JP5646043B2 - 走行連動音発生装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両の走行状態に応じて走行連動音を発生する走行連動音発生装置に関する。
近年の騒音規制を契機として、車両のエンジン音を低減するための改良が重ねられ、現在では、著しく静音化されたエンジンが実用化されている。また、ハイブリッド車や電気自動車のように電気モータを動力源とする車両においては、とくに低速走行時に動力源が発生する音が小さい。このような静粛性の高い車両は、歩行者等に気づかれにくい場合がある。また、車両の乗員にとっても、駆動源から届く音が小さく、かつ音質が必ずしもよくない。そのため、運転の楽しみが減少するおそれがある。
特許文献1は、車両に備えられたセンサ類からの信号に基づいて車両の動作状態に対応したエンジン模擬音を発生する車両用エンジン模擬音発生装置を開示している。
特開2000−1142号公報
特許文献1の先行技術は、車両に備えられたセンサ類からの信号を取得する構成であるので、多数の配線が必要となる。そのため、構造が複雑になるうえ、組み付け工数が多くなり、それに応じてコスト高となることは避けられない。
そこで、この発明の一実施形態は、構成が簡単で、車両への組み付けも容易な走行連動音発生装置を提供する。
より具体的には、この発明の一実施形態は、車両の走行状態に応じて走行連動音を発生する走行連動音発生装置であって、前記車両が走行している路面の勾配を推定する勾配推定手段と、当該走行連動音発生装置に内蔵された加速度センサによって検出される加速度を前記勾配推定手段によって推定される勾配に応じて補正し、その補正後の加速度を積分することにより、前記車両に備えられたセンサからの信号を用いることなく、前記車両の車速を推定する車速推定手段と、前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、アクセル指令値を推定するアクセル指令値推定手段と、前記車速推定手段によって推定された車速と、前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて、走行連動音を生成する走行連動音生成手段とを含む、走行連動音発生装置を提供する。
この装置では、車両の車速を推定によって求めるので、車速を直接検出するセンサ(車速センサ)を要しない。したがって、車両に備えられた車速センサからの信号を取得する必要がないから、そのための配線が不要である。さらに、その推定された車速に基づいてアクセル指令値も推定されるので、アクセル指令値を車両側から取得するための配線も不要である。これにより、配線を少なくでき、それに応じて構成を簡単にできるうえ、車両への組み付けも容易になる。しかも、推定された車速および推定されたアクセル指令値に応じた走行連動音が生成されるので、車両の走行状態に応じた適切な走行連動音を発生することができる。
前記車速推定手段は、当該走行連動音発生装置に内蔵された加速度センサの出力信号を用い、その検出される加速度を路面勾配に応じて補正し、その補正後の加速度を積分して、車速を推定するように構成されているので、車両側からの情報を得ることなく車速を正確に推定できる。それによって、配線等の構成を簡単にでき、それに応じて装置の組み付け作業を簡単にできる。
この発明の一実施形態に係る走行連動音発生装置は、車両の走行状態に応じて走行連動音を発生する走行連動音発生装置であって、前記車両が走行している路面の勾配を推定する勾配推定手段と、当該走行連動音発生装置に内蔵された加速度センサによって検出される加速度を前記勾配推定手段によって推定される勾配に応じて補正し、その補正後の加速度を積分して前記車両の車速を推定する車速推定手段と、前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、アクセル指令値を推定するアクセル指令値推定手段と、前記車速推定手段によって推定された車速と、前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて、走行連動音を生成する走行連動音生成手段とを含み、前記アクセル指令値推定手段が、前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、前記車両の原動機の発生トルクを推定するトルク推定手段を含み、前記推定された発生トルクに応じてアクセル指令値を推定するように構成されている。この構成では、推定された車速に応じて原動機の発生トルクが推定されるので、その発生トルクの推定のための情報を車両側から取得しなくてもよい。そして、その推定された発生トルクに応じてアクセル指令値が推定されるので、アクセル指令値を正確に推定できる。つまり、車速から原動機の出力が推定され、その出力を発生させるためのアクセル指令値が推定される。
前記トルク推定手段は、車両の走行抵抗を演算する走行抵抗演算手段と、前記走行抵抗演算手段によって演算される走行抵抗に基づいて、車両を走行させるために原動機が発生すべき必要トルクを演算する必要トルク演算手段とを含んでいてもよい。この場合に、前記アクセル指令値推定手段は、前記必要トルク演算手段によって演算された必要トルクと原動機回転速度とに基づいてアクセル指令値を推定するように構成されていてもよい。
この構成によれば、車両の走行抵抗に基づいて原動機が発生すべき必要トルクが求められ、その必要トルクと原動機回転速度とに基づいてアクセル指令値が推定される。これにより、アクセル指令値を一層正確に推定することができるから、車両の走行状態に整合する走行連動音を発生させることができる。
この発明の一実施形態に係る走行連動音発生装置車両の走行状態に応じて走行連動音を発生する走行連動音発生装置であって、前記車両の車速を推定する車速推定手段と、前記車両の加速度を推定する加速度推定手段と、前記車両が走行している路面の勾配を推定する勾配推定手段と、前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、アクセル指令値を推定するアクセル指令値推定手段と、前記車速推定手段によって推定された車速と、前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて、走行連動音を生成する走行連動音生成手段とを含む。前記アクセル指令値推定手段が、前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、前記車両の原動機の発生トルクを推定するトルク推定手段を含み、前記推定された発生トルクに応じてアクセル指令値を推定するように構成されている。前記トルク推定手段が、車両の走行抵抗を演算する走行抵抗演算手段と、前記走行抵抗演算手段によって演算される走行抵抗、前記加速度推定手段によって推定される加速度、および前記勾配推定手段によって推定される路面の勾配に基づいて、前記車両を走行させるために原動機が発生すべき必要トルクを演算する必要トルク演算手段とを含む。前記アクセル指令値推定手段が、前記必要トルク演算手段によって演算された必要トルクと原動機回転速度とに基づいてアクセル指令値を推定するように構成されている。
この構成によれば、車両の加速度および車両が走行している路面の勾配が推定される。そして、走行抵抗に加えて、それらの推定された加速度および路面勾配に基づいて必要トルクが演算され、その必要トルクを用いてアクセル指令値が推定される。したがって、アクセル指令値をさらに正確に推定することができるので、車両の走行状態を一層正確に反映した走行連動音を発生することができる。
この発明の一実施形態に係る走行連動音発生装置は、車両の走行状態に応じて走行連動音を発生する走行連動音発生装置であって、前記車両の車速を推定する車速推定手段と、前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、アクセル指令値を推定するアクセル指令値推定手段と、前記車速推定手段によって推定された車速と、前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて、走行連動音を生成する走行連動音生成手段とを含む。前記アクセル指令値推定手段が、前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、前記車両の原動機の発生トルクを推定するトルク推定手段を含み、前記推定された発生トルクに応じてアクセル指令値を推定するように構成されている。前記トルク推定手段が、車両の走行抵抗を演算する走行抵抗演算手段と、前記走行抵抗演算手段によって演算される走行抵抗に基づいて、車両を走行させるために原動機が発生すべき必要トルクを演算する必要トルク演算手段とを含む。そして、前記アクセル指令値推定手段が、原動機回転速度において原動機が発生可能な最大トルクに対する前記必要トルクの比である発生トルク比率を演算する発生トルク比率演算手段と、前記発生トルク比率演算手段によって演算される発生トルク比率に基づいて、アクセル指令値を推定する手段とを含む。
この構成によれば、発生トルク比率に応じてアクセル指令値が推定されるので、アクセル指令値を一層適切に推定できる。それに応じて、車両の走行状態を一層正確に反映した走行連動音を発生することができる。
この場合に、原動機回転速度に対する前記最大トルクの特性を変更する原動機特性変更手段をさらに含むことが好ましい。これにより、車両に備えられた原動機の特性や使用者の好みに応じて、走行連動音の発生動作をチューニングできる。
また、前記発生トルク比率に対するアクセル指令値の特性を変更するアクセル特性変更手段をさらに含むことが好ましい。これによっても、車両に備えられた原動機の特性や使用者の好みに応じて、走行連動音の発生動作をチューニングできる。
前記車速推定手段が、前記車両に備えられたセンサからの信号を用いることなく前記車両の車速を推定するように構成されていることが好ましい。これにより、車両側からの情報を得ることなく車速を推定できるので、配線等の構成を簡単にでき、それに応じて装置の組み付け作業を簡単にできる。
たとえば、前記車速推定手段が、当該走行連動音発生装置に内蔵された加速度センサによって検出される加速度を積分して車速を推定するように構成されていてもよい。これにより、車速センサを用いなくても、車速を推定できるから、構成が簡単になる。
この発明の一実施形態では、前記走行連動音発生装置が、前記車両が走行している路面の勾配を推定する勾配推定手段をさらに含み、前記車速推定手段が、前記勾配推定手段によって推定された勾配に応じて前記加速度センサによって検出される加速度を補正し、その補正後の加速度を積分して車速を推定するように構成されている。この構成により、路面勾配に起因して重力加速度が加速度センサの出力に影響するときに、その影響を抑制または排除して、車両の加速度を求めることができる。これにより、加速度に基づく車速推定を正確に行うことができるから、車両の走行状態に整合する走行連動音を発生することができる。
この発明の一実施形態では、前記勾配推定手段が、当該走行連動音発生装置に内蔵された角速度センサによって検出される角速度を積分して、車両が走行している路面の勾配を推定するように構成されている。この構成により、路面勾配を直接検出するセンサを備えることなく路面勾配を求めることができる。これにより、簡単な構成で路面勾配を反映して車両の走行状態を求めることができ、それに応じて、車両の走行状態に整合する走行連動音を発生することができる。
