JP2010101720A - センサ付車輪用軸受 - Google Patents

センサ付車輪用軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】 車輪用軸受の温度変化の影響を除去して、車輪にかかる荷重を正確に検出できるセンサ付車輪用軸受を提供する。
【解決手段】 車輪用軸受における外方部材1と内方部材2のうち固定側部材の外径面に、2つのセンサユニット20からなるセンサユニット対19を設ける。両センサユニット20は、前記固定側部材の円周方向180度の位相差をなす位置に配置する。センサユニット20は、固定側部材外径面への2つの接触固定部を有する歪み発生部材と、同部材の歪みを検出する2以上のセンサ22A,22Bを有し、センサ22A,22Bは互いに周方向の同位相に配置する。両センサユニット20のセンサ出力信号の差分により、径方向荷重推定手段31で径方向荷重を、また前記センサ出力信号の和により、軸方向荷重推定手段32で軸方向荷重を推定する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪用軸受に関する。
自動車の各車輪にかかる荷重を検出する技術として、車輪用軸受の固定輪である外輪のフランジ部外径面の歪みを検出することにより荷重を検出するセンサ付車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。また、車輪用軸受の外輪に歪みゲージを貼り付け、歪みを検出するようにした車輪用軸受も提案されている(例えば特許文献2)。
特開2002−098138号公報 特表2003−530565号公報
特許文献1に開示の技術では、固定輪のフランジ部の変形により発生する歪みを検出している。しかし、固定輪のフランジ部の変形には、フランジ面とナックル面の間に、静止摩擦力を超える力が作用した場合に滑りが伴うため、繰返し荷重を印加すると、出力信号にヒステリシスが発生するといった問題がある。
例えば、車輪用軸受に対してある方向の荷重が大きくなる場合、固定輪フランジ面とナックル面の間は、最初は荷重よりも静止摩擦力の方が大きいため滑らないが、ある大きさを超えると静止摩擦力に打ち勝って滑るようになる。その状態で荷重を小さくしていくと、やはり最初は静止摩擦力により滑らないが、ある大きさになると滑るようになる。その結果、この変形が生じる部分で荷重を推定しようとすると、出力信号に図14のようなヒステリシスが生じる。ヒステリシスが生じると、検出分解能が低下する。
また、特許文献2のように外輪に歪みゲージを貼り付けるのでは、組立性に問題がある。
また、車輪用軸受に作用する上下方向の荷重Fz を検出する場合、荷重Fz に対する固定輪変形量が小さいため歪み量も小さく、上記した技術では検出感度が低くなり、荷重Fz を精度良く検出できない。
本発明者等は、上記課題を解決するものとして、以下の構成としたセンサ付車輪用軸受を開発した。このセンサ付車輪用軸受における車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、上記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する。上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外径面には、この外径面に接触して固定される2つの接触固定部とこれら2つの接触固定部の間に位置する切欠き部とを有する歪み発生部材およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出するセンサを有する1つ以上のセンサユニットを設ける。
しかし、このような構成の場合、荷重の変化に対してセンサの出力信号の変化が小さく、温度やノイズ等に起因して出力信号に生じるドリフトにより検出誤差が大きくなる。その結果、車輪用軸受に複合荷重(例えばコーナリング力Fy と垂直方向荷重Fz )が印加した状態では、各方向の荷重をそれぞれ算出することが困難である。
そこで、上記構成のセンサ付車輪用軸受において、外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外径面に、円周方向における180度の位相差で設置された2つのセンサユニットからなるセンサユニット対を1組以上設け、センサユニット対における2つのセンサユニットの出力信号の差分から車輪用軸受の径方向に作用する径方向荷重を推定する径方向荷重推定手段と、センサユニット対における2つのセンサユニットの出力信号の和から車輪用軸受の軸方向に作用する軸方向荷重を推定する軸方向荷重推定手段を設けることも試みた。この場合、温度センサを設け、その温度センサの出力に基づき、センサユニットの出力信号の温度変化による変動分を補正することも考えられる。
しかし、このセンサ付車輪用軸受では、センサユニットの出力信号の温度変化による変動分を、温度センサの出力に基づき補正したとしても、外乱や荷重変化によって急激な温度変化が生じる過度状態では温度補正に誤差が生じ、やはり検出誤差が大きくなるという問題が残る。
