JP2021113941A - 車両用音生成装置 - Google Patents
車両用音生成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021113941A JP2021113941A JP2020007342A JP2020007342A JP2021113941A JP 2021113941 A JP2021113941 A JP 2021113941A JP 2020007342 A JP2020007342 A JP 2020007342A JP 2020007342 A JP2020007342 A JP 2020007342A JP 2021113941 A JP2021113941 A JP 2021113941A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sound
- vehicle
- frequency
- traveling condition
- control unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60Q—ARRANGEMENT OF SIGNALLING OR LIGHTING DEVICES, THE MOUNTING OR SUPPORTING THEREOF OR CIRCUITS THEREFOR, FOR VEHICLES IN GENERAL
- B60Q5/00—Arrangement or adaptation of acoustic signal devices
- B60Q5/005—Arrangement or adaptation of acoustic signal devices automatically actuated
-
- G—PHYSICS
- G10—MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
- G10K—SOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- G10K15/00—Acoustics not otherwise provided for
- G10K15/02—Synthesis of acoustic waves
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60Q—ARRANGEMENT OF SIGNALLING OR LIGHTING DEVICES, THE MOUNTING OR SUPPORTING THEREOF OR CIRCUITS THEREFOR, FOR VEHICLES IN GENERAL
- B60Q5/00—Arrangement or adaptation of acoustic signal devices
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60Q—ARRANGEMENT OF SIGNALLING OR LIGHTING DEVICES, THE MOUNTING OR SUPPORTING THEREOF OR CIRCUITS THEREFOR, FOR VEHICLES IN GENERAL
- B60Q5/00—Arrangement or adaptation of acoustic signal devices
- B60Q5/005—Arrangement or adaptation of acoustic signal devices automatically actuated
- B60Q5/008—Arrangement or adaptation of acoustic signal devices automatically actuated for signaling silent vehicles, e.g. for warning that a hybrid or electric vehicle is approaching
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04R—LOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
- H04R1/00—Details of transducers, loudspeakers or microphones
- H04R1/02—Casings; Cabinets ; Supports therefor; Mountings therein
- H04R1/025—Arrangements for fixing loudspeaker transducers, e.g. in a box, furniture
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04R—LOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
- H04R3/00—Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04R—LOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
- H04R2499/00—Aspects covered by H04R or H04S not otherwise provided for in their subgroups
- H04R2499/10—General applications
- H04R2499/13—Acoustic transducers and sound field adaptation in vehicles
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Acoustics & Sound (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Signal Processing (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Audiology, Speech & Language Pathology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Multimedia (AREA)
- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
- Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
Abstract
【課題】車両が緩やかに加減速する走行状況においてドライバが正確なアクセル操作を行えるような音を出力する車両用音生成装置を提供する。【解決手段】車両用音生成装置1は、モータ回転数に応じた複数の周波数と、この複数の周波数のそれぞれに適用する音圧とを設定し、この設定された音圧がそれぞれ適用された複数の周波数の音を含む合成音を表す音信号を生成する音制御部12と、音制御部12が生成した音信号に応じた音を出力するスピーカ20と、ドライバが車両を緩やかに加減速させるような走行状況を推定する走行状況推定部13を有する。音制御部12は、この走行状況が推定された場合には、複数の周波数の音のうちで周波数が400〜900Hzの範囲に属する単一の音のみを表す音信号を生成する。【選択図】図2
