JP5996297B2 - センサ付車輪用軸受装置 - Google Patents

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この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを備えたセンサ付車輪用軸受装置に関する。
自動車の各車輪にかかる荷重を検出する技術として、車輪用軸受の外輪外径面に歪みゲージを貼り付け、外輪外径面の歪みから荷重を検出するようにしたセンサ付車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。しかし、特許文献1に開示の技術では、車輪用軸受に作用する荷重を検出する場合、荷重に対する固定輪変形量が小さいため歪み量も小さく、検出感度が低くなり、荷重を精度良く検出できない。
この課題を解決するものとして、3つの接触固定部で固定される歪み発生部材と、その歪み発生部材の上に設けた2つの歪みセンサとでなり、一つの歪み信号を出力するようにしたセンサユニットを軸受の外輪に設置して、前記2つの歪みセンサの出力信号の加算値、振幅値等をセンサユニットの出力として用い、入力荷重の推定演算処理を行うようにしたものや(例えば特許文献2)、以下の構成としたセンサ付車輪用軸受装置が提案されている(特許文献3,4)。
特許文献3に開示のセンサ付車輪用軸受装置における車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、上記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する。上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外径面には、その固定側部材の円周方向における180度の位相差をなす位置に配置された2つのセンサユニットからなるセンサユニット対を少なくとも一対設ける。各センサユニットは、前記固定側部材の外径面に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられて歪み発生部材の歪みを検出するセンサを有するものとする。
この構成において、前記センサユニット対における2つのセンサユニットのセンサ出力信号の差分を基に、径方向荷重推定手段で、車輪用軸受の径方向に作用する径方向荷重を推定する。また、前記センサユニット対における2つのセンサユニットのセンサ出力信号の和を基に、軸方向荷重推定手段で、車輪用軸受の軸方向に作用する軸方向荷重を推定する。そして、少なくとも1対のセンサユニット対の2つのセンサユニットは、タイヤ接地面に対して上下位置となる前記固定側部材の外径面の上面部と下面部に配置する。このセンサユニット対のセンサの出力信号振幅を基に、軸方向荷重方向判別手段で、前記軸方向荷重の方向を判別する。
前記センサユニットにおける歪み発生部材の接触固定部を、車輪用軸受における固定側部材の転走面付近に配置すると、車輪の回転に伴ってセンサ出力信号に正弦波に近い変動が見られる。これは、転動体の通過による歪みの変化が検出されたものである。上記構成では、上下に配置した2つのセンサユニットのセンサ出力信号における振幅値(転動体の公転運動に伴う振動成分)の差分により、軸方向荷重を判別し、軸方向荷重の正負に応じて、それぞれに適した荷重推定パラメータを用いて荷重を演算するので、荷重を感度良く推定できる。
特許文献3に開示のセンサ付車輪用軸受装置では、特許文献3に示された車輪用軸受の固定側部材の外径面に3つ以上のセンサユニットを設け、車輪用軸受の径方向に作用する径方向荷重および車輪用軸受の軸方向に作用する軸方向荷重を、前記3つ以上のセンサユニットの出力信号を基に荷重推定手段で推定する。この場合のセンサユニットは、前記固定側部材の外径面に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材と、この歪み発生部材に取付けられて歪み発生部材の歪みを検出する1つ以上のセンサを有する。また、前記各センサユニットの出力信号は、出力信号分離手段により直流成分と交流成分に分離され、荷重推定手段では、前記各直流成分(平均値)および交流成分の振幅値を変数とし、これら各変数に推定する各方向の荷重ごとに定められる補正係数を乗算してなる一次式から各方向の荷重を推定する。
このように構成されたセンサ付車輪用軸受装置では、どのような荷重条件においても、径方向荷重と軸方向荷重を感度良く正確に推定できる。
特表2003−530565号公報 特開2009−270711号公報 特開2010−43901号公報 特開2010−96565号公報
特許文献2,3などのセンサ付車輪用軸受装置で実行されるセンサ出力信号の演算処理において、センサ出力信号のLPF(ローパスフィルタ)処理に用いるデータ個数を固定値とする構成のとき、データ処理の時間窓と転動体通過周期がずれた場合に、センサ出力信号に転動体通過成分が重畳してしまう。LPF処理したセンサ出力信号値に基づいて荷重演算を実行するシステムにとって、このような転動体の周波数成分が重畳することは好ましくない。
また、LPF処理を行ったセンサ出力信号を用いて推定荷重値を演算する構成では、上記現象の影響により、演算される推定荷重値の誤差が大きくなったり、本来とは異なった特性となったりする。
そこで、このような構成の場合、車両の走行速度が変化することで発生する転動体の周期変化の影響をキャンセルし、LPF処理個数の最適値を求める方法が必要である。これと同様に、上記した振幅値の算出についても、処理個数の最適化が必要である。
しかし、特許文献3の構成の場合、最適な荷重推定パラメータを選択するために、センサ出力信号の振幅値を算出する必要があり、振幅値を算出できない場合に対応することができない。
この発明の目的は、車両速度が変化する走行状態においても、センサ出力信号の適切な処理個数が求められ、推定荷重値に含まれる転動体通過成分を低減できて、荷重推定精度を向上させることができるセンサ付車輪用軸受装置を提供することである。
この発明のセンサ付車輪用軸受装置は、複列の転走面が内周に形成された外方部材、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材、および両部材の対向する転走面間に介在された複列の転動体を有し、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受と、軸受に加わる荷重出される1つ以上のセンサ(20)と、前記各センサ(20)の出力信号S理されて信号ベクトル成される信号処理手段31と、前記信号ベクトルから前記車輪に加わる荷重算される荷重演算処理手段32とを備える。
