WO2015182432A1 - センサ付車輪用軸受 - Google Patents

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靖之 福島
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高橋 亨
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靖之 福島
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Abstract

 車輪用軸受の外方部材(1)および内方部材(2)のうちの固定側部材の外周の複数箇所にセンサユニット(20)を設ける。入力荷重評価値の領域によって推定演算パラメータを切り替え、その推定演算パラメータとセンサユニット(20)のセンサ出力とから荷重を推定する荷重推定手段荷重推定手段(31)を設ける。パラメータ生成手段(32)は、教示用に与えられた入力荷重値とそのときのセンサユニット(20)のセンサ出力の回帰分析により、領域毎に推定演算パラメータで推定した荷重と入力荷重値との相関値で統計的に評価する。この評価に基づき、前記領域とその領域での推定演算パラメータとを定める。

Description

センサ付車輪用軸受 関連出願
 本出願は、2014年5月29日出願の特願2014-110928の優先権を主張するものであり、その全体を参照により本願の一部をなすものとして引用する。
 この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵した車輪用軸受に関する。
 各車輪にかかる荷重を検出する方法として、外輪外径面に直接歪みゲージを貼り、外輪外径面の歪から荷重を検出する車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。
 特許文献1に開示の技術では、車輪用軸受に作用する荷重を検出する場合に、荷重に対する固定側軌道輪の変形量が小さいために撓み量も小さくなり、荷重を精度良く検出することができない。このような課題を解消するものとして、車輪用軸受の固定側軌道輪の外周面に2つ以上の接触固定部で接する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材の歪みを検出するセンサとでなるセンサユニットを設けた車輪用軸受が提案されている(例えば、特許文献2,3)。これらの特許文献2,3では、さらに次の提示が成されている。
 特許文献2では、上下に配置したセンサユニットのセンサ信号における振幅値(転動体の公転運動に伴う振動成分)の差分によって軸方向荷重Fyの方向を判別し、軸方向荷重Fyの正負に応じて、それぞれに適した荷重推定パラメータを用いて荷重を算出する構成が提示されている。
 特許文献3では、回転速度によって荷重演算処理を切り替える手段を設け、通常走行状態では平均値と振幅を用いた荷重推定計算を実施し、低速あるいは静止状態においては平均値信号出力だけを用いた荷重推定計算を実施する構成が提示されている。
特表2003-530565号公報 特開2010-043901号公報 特開2010-181154号公報
 特許文献2,3のように、入力荷重状態によって分割した複数の領域に対して、それぞれ線形近似によって荷重推定演算するものとし、検出されたセンサ信号の状態や推定された荷重の状態に応じて、複数の荷重推定パラメータの中から最適なものを選択し、推定荷重を演算する構成とすることで、センサの非線形特性などが補正された誤差の小さな検出結果を得ることができる。
 しかし、特許文献2,3では、次の課題がある。
(1) 領域を最適に分割するのが難しい。
(2) 各方向の分力でセンサ信号の非線形特性が異なっているため、分力毎に領域を設定する必要がある。
(3) 上記(1)(2)の課題を解決し、短時間で一連の荷重推定パラメータを決定する方法が望まれる。
 上記領域を分割する上などでの課題につき、具体的に説明する。
 <従来の判別しきい値の決定方法>
 「入力荷重評価値について」
 入力荷重評価値は、推定演算パラメータを切り替えるための評価値である。
 上記従来例では、上下のセンサ出力値の振幅の差分を求め、入力荷重状態を判断する入力荷重評価値Eとして使用している。この場合の入力荷重評価値Eは、図19のように軸方向荷重Fyに対して単調増加する値となる。
 実施形態に対応する図1のように、複列のアウトボード側の転走面付近にセンサユニット21の接触固定部を設けると、車輪の回転に伴って図20のような出力信号の変動が見られる。これは、転動体の通過による歪みの変化が検出されたものである。上面部(反路面側)と下面部(路面側)に歪みセンサを設置すると、路面から車両の横方向荷重である軸方向荷重Fyが入力されたとき、軸方向荷重Fyの大きさによって、その振幅値が変化する。図21A,21Bに上面部、下面部のセンサ出力を示す。
 センサがアウトボード側に設置されているため、軸方向荷重Fyが+方向(車体中心側に入る方向)の場合、個々の転動体荷重は上面部で小さくなり、下面部で大きくなる。軸方向荷重Fyが-方向(車体中心とは反対方向)の場合はその逆となる。これを利用して図22のように軸方向荷重Fyの方向判別を行い、荷重推定演算することで出力の精度を向上することができる。
 「領域分けと判別しきい値」
 入力荷重評価値Eに対するセンサ出力の例を図12に示す。センサ出力は入力荷重評価値Eに対して、非線形特性を示す。このため、図13に示すように、(n+1)個の領域に分割して線形近似し、各領域内のデータを用いて荷重推定パラメータMi(i=n+1)を算出する。このとき、入力荷重評価値を領域分けしたときの領域の判別しきい値をCi(i=1~n)とする。
 「荷重推定基本式」
 算出した荷重推定パラメータを用いて、ある時刻tにおけるセンサ出力のデータS(t)から推定荷重値Fcalc(t) を算出する。
