JP5649728B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

この発明は、回転電機に関するものであり、特に、ブラシおよびブラシホルダの温度上昇を防止したブラシホルダの構造に係るものである。
従来、例えば車輌用の界磁巻線式の回転電機において、界磁電流はブラシからスリップリングを介して回転子の界磁巻線へと供給される。この際、ブラシは、ブラシ後方に取り付けられたスプリングで押し付けられた状態で摺動する。ブラシとスリップリングは、摺動部の電気的損失、摺動摩擦およびそれぞれの通電経路の電気的損失に起因した発熱を生じる。スリップリングとブラシは、プラス側とマイナス側で一組ずつ設置されている。これらのブラシとスリップリングは、一般にプラス側とマイナス側間の電気絶縁性を確保するため絶縁性の樹脂等で覆われ、保持されている。
また、ブラシが収納されているブラシホルダとスリップリングのモールド樹脂との間には、外部からの異物や水分の進入を防止するとともに、ブラシ磨耗粉の排出機能をもつ迷路構造が設けられている。この迷路構造には、わずかな隙間が設けられているが、回転子に設置された冷却ファンにより生じた冷却風は、スリップリングとブラシの当接部に供給される割合は少ない。これらの要因により、スリップリングおよびブラシは、スリップリングとブラシの当接部を中心に高温になる。この際、ブラシが高温状態になると、摩耗速度が大きくなるため、ブラシ寿命の低下が問題となる。
そこで、従来、ブラシホルダ外部に放熱フィンを取り付けることで、ブラシで発生した熱を外部に熱伝達により放出する構造がとられている(例えば、特許文献1参照)。あるいは、ブラシを金属性のブラシホルダに保持し、ブラシホルダを保持するブラシホルダベースに一体成形されたブラシに界磁電流を供給するプレートとブラケットを、シール材を介して接続し、ブラシで発生した熱をブラケットに放出する構造が提案されている。(例えば、特許文献2参照)。もしくは、ブラシホルダにブラシ冷却およびブラシ摩耗粉排出用の通風口を設けることで、ブラシの温度を低減し、ブラシ寿命を向上する構造が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2003−047207号公報 特開2008−236979号公報 特開2009−177993号公報
しかしながら、特許文献1に示された従来の装置では、ブラシホルダの外側面に設置できる放熱フィンの枚数および大きさは、ブラシホルダの表面積が小さいために少なくなる。また、この構造を回転子の回転により発生させた冷却風により内部を冷却する構造をとる車両発電用回転電機に適用した場合、回転電機の低い回転数では、ブラシホルダ外部に設置した放熱フィンへ十分な冷却風を供給することが困難である。さらに、車両発電用回転電機の中でもモータージェネレータでは、一般的な車両用発電機よりも高い界磁電流を通電するため高い放熱能力が要求される。このような理由から、必要十分なブラシ冷却能力を得られないという課題がある。
また、特許文献2に示された従来の装置では、電動パワーステアリングのような、ブラシホルダなどが設置されるブラケット内部が密閉されており、外部の異物などによる電気的誤動作の問題がない場合においては有効であるが、車両発電用回転電機もしくはモータージェネレータでは、ブラシホルダ周りは外部から容易に異物が進入する構造であり、ブラシと銅電位の金属部材をブラシホルダ構成樹脂の外部に露出することができないという課題がある。
また、特許文献3に示された従来の装置では、ブラシホルダにブラシ冷却用の通風口を設けると、ブラシホルダサイズが大きくなることや、設置できる通風口のサイズが、ブラシホルダの大きさによって概ね決定されるため、通風口の断面積を大きく取ることが困難であり、ブラシの冷却性能が限定的となるという課題がある。
この発明は、前述のような従来の装置における課題を解消するためになされたものであり、ブラシおよびスリップリング当接部近傍で発生する熱を効率よくブラシホルダ外部に放出し、ブラシの過度の温度上昇を防止することができる回転電機を提供することを目的としたものである。
この発明による回転電機は、回転軸に固定された界磁鉄心と界磁巻線を有する回転子と、前記回転軸に固定され、前記界磁巻線に界磁電流を供給するスリップリングと、前記回転子の外周面に間隙を介して配置され、電機子巻線を有する固定子と、前記固定子を固定するハウジングと、前記ハウジングに固定され、前記スリップリングを介して上記界磁巻線に界磁電流を供給するブラシを保持するブラシホルダと、前記ハウジングに固定され、前記界磁電流を制御する界磁回路と前記電機子巻線に流れる電機子電流を制御するパワー回路を搭載したヒートシンクとを備えた回転電機であって、前記ブラシホルダは、前記界磁回路と前記ブラシとを電気的に接続する通電用ターミナルと、前記ブラシを冷却するブラシ冷却用金属部材とを備え、前記ブラシ冷却用金属部材は、少なくとも一部分が前記ブラシホルダの外部に露出した露出部を備え、前記ブラシ冷却用金属部材の前記露出部は、その少なくとも一部が前記ヒートシンクに接続されていることを備えていることを特徴とするものである。
