JP5646291B2 - センサ付車輪用軸受 - Google Patents

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Description

この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪用軸受に関する。
自動車の各車輪にかかる荷重を検出する技術として、車輪用軸受の外輪に歪みゲージを貼り付け、外輪外径面の歪みから荷重を検出するようにした車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。しかし、特許文献1に開示の技術では、車輪用軸受に作用する荷重を検出する場合、荷重に対する固定輪変形量が小さいため歪み量も小さく、検出感度が低くなり、荷重を精度良く検出できない。
この課題を解決するものとして、以下の構成としたセンサ付車輪用軸受が提案されている(特許文献2)。同文献のセンサ付車輪用軸受における車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、上記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する。上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外径面には、その固定側部材の円周方向における180度の位相差をなす位置に配置された2つのセンサユニットからなるセンサユニット対を少なくとも1対設ける。各センサユニットは、前記固定側部材の外径面に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられて歪み発生部材の歪みを検出するセンサを有するものとする。
この構成において、前記センサユニット対における2つのセンサユニットのセンサ出力信号の差分を基に、径方向荷重推定手段で、車輪用軸受の径方向に作用する径方向荷重を推定する。また、前記センサユニット対における2つのセンサユニットのセンサ出力信号の和を基に、軸方向荷重推定手段で、車輪用軸受の軸方向に作用する軸方向荷重を推定する。そして、少なくとも1対のセンサユニット対の2つのセンサユニットは、タイヤ接地面に対して上下位置となる前記固定側部材の外径面の上面部と下面部に配置する。このセンサユニット対のセンサの出力信号振幅を基に、軸方向荷重方向判別手段で、前記軸方向荷重の方向を判別する。この場合の荷重推定処理の概略を図15にブロック図で示す。
前記センサユニットにおける歪み発生部材の接触固定部を、車輪用軸受における固定側部材の転走面付近に配置すると、車輪の回転に伴ってセンサ出力信号に図16のような正弦波に近い変動が見られる。これは、転動体の通過による歪みの変化が検出されたものである。上記構成では、上下に配置した2つのセンサユニットのセンサ出力信号における振幅値(転動体の公転運動に伴う振動成分)の差分により、軸方向荷重を判別し、軸方向荷重の正負に応じて、それぞれに適した荷重推定パラメータを用いて荷重を演算するので、荷重を感度良く推定できる。
しかし、特許文献2の構成の場合、最適な荷重推定パラメータを選択するために、センサ出力信号の振幅値を算出する必要があり、振幅値を算出できない場合に対応できない。すなわち、回転が静止している状態、あるいは極低速回転状態においては、転動体荷重による信号変化がないか、または非常にゆっくりとした変化しかない状態となる。この場合には、センサ出力信号の変動から振幅の大きさを求めることはできない。
一方、転動体荷重によるセンサ出力信号の振幅値を静止状態においても検出する手段として、転動体荷重の影響を観測するのに十分な領域(転動体の配置ピッチに相当する周方向長さ)に複数のセンサを配置して、歪みの分布を直接測定する手段もある。しかしながら、この場合、センサ個数が増加し、検出回路が複雑化するため、コストアップと信頼性確保が新たな課題となる。
そこで、本発明者等は、センサ付車輪用軸受におけるさらに新たな荷重推定手段として、図17にブロック図で示す構成のものを開発した(特許文献3)。この構成では、荷重推定演算式として、変数としてセンサ出力信号の平均値Aのみを用いる式と、変数としてセンサ出力信号の平均値Aと振幅値Bとを用いる式とを用意し、車輪回転速度によって荷重演算処理を切り替えるようにしている。すなわち、通常走行状態では、センサ出力信号の平均値Aと振幅値Bを用いた演算式による荷重推定演算を行い、低速あるいは停止状態においては前記平均値Aだけを用いた演算式による荷重推定演算を行う。この構成の場合、回転速度の判定に、回転速度情報を用いる。
特表2003−530565号公報 特開2010−43901号公報 特開2010−181154号公報
特許文献2や特許文献3の構成のもののように、検出されたセンサ出力信号の状態や推定された荷重の状態に応じて、複数の荷重推定パラメータの中から最適なものを選択し、推定荷重を演算する構成とした場合、センサの非線形特性などが補正された誤差の小さな検出結果を得ることができる。
しかし、センサ出力信号の振幅値を演算によって求める場合、ある一定時間内もしくは一定のサンプリング個数のセンサ出力信号を用いた演算処理が必要になるため、信号処理による時間遅れが発生する。例えば、一定時間T内のセンサ出力信号の自乗平均値(RMS値)を算出し、その値を現在の振幅値として用いると、略T/2の時間遅れが発生することになる。特に、特許文献3の構成のもののように、変数としてセンサ出力信号の平均値Aのみを用いる荷重推定演算式と、平均値Aと振幅値Bとを用いる荷重推定演算式とを、走行速度によって切り替え使用する場合には、その切り替えにより推定荷重出力の遅れ時間も変化するため、検出誤差となって観測される。
また、荷重推定演算式の切り替え時には、推定荷重出力が不連続に変化する場合がある。さらに、センサ出力信号をAD変換回路によってデジタル数値化してサンプリングする処理回路を構成した場合においては、軸受転動体の公転運動によって発生するセンサ出力信号の振動周波数が、車両の走行速度に比例して変化するため、高速走行時にはAD変換のサンプリングレートに近い周波数に達することがある。この場合、サンプリングデータに現れるエイリアシングにより正確な振幅値Bが得られなくなってしまう。エイリアシングを低減するためには、信号入力側にLPF(低域通過フィルタ)を設ける。しかし、その結果、高速走行時に検出される振幅値Bは、LPFの影響を受けて小さく検出されることになり、荷重推定誤差が増加してしまう。このような不連続な変化や検出誤差が大きくなることは、検出した推定荷重値に基づいて各種の操作を実行する自動車などにおける制御システムにとっては好ましくない。