  Fcalc(t) =Mi*S(t)
 ここで、入力荷重から得られた入力荷重評価値Eと判別しきい値Ciによって、使用する荷重推定パラメータMiは適切に選択されるものとする。また、センサ出力のデータS(t)は、m個のセンサ出力からなるベクトル(S1, S2, S3,…, Sm) であるものとする。
 「課題」
 従来は、判別しきい値Ciを決定するための基準が明確ではなく、また、各判別しきい値はセンサ出力の状態に応じて作業者の裁量で決められていたため、再現性が悪くなる場合もあり、作成した荷重推定パラメータが最適かどうか判断が難しかった。
 また、図21A,21Bに示すように、入力荷重評価値Eは軸方向荷重Fyと相関があり、軸方向荷重Fyの推定精度は高い。他方、入力荷重評価値Eと前後方向荷重Fxや垂直方向荷重Fzとの相関は軸方向荷重Fyに比べて低い傾向がある。したがって、前後方向荷重Fxや垂直方向荷重Fzに対して最適な判別しきい値または荷重推定パラメータではない可能性があった。また仮に、各分力に対してそれぞれのしきい値と荷重推定パラメータを用意すると、領域の分割個数が増加するため調整工程が複雑化し、最適化に要する時間が長時間になるという問題が発生する。
 この発明は上記課題を解消するものであり、入力荷重の状態を評価する入力荷重評価値の領域を適切に分割できて、実際の入力荷重値との相関値の高い計算が行える推定演算パラメータに切り替えることができ、車輪に作用する荷重の推定精度を向上させることができるセンサ付車輪用軸受を提供することを目的とする。
 この発明の他の目的は、各方向の分力毎に領域の設定および一連の荷重推定パラメータを短時間で決定できるようにすることである。
 この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面3が内周に形成された外方部材1と、上記転走面3と対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、両部材1,2の対向する転走面3,4間に介在した複列の転動体5とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
 上記外方部材1および内方部材2のうちの固定側部材の外径面に、複数のセンサユニット20を設け、前記センサユニット20は前記外径面に接触して固定される2つ以上の接触固定部21aを有する歪み発生部材21およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材21の歪みを検出するセンサ22を1つ以上有し、
 次の荷重推定手段31と、この荷重推定手段31で用いる入力荷重評価値Eの領域およびその領域毎の推定演算パラメータMiを教示用のデータから生成するパラメータ生成手段32とを備える。
 前記荷重推定手段31は、前記車輪用軸受の入力荷重の状態を評価する入力荷重評価値Eを前記各センサユニット20のセンサ出力から算出する入力荷重評価値生成部34、および前記入力荷重評価値Eの領域毎に設定された推定演算パラメータMiを前記入力荷重評価値生成部34で算出した入力荷重評価値Eによって切り替え、この切り替えた推定演算パラメータMiと前記センサユニット20のセンサ出力とから、前記車輪用軸受またはタイヤの接地点に作用する入力荷重の推定荷重値を算出する荷重算出部35を有する。
 前記パラメータ生成手段32は、教示用のデータとして与えられる、車両走行時の前記車輪用軸受に作用する入力荷重値Fin(t)、およびこの入力荷重値Fin(t)の作用時における前記センサユニット20のセンサ出力S(t)を記憶する教示データ記憶部41と、前記データ記憶部が記憶したセンサ出力S(t)から前記入力荷重評価値Eを算出し、回帰分析により、前記入力荷重評価値Eの仮の領域毎に、前記推定演算パラメータの仮定値と前記センサ出力とから前記入力荷重の推定荷重値を求め、この求めた入力荷重の推定荷重値を前記入力荷重値との相関値で統計的に評価し、前記仮の領域と前記推定演算パラメータの仮定値とを変更して前記入力荷重の推定荷重値を求め、その評価を行う処理を繰り返して、前記荷重推定手段31で用いる前記入力荷重評価値Eの各領域とこれら各領域毎の前記推定演算パラメータMiとを定めるパラメータ演算部42とを有する。
 なお、前記入力荷重評価値Eは、前記車輪用軸受の荷重状態、すなわち車輪用軸受に作用する荷重の検出値に影響する所定の物理量を評価する値であり、例えば、車輪速度(=車輪用軸受が回転する速度)、または上下のセンサユニット20の振幅値の差分、または左右のセンサユニット20の振幅値の差分とする。
 上記構成の作用を説明する。車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材(例えば外方部材)にも荷重が印加、すなわち入力されて変形が生じる。ここではセンサユニット20における歪み発生部材21の2つ以上の接触固定部21aが、外方部材1等の固定側部材に接触固定されているので、固定側部材1の歪みが歪み発生部材21に拡大して伝達され易く、その歪みがセンサで感度良く検出される。
 この検出されるセンサ出力は、車輪用軸受に作用する荷重の状態によって変わる。この荷重の状態を適切に評価して推定演算に用いれば、荷重の推定精度が向上する。
 この構成によると、前記荷重推定手段31は、車輪用軸受に作用する荷重状態の評価値である入力荷重評価値Eの領域毎に推定演算パラメータMiを定めておき、前記入力荷重評価値Eを入力荷重値評価値生成部34により求めて対応する領域の推定演算パラメータMiを選択する。このように選択した推定演算パラメータMiを用いて、各センサユニット20の出力するセンサ出力から、前記車輪用軸受またはタイヤの接地点に作用する入力荷重を所定の演算規則に従って推定する。そのため、センサユニット20の前記入力荷重評価値Eに対するセンサの非線形特性が補正された誤差の小さな検出結果を得ることができる。