この発明による回転電機によれば、ブラシホルダは、界磁回路とブラシとを電気的に接続する通電用ターミナルと、ブラシを冷却するブラシ冷却用金属部材とを備えているので、ブラシとスリップリングの当接部で発生した熱を、ブラシホルダに設けられた放熱部を通して放出させることが可能となり、ブラシの過度の温度上昇を防止することで長寿命なブラシをもつ回転電機を提供することができる。
この発明の実施の形態1による回転電機の断面図である。 この発明の実施の形態1による回転電機の回路図である。 この発明の実施の形態1による回転電機のブラシホルダ、およびブラシホルダの内部に設置されたブラシと通電用ターミナルとブラシ冷却用金属部材の拡大斜視図である。 この発明の実施の形態1による回転電機の実施の形態1における、ブラシホルダとヒートシンクとの接続面を含む断面を示す概略図である。 この発明の実施の形態2による回転電機における、ブラシホルダとヒートシンクとの接続面を含む断面を示す概略図である。 この発明の実施の形態3による回転電機における、ブラシホルダとヒートシンクとの接続面を含む断面を示す概略図である。
この発明の実施の形態4による回転電機の樹脂モールド後のブラシホルダの斜視図である。 この発明の実施の形態5による回転電機のブラシホルダの熱伝導率とブラシの温度上昇の関係を示す特性図である。 この発明の実施の形態5による回転電機のブラシホルダ構成樹脂とブラシ冷却用金属部材の線膨張係数差と、温度サイクル付加時のブラシホルダ構成樹脂に発生するひずみ量の関係を示す特性図である。 この発明の実施の形態6による回転電機のブラシホルダとヒートシンクとの接続面を含む断面を示す概略図である。 この発明の実施の形態7による回転電機のブラシホルダとヒートシンクとの接続面を含む断面を示す概略図である。 この発明の実施の形態8による回転電機のブラシホルダ構成樹脂に包括されるブラシとブラシ冷却用金属部材と通電用ターミナルの斜視図である。
この発明の実施の形態9による回転電機のブラシホルダ構成樹脂に包括されるブラシとブラシ冷却用金属部材と通電用ターミナルの斜視図である。 この発明の実施の形態10による回転電機のブラシホルダの斜視図である。 この発明の実施の形態11による回転電機のブラシホルダの斜視図である。 この発明の実施の形態12による回転電機のブラシホルダとヒートシンクとの接続面を含む断面を示す概略図である。 従来の車両用の交流発電機用もしくはモータージェネレータのブラシホルダの斜視図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による回転電機について図に基づいて説明する。図1は、この発明の実施の形態1による回転電機の断面図である。この実施の形態1による回転電機は、車両用の交流発電電動機(モータジェネレータ)を示しているが、車両用の交流発電機でも適用可能である。
図1において、回転電機100は、ハウジングとしてのフロントブラケット6及びリヤブラケット7と、フロントブラケット6のベアリング19a及びリヤブラケット7のベアリング19bを介して回転自在に支持されている回転軸1と、フロントブラケット6及びリヤブラケット7に固定されると共に電機子巻線を有する固定子5と、回転軸1に固定されると共に界磁鉄心2及び界磁巻線3を有する回転子10と、回転軸1のフロント側の端部に固着されたプーリ20を備えている。そして、この回転電機100は、プーリ20に掛けられたベルト(図示せず)を介してエンジンの回転軸(図示せず)に連結されている。また、回転電機100の駆動の際の発熱により、回転子10や固定子5の温度が上昇するため、回転子10の軸方向両端面には冷却用ファン12、13が設けられている。
また、回転電機100は、回転軸1のリヤ側に装着された一対のスリップリング4と、回転軸1のリヤ側外周に位置するようにリヤブラケット7に取り付けられたブラシホルダ80と、上記一対のスリップリング4に摺接するようにブラシホルダ80内に配置された一対のブラシ8を備えている。
さらに、回転電機100は、直流電力を交流電力又は交流電力を直流電力に変換するパワー回路部30と、回転子10の界磁巻線3に界磁電流を供給する界磁回路部31と、パワー回路部30及び界磁回路部31を制御する制御回路部32を備えている。制御回路部32は、外部接続用コネクタ35に電気的に接続され、電源端子(図示せず)を介して外部に接続される。外部接続用コネクタ35は、制御回路部32の近傍に配設されている。
パワー回路部30は、後述する3相ブリッジ回路の正極側アームを構成する3個のパワー素子30a及び負極側アームを構成する3個のパワー素子30bと、当該パワー素子30a、30bに電気的に接続される電極部材を兼ねたヒートシンク30gを備えている。各パワー素子30a、30b間の接続は、樹脂にインサート成形された導電性部材(図示せず)と、ヒートシンク30gとによって行われ、中継配線部材(図示せず)により制御回路部32に電気的に接続される。
前述の制御回路部32は、制御回路基板32aと、制御回路基板32aを収納するための樹脂製のケース33を備えている。ケース33は、防水カバー33a等により制御回路基板32aへの塩泥水の浸入を防ぐような防水構造を有している。界磁回路部31は、制御回路基板32aと同一基板上に実装することも可能であり、また、制御回路基板32aと分離して構成してもよい。