Description
本発明は、車両用音生成装置に係り、特に車両走行中に所定の音を出力する車両用音生成装置に関する。
従来から、車両の動力源の回転数に応じた所定の周波数の音をドライバに向けて出力する車両用音生成装置が開発されている。例えば、特許文献1には、電動モータによって駆動される電動車両(電動二輪車など)において、モータ回転数が大きいほど、高い周波数の音を発生する技術が記載されている。この特許文献1に記載の技術では、モータ回転数の高速域よりも低速域において、モータ回転数の変化に対する周波数の変化率が大きく設定されている。これにより、ドライバに対して提供した音の周波数の変化により、車両の挙動(車速)をドライバに伝達するようになっている。
ところで、車両が緩やかな加減速を行う走行状況、例えば車両がワインディング路などを走行する状況では、ドライバは細かなアクセル操作を行うこととなる。本願の発明者らは、ドライバが、そのような走行状況において適切なアクセル操作を行えるように、車両用音生成装置から音を出力させることができれば良いと考えた。具体的には、ドライバが、車両用音生成装置から出力された音に基づき、車両の運転状態や動力源の状態を把握して、その結果、ドライバが、車両の走行状況に適した正確なアクセル操作を行うことができれば良いと考えられる。なお、上述した特許文献1には、このような観点について何ら開示されておらず、当然、これを実現可能な技術について開示も示唆もされていない。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、車両が緩やかに加減速する走行状況においてドライバが正確なアクセル操作を行えるような音を出力させることができる車両用音生成装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、電動モータ及び/又はエンジンを含む回転動力源を用いて走行する車両に搭載された車両用音生成装置であって、回転動力源の回転数に応じた複数の周波数と、この複数の周波数のそれぞれに適用する音圧とを設定し、この設定された音圧がそれぞれ適用された複数の周波数の音を含む合成音を表す音信号を生成する音制御部と、音制御部が生成した音信号に応じた音を出力する音出力部と、を有し、車両用音生成装置は、更に、ドライバが車両を緩やかに加減速させるような走行状況を推定する走行状況推定部を有し、音制御部は、走行状況推定部により走行状況が推定された場合には、複数の周波数の音のうちで周波数が400〜900Hzの範囲に属する単一の音のみを表す音信号を生成する、ことを特徴とする。
このように構成された本発明では、音制御部は、基本的には、回転動力源の回転数に応じた複数の周波数を含む合成音を音出力部から出力させるが、走行状況推定部により、ドライバが車両を緩やかに加減速させるような走行状況が推定された場合には、複数の周波数の音のうちで周波数が400〜900Hzの範囲に属する単一の周波数の音(以下では単に「単一音」と呼ぶ。)のみを音出力部から出力させる。これにより、車両が緩やかに加減速を行うような走行状況において、人間の耳の感度特性が高い周波数帯の単一音をドライバに聞かせることができる。その結果、ドライバは、車両用音生成装置から出力された音に基づき、回転動力源の状態(回転数など)や車両の運転状態(車速など)を把握して、上記の走行状況に適した正確なアクセル操作を行うことが可能となる。
なお、上記したドライバが車両を緩やかに加減速させるような走行状況は、車両が緩やかな加減速を実際に行っている状況、車両がこれから緩やかな加減速を行う状況、及び、車両に緩やかな加減速を行わせようとするドライバの意思がある状況を含むものとする。1つの例では、上記の走行状況は、ドライバによる所定時間当たりのアクセル開度の変化量が所定範囲内となるような状況に相当する。
本発明において、好ましくは、音制御部は、単一の音の周波数が高いほど、当該単一の音の音圧を低下させる。
このように構成された本発明によれば、高周波音による耳障りさを適切に抑制することができる。
このように構成された本発明によれば、高周波音による耳障りさを適切に抑制することができる。
本発明において、好ましくは、音制御部は、複数の周波数の音のうちで周波数が400〜900Hzの範囲に属する音が2つ以上存在する場合には、この2つ以上の音の中で周波数が最も高い音を単一の音として選択する。
このように構成された本発明によれば、人の聴覚特性において感度が高い高周波音をドライバに聞かせることができる。その結果、ドライバは、車両用音生成装置からの音の高さの変化を通じて、回転動力源の状態や車両の運転状態のわずかな変化を認識しやすくなり、より正確なアクセル操作を行うことが可能となる。
このように構成された本発明によれば、人の聴覚特性において感度が高い高周波音をドライバに聞かせることができる。その結果、ドライバは、車両用音生成装置からの音の高さの変化を通じて、回転動力源の状態や車両の運転状態のわずかな変化を認識しやすくなり、より正確なアクセル操作を行うことが可能となる。
本発明において、好ましくは、走行状況推定部は、車両の位置を取得し、取得された位置の変化に基づき、走行状況を推定する。
このように構成された本発明によれば、車両の位置の変化に基づき走行路の形態(例えばワインディング路や上り下りの多い道など)を判断して、上記の走行状況を的確に推定できるようになる。
このように構成された本発明によれば、車両の位置の変化に基づき走行路の形態(例えばワインディング路や上り下りの多い道など)を判断して、上記の走行状況を的確に推定できるようになる。
本発明において、好ましくは、走行状況推定部は、車両の周辺の道路情報を取得し、取得された道路情報に基づき、走行状況を推定する。
このように構成された本発明によれば、道路情報に含まれる種々の情報(例えば道路種別や道路の高度や曲率など)に基づき走行路の形態を判断して、上記の走行状況を的確に推定できるようになる。
このように構成された本発明によれば、道路情報に含まれる種々の情報(例えば道路種別や道路の高度や曲率など)に基づき走行路の形態を判断して、上記の走行状況を的確に推定できるようになる。
本発明において、好ましくは、走行状況推定部は、車両のアクセルペダルの操作量に対応するアクセル開度を取得し、取得されたアクセル開度の変化に基づき、走行状況を推定する。
このように構成された本発明によれば、ドライバによるアクセル開度の変化(推移など)に基づきドライバの加速意図を判断することで、上記の走行状況を的確に推定できるようになる。
このように構成された本発明によれば、ドライバによるアクセル開度の変化(推移など)に基づきドライバの加速意図を判断することで、上記の走行状況を的確に推定できるようになる。
本発明の車両用音生成装置によれば、車両が緩やかに加減速する走行状況においてドライバが正確なアクセル操作を行えるような音を出力させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両用音生成装置について説明する。