 この場合に、前記パラメータ生成手段32は、多変数の回帰分析により線形近似を実施し、近似の精度を荷重推定出力と教示データとの相関値で統計的に評価して、最適値を求めることにしたため、一連の作業を自動的に、系統的に実施できる。すなわち、前記パラメータ生成手段32は、短時間で一連の推定演算パラメータを安定して適切に求めることができ、各領域での荷重推定精度が従来に比べて向上する。
 このように、前記領域を切り替えるしきい値を決定する基準が明確となり、定まった方法で領域を決定するため、再現性に優れ、作成した推定演算パラメータが最適となり、精度の良い荷重の推定が行える。
 この発明の一実施形態において、前記パラメータ演算部42は、前記推定演算パラメータMiを切り替える前記領域を区分するしいき値が、それぞれの領域の前記パラメータ演算部42による推定荷重値と前記入力荷重値との相関値を最大にするように、前記しきい値を求めるようにしても良い。
 このように、実際の荷重値と推定荷重値との相関値が最も高くなるところで、荷重推定パラメータを切り替えるための判別しきい値を設定することで、各領域での荷重推定精度が従来に比べて向上する。
 この発明の一実施形態において、前記荷重推定手段31は、前記入力荷重の推定荷重値として、上下方向、軸方向、および前後方向の直交3軸方向のうちの少なくとも2方向の各分力を推定し、前記推定演算パラメータを切り替える前記領域を区分するしきい値を、前記各分力にそれぞれ独立して設けても良い。このように、荷重推定パラメータの切り替えるための判別しきい値につき、各分力それぞれ最適な値を設定することにより、荷重推定精度が向上する。前記「前後方向」は、前記上下方向および軸方向に直交する方向であり、直進する場合の車両の駆動方向、すなわち車両の前後方向となる軸受径方向である。
 この発明の一実施形態において、前記荷重推定手段31は、前記車輪用軸受の回転速度を前記入力荷重評価値Eとしても良い。
 転がり軸受である車輪用軸受では、センサ22の付近を転動体が通過することによって、前記センサ22の出力が変動する。そのため、車輪用軸受の回転速度が荷重の推定荷重値に影響する。これにつき、車輪用軸受の回転速度を前記入力荷重評価値Eとして領域を定め、その領域に対応した推定演算パラメータMiを用いることで、精度の良い荷重の推定が行える。
 この場合、前記荷重推定手段31の入力荷重評価値生成部34は、前記センサ22の付近を転動体が通過することによって変動する前記センサ出力の変動の速度から車輪用軸受の回転速度を求め、入力荷重評価値Eとする。
 この発明の一実施形態において、前記複数のセンサユニット20は、前記車輪用軸受の上下に設けられ、これら上下のセンサユニットの振幅値の差分を前記入力荷重評価値Eとしても良い。
 上下のセンサユニット20の振幅値の差分は、各方向の荷重の推定荷重値への影響が大きい。そのため、上下のセンサユニット20の振幅値の差分を前記入力荷重評価値Eとして領域を定め、その領域に対応した推定演算パラメータMiを用いることで、精度の良い荷重の推定が行える。
 この発明の一実施形態において、前記複数のセンサユニット20は、前記車輪用軸受の前後に設けられ、これら前後のセンサユニット20の振幅値の差分を前記入力荷重評価値Eとしても良い。
 前後のセンサユニット20の振幅値の差分は、各方向の荷重の推定荷重値への影響が大きい。そのため、前後のセンサユニット20の振幅値の差分を前記入力荷重評価値Eとして領域を定め、その領域に対応した推定演算パラメータMiを用いることで、精度の良い荷重の推定が行える。
 この発明の一実施形態において、前記センサユニット20を3個以上有し、前記荷重推定手段31は、前後方向、軸方向、および上下方向の3方向の荷重を算出するようにしても良い。例えば、前記センサユニット20は、上下前後の4箇所に90度の間隔で等配する。
 前記センサユニット20の出力は各方向の荷重に影響されるため、3箇所以上にセンサユニット20を設けると、前後方向、軸方向、および上下方向の直交3軸方向の荷重を算出することができる。この場合にも、前記のように入力荷重評価値Eによって領域を分け、対応する推定演算パラメータMiを設定することで、精度の良い荷重を算出することができる。
 前記センサユニット20が上下前後の4箇所に90度の間隔で等配されている場合、各方向の荷重をより一層精度良く算出することができる。すなわち、固定側部材の外径面における上面部と下面部に配置される2つのセンサユニット20の出力信号から垂直方向荷重Fz と軸方向荷重Fy を推定でき、固定側部材の外径面における右面部と左面部に配置される2つのセンサユニット20の出力信号から駆動力や制動力による前後方向荷重Fx を推定することができる。
 この発明の一実施形態において、前記荷重推定手段31は、一定時間内に前記各センサユニット20のセンサ出力を用いてこれらセンサ出力の平均値と振幅値とを算出し、平均値のみ、振幅値のみ、または平均値と振幅値の両方を用いた演算処理により前記入力荷重値を推定するようにしても良い。これより、望まれる入力荷重の推定が行える。
 この発明の一実施形態において、前記各センサユニット20が3つ以上の接触固定部21aを有し、前記各センサユニット20に前記センサ22として少なくとも2つの歪みセンサを設け、各センサ21の出力信号の位相差が、転動体のピッチのn+1/2倍(n=0,1,2,…)となるように前記接触固定部21aの間隔が設定され、2つ以上のセンサ22の出力信号の和によってセンサ出力の平均値を求めるようにしても良い。
 この構成の場合、2つのセンサ22の出力信号は略180度の位相差を有することになり、その平均値は転動体通過による変動成分をキャンセルした値となる。また、振幅値は温度の影響を受け難いため安定しており、さらに2つの信号を使用するため検出精度が高められる。これにより、2つのセンサ22の出力信号の平均値は転動体通過による変動成分をキャンセルした値となり、振幅値は、より安定した正確なものとなる。