前記信号処理手段31は、前記各センサ(20)の出力信号Sから前記信号ベクトル算されるセンサ信号演算部33と、前記各センサ(20)の出力信号Sに含まれる前記転動体の移動による振動成分Sdif の周期出される転動体周期検出部34とを有し、この前記転動体周期検出部34は、前記各センサ(20)の出力信号Sの振幅値Srms が比較され、最大のものが、前記周期が検出される信号として選択され、前記センサ信号演算部33は、前記転動体周期検出部34出された周期に応じて、演算処理に用いる演算処理パラメータを変化させる。
この構成によると、信号処理手段31は、各センサの出力信号Sから信号ベクトルを演算するセンサ信号演算部33と、各センサの出力信号Sに含まれる転動体の移動による振動成分Sdif の周期を検出する転動体周期検出部34とを有し、この転動体周期検出部34が、検出した周期に応じて、前記センサ信号演算部33で用いられる演算処理パラメータを変化させる。このため、車両速度が変化する走行状態においても、センサ出力信号の適切な処理個数が求められ、推定荷重値に含まれる転動体通過成分を低減できて、荷重推定精度を向上させることができる。
この発明において、前記信号処理手段31のセンサ信号演算部33で用いられる演算処理パラメータが、演算処理のために設定される時間窓nであっても良い。
この発明において、前記信号処理手段31のセンサ信号演算部33が前記転動体周期検出部34で検出された周期を用いて前記時間窓nを決定するとき、設定された最大値と最小値の範囲内に収まるように前記時間窓n定されるようにしても良い。
この発明において、前記信号処理手段31のセンサ信号演算部33は、前記信号ベクトルとして前記各センサの出力信号Sの平均値SAめられる平均値演算処理部36を有し、この平均値演算処理部36がローパスフィルタ(以下「LPF」と称す)で構成されていても良い。
この発明において、前記信号処理手段31のセンサ信号演算部33は、前記信号ベクトルとして前記各センサ(20)の出力信号Sの振幅値Srms められる振幅値演算処理部35を有するものとしても良い。
この発明において、前記信号処理手段31は、前記各センサの出力信号Sにフィルタ処理が施されて前記転動体の振動成分Sdif 出されるハイパスフィルタ(以下「HPF」と称す)を有し、前記転動体周期検出部34は前記HPFにより抽出される振動成分Sdif から前記周期出されるものとしても良い。
この発明において、前記信号処理手段31は、前記各センサの出力信号Sと、その出力信号Sの時間平均値SAとから、次式
Sdif =S−SA
算されて前記転動体の振動成分Sdif 力される振動成分演算部38を有し、前記転動体周期検出部34は前記振動成分演算部38により出力される振動成分Sdif から前記周期出されるようにしても良い。
この構成の場合、高度な演算処理を行うことなく転動体の振動成分Sdif を算出でき、演算の単純化と処理速度の向上が可能となる。
記転動体周期検出部34は、前記各センサ(20)の出力信号Sから最適な信号択され、その信号を用いて前記周期される。すなわち前記転動体周期検出部34は、前記各センサ(20)の出力信号Sの振幅値Srms 較され、最大のもの、前記周期出される信号として選択される。
この発明において、前記センサ(20)は、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外径面に設けられたセンサユニット20であり、このセンサユニット20は、前記固定側部材の外径面に接触して固定される3つの接触固定部を有する歪み発生部材21と、この歪み発生部材21に取付けられてこの歪み発生部材21の歪み出される2つの歪検出素子22A,21Bとでなり、
前記検出素子22A,21B、前記歪み発生部材21の隣り合う第1および第2の接触固定部21aの間、および隣り合う第2および第3の接触固定部21aの間にそれぞれ設けられ、隣り合う前記接触固定部21aの間隔、もしくは隣り合う前記歪検出素子22A,21Bの間隔、転動体の配列ピッチの{n+1/2(n:整数)}倍に設定されたものとしても良い。
この場合に、前記信号処理手段31は、前記各センサユニット上の2つの歪検出素子の出力信号S0 ,S1 の差分信号にフィルタ処理が施されて前記転動体の振動成分Sdif 出されるHPF37を有し、前記転動体周期検出部34は前記HPF37により抽出される振動成分Sdif から前記周期出されるものとしても良い。
また、この場合に、前記信号処理手段31は、前記各センサユニット20上の2つの歪検出素子の出力信号S0 ,S1 と、これらの出力信号S0 ,S1 の時間平均値SA0 ,SA1 とから、次式
Sdif =(S0 −S1 )−(SA0 −SA1 )
算されて前記転動体の振動成分Sdif 力される振動成分演算部38を有し、前記転動体周期検出部34は前記振動成分演算部38により出力される振動成分Sdif から前記周期出されるものとしても良い。
この構成の場合、転動体の振動成分Sdif だけを精度良く算出することができ、転動体周期検出部34において、演算処理パラメータ(例えば時間窓n)のより正確な算出が可能となる。
この発明において、前記センサユニット203つ以上設けられ、前記荷重演算処理手段32は、前記3つ以上のセンサユニット20の出力信号から、前記車輪用軸受に作用する垂直方向荷重Fz 、前後方向の荷重Fx 、および軸方向荷重Fy 算されるものとしても良い。
この場合に、前記センサユニット20、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記固定側部材の外径面の上面部、下面部、右面部および左面部に円周方向90度の位相差で4つ等配されたものとしても良い。
このように4つのセンサユニット20を配置することで、車輪用軸受に作用する垂直方向荷重Fz 、前後方向の荷重Fx 、軸方向荷重Fy を推定することができる。また、軸受の荷重状態が変化した場合においても、負荷圏側に配置されたセンサユニット20の出力信号から安定して転動体周期を検出でき、荷重推定出力の精度を向上させることができる。
この発明において、前記前記信号処理手段31および荷重演算処理手段32を前記車輪用軸受に搭載しても良い。
