JP5648865B2 - 天井搬送車及び物品搬送設備 - Google Patents
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Description
そして、このような天井搬送車において、搬送対象箇所の設置誤差等により搬送対象箇所が天井搬送車に支持された物品に対して適正な位置から水平方向にずれている場合がある。このような場合に対応するために、従来では、リンク機構の上端部が連結される上側連結部を、走行体における走行レールに案内支持される本体部に対して水平方向にスライド移動自在に構成し、スライド用駆動部にて上側連結部をスライド移動させることで、基板を搬送対象箇所に対して水平方向で適正な位置に移動させるように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
前記上側連結部が、前記走行体における前記走行レールに案内支持される本体部に対して水平方向に沿う水平軸心周りに揺動自在に支持され、前記支持体における前記物品を支持する物品支持部が、前記下側連結部に対して水平方向に沿う揺動軸心周りに揺動自在で且つ前記揺動軸心が前記水平軸心と平行になるように前記下側連結部に支持され、前記上側連結部を前記本体部に対して前記水平軸心周りに揺動させて、前記リンク機構が伸縮する方向が鉛直方向となる鉛直姿勢と前記リンク機構が伸縮する方向が前記鉛直方向に対して交差する上下方向となる傾斜姿勢とに前記リンク機構の姿勢を切り換える揺動用駆動部と、前記鉛直姿勢及び傾斜姿勢で前記リンク機構を伸縮させるように前記伸縮用駆動部及び前記揺動用駆動部の作動を制御する制御装置と、が備えられている点にある。
そして、上側連結部は走行部に対して揺動するだけなので、上側連結部が水平方向に大きく移動しないため、走行体を設置するために水平方向に大きなスペースを必要とせず、走行体の設置スペースの省スペース化を図ることができる。
つまり、移載対象箇所が走行方向にずれている場合では、走行体を走行方向に沿って走行させることで位置ずれを修正することができるが、移載対象箇所が走行方向に対して直交する横幅方向にずれている場合では、走行体を走行方向に沿って走行させても位置ずれを修正することができない。しかし、上述のように、走行体の走行方向に沿う水平軸心周りに上側連結部を揺動させることで、走行体を走行方向に沿って走行させても位置ずれを修正できない横幅方向での位置ずれに対応することができる。
しかも、リンク機構をXリンク機構にて構成した場合のように、上側リンク体同士や下側リンク体同士を連結する必要がなく、また、上側リンク体を上側連結部にスライド移動自在に連結する必要や下側リンク体を下側連結部にスライド移動自在に連結する必要もないため、リンク機構の構成及び上側連結部や下側連結部との連結構造の簡素化を図ることができる。
そして、一対の上側リンク体を一方側伸縮用駆動部及び他方側伸縮用駆動部にて各別に揺動駆動させるものであるため、一対の上側リンク体を単一の伸縮用駆動部にて揺動させる場合に比べて、一方側伸縮用駆動部や他方側伸縮用駆動部を駆動力が小さな小型のものを用いることができる。そのため、揺動用駆動部にて上側連結部を水平軸心周りに揺動させて物品を水平方向に移動させるように構成された省スペース化が図られた走行体に一方側伸縮用駆動部や他方側伸縮用駆動部を設置し易いものとなる。
前記物品が、板状に形成された基板であり、前記天井搬送車が、面方向が上下方向に沿う姿勢の基板の上端部を前記支持体にて支持し、前記支持体の下降移動により搬送対象箇所に設けられた基板保持部に基板を受け渡すように構成され、前記基板保持部が、前記支持体の下降移動により下降する基板が上方側から挿入自在に前記基板の厚み方向に一対の挟持用部材を離間させた挿入状態と、前記一対の挟持用部材の間に挿入された基板を挟持するべく前記一対の挟持用部材を接近させた挟持状態とに切り換え自在に構成されている点にある。
そして、揺動用駆動部にて上側連結部を本体部に対して水平軸心周りに揺動させた場合では、リンク機構が鉛直姿勢から傾く。そのため、その傾いた姿勢でリンク機構を伸長させると、支持体は斜め下方に移動し、その支持体に支持された基板も斜め下方に移動するが、基板保持部が備える一対の挟持用部材を離間させて基板保持部を挿入状態としておくことにより、斜め下方に下降する基板を一対の挟持用部材の間に上方側から挿入させることができる。そして、このように一対の挟持用部材の間に基板を挿入させた状態で、一対の挟持用部材を接近させて基板保持部を挟持状態に切り換えることにより、一対の挟持用部材にて基板を挟持して、基板を保持することができる。