 請求の範囲および/または明細書および/または図面に開示された少なくとも2つの構成のどのような組合せも、本発明に含まれる。特に、請求の範囲の各請求項の2つ以上のどのような組合せも、本発明に含まれる。
 この発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明から、より明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる図示および説明のためのものであり、この発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。この発明の範囲は添付の請求の範囲によって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の符号は、同一または相当する部分を示す。
この発明の一実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図とその検出系の概念構成のブロック図とを組み合わせて示す図である。 同センサ付車輪用軸受の外方部材の正面図である。 同センサ付車輪用軸受におけるセンサユニットの拡大平面図である。 図3におけるIV-IV矢視線断面図である。 センサユニットの変形例を外方部材の一部と共に示す断面図である。 同センサ付車輪用軸受における図1~図4の例とはセンサユニットを異ならせた外方部材の正面図である。 同センサユニットの拡大平面図である。 図7におけるVII -VII 矢視線断面図である。 センサユニットの変形例を外方部材の一部と共に示す断面図である。 センサユニットの出力信号に対する転動体位置の影響の説明図である。 同センサ付車輪用軸受におけるパラメータ生成手段の処理過程の流れ図である。 同センサ付車輪用軸受における入力荷重評価値Eに対するセンサ出力を示すグラフである。 図12のグラフの線形近似のイメージ図である。 同グラフからΔC分のデータを抽出する概念の説明図である。 同グラフから2×ΔC分のデータを抽出する概念の説明図である。 相関値Qからしきい値Ciを決定するイメージ図である。 しきい値Ciのデータ抽出の概略図である。 データ数値制限の模式図である。 上下のセンサユニットのセンサ信号の振幅値の差分と入力荷重評価値の関係を示すグラフである。 従来例のセンサ信号の変動を示すグラフである。 従来例の上面部における入力荷重評価値を示すグラフである。 従来例の下面部における入力荷重評価値を示すグラフである。 従来例の処理の概念構成を示すブロック図である。
 この発明の一実施形態を図1ないし図18と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
 このセンサ付車輪用軸受における車輪用軸受は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
 外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックル16に取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには円周方向の複数箇所に車体取付用のボルト孔14が設けられ、インボード側よりナックル16のボルト挿通孔17に挿通したナックルボルト18を前記ボルト孔14に螺合することにより、車体取付用フランジ1aがナックル16に取付けられる。
 内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
 図2は、この車輪用軸受の外方部材1をアウトボード側から見た正面図を示す。なお、図1は、図2におけるI-I矢視断面図を示す。前記車体取付用フランジ1aは、図2のように、各ボルト孔14が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片1aaとされている。
 固定側部材である外方部材1の外径面には、センサユニット20が、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に円周方向90度の位相差で4つ等配されている。具体的には、外方部材1の外径面における上面部の、隣り合う2つの突片1aaの間の中央部に1つのセンサユニット20が配置され、外方部材1の外径面における下面部の、隣り合う2つの突片1aaの間の中央部に他の1つのセンサユニット20が配置され、かつ右面部および左面部の、上下に隣り合う2つの突片1aaの間の中央部にセンサユニット20が配置されている。なお、センサユニット20は、必ずしも4つ設けなくても良いが、3つ以上設けることが好ましい。
 これらのセンサユニット20は、図3および図4に拡大平面図および拡大断面図で示すように、歪み発生部材21と、この歪み発生部材21に取付けられて歪み発生部材21の歪みを検出するセンサ22とでなる。歪み発生部材21は、鋼材等の弾性変形可能な金属製の2mm以下の薄板材からなり、平面概形が帯状で中央の両側辺部に切欠き部21bを有する。また、歪み発生部材21は、外方部材1の外径面にスペーサ23を介して接触固定される2つの接触固定部21aを両端部に有する。センサ22は、歪み発生部材21における各方向の荷重に対して歪みが大きくなる箇所に貼り付けられる。ここでは、歪みが大きくなる箇所として、歪み発生部材21の外面側で両側辺部の切欠き部21bで挟まれる中央部位が選ばれており、センサ22は切欠き部21b周辺の周方向の歪みを検出する。なお、歪み発生部材21は、固定側部材である外方部材1に作用する外力、またはタイヤと路面間に作用する作用力として、想定される最大の力が印加された状態においても、塑性変形しないものとするのが望ましい。塑性変形が生じると、外方部材1の変形がセンサユニット20に伝わらず、歪みの測定に影響を及ぼすからである。想定される最大の力は、例えば、その力の印加によって車輪用軸受としての機能が損なわれない範囲の最大の力である。