この発明の目的は、センサの非線形特性を補正して荷重推定誤差を低減させつつ、様々な入力荷重状態に応じて連続的な推定荷重値を演算し、できるだけ小さな検出時間遅れで推定荷重値を出力できるセンサ付車輪用軸受を提供することである。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材1と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材2と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体5とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材1および内方部材2のうちの固定側部材に、この固定側部材に接触して固定される3つ以上の接触固定部21aを有する歪み発生部材21、およびこの歪み発生部材21に取付けられてこの歪み発生部材21の歪みを検出する2つ以上のセンサ22A,22Bからなる荷重検出用センサユニット20A,20Bを設ける。
前記センサ22A,22Bの出力信号の平均値Aを用いて車輪用軸受に作用する荷重を演算・推定する第1の荷重推定手段31と、前記センサ22A,22Bの出力信号の平均値Aと振幅値Bとを用いて車輪用軸受に作用する荷重を演算・推定する第2の荷重推定手段32と、これらの荷重推定手段31,32が出力する演算結果を、前記第1の荷重推定手段31の出力と前記第2の荷重推定手段32の出力の比率を(r):(1−r)として、車輪回転速度に応じた比率r(0〜1の値)で合成して推定荷重値を出力する推定荷重出力手段33とを設ける。前記推定荷重出力手段33で用いる合成比率rは、車輪回転速度が通常速度の状態から高速状態になるにつれて、前記第1の荷重推定手段31の出力の比率が高くなるように設定されている
この構成によると、車輪のタイヤと路面間に荷重が作用するとき、車輪用軸受の固定側部材(例えば外方部材1)にも荷重が印加されて変形が生じる。ここではセンサユニット20A(20B)における歪み発生部材21の3つ以上の接触固定部21aが、外方部材に接触固定されているので、外方部材1の歪みが歪み発生部材21に拡大して伝達され易く、その歪みがセンサ22A,22Bで感度良く検出され、その出力信号に生じるヒステリシスも小さくなる。
特に、センサユニット20A(20B)の歪みセンサ22A,22Bの出力信号の平均値Aを用いて車輪用軸受に作用する荷重を演算・推定する第1の荷重推定手段31と、センサ出力信号の振幅値Bと前記平均値Aとを用いて車輪用軸受に作用する荷重を演算・推定する第2の荷重推定手段32とを設け、これら両荷重推定手段31,32が出力する演算結果を車輪回転速度に応じた比率rで合成して推定荷重値を出力する推定荷重出力手段33を設けているので、以下に列挙するような効果が得られる。
・ 荷重推定演算処理による検出時間遅れを最小限に抑えることができ、得られた荷重情報を利用した制御が容易になる。
・ 従来例(特許文献3)のように荷重推定処理を切り替える方法では、推定荷重出力の遅れ時間も急激に変化するため、結果として検出誤差となって観測されてしまうが、このセンサ付車輪用軸受では連続的に変化する合成比率rで前記した2つの演算結果を合成するため、得られる推定荷重値に不連続変化がなくなり、各種の車両制御への推定荷重値の利用が容易となる。
・ また、静止状態あるいは極低速状態では前記平均値Aのみによる推定荷重値LAが出力されるようにできるため、車両が静止した状態であっても、タイヤと路面間に作用する荷重状態を検出できる。
・ また、合成比率rを用いて前記した2つの演算結果を合成するので、この合成比率rの値を制御して、所望の特定の推定荷重値が得られるように構成することができる。
・ 高速走行時には、センサ出力信号の振動周波数はAD変換のサンプリングレートに近い値に達することがあるが、合成比率rを用いて前記した2つの演算結果を合成するので、高速走行時に前記振幅値Bの誤差が発生してきた場合でも、前記平均値Aのみを用いて演算される推定荷重値LAの比率を高めることで振幅値Bの誤差の影響を小さくでき、荷重の検出精度を高めることができる。
以上の結果から、センサの非線形特性を補正して荷重推定誤差を低減させつつ、様々な入力荷重状態に応じて連続的な推定荷重値を演算し、できるだけ小さな検出時間遅れで推定荷重値を出力できる。また、推定荷重値が不連続になる状態が発生しにくくなるため、推定した荷重値に基づいて各種の操作を実行する制御システムにも適合しやすいものとなる。
この発明において、前記センサユニット20A(20B)では、隣り合う第1および第2の接触固定部21aの間、および隣り合う第2および第3の接触固定部21aの間に各センサ22A,22Bをそれぞれ取付け、隣り合う接触固定部21aもしくは隣り合うセンサ22A,22Bの前記固定側部材の円周方向についての間隔を、転動体の配列ピッチの{1/2+n(n:整数)}倍とし、前記第1および第2の荷重推定手段31,32は前記2つのセンサ22A,22Bの出力信号の和を平均値Aとして用いるものとしても良い。
この構成の場合、2つのセンサ22A,22Bの出力信号は略180度の位相差を有することになり、その平均値Aは転動体通過による変動成分をキャンセルした値となる。また、振幅値Bは温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を十分相殺した値となる。これにより、2つのセンサ22A,22Bの出力信号の平均値Aは転動体通過による変動成分をキャンセルした値となり、振幅値Bは、温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響をより確実に排除した正確なものとなる。
