JP5643925B2 - 膨張弁 - Google Patents

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本発明は膨張弁に関し、特に自動車用空調装置の冷凍サイクルで使用されて、常温・高圧の液冷媒を減圧・膨張させて低温・低圧の霧状の冷媒にするとともに、エバポレータ出口での冷媒の蒸発状態が適度な過熱度を持つようにエバポレータに供給する冷媒の流量を調節する機能を持った膨張弁に関する。
自動車用空調装置では、冷媒を密閉配管の中に閉じ込め、冷媒を気体から液体への相変化および液体から気体への相変化を連続して生じさせるときの熱エネルギを利用した冷凍サイクルが用いられている。この冷凍サイクルの中で、常温・高圧の液状冷媒を絞り膨脹させて低温・低圧の液状冷媒にするのが膨張弁である。
図17は従来の膨張弁の構成例を示す中央縦断面図である。
膨張弁100は、コンプレッサ101、コンデンサ102、レシーバ/ドライヤ103およびエバポレータ104を冷媒が循環するように配管することによって冷凍サイクルを構成している。冷媒は、コンプレッサ101によって圧縮されて高温・高圧のガス冷媒となり、コンデンサ102にて熱が放出されることにより凝縮して常温・高圧の液状冷媒になって、レシーバ/ドライヤ103に蓄積される。レシーバ/ドライヤ103により気液分離された液冷媒は、膨張弁100にて絞り膨脹および流量制御が行われて低温・低圧の蒸気状冷媒になる。その蒸気状冷媒は、エバポレータ104にて車室内の空気から熱を吸収することにより蒸発して常温・低圧のガス冷媒となって、コンプレッサ101に戻される。
膨張弁100は、レシーバ/ドライヤ103から液冷媒を受ける高圧入口ポート111を有し、この高圧入口ポート111は、これよりも通路断面積を小さくした冷媒流通孔112を介して弁室113に接続されている。弁室113は、オリフィス114を介して低圧出口ポート115に連通されている。弁室113には、オリフィス114を開閉するボール形状の弁体116が配置され、この弁体116は、バルブサポート117によって支持され、かつ、オリフィス114を閉じる方向に圧縮コイルスプリング118によって付勢されている。
膨張弁100は、また、エバポレータ104の出口に接続される低圧入口ポート119とコンプレッサ101の入口に接続される低圧出口ポート120とを有し、これら低圧入口ポート119および低圧出口ポート120は、冷媒戻り通路121によって連通されている。
膨張弁100の上端部には、パワーエレメント122が設けられている。このパワーエレメント122は、冷媒戻り通路121を流れる冷媒の温度および圧力を感知し、その温度および圧力に応じて中央部が軸方向に変位するダイヤフラム123を有している。このダイヤフラム123の変位は、シャフト124を介して弁体116に伝達されるようになっている。
以上の構成の膨張弁100によれば、高圧入口ポート111に導入された液冷媒は、冷媒流通孔112を介して弁室113に入り、弁体116とその弁座との隙間およびオリフィス114を介して低圧出口ポート115に流れる。その冷媒は、弁体116とその弁座との隙間および狭いオリフィス114を通過して広い低圧出口ポート115に出るときに絞り膨脹されて、低温・低圧の蒸気状冷媒になり、低圧出口ポート115からエバポレータ104に供給される。エバポレータ104にて蒸発されたガス冷媒は、膨張弁100の冷媒戻り通路121を通ってコンプレッサ101に戻される。ガス冷媒が冷媒戻り通路121を通過するとき、その温度および圧力がパワーエレメント122によって検出され、それに応じてダイヤフラム123が変位し、その変位は、シャフト124を介して弁体116に伝達され、弁体116とその弁座との隙間を調整して、エバポレータ104に供給する冷媒の流量を制御する。これにより、エバポレータ104に供給される冷媒は、エバポレータ104の出口における冷媒の過熱度が所定値を維持する流量に制御される。