<車両用音生成装置の構成>
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態による車両用音生成装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態の車両用音生成装置の説明図であり、図2は、本発明の実施形態の車両用音生成装置の構成図である。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態による車両用音生成装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態の車両用音生成装置の説明図であり、図2は、本発明の実施形態の車両用音生成装置の構成図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の車両用音生成装置1は、車両2に搭載された音制御装置10と、車室内のドライバに対して所定の音を出力するスピーカ20と、種々の情報を検出する各種センサ群30とを備えている。
車両2は、回転動力源としての電動モータ3を備えた電動車両(EV)である。車両2は、内燃機関(ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等)を備えていないため、走行中にいわゆるエンジン音が生じない。電動モータ3は作動音を生じるが、モータ作動音は、エンジン音に比べて小さい。このため、車内のドライバは、モータ作動音をほとんど認識することができない。本実施形態では、ドライバが電動モータ3を含む車両2のパワートレインの作動状況を把握することができるように、車両用音生成装置1は、電動モータ3の作動状況に応じた音を発生するように構成されている。
音制御装置10は、回路を含んで構成されており、周知のコンピュータをベースとする制御器である。音制御装置10は、プログラムを実行する中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)としての1以上のプロセッサと、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)により構成されて各種プログラム及びデータベースを格納するメモリ(記憶部14)と、電気信号の入出力を行うデータ入出力装置等を備えている。
記憶部14のデータベースには、後述する周波数マップや音圧マップなどが記憶されている。音制御装置10は、車内通信回線を介して、他の車載装置と通信可能に接続されている。音制御装置10は、センサ群30からの各種情報に基づいて、プロセッサがプログラムを実行することにより、スピーカ20に対して、音情報(周波数、音圧等)を含む音信号Ssを出力するように構成されている。その際、音制御装置10のプロセッサは、後述するように、音制御部12及び走行状況推定部13として機能する。
スピーカ20は、増幅器(アンプ)を備えた音出力部である。スピーカ20は、音制御装置10から音信号Ssを受け取り、音信号Ssを所定の増幅率で増幅して、音信号Ssに基づく音(典型的には合成音)SCを出力する。なお、スピーカ20は、車室内に設けられていなくてもよく、スピーカ20が発生する音SCをドライバが認識することができればよい。
センサ群30は、電動モータ3のモータ回転数を検出するモータ回転数センサ31と、電動モータ3のモータトルクを検出するモータトルクセンサ32と、車両2の車速を検出する車速センサ33と、車両2のアクセルペダルの操作量に対応するアクセル開度を検出するアクセル開度センサ34と、を含む。これらセンサ31、32、33、34は、車内通信回線を通して、検出した情報に対応する信号S31、S32、S33、S34を音制御装置10に送信する。なお、モータトルクセンサ32によってモータトルクを検出することに限定はされず、他の例では、車両2内のECUがアクセル開度などに基づきモータトルク(要求モータトルクに相当する)を算出してもよい。
更に、センサ群30は、測位装置35及びナビゲーション装置36を含む。測位装置35は、GPS受信機やジャイロセンサなどを含み、車両2の位置(現在位置)を求め、この車両2の位置に対応する信号S35を、車内通信回線を通して音制御装置10に送信する。ナビゲーション装置36は、内部に地図情報を格納しており、この地図情報に対応する信号S36を、車内通信回線を通して音制御装置10に送信する。また、ナビゲーション装置36は、地図情報に対応する信号S36を測位装置35にも送信する。なお、地図情報は、道路情報などを有しており、この道路情報には、道路種別(高速道路や一般道やワインディング路など)や、インターチェンジ(IC)の情報や、ジャンクション(JCT)の情報や、道路の高度や、道路の曲率などが含まれる。
例えば、測位装置35は、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)、推測航法、及び、Wi-Fi等を利用した路車間通信のうちの少なくとも1つ以上を用いて、車両2のxyz座標を算出する。また、測位装置35は、ナビゲーション装置36から取得した地図情報に基づきマップマッチングを行って、車両2の地図上の位置を算出してもよい。なお、ナビゲーション装置36内に格納された地図情報を用いることに限定はされず、他の例では、音制御装置10内に地図情報を格納し、この地図情報を用いてもよい。更に他の例では、地図情報を所定のサーバ装置内に格納しておき、当該サーバ装置から地図情報を取得してもよい。
本実施形態は、音制御装置10の音制御部12は、モータ回転数に応じた複数の周波数と、この複数の周波数のそれぞれに適用する音圧とを設定し、この設定された音圧がそれぞれ適用された複数の周波数の音を含む合成音を表す音信号Ssを生成する。また、音制御装置10の走行状況推定部13は、測位装置35より取得された車両2の位置、ナビゲーション装置36より取得された地図情報(特に道路情報)、及び、アクセル開度センサ34より検出されたアクセル開度のうちの少なくとも1つ以上に基づき、ドライバが車両2を緩やかに加減速させるような走行状況(以下では「第1走行状況」と呼ぶ。)を推定する。なお、走行状況推定部13によって第1走行状況が推定されなかった場合の車両2の走行状況は、車両2をほぼ一定速度で走行させるような走行状況や、車両2を第1走行状況よりも急に加減速させるような走行状況であり、以下では、このような走行状況をまとめて「第2走行状況」と呼ぶ。
特に、本実施形態では、音制御部12は、走行状況推定部13によって第1走行状況が推定された場合には、上記のような複数の周波数の音を含む合成音を表す音信号Ssを生成せずに、複数の周波数の音のうちで周波数が400〜900Hzの範囲に属する単一の周波数の音(単一音)のみを表す音信号Ssを生成する。すなわち、車両用音生成装置1は、第2走行状況においては、複数の周波数の音を含む合成音をスピーカ20から出力させる一方で、第1走行状況においては、周波数が400〜900Hzの範囲に属する単一音をスピーカ20から出力させる。