この発明において、前記推定荷重出力手段33で用いる合成比率rは、車輪停止状態から車輪回転速度が低速状態の間で、前記第1の荷重推定手段31の出力の比率を「1」としてr=1と設定されているのが望ましい。
前記推定荷重出力手段33で用いられる合成比率rは、車輪回転速度に対応してマップ化されており、外部からパラメータで変更可能にされていても良い。なお、ここで言う「マップ化されて」とは、車輪回転速度に対応して合成比率rが定められていることを言う。また、「外部から」とは、推定荷重出力手段33や、前記マップ化した情報を定めた手段、および推定荷重出力手段33の前段となる各処理手段以外からを意味する。
この発明において、前記推定荷重出力手段33は、車輪用軸受に設置された車輪回転速度検出センサの出力信号を直接入力して車輪回転速度を検出するものとしても良い。
また、この発明において、前記推定荷重出力手段33は、車体側のECU(電気制御ユニット)から車輪回転速度の情報を受けるものとしても良い。
また、この発明において、前記推定荷重出力手段33は、前記センサ22A,22Bの出力信号に含まれる転動体5の公転運動による振幅成分の周波数から車輪回転速度を検出するものとしても良い。
この発明において、前記センサユニット20A(20B)を3つ以上設け、前記第1および第2の荷重推定手段31,32は、前記3つ以上のセンサユニット20A(20B)のセンサ22A,22Bの出力信号から車輪用軸受の径方向に作用する径方向荷重Fx ,Fz および車輪用軸受の軸方向に作用する軸方向荷重Fy を演算・推定するものとしても良い。
この発明において、前記センサユニット20A(20B)を、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記固定側部材の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に円周方向90度の位相差で4つ等配しても良い。このように4つのセンサユニットを配置することで、車輪用軸受に作用する垂直方向荷重Fz 、駆動力や制動力となる荷重Fx 、軸方向荷重Fy を、より精度良く推定することができる。
この発明において、前記センサユニット20A(20B)に温度センサ36を取付け、この温度センサ36の検出信号により前記センサ出力信号を補正する温度補正手段37を設けても良い。
軸受回転による発熱や周辺環境などにより車輪用軸受の温度が変化すると、荷重が変化しなくても、センサユニット20A(20B)のセンサ出力信号は熱膨張などにより変動するので、検出された荷重に温度の影響が残る。そこで、車輪用軸受の温度またはその周辺温度に応じてセンサ出力信号の平均値Aを補正する温度補正手段37を設けると、温度による検出荷重誤差を低減することができる。
この発明において、前記推定荷重出力手段33とは別に、前記第1の荷重推定手段31が演算・推定する推定荷重値LAと、前記第2の荷重推定手段32が演算・推定する推定荷重値LBを、個別に外部に出力する第2の推定荷重出力手段35を設けても良い。
このように、前記推定荷重出力手段33とは別個に、第1および第2の荷重推定手段31,32で演算された推定荷重値LA,LBを別々に出力する第2の推定荷重出力手段35を設けると、これらの演算結果を車体側のECUが走行状態に応じて合成する処理を行うことができる。この場合、車両の走行状態に関するより多くの情報に基づいて判断することが可能になるので、上記した合成比率rを制御して、最適な推定荷重値を出力することが容易になる。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に、この固定側部材に接触して固定される3つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出する2つ以上のセンサからなる荷重検出用センサユニットを設け、前記センサの出力信号の平均値を用いて車輪用軸受に作用する荷重を演算・推定する第1の荷重推定手段と、前記センサの出力信号の平均値と振幅値とを用いて車輪用軸受に作用する荷重を演算・推定する第2の荷重推定手段と、これらの荷重推定手段が出力する演算結果を、前記第1の荷重推定手段の出力と前記第2の荷重推定手段の出力の比率を(r):(1−r)として、車輪回転速度に応じた比率r(0〜1の値)で合成して推定荷重値を出力する推定荷重出力手段とを設け、前記推定荷重出力手段で用いる合成比率が、車輪回転速度が通常速度の状態から高速状態になるにつれて、前記第1の荷重推定手段の出力の比率が高くなるように設定されているため、センサの非線形特性を補正して荷重推定誤差を低減させつつ、様々な入力荷重状態に応じて連続的な推定荷重値を演算し、できるだけ小さな検出時間遅れで推定荷重値を出力できる。
この発明の一実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図とその検出系の概念構成のブロック図とを組み合わせて示す図である。 同センサ付車輪用軸受の外方部材をアウトボード側から見た正面図である。 同センサ付車輪用軸受におけるセンサユニットの拡大平面図である。 図3におけるIV−IV矢視断面図である。 センサユニットの他の設置例を示す断面図である。 センサユニットの出力信号に対する転動体位置の影響の説明図である。 センサ出力信号の平均値と振幅値を演算する演算部の回路例のブロック図である。 平均値および振幅値から荷重を推定・出力する回路部のブロック図である。 車輪回転速度と合成比率との関係の一例を示すグラフである。 センサ出力信号の前処理部におけるサンプリング処理回路の一構成例を示すブロック図である。 同サンプリング処理回路におけるLPFの周波数特性を示すグラフである。 (A)は外方部材外径面上部でのセンサ出力信号の振幅と軸方向荷重の方向との関係を示すグラフ、(B)は同外径面下部でのセンサ出力信号の振幅と軸方向荷重との関係を示すグラフである。 軸方向荷重の大きさと上下のセンサユニットのセンサ出力信号の差分との関係を示すグラフである。 この発明の他の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の外方部材をアウトボード側から見た正面図である。 従来例における荷重推定処理の流れを示す説明図である。 同従来例におけるセンサ出力信号の波形図である。 