ところで、自動車用空調装置の起動直後のように、コンデンサ102を出た冷媒が十分に過冷却されていない場合、または、運転停止直後のように、コンデンサ102を熱交換されずに出た冷媒が冷凍サイクル内で均圧になろうとして膨張弁100の側へ流れてきた場合、高圧入口ポート111に導入される冷媒には気泡が混入した気液混合状態になることがある。気泡が混入した液冷媒の場合、その気泡は、膨張弁の中で破裂して騒音を発生することが知られている。これに対し、上記の冷媒流通孔112のように、弁室の前に絞り部を設けて騒音の発生原因である気泡の弁室への進入を防ぐことが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。それでも、弁室に進入した気泡については、弁室に導入される冷媒を圧縮コイルスプリングの線間の隙間を通過させてそこで気泡を微細化させ、それによって気泡が潰れることによる騒音の低減化を図ることも提案されている(たとえば、特許文献2参照)。さらに、弁室から弁部への冷媒通路をテーパ壁にして気泡の衝撃を緩和させ、泡の潰れを防止することで騒音を低減することも知られている(たとえば、特許文献3参照)。
特開平8−159616号公報 特開2008−180475号公報 特開平8−145506号公報
しかしながら、弁室に液冷媒とともに進入した気泡を既存の圧縮コイルスプリングを利用して微細化する構成では、その圧縮コイルスプリングの線間のピッチが弁開度に応じて常に変化しているため、一定の効果を出すことが難しいという問題点がある。また、圧縮コイルスプリングが弁室に導入される冷媒をすべて通過させるように配置されていることはないので、弁室の内壁と圧縮コイルスプリングとの間の隙間を流れてしまう気泡に対しては、微細化されず、騒音が低減されることはない。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、気泡が混じった液冷媒が導入されたときの騒音を低減した膨張弁を提供することを目的とする。
本発明では上記の課題を解決するために、冷媒を絞り膨張させる弁部と、冷媒の圧力および温度に応じて前記弁部の開度を制御するパワーエレメントとを備えた膨張弁において、導入された冷媒の全量が前記弁部に向けて通過する位置に配置され、冷媒に混入した気泡が前記弁部へ流入するのを抑制する気泡流入抑制手段を備え、前記気泡流入抑制手段は、冷媒が導入される弁室にて冷媒の流れを遮るように配置され、通路断面積の小さな複数の通路を有する気泡細分化手段であり、前記気泡細分化手段は、前記弁室に連通するオリフィスに対し開閉自在に弁体を支持するバルブサポートに形成され、中央に前記弁体を載せている環状のばね受け部の外周に配置されて前記通路を構成する複数の切欠き部であることを特徴とする膨張弁が提供される。
このような膨張弁によれば、気泡流入抑制手段である気泡細分化手段が弁部へ流入するすべての冷媒に対して弁部へ流入する気泡を細分化するので、弁部に送られる冷媒に大きな気泡が存在せず、そのため、大きな破裂音は発生しない。しかも、弁部に送られる冷媒に気泡が混入していたとしても、それは、小さな気泡であるため、たとえ途中で破裂したとしても、それによる騒音は極めて小さい。そのため、この膨張弁は、気泡が混入した液冷媒が導入されたとしても、気泡の破裂による騒音を大幅に低減することができる。
上記構成の膨張弁は、導入された冷媒の全量が通過する位置に気泡流入抑制手段を備えたことにより、弁部に送られる冷媒に破裂したときの音が大きい大きな気泡が混入することがなくなり、混入していたとしても、破裂したときの音が極めて小さい小さな気泡であるため、気泡混入時の騒音を大幅に低減することができる。
気泡流入抑制手段として気泡細分化手段を有する膨張弁では、弁室に大きな気泡が進入してきても気泡細分化手段によって細分化されることで、弁部を通過する冷媒の通過音を大幅に低減できるという利点がある。
