
なお、翼部は、内視鏡の視野に対して左右方向に突出させられることが好ましい。
また、内視鏡は、湾曲部22の前方と後方の両方に翼部を備え、目的に応じて所望の位置の翼部を出没させることとしてもよい。
本発明の第2の実施形態に係る内視鏡2について、図5〜図8を参照して以下に説明する。
なお、第1の実施形態と共通する構成については、同一の符号を付すこととする。
本実施形態に係る内視鏡2は、図5(a)に示されるように、可撓性を有する細径の挿入部21と、該挿入部21の先端部に設けられた湾曲部22と、該湾曲部22を基端側で操作する操作部23と、挿入部21の先端に設けられた突起部24とを備えている。
挿入部21は、体内の組織形状に沿って湾曲可能な可撓性を有している。
湾曲部22は、内視鏡2の視野に対して少なくとも上下方向に湾曲可能である。操作者が操作部23を操作することにより、湾曲部22が湾曲して挿入部21の先端面の方向が変更するようになっている。
突出部24は、図5(b)に示されるように、挿入部21の先端部と略同一の曲率で湾曲した湾曲板状であり、内視鏡2の視野に対して上方に、挿入部21の側面の湾曲に沿って設けられている。また、突起部24は、その先端を挿入部21の先端面から前方へ、内視鏡2の被写界深度の範囲内に突出させている。突起部24は、拍動する心臓Aから受ける力により変形させられない十分高い剛性を有し、また、突起部24の最先端部は、角が丸く形成されている。
また、内視鏡2により取得された像は、ファイババンドル等を介してモニタ25へ送られて表示され、操作者は、モニタ25の内視鏡画像を観察しながら内視鏡2を操作するようになっている。
このように構成された内視鏡2の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る内視鏡2を用いて心臓A表面を診察または処置するには、挿入部21の先端を患者の剣状突起から挿入し、さらに心嚢膜Bを穿孔して心嚢内Cへ挿入する。心嚢内Cにおいて、図6(a)に示されるように、視野の下方に心臓Aの表面が配置される向きで挿入部21の先端を心臓A表面に沿って這わせながら所望の位置まで走行させる。そして、操作部23により視野の下方へ湾曲部22を湾曲させると、図6(b)に示されるように、挿入部21の先端面が心臓A表面に向けられてモニタ25に所望の位置の正面方向の像が映され、心臓A表面を診察または処置することができる。
この場合に、本実施形態によれば、湾曲部22が視野の下方に湾曲させられたときに、突起部24の最先端部が心臓A表面に押し付けられて心臓A表面に一時的に固定される。これにより、挿入部21の先端部は拍動する心臓Aにより周方向の回転力がかかっても、心臓A表面に対して回転せずに姿勢を一定に保ちながら心臓Aと一体で移動させられる。すなわち、挿入部21の先端面が心臓A表面に対して静止させられるので、心臓Aが拍動していても、視野の位置および向きが安定した心臓A表面の内視鏡画像が得られ、容易に診察または処置を行うことができるという利点がある。
また、突起部24の最先端部を内視鏡2の被写界深度内に配置することにより、挿入部21の先端面を心臓A表面に向けたときに挿入部21の先端面と心臓A表面との間に適切な距離が確保され、心臓A表面に焦点が合った鮮明な像を得ることができる。また、先端面が心臓A表面に密着して体液などにより汚染され像が不鮮明になったりする不都合を防止することができる。また、突起部24の最先端部の角を丸く形成することにより、心臓A表面を保護しながら接触させることができる。
上記実施形態においては、突起部24が、挿入部21の側面に設けられていることとしたが、これに代えて、挿入部21の長手方向にスライド可能に設けられていてもよい。このようにすることで、挿入部21の先端部を心臓A表面に固定するとき以外は突起部24を挿入部21の先端から突出しない位置に配置し、挿入部21の操作をより容易にすることができる。
また、上記実施形態においては、突起部24が、挿入部21に長手方向に貫通して形成されたチャネル内に出没可能に設けられていることとしてもよい。
この場合、突起部24は、チャネル内に収納可能な形状と十分に高い剛性とを有し、また、チャネルから出没させられたときに、内視鏡2の視野の左右方向に離れた少なくとも2個所を先端面より前方に突出させる。
例えば、図7に示されるように、視野の左右方向に離れた位置に形成された各チャネル21a内に、剛性材料からなる丸棒状部材24aが設けられる。丸棒状部材24aは、最先端部に球状の保護部材25が設けられ、心臓A表面を保護しながら接触させられるようになっている。
この場合、チャネル21aは、挿入部21の径方向により離れた位置に形成され、各丸棒状部材24aの最先端部の間の幅が、挿入部21の径寸法と略同一またはそれより広いことが好ましい。
このようにすることで、挿入部21の先端部を心臓A表面に固定するとき以外は突起部24を挿入部21内に収納して、挿入部21の操作をより容易にすることができる。
