JP5645808B2 - 化粧料、その製造方法、化粧料用組成物、及び前記化粧料用組成物を含む化粧料とその製造方法 - Google Patents
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Description
本願は、2009年3月3日に、日本に出願された特願2009−049899号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
一方、シリコーン類を含有する化粧を落とすために使用されるクレンジング化粧料には、化粧を残さずに落とす洗浄性、肌への刺激が少ない低刺激性、肌荒れを防ぐ保湿性、及びベタツキが少ない使用感(以下、「使用感」という場合がある。)等が求められている。
さらに、従来のクレンジング化粧料に含有されることの多いイソノナン酸イソノニルの洗浄性は、SLSの洗浄性には劣るものの、比較的優れた洗浄性をもつ。しかしながら、イソノナン酸イソノニルは、皮膚を軟化させるエモリエント剤として多用されるエステルであり、肌への刺激性が強いことが問題である。
さらには、植物や微生物などの現生生物体の構成物質を起源とする産業資源に含まれる炭素は、化石燃料に含まれる炭素とは異なり、その現生生物体が成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素に由来する。そのため、これらの産業資源を使用しても、大気中の二酸化炭素総量の増減には影響を与えないと考えられている(以下、カーボンニュートラルの概念という場合がある)。
以上のことから、前記化粧料の原料が植物由来又は微生物発酵由来であると、前記化粧料が使用後に環境中に排出された際も、環境負荷が少ないと考えられる。
本発明の第2の発明は、前記乳化剤、及び前記1,3−プロパンジオールがあらかじめ溶解又は分散された親水性溶液に、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを添加して、水中油型(O/W)乳化化粧料にすることを特徴とする前記化粧料の製造方法である。
本発明の第3の発明は、1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを含む化粧料用組成物であり、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸がイソステアリン酸であって、前記イソステアリン酸が、ステアリン酸の主鎖において、1又は2のメチル基が分岐した構造を有することを特徴とする化粧料用組成物である。
本発明の第4の発明は、前記化粧料用組成物を含むことを特徴とする化粧料である。
本発明の第5の発明は、前記化粧料用組成物を親水性溶液に添加して水中油型(O/W)乳化化粧料にすることを特徴とする化粧料の製造方法である。
より具体的には、本発明の第一の態様である化粧料が、2つのイソステアリン酸残基を有する1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステル(以下、PDOジイソステアレートと略記する場合がある。)を含むことにより、前記化粧料の保湿性及び使用感をより高めることができる。また、本発明の第一の態様である化粧料が、n−オクタン酸残基及びn−デカン酸残基を有する1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステル(以下、PDO−C8/C10ジエステルと略記する場合がある。)を含むことにより、前記化粧料の洗浄性及び低刺激性をより高めることができる。
より具体的には、前記イソステアリン酸としては、主としてヘプタデカン酸の2位から16位の炭素のいずれか1つにメチル基が結合するもの、若しくはヘキサデカン酸の2位から15位の炭素のいずれかの炭素にメチル基を2つ結合するものが好ましく、それらメチル基は同じ炭素に結合していても異なる炭素に結合していても良い。また、これらの、主鎖にメチル基を1つ有するヘプタデカン酸、及び主鎖にメチル基を2つ有するヘキサデカン酸は、それぞれ単一で前記PDOジイソステアレートを構成しても良く、また、両者が混在して前記PDOジイソステアレートを構成しても良い。さらには常法の重合反応により植物由来のオレイン酸からダイマー酸を合成する際に生じる副生成物のイソステアリン酸であっても良い。
また、前記PDOジイソステアレートを構成するイソステアリン酸は、1)必要に応じてモンモリロナイト系白土を触媒として、オレイン酸を熱重合等の重合反応に付す工程、2)得られた重合物を薄膜蒸留してモノマー酸を得る工程、3)前記モノマー酸を水素化する工程、4)前記水素化したモノマー酸を溶剤分別法等により分別してタイター10℃以下のものを得る工程を含んでなるイソステアリン酸の製法によって得られるイソステアリン酸であっても良い。
前記PDOジイソステアレートは、上記イソステアリン酸と、1,3−プロパンジオールとをエステル化させることにより得ることができる。
前記エステル化反応において、反応温度は、通常、室温〜250℃、好ましくは150〜230℃である。反応温度は、通常、30分間〜24時間、好ましくは5時間〜10時間である。
さらに、前記PDOジイソステアレートを構成するイソステアリン酸は、10℃においてシェア10Paでの粘度が99〜130mPa・sであり、かつ5℃において液状であることが好ましい。この物性を満たすイソステアリン酸としては、例えば高級アルコール社製「イソステアリン酸EX」、クローダ社製「PRISORINE 3501」、「PRISORINE 3505」、「PRISORINE 3507」、コグニス社製「EMARSOL 873」、「EMERSOL 874」、「EMERSOL 875」及びオレオン社製「RADIACID 0907」、「RADIACID 0908」等が挙げられ、前記の物性範囲を満たせばこれらは単一で使用しても混合して使用しても良い。
また、前記イソステアリン酸が、ステアリン酸の主鎖において、1又は2のメチル基が分岐した構造を有するものであると、前記化粧料の保湿性及び使用感をより高めることができる。
なお、前記PDOジイソステアレートの有する2つのイソステアリン酸残基が、ステアリン酸の主鎖において、1又は2のメチル基が分岐した構造を有するものである場合、そのメチル基の結合する位置は、前記2つのイソステアリン酸残基において、同じであっても良く、異なっていても良い。
前記水添レシチンとしては、大豆由来のレシチンに水素添加したもの、卵黄由来のレシチンに水素添加したもの等が挙げられ、環境負荷の観点から、大豆由来のレシチンに水素添加したものが好ましい。これらのレシチンを水素添加する方法は、本発明の効果を損なうものでなければ特に制限されず、公知の方法が適用される。
大豆由来のレシチンに水素添加した水添レシチンを用いることにより、前記化粧料において、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを充分に乳化させることができる。
前記水添レシチンは、非水素添加のレシチンと比べて酸化安定性が高いので好ましい。
また、従来の化粧料で乳化剤として用いられる合成界面活性剤と比べて、前記水添レシチンは肌に対する刺激性が比較的低いので好ましい。
前記クレンジング化粧料が、上記範囲の割合で、PDO−C8/C10ジエステル、乳化剤、及び1,3−プロパンジオールを含有することにより、前記クレンジング化粧料の洗浄性及び低刺激性の効果をさらに高めることができる。上記範囲の割合を有するクレンジング化粧料は、特にクレンジングジェルとしての用途に適する。
これらのなかでも、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ラウリン酸と平均重合度10のポリグリセリンとのエステル化合物であり、かつ、前記エステル化合物のケン化価が35〜75であるものが、前記クレンジング化粧料の洗浄性を高める観点から好ましい。この場合、前記クレンジング化粧料における前記エステル化合物の配合割合としては、0.05〜10.0質量%であることが好ましく、0.3〜6.0質量%であることがより好ましく、0.5〜3.0質量%であることが最も好ましい。前記配合割合が0.05質量%以上であると、前記クレンジング化粧料の洗浄性を高めることができ、前記配合割合が10.0質量%以下であると、前記クレンジング化粧料の低刺激性を高めることができる。
前記保湿化粧料が、上記範囲の割合で、PDOジイソステアレート、乳化剤、及び1,3−プロパンジオールを含有することにより、前記保湿化粧料の保湿性及び使用感をさらに高めることができる。上記範囲の割合を有する保湿化粧料は、特に保湿ジェルとしての用途に適する。