このように、揺動用駆動部にて上側連結部を水平軸心周りに揺動させて物品を水平方向に移動させるように構成して走行体の省スペース化が図られた場合でも、基板を基板保持部に受け渡すことができる。
図1に示すように、物品搬送設備に備えられた天井搬送車1は、天井に設置された走行レール2に案内支持される状態で設けられており、搬送対象箇所Eの上方を経由する走行経路3に沿って走行して物品としての板状に形成された基板Wを搬送するように構成されている。ちなみに、本実施形態では、基板Wとして、液晶パネル等のガラス基板の加工に用いられるフォトマスクを天井搬送車1にて搬送している。
尚、走行方向に沿う水平方向を前後方向と称し、この前後方向に直交する水平方向を横幅方向と称して説明する。図1において、前後方向を矢印Xで示し、横幅方向を矢印Yで示している。天井搬送車1は、前後方向の後方側(図1の右側)から前方側(図1の左側)に一方向に走行するようになっている。
そして、天井搬送車1は、基板支持台5の授受箇所5aや基板収納容器6の収納部6aに基板Wを受け渡し、授受箇所5aや収納部6aから基板Wを受け取るように構成されている。
基板支持台5は、処理装置4に対して横幅方向に隣接した状態で設けられており、処理装置4には、基板支持台5の基板Wを処理装置4内に取り込み且つ処理装置4内の基板Wを基板支持台5に取り出す基板搬送装置(図示せず)が設けられている。
尚、基板支持台5や基板収納容器6が搬送対象箇所Eに相当し、基板支持台5の授受箇所5aや基板収納容器6の複数の収納部6aの夫々が基板保持部eに相当するものであり、基板保持部eの夫々は走行経路3の真下に位置している。
一対の挟持用部材8の夫々における上下方向の長さは、基板Wの上下方向の長さの1/3程度の長さに形成されており、一対の挟持用部材8にて基板Wの下部を厚み方向に挟持する形態で保持するように構成されている。
尚、収納部6aに備えられた一対の挟持用部材8については、一対の挟持用部材8を前後方向に並べた状態で設けられている点以外は授受箇所5aのものと同様に構成されているため、説明は省略する。
図2に示すように、走行体11の走行本体部15(本体部に相当)には、走行用電動モータ16にて回転駆動されて走行レール2の上面を転動する駆動輪17と、走行レール2の側面に当接する回転自在な案内輪(図示せず)とが設けられている。そして、走行用電動モータ16にて駆動輪17が回転駆動され、案内輪が走行レール2にて接触案内されることにより、走行体11が走行レール2に案内されて走行経路3に沿って走行するように構成されている。
そして、走行体11の走行本体部15に、上側連結部18を走行本体部15に対して第1軸心L1周りに揺動させる揺動用駆動部としての揺動用電動モータ19が設けられている。走行体11は、この揺動用電動モータ19の駆動により上側連結部18を揺動させて、図5に示すように、上側連結部18に連結されている昇降操作機構13を第1軸心L1周りに揺動させるように構成されている。
昇降操作機構13は、上端部が走行体11の上側連結部18に連結され且つ下端部が支持体12の下側連結部23に連結されて上下方向に伸縮自在なリンク機構21と、リンク機構21を伸縮させる伸縮用駆動部22とを備えて構成されている
ちなみに、リンク機構21は、第2軸心L2と第3軸心L3と第4軸心L4とが平行となる状態で設けられており、これら第2軸心L2と第3軸心L3と第4軸心L4とは、第1軸心L1と直交し、横幅方向に沿っている。
尚、一対のリンク機構21は、互いに前後方向にずらした状態で上側連結部18及び下側連結部23に連結されており、便宜上、前側に連結された一方のリンク機構21を前側リンク機構21Fと称し、後側に連結された他方のリンク機構21を後側リンク機構21Rと称する。
また、下側連結部23における横幅方向の一方側(右側)を向く面に前側リンク機構21Fの下側リンク体25が連結され、下側連結部23における横幅方向の他方側(左側)を向く面に後側リンク機構21Rの下側リンク体25が連結されている。
このようにして、一方のリンク機構21は、他方のリンク機構21に対して横幅方向に異なる箇所で、上側連結部18及び下側連結部23に連結されている。
このようにして、前側リンク機構21Fは、後側リンク機構21Rと同高さで、かつ、後側リンク機構21Rに対して前後方向に異なる箇所で、上側連結部18及び下側連結部23に連結されている。