この発明の一実施形態は、車両の走行状態に応じて走行連動音を発生する走行連動音発生装置であって、当該走行連動音発生装置に内蔵された角速度センサによって検出される角速度を積分して、前記車両が走行している路面の勾配を推定する勾配推定手段と、当該走行連動音発生装置に内蔵された加速度センサによって検出される加速度を前記勾配推定手段によって推定される勾配に応じて補正し、その補正後の加速度を積分して前記車両の車速を推定する車速推定手段と、前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、アクセル指令値を推定するアクセル指令値推定手段と、前記車速推定手段によって推定された車速と、前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて、走行連動音を生成する走行連動音生成手段とを含む、走行連動音発生装置を提供する。
この発明の一実施形態では、前記車速推定手段が、当該走行連動音発生装置に内蔵されたGPS(Global Positioning System)受信機の出力信号(たとえば位置データ、移動速度データ等)に基づいて車速を推定するように構成されている。この構成によっても、車両側から情報を取得することなく、車速を推定できる。これにより、安価なコストで車両に装備できる走行連動音発生装置を提供できる。
この発明の一実施形態では、前記走行連動音生成手段が、前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて原動機回転速度を推定する原動機回転速度推定手段を含み、前記推定されたアクセル指令値および原動機回転速度に基づいて走行連動音を生成するように構成されている。この構成によれば、車速推定手段によって推定された車速に基づいて原動機回転速度が推定される。したがって、原動機回転速度に関する情報を車両側から取得する必要がないので、安価なコストで車両に装備でき、かつ走行状態に適切に連動した走行連動音を発生できる走行連動音発生装置を提供できる。
たとえば、原動機の回転を一定の減速比で走行車輪に伝達する構成の車両においては、車速、当該減速比および走行車輪の径に基づいて原動機回転速度を推定できる。
この発明の一実施形態では、前記走行連動音生成手段が、前記車速推定手段によって推定された車速と前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて原動機回転速度を推定する原動機回転速度推定手段を含み、前記推定されたアクセル指令値および原動機回転速度に基づいて走行連動音を生成するように構成されている。この構成によれば、推定された車速およびアクセル指令値に基づいて原動機回転速度が推定される。したがって、原動機回転速度に関する情報を車両側から取得する必要がないので、安価なコストで車両に装備でき、かつ走行状態に適切に連動した走行連動音を発生できる走行連動音発生装置を提供できる。そして、原動機の回転と走行車輪の回転との比がアクセル指令値に応じて変動する場合であっても、原動機回転速度を正確に推定できる。これにより、簡単な構成で、車両の走行状態に整合した走行連動音を発生できる。
この発明の一実施形態は、車両の走行状態に応じて走行連動音を発生する走行連動音発生装置であって、前記車両が走行している路面の勾配を推定する勾配推定手段と、当該走行連動音発生装置に内蔵された加速度センサによって検出される加速度を前記勾配推定手段によって推定される勾配に応じて補正し、その補正後の加速度を積分して前記車両の車速を推定する車速推定手段と、前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、アクセル指令値を推定するアクセル指令値推定手段と、前記車速推定手段によって推定された車速と、前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて、走行連動音を生成する走行連動音生成手段とを含み、前記走行連動音生成手段が、前記車速推定手段によって推定された車速と前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて原動機回転速度を推定する原動機回転速度推定手段を含み、前記推定されたアクセル指令値および原動機回転速度に基づいて走行連動音を生成するように構成されている、走行連動音発生装置を提供する。
前記原動機は、電気モータであってもよいし、エンジン(内燃機関)であってもよい。電気モータを動力源として用いる場合には、電気モータの回転を一定の減速比で減速して走行車輪に伝達する場合が多い。エンジンを動力源として用いる車両は、通常、変速機を有しているので、このような車両においては、エンジンの回転と走行車輪の回転との比(減速比)は、車速だけでなくアクセル指令値にも依存するのが一般的である。車両に実際に搭載された原動機が電気モータである場合でも、エンジンを仮想原動機として、この仮想原動機の回転速度を推定してもよい。つまり、「原動機回転速度」は、リアル原動機の回転速度であってもよいし、バーチャル原動機の回転速度であってもよい。
図1は、この発明の一実施形態に係る走行連動音発生装置を搭載した車両を示す図解的な側面図である。 図2は、走行連動音発生装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。 図3は、車速推定ユニットの構成例を説明するためのブロック図である。 図4は、傾斜した路面上における電動二輪車に働く力を示す説明図である。 図5は、車速推定ユニットによる処理内容を示すフローチャートである。 図6は、アクセル指令値推定ユニットの構成例を説明するためのブロック図である。 図7は、モータ回転速度と最大トルクとの関係を表す最大トルクマップの一例を示す。 図8は、発生トルク比率に対する推定アクセル開度の関係を表すアクセル開度マップの一例を示す。 図9は、アクセル指令値推定ユニットによる処理を示すフローチャートである。 図10は、走行連動音生成ユニットの構成例を示すブロック図である。 図11Aは、仮想エンジン回転速度マップの一例を示す。 図11Bは、アクセル開度が比較的小さい値の状態で電動二輪車が加速しているときの定エンジン回転速度線を示す。 図11Cは、アクセル開度が比較的大きい状態で電動二輪車が加速しているときの定エンジン回転速度線を示す。 図11Dは、定エンジン回転速度線に従って仮想エンジン回転速度を決定しているときに、車両加速度が正値から負値に転じたときの動作を示す。 図11Eは、定エンジン回転速度線に従って仮想エンジン回転速度を決定しているときに、車両加速度が正値から負値に転じたときの動作を示す。 図11Fは、車両加速度が一旦負値に転じ、その後に正値に転じた場合の挙動を示す。 図12は、次数音ゲイン生成ユニットの構成例を説明するための図である。 図13は、ランダム音ゲイン生成ユニットの構成例を説明するための図である。 図14Aは、アクセル開度および仮想エンジン回転速度に応じた次数音データの変化を説明するための図である。図14Bは、アクセル開度および仮想エンジン回転速度に応じたランダム音データの変化を説明するための図である。 図15は、次数音データを再生して周波数分析した例を示す。 図16Aは、この発明の他の実施形態に係る走行連動音発生装置を説明するための図であり、GPS受信機が出力する位置データを用いた車速推定を示す。 図16Bは、GPS受信機が出力する位置データを用いた車速推定の一例を説明するためのフローチャートである。 図17は、この発明のさらに他の実施形態に係る走行連動音発生装置を説明するための図であり、GPS受信機が出力する移動速度データを用いた車速推定の一例を示すフローチャートである。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る走行連動音発生装置を搭載した車両を示す図解的な側面図である。この車両は、たとえば、電動二輪車1である。より具体的には、電動二輪車1は、スクータ型の電動二輪車であり、車体フレーム2と、前輪3、後輪4、電気モータ5、バッテリ6および車体カバー7を備えている。電動二輪車1は、バッテリ6から供給される電力によって、電気モータ5を駆動し、電気モータ5の出力によって駆動輪としての後輪4を駆動するように構成されている。
車体フレーム2の前上部に配置されたヘッドパイプ8には、ステアリング軸9が回動自在に挿入されている。ステアリング軸9の下端部には、左右一対のフロントフォーク10が取り付けられている。前輪3は、フロントフォーク10に取り付けられている。ステアリング軸9の上端部には、ハンドル11が取り付けられている。ライダーは、ハンドル11を操作することにより、ステアリング軸9、フロントフォーク10および前輪3をステアリング軸9の軸線回りに回すことができる。
ハンドル11の左右両端部には、それぞれ、グリップ12が設けられている(左側のグリップのみを図示)。右側のグリップはアクセルグリップ(アクセル操作子)を構成している。ライダーは、このアクセルグリップを回すことにより、電気モータ5の出力を調整することができる。
車体フレーム2は、ヘッドパイプ8から後方に延びている。車体フレーム2は、ダウンチューブ19と、ダウンチューブ19の後方に配置された左右一対のフレーム本体20とを含む。ダウンチューブ19は、ヘッドパイプ8の下部から後斜め下方に延びている。フレーム本体20は、側面視においてほぼS字形状を成しており、ダウンチューブ19の下端部から後方に延び、さらに後方に向かって斜め上方に向かい、その後、ほぼ水平に後方へと延びている。
車体カバー7は、車体フレーム2に取り付けられている。車体カバー7は、ヘッドパイプ8を覆う前カバー25と、前カバー25の下部から後方に延びる下カバー26と、前カバー25の後方に配置された後カバー27とを含んでいる。前カバー25は、ステアリング軸9の一部およびヘッドパイプ8を取り囲み、かつ、ダウンチューブ19を取り囲んでいる。下カバー26は、前カバー25の下部から後方に延びており、フレーム本体20の一部を下方および左右両側方から覆っている。下カバー26の上面には、足載せ部28が配置されている。足載せ部28は、ライダーが足を載せるために設けられており、ほぼ平坦に形成されている。後カバー27は、全体として、下カバー26の後部から後斜め上方に延びた形状に形成されている。後カバー27は、フレーム本体20の一部を前方および左右両側方から覆っている。
ライダーが着座するためのシート29は、フレーム本体20の上部に取り付けられている。シート29の下方には、左右一対のフレーム本体20の間に収容空間が形成されている。この収容空間には、電気モータ5の電源としてのバッテリ6が配置されている。バッテリ6は、充電可能な二次電池である。
走行連動音発生装置30は、装置本体31と、スピーカ32とを含む。図1の例では、装置本体31は、シート29の下方に配置されて、フレーム本体20に取り付けられている。スピーカ32は、たとえば、ヘッドパイプ8に取り付けられている。装置本体31とスピーカ32とは、配線33で接続されている。配線33は、車体カバー7内で配索されており、装置本体31が発生する音声信号をスピーカ32に伝える。
図2は、走行連動音発生装置30の電気的構成を説明するためのブロック図である。装置本体31は、電動二輪車1のバッテリ6に電源配線を介して接続されていて、バッテリ6からの電力供給を受けて動作するようになっている。むろん、装置本体31にバッテリを内蔵し、その内蔵バッテリによって装置本体31が作動する構成を採用することもできる。
装置本体31は、音合成回路35と、アンプ36と、センサ類40とを含む。センサ類40は、装置本体31の筐体に内蔵されている。