他の従来例における荷重推定手段の概略構成を示すブロック図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図13と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付車輪用軸受における軸受は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックル16に取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには周方向複数箇所にナックル取付用のねじ孔14が設けられ、インボード側よりナックル16のボルト挿通孔17に挿通したナックルボルト(図示せず)を前記ねじ孔14に螺合することにより、車体取付用フランジ1aがナックル16に取付けられる。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
図2は、この車輪用軸受の外方部材1をアウトボード側から見た正面図を示す。なお、図1の車輪用軸受は、図2におけるI−I矢視断面図を示す。前記車体取付用フランジ1aは、図2のように、各ねじ孔14が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片1aaとされている。
固定側部材である外方部材1の外径面には、2つのセンサユニット20A,20Bが設けられている。ここでは、これらのセンサユニット20A,20Bが、タイヤ接地面に対して上下位置となる外方部材1の外径面における上面部および下面部にそれぞれ設けられている。
これらのセンサユニット20A,20Bは、図3および図4に拡大平面図および拡大断面図で示すように、歪み発生部材21と、この歪み発生部材21に取付けられて歪み発生部材21の歪みを検出する2つ以上(ここでは2つ)の歪みセンサ22A,22Bとでなる。歪み発生部材21は、鋼材等の弾性変形可能な金属製で2mm以下の薄板材からなり、平面概形が全長にわたり均一幅の帯状で両側辺部に切欠き部21bを有する。切欠き部21bの隅部は断面円弧状とされている。また、歪み発生部材21は、外方部材1の外径面にスペーサ23を介して接触固定される3つ以上(ここでは3つ)の接触固定部21aを有する。3つの接触固定部21aは、歪み発生部材21の長手方向に向け1列に並べて配置される。2つの歪みセンサ22A,22Bは、歪み発生部材21における各方向の荷重に対して歪みが大きくなる箇所に貼り付けられる。具体的には、歪み発生部材21の外面側で隣り合う接触固定部21aの間に配置される。つまり、図4において、左端の接触固定部21aと中央の接触固定部21aとの間に1つの歪みセンサ22Aが配置され、中央の接触固定部21aと右端の接触固定部21aとの間に他の1つの歪みセンサ22Bが配置される。切欠き部21bは、図3のように、歪み発生部材21の両側辺部における前記歪みセンサ22A,22Bの配置部に対応する2箇所の位置にそれぞれ形成されている。これにより、歪みセンサ22A,22Bは歪み発生部材21の切欠き部21b周辺における長手方向の歪みを検出する。なお、歪み発生部材21は、固定側部材である外方部材1に作用する外力、またはタイヤと路面間に作用する作用力として、想定される最大の力が印加された状態においても、塑性変形しないものとするのが望ましい。塑性変形が生じると、外方部材1の変形がセンサユニット20A,20Bに伝わらず、歪みの測定に影響を及ぼすからである。
前記センサユニット20A,20Bは、その歪み発生部材21の3つの接触固定部21aが、外方部材1の軸方向に同寸法の位置で、かつ各接触固定部21aが互いに円周方向に離れた位置に来るように配置され、これら接触固定部21aがそれぞれスペーサ23を介してボルト24により外方部材1の外径面に固定される。前記各ボルト24は、それぞれ接触固定部21aに設けられた径方向に貫通するボルト挿通孔25からスペーサ23のボルト挿通孔26に挿通し、外方部材1の外周部に設けられたねじ孔27に螺合させる。このように、スペーサ23を介して外方部材1の外径面に接触固定部21aを固定することにより、薄板状である歪み発生部材21における切欠き部21bを有する各部位が外方部材1の外径面から離れた状態となり、切欠き部21bの周辺の歪み変形が容易となる。接触固定部21aが配置される軸方向位置として、ここでは外方部材1のアウトボード側列の転走面3の周辺となる軸方向位置が選ばれる。ここでいうアウトボード側列の転走面3の周辺とは、インボード側列およびアウトボード側列の転走面3の中間位置からアウトボード側列の転走面3の形成部までの範囲である。外方部材1の外径面へセンサユニット20A,20Bを安定良く固定する上で、外方部材1の外径面における前記スペーサ23が接触固定される箇所には平坦部1bが形成される。
このほか、図5に断面図で示すように、外方部材1の外径面における前記歪み発生部材21の3つの接触固定部21aが固定される3箇所の各中間部に溝1cを設けることで、前記スペーサ23を省略し、歪み発生部材21における切欠き部21bが位置する各部位を外方部材1の外径面から離すようにしても良い。
歪みセンサ22A,22Bとしては、種々のものを使用することができる。例えば、歪みセンサ22A,22Bを金属箔ストレインゲージで構成することができる。その場合、通常、歪み発生部材21に対しては接着による固定が行なわれる。また、歪みセンサ22A,22Bを歪み発生部材21上に厚膜抵抗体にて形成することもできる。
センサユニット20A(20B)の2つの歪みセンサ22A,22Bは、図1に示すように、平均値演算部28と振幅値演算部29とに接続される。図7に示すように、平均値演算部28は加算器からなり、2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号の和を演算して、その和を平均値Aとして取り出す。振幅値演算部29は減算器からなり、2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号の差分を演算して、その差分値を振幅値Bとして取り出す。なお、平均値Aとしては、センサ出力信号の和を演算するほか、センサ出力信号の時間平均値を取り出すようにしても良い。
