JP5647082B2 - ゴムクローラ用スチールコードバンドの製造方法 - Google Patents

ゴムクローラ用スチールコードバンドの製造方法 Download PDF

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本発明は、農業用作業機、土木用作業機等に装着されるゴムクローラに使用されるスチールコードバンドに関する。
ゴムクローラは、農業用作業機等のクローラ式走行装置における駆動輪、従動輪および転輪に巻き掛けられて、その周方向に循環することにより農業用作業機等を走行させる。このとき、ゴムクローラには周方向に大きな張力が作用する。この大きな張力に耐えられるようにするため、ゴムクローラには、スチールコードが複数並べられて帯状に形成されたスチールコードバンドが、クローラ周方向に1周巻回された状態で埋め込まれる。
このようなスチールコードバンドは、一般に所定の長さに形成された後に、両端が重ね合わされて無端状(閉鎖ループ)に加工される。しかし、有端帯状に形成された後に両端が重ね合わされたスチールコードバンドは、重ね合わせ部分の剛性が他の部分よりも大きく変形し難い。そのため、このようなスチールコードバンドは、駆動輪および従動輪を通過するとき、重ね合わせ開始部分と終了部分におけるゴムの歪みが大きくなり、ゴムがスチールコードバンドから剥離する等の問題が生ずる。
この問題に対して、スチールコードから有端帯状のスチールコードバンドを経由せずに、重ね合わせ部分を有しない無端状のスチールコードバンドを直接に製造する技術が提案されている(特許文献1)。
特開平8−103969号公報
特許文献1に開示された技術は、ゴムトリートメントされたスチールコードを成形ドラムに単層となるようかつ密に巻き取り、加硫処理を行ってゴムクローラを得る。成形ドラムへのゴム被覆スチールコードの巻き取りは、ステッチャーローラーにより隣り合うトリートゴム同士が密着される。しかし、ゴムトリートメントされたスチールコードをステッチャーローラーで動かす場合、ゴムの粘着性が成形ドラム等との間で抵抗となり、隣り合うゴムトリートメントされたスチールコード同士に隙間が残る。その結果、スチールコードバンドの厚さが部分的に薄くなるという問題がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、成形ドラムに隙間を有して巻き付けられてもスチールコードバンドの厚さが部分的に薄くならないゴムトリートメントされたスチールコード(ゴム被覆スチールコード)を用いたゴムクローラ用スチールコードバンドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るゴムクローラ用スチールコードバンドの製造方法は、ゴムクローラに埋設されるスチールコードバンドの製造方法であって、スチールコードがゴムで被覆されたゴム被覆スチールコードであって、前記スチールコードが延びる方向に直交する断面形状が、平行な2つの端縁と前記端縁に直交する方向に延び少なくともその一方の一部または全部が外方に凸である2つの端縁とで形成されたゴム被覆スチールコードを準備して、ゴム被覆スチールコードの間の前記断面方向の面積をBAとして前記断面において前記平行な2つの端縁を2辺とする矩形と区別される外方に凸となった凸状部の総面積をCAとして0.85CA≦BA≦1.3CAを満足するように、外方に凸である端縁の側を内側にして成形ドラムに螺旋状にかつ前記成形ドラムの軸方向に密着させないで、前記ゴム被覆スチールコードを前記成形ドラムに巻き付け、前記ゴム被覆スチールコードが前記成形ドラムに巻き付けられた状態で加硫のために加熱して、前記凸状部が流動してゴム被覆スチールコード間に移動することによりゴム被覆スチールコード間が埋められ均一な厚さのスチールコードバンドを得る。