センサ類40は、この実施形態では、加速度センサ41および角速度センサ42(ジャイロセンサ)を含む。加速度センサ41は、直交する3つの軸(X軸、Y軸およびZ軸)の方向に沿う加速度を検出して出力するように構成された3軸加速度センサであってもよい。この実施形態では、加速度センサ41のX軸が電動二輪車1の前後方向に整合し、そのY軸が電動二輪車1の左右方向に整合し、そのZ軸が電動二輪車1の上下方向に整合している。すなわち、このような位置関係となるように、装置本体31が車体フレーム2に取り付けられている。角速度センサ42は、3つの軸(X軸、Y軸およびZ軸)のまわりの角速度(ロール角速度、ピッチ角速度、ヨー角速度)を検出するように構成されている。この実施形態では、角速度センサ42のX軸、Y軸およびZ軸は、加速度センサ41のX軸、Y軸およびZ軸と一致している。すなわち、このような位置関係となるように、加速度センサ41および角速度センサ42が、装置本体31の筐体に組み付けられている。よって、角速度センサ42のX軸が電動二輪車1の前後方向に整合し、そのY軸が電動二輪車1の左右方向に整合し、そのZ軸が電動二輪車1の上下方向に整合している。
音合成回路35は、センサ類40の出力信号に基づいて電動二輪車1の走行状態を推定し、その推定した走行状態に応じた走行連動音を表す音声信号を生成する。この音声信号がアンプ36によって増幅され、その増幅された音声信号が配線33を介してスピーカ32に与えられる。これにより、スピーカ32が駆動され、走行連動音が発生する。この走行連動音は、電動二輪車1の周囲の人に向けて発生され、かつライダーによって聴取される。音合成回路35は、専ら装置本体31に備えられたセンサ類40の出力信号を用いて走行連動音信号を生成するように構成されており、電動二輪車1側(走行連動音発生装置30外)に備えられたセンサ類からの信号を入力するようには構成されていない。
装置本体31に備えられたセンサ類40は、加速度センサ41および角速度センサ42の他にも、GPS(Global Positioning System)受信機45(二点鎖線で示す。)を含んでいてもよい。GPS受信機45は、地球のまわりを周回するGPS衛星からの信号を受信して位置データ等を生成する装置である。
音合成回路35は、マイクロコンピュータを含み、このマイクロコンピュータによる演算処理によって実現される複数の機能処理ユニットを含む。より具体的には、音合成回路35は、車速推定ユニット37と、アクセル指令値推定ユニット38と、走行連動音生成ユニット39とを含む。車速推定ユニット37は、センサ類40の出力信号に基づいて、電動二輪車1の車速を推定する。すなわち、電動二輪車1側に備えられたセンサからの信号を用いることなく、電動二輪車1の車速を推定する。アクセル指令値推定ユニット38は、車速推定ユニット37によって推定された車速、およびセンサ類40の出力信号に基づいて、アクセル指令値を推定する。アクセル指令値は、ハンドル11に備えられたアクセルグリップの操作量に対応する。ただし、推定されるアクセル指令値がアクセルグリップの操作量に正確に対応している必要はない。アクセル指令値推定ユニット38は、電動二輪車1側に備えられたセンサ(たとえばアクセルグリップ操作量センサ)の出力信号を用いることなく、アクセル指令値を推定する。走行連動音生成ユニット39は、車速推定ユニット37によって推定された車速と、アクセル指令値推定ユニット38によって推定されたアクセル指令値とに基づいて、走行連動音信号を生成する。
図3は、車速推定ユニット37のより詳細な構成例を説明するためのブロック図である。車速推定ユニット37は、路面勾配推定ユニット50と、車両加速度計算ユニット54と、車速計算ユニット55とを含む。路面勾配推定ユニット50は、自動二輪車1が走行している路面の勾配を推定する勾配推定手段であり、初期路面勾配角度計算ユニット51と、路面勾配角度計算ユニット52とを含む。
初期路面勾配角度計算ユニット51は、走行連動音発生装置30に電源が投入された直後に、加速度センサ41の出力信号に基づいて、電動二輪車1が置かれた路面の初期勾配角度θを計算する。走行連動音発生装置30は、たとえば、電動二輪車1の電源が投入されたときに、同時に電源投入されるようになっていてもよい。路面勾配角度計算ユニット52は、角速度センサ42が検出するピッチ角速度(Y軸回りの角速度)を積分することによって、路面勾配角度θを求める。より具体的には、初期勾配角度θを初期値として、走行連動音発生装置30に電源が投入されてからのピッチ角速度を時間積分することによって、路面勾配角度θを求める。すなわち、θ=θ+∫(ピッチ角速度)dt(tは時間)である。
車両加速度計算ユニット54は、加速度センサ41によって検出される前後方向加速度(X軸方向加速度)に対して、路面勾配角度θに基づく補正を施すことによって、電動二輪車1の前後方向加速度αを求める加速度推定手段である。車速計算ユニット55は、前後方向加速度αを時間積分することによって、電動二輪車1の車速Vを求める。より具体的には、車速計算ユニット55は、走行連動音発生装置30への電源投入時から前後方向加速度αを積分する。積分初期値は、零(電源投入に伴って零にクリア)とされる。すなわち、V=∫αdtである。
図4は、傾斜した路面57上における電源投入直後の状態を示す説明図である。電動二輪車1には、その質量Mに比例する重力Mg(gは重力加速度)が鉛直下方に作用する。この重力MgのX軸方向分力は、初期路面勾配角度θを用いてMg・sinθと表すことができる。また、Z軸方向分力は、初期路面勾配角度θを用いてMg・cosθと表すことができる。加速度センサ41は、たとえば、電動二輪車1の前方(+X方向。進行方向)を正として、前後方向加速度を検出する。路面57で停止しているとき、X軸方向に関して、重力のX軸方向分力Mg・sinθ(−X方向への力)と、電動二輪車1の前方(+X方向)に働く力Mα′とが釣り合っている。また、Z軸方向に関して、重力のZ軸方向分力Mg・cosθと、垂直抗力Mβ′とが釣り合っている。ただし、α′は加速度センサ41によって検出されるX軸方向加速度であり、β′は加速度センサ41によって検出されるZ方向加速度である。電動二輪車1が停止しているときは、その実際の加速度αは零であるが、重力のX方向分力Mgsinθのために、見かけ上の加速度α′(=gsinθ)が検出される。
加速度センサ41は、傾斜した路面57上において、前後方向加速度α′(=gsinθ)と、上下方向(Z軸方向)加速度β′(=gcosθ)とを検出する。したがって、初期勾配角度θは、θ=Tan−1(α′/β′)として求めることができる。この計算が、初期路面勾配角度計算ユニット51において実行される。
路面勾配角度θで傾斜した路面57上を電動二輪車1が走行しているとき、加速度センサ41が検出する前後方向加速度α′は、電動二輪車1の実際の前後方向加速度αの成分に、重力加速度gによる寄与分gsinθを加えた値となる。そこで、車両加速度計算ユニット54は、加速度センサ41が検出する前後方向加速度α′から重力加速度gによる寄与分gsinθを減じることにより、電動二輪車1の実際の前後方向加速度α(=α′−gsinθ)を求める。すなわち、車両加速度計算ユニット54は、加速度センサ41の出力信号に対して路面勾配角度θに応じた補正を施すことにより、電動二輪車1の前後方向加速度αを求める。路面勾配角度θは、たとえば、電動二輪車1の進行方向に向かって、水平面に対して仰角の場合を正、水平面に対して俯角の場合を負とすればよい。
電動二輪車1が走行しているとき、加速度センサ41は、とりわけ、Z軸方向に関して、路面の凹凸や電動二輪車1の振動によるノイズ成分を検出しやすい。さらに、X軸方向に関して、走行中は、加速度センサ41の出力信号中に、路面傾斜による加速度成分と車速変化による加速度成分との両方が含まれ、それらの成分を区別することは困難である。そのため、走行中の路面の勾配角度θを検出するときに加速度センサ41の出力信号を用いるのは実際的でない。そこで、この実施形態では、初期路面勾配角度θを加速度センサ41の出力信号に基づいて計算した後は、それを積分初期値として、角速度センサ42が出力するピッチ角速度を時間積分することによって、路面勾配角度θを求めている。このような積分演算が、路面勾配角度計算ユニット52によって実行される。こうして求められた路面勾配角度θが、加速度センサ41の出力信号の補正のために、車両加速度計算ユニット54に供給される。
車速計算ユニット55は、車両加速度計算ユニット54による補正演算によって得られた前後方向加速度αを時間積分して、車速Vを求める。
図5は、車速推定ユニット37による処理内容を示すフローチャートである。
車速推定ユニット37は、電源投入直後かどうかを判断する(ステップS1)。電源投入直後であれば、車速推定ユニット37は、加速度センサ41の出力信号を読み込み(ステップS2)、車速Vを零にクリアする(ステップS3)。さらに、車速推定ユニット37は、加速度センサ41から取り込んだ前後方向加速度α′および上下方向加速度β′に基づいて、初期路面勾配角度θを計算する(ステップS4)。ステップS2〜S4の動作は、電源投入直後の一回だけ実行される。
電源投入直後でないときは(ステップS1:NO)、車速推定ユニット37は、加速度センサ41および角速度センサ42の出力信号を読み込む(ステップS5,S6)。そして、車速推定ユニット37は、角速度センサ42の出力信号を積分することによって、電動二輪車1が走行中の路面の勾配角度θを求める(ステップS7)。さらに、車速推定ユニット37は、求められた路面勾配角度θを用いて、加速度センサ41が出力する前後方向加速度α′を補正(重力加速度成分を補償)して、電動二輪車1の実際の前後方向加速度αを求める(ステップS8)。さらに、車速推定ユニット37は、その前後方向加速度αを時間積分することによって、電動二輪車1の現在の車速Vを求める(ステップS9)。
以後、電源が遮断されてシステムが停止するまで、ステップS1〜S9の動作が繰り返される。
図6は、アクセル指令値推定ユニット38の構成例を説明するためのブロック図である。アクセル指令値推定ユニット38は、トルク推定ユニット60と、モータ回転速度演算ユニット63と、アクセル開度推定ユニット65とを含む。トルク推定ユニット60は、走行抵抗演算ユニット61と、必要トルク演算ユニット62とを含む。アクセル開度推定ユニット65は、発生トルク比率計算ユニット66と、推定アクセル開度計算ユニット67とを含む。
モータ回転速度演算ユニット63は、原動機回転速度推定手段の一例であり、車速推定ユニット37によって推定された車速Vと、所定の変換係数とに基づいて、モータ回転速度を演算する。変換係数は、減速比と、後輪4の周長とに基づいて定められる定数であり、音合成回路35に内蔵された記憶ユニット(メモリ)から与えられる。車速Vを後輪4の周長で除算すると、後輪4の回転速度(単位時間あたりの回転数)が求まる。さらに、後輪4の回転速度に減速比を乗じると、電気モータ5の回転速度が求まる。減速比とは、電気モータ5の回転速度と後輪4の回転速度との比(電気モータ回転速度/後輪回転速度)である。したがって、変換係数は、たとえば、後輪4の周長の逆数と、減速比との積に比例するように定めるとよい。演算されたモータ回転速度は、発生トルク比率計算ユニット66に与えられる。
走行抵抗演算ユニット61は、電動二輪車1を走行させたときに電動二輪車1の進行を妨げる外力(走行抵抗)を計算する。走行抵抗の成分としては、空気抵抗、タイヤ変形による抵抗、電気モータ5内のオイルの粘性による抵抗などを例示できる。空気抵抗は、車速Vの二乗に比例するので、係数Karを用いて、Kar・Vと表すことができる。その他の走行抵抗成分は、まとめて定数Lfで表すことができる。音合成回路35に備えられた記憶ユニット(メモリ)には、係数Kar、電動二輪車1の質量M、重力加速度g、および定数Lfが予め書き込まれている。これらの定数と、車速推定ユニット37によって推定される車速Vとを用いて、走行抵抗演算ユニット61は、走行抵抗=Kar・V+Lfを演算する。この走行抵抗の値は、必要トルク演算ユニット62に与えられる。