この発明の目的は、車輪用軸受の温度変化の影響を除去して、車輪にかかる荷重を正確に検出できるセンサ付車輪用軸受を提供することである。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外径面に、その固定側部材の円周方向における180度の位相差をなす位置に配置された2つのセンサユニットからなるセンサユニット対を少なくとも1組設け、前記センサユニットは、前記固定側部材の外径面に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、および固定側部材の互いに円周方向の同位相の位置となるように前記歪み発生部材に取付けられて歪み発生部材の歪みを検出する2つ以上のセンサを有し、前記センサユニット対における2つのセンサユニットのセンサの出力信号の差分から車輪用軸受の径方向に作用する径方向荷重を推定する径方向荷重推定手段と、前記センサユニット対における2つのセンサユニットのセンサの出力信号の和から車輪用軸受の軸方向に作用する軸方向荷重を推定する軸方向荷重推定手段とを設けたことを特徴とする。
この構成において、前記センサユニットの互いに円周方向の同位相の位置に配置されるセンサを例えば2つとし、前記固定側部材の温度変化による変形に起因する前記径方向荷重推定手段および軸方向荷重推定手段の推定値の変動分を、前記両センサの出力信号の差分に基づき補正する推定値用温度補正手段を設けても良い。
車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材(例えば外方部材)にも荷重が印加されて変形が生じる。ここでは、センサユニット対を構成する2つのセンサユニットにおける歪み発生部材の2つの接触固定部が、外方部材の外径面に接触固定されているので、外方部材の歪みが歪み発生部材に拡大して伝達され易く、その歪みがセンサで感度良く検出され、その出力信号に生じるヒステリシスも小さくなる。
また、固定側部材(外方部材)の外径面に、その円周方向における180度の位相差をなす位置に配置された2つのセンサユニットからなるセンサユニット対を少なくとも1組設け、そのセンサユニット対の2つのセンサの出力信号の差により径方向荷重である例えば垂直方向荷重Fz を推定する径方向荷重推定手段と、前記2つのセンサの出力信号の和により軸方向荷重Fy を推定する軸方向荷重推定手段とを設けているので、多数のセンサを設けることなく、どのような荷重条件においても、径方向荷重(例えば垂直方向荷重Fz )と軸方向荷重Fy とを感度良く正確に検出することができる。
とくに、前記センサユニットの互いに円周方向の同位相の位置に配置されるセンサを例えば2つとし、前記固定側部材の温度変化による変形に起因する前記径方向荷重推定手段および軸方向荷重推定手段の推定値の変動分を、前記両センサの出力信号の差分に基づき補正する推定値用温度補正手段を設けると、車輪用軸受の温度変化の影響を除去して、車輪にかかる荷重を正確に検出できる。
この発明において、前記センサユニットの互いに円周方向の同位相の位置に配置される2つのセンサのうち、1つのセンサは前記固定側部材における荷重による変形の少ない位置に配置するのが良い。なお、2つのセンサが、固定側部材における荷重による変形の程度に互いに違いが生じる位置に配置されていれば良いが、例えば、1つのセンサは、固定側部材における同位相の箇所における最も変形が少ない軸方向位置に配置する。この構成の場合、センサユニットの2つのセンサの差分を求めると、温度の影響を十分に取り除くことができるので、推定値用温度補正手段による前記径方向荷重推定手段および軸方向荷重推定手段の推定値の温度補正をより精度良く行うことができる。
この発明において、少なくとも1組のセンサユニット対の2つのセンサユニットは、タイヤ接地面に対して上下位置となる前記固定側部材の外径面の上面部と下面部とに配置し、前記径方向荷重推定手段は、前記2つのセンサユニットのセンサの出力信号の差分から車輪用軸受に作用する垂直方向の荷重を推定するものとしても良い。この構成の場合、ヒステリシスの影響を受けることなく、どのような荷重条件においても、垂直方向にかかる荷重を正確に検出できる。
この発明において、少なくとも1組のセンサユニット対の2つのセンサユニットは、タイヤ接地面に対して前後位置となる前記固定側部材の外径面の右面部と左面部とに配置し、前記径方向荷重推定手段は、前記2つのセンサユニットのセンサの出力信号の差分から駆動力となる荷重を推定するものとしても良い。この構成の場合、ヒステリシスの影響を受けることなく、どのような荷重条件においても、駆動力となる荷重を正確に検出できる。
この発明において、前記径方向荷重推定手段は、その推定値を前記軸方向荷重推定手段による推定値により補正する補正手段を有するものとしても良い。
車輪用軸受の径方向に作用する径方向荷重(垂直方向荷重Fz や駆動力となる荷重Fx )に対する前記固定側部材の変形量は、軸方向荷重Fy に対する変形量と比較して非常に小さいため、軸方向荷重Fy の影響を受けやすい。そこで、径方向荷重推定手段による推定値を軸方向荷重推定手段による推定値により補正すれば、径方向荷重をより正確に推定することができる。