図2は、この発明の実施の形態1による回転電機の回路図である。図2において、パワー回路部30、界磁回路部31、制御回路部32によりパワー部300が構成されている。パワー回路部30は、前述の3相ブリッジ回路の正極側アームを構成する3個のパワー素子30aと、前述の負極側アームを構成する3個のパワー素子30bを備えている。
ここで、この発明の実施の形態1による回転電機をより理解し易くするため、従来の例について述べる。図17は、従来の車両用の交流発電機用もしくはモータージェネレータのブラシホルダの斜視図である。図17において、ブラシホルダ80は、絶縁性の樹脂で射出成形などにより成形され、その円環部801の内部に回転軸1に固定されているスリップリング4(図1参照)が配置される。また、円環部801の内面には、ブラシ保持部803内に収納されているブラシ8(図1参照)を突出させてスリップリング4に接触させるための開口部802が形成されている。ブラシホルダ80は、その一部分がリヤブラケット7に固定されることによりリヤブラケット7の内部に固定される。また、ブラシホルダ80には、ブラシに界磁電流を供給するための通電用ターミナル82が設置されている。
このような構成の従来のブラシホルダ80を、図1に示す界磁巻線式の回転電機100に適用した場合において、界磁回路部31からの界磁電流はリヤブラケット7に固定されたブラシホルダ80に保持されたブラシ8と回転軸1に取り付けられたスリップリング4を介して供給されるが、固定されているブラシ8と回転しているスリップリング4が接触するために、両者の摩擦により、ブラシ8とスリップリング4との摺動部では発熱が生じる。また、この摺動部では、ブラシ8とスリップリング4は接触状態で保持されるため、接触部の電気抵抗に起因した発熱も生じる。さらに、通電にともなう各部材中のジュール発熱も同時に生じる。また、ブラシホルダ80とスリップリング4の間は、外部からの異物や水の進入を防止するため樹脂モールド14によって形成される迷路14aの隙間があるのみで冷却風の流入も制限される。以上の理由から、ブラシ温度が上昇し、ブラシ寿命が低下する問題がある。
さらに、車両用の交流発電機用もしくはモータージェネレータでは、ファンが設置された回転子の回転により生じる冷却風により内部を冷却する構造をとっている。このため、リヤブラケット7には多数の通風口が設けられており、外部からの異物が容易にブラシホルダ近傍に混入できる。スリップリング4とブラシ8の当接部は、異物による部材間の短絡を起こさないために、ブラシ摩耗粉排出用の異物が侵入しづらいブラシホルダ80とスリップリングモールド樹脂とで構成したラビリンス構造のわずかな隙間を除いて、密閉されている。このため、ブラシ8自身もしくは、ブラシ8とスリップリング4の当接部の付近には有効な放熱経路が無く、ブラシが高温になるという問題がある。
そこで、この発明の実施の形態1による回転電機では、後述するようにブラシホルダ80に、通電用ターミナルとは別のブラシ冷却用金属部材を設置し、車両用の交流発電機もしくはモータージェネレータ内部の温度が低い部分(パワー部冷却用のヒートシンク30gなど)に接続することで、ブラシもしくはブラシとスリップリングの当接部で生じた熱を、効率よく放熱させるものである。
図3は、この発明の実施の形態1による回転電機のブラシホルダ、およびブラシホルダの内部に設置されたブラシと通電用ターミナルとブラシ冷却用金属部材の拡大斜視図であり、(a)はブラシホルダ、(b)はブラシホルダの内部に設置されたブラシと通電用ターミナルとブラシ冷却用金属部材を示している。図3の(a)に示すように、ブラシホルダ80のブラシ保持部803には、通電用ターミナル82とは別のブラシ冷却用金属部材81が配置されている。このブラシ冷却用金属部材81は、ブラシホルダ構成樹脂によりインサート成形もしくはアウトサートされることでブラシ保持部803に固定される。
ブラシ冷却用金属部材81は、少なくとも一部をブラシホルダ80におけるブラシ保持部803の両側部の外部に夫々露出するように設置されている。これにより、ブラシ8、もしくはブラシ8とスリップリング4の当接部で生じた熱は、ブラシ冷却用金属部材81に伝わり、ブラシホルダ80の外部に放出される。また、ブラシ冷却用金属部材81がブラシホルダ80内部にインサート成形、もしくはアウトサートされていることで、別途設置する場合と比べて取り付けコストを削減できる。
図3の(b)に示すように、ブラシホルダ構成樹脂内部には、ブラシ8の両側部を囲むようにブラシ冷却用金属部材81が配置されている。このブラシ冷却用金属部材81は、ブラシ8の周面を覆う第1の金属部材810と、この第1の金属部材810の表面に結合されその表面からほぼ直角方向に突出する第2の金属部材811とにより構成される。第1の金属部材810は、ブラシホルダ80を構成する樹脂内にインサート成形もしくはアウトサートされる。ブラシ冷却用金属部材81は、ブラシ8と絶縁されるように設置されている。その絶縁を確保する方法としては、例えば0.5[mm]程度の樹脂層を介してブラシ8の表面に沿うように第1の金部材810を設け、この第1の金属部材810に第2の金属部材811を固定することで、直接、ブラシ冷却用金属部材81とブラシ8が接触しないように構成することが可能である。