この発明のセンサ付車輪用軸受装置は、複列の転走面が内周に形成された外方部材、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材、および両部材の対向する転走面間に介在された複列の転動体を有し、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受と、軸受に加わる荷重出される1つ以上のセンサと、前記各センサの出力信号S理されて信号ベクトル成される信号処理手段と、前記信号ベクトルから前記車輪に加わる荷重算される荷重演算処理手段とを備え、前記信号処理手段は、前記各センサの出力信号Sから前記信号ベクトル算されるセンサ信号演算部と、前記各センサの出力信号Sに含まれる前記転動体の移動による振動成分Sdif の周期出される転動体周期検出部とを有し、この前記転動体周期検出部は、前記各センサの出力信号Sの振幅値Srms が比較され、最大のものが、前記周期が検出される信号として選択され、前記センサ信号演算部は、前記転動体周期検出部で検出された周期に応じて、演算処理に用いる演算処理パラメータを変化させるようにしたため、車両速度が変化する走行状態においても、センサ出力信号の適切な処理個数が求められ、推定荷重値に含まれる転動体通過成分を低減できて、荷重推定精度を向上させることができる。

この発明の一実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受装置の軸受の断面図とその検出系の概念構成のブロック図とを組み合わせて示す図である。 同軸受の外方部材をアウトボード側から見た正面図である。 同センサ付車輪用軸受装置におけるセンサユニットの一例の拡大平面図である。 図3におけるIV−IV矢視断面図である。 センサ出力信号の波形図である。 信号処理手段の参考構成例を示すブロック図である。 参考構成例の信号処理手段を用いた場合のセンサ出力信号と時間窓との関係の一例を示す波形図である。 参考構成例の信号処理手段を用いた場合のセンサ出力信号と時間窓との関係の他の例を示す波形図である。 センサ出力信号の歪み成分を構成する広域的歪成分(Global Strain )と転動体通過成分(Local Strain)を示す波形図である。 このセンサ付車輪用軸受装置における検出系の他の構成例を示すブロック図である。 同検出系におけるセンサ出力信号Sの波形と平均値SAとの関係を示す波形図である。 同一センサユニットにおける2つの歪検出素子の出力信号の差分値を示す波形図である。 転動体通過成分Sdif のゼロクロス位置を示す説明図である。 転動体周期検出部に設けるSdif 検出部の説明図である。 このセンサ付車輪用軸受装置における検出系のさらに他の構成例を示すブロック図である。 このセンサ付車輪用軸受装置における検出系のさらに他の構成例を示すブロック図である。 このセンサ付車輪用軸受装置における検出系のさらに他の構成例を示すブロック図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図14と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受100に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付車輪用軸受装置における車輪用軸受100は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受100は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックル16に取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには周方向複数箇所にナックル取付用のねじ孔14が設けられ、インボード側よりナックル16のボルト挿通孔17に挿通したナックルボルト(図示せず)を前記ねじ孔14に螺合することにより、車体取付用フランジ1aがナックル16に取付けられる。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
図2は、この車輪用軸受100の外方部材1をアウトボード側から見た正面図を示す。なお、図1は、図2におけるI−I矢視断面図を示す。前記車体取付用フランジ1aは、図2のように、各ねじ孔14が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片1aaとされている。
固定側部材である外方部材1の外径面には、荷重検出用センサである4つのセンサユニット20が設けられている。ここでは、これらのセンサユニット20が、タイヤ接地面に対して上下位置および前後位置となる外方部材1の外径面における上面部、下面部、右面部、および左面部に設けられている。
各センサユニット20の歪検出素子22は、図1にブロック図で示す検出系ユニットに接続される。この検出系ユニットは、前記各センサユニット20の出力信号を処理して信号ベクトルを生成する信号処理手段31と、前記信号ベクトルから車輪に加わる荷重を演算する荷重演算処理手段32とでなる。信号処理手段31および荷重演算処理手段32は、必ずしも検出系ユニットとして一体化しなくても良く、互いに分離して設けて良い。また、これら信号処理手段31や荷重演算処理手段32は車輪用軸受100に搭載しても良く、また車輪用軸受100とは離れて車両に、メインのECU(電気制御ユニット)の近傍等に位置して、あるいはECUの統括制御部の下位制御部等として設置しても良い。
この実施形態では、車輪に加わる各方向の荷重を検出するセンサとして、図2〜図4に一構成例を示した前記センサユニット20が用いられる。各センサユニット20は、後に詳述するように、接触固定部21aで外方部材1に固定された歪み発生部材21と、この歪み発生部材2に取付けられて歪み発生部材2の歪みを検出する歪検出素子22(22A,22B)とでなる(図3,図4)。図3,図4の構成例では1つのセンサユニット20に2つの歪検出素子22(22A,22B)が用いられているが、1つのセンサユニット20に1つの歪検出素子22を用いた構成であっても良い。
なお、X,Y,Z方向の3方向の各荷重Fx 、Fy 、Fz 、あるいはそれぞれの方向のモーメント荷重を算出するためには、少なくとも3つ以上のセンサ情報(センサの出力信号)を用いた演算処理構成が必要となる。すなわち、複数のセンサ信号を必要に応じて加工・信号処理して抽出した信号ベクトルを生成し、これを用いて荷重推定演算処理を実行して入力荷重F(={Fx, Fy, Fz, …} )を求める荷重検出系ユニットを備えた構成となる。