 前記センサユニット20は、その歪み発生部材21の2つの接触固定部21aが、外方部材1の軸方向に同寸法の位置で、かつ両接触固定部21aが互いに円周方向に離れた位置に来るように配置される。これら接触固定部21aがそれぞれスペーサ23を介してボルト24により外方部材1の外径面に固定される。前記各ボルト24は、それぞれ接触固定部21aに設けられた径方向に貫通するボルト挿通孔25からスペーサ23のボルト挿通孔26に挿通し、外方部材1の外周部に設けられた雌ねじのボルト孔27に螺合させる。このように、スペーサ23を介して外方部材1の外径面に接触固定部21aを固定することにより、薄板状である歪み発生部材21における切欠き部21bを有する中央部位が外方部材1の外径面から離れた状態となり、切欠き部21bの周辺の歪み変形が容易となる。なお、スペーサ23を設ける代わりに、図5の例のように外方部材1の外径面に軸方向に沿う歪み増大用の溝状の切欠1cを設けても良い。
 接触固定部21aが配置される軸方向位置として、ここでは外方部材1のアウトボード側列の転走面3(図1)の周辺となる軸方向位置が選ばれる。ここでいうアウトボード側列の転走面3の周辺とは、インボード側列およびアウトボード側列の転走面3の中間位置からアウトボード側列の転走面3の形成部までの範囲である。外方部材1の外径面へセンサユニット20を安定良く固定する上で、外方部材1の外径面における前記スペーサ23が接触固定される箇所には平坦部1bが形成される。
 センサ22としては、種々のものを使用することができる。例えば、センサ22を金属箔ストレインゲージで構成することができる。その場合、通常、歪み発生部材21に対しては接着による固定が行なわれる。また、センサ22を歪み発生部材21上に厚膜抵抗体にて形成することもできる。
 センサユニット20には、歪みセンサであるセンサ22に加え、温度センサ29(図3)を設け、観測した温度に応じて歪みセンサ22の出力を温度補正手段30(図1)で補正することが好ましい。温度補正手段30は、センサ22の出力信号を、例えば20℃等の一定温度の場合の値に補正する手段である。軸受回転による発熱や周辺環境などにより車輪用軸受の温度が変化すると、荷重が変化しなくても、センサユニット20のセンサ出力は熱膨張などにより変動するので、検出された荷重に温度の影響が残る。そこで、車輪用軸受の温度またはその周辺温度に応じてセンサ出力の平均値を補正する温度補正手段30を設けると、温度による検出荷重誤差を低減することができる。温度センサ29としては、例えばサーミスタや白金抵抗素子を用いることができる。温度センサ29は、センサユニット20に搭載する代わりに、外方部材1の外径面における各センサユニット20の設置部の近傍に設けても良い。
 図6~図10は、センサユニット20の変形例を示す。この例のセンサユニット20は、歪み発生部材21が3つの接触固定部21aで外方部材1の外径面に固定され、2つの歪みセンサ22の出力a,bを平均して一つの歪み信号を出力するものである。歪み発生部材21には、前記と同様な切欠き部21bが長手方向の2箇所で両側に設けられ、この切欠き部21bで狭まった箇所にセンサ22を取付けている。この例においても、スペーサ23を設ける代わりに、図9の例のように、外方部材1の外径面に軸方向に沿う歪み増大用の溝状の切欠1cを設けても良い。
 図10のように、これら3つの接触固定部21aを持つセンサユニット20では、転動体5の配列ピッチPの1/2ピッチの間隔で歪みセンサ22を配置することで、2つの歪みセンサ21の信号の位相が1/2ピッチずれる。このため、転動体5による振幅成分がキャンセルされるので、より正確に平均値を求めることが可能になる。よって、ドリフトが発生したときのドリフト量の推定精度が高まり、補正が安定する効果がある。
 図1と共に、センサユニット20のセンサ出力から荷重を推定する手段等につき説明する。このセンサ付車輪用軸受は、上記構成のセンサユニット20を備えた車輪用軸受において、荷重推定手段31と、パラメータ生成手段32とを備える。パラメータ生成手段32は、荷重推定手段31で用いる入力荷重評価値Eの領域およびその領域毎の推定演算パラメータMiを教示用のデータから生成する。
 これら荷重推定手段31およびパラメータ生成手段32は、例えばマイロコンピュータ等を含む電子回路で構成される。荷重推定手段31およびパラメータ生成手段32は、外方部材1に設置されてもよく、車輪用軸受から離れた位置で車両のECU(電子制御ユニット)等に設置されていてもよい。またパラメータ生成手段32のみが車輪用軸受から離れて設置されるなど、荷重推定手段31とパラメータ生成手段32とが互いに離れていても良い。
 前記荷重推定手段31は、前記入力荷重評価値Eを求める入力荷重評価値生成部34と、この求められた入力荷重評価値Eに対応する領域毎の推定演算パラメータMiに切り替えて前記入力荷重の荷重推定値を演算する荷重演算部35とを有する。荷重推定手段31は、この他にパラメータ記憶部33と前処理部36とを有する。
 パラメータ記憶部33は、前記入力荷重評価値Eの設定された領域毎の推定演算パラメータMiを記憶した手段である。パラメータ記憶部33は、図1では一つのみを代表して示したが、各方向の荷重Fx,Fy,Fzにそれぞれ対応した3つのパラメータ記憶部33が設けられている。
 前処理部36は、例えば、各センサユニット20のセンサ22の出力するセンサ出力から、推定しようとする各軸方向の荷重、つまり前後方向荷重Fx、軸方向荷重Fy、および垂直方向荷重Fzを計算するように処理した各軸方向X,Y,Z毎のセンサ出力S(t)を計算する手段である。この計算する各軸方向X,Y,Zのセンサ出力S(t)は、各軸方向毎に設定された推定演算パラメータMiを乗算すれば推定荷重値になるように処理した値とする。すなわち前処理部36では、センサ出力から平均値や振幅値を抽出して、センサ出力のベクトルS(t)を生成する。