必要トルク演算ユニット62は、電気モータ5が発生すべきトルクを演算する。電動二輪車1が路面勾配角度θの路面上を加速度αで走行しているとき、電動二輪車1をその進行方向に押す力Fは、F=走行抵抗+Mg・sinθ+M・αで与えられる。Mg・sinθは、路面傾斜による抵抗分であり、勾配抵抗と呼ばれる。M・αは、加速抵抗である。電気モータ5のトルク変換係数をKとし、電気モータ5が発生すべき必要トルクをTとすると、F=K・Tが成立する。よって、必要トルクTは、T=F/K=(走行抵抗+Mg・sinθ+M・α)/Kとなる。この演算が、必要トルク演算ユニット62において実行される。演算された必要トルクTは、発生トルク比率計算ユニット66に与えられる。必要トルクTの計算に必要な質量M、重力加速度gおよびトルク変換係数Kは、音合成回路35に備えられた記憶ユニット(メモリ)から与えられる。
発生トルク比率計算ユニット66は、必要トルクTと、モータ回転速度とに基づいて、発生トルク比率を演算する。発生トルク比率とは、当該モータ回転速度において電気モータ5が発生することができる最大トルクTに対する必要トルクTの割合(T/T)である。最大トルクTは、最大トルクマップ64から与えられる。最大トルクマップ64の一例は、図7に示されている。すなわち、最大トルクマップ64は、モータ回転速度に対する最大トルクマップを格納したデータ群(テーブル)によって定義されている。曲線L1は、電気モータ5の実際のトルク特性を表す。モータ回転速度が大きくなるに従って、逆起電力のために、最大トルクTが減少していく。電気モータ5は、モータ回転速度に応じた最大トルクT以下の範囲のトルクを発生することができる。発生トルク比率計算ユニット66は、モータ回転速度に対応した最大トルクTを最大トルクマップ64から読み出し、その読み出した最大トルクTを用いて発生トルク比率T/Tを演算する。
最大トルクマップ64に格納されている最大トルクマップは、走行連動音の発生のためだけに用いられるので、電気モータ5の実際の特性を表している必要はない。すなわち、図7において曲線L2,L3,L4,L5で示すように、電気モータ5の実際の特性とは異なるトルク特性曲線を用いて発生トルク比率T/Tを演算しても差し支えない。たとえば、最大トルクマップ64に、複数のトルク特性曲線L1〜L5を格納しておき、これらを、トルク特性変更操作ユニット71(図6参照)からの操作によって切り換えて用いることができるようにしてもよい。これにより、電動二輪車1の特性や使用者の好みに応じて、音合成回路35の特性を変更(チューニング)することができる。さらに、トルク特性変更操作ユニット71の操作によって最大トルクの特性を変更することにより、あらゆるトルク特性を持ったモータに対応することも可能となる。このように、トルク特性変更操作ユニット71は、原動機回転速度に対する最大トルクの特性を変更する原動機特性変更手段としての機能を有している。
こうして求められた発生トルク比率T/Tは、推定アクセル開度計算ユニット67に与えられる。推定アクセル開度計算ユニット67は、アクセル開度マップ68を参照して、アクセル指令値としての推定アクセル開度を求める。アクセル開度マップ68の一例は、図8に示されている。すなわち、アクセル開度マップ68は、発生トルク比率に対する推定アクセル開度(%)を格納したデータ群(テーブル)によって定義されている。アクセル開度とは、アクセルグリップの全操作量に対する実際の操作量の比率である。アクセル開度特性曲線L11は、発生トルク比率とアクセル開度との実際の関係を模擬した特性を表す。発生トルク比率が大きくなるほど、推定アクセル開度が大きくなる。推定アクセル開度計算ユニット67は、発生比率に対応した推定アクセル開度をアクセル開度マップ68から読み出し、その読み出した推定アクセル開度を出力する。
アクセル開度マップ68に格納されているアクセル開度マップは、走行連動音の発生のためだけに用いられるので、実際のアクセル開度特性を必ずしも模擬している必要はない。すなわち、曲線L12,L13,L14,L15で示すように、実際のアクセル開度特性とは異なるアクセル開度特性曲線を用いて推定アクセル開度を求めても差し支えない。たとえば、アクセル開度マップ68に、複数のアクセル開度特性曲線L11〜L15を格納しておき、これをアクセル開度特性変更操作ユニット72(図6参照)からの操作によって切り換えて用いることができるようにしてもよい。これにより、電動二輪車1の特性や使用者の好みに応じて、音合成回路35の特性を変更(チューニング)することができる。このように、アクセル開度特性変更操作ユニット72は、発生トルク比率に対するアクセル指令値の特性を変更するアクセル特性変更手段としての機能を有している。
図9は、アクセル指令値推定ユニット38による処理をまとめて示すフローチャートである。アクセル指令値推定ユニット38は、車速推定ユニット37によって推定された車速V、および路面勾配推定ユニット50によって推定された路面勾配角度θを読み込む(ステップS11,S12)。さらに、アクセル指令値推定ユニット38は、それらに基づいて、走行抵抗を計算する(ステップS13)。さらに、アクセル指令値推定ユニット38は、車両加速度計算ユニット54によって路面勾配に関する補正が施された後の前後方向加速度αを読み込む(ステップS14)。そして、その前後方向加速度αと、走行抵抗と、路面勾配角度θとに基づいて、必要トルクTを求める(ステップS15)。一方、アクセル指令値推定ユニット38は、車速Vに基づいて、モータ回転速度を求める(ステップS16)。そして、アクセル指令値推定ユニット38は、求められたモータ回転速度に基づいて最大トルクマップ64から最大トルクTを読み出し(ステップS17)、それを用いて発生トルク比率T/Tを計算する(ステップS18)。さらに、アクセル指令値推定ユニット38は、その発生トルク比率T/Tを用いてアクセル開度マップ68を参照することにより、推定アクセル指令値としての推定アクセル開度を求める(ステップS19)。この動作が、電源遮断によるシステム停止まで繰り返される。
図10は、走行連動音生成ユニット39の構成例を示すブロック図である。走行連動音生成ユニット39は、車速推定ユニット37によって推定された車速Vと、車両加速度計算ユニット54によって計算された車両加速度αと、アクセル指令値推定ユニット38によって求められた推定アクセル開度とを用いる。走行連動音生成ユニット39は、それらを用いて、電動二輪車1の走行状態に応じた走行連動音信号を発生する。
この実施形態では、電動二輪車1の走行状態に応じて運転状態が変化する仮想エンジン(内燃機関)が想定され、その仮想エンジンがその運転状態に応じて発生すべきエンジン音が、走行連動音として合成される。さらに、この実施形態では、エンジン音が、複数の成分に分けて取り扱われる。具体的には、エンジン音データが、第1成分としての次数音成分と、第2成分としてのランダム音成分とに分けて取り扱われる。次数音成分とは、エンジン音(またはエンジンを動力源とする車両が発生する音)のうち、エンジン回転速度に応じて周波数(または周波数スペクトル)が変動する音成分である。ランダム音成分とは、エンジン音(またはエンジンを動力源とする車両が発生する音)のうち、エンジン回転速度によらずに周波数(または周波数スペクトル)が実質的に変動しない成分である。
走行連動音生成ユニット39は、原動機回転速度推定手段の一例である仮想エンジン回転速度計算ユニット80と、次数音データ生成ユニット91と、ランダム音データ生成ユニット92と、合成ユニット90とを含む。
仮想エンジン回転速度計算ユニット80は、車速推定ユニット37によって推定された車速Vと、アクセル指令値推定ユニット38によって推定された推定アクセル開度と、車両加速度計算ユニット54によって推定された車両加速度αとに基づいて、前記仮想エンジンの回転速度を計算する。より具体的には、仮想エンジン回転速度計算ユニット80は、車速Vおよび推定アクセル開度ならびに車両加速度αに基づいて仮想エンジン回転速度マップ79を参照し、この仮想エンジン回転速度マップ79から、該当する仮想エンジン回転速度を読み出す。読み出された仮想エンジン回転速度は、次数音データ生成ユニット91に与えられる。
次数音データ生成ユニット91は、エンジン音のうち、第1成分としての次数音成分を表す次数音データを生成する第1成分音データ生成手段である。次数音データ生成ユニット91は、基本次数音データ記憶ユニット81と、次数音再生時間計算ユニット82と、次数音データ再生ユニット83と、次数音ゲイン生成ユニット84と、次数音ゲイン乗算ユニット85とを含む。基本次数音データ記憶ユニット81は、予め作成された基本次数音データを第1成分基本音データとして記憶している。基本次数音データは、仮想エンジンが基本回転速度(たとえば3000rpm)で回転しているときに生成するエンジン音のうち、次数音成分のみを表すデータであり、一定の時間長(基本再生時間)を有している。基本次数音データは、実際のエンジンから録音した音データを加工して作成されてもよいし、実際のエンジンから録音したデータを用いずに、実際の次数音データに似せてコンピュータ上で作成された音データであってもよい。ただし、基本次数音データは、ランダム音成分を極力含まないことが好ましい。すなわち、基本次数音データは、ランダム音成分を全く含まないか、またはランダム音成分が抑制された音データであることが好ましい。
次数音再生時間計算ユニット82は、仮想エンジン回転速度に基づいて、基本次数音データの再生時間を計算する。再生時間の計算式は、次のとおりである。
再生時間=基本再生時間×基本回転速度/仮想エンジン回転速度
すなわち、仮想エンジン回転速度に反比例するように基本再生時間を修正することによって、基本次数音データの再生時間が求められる。したがって、高速回転時(すなわち、高速走行時)には再生時間が短くなり、低速回転時(すなわち低速走行時)には再生時間が長くなる。
次数音データ再生ユニット83は、基本次数音データ記憶ユニット81から基本次数音データを読み出し、次数音再生時間計算ユニット82によって計算された再生時間で、その基本次数音データを繰り返し再生(ループ再生)する。再生時間が短いほど再生される音の音程が高くなり、再生時間が長いほど再生される音の音程が低くなる。したがって、高速回転時には音程の高い次数音を生成でき、低速回転時には音程の低い次数音を生成できる。すなわち、次数音再生時間計算ユニット82および次数音データ再生ユニット83は、仮想エンジン回転速度に応じて次数音成分の音程を変更する音程変更手段を構成している。次数音データ再生ユニット83によって繰り返し再生された基本次数音データは、次数音ゲイン乗算ユニット85に与えられる。
次数音ゲイン乗算ユニット85は、繰り返し再生された基本次数音データに対して次数音ゲイン生成ユニット84が生成する次数音ゲインを乗算することにより、音量調整された次数音データを生成する。この次数音データが合成ユニット90に与えられる。次数音ゲイン生成ユニット84は、アクセル開度および仮想エンジン回転速度に応じた次数音ゲインを生成する。したがって、次数音成分の音量が、アクセル開度および仮想エンジン回転速度に応じて変化する。すなわち、次数音ゲイン生成ユニット84および次数音ゲイン乗算ユニット85は、次数音成分の音量を仮想エンジン回転速度およびアクセル開度に応じて変更する次数音成分音量変更手段を構成している。