このような構成の荷重検出系ユニットにおいては、線形近似が成立する範囲において、各センサ信号の信号ベクトルをSで表すと、この信号ベクトルSを入力とし、F=M・S+Moの関係式を満たすように、数値解析や実験によって演算係数行列MとオフセットMoを決定することにより、荷重推定演算処理が可能になる。
図1の信号処理手段31は、前記各センサユニット20の出力信号Sを演算処理して前記信号ベクトルを生成するセンサ信号演算部33と、前記各センサユニット20の出力信号Sに含まれる転動体5(図1)の移動による振動成分である転動体通過成分Sdif の周期を検出する転動体周期検出部34とを有する。
前記信号処理手段31のセンサ信号演算部33は、前記信号ベクトルとして前記各センサユニット20の出力信号Sの振幅値Srms を求める振幅値演算処理部35と、信号ベクトルとして各センサユニット20の出力信号Sの平均値SAを求める平均値演算処理部36とを備える。前記平均値演算処理部36は、その主要部がLPF(ローパスフィルタ)からなり、センサユニット20の出力信号Sに対して時間窓によるLPF処理を施すことで平均値SAを求める。
荷重演算処理手段32は、前後方向の荷重Fx 、軸方向の荷重Fy 、および垂直方向の荷重Fz 、あるいはそれぞれの方向のモーメント荷重を演算するが、これらの演算のためには、少なくとも3つ以上のセンサ情報を用いた演算処理が必要になる。すなわち、前記信号処理手段31では、入力される各センサ出力信号Sを必要に応じてセンサ信号演算部33で加工・信号処理して抽出した前記信号ベクトルSA,Srms を生成する。これを用いて、荷重演算処理手段32では荷重演算処理を実行して作用荷重F(={Fx ,Fy ,Fz ,…})を求める。
このような演算構成において、荷重演算処理手段32での演算処理を可能にするために、荷重値演算部33では演算式としてF=M・S+Mo (ただし、Sは信号処理手段31で生成された信号ベクトル)の関係式が用いられ、線形近似が成立する範囲において、この関係式を満たすように数値解析や実験によって係数MとオフセットMo とが決定される。
ところで、前記センサユニット20における歪み発生部材21の接触固定部21aを、図1の車輪用軸受100における固定側部材である外方部材1の転走面4付近に配置すると、車輪の回転に伴ってセンサユニット20の出力信号Sに、図5のような正弦波に近い変動が見られる。これは、転動体5の通過による歪みの変化が検出されたものである。そこで、図6に参考構成例として示すように、信号処理手段31Aがセンサ信号演算部33のみからなる場合には、センサ信号演算部33の平均値演算処理部36では、センサユニット20の出力信号Sに対して、固定された時間窓によるLPF処理を施すことで、上記した転動体通過成分をキャンセルすることになる。
しかしながら、例えば、車両が低速走行中のときには、センサユニット20の出力信号Sに含まれる転動体通過成分の周波数がLPFのカットオフ周波数に近くなってくるため、抽出される信号ベクトルSAに転動体通過成分が現れ、荷重演算処理手段32での演算結果に不要な振動成分が重畳するという問題が発生する。
例えば、一定周期でサンプリングしたセンサユニット20からの出力信号をS、信号処理手段31におけるセンサ信号演算部33の平均値演算処理部36でLPF処理を施して求めた信号ベクトルをSA、前記LPF処理での時間窓つまりLPF処理に使用するデータ数をnとする。すると、図7のように、時間窓nが転動体5(図1)の通過周期の整数倍となる場合には適切なLPF処理が行えるが、図8のように外れた場合には、求めた信号ベクトルSAに転動体5の周波数に依存する通過成分が重畳してしまう。なお、図7,図8において、S0 は「0」と番号付けしたセンサユニット20の出力信号を表し、SA0 はその出力信号S0 にLPF処理して得られる信号ベクトルを表す。このように、LPF処理を施して求めた信号ベクトルSAを、荷重演算処理手段32での演算に用いて荷重を推定すると、上記の理由によって、出力される推定荷重値の誤差が大きくなる。すなわち、LPF処理したセンサ信号値に基づいて荷重演算を実行するアルゴリズムでは、上記した転動体通過成分が重畳することは好ましくない。
これを避けるために、LPF処理での時間窓nを広くすれば、少ない誤差で平均値となる信号ベクトルSAを求めることは可能だが、時間遅れが大きくなってしまうため、あまり大きな時間窓nを設定することは望ましくない。
そこで、この問題を解決するために、この実施形態では、信号処理手段31における前記転動体周期検出部34に、センサ信号演算部33における平均値演算処理部36で用いられる演算処理パラメータである時間窓nを、検出した周期に応じて最適な値に変化させる機能を持たせている。信号処理手段31には、別にHPF(ハイパスフィルタ)37を設け、このHPF37で各センサユニット20の出力信号Sにフィルタ処理を施して、前記転動体通過成分Sdif を抽出し、転動体周期検出部34は抽出された転動体通過成分Sdif から前記周期を検出するようにしている。
センサユニット20の出力信号Sが変化するとき、その歪み成分は、図9に示すように、荷重の変動による広域的歪成分(Global Strain )と、転動体5の通過に起因する転動体通過成分(Local Strain)とによって構成される。そこで、転動体周期を検出するためには、周波数の高い転動体通過成分を使用すれば良く、センサユニット20の出力信号SにHPF処理を施すことによってこれを抽出することができる。前記HPF37はこの機能を担うものであり、このHPF処理によって、ほぼ0を中心とした波形の転動体通過成分Sdif を抽出する。
図10には、信号処理手段31の他の構成例を示す。この構成例では、図1の場合のHPF37に代えて、振動成分演算部38を設けている。この振動成分演算部38は、各センサユニット20の出力信号Sと、センサ信号演算部33における平均値演算処理部36で求められる前記出力信号Sの信号ベクトルSAつまり時間平均値とから、次式
Sdif =S−SA ……(1)
を演算して、転動体通過成分Sdif を出力する。このような演算により転動体通過成分Sdif を求める構成とすると、高度な演算処理を行う必要がないため、演算の単純化と処理速度の向上が可能となる。