ここで、上記した第1走行状況について具体的に説明する。第1走行状況は、車両2が緩やかに加減速を行うような走行状況である。特に、第1走行状況は、車両2が曲率や高度などが変化する道路を走行するときに、車両2に発生する加加速度(躍度、ジャーク)をできるだけ小さくするように、ドライバによる正確なアクセル操作が求められるような走行状況に相当する。例えば、第1走行状況としては、車両2がワインディング路を走行するような状況や、上り下りの多い道で車速を一定に保つべき状況などが挙げられる。このような第1走行状況では、例えば、20〜50%程度のアクセル操作が行われる、つまり所定時間当たりのアクセル開度の変化量が20〜50%程度となる。この場合、ドライバは、短時間で弱いトルクを得たい場合には、1秒未満の間に20〜50%程度のアクセル操作を行い、数秒〜数十秒の間にトルクを緩やかに変化させたい場合には、1秒以上の間に20〜50%程度のアクセル操作を行うこととなる。なお、このような第1走行状況に対して、第2走行状況では、例えば、所定時間当たりのアクセル開度の変化量が20未満又は50%以上となる。
<音生成処理>
次に、図3及び図4を参照して、本発明の実施形態による車両用音生成装置1の音生成処理について説明する。図3は、本発明の実施形態による周波数マップを示し、図4は、本発明の実施形態による音圧マップを示している。
次に、図3及び図4を参照して、本発明の実施形態による車両用音生成装置1の音生成処理について説明する。図3は、本発明の実施形態による周波数マップを示し、図4は、本発明の実施形態による音圧マップを示している。
音生成処理において、最初に、音制御装置10の音制御部12は、図3の周波数マップを参照して、モータ回転数に応じた複数の周波数を設定する。音制御部12は、モータ回転数を1次周波数(基本周波数)として、n次の周波数の正弦波を複数生成する。本実施形態では、4次、6次、8次及び12次の4つの周波数、つまり4次周波数、6次周波数、8次周波数及び12次周波数を設定する例を挙げる(これは、後の処理にて、4次周波数の音、6次周波数の音、8次周波数の音及び12次周波数の音を合成した合成音を生成することを意味する)。なお、4次、6次、8次及び12次の4つの周波数を用いることに限定はされず、これらとは異なる次数の周波数を用いてもよいし、また、4つ未満又は5つ以上の周波数を用いてもよい(以下同様とする)。
図3の周波数マップでは、4次、6次、8次及び12次のそれぞれの次数に対して、モータ回転数に応じて設定すべき周波数が規定されている。この周波数マップでは、同じモータ回転数で見ると、次数が大きくなるほど、設定すべき周波数が高くなっている。また、同じ次数で見ると、モータ回転数が高くなるほど、設定すべき周波数が高くなっている。音制御部12は、このような周波数マップを参照して、モータ回転数センサ31によって取得された現在のモータ回転数に応じて、4次、6次、8次及び12次のそれぞれの周波数を設定する。例えば、音制御部12は、現在のモータ回転数が3000rpmである場合には、4次周波数、6次周波数、8次周波数及び12次周波数のそれぞれを200Hz、300Hz、400Hz、600Hzに設定する。なお、図3では、各次数について、6つのモータ回転数に対応する周波数のみが示されているが、実際には、周波数マップは、より多数(無数)のモータ回転数に対して設定すべき周波数が規定されている。
次いで、音制御装置10の音制御部12は、音生成処理において、上記のように設定された4次周波数、6次周波数、8次周波数及び12次周波数のそれぞれの音に適用する音圧を設定する。具体的には、音制御部12は、図4の音圧マップを参照して、周波数と同様に、モータ回転数に応じて、4次周波数、6次周波数、8次周波数及び12次周波数のそれぞれの音圧を設定する。
図4のチャート(A)は、グラフで表された音圧マップを示し、図4のチャート(B)は、表で表された音圧マップを示している。図4のチャート(A)において、グラフG11、G12、G13、G14は、それぞれ、4次周波数、6次周波数、8次周波数、12次周波数の音に設定すべき音圧を示している。図4のチャート(A)及び(B)に示すように、音圧マップでは、4次周波数、6次周波数、8次周波数及び12次周波数の音のそれぞれに対して、モータ回転数に応じて設定すべき音圧が規定されている。基本的には、4次周波数、6次周波数、8次周波数及び12次周波数の音の全てに関して、モータ回転数が高くなるほど、設定すべき音圧が高くなっている。また、音圧マップでは、モータ回転数が高くなるほど、4次周波数、6次周波数、8次周波数の音圧の合計値(合計音圧)のうちで低周波数帯(4次及び6次周波数)の音圧が占める割合が大きくなっている。なお、他の例では、図4に示した音圧マップを、4次周波数、6次周波数、8次周波数及び12次周波数のそれぞれの音圧を規定する別々のマップ(4つの音圧マップ)に分けてもよい。
音制御部12は、図4の音圧マップを参照して、4次周波数、6次周波数、8次周波数及び12次周波数のそれぞれに適用する、現在のモータ回転数に応じた音圧を設定する。本実施形態では、音制御部12は、走行状況推定部13によって第1走行状況が推定されなかった場合、つまり車両2の走行状態が第2走行状況である場合には、こうして音圧がそれぞれ設定された4次周波数、6次周波数、8次周波数及び12次周波数の音を含む合成音を表す音信号Ssを生成する。
これに対して、本実施形態では、音制御部12は、走行状況推定部13によって第1走行状況が推定された場合には、このような合成音を表す音信号Ssを生成せずに、4次周波数、6次周波数、8次周波数及び12次周波数のうちで周波数が400〜900Hzの範囲に属する単一の周波数の音(単一音)のみを表す音信号Ssを生成する。この場合、音制御部12は、4次周波数、6次周波数、8次周波数及び12次周波数のうちで、単一音として適用する周波数の次数、つまり4次、6次、8次及び12次のうちのいずれか1つを選択する。
1つの例では、音制御部12は、周波数が400〜900Hzの範囲に属する可能性が高い、事前に定められた固定の次数を選択する。この例では、音制御部12は、典型的には8次を選択する。他の例では、音制御部12は、現在のモータ回転数に基づき次数を選択する、換言すると現在のモータ回転数に応じて選択する次数を変える。すなわち、音制御部12は、現在のモータ回転数において、周波数が400〜900Hzの範囲に属する次数を選択する。この例では、音制御部12は、周波数が400〜900Hzの範囲に属する2つ以上の次数が存在する場合には(一例を挙げると、図3に示すように、モータ回転数が3000rpmのときには8次と12次の2つの次数の周波数が400〜900Hzの範囲に属し、モータ回転数が4000rpmのときには6次と8次と12次の3つの次数の周波数が400〜900Hzの範囲に属する)、この2つ以上の次数の中で最も高い次数を選択すればよい。好ましくは、音制御部12は、第1走行状況にて車両2を緩やかに加減速させるのが困難な状況、つまり走行中に車両2に発生する加加速度をできるだけ小さくするように正確なアクセル操作を行うのが困難な状況(例えば曲率が大きい道路や起伏が激しい道路などを走行する状況)において、このように高い次数を選択するのが良い。
また、本実施形態では、音制御部12は、第1走行状況において単一音を生成する場合には、この単一音の音圧(図4のマップによりモータ回転数に応じて設定される音圧)を、人の聴覚の特性、具体的には等ラウドネス曲線に応じた特性を考慮に入れて補正する。