前記保湿化粧料が、上記範囲の割合で、PDOジイソステアレート、乳化剤、及び1,3−プロパンジオールを含有することにより、前記保湿化粧料の保湿性及び使用感をさらに高めることができる。上記範囲の割合を有する保湿化粧料は、特に保湿乳液としての用途に適する。
前記保湿化粧料が、上記範囲の割合で、PDO−C8/C10ジエステル、乳化剤、及び1,3−プロパンジオールを含有することにより、基剤油としてシリコーンオイル用いた場合の化粧料と同等かそれ以上の使用感、低刺激性及び/又は保存安定性を有する保湿化粧料を得ることができる。上記範囲の割合を有する保湿化粧料は、特に保湿乳液としての用途に適する。
前記保湿化粧料が、上記範囲の割合で、PDO−C8/C10ジエステル、乳化剤、及び1,3−プロパンジオールを含有することにより、基剤油としてシリコーンオイル用いた場合の化粧料と同等かそれ以上の使用感、低刺激性及び/又は保存安定性を有する保湿化粧料を得ることができる。上記範囲の割合を有する保湿化粧料は、特に保湿クリームとしての用途に適する。
また、上記保湿化粧料は、前記PDO−C8/C10ジエステルに加えて、3.0〜10.0質量%の前記PDOジイソステアレートを含有しても良い。
前記保湿化粧料が、上記範囲の割合で、PDOジイソステアレート、乳化剤、及び1,3−プロパンジオールを含有することにより、前記保湿化粧料の保湿性及び使用感をさらに高めることができる。上記範囲の割合を有する保湿化粧料は、特にマッサージジェルとしての用途に適する。
前記保湿化粧料が、上記範囲の割合で、PDOジイソステアレート、及び1,3−プロパンジオールを含有することにより、前記保湿化粧料の保湿性及び使用感をさらに高めることができる。上記範囲の割合を有する保湿化粧料は、特に保湿リップバームとしての用途に適する。
酸化防止剤としては、BHT、BHA、ビタミンC類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンE類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩等が挙げられる。
糖脂質としては、スフィンゴ糖脂質等が挙げられる。
植物抽出液としては、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、及びローズ等が挙げられる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノール、及びエタノール等が挙げられる。
pH調整剤としては、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びトリエタノールアミン等が挙げられる。
色素としては、青色1号、青色204号、赤色3号、及び黄色201号等が挙げられる。
粘度調整剤としては、例えば、ボリビニルアルコール(PVA)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、その他セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、アルギン酸又はその塩、カラギナン、クインスシードパウダー、アルカリゲネス産生多糖類、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸塩、アクリル酸ポリマー(鎖状型、架橋型)、及びアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等が挙げられる。
ゲル化剤としては、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、及び(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10、脂肪酸金属塩、ヒドロキシステアリン酸、デキストリン脂肪酸エステル、イヌリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アシル化セルビオース、ジベンジリデンモノソルビトール、アミノ酸系ゲル化剤、無水ケイ酸、有機変性粘土鉱物、煙霧状シリカ、アルミナ、架橋型オルガノポリシロキサン、ポリエチレンワックスやパラフィンワックスのような炭化水素ワックス、カルナウバワックスやキャンデリラワックスのような植物性ワックス、寒天、及びゼラチン等が挙げられる。
前記親水性溶液中の精製水の含有割合としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、100質量%であってもよいが、1〜99.5質量%が好ましく、1〜95質量%がより好ましく、1〜90質量%がさらに好ましい。上記範囲で精製水を含有する場合、前記親水性溶液中に、必要に応じて、補助成分を添加することができる。
前記親水性溶液中の精製水の含有割合としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、1〜99.5質量%が好ましく、1〜95質量%がより好ましく、1〜90質量%がさらに好ましい。上記範囲で精製水を含有する場合、前記化粧料を効率よく水中油型(O/W)乳化化粧料にすることができる。
より具体的には、本発明の第三の態様である化粧料用組成物が、2つのイソステアリン酸残基を有する1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステル(以下、PDOジイソステアレートと略記する場合がある。)を含むことにより、前記化粧料用組成物の保湿性及び使用感をより高めることができる。また、本発明の第三の態様である化粧料用組成物が、n−オクタン酸残基及びn−デカン酸残基を有する1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステル(以下、PDO−C8/C10ジエステルと略記する場合がある。)を含むことにより、前記化粧料用組成物の洗浄性及び低刺激性をより高めることができる。
より具体的には、前記イソステアリン酸としては、主としてヘプタデカン酸の2位から16位の炭素のいずれか1つにメチル基が結合するもの、若しくはヘキサデカン酸の2位から15位の炭素のいずれかの炭素にメチル基を2つ結合するものが好ましく、それらメチル基は同じ炭素に結合していても異なる炭素に結合していても良い。また、これらの、主鎖にメチル基を1つ有するヘプタデカン酸、及び主鎖にメチル基を2つ有するヘキサデカン酸は、それぞれ単一で前記PDOジイソステアレートを構成しても良く、また、両者が混在して前記PDOジイソステアレートを構成しても良い。さらには常法の重合反応により植物由来のオレイン酸からダイマー酸を合成する際に生じる副生成物のイソステアリン酸であっても良い。
また、前記PDOジイソステアレートを構成するイソステアリン酸は、1)必要に応じてモンモリロナイト系白土を触媒として、オレイン酸を熱重合等の重合反応に付す工程、2)得られた重合物を薄膜蒸留してモノマー酸を得る工程、3)前記モノマー酸を水素化する工程、4)前記水素化したモノマー酸を溶剤分別法等により分別してタイター10℃以下のものを得る工程を含んでなるイソステアリン酸の製法によって得られるイソステアリン酸であっても良い。
前記PDOジイソステアレートは、上記イソステアリン酸と、1,3−プロパンジオールとをエステル化させることにより得ることができる。
前記エステル化反応において、反応温度は、通常、室温〜250℃、好ましくは150〜230℃である。反応温度は、通常、30分間〜24時間、好ましくは5時間〜10時間である。
さらに、前記PDOジイソステアレートを構成するイソステアリン酸は、10℃においてシェア10Paでの粘度が99〜130mPa・sであり、かつ5℃において液状であることが好ましい。この物性を満たすイソステアリン酸としては、例えば高級アルコール社製「イソステアリン酸EX」、クローダ社製「PRISORINE 3501」、「PRISORINE 3505」、「PRISORINE 3507」、コグニス社製「EMERSOL 873」、「EMERSOL 874」、「EMERSOL 875」及びオレオン社製「RADIACID 0907」、「RADIACID 0908」等が挙げられ、前記の物性範囲を満たせばこれらは単一で使用しても混合して使用しても良い。
また、前記イソステアリン酸が、ステアリン酸の主鎖において、1又は2のメチル基が分岐した構造を有するものであると、前記化粧料用組成物の保湿性及び使用感をより高めることができる。