ちなみに、一対のリンク機構21の夫々は、横幅方向視で上側リンク体24を上側連結部18に連結する箇所から真下に位置する箇所において下側リンク体25を下側連結部23に連結する状態で設けられている。
ちなみに、前側リンク機構21Fにおける上側リンク体24と下側リンク体25との連結箇所は、後側リンク機構21Rにおける上側リンク体24の上側連結部18に連結する箇所や下側リンク体25の下側連結部23に連結する箇所より後方側に位置しており、また、後側リンク機構21Rにおける上側リンク体24と下側リンク体25との連結箇所は、前側リンク機構21Fにおける上側リンク体24の上側連結部18に連結する箇所や下側リンク体25の下側連結部23に連結する箇所より前方側に位置している。
また、伸縮用駆動部22は、前側リンク機構21Fにおける上側リンク体24を揺動駆動させる一方側伸縮用駆動部としての前側用電動モータ22Fと、後側リンク機構21Rにおける上側リンク体24を揺動駆動させる他方側伸縮用駆動部としての後側用電動モータ22Rとを備えて構成されている。
そして、昇降操作機構13は、伸縮用駆動部22にて一対のリンク機構21の夫々を伸長させることで、支持体12を下降移動させ、且つ、伸縮用駆動部22にて一対のリンク機構21の夫々を短縮させることで、支持体12を上昇移動させるように構成されている。
尚、前側用電動モータ22Fは、その出力軸が前側リンク機構21Fの上側リンク体24の第2軸心L2周りに回転駆動するように設けられており、後側用電動モータ22Rは、その出力軸が後側リンク機構21Rの上側リンク体24の第2軸心L2周りに回転駆動するように設けられている。
図2及び図3に示すように、支持体12には、リンク機構21の下側リンク体25が連結される下側連結部23に対して前後方向に沿う第5軸心L5周りに揺動自在に支持され且つ基板Wを支持する物品支持部28を上下方向に沿う第6軸心L6周りに回転自在に支持する揺動部27が備えられている。
また、支持体12には、揺動部27に対して物品支持部28を第6軸心L6周りに回転駆動させる回転用電動モータ29(図6参照)、及び、下側連結部23に対して揺動部27が第5軸心L5周りに揺動自在な状態と下側連結部23に対して揺動部27が第5軸心L5周りに揺動することを規制する状態とに切り換えるための切換用電動シリンダ30(図6参照)が備えられている。
ちなみに、基板Wの姿勢を前後姿勢に姿勢変更した状態で、天井搬送車1を走行経路3に沿って走行移動させ且つ基板Wを基板支持台5の授受箇所5aに受け渡すようになっている。また、基板Wの姿勢を横姿勢に姿勢変更した状態で、基板Wを基板収納容器6の収納部6aに受け渡すようになっている。
そして、揺動部27の揺動規制が解除された状態では、図5に示すように、揺動用電動モータ19の作動によりリンク機構21が第1軸心L1周りに揺動されても、揺動部27が第5軸心L5周りに揺動することで基板Wの姿勢が変わらず、基板Wの表面が鉛直方向に沿う姿勢で維持されるようになっている。
ちなみに、基板支持台5や基板収納容器6の設置誤差により、搬送対象箇所Eが走行経路3に対して真下の位置から横幅方向にずれている場合があり、このように位置がずれている搬送対象箇所Eについては位置ずれ箇所と記憶し、その位置ずれ箇所として記憶された搬送対象箇所Eに対して、走行経路3に対する搬送対象箇所Eの横幅方向でのずれ量及び搬送対象箇所Eと天井搬送車1との高低差から求めた補正揺動量が予め記憶されている。
まず、基板Wを支持する天井搬送車1を搬送対象箇所Eに対応する停止位置に停止させる走行制御を実行する。そして、搬送対象箇所Eが基板収納容器6の収納部6aである場合は、回転用電動モータ29を作動させて物品支持部28を揺動部27に対して第6軸心L6周りに90°回転させる回転制御を実行する。また、搬送対象箇所Eが位置ずれ箇所である場合は、切換用電動シリンダ30を作動させて規制解除状態に切り換え、揺動用電動モータ19を作動させて上側連結部18を走行本体部15に対して補正揺動量だけ第1軸心L1周りに揺動させた後、切換用電動シリンダ30を作動させて規制状態に切り換えるチルト制御を実行する。その後、前側用電動モータ22F及び後側用電動モータ22Rを作動させて、一対のリンク機構21を伸長させる伸長制御を実行する。
尚、受取処理は、受渡処理の逆の手順で行うものであり、説明は省略する。