ブラシ8を収納している空間と平行に配置される第1の金属部材810は、その面積が大きいほど、第1の金属部材810と第2の金属部材811からなるブラシ冷却用金属部材81からの放熱性を高めることができる。第1の金属部材810の面積を大きくするためには、第1の金属部材810を、ブラシ8を収納している空間に沿わせて折り曲げ、好ましくはブラシ8の4面を囲うことで面積を最大限にすることができる。さらに、ブラシホルダ80の内部に、骨組みのようにブラシ冷却用金属部材81の第1の金属部材810が配置されているため、ブラシホルダ80全体の機械的な強度が向上し、外部からの荷重や衝撃を受けた際に破壊されることを防止することができる。
この実施の形態1では、ブラシ8とブラシ冷却用金属部材81との間の絶縁にはブラシホルダ80を構成している樹脂を用いるようにしているが、例えばブラシ冷却用金属部材81に、溶射やラミネートなどで絶縁材料をコーティングして構成してもよい。これにより、ブラシホルダ80からの露出しているブラシ冷却用金属部材81の第2の金属部材811に外部からの異物が付着した場合、もしくは、車両用の交流発電機もしくはモータージェネレータ内の他の部材に接してブラシ冷却用金属部材81の第2の金属部材811を設置した場合でも、界磁電流のリークや短絡が生じない。
図4は、この発明の実施の形態1による回転電機の実施の形態1における、ブラシホルダとヒートシンクとの接続面を含む断面を示す概略図である。図4に示すブラシホルダ80は、図3におけるA−A断面に相当する。図4において、ブラシ冷却用金属部材81の第1の金属部材810は、1対のブラシ8の半周面を囲うように略E字状の断面形状をしており、1対のブラシ冷却用金属部材81の第1の金属部材810により各ブラシ8のほぼ全周面を囲うように配置されている。
ブラシホルダ80から露出したブラシ冷却用金属部材81の一部である第2の金属部材811のボス部は、パワー回路が搭載されているヒートシンク30gのフィン30g2に設けられたボス部に、ねじ83により連結されている。なお、ブラシホルダ80から露出した第2の金属部材811は、ヒートシンク30gにねじ83により固定する代わりに、接着剤、もしくは、かしめなどにより、ブラシホルダ80を固定してもよい。
このヒートシンク30gは、パワー回路冷却用のヒートシンクであり、ベース面30g1から突出したフィン30g2に回転子の回転により生じる冷却風が効率よく供給されるように設計されている。ヒートシンク30gは、冷却風の作用によって、ブラケットなどよりも動作中の温度が低くなる。ブラシホルダ80から露出したブラシ冷却用金属部材81は、ブラシ8、もしくはブラシ8とスリップリング4との当接部で生じた熱を、接続されたヒートシンク30gへ熱伝導によって放出する。これらの理由により、ブラシ8から効率よく放熱され、ブラシ8の温度が低減される。この放熱モデルは、たとえば、ブラシ8の近傍で生じた熱を、ブラシホルダ80の外周部に冷却用のヒートシンク30gなどを取り付けて外部雰囲気に排出するモデルよりもブラシ冷却性で優れる。加えて、ブラシ冷却用金属部材81の露出している部分は、大きな風量の冷却風が流れる部分であり、ブラシ冷却用金属部材81の露出部表面からも、放熱が期待できる。
また、ブラシ冷却用金属部材81のヒートシンク30gとの接続部は、ブラシホルダ固定用の構造を兼ね備えている。これにより、ブラシホルダ固定用の構造を新たに設ける必要が無くなり、ブラシホルダの材料および製造コストが低減される。さらに、ブラシホルダ80が別途固定用の構造を持つ場合は、ブラシ冷却用金属部材81におけるブラシホルダ固定用の構造と相俟って、ブラシホルダ固定強度が一段と高くなる。
ブラシ冷却用金属部材81をブラシホルダ80の固定用に用いると、ブラシホルダ構成樹脂などを固定用に用いる場合と比べて、温度サイクルや経年劣化による形状変化である樹脂枯れによる問題、たとえば、ネジの緩みなどを防止できる。また、ブラシ冷却用金属部材81とヒートシンク30gをねじ止め、接着剤、もしくは、かしめなどで固定することで、ブラシ冷却用金属部材81とヒートシンク30gの接触部は、加圧されたり、熱伝導率が小さい部材で充填されるなどして、接触熱抵抗を小さくできる。これにより、ブラシ冷却用金属部材81による放熱経路の熱抵抗が低減され、さらに効率よくブラシの温度を低減できる。また、この実施の形態1によるブラシホルダ80は、元来の固定機構に追加してボス部の固定が加わり、通常の固定機構のみで保持されるブラシホルダよりも共振周波数を高く設定することができる。この実施の形態1によるブラシホルダは、振動に対する信頼性を高めることが可能となる。
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2による回転電機における、ブラシホルダとヒートシンクとの接続面を含む断面を示す概略図である。図5において、ブラシホルダ80から露出したブラシ冷却用金属部材81の第1の金属部材810は、ヒートシンク30gのベース面30g1側に延び、その端部8101がヒートシンク30gのベース面30g1に対向するように折り曲げられてボス部を形成している。この第1の金属部材810の端部8101は、ヒートシンク30gのベース面30g1に当接して接続されている。