なお、前記PDOジイソステアレートの有する2つのイソステアリン酸残基が、ステアリン酸の主鎖において、1又は2のメチル基が分岐した構造を有するものである場合、そのメチル基の結合する位置は、前記2つのイソステアリン酸残基において、同じであっても良く、異なっていても良い。
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に制限されず、通常の化粧料に使用される公知の成分、例えば、本発明の第二の態様の化粧料の製造方法で例示した補助成分、乳化剤、及び1,3−プロパンジオール等が好ましいものとして挙げられる。
本発明の第三の態様である化粧料用組成物を化粧料に含有することにより、前記化粧料の洗浄性、低刺激性、保湿性、又は使用感を向上させることができる。
前記クレンジング化粧料又は保湿化粧料に前記PDOジイソステアレートを含有することにより、その保湿性及び使用感を高めることができる。
前記クレンジング化粧料又は保湿化粧料に前記PDO−C8/C10ジエステルを含有することにより、その洗浄性及び低刺激性を高めることができる。
前記マカデミアナッツ油を含む化粧料用組成物は、皮膚に塗布した場合の保湿性及び使用感が良好であるため、マッサージオイル、美容オイル、ベビーオイル、又はクリーム等の保湿化粧料の化粧料用組成物として、及びクレンジングジェル、又は石鹸等のクレンジング化粧料の化粧料用組成物として多用される。
しかしながら、マカデミアナッツ油の主成分である不飽和脂肪酸は酸化安定性に劣ることが問題である。酸化したマカデミアナッツ油を含む化粧料用組成物は、前記保湿性及び使用感に劣る。
また、前記PDOジイソステアレートを構成する脂肪酸であるイソステアリン酸は、飽和脂肪酸であるため、酸化安定性に優れる。
したがって、本発明の第三の態様の化粧料用組成物であるPDOジイソステアレートを含む化粧料用組成物は、マカデミアナッツ油を含む化粧料用組成物の代替品として有用である。
すなわち、本発明の第三の態様のPDO−C8/C10ジエステルを含有する化粧料用組成物を、油溶性着色剤の除去を目的とした化粧料に用いた場合、従来の化粧料用組成物よりも洗浄性(油溶性着色剤の除去性)及び低刺激性(油溶性着色剤の付着面を損なわないこと)に優れる。
上記範囲の含有割合であることにより、前記化粧料用組成物を含む、油溶性着色剤の除去剤の洗浄性及び低刺激性をより高めることができる。
すなわち、本発明の第三の態様のPDO−C8/C10ジエステルを含有する化粧料用組成物を、油性ペンのインキ除去を目的とした化粧料に用いた場合、従来の化粧料組成物よりも洗浄性(インキ除去性)及び低刺激性(油性ペンで描かれた面を損なわないこと)に優れる。
上記範囲の含有割合であることにより、前記化粧料用組成物を含む、油性ペンのインキ除去剤の洗浄性及び低刺激性をより高めることができる。
本発明の第四の態様である化粧料としては、前記本発明の第三の態様の化粧料用組成物を含むものであれば特に制限されず、例えば前記クレンジング化粧料及び前記保湿化粧料が好ましいものとして挙げられ、さらに、前記油溶性着色剤を除去する目的で使用される化粧料及び前記油性ペンのインキを除去する目的で使用される化粧料が好ましいものとして挙げられる。
また、本発明の第四の態様である化粧料としては、本発明の第一の態様の化粧料と同様のものが好ましい。
また、前記親水性溶液には、必要に応じて、あらかじめ補助成分を溶解又は分散させることができる。この場合、前記補助成分があらかじめ溶解又は分散された親水性溶液に、前記本発明の第三の態様の化粧料用組成物を添加して、水中油型(O/W)乳化化粧料にすることによって、本発明の第五の態様である化粧料を製造することが好ましい。
前記親水性溶液中の精製水の含有割合としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、1〜99.5質量%が好ましく、1〜95質量%がより好ましく、1〜90質量%がさらに好ましい。上記範囲で精製水を含有する場合、前記親水性溶液中に、必要に応じて、補助成分を添加することができる。
前記工業用クレンザーが、n−オクタン酸残基及びn−デカン酸残基を有する1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステル(以下、PDO−C8/C10ジエステルと略記する場合がある。)を含むことにより、前記工業用クレンザーの洗浄性及び低侵食性をより高めることができる。
前記他の成分としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に制限されず、通常の工業用クレンザーに使用される公知の成分、例えば、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、油剤、アルカリ剤、粉末成分、粘度調整剤、ゲル化剤、金属封鎖剤、防腐剤、香料、pH調整剤、又は色素等が好ましい。
ゲル化剤としては、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、及び(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10、脂肪酸金属塩、ヒドロキシステアリン酸、デキストリン脂肪酸エステル、イヌリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アシル化セルビオース、ジベンジリデンモノソルビトール、アミノ酸系ゲル化剤、無水ケイ酸、有機変性粘土鉱物、煙霧状シリカ、アルミナ、架橋型オルガノポリシロキサン、ポリエチレンワックスやパラフィンワックスのような炭化水素ワックス、カルナウバワックスやキャンデリラワックスのような植物性ワックス、寒天、ゼラチン等が挙げられる。
pH調整剤としては、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びトリエタノールアミン等が挙げられる。
色素としては、青色1号、青色204号、赤色3号、及び黄色201号等が挙げられる。
すなわち、本発明の第六の態様の工業用クレンザーを、油溶性着色剤の除去剤として用いた場合、従来の工業用クレンザーよりも洗浄性(油溶性着色剤の除去性)及び低侵食性(油溶性着色剤の付着面を損なわないこと)に優れる。
上記範囲の含有割合であることにより、前記工業用クレンザーの油溶性着色剤の除去剤としての洗浄性及び低侵食性をより高めることができる。
上記範囲の含有割合であることにより、前記乳化された工業用クレンザーの油溶性着色剤の除去剤としての洗浄性及び低侵食性をより高めることができる。
すなわち、本発明の第六の態様の前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを含む工業用クレンザーを、油性ペンのインキ除去剤として用いた場合、従来の工業用クレンザー等よりも洗浄性(インキ除去性)及び低侵食性(油性ペンで描かれた面を損なわないこと)に優れる。
上記範囲の含有割合であることにより、前記工業用クレンザーの油性ペンのインキ除去剤としての洗浄性及び低侵食性をより高めることができる。
上記範囲の含有割合であることにより、前記乳化された工業用クレンザーの油溶性着色剤の除去剤としての洗浄性及び低侵食性をより高めることができる。
前記親水性溶液中の精製水の含有割合としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、100質量%であってもよいが、1〜99.5質量%が好ましく、1〜95質量%がより好ましく、1〜90質量%がさらに好ましい。上記範囲で精製水を含有する場合、前記親水性溶液中に、必要に応じて、補助成分を添加しても良い。
また、前記親油性溶液には、前記本発明の第三の態様の化粧料用組成物があらかじめ溶解又は分散された親油性溶液に、必要に応じて、補助成分があらかじめ溶解又は分散された親水性溶液を添加して、油中水型(W/O)乳化化粧料にすることによって、本発明の第五の態様である化粧料を製造することが好ましい。この場合、必要に応じて、あらかじめ補助成分を本発明の第三の態様の化粧料用組成物が溶解又は分散された親油性溶液に溶解又は分散させても良い。
前記親水性溶液中の精製水の含有割合としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、1〜99.5質量%が好ましく、1〜95質量%がより好ましく、1〜90質量%がさらに好ましい。上記範囲で精製水を含有する場合、前記親水性溶液中に、必要に応じて、補助成分を添加することができる。