次に、図1のセンサユニット20の一構成例について、その具体的構造を説明する。図2の4箇所に設けられた各センサユニット20は、図3および図4に拡大平面図および拡大断面図で示すように、歪み発生部材21と、この歪み発生部材21に取付けられて歪み発生部材21の歪みを検出する2つの歪検出素子22(22A,22B)とでなる。歪み発生部材21は、鋼材等の弾性変形可能な金属製で2mm以下の薄板材からなり、平面概形が全長にわたり均一幅の帯状である。また、歪み発生部材21は、外方部材1の外径面にスペーサ23を介して接触固定される3つの接触固定部21aを有する。3つの接触固定部21aは、歪み発生部材21の長手方向に向けて1列に並べて配置される。2つの歪検出素子22のうち1つの歪検出素子22Aは、図4において、左端の接触固定部21aと中央の接触固定部21aとの間に配置され、中央の接触固定部21aと右端の接触固定部21aとの間に他の1つの歪検出素子22Bが配置される。図3のように、歪み発生部材21の両側辺部における前記各歪検出素子22A,22Bの配置部に対応する2箇所の位置にそれぞれ切欠き部21bが形成されている。切欠き部21bの隅部は断面円弧状とされている。歪検出素子22は切欠き部21b周辺の周方向の歪みを検出する。なお、歪み発生部材21は、固定側部材である外方部材1に作用する外力、またはタイヤと路面間に作用する作用力として、想定される最大の力が印加された状態においても、塑性変形しないものとするのが望ましい。塑性変形が生じると、外方部材1の変形がセンサユニット20に伝わらず、歪みの測定に影響を及ぼすからである。想定される最大の力は、例えば、その力が作用しても車輪用軸受100は損傷せず、その力が除去されると車輪用軸受100の正常な機能が復元される範囲で最大の力である。
前記センサユニット20は、その歪み発生部材21の3つの接触固定部21aが、外方部材1の軸方向の同寸法の位置で、かつ各接触固定部21aが互いに円周方向に離れた位置に来るように配置され、これら接触固定部21aがそれぞれスペーサ23を介してボルト24により外方部材1の外径面に固定される。前記各ボルト24は、それぞれ接触固定部21aに設けられた径方向に貫通するボルト挿通孔25からスペーサ23のボルト挿通孔26に挿通し、外方部材1の外周部に設けられたねじ孔27に螺合させる。このように、スペーサ23を介して外方部材1の外径面に接触固定部21aを固定することにより、薄板状である歪み発生部材21における切欠き部21aを有する各部位が外方部材1の外径面から離れた状態となり、切欠き部21bの周辺の歪み変形が容易となる。
接触固定部21aが配置される軸方向位置として、ここでは外方部材1のアウトボード側列の転走面3の周辺となる軸方向位置が選ばれる。ここでいうアウトボード側列の転走面3の周辺とは、インボード側列およびアウトボード側列の転走面3の中間位置からアウトボード側列の転走面3の形成部までの範囲である。外方部材1の外径面へセンサユニット20を安定良く固定する上で、外方部材1の外径面における前記スペーサ23が接触固定される箇所には平坦部1bが形成される。
このほか、外方部材1の外径面における前記歪み発生部材21の3つの接触固定部21aが固定される3箇所の各中間部に溝(図示せず)を設けることで、前記スペーサ23を省略し、歪み発生部材21における切欠き部21bが位置する各部位を外方部材1の外径面から離すようにしても良い。
歪検出素子22としては、種々のものを使用することができる。例えば、歪検出素子22を金属箔ストレインゲージで構成することができる。その場合、通常、歪み発生部材21に対しては接着による固定が行なわれる。また、歪検出素子22を歪み発生部材21上に厚膜抵抗体にて形成することもできる。
また、図3および図4に示す構成では、固定側部材である外方部材1の外径面の円周方向に並ぶ3つの接触固定部21aのうち、その配列の両端に位置する2つの接触固定部21aの間隔を、転動体5の配列ピッチPと同一に設定している。この場合、隣り合う接触固定部21aの中間位置にそれぞれ配置される2つの歪検出素子22A,22Bの間での前記円周方向の間隔は、転動体5の配列ピッチPの略1/2となる。その結果、2つの歪検出素子22A,22Bの出力信号S0 ,S1 は略180度の位相差を有することになる。
なお、図3および図4に示す構成では、その配列の両端に位置する2つの接触固定部21aの間隔を、転動体5の配列ピッチPと同一に設定し、隣り合う接触固定部21aの中間位置に各1つの歪検出素子22A,22Bをそれぞれ配置することで、2つの歪検出素子22A,22Bの間での前記円周方向の間隔を、転動体5の配列ピッチPの略1/2となるようにした。これとは別に、直接、2つの歪検出素子22A,22Bの間での前記円周方向の間隔を、転動体5の配列ピッチPの1/2に設定しても良い。
この場合に、2つの歪検出素子22A,22Bの前記円周方向の間隔を、転動体5の配列ピッチPの{1/2+n(n:整数)}倍、またはこれらの値に近似した値としても良い。
センサユニット20は、外方部材1のアウトボード側列の転走面3の周辺となる軸方向位置に設けられるので、歪検出素子22A,22Bの出力信号S0 ,S1 は、図5でも示したようにセンサユニット20の設置部の近傍を通過する転動体5の影響を受ける。また、軸受の停止時においても、歪検出素子22A,22Bの出力信号S0 ,S1 は、転動体5の位置の影響を受ける。すなわち、転動体5がセンサユニット20における歪検出素子22A,22Bに最も近い位置を通過するとき(または、その位置に転動体5があるとき)、歪検出素子22A,22Bの出力信号S0 ,S1 は最大値となり、転動体5がその位置から遠ざかるにつれて(または、その位置から離れた位置に転動体5があるとき)低下する。軸受回転時には、転動体5は所定の配列ピッチPでセンサユニット20の設置部の近傍を順次通過するので、歪検出素子22A,22Bの出力信号S0 ,S1 は、転送体5の配列ピッチPを周期として図5のように周期的に変化する正弦波に近い波形となる。また、歪検出素子22A,22Bの出力信号S0 ,S1 は、温度の影響やナックル16と車体取付用フランジ1a(図1)の面間などの滑りによるヒステリシスの影響を受ける。
このように構成されたセンサユニット20を荷重検出センサとして用いる場合、例えば信号処理手段31における振幅値演算処理部35において、前記2つの歪検出素子22A,22Bの出力信号S0 ,S1 の差分を演算して振幅値となる信号ベクトルSrms を出力するようにしても良い。この場合、上記したように2つの歪検出素子22A,22Bの出力信号S0 ,S1 は略180度の位相差を有するので、振幅値となる信号ベクトルSrms は2つの歪検出素子22A,22Bの各出力信号に現れる温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を相殺した値となる。したがって、この信号ベクトルSrms を次段の荷重演算処理手段32の演算での変数として用いることにより、車輪用軸受100やタイヤ接地面に作用する荷重をより正確に演算・推定することができる。