この発明において、車輪用軸受の温度またはその周辺温度に応じて前記センサユニットの出力信号を補正する出力信号用温度補正手段を設けても良い。
軸受回転による発熱や周辺環境などにより車輪用軸受の温度が変化すると、荷重が変化しなくても、前記センサユニットのセンサ出力信号は熱膨張などにより変動するので、検出された荷重に温度の影響が残る。そこで、車輪用軸受の温度またはその周辺温度に応じて前記センサユニットのセンサ出力信号を補正する出力信号温度補正手段を設けると、温度による検出誤差を低減できる。その結果、多数のセンサを設けることなく、どのような荷重条件においても、径方向荷重(例えば垂直方向荷重Fz )と軸方向荷重Fy とを感度良く正確に検出することができる。
この発明において、少なくとも1組のセンサユニット対の2つのセンサユニットは、タイヤ接地面に対して上下位置となる前記固定側部材の外径面の上面部と下面部とに配置し、前記2つのセンサユニットのセンサの出力信号の差分から車輪用軸受の軸方向に作用する軸方向荷重の方向を判別する軸方向荷重判別手段を設けても良い。
この構成の場合、方向判別のためのセンサを別途設けることなく、軸方向荷重Fy の方向を判別することができる。
この発明において、前記荷重推定手段は、前記センサユニット対の2つのセンサユニットの各出力信号の差分もしくは和を、前記各出力信号の絶対値、および前記各出力信号の平均値、および前記各出力信号の振幅のうちの、少なくともいずれか1つにより算出するものとしても良い。
車輪用軸受の回転中には、転走面におけるセンサユニットの近傍部位を通過する転動体の有無によって、センサユニットの出力信号の振幅に周期的な変化が生じる場合がある。そこで、出力信号における振幅の周期を荷重推定手段で測定することにより、転動体の通過速度つまり車輪の回転数を検出することができる。このように、出力信号に変動が見られる場合は、出力信号の平均値や振幅により荷重を算出することができる。変動が見られない場合は、絶対値より荷重を算出することができる。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外径面に、その固定側部材の円周方向における180度の位相差をなす位置に配置された2つのセンサユニットからなるセンサユニット対を少なくとも1組設け、前記センサユニットは、前記固定側部材の外径面に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、および固定側部材の互いに円周方向の同位相の位置となるように前記歪み発生部材に取付けられて歪み発生部材の歪みを検出する2つ以上のセンサを有し、前記センサユニット対における2つのセンサユニットのセンサの出力信号の差分から車輪用軸受の径方向に作用する径方向荷重を推定する径方向荷重推定手段と、前記センサユニット対における2つのセンサユニットのセンサの出力信号の和から車輪用軸受の軸方向に作用する軸方向荷重を推定する軸方向荷重推定手段とを設けたため、車輪用軸受の温度変化の影響を除去して、車輪にかかる荷重を正確に検出することができる。
この発明の一実施形態を図1ないし図12と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付車輪用軸受における軸受は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックル16に取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには円周方向の複数箇所に車体取付用のねじ孔からなる取付孔14が設けられ、インボード側よりナックル16のボルト挿通孔17に挿通したナックルボルト18を前記ボルト孔14に螺合することにより、車体取付用フランジ1aがナックル16に取付けられる。取付孔14はボルト挿通孔であっても良く、その場合はナックルボルト18の締め付け固定にナット(図示せず)が用いられる。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
図2は、この車輪用軸受の外方部材1をアウトボード側から見た正面図を示す。なお、図1は、図2におけるI−I矢視断面図を示す。前記車体取付用フランジ1aは、図2のように、各取付孔14が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片1aaとされている。
固定側部材である外方部材1の外径面には、2つのセンサユニット20を1組とするセンサユニット対19が1組設けられている。これら2つのセンサユニット20は、外方部材1の外径面の円周方向における180度の位相差をなす位置に配置される。このセンサユニット対19は2組以上設けても良い。ここでは、センサユニット対19を構成する2つのセンサユニット20を、タイヤ接地面に対して上位置となる外方部材1の外径面における上面部および下面部の2箇所に設けることで、車輪用軸受に作用する上下方向の荷重(垂直方向荷重)Fz を検出するようにしている。具体的には、図2のように、外方部材1の外径面における上面部の、隣り合う2つの突片1aaの間の中央部に1つのセンサユニット20が配置され、外方部材1の外径面における下面部の、隣り合う2つの突片1aaの間の中央部に他の1つのセンサユニット20が配置されている。