第1の実施の形態に係る膨張弁の構成例を示す中央縦断面図である。 バルブサポートを示す図であって、(A)はバルブサポートの平面図、(B)は(A)におけるバルブサポートのa−a矢視断面図である。 バルブサポートの変形例を示す図であって、(A)はバルブサポートの平面図、(B)は(A)におけるバルブサポートのb−b矢視断面図である。 第2の実施の形態に係る膨張弁の構成例を示す中央縦断面図である。 第2の実施の形態に係る膨張弁の要部を示す図であって、(A)は気泡細分化部の正面図、(B)は気泡細分化部の中央縦断面図、(C)は図4のc−c矢視断面図である。 第3の実施の形態に係る膨張弁の構成例を示す中央縦断面図である。 図6のd−d矢視断面図である。 第4の実施の形態に係る膨張弁の構成例を示す中央縦断面図である。 歯付きリングの例を示す図であって、(A)は歯付きリングの平面図、(B)は(A)のe−e矢視断面図である。 第1の実施の形態に係る膨張弁を高圧入口ポートのある側から見た側面図である。 第5の実施の形態に係る膨張弁を高圧入口ポートのある側から見た側面図である。 第6の実施の形態に係る膨張弁を示す中央縦断面図である。 第6の実施の形態に係る膨張弁を高圧入口ポートのある側から見た図である。 第7の実施の形態に係る膨張弁を示す中央縦断面図である。 第7の実施の形態に係る膨張弁を高圧入口ポートのある側から見た図である。 第8の実施の形態に係る膨張弁を示す中央縦断面図である。 従来の膨張弁の構成例を示す中央縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、自動車用空調装置の冷凍サイクルで使用され、常温・高圧の液冷媒を減圧・膨張させて低温・低圧の霧状の冷媒にするとともに、エバポレータ出口での冷媒の蒸発状態が適度な過熱度を持つようにエバポレータに供給する冷媒の流量を調節する機能を持った温度式膨張弁に適用した場合を例に図面を参照して詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態に係る膨張弁の構成例を示す中央縦断面図である。
この膨張弁10は、弁部を収容した本体11と冷媒の温度および圧力に応動して弁部を制御するパワーエレメント12とを備えた温度式膨張弁である。本体11には、高圧の冷媒を受ける高圧入口ポート13と、低圧の冷媒を導出する低圧出口ポート14と、エバポレータを出た冷媒を受ける低圧入口ポート15と、冷媒をコンプレッサへ戻す低圧出口ポート16とが設けられている。
高圧入口ポート13は、これよりも通路断面積の小さな冷媒流通孔17を介して円柱状の弁室18に接続されている。弁室18は、オリフィス19を介して低圧出口ポート14に連通されている。オリフィス19の弁室18側の端部は、弁座20になっており、その弁座20に対して着座可能にボール形状の弁体21が弁室18内に配置され、その弁座20と弁体21とオリフィス19とでこの膨張弁10の弁部を構成している。
弁体21は、バルブサポート22によって支持され、このバルブサポート22は、弁体21を弁座20に着座させる方向に弾性体である圧縮コイルスプリング23によって付勢されている。圧縮コイルスプリング23は、そのバルブサポート22とは反対の側が本体11に螺合されているアジャストねじ(付勢力調整部材)24によって受けられており、そのアジャストねじ24の螺入量を調節することで、オリフィス19を閉じる方向にバルブサポート22を付勢するばね荷重が調整される。これによりこの膨張弁10のセット値が調整され、この膨張弁10が制御しようとするエバポレータの出口における冷媒の過熱度が設定されることになる。
膨張弁10の本体11は、また、低圧入口ポート15と低圧出口ポート16との間にこれらを連通する冷媒戻り通路25を有し、図の上端部にはその冷媒戻り通路25を流れる冷媒の温度および圧力を感知するパワーエレメント12が設けられている。パワーエレメント12は、ダイヤフラム26によって仕切られ、内部に所定のガスが封入された感温室27を有し、ダイヤフラム26の図の下面には、ディスク28が配置されている。ディスク28の下方には、ダイヤフラム26の変位を弁体21へ伝達するシャフト29が配置されている。このシャフト29の上部は、冷媒戻り通路25を横切って配置された保持部材30により保持されている。ダイヤフラム26によって仕切られたパワーエレメント12の下側の部屋は、保持部材30の頭部の隙間を介して冷媒戻り通路25と連通して、冷媒戻り通路25を流れる冷媒が導入されるようになっている。また、保持部材30の頭部には、シャフト29に対して横荷重を与えるスプリング31が設けられ、高圧の冷媒が変動することにより弁体21が開閉方向に振動するのを防止している。