ここで、図5を参照して、等ラウドネス曲線について説明する。図5は、横軸に周波数(Hz)を示し、縦軸に音圧(dB)を示している。等ラウドネス曲線は、人の耳が等しい音の大きさ(単位「ホン(phon)」で表される)と感じる、周波数と音圧との関係を等高線にて表したものである。「ホン」は、人の耳に聴こえる音の強さ、つまり音の聴覚的な強さ(ラウドネス)を示す単位である。等ラウドネス曲線によれば、人の聴覚は、物理的な音圧が同じでも、感覚としての音の大きさ(ラウドネス)が周波数により異なるという特性を有することがわかる。
このような等ラウドネス曲線を考慮に入れて、音制御部12は、単一音を適用した場合に、合成音を適用した場合とドライバに聴こえる音の大きさ(ラウドネス)が同じになるように、図4のマップにより設定される単一音の音圧を補正する。基本的には、音制御部12は、単一音では合成音よりも音の数が減るため、ドライバに聴こえる音の大きさが小さくなる傾向にあるので、単一音の音圧を大きくする補正を行う。しかしながら、音制御部12は、単一音の周波数が比較的高い場合には、単一音の音圧を小さくする補正を行う。こうするのは、等ラウドネス曲線より、人の聴覚の特性として、比較的高い周波数の音に対する感度が高いという特性があるからである。すなわち、この特性より、高周波数の音圧を大きくすると耳障りとなる場合があるからである。この場合、音制御部12は、周波数が高くなるほど、単一音の音圧を補正する量(具体的には音圧を低下させる量)を大きくするのがよい。若しくは、音制御部12は、図4のマップによれば、モータ回転数が高くなるほど、設定される周波数が高くなるので、モータ回転数が高くなるほど、単一音の音圧を補正する量を大きくしてもよい。
次に、図6を参照して、本発明の実施形態による音生成処理の流れについて説明する。図6は、本発明の実施形態による音生成処理を示すフローチャートである。なお、この音生成処理は、車両用音生成装置1(主に音制御装置10及びスピーカ20)によって、所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS10において、音制御装置10は、センサ群30から各種情報を取得する。具体的には、音制御装置10は、モータ回転数センサ31により検出されたモータ回転数と、モータトルクセンサ32により検出されたモータトルクと、車速センサ33により検出された車速と、アクセル開度センサ34により検出されたアクセル開度と、測位装置35により求められた車両2の位置と、ナビゲーション装置36に記憶された地図情報と、を取得する。
次いで、ステップS11において、音制御装置10(詳しくは音制御部12)は、モータ回転数を1次周波数(基本周波数)として、4次、6次、8次及び12次の周波数の正弦波を生成する。具体的には、音制御部12は、音制御装置10の記憶部14に記憶された周波数マップを参照して(図3)、4次、6次、8次及び12次の正弦波のそれぞれに対して、ステップS10で取得された現在のモータ回転数に対応する周波数を設定する。
次いで、ステップS12において、音制御装置10(詳しくは走行状況推定部13)は、ステップS10で取得された車両2の位置(xyz座標や地図上の位置)、地図情報(特に道路情報)、及びアクセル開度のうちの少なくとも1つ以上に基づき、車両2の走行状況を推定する。具体的には、走行状況推定部13は、以下で例示するような方法により、第1走行状況を推定する。なお、以下で例示する方法は、適宜組み合わせて実施可能である。
1つの例では、走行状況推定部13は、車両2の位置の変化に基づき、車両2の走行状況を推定する。この例では、走行状況推定部13は、車両2の位置の変化の軌跡が直線からかけ離れている場合に、車両2がワインディング路を走行しているものと判断して、車両2の走行状況が第1走行状況であると推定する。また、走行状況推定部13は、車両2の高さ位置(上述したz座標)が頻繁に変化している場合に、車両2が上り下りの多い道を走行しているものと判断して、車両2の走行状況が第1走行状況であると推定する。
他の例では、走行状況推定部13は、車両2の周辺の道路情報に基づき、車両2の走行状況を推定する。この例では、走行状況推定部13は、車両2の周辺の道路情報に含まれる道路種別がワインディング路を示している場合に、車両2の走行状況が第1走行状況であると推定する。また、走行状況推定部13は、車両2の周辺の道路情報に含まれる道路の高度又は曲率が頻繁に変化している場合に、車両2が上下又は左右の移動を繰り返す道路を走行しているものと判断して、車両2の走行状況が第1走行状況であると推定する。
更に他の例では、走行状況推定部13は、アクセル開度の変化に基づき、車両2の走行状況を推定する。この例では、走行状況推定部13は、所定時間当たりのアクセル開度の変化量が20〜50%程度である場合に、車両2の走行状況が第1走行状況であると推定する。特に、走行状況推定部13は、アクセル開度が50%未満程度で徐々に変化している場合に、車両2の走行状況が第1走行状況であると推定する。
なお、上記では、アクセル開度を「%」で規定した例を示した。このアクセル開度は、全閉0%及び全開100%を基準として規定されるものである。他の例では、角度で規定されたアクセル開度を用いてもよい。更に他の例では、長さで規定されたアクセル開度を用いてもよい。この場合、アクセルペダルの遠位端部分の移動距離を用いればよい。
なお、上記では、アクセル開度を「%」で規定した例を示した。このアクセル開度は、全閉0%及び全開100%を基準として規定されるものである。他の例では、角度で規定されたアクセル開度を用いてもよい。更に他の例では、長さで規定されたアクセル開度を用いてもよい。この場合、アクセルペダルの遠位端部分の移動距離を用いればよい。
次いで、ステップS13において、音制御装置10(詳しくは音制御部12)は、ステップS12において第1走行状況が推定されたか否かを判定する。その結果、第1走行状況が推定された場合には(ステップS13:Yes)、音制御部12は、ステップS14に進む。
次いで、ステップS14において、音制御部12は、ステップS11で周波数を設定した4次、6次、8次及び12次のうちで、単一音として適用する1つの次数を選択する。1つの例では、音制御部12は、事前に定められた固定の次数(例えば8次)を選択する。他の例では、音制御部12は、ステップS11で設定された4次、6次、8次及び12次のそれぞれの周波数のうちで、周波数が400〜900Hzの範囲に属する次数を選択する。この例では、音制御部12は、周波数が400〜900Hzの範囲に属する2つ以上の次数が存在する場合には、この2つ以上の次数の中で最も高い次数を選択すればよい。特に、音制御部12は、例えば曲率が大きい道路や起伏が激しい道路などを車両2が走行している場合に、このように高い次数を選択するのが好ましい。
次いで、ステップS15において、音制御部12は、音制御装置10の記憶部14に記憶された音圧マップを参照して(図4)、ステップS14で選択された次数の周波数に対して適用する音圧を設定する、つまり単一音の音圧を設定する。具体的には、音制御部12は、音圧マップの中で、選択された次数に対応する、モータ回転数と音圧との関係が規定された部分を参照して、現在のモータ回転数に応じて、当該次数の周波数に対して適用する音圧を設定する。なお、音制御部12は、ステップS14で選択されなかった次数の周波数(3つの周波数)に対して適用する音圧を全て0に設定する。