また、図3および図4に示す構成のセンサユニット20を用いる場合、図10の構成例での信号処理手段31における振動成分演算部38による転動体通過成分Sdif の演算に、同一センサユニット20の2つの歪検出素子22A,22Bの出力信号S0 ,S1 を用いると、さらに精度の良い転動体通過成分Sdif を求めることができる。例えば、同一センサユニット20の2つの歪検出素子22A,22Bの出力信号S0 ,S1 の差分値(S0 −S1 )を求めると、同相入力される広域的歪成分を除去して転動体通過成分Sdif のみを抽出することができる。このほか、前記差分値(S0 −S1 )を図1のHPF37でフィルタ処理して転動体通過成分Sdif を抽出しても良い。
しかし、同一センサユニット20におけるペアとなった2つの歪検出素子22A,22Bの出力信号S0 ,S1 は、荷重分布等の条件によっては完全な対とはならないため、これら出力信号S0 ,S1 の差分値(S0 −S1 )は、図12に示すように0が中心とならない。そこで、ここでは、振動成分演算部38による転動体通過成分Sdif の演算に、図11に示すように、同一センサユニット20の2つの歪検出素子22A,22Bの出力信号S0 ,S1 のほか、これら出力信号をセンサ信号演算部33における平均値演算処理部36でLPF処理した信号SA0 ,SA1 を用い、前記差分値(S0 −S1 )から低周波成分を除去する次式
Sdif =(S0 −S1 )−(SA0 −SA1 ) ……(2)
を演算することによって、ほぼ0が中心となる特性を持つ波形の転動体通過成分Sdif を算出している。このように、同一センサユニット20におけるペアとなった2つの歪検出素子22A,22Bの出力信号S0 ,S1 から転動体通過成分Sdif を算出する構成とすれば、転動体通過成分Sdif だけを精度良く抽出することができ、転動体周期検出部34において、時間窓nのより正確な算出が可能となる。
つぎに、転動体周期検出部34での周期検出の一例を説明する。この周波数検出例では、図15に示すように転動体周期検出部34にゼロクロス位置検出部41を設ける。このゼロクロス位置検出部41により、転動体通過成分Sdif の符号変化からゼロクロス位置を求め、現在位置からのサンプリング差(時間差)を求めてゼロクロス履歴Zreg(index)に記憶する。このゼロクロス履歴Zreg より、現在位置からの各ゼロクロス位置の相対履歴が得られるので、平均値演算処理部36で用いる時間窓nとしてセンサユニット20の出力信号Sの振動周期の整数倍となる最適なLPF処理個数を求めることができる。例えば、図13の例で示したゼロクロス位置が検出されたとき、候補となる周期は以下のようになる。
Zreg(2)−Zreg(0) (1周期分)
Zreg(3)−Zreg(1) (1周期分)
Zreg(4)−Zreg(0) (2周期分)
Zreg(5)−Zreg(1) (2周期分)
ここで、上記の候補となる周期の中から最適な周期を選択する方法を示す。選択した周期が長ければ長いほど、平均値演算処理部36の出力である信号ベクトルSA(平均値)に含まれる周期推定誤差(ノイズ分)は減少し、安定した出力得られるが、即応性は低下してしまう。一方、選択した周期が短過ぎる場合、即応性は向上するが、周期推定誤差が多く含まれる出力となってしまう。
そこで、予め許容できる時間遅れ、周期推定誤差を考慮した時間窓nの上限Nmax 、下限Nmin を設定し、その間でなるべく大きな周期を採用するようなアルゴリズムとする。
センサユニット20が負荷のかからない非負荷圏側に位置するとき、センサユニット20の出力信号Sに含まれる転動体周期成分が減少するため、前記HPF37(図1)や振動成分演算部38(図10)で抽出した転動体通過成分Sdif から転動体周期を正しく推定できない可能性がある。しかし、図2のように車輪用軸受100の固定側部材である外方部材1の外周の周方向4箇所に等配してセンサユニット20を設けた設置構成の場合には、いずれかのセンサユニット20が負荷圏に配置されていることになる。そこで、転動体周期検出部34に、前記したゼロクロス位置検出部41のほか、図14に示すようなSdif 決定部40を設け、このSdif 決定部40により、上記した4つのセンサユニット20の中の2つ以上のセンサユニット20の出力信号Sから抽出した転動体通過成分Sdif1,Sdif2,…,Sdifn を候補値とし、最適な信号を比較・選択するのが望ましい。
転動体周期検出部34をこのように構成した荷重検出系ブロックの構成例を図15に示す。ここで、上記した最適な信号とは、ゼロクロス位置の算出ミスが発生しづらい負荷圏側に位置するセンサユニット20の出力信号Sのことであり、すなわちその振幅値が最大となるものである。図15では、図1に示す荷重検出系ブロックの構成例において、転動体周期検出部34に前記Sdif 決定部40とゼロクロス位置検出部41を設けた場合を示している。この場合、信号処理手段31では、センサ信号演算部33とHPF37を組み合わせた信号処理ブロック39を、各センサユニット20に対応付けて複数設け、転動体周期検出部34は前記複数の信号処理ブロック39に共通のものを1つ設けた構成としている。これにより、非負荷圏側にあるセンサユニット20の出力信号Sからも、転動体通過成分Sdif の適切なゼロクロス位置を推定することができる。
図16は、荷重検出系ブロックのさらに他の構成例を示す。この構成例では、図10に示す荷重検出系ブロックの構成例において、転動体周期検出部34に前記Sdif 決定部40とゼロクロス位置検出部41を設けた場合を示している。この場合、信号処理手段31では、センサ信号演算部33と振動成分演算部38を組み合わせた信号処理ブロック39を、各センサユニット20に対応付けて複数設け、転動体周期検出部34は前記複数の信号処理ブロック39に共通のものを1つ設けた構成としている。これにより、非負荷圏側にあるセンサユニット20の出力信号Sからも、転動体通過成分Sdif の適切なゼロクロス位置を推定することができる。
図17は、荷重検出系ブロックのさらに他の構成例を示す。この構成例では、図16に示す荷重検出系ブロックの構成例において、転動体周期検出部34で決定された最適な時間窓nを、センサ信号処理部33における振幅値演算処理部35での演算処理にも用いるようにしている。これにより、振幅値演算処理部35でも適切な時間窓nで演算処理ができるので、演算精度が向上する。このように、複数のセンサユニット20の出力信号Sを用いて演算処理を行うことで、全ての出力信号Sに対する信号ベクトル、SA,Srms の演算処理において適切な時間窓nを求めることができる。