好ましくは、前記ゴム被覆スチールコードとして、複数の前記スチールコードが一方向に間隔を有して前記ゴムに被覆されその断面における前記外方に凸である端縁が前記スチールコードの並ぶ方向に延びたものを使用する。
好ましくは、前記成形ドラムの外周にキャンバスを巻き付け、前記ゴム被覆スチールコードを前記キャンバスの上に巻き付ける。
前記ゴムクローラ用スチールコードバンドの製造方法において、前記複数のスチールコードは、いずれも複数の素線が撚り合わされまたは複数の素線が撚り合わされた撚り線が複数撚り合わされて形成されたものであり、前記ゴム被覆スチールコードとして、同数の最終撚りがS撚りのスチールコードおよび最終撚りがZ撚りのスチールコードが前記ゴムに被覆されたものを使用する。
本発明によると、成形ドラムに隙間を有して巻き付けられてもスチールコードバンドの厚さが部分的に薄くならないゴム被覆スチールコードを用いたゴムクローラ用スチールコードバンドの製造方法を提供することができる。
図1はゴム被覆スチールコードの断面図である。 図2はゴム被覆スチールコードが巻き取られた成形ドラムの部分断面図である。 図3はゴム被覆スチールコードにおける加硫成形時のゴムの動きを示す図である。 図4は短尺に切断されたゴム被覆スチールコードの概略図である。 図5は他のゴム被覆スチールコードの断面図である。 図6はゴム被覆スチールコードにおける加硫成形時のゴムの動きを示す図である。 図7は巻き方を変えたゴム被覆スチールコードにおける加硫成形時のゴムの動きを示す図である。 図8は種々のゴム被覆スチールコードの断面図である。
図1はゴムトリートメントされたスチールコード(以下「ゴム被覆スチールコード1」という)の断面図、図2はゴム被覆スチールコード1が巻き取られた成形ドラムの部分断面図、図3はゴム被覆スチールコード1における加硫成形時のゴムの動きを示す図である。
ゴム被覆スチールコード1は、2本のスチールコード11,11、およびスチールコー
ド11,11を被覆する被覆ゴム12からなる。スチールコード11は、線径の小さな素線(例えば線径0.175mm)が複数撚られた撚り線がさらに複数本撚り合わされ、2〜3mmの断面略円形に形成される。2本のスチールコード11,11は、一方が「S撚り」、他方が「Z撚り」に最終的に撚り合わされ、ゴム被覆スチールコード1では、撚り方向が異なるスチールコード11,11の2本が組み合わされる。スチールコード11として、複数の素線をまとめて撚り合わせたものを使用してもよい。
被覆ゴム12は、ゴムが使用され、等間隔を維持して並ぶスチールコード11,11を、外部から見えないように完全に被覆する。
ゴム被覆スチールコード1は、スチールコード11,11および原料ゴムが別々にゴム押出機に供給され、溶融ゴムがスチールコード11,11を被覆した状態で、特定の形状を有するダイから押し出されて製造される。
図1を参照して、スチールコード11,11が延びた方向に直交する断面において、2本のスチールコード11,11の並び方向に延びて互いに対向する端縁13,13が、いずれも外方に凸となるように湾曲する曲線である。断面においてスチールコード11,11の並び方向に直交して延び互いに対向する端縁18,18は、直線である。断面において、端縁18,18は略平行かつ同一長さである。断面において、端縁13に囲まれ、端縁18,18を2辺とする矩形と区別される外方に凸となった部分を「凸状部14」という。凸状部14は被覆ゴム12の一部であり、スチールコード11,11の並びを挟んだ両側に形成される。
ゴム押出機のダイから押し出されたゴム被覆スチールコード1は、専用ボビンに巻き取られ、専用ボビンとともにスチールコードバンド製造工程に送られる。
スチールコードバンド製造工程において、ゴム被覆スチールコード1は、専用ボビンから繰り出されて成形ドラム15に、単層螺旋状で所定の幅になるように巻かれる。成形ドラム15は、その周長さが製造予定のスチールコードバンド2の内周長さ(内側表面を周方向に1巡する長さ)に略等しい。