イソステアリン酸の粘度はストレス制御式レオメーター(HAAKE社製;レオストレスRS1型)にて、ローターC60/2 Tiをもちいて10℃で測定した。
攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管及び水分分離機を備えた1Lの四つ口フラスコに、微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}79g(1.04mol)と、ナタネ等の植物由来のイソステアリン酸{製品名:EMERSOL 875(コグニス社製;粘度 103mPa・s(10℃、10Pa))621g(2.13mol)とを仕込み、窒素気流下、生成した水を除去しながら220℃の温度で9時間反応させ、過剰の脂肪酸を減圧にて除去し、脱色、脱臭を行い、PDOジイソステアレート490g(収率70%)を得た。
得られたPDOジイソステアレートの純度は、ガスクロマトグラフィ(GC−2010 カラム;DB−5HT 検出器;FID 株式会社島津製作所社製)で確認した。
得られたPDOジイソステアレートは本発明で使用される。
攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管及び水分分離機を備えた1Lの四つ口フラスコに、微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}130g(1.71mol)、パーム核由来のn−オクタン酸(カプリル酸)(和光純薬工業株式会社製)407g(2.83mol)、及びパーム核由来のn−デカン酸(カプリン酸)(和光純薬工業株式会社製)163g(0.92mol)を仕込み、窒素気流下、生成した水を除去しながら220℃の温度で7時間反応させ、過剰の脂肪酸を減圧にて除去し、脱色、脱臭を行い、PDO−C8/C10ジエステル420g(収率60%)を得た。
得られたPDO−C8/C10ジエステルの純度は、ガスクロマトグラフィ(GC−2010 カラム;DB−5HT 検出器;FID 株式会社島津製作所社製)で確認した。
その結果、PDO−C8/C10ジエステルを構成する脂肪酸のn−オクタン酸とn−デカン酸との質量比は3:1であった。
攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管及び水分分離機を備えた1Lの四つ口フラスコに、微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}79g(1.04mol)と、2−(4,4−ジメチルペンタン−2−イル)−5,7,7−トリメチルオクタン酸を主成分とするイソステアリン酸(以下、多分岐イソステアリン酸という場合がある){製品名:イソステアリン酸(日産化学社製;粘度 8100mPa・s(10℃、10Pa))}621g(2.13mol)とを仕込み、窒素気流下、生成した水を除去しながら220℃の温度で9時間反応させ、過剰の脂肪酸を減圧にて除去し、脱色、脱臭を行い、PDO多分岐ジイソステアレート434g(収率62%)を得た。
攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管及び水分分離機を備えた1Lの四つ口フラスコに、微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}79g(1.04mol)と、2−ヘキシル−ドデカン酸及び2−ヘプチルーデカン酸を主成分とするイソステアリン酸(以下、ガーベットイソステアリン酸という場合がある){製品名:イソステアリン酸T(日産化学社製;粘度 98mPa・s(10℃、10Pa))}621g(2.13mol)とを仕込み、窒素気流下、生成した水を除去しながら220℃の温度で9時間反応させ、過剰の脂肪酸を減圧にて除去し、脱色、脱臭を行い、PDOジイソステアレート(PDO−ガーベットイソステアリン酸ジエステル)455g(収率65%)を得た。
攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管及び水分分離機を備えた1Lの四つ口フラスコに、微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}79g(1.04mol)と、ステアリン酸(和光純薬工業株式会社製)621g(2.13mol)とを仕込み、窒素気流下、生成した水を除去しながら220℃の温度で9時間反応させ、過剰の脂肪酸を減圧にて除去し、脱色、脱臭を行い、PDOジステアレート455g(収率65%)を得た。
攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管及び水分分離機を備えた1Lの四つ口フラスコに、微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}76g(1.00mol)、パーム核由来のn−オクタン酸(カプリル酸)(和光純薬工業株式会社製)302.4g(2.10mol)を仕込み、窒素気流下、生成した水を除去しながら200℃の温度で5時間反応させ、過剰の脂肪酸を減圧にて除去し、脱色、脱臭を行い、PDO−C8ジエステル275g(収率82.8%)を得た。
得られたPDO−C8ジエステルの純度は、ガスクロマトグラフィ(GC−2010 カラム;DB−5HT 検出器;FID 株式会社島津製作所社製)で確認した。
攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管及び水分分離機を備えた1Lの四つ口フラスコに、微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}76g(1.00mol)、パーム核由来のn−オクタン酸(カプリル酸)(和光純薬工業株式会社製)172.8g(1.2mol)、及びパーム核由来のn−デカン酸(カプリン酸)(和光純薬工業株式会社製)206.4g(1.2mol)を仕込み、窒素気流下、生成した水を除去しながら220℃の温度で7時間反応させ、過剰の脂肪酸を減圧にて除去し、脱色、脱臭を行い、PDO−C8/C10ジエステル290g(収率81.5%)を得た。
得られたPDO−C8/C10ジエステルの純度は、ガスクロマトグラフィ(GC−2010 カラム;DB−5HT 検出器;FID 株式会社島津製作所社製)で確認した。その結果、PDO−C8/C10ジエステルを構成する脂肪酸のn−オクタン酸とn−デカン酸との質量比は1:1であった。
攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管及び水分分離機を備えた1Lの四つ口フラスコに、微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}76g(1.00mol)、パーム核由来のn−オクタン酸(カプリル酸)(和光純薬工業株式会社製)79.2g(0.55mol)、及びパーム核由来のn−デカン酸(カプリン酸)(和光純薬工業株式会社製)283.8g(1.65mol)を仕込み、窒素気流下、生成した水を除去しながら220℃の温度で7時間反応させ、過剰の脂肪酸を減圧にて除去し、脱色、脱臭を行い、PDO−C8/C10ジエステル295g(収率82.9%)を得た。
得られたPDO−C8/C10ジエステルの純度は、ガスクロマトグラフィ(GC−2010 カラム;DB−5HT 検出器;FID 株式会社島津製作所社製)で確認した。その結果、PDO−C8/C10ジエステルを構成する脂肪酸のn−オクタン酸とn−デカン酸との質量比は1:3であった。
攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管及び水分分離機を備えた1Lの四つ口フラスコに、微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}76g(1.00mol)、パーム核由来のパーム核由来のn−デカン酸(カプリン酸)(和光純薬工業株式会社製)361.2g(2.10mol)を仕込み、窒素気流下、生成した水を除去しながら220℃の温度で7時間反応させ、過剰の脂肪酸を減圧にて除去し、脱色、脱臭を行い、PDO−C10ジエステル295g(収率76.0%)を得た。
得られたPDO−C10ジエステルの純度は、ガスクロマトグラフィ(GC−2010 カラム;DB−5HT 検出器;FID 株式会社島津製作所社製)で確認した。