また、上記実施形態においては、内視鏡2が、突起部24を備えることとしたが、これ代えて、チャネル21a内に出没可能に設けられて出没時に半径方向に広がる処置具26を備えることとしてもよい。
処置具26は、鉗子様の形状であり、例えば、図8に示されるように、先端部分が、チャネル21a内に収納されるときは長手方向に沿う位置に配され、チャネル21a内から出没させられると、挿入部21の外径寸法より広い寸法まで径方向に開くようになっている。処置具26は、心臓Aの拍動による外力により変形させられない十分に高い剛性を有している。また、処置具26は、最先端部に球状の保護部材25が設けられている。
このようにしても、内視鏡2を用いて心臓A表面を処置する場合、処置具26を出没させて心臓A表面に固定することにより、内視鏡2の姿勢が心臓A表面に対して安定させられ、他の処置具による処置を容易に行うことができる。
1 シース
2 内視鏡
12 シース本体
12a 内腔
12b 溝
12c 孔
12d 第2の内腔
12e 給排口
13 俸状部材(翼部)
14 ワイヤ(操作部)
15 バネ
16 形状記憶合金ワイヤ(線状部材、翼部)
17 バルーン(翼部)
18 給排手段(操作部)
21 挿入部
21a チャネル
22 湾曲部
23 操作部
24 突起部
24a 丸棒状部材
25 モニタ
26 処置具
A 心臓
B 心嚢膜
C 心嚢内

Claims (12)

  1. 可撓性を有し、長手方向に沿って内部に医療用デバイスを挿入可能な筒状のシース本体と、
    該シース本体の先端部に半径方向に出没可能に設けられた翼部と、
    前記シース本体の基端側において、前記翼部を出没させる操作部とを備え、
    前記翼部が、前記シース本体の長手方向に見たときに、該シース本体の半径方向の単一の軸に略沿って突出するシース。
  2. 前記翼部が、前記シース本体を径方向に挟んで両側に出没可能に設けられている請求項1に記載のシース。
  3. 前記翼部が、前記シース本体の側面に沿う位置と、前記側面から半径方向外方に離間した位置との間で揺動可能に設けられた棒状部材を備える請求項1に記載のシース。
  4. 前記翼部は、先端が前記シース本体の側面に固定され、前記シース本体の側面に沿った略直線形状と、前記シース本体の半径方向外方に湾曲した湾曲形状との間で変形可能な線状部材を備え、
    前記操作部が、前記線状部材の他端に接続されて前記シース本体の長手方向に沿って基端側まで延び、前記シース本体の長手方向に移動可能に設けられたワイヤ部材を備える請求項1に記載のシース。
  5. 前記翼部が、前記シース本体の外面に設けられ、前記シース本体の半径方向であって互いに垂直な第1の方向および第2の方向のうち、前記第1の方向の寸法を略一定に保ちつつ前記第2の方向に膨張可能なバルーンを備え、
    前記操作部が、前記バルーン内に連通し前記シース本体の長手方向に沿って延びる流路と、該流路内へ流体を供給および前記流路内から流体を排出する給排手段とを備える請求項1に記載のシース。
  6. 体内に挿入される挿入部と、
    該挿入部の先端部に、半径方向に出没可能に設けられた翼部と、
    前記挿入部より基端側において、前記翼部を出没させる操作部とを備え、
    前記翼部が、前記挿入部の長手方向に見たときに、該挿入部の半径方向の単一の軸に略沿って突出する内視鏡。
  7. 前記翼部が、前記挿入部を径方向に挟んで両側に出没可能に設けられている請求項6に記載の内視鏡。
  8. 前記翼部が、前記挿入部の側面に沿う位置と、前記側面から半径方向外方に離間した位置との間で揺動可能に設けられた棒状部材を備える請求項6に記載の内視鏡。
  9. 前記翼部は、先端が前記挿入部の側面に固定され、前記挿入部の側面に沿った略直線形状と、前記挿入部の半径方向外方に湾曲した湾曲形状との間で変形可能な線状部材を備え、
    前記操作部が、前記線状部材の他端に接続されて前記挿入部の長手方向に沿って基端側まで延び、前記挿入部の長手方向に移動可能に設けられたワイヤ部材を備える請求項6に記載の内視鏡。
  10. 前記翼部が、前記挿入部の外面に設けられ、前記挿入部の半径方向であって互いに垂直な第1の方向および第2の方向のうち、前記第1の方向の寸法を略一定に保ちつつ前記第2の方向に膨張可能なバルーンを備え、
    前記操作部が、前記バルーン内に連通して前記挿入部の長手方向に沿って基端側まで延びる流路と、該流路内へ流体を供給または前記流路内から流体を排出する給排手段とを備える請求項6に記載の内視鏡。
  11. 前記挿入部が、その先端面の方向を変更するように湾曲可能な湾曲部を有し、
    前記翼部が、前記湾曲部より前方に設けられている請求項6に記載の内視鏡。
  12. 前記挿入部が、その先端面の方向を変更するように湾曲可能な湾曲部を有し、
    前記翼部が、前記湾曲部より後方に設けられている請求項6に記載の内視鏡。
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