前記平均値演算部28および振幅値演算部29は推定手段30に接続される。推定手段30は、各センサユニット20A,20Bのセンサ出力信号から演算される前記平均値Aおよび振幅値Bから、車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(例えば垂直方向荷重Fz )を演算・推定する手段である。この推定手段30は、前記歪みセンサ22A,22Bの出力信号の平均値Aを用いて車輪用軸受に作用する荷重LAを演算・推定する第1の荷重推定手段31と、前記歪みセンサ22A,22Bの出力信号の平均値Aと振幅値Bとを用いて車輪用軸受に作用する荷重LBを演算・推定する第2の荷重推定手段32とを有する。
車輪用軸受に作用する荷重Lと歪みセンサ22A,22Bの出力信号Sとの関係は、線形な範囲内でオフセット分を除外すれば、
L=M1×S ……(1)
という関係で表すことができ、この関係式(1)から車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する荷重Lを推定することができる。ここで、M1は所定の補正係数である。
前記第1の荷重推定手段31では、歪みセンサ22A,22Bの出力信号からオフセット分を除いた変数として前記平均値Aを用い、この変数に所定の補正係数M1を乗算した一次式、つまり
LA=M1×A ……(2)
から荷重Lを演算・推定する。このようにオフセット分を除外した変数を用いることにより、荷重推定精度を向上させることができる。
なお、この例では、2つのセンサユニット20A,20Bが用いられているので、式(2)による演算では各センサユニット20A(20B)から求められる平均値Aが用いられる。すなわち、センサユニット20Aから求められる平均値をAA、センサユニット20Bから求められる平均値をABとすると、式(2)は
LA=M1A×AA+M1B×AB ……(2’)
として表される。ただし、M1Aは平均値AAに乗算する所定の補正係数、M1Bは平均値ABに乗算する所定の補正係数である。
前記第2の荷重推定手段32では、前記平均値Aおよび振幅値Bを変数として用い、これらの変数に所定の補正係数M2,M3を乗算した一次式、つまり
LB=M2×A+M3×B ……(3)
から荷重Lを演算・推定する。このように2種類の変数を用いることで、荷重推定精度をさらに向上させることができる。
この例では、2つのセンサユニット20A,20Bが用いられているので、センサユニット20Aから求められる平均値をAA、振幅値をBA、センサユニット20Bから求められる平均値をAB、振幅値をBBとすると、式(3)は
LB=M2A×AA+M2B×AB+M3A×BA+M3B×BB ……(3’)として表される。ただし、M2Aは平均値AAに乗算する所定の補正係数、M2Bは平均値ABに乗算する所定の補正係数、M3Aは振幅値BAに乗算する所定の補正係数、M3Bは振幅値BBに乗算する所定の補正係数である。上記各演算式における各補正係数の値は、予め試験やシミュレーションで求めておいて設定する。前記第1の荷重推定手段31および第2の荷重推定手段32による演算は並行して行なわれる。
センサユニット20A(20B)は、外方部材1のアウトボード側列の転走面3の周辺となる軸方向位置に設けられるので、歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bは、図6のようにセンサユニット20A(20B)の設置部の近傍を通過する転動体5の影響を受ける。つまり、この転動体5の影響が上記したオフセット分として作用する。また、軸受の停止時においても、歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bは、転動体5の位置の影響を受ける。すなわち、転動体5がセンサユニット20A(20B)における歪みセンサ22A,22Bに最も近い位置を通過するとき(または、その位置に転動体5があるとき)、歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bの振幅は最大値となり、図6(A),(B)のように転動体5がその位置から遠ざかるにつれて(または、その位置から離れた位置に転動体5があるとき)低下する。軸受回転時には、転動体5は所定の配列ピッチPで前記センサユニット20A(20B)の設置部の近傍を順次通過するので、歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bは、転動体5の配列ピッチPを周期として図6(C)に実線で示すように周期的に変化する正弦波に近い波形となる。また、歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bは、温度の影響やナックル16と車体取付用フランジ1a(図1)の面間などの滑りによるヒステリシスの影響を受ける。この実施形態では、前記2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bの和を上記した平均値Aとし、出力信号a、bの差分から絶対値|a−b|を求めて時間平均したもの、または出力信号a、bの差分からRMS値(二乗平均値)を求めたものを、上記した振幅値Bとする。これにより、平均値Aは転動体5の通過による変動成分をキャンセルした値となる。また、振幅値Bは、2つの歪みセンサ22A,22Bの各出力信号a,bに現れる温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を相殺した値となる。したがって、この平均値Aと振幅値Bを用いることにより、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を正確に検出することができる。
センサユニット20A(20B)として、図5の構成例のものを示す図6においては、固定側部材である外方部材1の外径面の円周方向に並ぶ3つの接触固定部21aのうち、その配列の両端に位置する2つの接触固定部21aの間隔を、転動体5の配列ピッチPと同一に設定している。この場合、隣り合う接触固定部21aの中間位置にそれぞれ配置される2つの歪みセンサ22A,22Bの間での前記円周方向の間隔は、転動体5の配列ピッチPの略1/2となる。その結果、2つの歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bは略180度の位相差を有することになり、その和として求められる平均値Aは転動体5の通過による変動成分をキャンセルしたものとなる。また、その差分として求められる振幅値Bは温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を相殺した値となる。