 入力荷重評価値生成部34は、前記車輪用軸受の入力荷重の状態を評価する入力荷重評価値Eを前記各センサユニット20のセンサ出力から算出する手段である。
 入力荷重評価値生成部34は、入力荷重評価値Eが車輪速度である場合は、例えば、車輪用軸受の転動体5の通過によるセンサユニット20のセンサ出力の変動から軸受回転速度を求め、その値を入力荷重評価値Eとする。
 入力荷重評価値生成部34は、入力荷重評価値Eを上下のセンサユニット20の振幅値の差分、または左右のセンサユニット20の振幅値の差分とする場合は、それらの差分をセンサ出力から求めて入力荷重評価値とする。この場合に、前記差分は、センサユニット20のセンサ22から直接に得ても良く、また前処理部36を介して得ても良い。
 荷重演算部35は、パラメータ記憶部33において入力荷重評価値Eの領域毎に設定された推定演算パラメータMiを用いるにつき、入力荷重評価値生成部34で算出した入力荷重評価値Eによって推定演算パラメータMiの領域を切り替え、この切り替えた推定演算パラメータMiと前記センサユニット20のセンサ出力とから、前記車輪用軸受またはタイヤの接地点に作用する入力荷重の推定荷重値を算出する手段である。
 荷重演算部35は、入力荷重の推定荷重値Fcalc(t) の演算を、車輪用軸受の荷重状態を評価する入力荷重評価値Eの設定領域毎の推定演算パラメータMi(i=1,2,…)を用いて、次の荷重推定基本式、
  Fcalc(t) =Mi*S(t)
を用いて行う。S(t)は、ある時刻tにおけるセンサ出力である。このセンサ出力S(t)は、各センサユニット20のセンサ22の出力を、前述のように前処理部36で所定の処理をした値である。
 前記パラメータ生成手段32は、教示データ記憶部41と、パラメータ演算部42とを有する。
 教示データ記憶部41は、教示用のデータとして与えられる、車両走行時の前記車輪用軸受に作用する入力荷重値Fin(t)、およびこの入力荷重値Fin(t)の作用時における前記センサユニット20のセンサ出力S(t)を記憶した手段である。
 パラメータ演算部42は、教示データ記憶部41に記憶された教示用のデータから前記領域を区分すると共に、この領域毎の前記推定演算パラメータMiを生成して荷重推定手段31における前記パラメータ記憶部33に記録する手段である。
 パラメータ演算部42は、教示データ記憶部41に記憶されたセンサ出力S(t)から入力荷重評価値Eを算出し、回帰分析により、前記入力荷重評価値Eの仮の領域毎に、前記推定演算パラメータEの仮定値と前記センサ出力とから前記入力荷重の推定荷重値を求め、この求めた入力荷重の推定荷重値を前記入力荷重値との相関値で統計的に評価し、前記仮の領域と前記推定演算パラメータの仮定値とを変更して前記入力荷重の推定荷重値を求め、その評価を行う処理を繰り返して、前記荷重推定手段31で用いる前記入力荷重評価値Eの各領域と、これら各領域毎の前記推定演算パラメータMiとを定める。
 パラメータ生成手段32のパラメータ演算部42は、より具体的には、以下に示す(1) ~(6)の段階に分けて、領域と推定演算パラメータを定める処理を行う。
(1) まず、走行時の入力荷重値と軸受に設けられた複数のセンサユニット20のセンサ出力の収集データを用意する。入力荷重値は、例えば測定専用の六分力測定ホイールを使用して測定し、同時に測定したセンサユニット20のセンサ出力をセンサデータとして用いる。このように用意した入力荷重値とセンサ出力を教示データ記憶部41に記憶させる。
(2)パラメータ演算部42は、この教示データ記憶部41に記録された教示データを用い、入力荷重の状態に応じて荷重領域を判別するための入力荷重評価値Eと、領域を判別するための判別しきい値Ciを、以下のように求める。判別しきい値Ciの初期値は、パラメータ演算部42で定められた規則に従って教示データから計算するか、または、予め定められた値に設定する。
(3) 判別しきい値によって分割された一方の荷重領域を対象領域として、入力荷重値Eのデータとセンサ出力のデータを抽出し、それらのデータ間で線形近似計算(回帰分析処理)をして、対象領域の荷重推定パラメータMiを算出する。
(4) 対象領域のデータについて、算出された荷重推定パラメータMとセンサ出力から推定荷重値を演算し、入力荷重値と推定荷重値の誤差を評価する。誤差の評価は、例えば両荷重値間の相関値を用いて行う。
(5) 対象領域を広げる方向に判別しきい値を徐々に変更しつつ、上記(3) ~(4)で説明した処理を繰り返して実施し、誤差の評価値を求めていき、決められた範囲の調査を終えたところで、得られた誤差の評価値を分析する。その結果、最も誤差が小さくなった位置(相関値の場合には最大となった位置)を最適な判別しきい値と判断し、その時の判別しきい値と荷重推定パラメータを決定し記憶する。
(6) 次の領域に移って前記(3)~(5)で説明した処理を順次行い、最適な位置で荷重領域を分割していく。すると、最適な領域分割位置を示す一連のしきい値と、そのように分割した荷重領域で求められた一連の荷重推定パラメータが得られる。
 パラメータ演算部42は、さらに具体的には図11の流れ図に従って計算する。同図の流れの処理を行うことにより、最適な判別しきい値による領域の分割、および荷重推定パラメータMiを安定して、再現性よく、自動的に算出することができる。
(1) まず、試験走行によりその走行時の入力荷重値Fin(t)とセンサ出力S(t)の収集データを用意し、この収集データを教示データ記憶部41に記憶させる(ステップS1)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
(2) データ上限値Cmax (判別しきい値Cの初期値)を設定する(ステップS3)。