ランダム音データ生成ユニット92は、エンジン音のうち、第2成分としてのランダム音成分を表すランダム音データを生成する第2成分音データ生成手段である。ランダム音データ生成ユニット92は、基本ランダム音データ記憶ユニット86と、ランダム音データ再生ユニット87と、ランダム音ゲイン生成ユニット88と、ランダム音ゲイン乗算ユニット89とを含む。基本ランダム音データ記憶ユニット86は、予め作成された基本ランダム音データを第2成分基本音データとして記憶している。基本ランダム音データは、仮想エンジンが基本回転速度(たとえば3000rpm)で回転しているときに生成するエンジン音のうち、ランダム音成分のみを表すデータであり、一定の時間長(基本再生時間)を有している。基本ランダム音データは、実際のエンジンから録音した音データを加工して作成されてもよいし、実際のエンジンから録音したデータを用いずに、実際のランダム音データに似せてコンピュータ上で作成された音データであってもよい。ただし、基本ランダム音データは、次数音成分を極力含まないことが好ましい。すなわち、基本ランダム音データは、次数音成分を全く含まないか、または次数音成分が抑制された音データであることが好ましい。
ランダム音データ再生ユニット87は、基本ランダム音データ記憶ユニット86から基本ランダム音データを読み出し、その基本ランダム音データを基本再生時間で繰り返し再生する。基本ランダム音データは、常に基本再生時間で再生されるので、その音程は変化しない。ランダム音データ再生ユニット87によって繰り返し再生された基本ランダム音データは、ランダム音ゲイン乗算ユニット89に与えられる。ランダム音ゲイン乗算ユニット89は、繰り返し再生される基本ランダム音データに対してランダム音ゲイン生成ユニット88が生成するランダム音ゲインを乗算することにより、音量調整されたランダム音データを生成する。このランダム音データが合成ユニット90に与えられる。ランダム音ゲイン生成ユニット88は、アクセル開度および仮想エンジン回転速度に応じたランダム音ゲインを生成する。したがって、ランダム音成分の音量が、アクセル開度および仮想エンジン回転速度に応じて変化する。すなわち、ランダム音ゲイン生成ユニット88およびランダム音ゲイン乗算ユニット89は、ランダム音成分の音量を仮想エンジン回転速度およびアクセル開度に応じて変更するランダム音成分音量変更手段を構成している。
合成ユニット90は、次数音データ生成ユニット91が生成する次数音データと、ランダム音データ生成ユニット92が生成するランダム音データとを重ね合わせて合成し、合成エンジン音データ(走行連動音信号)を生成する合成音データ生成手段である。この合成エンジン音データが、アンプ36に与えられて増幅される。アンプ36は、合成エンジン音データをアナログ信号に変換し、そのアナログ信号を増幅してスピーカ32を駆動するための音声信号を生成する。
図11Aは、仮想エンジン回転速度マップ79の一例を示す。この例では、仮想エンジン回転速度マップは、車速零から第1車速閾値V1までアイドル回転速度で一定の第1部分101と、第1車速閾値V1で第1部分101に連なり、車速に比例する基本ライン100に沿う直線状の第2部分102とを含む。さらに、この仮想エンジン回転速度マップは、車速零から第2車速閾値V2までの間でアイドル回転速度から一定の変化率で車速に伴って増加する直線状の第3部分103を含む。この仮想エンジン回転速度マップは、さらに、第2車速閾値V2で第3部分103に連なり、車速によらずに一定の仮想エンジン回転速度N1を保持し、第3車速閾値V3で第2部分102に連なる第4部分104を含む。
車両加速度αが負の場合、すなわち減速時には、第1部分101および第2部分102上の仮想エンジン回転速度が現在の車速Vに基づいて読み出される。一方、車両加速度αが正の場合、すなわち加速時において、第3車速閾値V3以上の車速のときには、第2部分102上の仮想エンジン回転速度が現在の車速に基づいて読み出される。これに対して、第3車速閾値V3未満の車速Vで加速しているときは、第1部分101および第4部分104との間をエンジン回転速度座標軸方向に関してアクセル開度に応じて按分して得られる定エンジン回転速度線NVに従って、仮想エンジン回転速度が定められる。
図11Bは、アクセル開度が比較的小さい値の状態で電動二輪車1が加速しているときの定エンジン回転速度線NVを示す。この場合の定エンジン回転速度線NVは、第1部分101に近い位置に設定され、車速Vによらずに一定の仮想エンジン回転速度を表す線分によって定義される。定エンジン回転速度線NVは、低速側端が第3部分103に連なり、高速側端が第2部分102に連なっている。したがって、電動二輪車1が停止状態から加速する場合には、はじめに第3部分103に従って仮想エンジン回転速度が決定され、その後、定エンジン回転速度線NVに従って仮想エンジン回転速度が決定される。さらに加速されると、第2部分102に従って仮想エンジン回転速度が決定されることになる。アクセル開度が0%のときの定エンジン回転速度線NVは、第1部分101に一致する。
図11Cは、アクセル開度が比較的大きい状態で電動二輪車1が加速しているときの定エンジン回転速度線NVを示す。この場合の定エンジン回転速度線NVは、第4部分104に近い位置に設定され、車速Vによらずに一定の仮想エンジン回転速度を表す線分によって定義される。定エンジン回転速度線NVは、低速側端が第3部分103に連なり、高速側端が第2部分102に連なっている。アクセル開度が100%のときの定エンジン回転速度線NVは、第4部分104に一致する。
車両加速度αが零のとき、すなわち、等速走行しているときには、当該時点において仮想エンジン回転速度の決定のために参照されている特性線に従って仮想エンジン回転速度が決定される。
図11Dおよび図11Eは、定エンジン回転速度線NVに従って仮想エンジン回転速度を決定しているときに、車両加速度αが正値から負値に転じたときの動作を示す。この場合、車両加速度αが負値になった時点で、参照すべき特性線は、そのときの車速Vに応じて、定エンジン回転速度線NVから、第1部分101または第2部分102へと切り換えられる。
図11Fは、第3部分103に従って仮想エンジン回転速度を決定している状態から、車両加速度αが一旦負値に転じ、その後に正値に転じた場合の挙動を示す。すなわち、電動二輪車1が加速中に一旦減速に転じ、その後再び、アクセル開度が最大値(100%)となって加速に転じた場合に該当する。この場合、第3部分103を参照して仮想エンジン回転速度を決定している状態から、一旦、参照すべき特性線が第1部分101に切り換えられ、その後、再び第3部分103が参照先の特性線となる。
図12は、次数音ゲイン生成ユニット84の構成例を説明するための図である。次数音ゲイン生成ユニット84は、第1次数音ゲイン設定ユニット94と、第2次数音ゲイン設定ユニット95と、乗算ユニット96とを含む。第1次数音ゲイン設定ユニット94は、アクセル開度に応じた第1次数音ゲインKd1を設定する。第2次数音ゲイン設定ユニット95は、仮想エンジン回転速度に応じた第2次数音ゲインKd2を設定する。乗算ユニット96は、第1次数音ゲインKd1と第2次数音ゲインKd2とを掛け合わせることによって、次数音ゲインK(=Kd1×Kd2)を求める。この次数音ゲインKが、次数音ゲイン乗算ユニット85(図10参照)に与えられる。
第1次数音ゲインKd1は、たとえば、推定アクセル開度が0%から100%まで増加するときに、0よりも大きな最小値から最大値「1」まで単調に増加する特性曲線(マップデータ)に従って設定される。図12の例では、第1次数音ゲインKd1は、推定アクセル開度の増加に伴って非線形に単調増加するように設定され、その増加率は推定アクセル開度が大きいほど小さくなっている。
第2次数音ゲインKd2は、たとえば、仮想エンジン回転速度が0から最大値MAXまで増加するときに、最小値「0」から最大値「1」まで単調に増加する特性曲線(マップデータ)に従って設定される。図12の例では、第2次数音ゲインKd2は、仮想エンジン回転速度にほぼ比例するように単調増加し、最大エンジン回転速度MAXよりも小さな仮想エンジン回転速度以上の領域で最大値「1」に飽和している。
第1および第2次数音ゲインKd1,Kd2を規定する特性曲線は、一例であり、他の特性曲線を採用し得ることはもちろんである。また、第1および第2次数音ゲインKd1,Kd2を規定する特性曲線の一方または両方を複数種類準備しておき、それらを電動二輪車1の車種や使用者の好みに応じて選択できるようにしてもよい。これにより、推定アクセル開度および/または仮想エンジン回転速度に対する次数音の音量特性をチューニングできる。
図13は、ランダム音ゲイン生成ユニット88の構成例を説明するための図である。ランダム音ゲイン生成ユニット88は、第1ランダム音ゲイン設定ユニット97と、第2ランダム音ゲイン設定ユニット98と、乗算ユニット99とを含む。第1ランダム音ゲイン設定ユニット97は、アクセル開度に応じた第1ランダム音ゲインKr1を設定する。第2ランダム音ゲイン設定ユニット98は、仮想エンジン回転速度に応じた第2ランダム音ゲインKr2を設定する。乗算ユニット99は、第1ランダム音ゲインKr1と第2ランダム音ゲインKr2とを掛け合わせることによって、ランダム音ゲインK(=Kr1×Kr2)を求める。このランダム音ゲインKが、ランダム音ゲイン乗算ユニット89(図10参照)に与えられる。
第1ランダム音ゲインKr1は、たとえば、推定アクセル開度が0%から100%まで増加するときに、0よりも大きな最小値から最大値「1」まで単調に増加する特性曲線(マップデータ)に従って設定される。図13の例では、第1ランダム音ゲインKr1は、推定アクセル開度の増加に伴って非線形に単調増加するように設定され、その増加率は推定アクセル開度が大きいほど小さくなっている。
第2ランダム音ゲインKr2は、たとえば、仮想エンジン回転速度が0から最大値MAXまで増加するときに、最小値「0」から最大値「1」まで単調に増加する特性曲線(マップデータ)に従って設定される。図13の例では、第2ランダム音ゲインKr2は、仮想エンジン回転速度の増加に伴って非線形に単調増加し、その増加率は仮想エンジン回転速度が大きいほど小さくなっている。そして、第2ランダム音ゲインKr2は、最大エンジン回転速度MAXよりも小さな仮想エンジン回転速度以上の領域で最大値「1」に飽和している。
第1および第2ランダム音ゲインKr1,Kr2を規定する特性曲線は、一例であり、他の特性曲線を採用し得ることはもちろんである。また、第1および第2ランダム音ゲインKr1,Kr2を規定する特性曲線の一方または両方を複数種類準備しておき、それらを電動二輪車1の車種や使用者の好みに応じて選択できるようにしてもよい。これにより、推定アクセル開度および/または仮想エンジン回転速度に対するランダム音の音量特性をチューニングできる。
図14Aは、アクセル開度および仮想エンジン回転速度に応じた次数音データの変化を説明するための図である。次数音データの音量は、仮想エンジン回転速度が大きいほど大きく、アクセル開度が大きいほど大きくなるように変更される。また、次数音データの音程は、仮想エンジン回転速度が大きいほど高くなるように変更され、アクセル開度には依存しない。
図14Bは、アクセル開度および仮想エンジン回転速度に応じたランダム音データの変化を説明するための図である。ランダム音データの音量は、仮想エンジン回転速度が大きいほど大きく、アクセル開度が大きいほど大きくなるように変更される。また、ランダム音データの音程は、仮想エンジン回転速度にも、アクセル開度にも依存しない。
図15は、次数音データを再生して周波数分析した例を示す。横軸は時間、縦軸は周波数である。加速の開始タイミングでアクセル開度を0%から100%まで一気に増加させてそのまま維持し、エンジン回転速度が所定の値まで上昇したら0%まで急速に減少させたときの次数音データの再生結果である。アクセル開度の増減に応じて仮想エンジン回転速度が増減し、それに応じて、次数音の周波数が増減している。高調波(倍音)の関係にある周波数成分の強度が強く表れている。