次いで、ステップS16において、音制御部12は、等ラウドネス曲線の特性を考慮に入れて、ステップS15で設定された音圧を補正する。具体的には、音制御部12は、単一音を適用した場合に、合成音を適用した場合とドライバに聴こえる音の大きさ(ラウドネス)が同じになるように、等ラウドネス曲線の特性に応じて、単一音の音圧を補正する。基本的には、音制御部12は、単一音では合成音よりも音の数が減るため、ドライバに聴こえる音の大きさが小さくなる傾向にあるので、単一音の音圧を大きくする補正を行う。しかしながら、音制御部12は、単一音の周波数が比較的高い場合には、単一音の音圧を小さくする補正を行う。この場合、音制御部12は、周波数が高くなるほど、又はモータ回転数が高くなるほど、単一音の音圧を補正する量(具体的には音圧を低下させる量)を大きくする。
次いで、ステップS17において、音制御部12は、選択された次数の周波数に対して補正された音圧が適用された単一音を表す音信号Ssを生成し、当該音信号Ssをスピーカ20に出力する。そして、ステップS20において、スピーカ20は、この音信号Ssを受信して、単一音に対応する音SCを出力する。
他方で、ステップS13において、第1走行状況が推定されなかった場合(ステップS13:No)、つまり車両2の走行状態が第2走行状況である場合、音制御部12は、ステップS18に進む。ステップS18において、音制御部12は、音制御装置10の記憶部14に記憶された音圧マップを参照して(図4)、現在のモータ回転数に応じて、ステップS11で設定された4次周波数、6次周波数、8次周波数及び12次周波数のそれぞれに適用する音圧を設定する。
次いで、ステップS19において、音制御部12は、ステップS18で音圧がそれぞれ設定された4次周波数、6次周波数、8次周波数及び12次周波数を含む合成音を表す音信号Ssを生成し、当該音信号Ssをスピーカ20に出力する。そして、ステップS20において、スピーカ20は、この音信号Ssを受信して、合成音に対応する音SCを出力する。
なお、音制御部12は、ステップS10で取得されたモータトルクを更に考慮に入れて、音圧を設定してもよい。具体的には、音制御部12は、モータトルクが大きいほど、音圧を上昇させるような補正を行ってもよい。
また、走行状況推定部13は、上記で例示した以外の方法により、車両2の走行状況を推定してもよい。例えば、走行状況推定部13は、電動モータ3を駆動するための電力を供給するバッテリのSOC(State of Charge)が所定量未満である場合、又はバッテリのSOCに応じた車両2の残走行距離(航続可能距離)が所定値(例えば50km)未満である場合に、ドライバが車両2を低電費運転させるものと判断して、車両2の走行状況が第1走行状況であると推定してもよい。なお、残走行距離は、バッテリのSOC及び車両2の電費情報などに基づき算出すればよい。
<作用及び効果>
次に、図7を参照して、本発明の実施形態による車両用音生成装置1の作用及び効果について説明する。図7は、本発明の実施形態による車両用音生成装置1の作用及び効果の説明図である。具体的には、図7は、車両用音生成装置1から出力された音を被験者に聞かせながら、目標車速(40km/h)を維持して所定のコースを走行させるというタスクを課したときのシミュレーション結果を示している。この場合、車両用音生成装置1からは、(1)複数の周波数の音を含む合成音(詳しくは、実際のエンジン音と似たような周波数帯域を含む合成音)と、(2)200〜350Hzの単一の周波数の音である単一音1と、(3)400〜650Hzの単一の周波数の音である単一音2と、(4)600〜900Hzの単一の周波数の音である単一音3と、を出力させた。そして、これらの音の各々を車両用音生成装置1から出力させながら被験者に所定のコースを走行させたときの、車速の維持率、具体的には所定のコースの総距離のうちで目標車速が維持できた距離の割合を示している。
次に、図7を参照して、本発明の実施形態による車両用音生成装置1の作用及び効果について説明する。図7は、本発明の実施形態による車両用音生成装置1の作用及び効果の説明図である。具体的には、図7は、車両用音生成装置1から出力された音を被験者に聞かせながら、目標車速(40km/h)を維持して所定のコースを走行させるというタスクを課したときのシミュレーション結果を示している。この場合、車両用音生成装置1からは、(1)複数の周波数の音を含む合成音(詳しくは、実際のエンジン音と似たような周波数帯域を含む合成音)と、(2)200〜350Hzの単一の周波数の音である単一音1と、(3)400〜650Hzの単一の周波数の音である単一音2と、(4)600〜900Hzの単一の周波数の音である単一音3と、を出力させた。そして、これらの音の各々を車両用音生成装置1から出力させながら被験者に所定のコースを走行させたときの、車速の維持率、具体的には所定のコースの総距離のうちで目標車速が維持できた距離の割合を示している。
図7より、合成音の結果、具体的には車速の維持率が0.7をやや下回る結果を基準にすると、200〜350Hzの単一音1では、車速の維持率が基準よりも悪化しているが、400〜650Hzの単一音2及び600〜900Hzの単一音3では、車速の維持率が基準よりも改善していることがわかる。特に、600〜900Hzの単一音3では、車速の維持率が0.8という大きな値になっている。このような結果は、単一音1では、被験者は速度の変化に応じた音の変化を感じにくかったが、単一音2、3では、被験者は速度の変化に応じた音の変化を感じやすかったことを示している。
すなわち、400〜900Hzの単一音2、3では、被験者は、音を手掛かりにして車速を一定に維持するための適切なアクセル操作が行えたために、車速の維持率が基準よりも高くなるという結果が得られたのである。換言すると、一定車速を維持するために緩やかな加減速が常に行われる傾向にあるが、被験者は、車両用音生成装置1からの単一音2、3を手掛かりにして、このような加減速を繊細なアクセル操作によって適切にコントロールできたのである。
以上述べたように、本実施形態では、音制御装置10の音制御部12は、基本的には、モータ回転数に応じた複数の周波数を含む合成音をスピーカ20から出力させるが、音制御装置10の走行状況推定部13により、ドライバが車両2を緩やかに加減速させるような第1走行状況が推定された場合には、複数の周波数の音のうちで周波数が400〜900Hzの範囲に属する単一の周波数の音(単一音)のみをスピーカ20から出力させる。これにより、第1走行状況において、人間の耳の感度特性が高い周波数帯の単一音をドライバに聞かせることができる。その結果、ドライバは、車両用音生成装置1から出力された音に基づき、電動モータ3の状態(回転数など)や車両2の運転状態(車速など)を把握して、第1走行状況に適した正確なアクセル操作を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、音制御装置10の音制御部12は、単一音の周波数が高いほど、当該単一音の音圧を低下させるので、高周波音による耳障りさを抑制することができる。