この発明の実施形態により得られる効果を整理して次に示す。
・ タイヤの回転速度が変化する状況であっても、センサ信号の適切な処理個数が求められる。
・ センサ信号値や推定荷重値に含まれる転動体通過成分を低減でき、荷重推定精度が向上する効果が得られる。
・ 図1の荷重検出系ブロックにおけるHPF37を、図10のようにセンサ信号とLPF処理を施したセンサ信号との差分として転動体通過成分Sdif を求める振動成分演算部38に置き換えることで、演算が簡単になり、処理時間も短縮できる。
・ 図10の振動成分演算部38による転動体通過成分Sdif の算出に、同一センサユニット20における2つの歪検出素子22A,22Bの出力信号S0 ,S1 を用いることによって、荷重入力が変動している状態においても転動体通過成分Sdif を精度良く検出できる。
・ 図15のように、転動体周期検出部34に設けたゼロクロス位置検出部41により、図1のHPF37や、図10の振動成分演算部38で検出された転動体通過成分Sdif のゼロクロス位置から、時間遅れおよび周期推定誤差(ノイズ分)を考慮した時間窓nを選択する構成とすることで、センサ信号演算部33における振幅値演算処理部35や平均値演算処理部36の演算処理において、車両の走行状態に応じた最適な処理個数を得ることができる。
・ 図15のように、転動体周期検出部34にSdif 決定部40を設けて、これにより複数のセンサ信号から、その振幅が最大となるものを選択して転動体周期を検出する構成とした場合、車輪用軸受100の荷重状態が変化した場合においても、負荷圏側に配置されたセンサ(センサユニット20)の出力信号Sを用いて、安定して転動体周期を検出できるため、荷重推定出力の精度を向上させることができる。
このように、このセンサ付車輪用軸受装置によると、軸受100に加わる荷重を検出するセンサとして1つ以上のセンサユニット20設け、各センサユニット20の出力信号Sを信号処理手段31で処理して信号ベクトルを生成し、その信号ベクトルから車輪に加わる荷重を荷重演算処理手段32で演算するものとし、前記信号処理手段31は、前記各センサユニット20の出力信号Sから前記信号ベクトルを演算するセンサ信号演算部33と、前記各センサユニット20の出力信号Sに含まれる転動体の移動による振動成分Sdif の周期を検出する転動体周期検出部34とを有し、この転動体周期検出部34は、検出した周期に応じて、前記センサ信号演算部33で用いられる演算処理パラメータである時間窓nを変化させるものとしたため、車両速度が変化する走行状態においても、センサ出力信号の適切な処理個数が求められ、推定荷重値に含まれる転動体通過成分を低減できて、荷重推定精度を向上させることができる。
車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受100の固定側部材である外方部材1にも荷重が印加されて変形が生じる。図3および図4の構成例では、センサユニット20における歪み発生部材21の3つの接触固定部21aが、外方部材1に接触固定されているので、外方部材1の歪みが歪み発生部材21に拡大して伝達され易く、その歪みが歪検出素子22A,22Bで感度良く検出される。
この実施形態では前記センサユニット20を4つ設け、各センサユニット20を、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる外方部材1の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に円周方向90度の位相差で等配しているので、車輪用軸受100に作用する垂直方向荷重Fz 、前後方向の荷重Fx 、軸方向荷重Fy を推定することができる。
また、この実施形態では、信号処理手段31におけるセンサ信号演算部33の平均値演算処理部36にLPFを用いているが、図3および図4で示すように、センサユニット20がペアとなる2つの歪検出素子22A,22Bを有する構成の場合、平均値演算処理部36では、2つの歪検出素子22A,22Bの各信号を加算して平均値となる信号ベクトルSAを算出するようにしても良い。また、前記センサ信号演算部33の振幅値演算処理部35では、2つの歪検出素子22A,22Bの各信号の差分を用いて振幅値となる信号ベクトルSrms を算出するようにしても良い。この場合も、それらの演算処理パラメータである時間窓nを、転動体周期検出部34が検出した周期に応じて最適な値に変化させるので、車両速度が変化する状態においても、センサユニット20の出力信号の適切な処理個数が求められ、推定荷重値に含まれる転動体通過成分を低減できて、荷重推定精度を向上させることができる。
また、2つの歪検出素子22A,22Bの各信号は、温度の影響やナックル16と車体取付用フランジ1a(図1)の面間などの滑りによるヒステリシスの影響を受ける。そこで、上記したように2つの歪検出素子22A,22Bの各信号を加算したものを平均値とし、2つの歪検出素子22A,22Bの各信号の差分を用いて振幅値を抽出した場合、平均値は転動体5の通過による変動成分をキャンセルした値となり、振幅値は、2つの歪検出素子22A,22Bの各信号に現れる温度の影響やナックル・フランジ面間などの滑りの影響を相殺した値となる。したがって、この平均値や振幅値を信号ベクトルとして、これを次段の荷重演算処理手段32の演算での変数として用いることにより、車輪用軸受100やタイヤ接地面に作用する荷重をより正確に演算・推定することができる。
なお、この実施形態では、外方部材1が固定側部材である場合につき説明したが、この発明は、内方部材が固定側部材である車輪用軸受にも適用することができ、その場合、センサユニット20は内方部材の内周となる周面に設ける。
また、この実施形態では第3世代型の車輪用軸受100に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第1または第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受装置は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。
1…外方部材
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
20…センサユニット