なお、図6では、接触固定部21aの間隔を、転動体5の配列ピッチPと同一に設定し、隣り合う接触固定部21aの中間位置に各1つの歪みセンサ22A,22Bをそれぞれ配置することで、2つの歪みセンサ22A,22Bの間での前記円周方向の間隔を、転動体5の配列ピッチPの略1/2となるようにした。これとは別に、直接、2つの歪みセンサ22A,22Bの間での前記円周方向の間隔を、転動体5の配列ピッチPの1/2に設定しても良い。
この場合に、2つの歪みセンサ22A,22Bの前記円周方向の間隔を、転動体5の配列ピッチPの{1/2+n(n:整数)}倍、またはこれらの値に近似した値としても良い。この場合にも、両歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bの和として求められる平均値Aは転動体5の通過による変動成分をキャンセルした値となり、差分として求められる振幅値Bは温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を相殺した値となる。
図8のように、前記推定手段30は次段の推定荷重出力手段33に接続される。この推定荷重出力手段33は、前記第1および第2の荷重推定手段31,32が出力する演算結果LA,LBを、車輪回転速度に応じた比率r(0〜1の値)で次式(4)のように合成して最終の推定荷重値Lout を出力するものである。
Lout =rLA+(1−r)LB ……(4)
この場合の合成比率rは、車輪回転速度に対応して合成比率テーブル34から読み出される。合成比率テーブル34においてマップ化される車輪用回転速度と合成比率rとの関係は、例えば図9のように設定される。すなわち、静止時には合成比率rは1、通常走行時には1以下の値とされ、高速走行時には再び増加する傾向となるように設定される。これにより、静止状態あるいは極低速状態では平均値Aのみによる推定荷重値LAが出力され、走行状態になり振幅値Bが安定して得られるようになったところで徐々に推定荷重値LBとの合成出力に切り替わる。合成比率テーブル34に設定される合成比率rは、外部からパラメータで変更可能とされる。なお、ここで言う「マップ化されて」とは、車輪回転速度に対応して合成比率rが定められていることを言う。また、「外部から」とは、合成比率テーブル34や、推定荷重出力手段33以外からを言う。
なお、推定手段30で得られる推定荷重値LA,LBについては、平均値Aと振幅値Bの両方を用いて推定・演算する第2の荷重推定手段32による演算結果LBのほうが精度が高くなるという特性がある。したがって、遅延時間よりも精度を優先する場合には、前記合成比率rをLB側が高くなるように設定するのが望ましい。逆に、遅延時間をできるだけ小さくすることが要求される場合には、LAの比率が高くなるように合成比率rを設定するのが望ましい。このほか、積極的に合成比率rを制御して、所望の特定の推定荷重出力が得られるように構成しても良い。
ここでは、上記したように車輪回転数が高速となる側でLAの比率を上げるように合成比率rを設定したが、それは次の理由による。センサ出力信号の前処理部である前記平均値演算部28や振幅値演算部29において、センサ出力信号をAD変換によってデジタル数値化してサンプリングする処理回路を構成した場合に発生する問題がある。転動体5の公転運動によって図6のように発生するセンサ出力信号の振動周波数が、車両の走行速度に比例して変化するため、高速走行時にはAD変換のサンプリングレートに近い周波数に達することがある。この場合、サンプリングデータに現れるエイリアシングにより、振幅値演算部29では正確な振幅値Bが得られなくなってしまう。エイリアシングを低減するめには、図10のようにAD変換回路39の信号入力側にLPF38を設けるが、その結果、高速走行時に検出される振幅値Bは、LPF38の影響を受けて小さく検出されることになり、この値を用いた第2の荷重推定手段32での荷重推定の誤差が増加してしまう。なお、図11には、LPF38の周波数特性を示す。
図9に示した合成比率rの設定例では、約90km/hの走行速度より高速側では、演算結果の合成比率rを大きくしていき、平均値Aのみを用いた第1の荷重推定手段31による推定荷重値LAの比率を高めている。そのため、高速側で振幅値演算の誤差が発生してきた場合でも、その影響が小さくなり、荷重の推定誤差の増加を抑えることができる。また、推定荷重値LA側の比率を高めることで検出遅延時間が小さくなるため、車速が高い場合にはより高速な荷重検出応答が得られることになる。これらは、車両の安定性を制御する様々な制御プログラムにとっても有利な特性となるため、より車両の安全性、安定性を高める効果が得られる。
前記推定荷重出力手段33には、例えば外部から車輪回転速度の情報が入力され、この情報に基づいて前記合成比率rが決められる。「外部から」とは、推定荷重出力手段33やその前段の各演算部28,29、手段30、以外からを言う。この場合、外部からの車輪回転速度の情報として、車輪用軸受に設置された回転速度検出センサ(図示せず)の出力信号を直接入力しても良いし、車体側のECUから車輪回転速度の情報を受けるものとしても良い。また、車輪回転速度の情報として、前記歪みセンサ22A,22Bの出力信号a,bから転動体5の通過周波数を検出して、車輪回転速度を推定するものとしても良い。
また、前記推定荷重出力手段33とは別個に、図8のように第1および第2の荷重推定手段31,32で演算された推定荷重値LA,LBを別々に出力する第2の推定荷重出力手段35を設け、これらの演算結果を車体側のECUが走行状態に応じて合成する処理を行うようにしても良い。この場合、車両の走行状態に関するより多くの情報に基づいて判断することが可能になるので、上記した合成比率rを制御して、最適な推定荷重値を出力することが容易になる。