この実施の形態2によれば、ブラシ冷却用金属部材81とヒートシンク30gとの接続部は、接触面積を大きく取ることができる。このため、この接続部の接触熱抵抗を低くすることができ、ブラシ8の熱を放熱する点で有利となる。また、ヒートシンク30gへの放熱経路の個数も同時に増加することになり、放熱性が有利となる。さらに、ブラシホルダ80は、ブラシ冷却用金属部材81の第1の金属部材810のボス部がートシンク30gのベース面30g1に固定されることになり、固定強度や振動の抑制効果が発現するため、ブラシホルダ80の故障や振動などを低減することが可能である。したがって、ブラシホルダ80は、元来の固定機構に追加してボス部の固定およびヒートシンクベース面の固定が加わり、通常の固定機構のみで保持されるブラシホルダよりも共振周波数を高く設定することができ、ブラシホルダは振動に対する信頼性を高めることが可能となる。
図6は、この発明の実施の形態3による回転電機における、ブラシホルダとヒートシンクとの接続面を含む断面を示す概略図である。図6において、ブラシホルダ80から露出したブラシ冷却用金属部材81の第1の金属部材810は、ヒートシンク30gのベース面30g1側に延び、その端部8101がヒートシンク30gのベース面30g1に対向するように折り曲げられてボス部を形成している。この第1の金属部材810の端部8101は、ヒートシンク30gのベース面30g1に当接して接続されている。
この実施の形態3では、ブラシ冷却用金属部材81における第1の金属部材810の端部8101、及び第2の金属部材811は、樹脂、グリースもしくは接着材などの高放熱隙間充填材900を介して、ヒートシンク30gのベース面30g1及びフィン30g2に接続されている。これにより、これらの接続部の接触抵抗は低減されるため、ブラシ冷却能力が向上する。また、これらの高放熱隙間充填材900が設置されることで、ブラシホルダ80のブラシ冷却用金属部材81とヒートシンク30gの間に異物が侵入することを防止する効果もある。このため、衝撃時や大きな温度変化があった場合などでも放熱経路の一部となる、ブラシ冷却用金属部材81とヒートシンク30gの接触部の接触抵抗が悪化することがない。
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4による回転電機の樹脂モールド後のブラシホルダの斜視図であり、(a)はブラシホルダ、(b)はブラシホルダの内部に設置されたブラシと通電用ターミナルとブラシ冷却用金属部材を示している。図7の(a)、(b)に示すように、ブラシ冷却用金属部材81は、ブラシ8の周面に沿って配置された第1の金属部材810と、この第1の金属部材810の表面から直角方向に延びる第2の金属部材811と、第1の金属部材810の表面から直角方向に延び途中でほぼ直角に折り曲げられた複数の第3の金属部材812とから構成されている。第1の金属部材810は、ブラシホルダ80を構成する樹脂内にインサートされ、第2の金属部材811と第3の金属部材812は、ブラシホルダの樹脂から外部に露出している。そして第3の金属部材812は、放熱フィン状もしくは、くし歯状の形状の放熱部となる。
この実施の形態4によれば、ブラシホルダ80の外部に露出したブラシ冷却用金属部材81の第2の金属部材811と第3の金属部材812により、ブラシホルダ80の外部雰囲気への放熱がより促進される。そして、ブラシ8、もしくはブラシ8とスリップリング4との当接部で生じた熱は、第2の金属部材811によりブラシホルダ80からヒートシンク30gへ伝達される熱と、第3の金属部材812によりブラシホルダ80の外部雰囲気に放熱される熱とに分散する。この結果、ブラシホルダ80のブラシ冷却効果が向上とともに、ブラシ冷却用金属部材81が接続されたヒートシンク81gの温度上昇を防ぐ。また、ブラシ冷却用金属部材81の第2の金属部材811と第3の金属部材812により形成される放熱部は、冷却風の流量が大きい部分に配置される。このため、冷却風はこれらの放熱部に衝突し、より流速が小さい動作条件で乱流となる。これにより、ブラシホルダ80の上記放熱部のみならず、ブラシホルダ80の表面の熱伝達率が向上し、ブラシ冷却効果が向上する。
実施の形態5.
この発明の実施の形態5による回転電機におけるブラシホルダは、ブラシ温度低減効果を効果的に発現することができる熱伝導率が0.8[W/mK]以上の樹脂、例えばPPS、もしくは、PBTをベースにした樹脂により構成される。図8は、この発明の実施の形態5による回転電機のブラシホルダの熱伝導率とブラシの温度上昇の関係を示す特性図であり、縦軸はブラシの温度[k]、横軸はブラシホルダの熱伝導率[W/mk]を示す。
車両用の交流発電機もしくはモータージェネレータの発電時、回生発電時、駆動動作時などで上昇するブラシの温度は、ブラシホルダの熱伝導率を大きくすることで低減される。これは、ブラシ近傍で発熱した熱が、ブラシホルダ80を介して前述の実施の形態1乃至4に示すブラシ冷却用金属部材81に伝導し、ブラシホルダ80の外部に放出される際に、ブラシ8とブラシ冷却用金属部材81との間の熱抵抗が低減されるためであると考えられる。