実施例1〜5及び1A〜1Cにおいて、合成例2で得たPDO−C8/C10ジエステル、大豆由来の水添レシチン{製品名:ベイシスLS−60HR(日清オイリオグループ株式会社製)}、ヤシ由来のグリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{製品名:Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}、精製水、及びヤシもしくはパーム核由来のラウリン酸ポリグリセリル(ポリグリセリンの平均重合度は10、ケン化価は35〜75){製品名:サンソフトQ−12S(太陽化学株式会社製)}を、表1〜表4に示す質量部で混合し、成分A及び成分Bを調製した。
実施例1D〜1Kにおいては、合成例2、7若しくは8で得たPDO−C8/C10ジエステル、合成例6で得たPDO−C8ジエステル、又は合成例9で得たPDO−C10ジエステルを使用した。
また、比較例1及び1A〜1Cにおいては、前記PDO−C8/C10ジエステルに代えて、化石燃料由来のイソノナン酸イソノニル{製品名:サラコス99(日清オイリオグループ株式会社製)}を使用した。
<化粧料1tを燃焼させた際に環境に排出されるCO2量(kg)>
化粧料1tを燃焼させた際に環境に排出されるCO2量は、以下の式に従い、化石燃料に由来する原料を基準に算出した(植物及び微生物由来の原料については、カーボンニュートラルの概念から±0とした)。
化粧料1tを燃焼させた際に環境に排出されるCO2量(kg)=
(化石燃料に由来する原料の配合量÷当該原料の分子量)×当該原料の炭素数×44(二酸化炭素の分子量)
7人のパネラーの腕の内側を石鹸及び水洗いで洗浄し、さらに洗浄した面をエタノールで拭いて、自然乾燥させた。その後、シリコーン類を含有する化粧料(口紅){製品名:HYDRABASE No.23(シャネル社製)}を用いて、洗浄した腕の内側の面に線を描いた。つぎに、描いた線を20等分して20の領域に分け、各領域を実施例1〜5及び1A〜1C、又は比較例1及び1A〜1Cのクレンジングジェルを滴らない程度に含ませた脱脂綿を用いて、約200gの荷重をかけながら30往復擦った。このクレンジングによって、落とすことができた前記シリコーン類を含有する化粧料の線の割合から、各クレンジングジェルの洗浄性を以下の基準で評価した。その平均の結果を表1〜表4に示す。
また、上記クレンジングの過程において、各クレンジングジェルの低刺激性を以下の基準で評価した。その平均の結果を表1〜表4に併記する。
◎:洗浄性が高く、シリコーン類を含有する化粧料で皮膚に描いた線を75〜100%の割合で洗い落とすことができた。
○:洗浄性が比較的高く、シリコーン類を含有する化粧料で皮膚に描いた線を50〜75%の割合で洗い落とすことができた。
△:洗浄力はあるが、シリコーン類を含有する化粧料で皮膚に描いた線を25〜50%の割合でしか洗い落とせなかった。
×:洗浄力が弱く、シリコーン類を含有する化粧料で皮膚に描いた線を0〜25%の割合でしか洗い落とせなかった。
A:ヒリヒリする刺激はほとんど感じなかった。
B:ヒリヒリする刺激が感じられた。
実施例6〜8及び6A〜6Dにおいて、合成例1で得たPDOジイソステアレート、大豆由来の水添レシチン{製品名:ベイシスLS−60HR(日清オイリオグループ株式会社製)}、ヤシ由来のグリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{製品名:Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}、及び精製水を表5及び表6に示す質量部で混合し、成分A及び成分Bを調製した。
また、比較例2及び2A〜2Cにおいては、前記PDOジイソステアレートに代えて、化石燃料由来の流動パラフィン(ナカライテスク株式会社製)、合成例3で得たPDO多分岐ジイソステアレート、合成例4で得たPDO−ガーベットイソステアリン酸ジエステル又は精製マカデミアナッツ油(横関油脂工業株式会社製)を、それぞれ使用した。
7人のパネラーの腕の内側を石鹸及び水洗いで洗浄し、さらに洗浄した面をエタノールで拭いて、自然乾燥させた。その後、前記洗浄した面を11等分した11の領域に、実施例6〜8及び6A〜6D、並びに比較例2及び2A〜2Cの保湿ジェルをそれぞれ0.05g塗布して、指で10回軽く擦った後、乾いた布で拭き取った。この拭き取り後に、各保湿ジェルの保湿性、使用感及び安定性を以下の基準で評価した。その平均の結果を表5及び表6に併記する。
○:非常にしっとりとした保湿感が感じられた。
△:しっとりとした保湿感が感じられた。
×:保湿感は感じられなかった。
○:ベタツキのない使用感であった。
△:かすかにベタツキが感じられた。
×:ベタツキが感じられる使用感であった。
○:50℃1週間保存後に臭気が認められなかった。
×:50℃1週間保存後に臭気が認められた。
さらに、本発明にかかる実施例6〜8及び6A〜6Dの保湿ジェルは、マカデミアナッツ油を用いた場合と同等の保湿性及び/又は使用感を有し、より安定性が高いことが明らかである。
実施例9〜11及び9A〜9Dにおいて、合成例1で得たPDOジイソステアレート、大豆由来の水添レシチン{製品名:ベイシスLS−60HR(日清オイリオグループ株式会社製)}、ヤシ由来のグリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{製品名:Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}、精製水、及びクインスシードパウダー{製品名:クインスシードパウダー(太陽化学株式会社製)}を表7及び表8に示す質量部で混合し、成分A、成分B、及び成分Cを調製した。
また、比較例3及び3A〜3Cにおいては、前記PDOジイソステアレートに代えて、化石燃料由来の流動パラフィン(ナカライテスク株式会社製)、合成例3で得たPDO多分岐ジイソステアレート、合成例4で得たPDO−ガーベットイソステアリン酸ジエステル又は精製マカデミアナッツ油(横関油脂工業株式会社製)を、それぞれ使用した。
さらに、本発明にかかる実施例9〜11及び9A〜9Dの保湿乳液は、マカデミアナッツ油を用いた場合と同等の保湿性及び/又は使用感を有し、より安定性が高いことが明らかである。
実施例12において、合成例1で得たPDOジイソステアレートを保湿化粧料(マッサージオイル)の化粧料用組成物(保湿成分)として使用し、その保湿性及び使用感を評価した。
比較例4〜7として、比較例4:精製マカデミアナッツ油(横関油脂工業株式会社製)、比較例5:スクワラン(和光純薬工業株式会社製)、比較例6:メドウフォーム油(Natural Plant Products LCC社製)、比較例7:水添ポリデセン(日清オイリオグループ株式会社製)をそれぞれ使用した。
追加の比較例として、比較例4A:合成例5で得たPDOジステアレート、比較例4B:合成例3で得たPDO多分岐ジイソステアレート、比較例4C:合成例4で得たPDO−ガーベットイソステアリン酸ジエステルをそれぞれ使用した。
その平均の結果を表9及び表10に併記する。
粘度の測定は、ストレス制御式レオメーター{型番:RheoStress RS1; センサー:C60/2 Ti(HAAKE社製)}を使用して、20℃にて測定した。
摩擦係数は、人工皮革{製品名:サプラーレ(出光テクノファイン株式会社製)}の表面に各化粧料用組成物を5μL塗布して、摩擦係数測定機{型番:TL201Ts(トリニティラボ社製)}を使用して、100gの荷重をかけながら塗布面の摩擦係数及び摩擦係数の変動値を測定した。その結果を表11及び表12に示す。
実施例13において、合成例2で得たPDO−C8/C10ジエステルを、皮膚における油性ペンのインキ除去を目的とした化粧料の化粧料用組成物(インキ除去成分)としての洗浄性及び低刺激性を評価した。
実施例13A〜13Dにおいて、合成例2で得たPDO−C8/C10ジエステルに代えて、合成例6で得たPDO−C8ジエステル、合成例7で得たPDO−C8/C10=50:50ジエステル、合成例8で得たPDO−C8/C10=25:75ジエステル又は合成例9で得たPDO−C10ジエステルをそれぞれ使用して、実施例13と同様に皮膚における油性ペンのインキ除去における洗浄性及び低刺激性を評価した。
比較例8〜9として、比較例8:化石燃料由来のイソノナン酸イソノニル(日清オイリオグループ株式会社製)、比較例9:流動パラフィン(ナカライテスク株式会社製)をそれぞれ使用した。
◎:洗浄性が高く、油性ペンで皮膚に描いた線を75〜100%の割合で除去することができた。