ランダム音データに対して同様の再生を行うと、時間および周波数を直交座標にとった座標平面内において低周波成分が大きく高周波になるに従い音圧が小さくなるような周波数特性を持った広帯域のノイズ成分が分布し、全体の音圧がエンジン回転速度の上昇/下降とともに増減する。すなわち、スペクトルの形は時間に依存せず、ランダム音が仮想エンジン回転速度に依存しないことが分かる。
以上のように、この実施形態によれば、走行連動音発生装置30に内蔵(たとえば装置本体31のケースに内蔵)された加速度センサ41および角速度センサ42の出力信号に基づいて車速が推定される。したがって、電動二輪車1の車体側から車速情報を取得する必要がないから、そのための配線が不要である。また、その推定された車速に基づいてアクセル指令値(アクセル開度)も推定されるから、アクセルグリップの操作量を電動二輪車1の車体側から取得するための配線も不要である。したがって、配線を少なくできるので、走行連動音発生装置30の構成を簡単にでき、かつ電動二輪車1への組み付けも容易になる。それにもかかわらず、推定された車速およびアクセル指令値に応じた走行連動音が生成されるので、電動二輪車1の走行状態に応じた適切な走行連動音を発生することができる。
特許文献1の先行技術は、四輪車両には適しているかもしれないが、電動二輪車1のような二輪車両に代表される、より構造の簡単な車両に適用するには、解決すべき課題が多い。たとえば、四輪車両では、車載LANが備えられているから、センサ類の出力信号を取得しやすい。これに対して二輪車両のように、車載LANが備えられておらず、電装品の構成も簡素な車両では、センサ類の信号の取得は容易ではない。配線を追加してセンサ類の信号を取得できる場合であっても、多数の配線が必要であるから、構造が複雑になるうえ、組み付け工数が多くなり、それに応じてコスト高となることは避けられない。四輪車両に比較して価格の安い二輪車両等には、それに応じて安価な装備が求められるから、コストの高くつく装置の普及は難しい。
この実施形態は、このような技術的課題を解決し、構成が簡単で、車体への組み付けも容易な走行連動音発生装置を提供する。この実施形態の走行音連動装置は、車体組立時に搭載する場合はもちろん、完成車体に後付けする場合にも、多数の配線接続を必要とすることがなく。したがって、車体に容易に搭載することができる。むろん、装置を交換するときにも、センサ類の信号入力のための配線接続を必要としないから、その作業は容易である。
さらにこの実施形態では、推定された車速に応じて電気モータ5の発生トルク(必要トルクT)を推定するトルク推定ユニット60が備えられているので、発生トルクの推定のための情報を車両側から取得しなくてもよい。そして、その推定された発生トルクに応じてアクセル指令値としてのアクセル開度が推定されるので、アクセル開度を正確に推定できる。つまり、車速から電気モータ5の出力(発生トルク)が推定され、その出力を発生させるためのアクセル開度が推定される。
さらにこの実施形態では、トルク推定ユニット60は、走行抵抗演算ユニット61と、必要トルク演算ユニット62とを有している。そして、アクセル開度推定ユニット65は、必要トルク演算ユニット62によって演算された必要トルクTと車速Vとから推定されたモータ回転速度とに基づいてアクセル開度を推定する。これにより、アクセル開度を一層正確に推定することができるから、電動二輪車1の走行状態に整合する走行連動音を発生させることができる。
さらにまた、この実施形態では、必要トルク演算ユニット62は、前記走行抵抗と、車両加速度計算ユニット54によって推定される車両加速度αと、路面勾配推定ユニット50によって推定される路面勾配角度θとに基づいて、必要トルクTを演算するように構成されている。したがって、走行抵抗だけでなく、推定された加速度および路面勾配に基づいて、必要トルクTが演算される。このような必要トルクTを用いることによって、アクセル開度を正確に推定することができるから、電動二輪車1の走行状態を一層正確に反映した走行連動音を発生することができる。
さらに、この実施形態では、アクセル開度推定ユニット65は、電気モータ5が発生可能な最大トルクTに対する前記必要トルクTの比である発生トルク比率(T/T)を演算する発生トルク比率計算ユニット66を備えている。そして、その発生トルク比率(T/T)に基づいて、アクセル開度が推定される。これにより、アクセル開度を一層適切に推定できるから、電動二輪車1の走行状態を一層正確に反映した走行連動音を発生することができる。
また、この実施形態では、路面勾配推定ユニット50によって推定された路面勾配角度θに応じて加速度センサ41の出力(加速度α′)が補正され、その補正後の加速度αを積分して車速Vが推定される。この構成により、路面勾配に起因して加速度センサ41の出力に重力加速度gが影響するときに、その影響を抑制または排除して、電動二輪車1の車両加速度αを求めることができる。これにより、車両加速度αに基づく車速Vの推定を正確に行うことができるから、電動二輪車1の走行状態に整合する走行連動音を発生することができる。
また、この実施形態では、装置本体31に内蔵された角速度センサ42によって検出される角速度を積分して、電動二輪車1が走行している路面の勾配角度θが推定される。したがって、路面勾配を直接検出するセンサを備えることなく路面勾配角度θを求めることができる。これにより、簡単な構成で、路面勾配を反映して、電動二輪車1の走行状態を求めることができ、それに応じて、電動二輪車1の走行状態に整合する走行連動音を発生することができる。
また、この実施形態では、推定された車速Vに基づいて、モータ回転速度演算ユニット63によって、モータ回転速度が推定される。したがって、モータ回転速度に関する情報を電動二輪車1の車体側から取得する必要がない。よって、走行連動音発生装置30は、安価なコストで電動二輪車1に装備でき、かつ電動二輪車1の走行状態に適切に連動した走行連動音を発生できる。
また、この実施形態では、推定された車速Vと、推定されたアクセル開度とに基づいて、仮想エンジン回転速度計算ユニット80によって、仮想エンジン回転速度が求められる。これにより、エンジン回転速度に関する情報を電動二輪車1の車体側から取得することなく、仮想エンジン回転速度を得ることができる。もっとも、この実施形態では、電動二輪車1はエンジンを備えていないのでエンジン回転速度情報を生成することができない。いずれにせよ、エンジン回転速度情報を車体側から取得する必要はないから、走行連動音発生装置30は、安価なコストで電動二輪車1に装備でき、かつ内部で生成した仮想エンジン回転速度に応じた走行連動音を発生できる。
また、この実施形態によれば、次数音データ生成ユニット91は、基本次数音データの音程を仮想エンジン回転速度に応じて変更し、さらに仮想エンジン回転速度およびアクセル開度に応じてその音量を変更して次数音データを生成する。また、ランダム音データ生成ユニット92は、基本ランダム音データの音程を変えず、その音量を仮想エンジン回転速度およびアクセル開度に応じて変更してランダム音データを生成する。これらが、合成ユニット90で重ね合わせられることによって、合成エンジン音データが生成される。
これにより、実際のエンジン音に近似した自然なエンジン音を走行連動音として生成することができる。すなわち、深みのある(奥行き感のある)心地よいエンジン音を合成できる。しかも、基本次数音データの音程および音量を変更して次数音データを生成し、基本ランダム音データの音量を変更してランダム音データを生成し、これらを合成することによって合成エンジン音データが得られるので、構成が簡単である。したがって、簡単な構成で、心地よい、自然なエンジン音を走行連動音として生成することができる。
原動機の一例としてのエンジンが発生するエンジン音は、エンジン回転速度に比例して周波数が変化する次数音成分と、エンジン回転速度によっては周波数が変化しないランダム音成分とを含む。たとえば、次数音の周波数は、エンジンの爆発周波数に比例する。たとえば、2ストローク1気筒エンジンが6000rpm(1秒間に100回転)のエンジン回転速度で運転されているとき、100Hzの基本波およびその高調波の音が発生する。エンジン回転速度が半分の3000rpmであれば、50Hzの基本波およびその高調波の音が発生する。これらが次数音成分である。次数音成分は、エンジン回転速度が高いほど、またエンジン負荷(アクセル開度)が大きいほど、音量が大きくなる。ランダム音成分の周波数は、エンジン回転速度とは関係がなく、その音量は、エンジン回転速度が高いほど、またエンジン負荷(アクセル開度)が大きいほど大きくなる。
原動機の他の例である電気モータが発生するモータ音においても同様である。すなわち、モータ音は、モータ回転速度に依存して周波数が変動する次数音成分と、モータ回転速度が変化しても周波数傾向に変化のないランダム音成分とを含む。音量については、次数音成分およびランダム音成分とも、モータ回転速度が大きいほど大きく、モータ負荷(モータ電流)が大きいほど大きくなる。
原動機の模擬音を合成する模擬音合成の従来技術では、特許文献1にも記載されているように、実際の原動機の音を録音して基本音データを作成し、この基本音データの音量および再生時間を変更して模擬音が合成される。本願発明者は、このようにして合成される模擬音は、実際の原動機が発生する音とは異なる不自然な音となってしまう点に着目し、その原因が、基本音データに、次数音成分だけでなくランダム音成分も含まれていることにあることを突き止めた。すなわち、基本音データの再生時間が変更されると、基本音データに含まれている次数音成分およびランダム音成分の両方の音程が等しく変化してしまい、不自然な印象の模擬音が生成されてしまう。そこで、本願発明者は、基本次数音データと、基本ランダム音データとを個別にコンピュータ上で作成した。そして、基本次数音データの音程を原動機回転速度に応じて変更する一方で、基本ランダム音データの音程は変更せずに、これらを合成したところ、現実の原動機が発生する音に近い印象の自然な模擬音が得られることを見出した。すなわち、前述の実施形態は、模擬音合成における新たな課題の発見に基づき、それに対する解決策を提供している。
図16Aおよび図16Bは、この発明の他の実施形態に係る走行連動音発生装置を説明するための図であり、車速推定のための他の構成例を示す。より具体的には、この実施形態では、図2に二点鎖線で示すように、走行連動音発生装置30には、GPS受信機45が備えられており、装置本体31の筐体に内蔵されている。そして、車速推定ユニット37は、GPS受信機45の出力信号を用いて、電動二輪車1の車速を推定するように構成されている。GPS受信機45は、地球を周回する複数のGPS衛星のうち、3つのGPS衛星46−1,46−2,46−3からの電波を受信して測位を実行し、その現在位置を表す位置データを出力する。
GPS受信機45は、第1の地点AでGPS衛星46−1,46−2,46−3からの信号を受信し(ステップS21)、その受信した信号に基づいて第1の地点Aの位置を表す第1位置データを生成する(ステップS22)。第1位置データは、第1の地点Aの位置情報と、GPS受信機45が第1の地点Aで電波を受信した時間(測位時間)の情報とを含む。車速推定ユニット37は、その第1位置データを取得する(ステップS23)。
さらに、ある時間が経過した後、GPS受信機45は、第2の地点BでGPS衛星46−1,46−2,46−3からの信号を受信し(ステップS24)、その受信した信号に基づいて第2の地点Bの位置を表す第2位置データを生成する(ステップS25)。第2位置データは、第2の地点Bの位置情報と、GPS受信機45が第2の地点Bで電波を受信した時間(測位時間)の情報とを含む。車速推定ユニット37は、その第2位置データを取得する(ステップS26)。