ブラシ8の近傍で発生した熱は、ブラシホルダ80側からのみならず、スリップリング4を介した放熱経路や、ブラシ8のピグテールを介した放熱経路などの複数の放熱経路により放熱されるが、ブラシホルダ80の熱伝導率が約0.8[W/mK]以下である場合には、ブラシ近傍で発生する熱が、スリップリング4を介した放熱経路やブラシ8のピグテールを介した放熱経路などの放熱経路に伝導される割合よりもブラシ冷却用金属部材81を介した放熱経路へ伝導される割合の方がより大きくなるほどの効果は得られず、大きなブラシの温度低減効果をえることができないことを発明者らは確認した。このため、この実施の形態5による回転電機のブラシホルダは、ブラシ温度低減効果をより効果的に発現することができるように、熱伝導率が0.8[W/mK]以上の成樹脂によりブラシホルダ80を成形するようにしたものである。
なお、ブラシホルダ80の構成樹脂は、熱伝導率を向上させるために高熱伝導の高価なフィラーを添加するため、単位質量あたりの価格が増加する。このため、ブラシホルダ80の熱伝導率が3.0[W/mK]以上になると、材料コストの増大が懸念される。そこで、放熱性に対するコスト増大の費用対効果を高いレベルで保つためには、望ましくはブラシホルダ80の熱伝導率を0.8〜3.0[W/mK]にするとよい。
一方、ブラシホルダ80の構成樹脂とブラシ冷却用金属部材81は、インサート成形もしくはアウトサートされることにより、一体化されており、ブラシホルダ80に温度サイクルが付加されると、ブラシホルダ80の構成樹脂とブラシ冷却用金属部材81は、線膨張係数が異なるため、界面境界部近傍には、熱変化によるひずみが生じる。車両用の交流発電機もしくはモータージェネレータが置かれる雰囲気は、使用状態や車外環境雰囲気温度により、大きな温度差が生じる。このため、ブラシホルダは、温度サイクルに対する構成樹脂にクラック対策が必要となる。クラックが発生し進展すると、ブラシホルダの付近に侵入した水分や、異物がクラックの隙間を通って、ブラシとスリップリングの当接部に達し、回転電機の動作不良を引き起こす場合がある。これを防止するためには、ブラシホルダ構成樹脂とブラシ冷却用金属部材の線膨張係数差を小さくする必要がある。
図9は、この発明の実施の形態5による回転電機のブラシホルダの構成樹脂とブラシ冷却用金属部材の線膨張係数差と、温度サイクル付加時のブラシホルダ構成樹脂に発生するひずみ量の関係を示す特性図である。図9に示すように、ブラシホルダ80の構成樹脂とブラシ冷却用金属部材81の線膨張係数差が10[ppm]を超える構成になると、温度サイクルにより発生する界面境界部近傍に発生するひずみが繰返し発生することで、クラックが発生することを発明者らは確認した。このため、この発明による回転電機のブラシホルダにおける、ブラシホルダ80の構成樹脂とブラシ冷却用金属部材81の線膨張係数差を、10[ppm]以下としている。
また、ブラシ冷却用金属部材81は、銅(りん青銅も含む)、もしくは、真鍮により構成されている。ブラシ冷却用金属部材81をこれらの材料にすること、ブラシホルダ80から伝わった熱は、熱伝導率が高いこれらの部材で構成されたブラシ冷却用金属部材81を介してヒートシンク30gに熱伝導される。これにより、熱伝導率が低い鉄などでブラシ冷却用金属部材81を構成した場合と比較して、高いブラシ温度低減効果が発生する。このとき、ブラシ冷却用金属部材81を前述意の銅もしくは真鍮で構成する場合は、高いブラシ温度低減効果を保持できるが、熱伝導率が低い金属で作成した場合には、同じブラシ冷却性性能をブラシホルダ80に持たせるためには、外部に放熱フィンを接着したり、ブラシ冷却用金属部材81を大量に設置する必要がある。
これらの理由により、ブラシ冷却用金属部材81を銅もしくは真鍮にすることで、ブラシホルダ80自体を軽量化することができる。これより、車両用の交流発電機もしくはモータジェネレータ全体も軽くすることができる。また、ブラシホルダ80の構成樹脂は、PPS、もしくは、PBTをベースにした樹脂により構成する。これにより、ブラシ冷却用金属部材81とブラシホルダ80の構成樹脂との線膨張係数差を小さくできる。また、ブラシホルダ80の構成樹脂自体の耐熱性および機械的な強度などが高いブラシホルダ80を構成できる。さらに、PPS、もしくは、PBTは、リサイクル性も高く、環境面およびコスト面で優れる。
実施の形態6.
図10は、この発明の実施の形態6による回転電機のブラシホルダとヒートシンクとの接続面を含む断面を示す概略図である。図10において、ブラシ8とブラシ冷却用金属部材81とは、ブラシホルダ80の構成樹脂により絶縁される構成となっている。即ち、少なくともブラシ冷却用金属部材81における平板状の第1の金属部材810のブラシ側の面は、ブラシホルダ80の構成樹脂を介してブラシ8に対向しており、ブラシ8とブラシ冷却用金属部材81の第1の金属部材810とが直接接触することがない。
この実施の形態6では、ブラシ冷却用金属部材81がブラシホルダ80にインサート成形もしくはアウトサートされるのと同時に、絶縁構造も形成される。このため、ブラシホルダ80を製造に要する時間を低減でき、コストを削減可能となる。また、ブラシ冷却用金属部材81の第1の金属部材810とブラシ8との間に介在するブラシホルダ80の構成部材の厚みは、成形成立性もしくは強度が許す範囲で薄くすることが望ましい。ブラシ冷却用金属部材の第1の金属部材810とブラシ8との間に介在するブラシホルダ80の構成部材の厚みを薄くすることで、ブラシ近傍で発生した熱がブラシ冷却用金属部材81による放熱経路を通る割合が増加し、熱がヒートシンク30gに伝導されることで、ブラシ8の温度低減効果を大きくすることができる。
実施の形態7.