図2を参照して、ゴム被覆スチールコード1は、成形ドラム15の軸方向の一方側から他方側に巻き進められる。図2を参照して、ゴム被覆スチールコード1は、巻かれた隣同士が接しない程度の間隔を有するように、成形ドラム15の軸方向に移動するステッチャーローラーにより位置決めされる。ここで、「巻かれた隣同士が接しない程度の間隔」とは、成形ドラム15の軸心を含む断面において、単層でコイル状に巻かれたゴム被覆スチールコード1の隣り合うスチールコード11,…,11の中心距離Pが全て略等しくなるための間隔Dである。
なお、隣り合うスチールコード11,…,11の中心距離Pの全てが略等しくとき、図2を参照して、a>2×b、a≒2×b+Dが成立する。また、ゴム被覆スチールコード1の巻き付けピッチAと中心距離Pとは、A=P×2が成立する。
図2における符号16はキャンバスである。キャンバス16は、ゴムクローラにおける幅方向の剛性の向上、ゴム被覆スチールコード1によって形成されたスチールコードバンドと芯金とが直接に接触するのを回避する等のために使用される。キャンバス16は、例えば、有機系の高張力繊維(ポリエステル系レーヨン、ビニロン、アラミド繊維等)を平織りまたは厚織りしたものである。
ゴム被覆スチールコード1は、成形ドラム15側の面(断面における端縁13)が外方に凸となるように湾曲し成形ドラム15(またはキャンバス16)に接する面積が小さいので、成形ドラム15の軸方向の移動抵抗(摩擦抵抗)が小さい。そのため、ステッチャーローラーによるゴム被覆スチールコード1の位置決めを精度よく行うことができ、螺旋
状に巻かれたゴム被覆スチールコード1における隣り合う間隔Dを略一定にすることができる。
成形ドラム15に螺旋状に巻かれたゴム被覆スチールコード1は、加硫成形時に被覆ゴム12の一部がゴム被覆スチールコード1間に移動し、加硫成形後に1巡するスチールコードバンド2に形成される。
すなわち、成形ドラム15に巻かれたゴム被覆スチールコード1の外周側が型枠により内側に押された状態で加硫のための加熱が行われると、伝熱面に近い凸状部14,14が流動性を得、図3に示されるようにゴム被覆スチールコード1間に移動する。ゴム被覆スチールコード1間を埋めさらに過剰の凸状部14,14のゴムは、スチールコードバンド2の幅方向に平均的に拡がる。また、凸状部14,14のゴムが若干量不足しゴム被覆スチールコード1間を埋めきれないときは、被覆ゴム12の凸状部14,14に近い部分から補充される。
スチールコードバンド2は、主に農業用作業機等のクローラ式走行装置における駆動輪、従動輪および転輪に巻き掛けられて使用されるゴムクローラに、強度を高める目的で埋設されるものである。
次に、加硫成形において螺旋状に巻かれたゴム被覆スチールコード1の間を埋める凸状部14,14の大きさについて、成形ドラム15の軸心を含む断面図である図3(b)を用いて説明する。
成形ドラム15に巻かれたゴム被覆スチールコード1の単位周方向長さについて着目すると、ゴム被覆スチールコード1の間(P1−P2−P3−P4で囲まれた部分)は、これを挟む両側の凸状部14,14のP1−P5−P6で囲まれる部分、P2−P7−P8で囲まれる部分、P3−P9−PAで囲まれる部分、およびP4−PB−PCで囲まれる部分のゴムで埋められる。
したがって、P1−P5−P6で囲まれる面積(この面積と単位長さとの積が体積)、P2−P7−P8で囲まれる面積、P3−P9−PAで囲まれる面積、およびP4−PB−PCで囲まれる面積の和がP1−P2−P3−P4で囲まれた面積に等しい場合、過不足無くゴム被覆スチールコード1の間が凸状部14,14により埋められ、均一な厚さのスチールコードバンド2が得られる。