車速推定ユニット37は、第1位置データおよび第2位置データに基づいて、第1の地点Aと第2の地点Bとの間の距離(移動距離)を計算し(ステップS27)、さらにそれらの間の移動に要した時間(移動時間)を計算する(ステップS28)。車速推定ユニット37は、移動距離を移動時間で除することにより、車速V(=移動距離/移動時間)を計算する(ステップS29)。この動作が、システム終了、すなわち、走行連動音発生装置30の電源遮断まで繰り返される(ステップS30)。
このような構成によっても、走行連動音発生装置30は、電動二輪車1の車体側から車速推定のための信号を取得することなく、電動二輪車1の車速を推定できる。これにより、構成が簡単で、かつ電動二輪車1への組み付けが容易であり、しかも電動二輪車1の走行状態に対応した走行連動音を発生できる走行連動音発生装置30を提供できる。
図17は、この発明のさらに他の実施形態に係る走行連動音発生装置を説明するための図であり、車速推定のための他の構成例を示す。この実施形態も、図16Aおよび図16Bを参照して説明した実施形態と同様に、GPS受信機45の出力を用いる。ただし、この実施形態では、GPS受信機45は、位置データだけでなく、移動速度データも出力する。より具体的には、GPS受信機45は、GPS衛星46−1,46−2,46−3(図16A参照)からの搬送波のドップラー効果を利用して、当該GPS受信機45の移動速度を計算する速度計算機能を有している。
より具体的に説明すると、図16Bの場合と同様のステップS21〜S29によって、GPS受信機45が生成する位置データを用いて、第1の車速V1が推定される。さらに、車速推定ユニット37は、第2の地点BにおいてGPS受信機45が生成する移動速度データを第2の車速V2として取得する(ステップS31)。さらに、車速推定ユニット37は、第1の車速V1と第2の車速V2との差|V1−V2|が、予め定める許容値(一定値)未満かどうかを判断する(ステップS32)。その差が許容値未満(または許容値以下)なら、第2の車速V2を現在の車速Vとする(ステップS33)。その差が許容値以上(または許容値超)であれば、第1の車速V1が現在の車速Vとされる(ステップS34)。この動作が、システム終了、すなわち、走行連動音発生装置30の電源遮断まで繰り返される(ステップS30)。
第1の車速V1は、第1の地点Aから第2の地点Bまで移動した時点で計算されるので、誤差が少ない反面、車速を推定できるまでに時間がかかる。すなわち、更新に時間がかかる。第2の車速V2は、GPS受信機45から即座に取得できる反面、GPS衛星からの電波の受信状況等によっては、大きな誤差を含む場合がある。そこで、この実施形態では、第1および第2の車速V1,V2の差が許容値未満のときには、ドップラー効果を利用して計測された第2の車速V2の値が信頼できるとみなして、当該第2の車速V2を車速Vとして用いることにしている。第1および第2の車速V1,V2の差が許容値以上のときは、第2の車速V2が信頼できないとみなされて、第1の車速V1が用いられる。
このように、この実施形態によっても、電動二輪車1の車体側から情報を取得することなく、車速を推定できる。したがって、簡単な構成で、かつ電動二輪車1への組み付けが容易でありながら、走行状態に対応した適切な走行連動音を発生できる走行連動音発生装置30を提供できる。
なお、図17の実施形態においては、GPS受信機45が生成する位置データおよび速度データを用いることとしているけれども、位置データを生成する第1のGPS受信機の他に、速度データを生成する第2のGPS受信機を備えてもよい。この場合、第1のGPS受信機から位置データを取得し、第2のGPS受信機から速度データを取得すればよい。GPS受信機が生成する速度データは、電動二輪車1の走行制御に用いられるわけではなく、走行連動音の生成のために用いられるにすぎない。したがって、速度データが多少の誤差を含んでいても問題はない。したがって、専らGPS受信機が生成する速度データを用いて電動二輪車1の車速を推定してもよい。
以上、この発明の実施形態について説明してきたけれども、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、車両の一例として電動二輪車1を示したけれども、エンジン(内燃機関)を動力源として有する車両に対してもこの発明を適用できる。むろん、電気モータおよびエンジンの両方を動力源として有するハイブリッド型の車両にこの発明が適用されてもよい。むろん、二輪車以外の車両に対しても、この発明を適用することができる。
また、前述の実施形態では、走行連動音として、エンジン音(エンジン擬似音)を生成する走行連動音発生装置について説明したけれども、走行連動音はエンジン音以外であってもよい。たとえば、電気モータの作動音を模擬した走行連動音(モータ擬似音)であってもよいし、原動機が発生する音とは別の種類の音であってもよい。さらに、生成される走行連動音は、一種類である必要はなく、複数種類の走行連動音を選択して生成できるようにしてもよい。
また、前述の実施形態ではエンジン(またはエンジンを動力源とする車両)の次数音成分およびランダム音成分をそれぞれ模擬した基本次数音データおよび基本ランダム音データを第1および第2成分基本音データとしている。エンジン音やモータ音以外の走行連動音を生成するときは、それに応じて第1成分基本音データおよび第2成分基本音データを準備すればよい。そして、第1成分基本音データは、原動機回転速度に応じて音程を変化させ、第2成分基本音データは原動機回転速度によらずに音程を保持すればよい。
さらには、次数音のような第1成分音およびランダム音のような第2成分音を合成して走行連動音を合成する必要はない。たとえば、実際の音(たとえばエンジン音やモータ音)を録音して基本音データを作成し、その基本音データを車両の走行状態に応じて加工することにより、走行連動音を生成してもよい。
さらに、前述の実施形態では、装置本体31とスピーカ32とを配線33で接続した構成の走行連動音発生装置30を示したけれども、装置本体31とスピーカ32とが一体化されていてもよい。このようにすれば、装置本体31とスピーカ32との間の配線も省くことができるので、構成が一層簡単になり、車体への組み付け作業も一層容易になる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この明細書および添付図面の記載から導き出される特徴を以下に記す。
1.車両の走行状態に応じて走行連動音を発生する走行連動音発生装置であって、
前記車両の車速を推定する車速推定手段と、
前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、アクセル指令値を推定するアクセル指令値推定手段と、
前記車速推定手段によって推定された車速と、前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて、走行連動音を生成する走行連動音生成手段とを含む、走行連動音発生装置。
2.前記アクセル指令値推定手段が、前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、前記車両の原動機の発生トルクを推定するトルク推定手段を含み、前記推定された発生トルクに応じてアクセル指令値を推定するように構成されている、項1に記載の走行連動音発生装置。
3.前記トルク推定手段が、
車両の走行抵抗を演算する走行抵抗演算手段と、
前記走行抵抗演算手段によって演算される走行抵抗に基づいて、車両を走行させるために原動機が発生すべき必要トルクを演算する必要トルク演算手段とを含み、
前記アクセル指令値推定手段が、前記必要トルク演算手段によって演算された必要トルクと原動機回転速度とに基づいてアクセル指令値を推定するように構成されている、項2に記載の走行連動音発生装置。
4.車両の加速度を推定する加速度推定手段と、
前記車両が走行している路面の勾配を推定する勾配推定手段とをさらに含み、
前記必要トルク演算手段が、前記走行抵抗演算手段によって演算される走行抵抗、前記加速度推定手段によって推定される加速度、および前記勾配推定手段によって推定される路面の勾配に基づいて、前記必要トルクを演算するように構成されている、項3に記載の走行連動音発生装置。
5.前記アクセル指令値推定手段が、
前記原動機回転速度において原動機が発生可能な最大トルクに対する前記必要トルクの比である発生トルク比率を演算する発生トルク比率演算手段と、
前記発生トルク比率演算手段によって演算される発生トルク比率に基づいて、アクセル指令値を推定する手段とを含む、項3または4に記載の走行連動音発生装置。
6.原動機回転速度に対する前記最大トルクの特性を変更する原動機特性変更手段をさらに含む、項5に記載の走行連動音発生装置。
7.前記発生トルク比率に対するアクセル指令値の特性を変更するアクセル特性変更手段をさらに含む、項5または6に記載の走行連動音発生装置。
8.前記車速推定手段が、当該走行連動音発生装置に内蔵されたセンサの出力信号を用いて、車速を推定するように構成されている、項1〜7のいずれか一項に記載の走行連動音発生装置。
9.前記センサが、加速度センサを含み、
前記車速推定手段が、前記加速度センサによって検出される加速度を積分して車速を推定するように構成されている、項8に記載の走行連動音発生装置。
10.前記車両が走行している路面の勾配を推定する勾配推定手段をさらに含み、
前記車速推定手段が、前記勾配推定手段によって推定された勾配に応じて前記加速度センサによって検出される加速度を補正し、その補正後の加速度を積分して車速を推定するように構成されている、項9に記載の走行連動音発生装置。
11.前記センサが、角速度センサを含み、
前記勾配推定手段が、前記角速度センサによって検出される角速度を積分して、車両が走行している路面の勾配を推定するように構成されている、項10に記載の走行連動音発生装置。
12.前記センサが、GPS受信機を含み、
前記車速推定手段が、前記GPS受信機の出力信号に基づいて車速を推定するように構成されている、項8に記載の走行連動音発生装置。
13.前記走行連動音生成手段が、
前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて原動機回転速度を推定する原動機回転速度推定手段を含み、前記推定されたアクセル指令値および原動機回転速度に基づいて走行連動音を生成するように構成されている、項1〜12のいずれか一項に記載の走行連動音発生装置。
14.前記走行連動音生成手段が、
前記車速推定手段によって推定された車速と前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて原動機回転速度を推定する原動機回転速度推定手段を含み、前記推定されたアクセル指令値および原動機回転速度に基づいて走行連動音を生成するように構成されている、項1〜12のいずれか一項に記載の走行連動音発生装置。
1 電動二輪車
2 車体フレーム
3 前輪
4 後輪
5 電気モータ
6 バッテリ
11 ハンドル
12 グリップ
30 走行連動音発生装置
31 装置本体
32 スピーカ
33 配線
35 音合成回路
36 アンプ
37 車速推定ユニット
38 アクセル指令値推定ユニット
39 走行連動音生成ユニット
40 センサ類
41 加速度センサ
42 角速度センサ
45 GPS受信機
46−1,46−2,46−3 GPS衛星
50 路面勾配推定ユニット
51 初期路面勾配角度計算ユニット
52 路面勾配角度計算ユニット