21…歪み発生部材
21a…接触固定部
22,22A,22B…歪検出素子
31…信号処理手段
32…荷重演算処理手段
33…センサ信号演算部
34…転動体周期検出部
35…振幅値演算処理部
36…平均値演算処理部
37…HPF(ハイパスフィルタ)
38…振動成分演算部
40…Sdif 決定部
41…ゼロクロス位置検出部
100…車輪用軸受

Claims (12)

  1. 複列の転走面が内周に形成された外方部材、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材、および両部材の対向する転走面間に介在された複列の転動体を有し、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受と、
    軸受に加わる荷重出される1つ以上のセンサと、前記各センサの出力信号S理されて信号ベクトル成される信号処理手段と、前記信号ベクトルから前記車輪に加わる荷重算される荷重演算処理手段とを備え、
    前記信号処理手段は、前記各センサの出力信号Sから前記信号ベクトル算されるセンサ信号演算部と、前記各センサの出力信号Sに含まれる前記転動体の移動による振動成分Sdif の周期出される転動体周期検出部とを有し、この前記転動体周期検出部は、前記各センサの出力信号Sの振幅値Srms が比較され、最大のものが、前記周期が検出される信号として選択され、前記センサ信号演算部は、前記転動体周期検出部で検出された周期に応じて、演算処理に用いる演算処理パラメータを変化させることを特徴とするセンサ付車輪用軸受装置。
  2. 請求項1に記載のセンサ付車輪用軸受装置において、前記信号処理手段のセンサ信号演算部で用いられる演算処理パラメータが、演算処理のために設定される時間窓であるセンサ付車輪用軸受装置。
  3. 請求項2に記載のセンサ付車輪用軸受装置において、前記センサ信号演算部は、前記信号処理手段の転動体周期検出部出された周期を用いて前記時間窓を決定するとき、設定された最大値と最小値の範囲内に収まるように前記時間窓定されるセンサ付車輪用軸受装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受装置において、前記信号処理手段のセンサ信号演算部は、前記信号ベクトルとして前記各センサの出力信号Sの平均値SAめられる平均値演算処理部を有し、この平均値演算処理部がローパスフィルタで構成されるセンサ付車輪用軸受装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受装置において、前記信号処理手段のセンサ信号演算部は、前記信号ベクトルとして前記各センサの出力信号Sの振幅値Srms められる振幅値演算処理部を有するセンサ付車輪用軸受装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受装置において、前記信号処理手段は、前記各センサの出力信号Sにフィルタ処理が施されて前記転動体の振動成分Sdif 出されるHPFを有し、前記転動体周期検出部は前記ハイパスフィルタにより抽出される振動成分Sdif から前記周期出されるセンサ付車輪用軸受装置。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受装置において、前記信号処理手段は、前記各センサの出力信号Sと、その出力信号Sの時間平均値SAとから、次式
    Sdif =S−SA
    算されて前記転動体の振動成分Sdif 力される振動成分演算部を有し、前記転動体周期検出部は前記振動成分演算部により出力される振動成分Sdif から前記周期出されるセンサ付車輪用軸受装置。
  8. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受装置において、前記センサは、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外径面に設けられたセンサユニットであり、このセンサユニットは、前記固定側部材の外径面に接触して固定される3つの接触固定部を有する歪み発生部材と、この歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪み出される2つの歪検出素子とでなり、
    前記歪検出素子、前記歪み発生部材の隣り合う第1および第2の接触固定部の間、および隣り合う第2および第3の接触固定部の間にそれぞれ設けられ、隣り合う前記接触固定部の間隔、もしくは隣り合う前記歪検出素子の間隔、転動体の配列ピッチの{n+1/2(n:整数)}倍に設定されたセンサ付車輪用軸受装置。
  9. 請求項8に記載のセンサ付車輪用軸受装置において、前記信号処理手段は、前記各センサユニット上の2つの歪検出素子の出力信号S0 ,S1 の差分信号にフィルタ処理が施されて前記転動体の振動成分Sdif 出されるハイパスフィルタを有し、前記転動体周期検出部は前記ハイパスフィルタにより抽出される振動成分Sdif から前記周期出されるセンサ付車輪用軸受装置。
  10. 請求項8に記載のセンサ付車輪用軸受装置において、前記信号処理手段は、前記各センサユニット上の2つの歪検出素子の出力信号S0 ,S1 と、これらの出力信号S0 ,S1 の時間平均値SA0 ,SA1 とから、次式
    Sdif =(S0 −S1 )−(SA0 −SA1 )
    算されて前記転動体の振動成分Sdif 力される振動成分演算部を有し、前記転動体周期検出部は前記振動成分演算部により出力される振動成分Sdif から前記周期出されるセンサ付車輪用軸受装置。
  11. 請求項8ないし請求項10のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受装置において、前記センサユニット3つ以上設けられ、前記荷重演算処理手段は、前記3つ以上のセンサユニットの出力信号から、前記車輪用軸受に作用する垂直方向荷重Fz 、前後方向の荷重Fx 、および軸方向荷重Fy 算されるセンサ付車輪用軸受装置。
  12. 請求項11に記載のセンサ付車輪用軸受装置において、前記センサユニット、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記固定側部材の外径面の上面部、下面部、右面部および左面部に円周方向90度の位相差で4つ等配されたセンサ付き車輪用軸受装置。
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