 この場合に、教示データ記憶部41に記憶された全てのセンサ出力のデータから入力荷重評価値Eを算出し、前記全てのセンサ出力から取り得る入力荷重評価値Eの上限値と下限値をそれぞれEmax ,Emin とする。
 入力荷重評価値Eは、前記車輪速度、上下のセンサユニット20の振幅値の差分、左右のセンサユニット20の振幅値の差分のいずれかとする。
 入力荷重評価値Eとセンサ出力は、例えば図12に示す関係にあるとすると、同図の入力荷重評価値Eの取り得る上限値と下限値を、図14のようにEmax ,Emin とする。
(3) 上記のように計算を行い、判別しきい値Cの初期値として、前記データ上限値Cmax を、Cmax =Emax として設定する。
(4) 前記ステップS3の前に、カウンタiは、i=1とする(ステップS2)。
(5) 判別しきい値Cの初期値Cmax から、設定した値ΔCだけ減少させた点を、図14のようにCpとする(ステップS4)。初期値Cmax と減少点Cp間の領域に含まれる入力荷重Fin(t)とセンサ出力S(t)のデータを、教示データ記憶部41から抽出する(ステップS5)。
(6) 抽出したデータを用いて該当領域に対する荷重推定パラメータM(Cp)を算出する(ステップS7)。
 このときの、抽出したデータを用いて荷重推定パラメータM(Cp)を算出する処理は、例えば次のように行う。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 入力荷重値Fin(t)は3×1の行列。
 荷重推定演算パラメータMiは3×Nの行列。
 センサ出力S(t)はN×1の行列。
*このときNは、平均値や振幅値の数が入る。
 このように算出した荷重推定演算パラメータM(Cp)を使って、抽出したデータ部分の推定荷重値Fcalc(t) を算出する(ステップS8)。
 ただし、抽出したデータの個数を設定個数Nと比較し(ステップS6)、抽出したデータの個数が設定個数N(Nは任意に設定する)を下回る場合には、ステップS4に戻り、さらにΔCだけ減少させて該当領域を広げ(ステップS4)、該当領域のデータ抽出(ステップS5)を繰り返す。なお、データの個数は、各時刻t1,t2,…毎の入力荷重値Fin(t)と各センサユニット22の出力S(t)の組を1個として数える。
 (7) 走行時の入力荷重値Fin(t)と、ステップS8で得られた推定荷重値Fcalc(t) との相関値Q(Cp)を算出する(ステップS9)。この相関値を荷重推定パラメータMiの品質を評価する入力荷重評価値Q(Cp)とする。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
 次のように正規化した値を用いても良い。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
 (8) 減少点Cpと入力荷重評価値Eの下限値Emin とを比較し(ステップS10)、減少点Cpが下限値Emin よりも大きい場合は、ステップS4に戻ってさらに設定値ΔCだけ減少させた点を減少点Cp2とし、データ上限値Cmax (判別しきい値Cの初期値)と減少点Cp2との間の入力荷重Fin(t)とセンサ出力S(t)のデータを抽出し(図15)、入力荷重評価値Q(Cp2)を算出する。
 (9) 上記(8) の処理、つまりステップS4~S10の処理を繰り返し、Cpn≦Emin となるまで、一連の入力荷重評価値Q(Cpn)を算出する(n=1,2,…)。
 (10)得られた一連の入力荷重評価値Q(Cpn)が最も高くなったときの減少点Cpiを図16のように求め、その減少点Cpnを判別しきい値Ci(第1番目の領域の場合はi=1)と決定する(ステップS11)。このように判別しきい値Ciを定め、推定演算パラメータMiを決定する(ステップS12)。
 (11)残りのデータ個数が設定個数(N個)以下であるか否かを比較し(ステップS13)、設定個数(N個)以下になるまでは、iを1だけ増加させ(ステップS14)、ステップS3の処理に戻る。
 (12)判別しきい値C2以降を決定する際は、直前に得られた判別しきい値(Ci-1)をCmax として(ステップS14,ステップS3)、上記(5)以降の処理、つまりステップS3~S14の手順を繰り返す(図17)。
 (13) 抽出されるデータの個数が設定個数Nを満たすことができなくなったとき(ステップS13)、一連の作業を終了する。
 なお、データ数が極端に少ない場合においては、多くのしきい値または荷重推定パラメータを作成してしまい、荷重推定パラメータの切り替え付近で荷重推定精度が低下する恐れがある。これを防ぐために、ある一定以上のデータ数(N個)がなければ、しきい値または荷重推定パラメータを作成しないようにする(図18)。
 すなわち、上記(6)の処理を進める条件として、抽出されたデータ数が設定個数Nを超えていることを加えている。この条件を満たさない場合には(5) に戻って、ΔCだけ減少させて該当領域を広げる処理を実施する。当該領域広げても、設定個数Nを超えなくなった時点で判別しきい値の決定を終了する。
 以上の手順で、多変数の回帰分析により線形近似を実施し、近似の精度を荷重推定出力と教示データ(入力データ)との相関値で統計的に評価して、最適値を求めることにしたため、一連の作業を自動的に、系統的に実施できるようになる。
 この実施形態による効果を纏めて次に示す。
 ・この実施形態で用いる手法では、実際の入力荷重値と推定荷重値との相関値が最も高くなるところで、荷重推定パラメータMiを切り替える領域を区分するための判別しきい値Ciを設定できるため、各領域での荷重推定精度が従来に比べて向上する。
 ・荷重推定パラメータMiの切り替えるための判別しきい値Ciを、各分力(各方向の荷重Fx,Fy,Fz)それぞれで最適な値を設定することにより、荷重推定精度が向上する。
 ・荷重推定パラメータMi、および領域を切り替える判別しきい値Ciを、短時間で算出することができ、安定した荷重推定パラメータMiを得ることができる。