これらのセンサユニット20は、図3および図4に拡大平面図および拡大断面図で示すように、互いに平行に設けられた2つの歪み発生部材21と、これらの歪み発生部材21にそれぞれ取付けられて歪み発生部材21の歪みを検出する2つのセンサ22A,22Bとでなる。歪み発生部材21は、鋼材等の弾性変形可能な金属製の2mm以下の薄板材からなり、平面概形が帯状で中央の両側辺部に切欠き部21bを有する。また、歪み発生部材21は、外方部材1の外径面にスペーサ23を介して接触固定される2つの接触固定部21aを両端部に有する。センサ22A,22Bは、歪み発生部材21における各方向の荷重に対して歪みが大きくなる箇所に貼り付けられる。ここでは、その箇所として、歪み発生部材21の外面側で両側辺部の切欠き部21bで挟まれる中央部位が選ばれており、センサ22A,22Bは切欠き部21b周辺の周方向の歪みを検出する。なお、歪み発生部材21は、固定側部材である外方部材1に作用する外力、またはタイヤと路面間に作用する作用力として、想定される最大の力が印加された状態においても、塑性変形しないものとするのが望ましい。塑性変形が生じると、外方部材1の変形がセンサユニット20に伝わらず、歪みの測定に影響を及ぼすからである。上記の想定される最大の力は、その力が作用しても車輪用軸受自体は損傷をせず、その力が除去されると車輪用軸受の正常な機能が復元される範囲で最も大きな力である。
前記センサユニット20の2つの歪み発生部材21は、図1のように外方部材1の互いに円周方向の同位相の位置で軸方向に並べて配置される。また、図3のように、各歪み発生部材21は、その2つの接触固定部21aが、外方部材1の軸方向に同寸法の位置で、かつ両接触固定部21aが互いに円周方向に離れた位置に来るように配置され、これら接触固定部21aがそれぞれスペーサ23を介してボルト24により外方部材1の外径面に固定される。前記各ボルト24は、それぞれ接触固定部21aに設けられた径方向に貫通するボルト挿通孔25からスペーサ23のボルト挿通孔26に挿通し、外方部材1の外周部に設けられたねじ孔27に螺合させる。このように、スペーサ23を介して外方部材1の外径面に接触固定部21aを固定することにより、薄板状である歪み発生部材21における切欠き部21bを有する中央部位が外方部材1の外径面から離れた状態となり、切欠き部21bの周辺の歪み変形が容易となる。接触固定部21aが配置される軸方向位置として、ここでは外方部材1のアウトボード側列の転走面3の周辺となる軸方向位置が選ばれる。ここでいうアウトボード側列の転走面3の周辺とは、インボード側列およびアウトボード側列の転走面3の中間位置からアウトボード側列の転走面3の形成部までの範囲である。外方部材1の外径面へセンサユニット20を安定良く固定する上で、外方部材1の外径面における前記スペーサ23が接触固定される箇所には平坦部1bが形成される。
これにより、1つのセンサユニット20における2つのセンサ22A,22Bは、図3のように外方部材1の互いに円周方向の同位相の位置で軸方向に並べて配置される。また、2つのセンサ22A,22Bのうち、一方のセンサ22Bは、他方のセンサ22Aよりもアウトボード側、つまり外方部材1の変形が小さいアウトボード側に配置される。
センサ22A,22Bとしては、種々のものを使用することができる。例えば、センサ22A,22Bを金属箔ストレインゲージで構成することができる。その場合、通常、歪み発生部材21に対しては接着による固定が行なわれる。また、センサ22A,22Bを歪み発生部材21上に厚膜抵抗体にて形成することもできる。
センサユニット対19のセンサ22A,22Bは、図2のように径方向荷重推定手段31と軸方向荷重推定手段32とにそれぞれ接続される。径方向荷重推定手段31は、前記2つのセンサユニット20のセンサ出力信号の差分から、車輪用軸受に作用する径方向荷重(ここでは垂直方向荷重Fz )を推定する手段である。軸方向荷重推定手段32は、前記2つのセンサユニット20のセンサ出力信号の和から、車輪用軸受に作用する軸方向荷重(コーナリング力)Fy を推定する手段である。
上記した径方向荷重推定手段31による垂直方向荷重Fz の推定方法、および軸方向荷重推定手段32による軸方向荷重Fy の推定方法について、以下に説明する。軸方向荷重Fy がゼロの状態で垂直方向荷重Fz が印加された場合、外方部材1の外径面の変形モードは、図5に矢印P,Qで示すようになり、外方部材1の外径面の上面部が外径方向へ変形し、下面部が内径方向へ変形する。この実施形態では、センサユニット20を、その2つの接触固定部21aが外方部材1の外径面の同一軸方向位置でかつ周方向に互いに離間した位置となるように配置して、周方向の歪みを検出するようにしている。これにより、前記上面部に固定されたセンサユニット20の歪み発生部材21は、歪みが大きくなる引っ張り方向に変形し、前記下面部に固定されたセンサユニット20の歪み発生部材21は、歪みが小さくなる圧縮方向に変形する。それゆえ、このときのセンサユニット対19の2つのセンサユニット20のセンサ出力信号A,B(図7に破線のグラフとして示す)の差分をとると、同図に実線のグラフCとして示すように傾きの大きい出力曲線が得られる。また、2つのセンサユニット20のセンサ出力信号A,Bの和をとると、同図に別の実線のグラフDとして示すように傾きの小さい出力曲線が得られる。