○:洗浄性が比較的高く、油性ペンで皮膚に描いた線を50〜75%の割合で除去することができた。
△:洗浄力はあるが、油性ペンで皮膚に描いた線を25〜50%の割合でしか除去することができなかった。
×:洗浄力が弱く、油性ペンで皮膚に描いた線を0〜25%の割合でしか除去することができなかった。
7人のパネラーの腕の内側を石鹸及び水洗いで洗浄し、さらに洗浄した面をエタノールで拭いて、自然乾燥させた。つぎに、前記洗浄した面を7等分した7つの領域に、フィンチャンバー(EPITEST Ltd.Oy社製)を用いて、実施例13及び13A〜13D並びに比較例8〜9の化粧料用組成物をそれぞれ0.01g閉塞貼付した。その後、24時間経過時点でフィンチャンバー及び前記化粧料用組成物を除去し、1時間後の皮膚の状態を観察した。その平均の結果を表14に併記する。
各化粧料用組成物のインキ除去成分としての低刺激性を以下の基準で評価した。
○:閉塞添付した箇所の皮膚には変化が見られなかった。
△:閉塞添付した箇所の皮膚にわずかな紅斑がみられた。
×:閉塞添付した箇所の皮膚に顕著な紅斑がみられた。
実施例14において、合成例2で得たPDO−C8/C10ジエステルを、塗装鋼板における工業用クレンザー(油溶性着色剤の除去剤)として使用し、その洗浄性及び低侵食性を評価した。
実施例14A〜14Bにおいて、合成例2で得たPDO−C8/C10ジエステルに代えて、合成例7で得たPDO−C8/C10=50:50ジエステル、又は合成例8で得たPDO−C8/C10=25:75ジエステルをそれぞれ使用して、実施例14と同様に塗装鋼板における工業用クレンザー(油溶性着色剤の除去剤)として使用し、その洗浄性及び低侵食性を評価した。
比較例10〜11及び11A〜11Bとして、比較例10:化石燃料由来のエタノール(和光純薬社工業株式会社製)、比較例11:化石燃料由来のミネラルスピリットA(新日本石油株式会社製)、比較例11A:合成例6で得たPDO−C8ジエステル、比較例11B:合成例9で得たPDO−C10ジエステルをそれぞれ使用した。
まず、電気亜鉛メッキ鋼板に、市販の自動車用塗料のプライマリーサーフェイサー{製品名:プライマー シロ(武蔵ホルト株式会社製)}、自動車用白色塗装料{製品名:アンチラストペイント (カラーNo.041)(武蔵ホルト株式会社製)}、及びクリア塗料{製品名:上塗りクリア(武蔵ホルト株式会社製)}を、各製品の使用方法に従ってスプレー塗装し、25℃で24時間乾燥させて、試験用の塗装鋼板とした。
つぎに、黒色の油性ペン{製品名:マッキーケア(ゼブラ株式会社製)}を用いて、前記塗装鋼板の表面に線を描き、25℃で24時間乾燥させた。
つづいて、描いた線を7等分して7つの領域に分け、各領域を実施例14及び14A〜14Bの工業用クレンザー又は比較例10〜11及び11A〜11Bの油剤を滴らない程度に含ませた脱脂綿を用いて、約200gの荷重をかけながら30往復擦った。この除去操作によって、除去することができた前記油性ペンで描いた線のインキの割合から、実施例14及び14A〜14Bの工業用クレンザー又は比較例10〜11及び11A〜11Bの油剤のインキ除去剤としての洗浄性を目視によって以下の基準で評価した。その結果を表15に示す。
◎:洗浄性が高く、油性ペンで塗装鋼板に描いた線を75〜100%の割合で除去することができた。
○:洗浄性が比較的高く、油性ペンで塗装鋼板に描いた線を50〜75%の割合で除去することができた。
△:洗浄力はあるが、油性ペンで塗装鋼板に描いた線を25〜50%の割合でしか除去することができなかった。
×:洗浄力が弱く、油性ペンで塗装鋼板に描いた線を0〜25%の割合でしか除去することができなかった。
実施例14及び14A〜14Bの工業用クレンザー又は比較例10〜11及び11A〜11Bの油剤を滴らない程度に含ませた脱脂綿を、前記試験用の塗装鋼板の塗装表面上に6時間静置した。その後、前記脱脂綿を取り除き、前記塗装表面の侵食を目視によって以下の基準で評価した。
その結果を表15に併記する。
○:塗装面に変化はなかった。
△:塗装面の塗料が少し侵食され、塗装面に凹凸が少し生じた。
×:塗装面の塗料が激しく侵食され、塗装面に凹凸が生じた。
合成例2で得たPDO−C8/C10ジエステルを含む工業用クレンザーを、塗装鋼板における油溶性着色剤の除去剤(マジックインキ除去剤)として使用し、その洗浄性及び低侵食性を評価した。
また、比較例12及び12A〜13Bにおいては、前記PDO−C8/C10ジエステルに代えて、化石燃料由来のエタノール(和光純薬工業株式会社製)又は化石燃料由来のミネラルスピリットA(新日本石油株式会社製)を、それぞれ使用した。
工業用クレンザー1tを燃焼させた際に環境に排出されるCO2量(kg)については、実施例1の化粧料1tを燃焼させた際に環境に排出されるCO2量(kg)と同様に算出した。
その結果を表16及び表17に示す。
合成例2で得たPDO−C8/C10ジエステルを含む工業用クレンザーを、塗装鋼板における油溶性着色剤の除去剤(マジックインキ除去剤)として使用し、その洗浄性及び低侵食性を評価した。
また、比較例14〜15及び14A〜15Cにおいては、前記PDO−C8/C10ジエステルに代えて、化石燃料由来のエタノール(和光純薬社工業株式会社製)又は化石燃料由来のミネラルスピリットA(新日本石油株式会社製)を、それぞれ使用した。
工業用クレンザー1tを燃焼させた際に環境に排出されるCO2量(kg)については、実施例1の化粧料1tを燃焼させた際に環境に排出されるCO2量(kg)と同様に算出した。
黒色の油性ペン{製品名:マッキーケア(ゼブラ株式会社製)}を用いて、前記試験用の塗装鋼板の表面に線を描き、25℃で24時間乾燥させた。
つぎに、前記工業用クレンザーを充填したエアゾール缶を噴射して、脱脂綿に滴らない程度に含ませた。つづいて、前記描いた線を10等分して10の領域に分け、各領域を実施例16及び16A〜16Bの工業用クレンザー又は比較例14〜15及び14A〜15Cの工業用クレンザーを滴らない程度に含ませた脱脂綿を用いて、約200gの荷重をかけながら30往復擦った。この除去操作によって、除去することができた前記油性ペンで描いた線のインキの割合から、各工業用クレンザーの前記油溶性着色剤の除去剤としての洗浄性を、前述の実施例15の工業用クレンザーと同じ基準で評価した。その結果を表18及び表19に示す。
実施例16及び16A〜16B又は比較例14〜15及び14A〜15Cの工業用クレンザーを充填したエアゾール缶を噴射して、脱脂綿に滴らない程度に含ませた。各工業用クレンザーを含んだ脱脂綿を、前記試験用の塗装鋼板の塗装表面上に6時間静置した。その後、前記脱脂綿を取り除き、前記塗装表面の侵食を、前述の実施例15の工業用クレンザーと同じ基準で評価した。
その結果を表18及び表19に併記する。
実施例17〜21において、合成例1で得たPDOジイソステアレート、大豆由来の水添レシチン{製品名:ベイシスLS−60HR(日清オイリオグループ株式会社製)}、ヤシ由来のグリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{製品名:Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}、及び精製水を表20に示す質量部で混合し、成分A及び成分Bを調製した。
また、比較例16〜18においては、前記PDOジイソステアレートに代えて、合成例3で得たPDO多分岐ジイソステアレート、合成例4で得たPDO−ガーベットイソステアリン酸ジエステル又は化石燃料由来の水添ポリデセン{製品名:ノムコートHP−100(日清オイリオグループ株式会社製)を、それぞれ使用した。
7人のパネラーの腕の内側を石鹸及び水洗いで洗浄し、さらに洗浄した面をエタノールで拭いて、自然乾燥させた。その後、前記洗浄した面を8等分した8つの領域に、実施例17〜21、及び比較例16〜18のマッサージジェルをそれぞれ0.05g塗布して、指で10回軽く擦った後、乾いた布で拭き取った。この拭き取り後に、各マッサージジェルの保湿性及び使用感を以下の基準で評価した。その平均の結果を表20に併記する。
○:非常にしっとりとした保湿感が感じられた。
△:しっとりとした保湿感が感じられた。
×:保湿感が感じられなかった。
○:ベタツキのない使用感であった。
△:かすかにベタツキが感じられた。
×:ベタツキが感じられる使用感であった。
化粧料1tを燃焼させた際に環境に排出されるCO2量は、以下の式に従い、化石燃料に由来する原料を基準に算出した(植物及び微生物由来の原料については、カーボンニュートラルの概念から±0とした)。