実際には、凸状部14,14のいずれかの部分がゴム被覆スチールコード1の間を埋めれば足り、ゴム被覆スチールコード1の長手方向に直交する断面における凸状部14,14の総面積CAと成形ドラム15に巻かれたゴム被覆スチールコード1の間の面積(P1−P2−P3−P4で囲まれた面積)BAとの関係として捉えられる。凸状部14,14の総面積CAとは、図1における上下両側の凸状部14,14の面積の和である。また、ゴム被覆スチールコード1の間の面積BAは、スチールコードバンド2の設計厚さTと隣り合うゴム被覆スチールコード1の目標間隔(巻き付け時の設定間隔)Dとの積である。
凸状部14,14の総面積CAとゴム被覆スチールコード1の間の面積BAとは、収支の点からは等しいことが適切である。しかし、上述したように、加硫成形によるスチールコードバンド2の製造においては総面積CAに多少の過不足があってもその影響は小さく、(1)式で示される範囲で、均一な厚さのスチールコードバンド2が得られる。
0.85CA≦BA≦1.3CA ・・・ (1)
図4は短尺に切断されたゴム被覆スチールコード1,51の概略図である。
スチールコード11S,11Zは、複数の素線が撚られた撚り線21,…,21がさらに撚り合わされて形成される。撚り線21,…,21の撚り合わせには、撚り方向が異な
るS撚り(右撚り)とZ撚り(左撚り)とがあり、それぞれが、撚り合わせを解消する方向に捩れる力が働く。そこで、ゴム被覆スチールコード1は、S撚りされたスチールコード11Sと、Z撚りされたスチールコード11Zとが組み合わされる。
撚り方向が異なる2種類のスチールコード11S,11Zが組み合わされたゴム被覆スチールコード1は、個々の撚り合わせを解消しようとする力が打ち消し合って、捩れが生じない(図4(a))。
ゴム被覆スチールコード1は、成形ドラム15に巻き付ける作業において専用ボビンから繰り出された部分に捩れが生じないことから、ステッチャーローラーによる位置決めの精度が向上する。
これに対して、同種、例えばいずれもS撚りされたスチールコード11S,11Sが使用されたゴム被覆スチールコード51は、それぞれの撚り合わせを解消しようとする力が同一方向に働き、撚り合わせと反対方向の捩れが生ずる(図4(b))。そのため、ゴム被覆スチールコード51を成形ドラム15に巻き付ける作業では、専用ボビンから繰り出されたゴム被覆スチールコード1に捩れが生じ易く、ステッチャーローラーの巻き付けの精度を低下させ、成形ドラム15への巻き付け時に90度回転した状態となるおそれがある。
図5は他のゴム被覆スチールコード1Bの断面図、図6はゴム被覆スチールコード1Bにおける加硫成形時のゴムの動きを示す図である。
ゴム被覆スチールコード1Bは、2本のスチールコード11,11、およびスチールコード11,11を被覆する被覆ゴム12Bからなる。スチールコード11,11は、上述したゴム被覆スチールコード1におけるものと同じであり、一方はS撚りされ、他方はZ撚りされている。
被覆ゴム12Bは、等間隔を維持して並ぶスチールコード11,11を、外部から見えないように完全に被覆する。
ゴム被覆スチールコード1Bは、スチールコード11,11および原料ゴムが別々にゴム押出機に供給され、溶融ゴムがスチールコード11,11を被覆した状態で、特定の形状を有するダイから押し出されて製造される。
被覆ゴム12Bは、図5を参照して、スチールコード11,11が延びた方向に直交する断面における、スチールコード11,11が並ぶ方向に延びる端縁の一方13Bが、外方に凸となるように湾曲する曲線である。断面において、端縁13Bに対向する他方の端縁17Bは直線であり、ゴム被覆スチールコード1Bにおいて端縁17Bが形成する面は平らである。
断面においてスチールコード11,11の並び方向に直交して延び互いに対向する端縁18,18は、平行かつ同一長さである。端縁13Bに囲まれ、端縁17B,18,18を3辺とする矩形と区別される外方に凸となった部分が凸状部14Bである。