一方、垂直方向荷重Fz がゼロの状態で軸方向荷重Fy が印加された場合、外方部材1の外径面の変形モードは、図6に矢印P,Qで示すようになり、外方部材1の外径面の上面部および下面部とも外径方向へ変形する。これにより、前記上面部に固定されたセンサユニット20の歪み発生部材21も、前記下面部に固定されたセンサユニット20の歪み発生部材21も共に、歪みが大きくなる引っ張り方向に変形する。それゆえ、このときのセンサユニット対19の2つのセンサユニット20のセンサ出力信号A,B(図8に破線のグラフとして示す)の差分をとると、同図に実線のグラフCとして示すように傾きの小さい出力曲線が得られる。また、2つのセンサユニット20の出力信号A,Bの和をとると、別の実線のグラフDとして示すように傾きの大きい出力曲線が得られる。
このように、垂直方向荷重Fz の印加時と軸方向荷重Fy の印加時とで、外方部材1の外径面の変形モードが異なることを利用して、径方向荷重推定手段31による垂直方向荷重Fz の推定、および軸方向荷重推定手段32による軸方向荷重Fy の推定を、次のように行っている。
(1) 軸方向荷重推定手段32:2つのセンサユニット20のセンサ出力信号A,Bの和を求め、軸方向荷重(コーナリング力)Fy を推定する。この場合、垂直方向荷重Fz に対するセンサ出力信号A,Bの和の傾きは小さく、軸方向荷重Fy の歪み量は垂直方向荷重Fz と比べて非常に大きいため、垂直方向荷重Fz による変動分はほとんど影響を受けない。
(2) 径方向荷重推定手段31:2つのセンサユニット20のセンサ出力信号A,Bの差を求め、軸方向荷重推定手段32で求めた軸方向荷重Fy の値で補正して、垂直方向荷重Fz を推定する。垂直方向荷重Fz に限らず車輪用軸受の径方向に作用する径方向荷重(駆動力となる荷重Fx を含む)に対する外方部材1の変形量は、軸方向荷重Fy に対する変形量と比較して非常に小さいため、軸方向荷重Fy の影響を受けやすい。そこで、上記したように、径方向荷重推定手段31による推定値を軸方向荷重推定手段32で求めた軸方向荷重Fy の値で補正すれば、径方向荷重(ここでは垂直方向荷重Fz )を正確に推定できる。径方向荷重推定手段31は、前記補正処理を行う補正手段31aを有する。例えば、垂直方向荷重Fz と歪み量が比例関係にある場合、補正手段31aは軸方向荷重Fy の値によりオフセット量や傾きを補正する。
前記径方向荷重推定手段31および軸方向荷重推定手段32は、実験や解析により予め求めた図7および図8にグラフで示す関係(荷重Fz と歪み量(差)、荷重Fy と歪み量(和)、荷重Fy と歪み量(差)など)を、演算式またはテーブル等により設定した関係設定手段(図示せず)を有する。これにより、径方向荷重推定手段31および軸方向荷重推定手段32は、入力された2つのセンサユニット20のセンサ出力信号A,Bから前記関係設定手段を用いて、垂直方向荷重Fz および軸方向荷重Fy を推定できる。
ただし、図8にV字形のグラフで示すように、軸方向荷重Fy の正負両方向(アウトボード側の方向とインボード側の方向)において、センサユニット20の歪み発生部材21が引っ張り方向に変形する場合、軸方向荷重Fy の方向を判別する必要がある。軸方向荷重Fy の方向を判別する手段の一例として、ステアリング角センサを用いることもできるが、ここでは、前記センサユニット対19のセンサユニット20のセンサ22A,22Bの出力信号の振幅から以下のように軸方向荷重Fy の方向を判別する軸方向荷重方向判別手段33を設けている。
この実施形態では、センサユニット対19の2つのセンサユニット20を、車輪用軸受の固定側部材である外方部材1の外径面のタイヤ接地面に対する上下方向の位置である上面部と下面部とに配置している。しかも、センサユニット20を、外方部材1における複列の転走面3のうちのアウトボード側の転走面3の周辺となる軸方向位置に配置しているので、車輪用軸受の回転中には、センサユニット20のセンサ22A,22Bの出力信号の振幅に、図9に示す波形図のように周期的な変化が生じる。その理由は、転走面3におけるセンサユニット20の近傍部位を通過する転動体5の有無によって、センサユニット20における歪み発生部材21の変形量が異なり、転動体5の通過周期ごとにセンサ22A,22Bの出力信号の振幅がピーク値を持つためである。この振幅は、センサユニット20の近傍部位を通過する個々の転動体5の荷重によって生じる外方部材1の変形を検出していることになるので、その振幅値は軸方向荷重(モーメント力)Fy の大きさによって変化する。