また、本実施形態では、音制御装置10の音制御部12は、複数の周波数の音のうちで周波数が400〜900Hzの範囲に属する音が2つ以上存在する場合には、この2つ以上の音の中で周波数が最も高い音を単一音として選択する。これにより、人の聴覚特性において感度が高い高周波音をドライバに聞かせることができる。その結果、ドライバは、車両用音生成装置1からの音の高さの変化を通じて、電動モータ3の状態や車両2の運転状態のわずかな変化を認識しやすくなり、より正確なアクセル操作を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、音制御装置10の走行状況推定部13は、車両2の位置の変化に基づき第1走行状況を推定する。これにより、車両2の位置の変化に基づき走行路の形態を判断することで、第1走行状況を的確に推定できるようになる。
また、本実施形態では、音制御装置10の走行状況推定部13は、車両2の周辺の道路情報に基づき第1走行状況を推定する。これにより、道路情報に含まれる種々の情報(例えば道路種別や道路の高度や曲率など)に基づき走行路の形態を判断することで、第1走行状況を的確に推定できるようになる。
また、本実施形態では、音制御装置10の走行状況推定部13は、アクセル開度の変化に基づき第1走行状況を推定する。これにより、ドライバによるアクセル開度の変化(推移など)に基づきドライバの加速意図を判断することで、第1走行状況を的確に推定できるようになる。
<変形例>
上記した実施形態では、音制御装置10の走行状況推定部13により推定された走行状況に応じて、合成音と単一音とを自動的に切り替えていたが、他の例では、ドライバによるスイッチ操作により、合成音と単一音とを手動で切り替えてもよい。更に他の例では、ドライバによる音声の指示により、合成音と単一音とを切り替えてもよい。
上記した実施形態では、音制御装置10の走行状況推定部13により推定された走行状況に応じて、合成音と単一音とを自動的に切り替えていたが、他の例では、ドライバによるスイッチ操作により、合成音と単一音とを手動で切り替えてもよい。更に他の例では、ドライバによる音声の指示により、合成音と単一音とを切り替えてもよい。
上記した実施形態では、車両2は、電動車両(EV)であり内燃機関を備えていないが、他の例では、車両2は、回転動力源として内燃機関と電動モータの一方又は両方を備えた車両であってもよい。車両2が内燃機関のみを備える変形例では、エンジン作動音に加えて、車両用音生成装置1により発生される音により、ドライバは、車両状態及び車両状態の変化をより明確に把握することができる。また、この変形例では、音SCの周波数及び音圧を決定するために、内燃機関の回転数(エンジン回転数)を用いることができる。さらに、車両2が内燃機関と電動モータの両方を備える別の変形例では、音SCの周波数及び音圧を決定するために、電動モータ及び内燃機関の一方又は両方の回転数を用いることができる。
1 車両用音生成装置
2 車両
3 電動モータ
10 音制御装置
12 音制御部
13 走行状況推定部
14 記憶部
20 スピーカ(音出力部)
31 モータ回転数センサ
34 アクセル開度センサ
35 測位装置
36 ナビゲーション装置
2 車両
3 電動モータ
10 音制御装置
12 音制御部
13 走行状況推定部
14 記憶部
20 スピーカ(音出力部)
31 モータ回転数センサ
34 アクセル開度センサ
35 測位装置
36 ナビゲーション装置
Claims (6)
- 電動モータ及び/又はエンジンを含む回転動力源を用いて走行する車両に搭載された車両用音生成装置であって、
前記回転動力源の回転数に応じた複数の周波数と、この複数の周波数のそれぞれに適用する音圧とを設定し、この設定された音圧がそれぞれ適用された前記複数の周波数の音を含む合成音を表す音信号を生成する音制御部と、
前記音制御部が生成した音信号に応じた音を出力する音出力部と、
を有し、
前記車両用音生成装置は、更に、ドライバが前記車両を緩やかに加減速させるような走行状況を推定する走行状況推定部を有し、
前記音制御部は、前記走行状況推定部により前記走行状況が推定された場合には、前記複数の周波数の音のうちで周波数が400〜900Hzの範囲に属する単一の音のみを表す音信号を生成する、
ことを特徴とする車両用音生成装置。 - 前記音制御部は、前記単一の音の周波数が高いほど、当該単一の音の音圧を低下させる、請求項1に記載の車両用音生成装置。
- 前記音制御部は、前記複数の周波数の音のうちで周波数が400〜900Hzの範囲に属する音が2つ以上存在する場合には、この2つ以上の音の中で周波数が最も高い音を前記単一の音として選択する、請求項1又は2に記載の車両用音生成装置。
- 前記走行状況推定部は、前記車両の位置を取得し、取得された前記位置の変化に基づき、前記走行状況を推定する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用音生成装置。
- 前記走行状況推定部は、前記車両の周辺の道路情報を取得し、取得された前記道路情報に基づき、前記走行状況を推定する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両用音生成装置。
- 前記走行状況推定部は、前記車両のアクセルペダルの操作量に対応するアクセル開度を取得し、取得された前記アクセル開度の変化に基づき、前記走行状況を推定する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両用音生成装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020007342A JP2021113941A (ja) | 2020-01-21 | 2020-01-21 | 車両用音生成装置 |
US17/120,308 US20210221286A1 (en) | 2020-01-21 | 2020-12-14 | Vehicle sound generation device |
DE102020007839.7A DE102020007839A1 (de) | 2020-01-21 | 2020-12-21 | Fahrzeugtonerzeugungsvorrichtung, Verfahren zum Erzeugen eines Tones in einem Fahrzeug und Computerprogrammerzeugnis |
CN202011548795.1A CN113212299A (zh) | 2020-01-21 | 2020-12-24 | 车辆用声音生成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020007342A JP2021113941A (ja) | 2020-01-21 | 2020-01-21 | 車両用音生成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021113941A true JP2021113941A (ja) | 2021-08-05 |
Family