ゴム被覆スチールコード1Bは、その断面形状と同様の押し出し孔を有するダイから、溶融するゴムがスチールコード11,11とともに押し出されることにより製造される。
専用ボビンから繰り出されたゴム被覆スチールコード1Bは、単層螺旋状で所定の幅になるように成形ドラム15に巻かれる。図6(a)を参照して、ゴム被覆スチールコード1Bは、凸状部14Bが成形ドラム15側になるようにして、成形ドラム15の予め巻かれたキャンバス16の上に、成形ドラム15の軸方向の一方側から他方側に向け巻き進められる。
ゴム被覆スチールコード1Bもゴム被覆スチールコード1と同様に、成形ドラム15(またはキャンバス16)に接する面積が小さいので、成形ドラム15の軸方向の移動抵抗(摩擦抵抗)が小さく、ステッチャーローラーによるゴム被覆スチールコード1Bの位置決めを精度よく行うことができる。
成形ドラム15に巻き取られたゴム被覆スチールコード1Bから、加硫成形により以下のようにスチールコードバンド2が製造される。
ゴム被覆スチールコード1Bは、成形ドラム15の軸心を含む断面図である図6(b)を参照して、伝熱面に近い凸状部14Bが熱せられ、例えば、P2−P5−P6で囲まれた部分およびP3−P7−P8で囲まれた部分のゴムが、螺旋状に巻かれたゴム被覆スチールコード1B間(P1−P2−P3−P4で囲まれた部分)に移動する。
ゴムの収支の点では、P2−P5−P6で囲まれた面積およびP3−P7−P8で囲まれた面積の和(凸状部14Bの断面積、「総面積」ともいう)CAとP1−P2−P3−P4で囲まれた面積BAとが等しいことが望ましい。
しかし、前述したゴム被覆スチールコード1の場合と同様に、総面積CAに多少の過不足があってもその影響は小さく、上記(1)式で示される範囲であれば、均一な厚さのスチールコードバンド2が得られる。
図7はゴム被覆スチールコード1Bの成形ドラム15への巻き方を変えた場合の加硫成形時におけるゴムの動きを示す図である。
図7においては、ゴム被覆スチールコード1Bは断面の端縁17Bが直線となる平らな面を成形ドラム15側に位置させて、成形ドラム15に巻かれる。図7に示されるように巻き取られたゴム被覆スチールコード1Bは、加硫成形時にその凸状部14Bにおけるゴム(例えば、P1−P5−P6で囲まれた部分およびP4−P7−P8で囲まれた部分)が螺旋状に巻かれたゴム被覆スチールコード1B間(P1−P2−P3−P4で囲まれた部分)に移動する。そのため、ゴム被覆スチールコード1Bを使用して製造されたスチールコードバンド2は、その厚さに分布がなく均一である。
図8は種々のゴム被覆スチールコード1C,1D,1Eの断面図である。
図8(a)に示されるゴム被覆スチールコード1Cは、断面において、2本のスチールコード11,11の並び方向に延びて互いに対向する端縁13C,13Cが、いずれもその両端近傍で外方に凸となるように湾曲する曲線である。断面において、スチールコード11,11の並び方向に直交して互いに平行に延びる直線状の端縁18,18を2辺とする矩形と区別される部分が、被覆ゴム12Cにおける凸状部14C(部分14Ca+部分14Cb)である。凸状部14Cは、端縁13Cの両側の端の異なる一方にそれぞれ分割されて形成され、さらにスチールコード11,11の並びを挟んだ両側に形成される。
ゴム被覆スチールコード1Cでは、凸状部14Cがスチールコード11,11の並び方向の両端近傍に分割され2カ所に設けられるが、その表面がいずれもゴム被覆スチールコード1Cの長手方向に延びる母線を有する湾曲面であることから、成形ドラム15への巻き付け時に成形ドラム15表面との移動抵抗が小さい。ゴム被覆スチールコード1Cは、成形ドラム15への巻き付け時のステッチャーローラーによる位置決めを精度よく行うことができ、成形ドラム15に螺旋状に巻かれたときの隣り合う間隔Dを略一定にすることができる。