1…外方部材
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
20…センサユニット
21…歪み発生部材
22…歪みセンサ
31…荷重推定手段
32…パラメータ生成手段
33…パラメータ記憶部
34…入力荷重評価値生成部
35…荷重算出部
41…教示データ記憶部
42…パラメータ演算部

Claims (9)

  1.  複列の転走面が内周に形成された外方部材と、
     前記外方部材の転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、
     両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体と、
    を備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
     上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外径面に、複数のセンサユニットを設け、前記センサユニットは前記外径面に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出するセンサを1つ以上有し、
     前記車輪用軸受の入力荷重の状態を評価する入力荷重評価値を前記各センサユニットのセンサ出力から算出する入力荷重評価値生成部、および前記入力荷重評価値の領域毎に設定された推定演算パラメータを前記入力荷重評価値生成部で算出した入力荷重評価値によって切り替え、この切り替えた推定演算パラメータと前記センサユニットのセンサ出力とから、前記車輪用軸受またはタイヤの接地点に作用する入力荷重の推定荷重値を算出する荷重算出部を有する荷重推定手段と、
     前記領域およびその領域毎の前記推定演算パラメータを教示用のデータから生成するパラメータ生成手段とを備え、
     前記パラメータ生成手段は、
      教示用のデータとして与えられる、車両走行時の前記車輪用軸受に作用する入力荷重値、およびこの入力荷重値の作用時における前記センサユニットのセンサ出力を記憶する教示データ記憶部と、
      前記データ記憶部が記憶したセンサ出力から前記入力荷重評価値を算出し、回帰分析により、前記入力荷重評価値の仮の領域毎に、前記推定演算パラメータの仮定値と前記センサ出力とから前記入力荷重の推定荷重値を求め、この求めた入力荷重の推定荷重値を前記入力荷重値との相関値で統計的に評価し、前記仮の領域と前記推定演算パラメータの仮定値とを変更して前記入力荷重の推定荷重値を求め、その評価を行う処理を繰り返して、前記荷重推定手段で用いる前記入力荷重評価値の各領域とこれら各領域毎の前記推定演算パラメータとを定めるパラメータ演算部と、
    を有するセンサ付車輪用軸受。
  2.  請求項1に記載のセンサ付車輪用軸受において、前記パラメータ演算部は、前記推定演算パラメータを切り替える前記領域を区分するしいき値が、それぞれの領域の前記パラメータ演算部による推定荷重値と前記入力荷重値との相関値を最大にするように、前記しきい値を求めるセンサ付車輪用軸受。
  3.  請求項1または請求項2に記載のセンサ付車輪用軸受において、前記荷重推定手段は、前記入力荷重の推定荷重値として、上下方向、軸方向、および前後方向の直交3軸方向のうちの少なくとも2方向の各分力を推定し、前記推定演算パラメータを切り替える前記領域を区分するしきい値を、前記各分力にそれぞれ独立して設けたセンサ付車輪用軸受。
  4.  請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受において、前記荷重推定手段は、前記車輪用軸受の回転速度を前記入力荷重評価値とするセンサ付車輪用軸受。
  5.  請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受において、前記複数のセンサユニットは、前記車輪用軸受の上下に設けられ、これら上下のセンサユニットのセンサ出力の振幅値の差分を前記入力荷重評価値とするセンサ付車輪用軸受。
  6.  請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受において、前記複数のセンサユニットは、前記車輪用軸受の車両走行方向の前後に設けられ、これら前後のセンサユニットのセンサ出力の振幅値の差分を前記入力荷重評価値とするセンサ付車輪用軸受。
  7.  請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受において、前記センサユニットを3個以上有し、前記荷重推定手段は、車両前後方向、軸方向、および上下方向の直交3軸方向の荷重を算出するセンサ付車輪用軸受。
  8.  請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受において、前記荷重推定手段は、一定時間内に前記各センサユニットのセンサ出力を用いてこれらセンサ出力の平均値と振幅値とを算出し、平均値のみ、振幅値のみ、または平均値と振幅値の両方を用いた演算処理により前記入力荷重値を推定するセンサ付車輪用軸受。
  9.  請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のセンサ付車輪用軸受において、前記各センサユニットが3つ以上の接触固定部を有し、前記各センサユニットに前記センサとして少なくとも2つの歪みセンサを設け、各センサの出力信号の位相差が、転動体のピッチのn+1/2倍(n=0,1,2,…)となるように前記接触固定部の間隔が設定され、2つ以上のセンサの出力信号の和によってセンサ出力の平均値を求めるセンサ付車輪用軸受。
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