以上の構成の膨張弁10によれば、高圧入口ポート13に導入された液冷媒は、冷媒流通孔17を介して弁室18に入り、弁座20と弁体21との間の隙間およびオリフィス19を介して低圧出口ポート14に流れる。このとき、その冷媒は、絞り膨脹されて、低温・低圧の蒸気状冷媒になり、低圧出口ポート14からエバポレータに供給される。エバポレータにて車室内空気との熱交換により蒸発されたガス冷媒は、低圧入口ポート15に入り、冷媒戻り通路25を通って低圧出口ポート16からコンプレッサに戻される。ガス冷媒が冷媒戻り通路25を通過するとき、その温度および圧力がパワーエレメント12によって検出され、それに応じてダイヤフラム26が変位する。そのダイヤフラム26の変位は、ディスク28およびシャフト29を介して弁体21に伝達され、弁体21の弁座20からの弁リフトを調整して、エバポレータに供給する冷媒の流量を制御する。このようにして、膨張弁10は、エバポレータの出口における冷媒の過熱度が所定値を維持するような流量に制御して、エバポレータに供給することになる。
ここで、高圧の冷媒が導入される弁室18の回りの構成部分について詳細に説明する。まず、弁室18内に配置されて弁体21を支持しているバルブサポート22について説明する。
図2はバルブサポートを示す図であって、(A)はバルブサポートの平面図、(B)は(A)におけるバルブサポートのa−a矢視断面図である。
バルブサポート22は、中央の上端に弁体21を載せて支持する筒状部22aと、この筒状部22aの上端より半径方向外側へ延出された環状のばね受け部22bとを有している。このばね受け部22bは、その外周にて複数の切欠き部22cが円周方向に均等配置され、歯車のように形成されている。ばね受け部22bの外径は、圧縮コイルスプリング23によって支えられているバルブサポート22が弁部の開閉方向に変位したとしても、弁室18の内壁にぶつからない程度に弁室18の内径より小さく形成されている。なお、膨張弁10の組み立て作業の効率化を図るために、好ましくは、バルブサポート22および弁体21は、互いに溶接により固着されている。
バルブサポート22は、弁室18の中に配置されると、切欠き部22cが気泡流入抑制手段として機能し、より詳しくは、気泡細分化手段として機能する。すなわち、大きな気泡の混じった冷媒が弁室18に流入してきた場合、液冷媒は、バルブサポート22の切欠き部22cをそのまま通過し、大きな気泡は、その切欠き部22cの大きさに細分化されて通過することになる。気泡は、細分化されていれば、それが破裂して潰れたとしても、それによる騒音は大幅に低減される。
図3はバルブサポートの変形例を示す図であって、(A)はバルブサポートの平面図、(B)は(A)におけるバルブサポートのb−b矢視断面図である。なお、この図3において、図2に示した構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付してある。
この変形例のバルブサポート22によれば、そのばね受け部22bの外周近傍に複数の開口部22dが円周方向に均等に穿設されている。この開口部22dは、バルブサポート22における気泡細分化手段として機能する。すなわち、大きな気泡は、この開口部22dを通過するときに、この開口部22dの大きさに細分化されることになる。
さらに、図1に戻って、弁室18は、バルブサポート22が設置されている位置から弁座20にかけて平面のないR形状のコーナー内壁32にしている。このR形状のコーナー内壁32は、ボールエンドミルによって加工することができる。
オリフィス19および弁座20が形成されている側の弁室18のコーナー内壁32をR形状としたことにより、バルブサポート22の切欠き部22cまたは開口部22dを通過した冷媒が乱れることなく、スムーズにオリフィス19に流れ込むことになる。これにより、オリフィス19に流れ込む手前で冷媒の流れに乱れが発生することがなく、冷媒がコーナー内壁32より剥離することもないので、気泡の発生がなく、そのため、オリフィス19の出口で絞り膨脹された冷媒の乱れが少なくなり、冷媒の流動音を低減させることができる。
図4は第2の実施の形態に係る膨張弁の構成例を示す中央縦断面図、図5は第2の実施の形態に係る膨張弁の要部を示す図であって、(A)は気泡細分化部の正面図、(B)は気泡細分化部の中央縦断面図、(C)は図4のc−c矢視断面図である。なお、この図4において、図1に示した構成要素と同じまたは均等の構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