ゴム被覆スチールコード1Cにおいても、スチールコード11の一方をS撚り、他方をZ撚りとすることで、捩れの発生を抑制することができ、成形ドラム15への巻き付けの精度を向上させることができる。
図8(b)に示されるゴム被覆スチールコード1Dは、1本のスチールコード11とこ
れを被覆する被覆ゴム12Dとからなる。
ゴム被覆スチールコード1Dは、その長手方向(延びた方向)に直交する断面が、平行な端縁18,18と、端縁18,18の端の異なる一方をそれぞれ結びいずれも外方に凸状に湾曲する曲線の端縁13D,13Dとで囲まれた形状を有する。被覆ゴム12Dにおける、断面において端縁13Dの内方であって端縁18,18を2辺とする矩形と区別される部分を、凸状部14Dという。
ゴム被覆スチールコード1Dは、成形ドラム15への巻き付け時に成形ドラム15表面との移動抵抗が小さく、成形ドラム15への巻き付け時のステッチャーローラーによる位置決めを精度よく行うことができる。
図8(c)に示されるゴム被覆スチールコード1Eは、等間隔に並ぶ4本のスチールコード11,11,11,11およびこれらを完全に覆う被覆ゴム12Eからなる。断面は、4本のスチールコード11,11,11,11が並ぶ方向に長く、断面において長手方向の両端は、平行な端縁18,18となっている。4本のスチールコード11,11,11,11が並ぶ方向に延び、端縁18,18の異なる一方の端をそれぞれ結ぶ端縁13E,13Eは、いずれもその両端近傍が外方に凸状に湾曲する。それぞれの端縁13Eにおける凸状に湾曲する部分の内方、つまり断面において端縁18,18を2辺とする矩形部分を除く被覆ゴム12Eの部分を併せて凸状部14Eという。凸状部14Eは、スチールコード11,11,11,11の並びを挟んだ両側の端縁13E,13Eのそれぞれの両端近傍に分割して(符号14Ea,14Eb)形成される。
ゴム被覆スチールコード1Eは、成形ドラム15との接触が、ゴム被覆スチールコード1Eの長手方向に延びる母線を有する湾曲面である凸状部14E(14Ea,14Eb)の表面で行われるので、成形ドラム15表面との移動抵抗が小さく、成形ドラム15への巻き付け時のステッチャーローラーによる位置決めを精度よく行うことができる。
また、ゴム被覆スチールコード1Eは、S撚りのスチールコード11SとZ撚りのスチールコード11Zとが交互に並べられており、捩れの発生が防止されている。
ゴム被覆スチールコード1C,1D,1Eは、いずれも凸状部14C,14D,14Eを1対備え、その断面形状が、端縁18,18に直交しスチールコード11の中心を通る線に対して線対称である。ゴム被覆スチールコード1C,1D,1Eを、前述したゴム被覆スチールコード1Bのように、1つの凸状部14C,14D,14Eを備えるものとしてもよい。
ゴム被覆スチールコード1C,1D,1Eは、成形ドラム15に螺旋状に巻かれたとき、成形ドラム15の軸心を含む断面において、ゴム被覆スチールコード1C,1D,1Eの間の面積BAが凸状部14C,14D,14Eの総面積CAと
0.85CA≦BA≦1.3CA ・・・ (1)
の関係にあれば、加硫成形されたスチールコードバンド2は均一な厚さとなる。
ゴム被覆スチールコード1C,1D,1Eの間の面積BAは、スチールコードバンド2の設計厚さTと隣り合うゴム被覆スチールコード1の間隔Dとの積であるから、(1)式は、
0.85CA÷T≦D≦1.3CA÷T ・・・ (2)
と変形される。
(2)式から、ゴム被覆スチールコード1C,1D,1Eは、成形ドラム15への巻き付け処理において、(2)式の範囲内で巻き付け後の間隔Dがばらついても、均一な厚さのスチールコードバンド2が得られることがわかる。(2)式は、ゴム被覆スチールコード1,1Bについても適用され、ゴム被覆スチールコード1,1Bも同様に、巻き付け後