化粧料1tを燃焼させた際に環境に排出されるCO2量(kg)=
(化石燃料に由来する原料の配合量÷当該原料の分子量)×当該原料の炭素数×44(二酸化炭素の分子量)
実施例22〜26において、合成例1で得たPDOジイソステアレート、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル{製品名:ノムコートHK−G(日清オイリオグループ株式会社製)}、(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10{製品名:ノムコートHK−P(日清オイリオグループ株式会社製)}、ヤシ由来のグリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{製品名:Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}、ジグリセリン、及び精製水を表21に示す質量部で混合し、成分A及び成分Bを調製した。
また、比較例19〜20においては、前記PDOジイソステアレートに代えて、合成例3で得たPDO多分岐ジイソステアレート、合成例4で得たPDO−ガーベットイソステアリン酸ジエステル又は化石燃料由来の水添ポリデセン{製品名:ノムコートHP−100(日清オイリオグループ株式会社製)}を使用した。
7人のパネラーの唇を石鹸及び水洗いで洗浄し、自然乾燥させた。その後、実施例22〜26、及び比較例19〜21の保湿リップバームの内一種を0.05g塗布して、指で10回軽く擦った。この塗布後に、保湿リップバームの保湿性及び使用感を以下の基準で評価した。なお全ての実施例及び比較例は1時間ずつ間隔をおいて評価した。その平均の結果を表21に併記する。
○:非常にしっとりとした保湿感が感じられた。
△:しっとりとした保湿感が感じられた。
×:保湿感は感じられなかった。
○:ベタツキのない使用感であった。
△:かすかにベタツキが感じられた。
×:ベタツキが感じられる使用感であった。
○:50℃1ヶ月保存後に臭気が認められなかった。
×:50℃1ヶ月保存後に臭気が認められた。
実施例27において、合成例2で得たPDO−C8/C10ジエステル、大豆由来の水添レシチン{製品名:ベイシスLS−60HR(日清オイリオグループ株式会社製)}、ヤシ由来のグリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{製品名:Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}、精製水、及びクインスシードパウダー{製品名:クインスシードパウダー(太陽化学株式会社製)}を表22に示す質量部で混合し、成分A、成分B、及び成分Cを調製した。
また、比較例22〜27においては、前記PDO−C8/C10ジエステルに代えて、化石燃料由来のイソノナン酸イソノニル{製品名:サラコス99(日清オイリオグループ株式会社製)}、又は鉱物を起源とする、以下のシリコーンオイル{※(信越化学工業社製)}を、それぞれ使用した。
※デカメチルシクロペンタシロキサン(製品名:KF−995);
メチルポリシロキサン5cs(製品名:KF−96A−5cs);
メチルポリシロキサン10cs(製品名:KF−96A−10cs);
メチルポリシロキサン50cs(製品名:KF−96A−50cs);
メチルポリシロキサン100cs(製品名:KF−96A−100cs)
得られた保湿乳液の塗布時の使用感、塗布後30分後のベタツキ感(肌なじみの良さ)、化粧料の保存安定性及び低刺激性を次のように評価した。
10人のパネラーの腕の内側を石鹸及び水洗いで洗浄し、自然乾燥させた。その後、実施例27、及び比較例22〜27の保湿乳液の内一種を0.1g塗布して、指で10回軽く擦った。この塗布時に、保湿乳液の使用感を以下の基準で評価した。さらに、塗布後30分後に、塗布部分のベタツキ感および低刺激性を以下の基準で評価した。なお全ての実施例及び比較例は1時間ずつ間隔をおいて評価した。また、化粧料の保存安定性は調製した化粧料を50℃の恒温槽に2週間静置し外観の性状を目視にて確認した。
その平均の結果を表22に併記する。
◎:非常に軽い感触で伸びがよく、塗布時に非常に滑らかであった。
○:非常に軽い感触だが、塗布時にざらつきのある抵抗感を感じた。
△:重い感触で、塗布時の伸びは悪かった。
◎:ベタツキのない使用感であった。
○:微かなベタツキが感じられる使用感であった。
△:顕著なベタツキが感じられる使用感であった。
○:50℃、2週間の保存安定性加速試験において、性状に変化は認められなかった。
△:50℃、2週間の保存安定性加速試験において、わずかな離油・離水が認められた。
×:50℃、2週間の保存安定性加速試験において、乳化系が破壊され層分離が認められた。
A:ヒリヒリする刺激はほとんど感じなかった。
B:ヒリヒリする刺激が感じられた。
実施例28において、合成例2で得たPDO−C8/C10ジエステル、乳化剤としては微生物発酵由来のトレハロース及び植物由来のイソステアリン酸からなるイソステアリン酸トレハロースエステルズ{製品名:ノムコートTQ−5(日清オイリオグループ株式会社製)}、水相成分として微生物発酵由来の1,3−プロパンジオール{製品名:Zemea propanediol(DuPont Tate & Lyle BioProducts製)}、精製水、及び乳化安定剤として塩化ナトリウム(和光純薬工業社製)を表23に示す質量部で混合し、成分A、及び成分Bを調製した。
また、比較例28〜30においては、前記PDO−C8/C10ジエステルに代えて、デカメチルシクロペンタシロキサン{製品名:KF−995(信越化学工業社製)}、メチルポリシロキサン10cs{製品名:KF−96A−10cs(信越化学工業社製)}又はメチルポリシロキサン100cs{製品名:KF−96A−100cs(信越化学工業社製)}をそれぞれ用い、乳化剤としてイソステアリン酸トレハロースエステルズに代えて、セチルジメチコンコポリオール{製品名:ABIL EM−90(EVONIC社製)}を使用して成分Aを調製した。
実施例29において、前記PDO−C8/C10ジエステルの一部を合成例1で得たPDOジイソステアレートに置き換え成分Aを調製した。
比較例31及び32において、前記デカメチルシクロペンタシロキサンの一部をメチルポリシロキサン{製品名:KF−96A−10cs及びKF−96A−100cs(信越化学工業社製)}に置き換え、成分Aを調製した。
得られた保湿クリームの塗布時の使用感、塗布後30分後のベタツキ感(肌なじみの良さ)及び低刺激性を次のように評価した。
10人のパネラーの腕の内側を石鹸及び水洗いで洗浄し、自然乾燥させた。その後、実施例28〜29、及び比較例28〜32の保湿クリームの内一種を0.05g塗布して、指で10回軽く擦った。この塗布時に、保湿クリームの使用感を以下の基準で評価した。さらに、塗布後30分後に、塗布部分のベタツキ感(肌なじみの良さ)および低刺激性を以下の基準で評価した。なお全ての実施例及び比較例は1時間ずつ間隔をおいて評価した。
その平均の結果を表23に併記する。
◎:非常に軽い感触で伸びがよく、塗布時に非常に滑らかであった。
○:非常に軽い感触だが、塗布時にざらつきのある抵抗感を感じた。
◎:ベタツキのない使用感であった。
○:微かなベタツキが感じられる使用感であった。
A:ヒリヒリする刺激はほとんど感じなかった。
B:ヒリヒリする刺激が感じられた。
Claims (28)
- 乳化剤、1,3−プロパンジオール、及び1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを含有し、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸がイソステアリン酸であって、前記イソステアリン酸が、ステアリン酸の主鎖において、1又は2のメチル基が分岐した構造を有することを特徴とする化粧料。
- 前記1,3−プロパンジオールと前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルとの質量比が3:1〜1:8の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
- 前記イソステアリン酸が以下の性状:10℃においてシェア10Paでの粘度が99〜130mPa・sであり、かつ5℃において液状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料。