この実施の形態に係る膨張弁10aでは、冷媒が導入される弁室18に冷媒の流れを遮るように筒状気泡細分化部材33が嵌め込まれている。この筒状気泡細分化部材33は、軸方向両端の端部33a,33bが弁室18の内壁に嵌合される大きさに形成されている。図5の(A)、(B)および(C)に示されるように、筒状気泡細分化部材33の軸方向の中間部33cは、円周方向に溝状に凹設されており、かつ、軸方向に細長い複数のスリット33dが円周方向に均等配置されている。この筒状気泡細分化部材33は、中間部33cが凹設されているので、弁室18に嵌合されると、弁室18の内壁との間に環状通路が形成され、この環状通路には、冷媒流通孔17が接続されている。
高圧入口ポート13に導入された冷媒は、その全量が冷媒流通孔17を介して環状通路に導入され、その環状通路の全周からスリット33dを介して弁体21が配置される空間へ導入され。したがって、高圧入口ポート13に導入された冷媒に大きな気泡が混入していたとしても、そのような気泡は、まず、冷媒流通孔17から環状通路へ流入するのが抑制され、さらに、環状通路へ流入する気泡があったとしても、その気泡は、スリット33dを通過する段階で細分化される。
図6は第3の実施の形態に係る膨張弁の構成例を示す中央縦断面図、図7は図6のd−d矢視断面図である。なお、この図6および図7において、図1に示した構成要素と同じまたは均等の構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
この実施の形態に係る膨張弁10bでは、気泡流入抑制手段としての気泡細分化手段は、弁室18の内壁を内歯車のような形状に形成している。すなわち、弁室18の内壁に軸方向に延びる複数のリブ34を円周方向に均等配置している。これにより、図6に示されるように、弁室18の中では、バルブサポート22の外周面と隣接するリブ34の間の谷とによって通路断面積の小さな通路が形成され、これが気泡細分化手段として機能する。
高圧入口ポート13から冷媒流通孔17を介して弁室18に導入された冷媒は、弁室18の内壁面とバルブサポート22との間を通過するときに、大きな気泡は、その通過が抑制されるとともに小さな気泡に細分化されることになる。
図8は第4の実施の形態に係る膨張弁の構成例を示す中央縦断面図、図9は歯付きリングの例を示す図であって、(A)は歯付きリングの平面図、(B)は(A)のe−e矢視断面図である。なお、この図8において、図1に示した構成要素と同じまたは均等の構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
この実施の形態に係る膨張弁10cでは、1個の別部品を追加することで気泡細分化手段を構成している。すなわち、オリフィス19を開閉するように弁体21を支持しているバルブサポート22とこのバルブサポート22を閉弁方向に付勢している圧縮コイルスプリング23との間に歯付きリング35を配置している。この歯付きリング35は、図9の(A)および(B)に示されるように、リング部35aとその外周に均等配置された複数の突起部35bとを有している。なお、この実施の形態では、歯付きリング35の突起部35bは、先端部が曲げられているが、ストレート形状でもよい。
高圧入口ポート13から冷媒流通孔17を介して弁室18に導入された冷媒は、弁室18の内壁面と歯付きリング35との間を通過するときに、大きな気泡は、その通過が抑制される。同時に、弁室18の内壁と突起部35bの間の谷とによって形成される通路が気泡細分化手段として機能し、大きな気泡を細分化して通過させる。この膨張弁10cは、1個の別部品である歯付きリング35を追加するだけの構成であるので、既存の膨張弁に容易に適用することができる。
次に、気泡流入抑制手段の別の例である気泡堰き止め手段について説明する。
図10は第1の実施の形態に係る膨張弁を高圧入口ポートのある側から見た側面図である。