54 車両加速度計算ユニット
55 車速計算ユニット
57 傾斜した路面
60 トルク推定ユニット
61 走行抵抗演算ユニット
62 必要トルク演算ユニット
63 モータ回転速度演算ユニット
64 最大トルクマップ
65 アクセル開度推定ユニット
66 発生トルク比率計算ユニット
67 推定アクセル開度計算ユニット
68 アクセル開度マップ
71 トルク特性変更操作ユニット
72 アクセル開度特性変更操作ユニット
79 仮想エンジン回転速度マップ
80 仮想エンジン回転速度計算ユニット
81 基本次数音データ記憶ユニット
82 次数音再生時間計算ユニット
83 次数音データ再生ユニット
84 次数音ゲイン生成ユニット
85 次数音ゲイン乗算ユニット
86 基本ランダム音データ記憶ユニット
87 ランダム音データ再生ユニット
88 ランダム音ゲイン生成ユニット
89 ランダム音ゲイン乗算ユニット
90 合成ユニット
91 次数音データ生成ユニット
92 ランダム音データ生成ユニット
94 第1次数音ゲイン設定ユニット
95 第2次数音ゲイン設定ユニット
96 乗算ユニット
97 第1ランダム音ゲイン設定ユニット
98 第2ランダム音ゲイン設定ユニット
99 乗算ユニット

Claims (15)

  1. 車両の走行状態に応じて走行連動音を発生する走行連動音発生装置であって、
    前記車両が走行している路面の勾配を推定する勾配推定手段と、
    当該走行連動音発生装置に内蔵された加速度センサによって検出される加速度を前記勾配推定手段によって推定される勾配に応じて補正し、その補正後の加速度を積分することにより、前記車両に備えられたセンサからの信号を用いることなく、前記車両の車速を推定する車速推定手段と、
    前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、アクセル指令値を推定するアクセル指令値推定手段と、
    前記車速推定手段によって推定された車速と、前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて、走行連動音を生成する走行連動音生成手段とを含む、走行連動音発生装置。
  2. 車両の走行状態に応じて走行連動音を発生する走行連動音発生装置であって、
    前記車両が走行している路面の勾配を推定する勾配推定手段と、
    当該走行連動音発生装置に内蔵された加速度センサによって検出される加速度を前記勾配推定手段によって推定される勾配に応じて補正し、その補正後の加速度を積分して前記車両の車速を推定する車速推定手段と、
    前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、アクセル指令値を推定するアクセル指令値推定手段と、
    前記車速推定手段によって推定された車速と、前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて、走行連動音を生成する走行連動音生成手段とを含み、
    前記アクセル指令値推定手段が、前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、前記車両の原動機の発生トルクを推定するトルク推定手段を含み、前記推定された発生トルクに応じてアクセル指令値を推定するように構成されている、走行連動音発生装置。
  3. 前記トルク推定手段が、
    車両の走行抵抗を演算する走行抵抗演算手段と、
    前記走行抵抗演算手段によって演算される走行抵抗に基づいて、車両を走行させるために原動機が発生すべき必要トルクを演算する必要トルク演算手段とを含み、
    前記アクセル指令値推定手段が、前記必要トルク演算手段によって演算された必要トルクと原動機回転速度とに基づいてアクセル指令値を推定するように構成されている、請求項2に記載の走行連動音発生装置。
  4. 車両の走行状態に応じて走行連動音を発生する走行連動音発生装置であって、
    前記車両の車速を推定する車速推定手段と、
    前記車両の加速度を推定する加速度推定手段と、
    前記車両が走行している路面の勾配を推定する勾配推定手段と、
    前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、アクセル指令値を推定するアクセル指令値推定手段と、
    前記車速推定手段によって推定された車速と、前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて、走行連動音を生成する走行連動音生成手段とを含み、
    前記アクセル指令値推定手段が、前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、前記車両の原動機の発生トルクを推定するトルク推定手段を含み、前記推定された発生トルクに応じてアクセル指令値を推定するように構成されており、
    前記トルク推定手段が、
    車両の走行抵抗を演算する走行抵抗演算手段と、
    前記走行抵抗演算手段によって演算される走行抵抗、前記加速度推定手段によって推定される加速度、および前記勾配推定手段によって推定される路面の勾配に基づいて、前記車両を走行させるために原動機が発生すべき必要トルクを演算する必要トルク演算手段とを含み、
    前記アクセル指令値推定手段が、前記必要トルク演算手段によって演算された必要トルクと原動機回転速度とに基づいてアクセル指令値を推定するように構成されている、走行連動音発生装置。
  5. 車両の走行状態に応じて走行連動音を発生する走行連動音発生装置であって、
    前記車両の車速を推定する車速推定手段と、
    前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、アクセル指令値を推定するアクセル指令値推定手段と、
    前記車速推定手段によって推定された車速と、前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて、走行連動音を生成する走行連動音生成手段とを含み、
    前記アクセル指令値推定手段が、前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、前記車両の原動機の発生トルクを推定するトルク推定手段を含み、前記推定された発生トルクに応じてアクセル指令値を推定するように構成されており、
    前記トルク推定手段が、
    車両の走行抵抗を演算する走行抵抗演算手段と、
    前記走行抵抗演算手段によって演算される走行抵抗に基づいて、車両を走行させるために原動機が発生すべき必要トルクを演算する必要トルク演算手段とを含み、
    前記アクセル指令値推定手段が、
    原動機回転速度において原動機が発生可能な最大トルクに対する前記必要トルクの比である発生トルク比率を演算する発生トルク比率演算手段と、
    前記発生トルク比率演算手段によって演算される発生トルク比率に基づいて、アクセル指令値を推定する手段とを含む、走行連動音発生装置。
  6. 原動機回転速度に対する前記最大トルクの特性を変更する原動機特性変更手段をさらに含む、請求項5に記載の走行連動音発生装置。
  7. 前記発生トルク比率に対するアクセル指令値の特性を変更するアクセル特性変更手段をさらに含む、請求項5または6に記載の走行連動音発生装置。
  8. 前記車速推定手段が、当該走行連動音発生装置に内蔵された加速度センサによって検出される加速度を積分して車速を推定するように構成されている、請求項4〜7のいずれか一項に記載の走行連動音発生装置。
  9. 前記車両が走行している路面の勾配を推定する勾配推定手段をさらに含み、
    前記車速推定手段が、前記勾配推定手段によって推定された勾配に応じて前記加速度センサによって検出される加速度を補正し、その補正後の加速度を積分して車速を推定するように構成されている、請求項8に記載の走行連動音発生装置。
  10. 前記車速推定手段が、当該走行連動音発生装置に内蔵されたGPS受信機の出力信号に基づいて車速を推定するように構成されている、請求項4〜9のいずれか一項に記載の走行連動音発生装置。
  11. 前記勾配推定手段が、当該走行連動音発生装置に内蔵された角速度センサによって検出される角速度を積分して、車両が走行している路面の勾配を推定するように構成されている、請求項1〜4、9および10のいずれか一項に記載の走行連動音発生装置。
  12. 車両の走行状態に応じて走行連動音を発生する走行連動音発生装置であって、
    当該走行連動音発生装置に内蔵された角速度センサによって検出される角速度を積分して、前記車両が走行している路面の勾配を推定する勾配推定手段と、
    当該走行連動音発生装置に内蔵された加速度センサによって検出される加速度を前記勾配推定手段によって推定される勾配に応じて補正し、その補正後の加速度を積分して前記車両の車速を推定する車速推定手段と、
    前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、アクセル指令値を推定するアクセル指令値推定手段と、
    前記車速推定手段によって推定された車速と、前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて、走行連動音を生成する走行連動音生成手段とを含む、走行連動音発生装置。
  13. 前記走行連動音生成手段が、
    前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて原動機回転速度を推定する原動機回転速度推定手段を含み、前記推定されたアクセル指令値および原動機回転速度に基づいて走行連動音を生成するように構成されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の走行連動音発生装置。
  14. 前記走行連動音生成手段が、
    前記車速推定手段によって推定された車速と前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて原動機回転速度を推定する原動機回転速度推定手段を含み、前記推定されたアクセル指令値および原動機回転速度に基づいて走行連動音を生成するように構成されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の走行連動音発生装置。
  15. 車両の走行状態に応じて走行連動音を発生する走行連動音発生装置であって、
    前記車両が走行している路面の勾配を推定する勾配推定手段と、
    当該走行連動音発生装置に内蔵された加速度センサによって検出される加速度を前記勾配推定手段によって推定される勾配に応じて補正し、その補正後の加速度を積分して前記車両の車速を推定する車速推定手段と、
    前記車速推定手段によって推定された車速に基づいて、アクセル指令値を推定するアクセル指令値推定手段と、
    前記車速推定手段によって推定された車速と、前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて、走行連動音を生成する走行連動音生成手段とを含み、
    前記走行連動音生成手段が、前記車速推定手段によって推定された車速と前記アクセル指令値推定手段によって推定されたアクセル指令値とに基づいて原動機回転速度を推定する原動機回転速度推定手段を含み、前記推定されたアクセル指令値および原動機回転速度に基づいて走行連動音を生成するように構成されている、走行連動音発生装置。
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