- 前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸がイソステアリン酸であり、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを2.0〜75.0質量%の割合で含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧料。
- 前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸がイソステアリン酸であり、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを2.0〜75.0質量%の割合で含有し、かつ前記乳化剤を0.05〜10.0質量%の割合で含有し、かつ前記1,3−プロパンジオールを7.0〜25.0質量%の割合で含有することを特徴とする請求項4に記載の化粧料。
- 前記化粧料がクレンジング化粧料である請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧料。
- 更にポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする請求項6に記載の化粧料。
- 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルがラウリン酸、ミリスチン酸、及びオレイン酸から選ばれる1種又は2種以上の脂肪酸と平均重合度10のポリグリセリンとのエステル化合物であることを特徴とする請求項7に記載の化粧料。
- 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルがラウリン酸と平均重合度10のポリグリセリンとのエステル化合物であり、前記エステル化合物のケン化価が35〜75であることを特徴とする請求項7に記載の化粧料。
- 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを0.05〜10.0質量%の割合で含有することを特徴とする請求項9に記載の化粧料。
- 前記化粧料が保湿化粧料である請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧料。
- 前記化粧料が保湿化粧料であって、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸がイソステアリン酸であり、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを18.0〜60.0質量%の割合で含有し、かつ前記乳化剤を0.5〜5.0質量%の割合で含有し、かつ前記1,3−プロパンジオールを10.0〜20.0質量%の割合で含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧料。
- 前記化粧料が保湿化粧料であって、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸がイソステアリン酸であり、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを5.0〜18.0質量%の割合で含有し、かつ前記乳化剤を0.05〜5.0質量%の割合で含有し、かつ前記1,3−プロパンジオールを3.0〜10.0質量%の割合で含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧料。
- 前記化粧料が保湿化粧料であって、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸がイソステアリン酸であり、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを6.0〜20.0質量%の割合で含有し、かつ前記乳化剤を0.5〜5.0質量%の割合で含有し、かつ前記1,3−プロパンジオールを10.0〜20.0質量%の割合で含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧料。
- 前記化粧料が保湿化粧料であって、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸がイソステアリン酸であり、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを2.0〜30.0質量%の割合で含有し、かつ前記乳化剤を0.05〜5.0質量%の割合で含有し、かつ前記1,3−プロパンジオールを3.0〜10.0質量%の割合で含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧料。
- 前記化粧料が保湿化粧料であって、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸がイソステアリン酸であり、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを8.0〜50.0質量%の割合で含有し、かつ前記乳化剤を0.05〜5.0質量%の割合で含有し、かつ前記1,3−プロパンジオールを3.0〜20.0質量%の割合で含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項にに記載の化粧料。
- 前記化粧料が保湿化粧料であって、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸がイソステアリン酸であり、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを8.0〜60.0質量%の割合で含有し、かつ前記乳化剤を0.05〜5.0質量%の割合で含有し、かつ前記1,3−プロパンジオールを8.0〜25.0質量%の割合で含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項にに記載の化粧料。
- 前記乳化剤が水添レシチンである請求項1〜17のいずれか1項に記載の化粧料。
- 前記化粧料の原料のうち、植物又は微生物発酵由来の原料が5〜100質量%を占めることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の化粧料。
- 前記乳化剤、及び前記1,3−プロパンジオールがあらかじめ溶解又は分散された親水性溶液に、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを添加して、水中油型(O/W)乳化化粧料にすることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の化粧料の製造方法。
- 1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを含む化粧料用組成物であり、前記1,3−プロパンジオールジ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸がイソステアリン酸であって、前記イソステアリン酸が、ステアリン酸の主鎖において、1又は2のメチル基が分岐した構造を有することを特徴とする化粧料用組成物。
- 前記イソステアリン酸が以下の性状:10℃においてシェア10Paでの粘度が99〜130mPa・sであり、かつ5℃において液状であることを特徴とする請求項21に記載の化粧料用組成物。
- 前記化粧料用組成物がクレンジング化粧料用である請求項21又は22に記載の化粧料用組成物。
- 前記化粧料用組成物が保湿化粧料用である請求項21又は22に記載の化粧料用組成物。
- 前記化粧料用組成物がマカデミアナッツ油の代替用である請求項21又は22に記載の化粧料用組成物。
- 前記化粧料用組成物の原料のうち、植物又は微生物発酵由来の原料が5〜100質量%を占めることを特徴とする請求項21〜25のいずれか1項に記載の化粧料用組成物。
- 請求項21〜26のいずれか1項に記載の化粧料用組成物を含むことを特徴とする化粧料。
- 請求項21〜26のいずれか1項に記載の化粧料用組成物を親水性溶液に添加して水中油型(O/W)乳化化粧料にすることを特徴とする化粧料の製造方法。
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