図10(A)は外方部材1の外径面の上面部に配置されたセンサユニット20のセンサ出力を示し、図10(B)は外方部材1の外径面の下面部に配置されたセンサユニット20のセンサ出力を示している。これらの図において、横軸は軸方向荷重Fy を表し、縦軸は外方部材1の歪み量つまりセンサ22A,22Bの出力信号の振幅を表し、最大値および最小値は振幅の最大値および最小値を表す。これらの図から、軸方向荷重Fy が+方向の場合、個々の転動体5の荷重は外方部材1の外径面上面部で小さくなり(つまり振幅の最大値と最小値の差が小さくなる)、外方部材1の外径面下面部で大きくなる(つまり振幅の最大値と最小値の差が大きくなる)ことが分かる。これに対して、軸方向荷重Fy が−方向の場合には逆に、個々の転動体5の荷重は外方部材1の外径面上面部で大きくなり、外方部材1の外径面下面部で小さくなることが分かる。
そこで、軸方向荷重方向判別手段33では、外方部材1の外径面上面部および外径面下面部に配置されたセンサユニット20のセンサ出力信号の振幅の上記差分を求め、これらの値を比較することで、軸方向荷重Fy の方向を判別する。すなわち、外方部材1の外径面上面部のセンサユニット20のセンサ出力信号の振幅の最大値と最小値の差分が小さいとき、軸方向荷重方向判別手段33では、軸方向荷重Fy の方向が+方向であると判別する。逆に、外方部材1の外径面上面部のセンサユニット20のセンサ出力信号の振幅の最大値と最小値の差分が大きいとき、軸方向荷重方向判別手段33では、軸方向荷重Fy の方向が−方向であると判断する。
図11は、上記センサユニット20におけるセンサ出力信号と外方部材1の温度との関係を示すグラフである。同グラフから分かるように、センサ出力信号は温度によってドリフトする。このドリフトは、温度変化によって外方部材1が膨張・収縮することによるものであり、異なる温度の状態で外方部材1に荷重が印加されると、センサユニット20における2つのセンサ22A,22Bの出力信号a,bは図12(A)のようになる。すなわち、同じ荷重が印加されたときでも、センサ22Aの出力信号aは外方部材1の温度が高いとき(温度T1)の方が低いとき(温度T2)よりも大きくなり、センサ22Bの出力信号bでも同様の傾向が見られる。
このため、径方向荷重推定手段31および軸方向荷重推定手段32で推定される垂直方向荷重Fz および軸方向荷重Fy の検出精度を向上させるためには、それらにより求められた推定値を温度補正する必要がある。センサユニット20に温度センサを設置することで前記温度補正を行うことも可能であるが、この場合には、外乱や荷重変化によって急激な温度変化が生じる過渡状態において温度補正の誤差が生じ、検出誤差が大きくなる問題がある。
そこで、この実施形態では、1つのセンサユニット20における2つのセンサ22A,22Bの出力信号a,bの差分に基づき、前記径方向荷重推定手段31および軸方向荷重推定手段32で推定される垂直方向荷重Fz および軸方向荷重Fy の温度変化による変動分を補正する推定値用温度補正手段34を設けている。
1つのセンサユニット20における2つのセンサ22A,22は、互いに円周方向の同位相の位置に配置され、しかも一方のセンサ22Bは他方のセンサ22Aよりもアウトボード側、つまり他方のセンサ22Aよりも外方部材1における荷重による変化の少ない位置に配置されているので、図12(B)のようにセンサ22Aの出力信号aとセンサ22Bの出力信号の差分(a−b)を求めると、温度の影響を取り除くことができる。その結果、前記推定値用温度補正手段34により、径方向荷重推定手段31および軸方向荷重推定手段32で推定される垂直方向荷重Fz および軸方向荷重Fy を温度補正することで、検出精度を向上させることができる。
また、この実施形態では、前記推定値用温度補正手段34とは別に、センサユニット20における2つのセンサ22A,22Bのそれぞれの出力信号a,bを、車輪用軸受の温度または周辺温度に応じて補正する出力信号用温度補正手段35が設けられている。図2のように、外方部材1の外径面における各センサユニット20の設置部の近傍には、外方部材1の外径面温度を検出する温度センサ29がそれぞれ設けられている。温度センサ29としては、例えばサーミスタや白金抵抗阻止を用いることができる。出力信号用温度補正手段35は、前記温度センサ29の出力信号に基づいて、対応するセンサユニット20のセンサ出力信号を補正する。したがって、径方向荷重推定手段31や軸方向荷重推定手段32には、出力信号用温度補正手段35によって補正されたセンサ出力信号が入力される。
車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材である外方部材1にも荷重が印加されて変形が生じる。前記センサユニット対19のセンサユニット20を例えば車体取付用フランジ1aの突片1aaに設置して、車体取付用フランジ1aの変形から荷重を推定しようとすると、従来例の説明におけるように出力信号にヒステリシスが生じる。ここでは、センサユニット20における歪み発生部材21の2つ以上の接触固定部21aが、外方部材1の外径面に接触固定されているので、外方部材1の歪みが歪み発生部材21に拡大して伝達され易く、その歪みがセンサ22で感度良く検出され、その出力信号に生じるヒステリシスも小さくなり、荷重を精度良く推定できる。