(1)上記実施形態では、リンク機構21を、上側リンク体24と下側リンク体25とでく字状に構成し、このようなく字状のリンク機構21を、各別に伸縮自在な状態で一対設けたが、リンク機構21を、上側リンク体24同士及び下側リンク体25同士を長手方向の中間部で揺動自在に連結したX字状のXリンク機構に構成してもよい。ちなみに、リンク機構21をXリンク機構にて構成した場合、リンク機構21を、単一のXリンク機構にて構成してもよく、また、Xリンク機構を上下方向に複数並べて構成してもよい。
また、上記実施形態では、基板保持部eを、挿入された基板Wの自重により挿入状態から挟持状態に切り換えられるように構成したが、基板保持部eを、一対の挟持用部材8を駆動操作する駆動手段を設け、その駆動手段の駆動により基板保持部eを挿入状態から挟持状態に切り換えられるように構成してもよい。
2 走行レール
3 走行経路
8 挟持用部材
11 走行体
12 支持体
13 昇降操作機構
15 本体部
18 上側連結部
21 リンク機構
22 伸縮用駆動部
22F 一方側伸縮用駆動部
22R 他方側伸縮用駆動部
23 下側連結部
24 上側リンク体
25 下側リンク体
E 搬送対象箇所
e 基板受渡部
L1 水平軸心
W 基板(物品)
Claims (5)
- 天井側に配設された走行レールに案内支持された状態で走行経路に沿って走行自在な走行体と、前記走行体に吊下げ支持され且つ物品を支持自在な支持体と、前記走行体に対して前記支持体を昇降移動操作する昇降操作機構とを備え、
前記昇降操作機構が、上端部が前記走行体の上側連結部に連結され且つ下端部が前記支持体の下側連結部に連結されて上下方向に伸縮自在なリンク機構と、前記リンク機構を伸縮させる伸縮用駆動部とを備えて構成されている天井搬送車であって、
前記上側連結部が、前記走行体における前記走行レールに案内支持される本体部に対して水平方向に沿う水平軸心周りに揺動自在に支持され、
前記支持体における前記物品を支持する物品支持部が、前記下側連結部に対して水平方向に沿う揺動軸心周りに揺動自在で且つ前記揺動軸心が前記水平軸心と平行になるように前記下側連結部に支持され、
前記上側連結部を前記本体部に対して前記水平軸心周りに揺動させて、前記リンク機構が伸縮する方向が鉛直方向となる鉛直姿勢と前記リンク機構が伸縮する方向が前記鉛直方向に対して交差する上下方向となる傾斜姿勢とに前記リンク機構の姿勢を切り換える揺動用駆動部と、
前記鉛直姿勢及び傾斜姿勢で前記リンク機構を伸縮させるように前記伸縮用駆動部及び前記揺動用駆動部の作動を制御する制御装置と、が備えられている天井搬送車。 - 前記上側連結部が、前記走行体の前記本体部に対して前記走行体の走行方向に沿う前記水平軸心周りに揺動自在に支持されている請求項1記載の天井搬送車。
- 前記リンク機構が、上端部が前記上側連結部に揺動自在に連結された上側リンク体の下端部と下端部が前記下側連結部に揺動自在に連結された下側リンク体の上端部とを揺動自在に連結させて構成され、
前記リンク機構が、各別に伸縮自在な状態で一対設けられ、
前記伸縮用駆動部が、前記一対のリンク機構の一方における前記上側リンク体と前記一対の前記リンク機構の他方における前記上側リンク体との夫々を互いに逆方向に揺動させることで前記一対のリンク機構を伸縮させるように構成されている請求項1又は2記載の天井搬送車。 - 前記伸縮用駆動部が、前記一方のリンク機構における前記上側リンク体を揺動駆動させる一方側伸縮用駆動部と、前記他方のリンク機構における前記上側リンク体を揺動駆動させる他方側伸縮用駆動部とを備えて構成されている請求項3記載の天井搬送車。
- 前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の天井搬送車が備えられた物品搬送設備であって、
前記物品が、板状に形成された基板であり、
前記天井搬送車が、面方向が上下方向に沿う姿勢の基板の上端部を前記支持体にて支持し、前記支持体の下降移動により搬送対象箇所に設けられた基板保持部に基板を受け渡すように構成され、
前記基板保持部が、前記支持体の下降移動により下降する基板が上方側から挿入自在に基板の厚み方向に一対の挟持用部材を離間させた挿入状態と、前記一対の挟持用部材の間に挿入された基板を挟持するべく前記一対の挟持用部材を接近させた挟持状態とに切り換え自在に構成されている物品搬送設備。
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