この実施形態では、固定側部材である外方部材1の外径面の上下位置に2つのセンサユニット20A,20Bを配置しているので、車輪用軸受に作用する垂直方向荷重Fz を精度良く推定できる。配置するセンサユニット20の個数を増やせば、さらに駆動力や制動力となる荷重Fx 、軸方向荷重Fy も推定することができる。
また、図7のように、センサユニット20A,20Bに温度センサ36を取付け、この温度センサ36の検出信号により前記センサ出力信号の平均値Aを補正する温度補正手段37を設けても良い。
軸受回転による発熱や周辺環境などにより車輪用軸受の温度が変化すると、荷重が変化しなくても、センサユニット20A,20Bのセンサ出力信号は熱膨張などにより変動するので、検出された荷重に温度の影響が残る。そこで、車輪用軸受の温度またはその周辺温度に応じてセンサ出力信号の平均値Aを補正する温度補正手段37を設けると、温度による検出荷重誤差を低減することができる。
図8に示す推定手段30には、軸方向荷重Fy を演算するときに、軸方向荷重Fy の方向を判別するFy 方向判別部40が設けられる。上記したように、車輪用軸受の回転中には、センサユニット20A,20Bのセンサ出力信号の振幅には、正弦波に近い周期的な変化が生じるが、その振幅値は軸方向荷重(モーメント力)Fy の大きさによって変化する。図12(A)は外方部材1の外径面の上面部に配置されたセンサユニット20Aのセンサ出力を示し、図12(B)は外方部材1の外径面の下面部に配置されたセンサユニット20Bのセンサ出力を示している。これらの図において、横軸は軸方向荷重Fy を表し、縦軸は外方部材1の歪み量つまりセンサ出力信号を表し、最大値および最小値は振動する信号の最大値および最小値を表す。これらの図から、軸方向荷重Fy が+方向の場合、個々の転動体5の荷重は外方部材1の外径面上面部で小さくなり(つまり出力信号の最大値と最小値の差が小さくなる)、外方部材1の外径面下面部で大きくなる(つまり出力信号の最大値と最小値の差が大きくなる)ことが分かる。これに対して、軸方向荷重Fy が−方向の場合には逆に、個々の転動体5の荷重は外方部材1の外径面上面部で大きくなり、外方部材1の外径面下面部で小さくなることが分かる。図13は、これら上下のセンサユニット20A,20Bのセンサ出力信号の振幅の差分と軸方向荷重Fy の方向の関係をグラフで示している。
そこで、Fy 方向判別部40では、外方部材1の外径面上面部および外径面下面部に配置されたセンサユニット20A,20Bのセンサ出力信号の振幅の上記差分を求め、これらの値を比較することで、軸方向荷重Fy の方向を判別する。すなわち、外方部材1の外径面上面部のセンサユニット20Aのセンサ出力信号の振幅の差分が小さく、外方部材の外径面下面部のセンサユニット20Bのセンサ出力信号の振幅の差分が大きいとき、Fy 方向判別部40では、軸方向荷重Fy の方向が+方向であると判別する。逆に、外方部材1の外径面上面部のセンサユニット20Aのセンサ出力信号の振幅の差分が大きく、外方部材1の外径面下面部のセンサユニット20Bのセンサ出力信号の振幅の差分が小さいとき、Fy 方向判別部33では、軸方向荷重Fy の方向が−方向であると判別する。これに対応して、推定手段30では、第1および第2の荷重推定手段31,32で軸方向荷重Fy の演算が行われるときに、前記Fy 方向判別部40の判別結果を反映させて演算推定式のパラメータの正負を反転させるなどの処理を施す。
車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材である外方部材1にも荷重が印加されて変形が生じる。ここではセンサユニット20A(20B)における歪み発生部材21の3つ以上の接触固定部21aが、外方部材1に接触固定されているので、外方部材1の歪みが歪み発生部材21に拡大して伝達され易く、その歪みが歪みセンサ22A,22Bで感度良く検出され、その出力信号に生じるヒステリシスも小さくなる。
特に、センサユニット20A(20B)の歪みセンサ22A,22Bの出力信号の平均値Aを用いて車輪用軸受に作用する荷重を演算・推定する第1の荷重推定手段31と、センサ出力信号の振幅値Bと前記平均値Aとを用いて車輪用軸受に作用する荷重を演算・推定する第2の荷重推定手段32とを設け、これら両荷重推定手段31,32が出力する演算結果を車輪回転速度に応じた比率rで合成して推定荷重値を出力する推定荷重出力手段33を設けているので、以下に列挙するような効果が得られる。
・ 荷重推定演算処理による検出時間遅れを最小限に抑えることができ、得られた荷重情報を利用した制御が容易になる。
・ 従来例(特許文献3)のように荷重推定処理を切り替える方法では、推定荷重出力の遅れ時間も急激に変化するため、結果として検出誤差となって観測されてしまうが、このセンサ付車輪用軸受では連続的に変化する合成比率rで前記した2つの演算結果を合成するため、得られる推定荷重値に不連続変化がなくなり、各種の車両制御への推定荷重値の利用が容易となる。
・ また、静止状態あるいは極低速状態では前記平均値Aのみによる推定荷重値LAが出力されるようにできるため、車両が静止した状態であっても、タイヤと路面間に作用する荷重状態を検出できる。
・ また、合成比率rを用いて前記した2つの演算結果を合成するので、この合成比率rの値を制御して、所望の特定の推定荷重値が得られるように構成することができる。
・ 高速走行時には、センサ出力信号の振動周波数はAD変換のサンプリングレートに近い値に達することがあるが、合成比率rを用いて前記した2つの演算結果を合成するので、高速走行時に前記振幅値Bの誤差が発生してきた場合でも、前記平均値Aのみを用いて演算される推定荷重値LAの比率を高めることで振幅値Bの誤差の影響を小さくでき、荷重の検出精度を高めることができる。
以上の結果から、センサ22A,22Bの非線形特性を補正して荷重推定誤差を低減させつつ、様々な入力荷重状態に応じて連続的な推定荷重値を演算し、できるだけ小さな検出時間遅れで推定荷重値を出力できる。
図14は、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる、前記固定側部材である外方部材1の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に、円周方向90度の位相差で4つのセンサユニット20A,20B,20C,20Dを等配した他の実施形態のアウトボード側から見た正面図を示す。センサユニット20A〜20Dの配置構成を除くその他の構成は、先の実施形態の場合と同様である。