また、固定側部材である外方部材1の外径面に、その円周方向における180度の位相差をなす位置に配置された2つのセンサユニット20からなるセンサユニット対19を少なくとも1組設け、そのセンサユニット対19の2つのセンサユニット20のセンサ出力信号の差により径方向荷重である例えば垂直方向荷重Fz を推定する径方向荷重推定手段31と、前記2つのセンサ22の出力信号の和によりコーナリング力となる軸方向荷重Fy を推定する軸方向荷重推定手段32を設けているので、多数のセンサを設けることなく、どのような荷重条件においても、径方向荷重(ここでは垂直方向荷重Fz )と軸方向荷重Fy とを感度良く推定することができる。
とくに、センサユニット20のセンサ22A,22Bを、固定側部材である外方部材1の互いに円周方向の同位相の位置に配置し、その2つのセンサ22A,22Bの差分に基づき、外方部材1の温度変化による変形に起因する前記径方向荷重推定手段31および軸方向荷重推定手段32の推定値(垂直方向荷重Fz ,軸方向荷重Fy )の変動分を補正する推定値用温度補正手段34を設けているので、温度変化の影響を除去して荷重をより精度良く推定できる。
また、この実施形態では、少なくとも1組のセンサユニット対19の2つのセンサユニット20を、タイヤ接地面に対して上下方向の位置となる固定側部材である外方部材1の外径面の上面部と下面部とに配置し、このセンサユニット対19のセンサ出力信号の振幅から前記軸方向荷重Fy の方向を判別する軸方向荷重方向判別手段33を設けているので、方向判別のためのセンサを別途設けることなく、軸方向荷重Fy の方向を判別することができる。したがって、複数のセンサを設置することなく、径方向荷重(ここでは垂直方向荷重Fz )と軸方向荷重Fy とを感度良く推定することができる。
上記説明では車輪のタイヤと路面間の作用力を検出する場合を示したが、車輪のタイヤと路面間の作用力だけでなく、車輪用軸受に作用する力(例えば予圧量)を検出するものとしても良い。
このセンサ付車輪用軸受から得られた検出荷重を自動車の車両制御に使用することにより、自動車の安定走行に寄与できる。また、このセンサ付車輪用軸受を用いると、車両にコンパクトに荷重センサを設置でき、量産性に優れたものとでき、コスト低減を図ることができる。
また、上記したように、車輪用軸受の回転中には、転走面3におけるセンサユニット20の近傍部位を通過する転動体5の有無によって、センサユニット20のセンサ出力信号の振幅に、図9に示す波形図のように周期的な変化が生じる。そこで、検出信号におけるこのピーク値の周期を、例えば径方向荷重推定手段31で測定することにより、転動体5の通過速度つまり車輪の回転数を検出することも可能となる。このように、出力信号に変動が見られる場合、径方向荷重推定手段31は、センサユニット対19の2つのセンサユニット20のセンサ出力信号の差分を、各出力信号の平均値や振幅から算出することができる。変動が見られない場合は、絶対値より算出することができる。
なお、この実施形態において、以下の構成については特に限定しない。
・ センサユニット20の設置個数、接触固定部21a,センサ22A,22B,切欠 き部21bの数、設置場所
・ センサユニット20の形状、固定方法(接着、溶接でも良い。スペーサ23を介さ ずに、2つの接触固定部21aを外方部材1の外径面に直接固定し、その外径面に おける両接触固定部21aの被固定部位間に溝を設けても良い。)、固定する向き (軸方向に向けて固定し、軸方向の歪みを検出しても構わない)
また、この実施形態では、センサユニット対19となる2つのセンサユニット20を、タイヤ接地面に対して上下位置となる固定側部材である外方部材1の外径面の上面部と下面部とに配置しているが、これに限らず外方部材1の外径面の左右両面に配置しても良い。この場合には、径方向荷重推定手段31により、径方向荷重として車両の前後方向に作用する駆動力による荷重Fx を推定することができる。
また、この実施形態では、2つの歪み発生部材21にそれぞれ1つのセンサ22A,22Bを取付けて1つのセンサユニット20を構成したが、例えば図13のように1つの歪み発生部材21に2つのセンサ22A,22Bを取付けて1つのセンサユニット20を構成しても良い。2つのセンサ22A,22Bを外方部材1に対して互いに円周方向の同位相の位置に配置することや、歪み発生部材21の構成は先の実施形態の場合と同様である。
この発明の一実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図とその検出系の概念構成のブロック図とを組み合わせて示す図である。 同センサ付車輪用軸受の外方部材の正面図と検出系の概念構成のブロック図とを組み合わせて示す図である。 同センサ付車輪用軸受におけるセンサユニットの拡大平面図である。 図3におけるIV−IV矢視断面図である。 同センサ付車輪用軸受の外方部材外径面の変形モードの一例を示す説明図である。 同センサ付車輪用軸受の外方部材外径面の変形モードの他の例を示す説明図である。 同センサ付車輪用軸受におけるセンサ出力と垂直方向荷重との関係を示すグラフである。 同センサ付車輪用軸受におけるセンサ出力と軸方向荷重との関係を示すグラフである。 同センサ付車輪用軸受におけるセンサユニットのセンサ出力信号の波形図である。 (A)は外方部材外径面上面部でのセンサ出力信号振幅の最大最小値差と軸方向荷重の方向との関係を示すグラフ、(B)は同外径面下面部でのセンサ出力信号の振幅の最大最小値差と軸方向荷重の方向との関係を示すグラフである。 センサ出力信号と温度との関係を示すグラフである。 (A)は温度をパラメータとしたセンサ出力信号と荷重の関係を示すグラフ、(B)はセンサユニットにおける2つのセンサの出力信号の差分と荷重の関係を示すグラフである。 センサユニットの他の構成例を示す平面図である。 従来例での出力信号におけるヒステリシスの説明図である。