図11は、この発明の実施の形態7による回転電機のブラシホルダとヒートシンクとの接続面を含む断面を示す概略図である。図11において、ブラシ8とブラシ冷却用金属部材81との絶縁は、ブラシホルダ80の構成樹脂よりも熱伝導率が高い、もしくは、薄い厚みで構成できる部材910により構成されている。ブラシ冷却用金属部材81における第1の金属部材810のブラシ側の表面に、熱伝導率が高い絶縁材料、たとえば、高熱伝導フィラーを配合した樹脂シート910を貼り付けたり、溶射やラミネートなどで付着させた絶縁材料を配置する。
このように、熱伝導率が高い、もしくは厚みを薄くできる、またはその両方を備えた絶縁材料910により、ブラシ8とブラシ冷却用金属部材81との絶縁を確保することで、ブラシ8とブラシ冷却用金属部材81の間の熱抵抗を大幅に低減できる。この結果、ブラシ近傍で発生した熱は、その大部分をブラシ冷却用金属部材81を通る放熱経路に引き寄せられ、温度が低いヒートシンク30gに熱伝導されることで高いブラシ温度上昇抑制効果を得られる。このように、ブラシ8とブラシ冷却用金属部材91とを薄い絶縁材料を介して配置するため、ブラシホルダ80自体の必要な容積が小さくなり、成形樹脂の使用量を減少させるとともに、ブラシホルダ80重量も低減できる。この結果、車両用の交流発電機もしくはモータジェネレータを軽量化することが可能となる。
実施の形態8.
図12は、この発明の実施の形態8による回転電機のブラシホルダ構成樹脂に包括されるブラシとブラシ冷却用金属部材と通電用ターミナルの斜視図である。図12に示すように、ブラシ冷却用金属部材81は、2つの第1の金属部材810と、2つの第2の金属部材811により構成し、ブラシ8の側面のほぼ全域に対応するように2つの第1の金属部材810の表面を可能な限り大きく形成し、この2つの第1の金属部材810の表面を、ブラシ8を介して互いに向かい合うように配置している。
これにより、ブラシ8の近傍で発生した熱をブラシホルダ80の構成樹脂を介して、ブラシ冷却用金属部材81が受け取る面積を大きくとることができ、この放熱経路の熱抵抗を低減することができる。この場合、ブラシ8を取り囲むようにブラシ冷却用金属部材81を配置すればなお良い。ブラシ冷却用金属部材81がブラシ8から熱を受け取る面積がさらに大きくなるとともに、ブラシホルダ中で骨組みの役目をするため、構造強度が向上する。
実施の形態9.
図13は、この発明の実施の形態9による回転電機のブラシホルダ構成樹脂に包括されるブラシとブラシ冷却用金属部材と通電用ターミナルの斜視図である。図13に示すように、ブラシ冷却用金属部材81における第1の金属部材810は、スリップリング4(図示せず)とブラシ8の接触部付近に配置されている。このように、出来るだけスリップリング4とブラシ8との接触部の近傍に、ブラシ冷却用金属部材81の第2の金属部材810を配置することで、ブラシ冷却効果を大きくとることができる。また、ブラシホルダ80の形状の制約などで前述の図12のようにブラシ8と対向する第1の金属部材の表面をブラシ8の長さ方向に大きくとれないような場合などでも、ブラシ温度低減効果を保持できる。
実施の形態10.
図14は、この発明の実施の形態10による回転電機のブラシホルダの斜視図である。ブラシ冷却用金属部材81の第2の金属部材811は、ブラシホルダ80の側面からほぼ垂直に延びる第1部材811aとこの第1部材811aからほぼ直角方向に延びる第2部材811bとの複数個のパーツを接続することで構成されている。これにより、ブラシホルダ80を成形する際の、設計の自由度を高くすることができる。ブラシ冷却用金属部材81は、回転子に設置されたファンにより引き起こされる冷却風の流れを妨げない位置にすることが望ましい。
実施の形態11.
図15は、この発明の実施の形態11による回転電機のブラシホルダの斜視図である。図15に示すように、ブラシホルダ80は、ブラシ8を格納するブラシ保持部803の空間部の壁面に装着された熱拡散用の金属性プレート920を備えている。ブラシ冷却用金属部材81は、ブラシホルダ80の構成樹脂に埋設されブラシホルダの簿構成樹脂を介して対向する第1の金属部材810と、第2の金属部材811とにより構成される。
熱拡散用の金属プレート920は、銅、アルミもしくは鉄製である。この実施の形態11によれば、ブラシ近傍で発生した熱は、熱拡散用の金属プレート920により、ブラシ冷却用金属部材81の第1の金属部材810の平面の方向に拡散され、熱伝導面積を大きくとることで、この経路の熱抵抗を小さくすることができる。この結果、高いブラシ冷却性を備えるブラシホルダを構成できる。
実施の形態12.