の間隔Dのばらつきが(2)式の範囲内であれば、均一な厚さのスチールコードバンド2が得られる。
上述の実施形態において、ゴム被覆スチールコードに使用されるスチールコード11の本数を、1,2,4本以外の数である3本または5本以上とすることができる。スチールコード11の本数は偶数であって、S撚りおよびZ撚りされたスチールコード11S,11Zが同数であることが好ましい。
凸状部14,14B〜14Eの断面形状、つまり断面におけるその端縁13,13B〜13Eの形状は任意とすることができるが、外方に凸となる湾曲線が好ましい。成形ドラム15に巻かれるとき、接触面積が小さいために成形ドラム15の軸方向に移動しやすく、かつ軸方向に弾性変形し難いからである。
その他、ゴム被覆スチールコード1,1B〜1E、およびゴム被覆スチールコード1,1B〜1Eの各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本発明は、農業用作業機、土木用作業機等に装着されるゴムクローラに使用されるスチールコードバンドに利用することができる。
1,1B〜1E ゴム被覆スチールコード
2 スチールコードバンド
11 スチールコード
11S S撚りのスチールコード
11Z Z撚りのスチールコード
12,12B〜12E ゴム(被覆ゴム)
13,13B〜13E (外方に凸となった)第2の端縁(端縁)
15 成形ドラム
16 キャンバス
17B 第2の端縁(端縁)
18 第1の端縁(端縁)

Claims (4)

  1. ゴムクローラに埋設されるスチールコードバンドの製造方法であって、
    スチールコードがゴムで被覆されたゴム被覆スチールコードであって、前記スチールコードが延びる方向に直交する断面形状が、平行な2つの端縁と前記端縁に直交する方向に延び少なくともその一方の一部または全部が外方に凸である2つの端縁とで形成されたゴム被覆スチールコードを準備して
    ゴム被覆スチールコードの間の前記断面方向の面積をBAとして前記断面において前記平行な2つの端縁を2辺とする矩形と区別される外方に凸となった凸状部の総面積をCAとして0.85CA≦BA≦1.3CAを満足するように、外方に凸である端縁の側を内側にして成形ドラムに螺旋状にかつ前記成形ドラムの軸方向に密着させないで、前記ゴム被覆スチールコードを前記成形ドラムに巻き付け、
    前記ゴム被覆スチールコードが前記成形ドラムに巻き付けられた状態で加硫のために加熱して、前記凸状部が流動してゴム被覆スチールコード間に移動することによりゴム被覆スチールコード間が埋められ均一な厚さのスチールコードバンドを得
    ことを特徴とするゴムクローラ用スチールコードバンドの製造方法。
  2. 前記ゴム被覆スチールコードとして、複数の前記スチールコードが一方向に間隔を有して前記ゴムに被覆されその断面における前記外方に凸である端縁が前記スチールコードの並ぶ方向に延びたものを使用する
    請求項に記載のゴムクローラ用スチールコードバンドの製造方法。
  3. 前記成形ドラムの外周にキャンバスを巻き付け、
    前記ゴム被覆スチールコードを前記キャンバスの上に巻き付ける
    請求項または請求項に記載のゴムクローラ用スチールコードバンドの製造方法。
  4. 前記複数のスチールコードは、いずれも複数の素線が撚り合わされまたは複数の素線が撚り合わされた撚り線が複数撚り合わされて形成されたものであり、
    前記ゴム被覆スチールコードとして、同数の最終撚りがS撚りのスチールコードおよび最終撚りがZ撚りのスチールコードが前記ゴムに被覆されたものを使用する
    請求項または請求項に記載のゴムクローラ用スチールコードバンドの製造方法。
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