ID=76650617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020007342A Pending JP2021113941A (ja) | 2020-01-21 | 2020-01-21 | 車両用音生成装置 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20210221286A1 (ja) |
JP (1) | JP2021113941A (ja) |
CN (1) | CN113212299A (ja) |
DE (1) | DE102020007839A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023188878A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | サウンド出力装置及び移動体 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7421725B2 (ja) * | 2020-01-21 | 2024-01-25 | マツダ株式会社 | 車両用音生成装置 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006001412A1 (ja) * | 2004-06-25 | 2006-01-05 | Pioneer Corporation | 交通状況報知装置、そのシステム、その方法、その方法を実施するプログラム、およびそのプログラムを記憶した記録媒体 |
WO2011132347A1 (en) * | 2010-04-19 | 2011-10-27 | Koyama Kogyo Co., Ltd. | A simulated engine sound generating apparatus |
JP5646043B2 (ja) * | 2011-08-08 | 2014-12-24 | ヤマハ発動機株式会社 | 走行連動音発生装置 |
JP5659989B2 (ja) * | 2011-09-07 | 2015-01-28 | アンデン株式会社 | 車両接近通報装置 |
JP2017062320A (ja) | 2015-09-24 | 2017-03-30 | ヤマハ発動機株式会社 | 電動車両 |
JP6564128B2 (ja) * | 2016-03-30 | 2019-08-21 | 三菱電機株式会社 | 報知制御装置および報知制御方法 |
-
2020
- 2020-01-21 JP JP2020007342A patent/JP2021113941A/ja active Pending
- 2020-12-14 US US17/120,308 patent/US20210221286A1/en not_active Abandoned
- 2020-12-21 DE DE102020007839.7A patent/DE102020007839A1/de not_active Withdrawn
- 2020-12-24 CN CN202011548795.1A patent/CN113212299A/zh active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023188878A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | サウンド出力装置及び移動体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN113212299A (zh) | 2021-08-06 |
DE102020007839A1 (de) | 2021-07-22 |
US20210221286A1 (en) | 2021-07-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10065561B1 (en) | System and method for vehicle noise masking | |
EP3664079B1 (en) | Electric vehicle driving sound control system and control method | |
US10266112B1 (en) | Sound control method for hybrid vehicle | |
JP2021113941A (ja) | 車両用音生成装置 | |
KR20200075144A (ko) | 차량 사운드 인덱스 기반 인공지능 엔진음색 제어시스템 및 방법 | |
US11718183B2 (en) | Method for controlling tone of electric vehicle based on motor vibration | |
CN110949252A (zh) | 发动机起动状况期间的车辆声音合成 | |
US11981259B2 (en) | Sound generation device for vehicle | |
CN114572109A (zh) | 在电动车辆中提供虚拟声音的方法 | |
CN113212301B (zh) | 车辆用声音生成装置 | |
US9229022B2 (en) | Deceleration information notification device and deceleration information notification method | |
CN109121041A (zh) | 基于道路特性和车辆操作的音频控制系统和方法 | |
JP2017181917A (ja) | 車両用効果音発生装置 | |
CN108454513B (zh) | 用于动态发动机声音增强的系统和方法 | |
US11537358B1 (en) | Sound experience generator | |
US11763795B2 (en) | Vehicle sound generation device | |
KR101848779B1 (ko) | 전기자동차 운행사운드 컨트롤 장치 | |
CN114379468B (zh) | 车辆声音自适应调节方法、装置、设备及存储介质 | |
KR102232205B1 (ko) | 차량의 가상 주행음 생성 방법 | |
EP3438971A1 (en) | Vehicle sound effect generation apparatus | |
US11676569B2 (en) | Sound production device, sound-production-device equipped vehicle, and sound production method | |
US20230294662A1 (en) | Apparatus and method for generating virtual sound | |
CN116262476A (zh) | 用于控制车辆声音的装置和方法 | |
WO2023011911A1 (en) | Sound experience generator | |
JP2022155835A (ja) | 車両用音生成装置 |