図16は、この発明の実施の形態12による回転電機のブラシホルダとヒートシンクとの接続面を含む断面を示す概略図である。図16に示すように、ブラシ冷却用金属部材81は、ブラシホルダ80の樹脂成形後にブラシホルダ80の外側面に固定された第1の金属部材810と、第1の金属部材801に固定された第2の金属部材811とにより構成されている。
この実施の形態12によれば、設置できるブラシ冷却用金属部材81の形状自由度を向上することができる。これにより、ブラシホルダ80の周りの風の流れを阻害しない形状に、ブラシ冷却用金属部材を配置できる。この結果、ブラシ8およびヒートシンク30gに吹き付ける冷却風の流量を低減させることを回避でき、ブラシ8およびヒートシンク30gの温度上昇を低減可能となる。また、ブラシホルダ80の外周面に取付けるブラシ冷却用金属部材81は、高熱伝導接着剤、ねじによる固定など、できるだけブラシホルダ80とブラシ冷却用金属部材81の接触部の熱抵抗を低減できる方法で固定するとよい。これにより、この放熱経路の熱抵抗を低減でき、ブラシ温度低減効果を向上できる。
この発明は、自動車産業分野、とりわけ自動車に搭載される回転電機の分野に利用することができる。
100 回転電機、 1 回転軸、 2 界磁鉄心、 3 界磁巻線、
4 スリップリング、 5 固定子、 6、7 ハウジング、
8 ブラシ、 9 スリップリングターミナル、 10 回転子、
11 口出し線巻き付け部、 12 冷却用ファン、
13 冷却用ファン、 14 スリップリングモールド部、
15 スプリング、 16 回転センサ、
18 コイル口出し線、 19 ベアリング、 20 プーリ、
30 パワー回路部、 30a パワー素子、 30b パワー素子、
30g ヒートシンク、 30g1 ヒートシンクのベース面、
30g2 フィン、 31 界磁回路部、 32 制御回路部、
32a 制御回路基板、 33a 防水カバー、
35 外部用接続コネクタ、 40 露出部、 50 モールド樹脂、
60 モールド成形品、 80 ブラシホルダ、
81 ブラシ冷却用金属部材、 810 第1の金属部材、
811 第2の金属部材、82 通電用ターミナル、 83 ねじ、
900 高放熱隙間充填材、 812 第3の金属部材
910 樹脂シート、 920 金属プレート

Claims (18)

  1. 回転軸に固定された界磁鉄心と界磁巻線を有する回転子と、
    前記回転軸に固定され、前記界磁巻線に界磁電流を供給するスリップリングと、
    前記回転子の外周面に間隙を介して配置され、電機子巻線を有する固定子と、
    前記固定子を固定するハウジングと、
    前記ハウジングに固定され、前記スリップリングを介して上記界磁巻線に界磁電流を供給するブラシを保持するブラシホルダと、
    前記ハウジングに固定され、前記界磁電流を制御する界磁回路と前記電機子巻線に流れる電機子電流を制御するパワー回路を搭載したヒートシンクと、
    を備えた回転電機であって、
    前記ブラシホルダは、前記界磁回路と前記ブラシとを電気的に接続する通電用ターミナルと、前記ブラシを冷却するブラシ冷却用金属部材とを備え
    前記ブラシ冷却用金属部材は、少なくとも一部分が前記ブラシホルダの外部に露出した露出部を備え、
    前記ブラシ冷却用金属部材の前記露出部は、その少なくとも一部が前記ヒートシンクに接続されている、
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 前記ブラシ冷却用金属部材は、前記ブラシに対して電気的に絶縁されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記ブラシ冷却用金属部材は、前記ブラシホルダにインサート成形されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機。
  4. 前記ブラシ冷却用金属部材の前記露出部は、前記ブラシホルダを直接又は間接的に前記ハウジングに固定するための構造を備える、
    ことを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  5. 前記ヒートシンクは、ブラシホルダ固定用のボス部を備え、
    前記ブラシ冷却用金属部材の前記露出部は、前記ヒートシンクのボス部に固定される、
    ことを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  6. 前記ブラシ冷却用金属部材の前記露出部は、前記ヒートシンクのベース面に固定されている、
    ことを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  7. 前記ブラシ冷却用金属部材と前記ヒートシンクとは、熱伝導率の高い樹脂、グリース、接着材のうちの少なくとも一つを介して接続されている、
    ことを特徴とする請求項1から6のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  8. 前記ブラシ冷却用金属部材の前記露出部は、少なくとも一部が折曲したフィン状もしくはくし歯状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1から7のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  9. 前記ブラシホルダは、熱伝導率が0.8[W/mK]以上の材料で構成されている、
    ことを特徴とした請求項1から8のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  10. 前記ブラシホルダを構成する材料と前記ブラシ冷却用金属部材の材質との線膨張係数差が10[ppm]以内である、
    ことを特徴とする請求項1から9のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  11. 前記ブラシホルダを構成する材料は、PPSもしくはPBTであり、
    前記ブラシ冷却用金属部材を構成する材料は、銅もしくは真鍮である、
    ことを特徴とする請求項1から10のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  12. 前記ブラシと前記ブラシ冷却用金属部材との間に、前記ブラシホルダを構成する樹脂が配置されている、
    ことを特徴とする請求項1から11のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  13. 前記ブラシと前記ブラシ冷却用金属部材との間に、前記ブラシホルダを構成する樹脂よりも熱伝導率の高い部材が配置されている、
    ことを特徴とする請求項1から12のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  14. 前記ブラシ冷却用金属部材は、前記ブラシの少なくとも外周面の周面の一部に対向して配置されている、
    ことを特徴とする請求項1から13のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  15. 前記ブラシ冷却用金属部材は、少なくとも前記スリップリングと前記ブラシとの接触部近傍に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1から14のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  16. 前記ブラシ冷却用金属部材は、複数個の部材により構成されている、
    ことを特徴とする請求項1から15のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  17. 前記ブラシホルダは、前記ブラシが格納される空間部の壁面に熱拡散用のプレートを備え
    前記ブラシ冷却用金属部材は、その一部が前記プレートに並行して配置されている、
    ことを特徴とする請求項1から16のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  18. 前記ブラシ冷却用金属部材は、前記ブラシホルダの成形後に前記ブラシホルダ外側面に固定される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機。
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