このように4つのセンサユニット20A〜20Dを配置することで、車輪用軸受に作用する垂直方向荷重Fz 、駆動力や制動力となる荷重Fx 、軸方向荷重Fy を推定することができる。
なお、上記した各実施形態では、外方部材1が固定側部材である場合につき説明したが、この発明は、内方部材が固定側部材である車輪用軸受にも適用することができ、その場合、センサユニット20は内方部材の内周となる周面に設ける。
また、これらの実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第1または第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。
1…外方部材
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
20A〜20D…センサユニット
21…歪み発生部材
21a…接触固定部
22A,22B…歪みセンサ
31…第1の荷重推定手段
32…第2の荷重推定手段
33…推定荷重出力手段
34…合成比率テーブル
35…第2の推定荷重出力手段
36…温度センサ
37…温度補正手段

Claims (11)

  1. 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
    上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に、この固定側部材に接触して固定される3つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出する2つ以上のセンサからなる荷重検出用センサユニットを設け、
    前記各センサの出力信号の平均値を用いて車輪用軸受に作用する荷重を演算・推定する第1の荷重推定手段と、前記センサの出力信号の平均値と振幅値とを用いて車輪用軸受に作用する荷重を演算・推定する第2の荷重推定手段と、これらの荷重推定手段が出力する演算結果を、前記第1の荷重推定手段の出力と前記第2の荷重推定手段の出力の比率を(r):(1−r)として、車輪回転速度に応じた比率r(0〜1の値)で合成して推定荷重値を出力する推定荷重出力手段とを設け、前記推定荷重出力手段で用いる合成比率が、車輪回転速度が通常速度の状態から高速状態になるにつれて、前記第1の荷重推定手段の出力の比率が高くなるように設定されていることを特徴とするセンサ付車輪用軸受。
  2. 請求項1において、前記センサユニットでは、隣り合う第1および第2の接触固定部の間、および隣り合う第2および第3の接触固定部の間に各センサをそれぞれ取付け、隣り合う接触固定部もしくは隣り合うセンサの前記固定側部材の円周方向についての間隔を、転動体の配列ピッチの{1/2+n(n:整数)}倍とし、前記第1および第2の荷重推定手段は前記2つのセンサの出力信号の和を平均値として用いるものとしたセンサ付車輪用軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記推定荷重出力手段で用いる合成比率rが、車輪停止状態から車輪回転速度が低速状態の間で、前記第1の荷重推定手段の出力の比率を「1」としてr=1と設定されているセンサ付車輪用軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記推定荷重出力手段で用いられる合成比率が、車輪回転速度に対応してマップ化されており、外部からパラメータで変更可能にされているセンサ付車輪用軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記推定荷重出力手段は、車輪用軸受に設置された車輪回転速度検出センサの出力信号を直接入力して車輪回転速度を検出するものとしたセンサ付車輪用軸受。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記推定荷重出力手段は、車体側のECUから車輪回転速度の情報を受けるものとしたセンサ付車輪用軸受。
  7. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記推定荷重出力手段は、前記センサの出力信号に含まれる転動体の公転運動による振幅成分の周波数から車輪回転速度を検出するものとしたセンサ付車輪用軸受。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記センサユニットを3つ以上設け、前記第1および第2の荷重推定手段は、前記3つ以上のセンサユニットのセンサの出力信号から車輪用軸受の径方向に作用する径方向荷重Fx ,Fz および車輪用軸受の軸方向に作用する軸方向荷重Fy を演算・推定するものとしたセンサ付車輪用軸受。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記センサユニットを、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記固定側部材の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に円周方向90度の位相差で4つ等配したセンサ付車輪用軸受。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、前記センサユニットに温度センサを取付け、この温度センサの検出信号により前記センサ出力信号を補正する温度補正手段を設けたセンサ付車輪用軸受。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項において、前記推定荷重出力手段とは別に、前記第1の荷重推定手段が演算・推定する推定荷重値と、前記第2の荷重推定手段が演算・推定する推定荷重値を、個別に外部に出力する第2の推定荷重出力手段を設けたセンサ付車輪用軸受。
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