符号の説明
1…外方部材
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
19…センサユニット対
20…センサユニット
21…歪み発生部材
21a…接触固定部
22A,22B…センサ
29…温度センサ
31…径方向荷重推定手段
31a…補正手段
32…軸方向荷重推定手段
33…軸方向荷重方向判別手段
34…推定値用温度補正手段
35…出力信号用温度補正手段

Claims (9)

  1. 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
    上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外径面に、その固定側部材の円周方向における180度の位相差をなす位置に配置された2つのセンサユニットからなるセンサユニット対を少なくとも1組設け、前記センサユニットは、前記固定側部材の外径面に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、および固定側部材の互いに円周方向の同位相の位置となるように前記歪み発生部材に取付けられて前記歪み発生部材の歪みを検出する2つ以上のセンサを有し、前記センサユニット対における2つのセンサユニットのセンサの出力信号の差分から車輪用軸受の径方向に作用する径方向荷重を推定する径方向荷重推定手段と、前記センサユニット対における2つのセンサユニットのセンサの出力信号の和から車輪用軸受の軸方向に作用する軸方向荷重を推定する軸方向荷重推定手段とを設けたことを特徴とするセンサ付車輪用軸受。
  2. 請求項1において、前記センサユニットの互いに円周方向の同位相の位置に配置されるセンサを2つとし、前記固定側部材の温度変化による変形に起因する前記径方向荷重推定手段および軸方向荷重推定手段の推定値の変動分を、前記両センサの出力信号の差分に基づき補正する推定値用温度補正手段を設けたセンサ付車輪用軸受。
  3. 請求項2において、前記センサユニットの互いに円周方向の同位相の位置に配置される2つのセンサのうち、1つのセンサは前記固定側部材における荷重による変形の少ない位置に配置したセンサ付車輪用軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、少なくとも1組のセンサユニット対の2つのセンサユニットは、タイヤ接地面に対して上下位置となる前記固定側部材の外径面の上面部と下面部とに配置し、前記径方向荷重推定手段は、前記2つのセンサユニットのセンサの出力信号の差分から車輪用軸受に作用する垂直方向の荷重を推定するセンサ付車輪用軸受。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、少なくとも1組のセンサユニット対の2つのセンサユニットは、タイヤ接地面に対して前後位置となる前記固定側部材の外径面の右面部と左面部とに配置し、前記径方向荷重推定手段は、前記2つのセンサユニットのセンサの出力信号の差分から駆動力となる荷重を推定するセンサ付車輪用軸受。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記径方向荷重推定手段は、その推定値を前記軸方向荷重推定手段による推定値により補正する補正手段を有するセンサ付車輪用軸受。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、車輪用軸受の温度またはその周辺温度に応じて前記センサユニットのセンサ出力信号を補正する出力信号用温度補正手段を設けたセンサ付車輪用軸受。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、少なくとも1組のセンサユニット対の2つのセンサユニットは、タイヤ接地面に対して上下位置となる前記固定側部材の外径面の上面部と下面部とに配置し、前記2つのセンサユニットのセンサの出力信号の差分から車輪用軸受の軸方向に作用する軸方向荷重の方向を判別する軸方向荷重判別手段を設けたセンサ付車輪用軸受。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記荷重推定手段は、前記センサユニット対の2つのセンサユニットの各出力信号の差分もしくは和を、前記各出力信号の絶対値、および前記各出力信号の平均値、および前記各出力信号の振幅のうち、少なくともいずれか1つにより算出するセンサ付車輪用軸受。
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