この膨張弁10は、特に、パワーエレメント12を上にした状態で車両に取り付けるようにした取り付け姿勢が縦の場合のものであって、膨張弁10の高圧入口ポート13と弁室18との境界にある冷媒流通孔17は、その中心が高圧入口ポート13の中心よりも重力方向36にずらした位置に設置されている。すなわち、膨張弁10を縦の姿勢で車両に取り付ける場合には、冷媒流通孔17を高圧入口ポート13の中心よりも重力方向36に移動して配置している。この冷媒流通孔17の上側は、壁37になっていて、高圧入口ポート13の中で液冷媒の上面を浮遊している気泡を堰き止める構成にしている。
この膨張弁10は、高圧入口ポート13に気泡が混入された冷媒が導入されたとき、液冷媒が高圧入口ポート13の下側を流れ、気泡がその液冷媒の上側を浮遊していることを利用している。したがって、冷媒流通孔17を膨張弁10の取り付け姿勢に対して下側に設置しておくことで、冷媒流通孔17は、高圧入口ポート13の下側を流れる液冷媒を通過させ、壁37は、気泡の通過を阻止することになる。これにより、弁室18への気泡の進入が大幅に低減することから、気泡が破裂することによる騒音を大幅に低減することができることになる。
図11は第5の実施の形態に係る膨張弁を高圧入口ポートのある側から見た側面図である。なお、この図11において、図10に示した構成要素と同じまたは均等の構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
この膨張弁10dは、特に、パワーエレメント12を左横にした状態で車両に取り付けるようにした取り付け姿勢が横の場合のものであって、膨張弁10dの高圧入口ポート13と弁室18との境界にある冷媒流通孔17は、その中心が高圧入口ポート13の中心よりも重力方向36に移動した位置に設置されている。
この場合も、冷媒流通孔17は、高圧入口ポート13の下側を流れる液冷媒だけを通過させ、壁37が液冷媒の上側に浮遊する気泡を堰き止めて冷媒流通孔17の通過を阻止することになる。これにより、弁室18への気泡の進入が大幅に低減するので、弁室18での気泡の破裂音は、大幅に低減されることになる。
図12は第6の実施の形態に係る膨張弁を示す中央縦断面図、図13は第6の実施の形態に係る膨張弁を高圧入口ポートのある側から見た図である。なお、この図12および図13において、図1および図10に示した構成要素と同じまたは均等の構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
この膨張弁10eは、冷媒流通孔17を高圧入口ポート13およびアジャストねじ24を収容する調整部材収容室38の加工によって形成している。すなわち、高圧入口ポート13は、本体11の側面に穴加工をし、調整部材収容室38は、弁室18よりも大きな径で弁室18と同軸に穴加工をすることによって形成するが、そのときに、調整部材収容室38の穴の先端を高圧入口ポート13の先端とクロスさせることで、図13に示したように、高圧入口ポート13の下側奥に半月状の冷媒流通孔17が形成される。
ここで、高圧入口ポート13に気泡が混入した冷媒が導入されると、下側を流れる液冷媒だけが冷媒流通孔17を通って弁室18へ流れ、液冷媒に浮遊する大きな気泡については、壁37によって弁室18への通過が阻止される。
図14は第7の実施の形態に係る膨張弁を示す中央縦断面図、図15は第7の実施の形態に係る膨張弁を高圧入口ポートのある側から見た図である。なお、この図14および図15において、図12および図13に示した構成要素と同じまたは均等の構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
この膨張弁10fは、冷媒流通孔17を高圧入口ポート13および弁室18の加工によって形成している。すなわち、高圧入口ポート13は、本体11の側面に穴加工をし、弁室18は、調整部材収容室38と同軸に穴加工をすることによって形成するが、そのときに、高圧入口ポート13をパワーエレメント12の側へずらして穴加工をすることにより、弁室18の穴の先端を高圧入口ポート13の先端とクロスさせることで、図15に示したように、高圧入口ポート13の下側奥に半月状の冷媒流通孔17が形成される。
ここで、高圧入口ポート13に気泡が混入した冷媒が導入されると、下側を流れる液冷媒だけが冷媒流通孔17を通って弁室18へ流れ、液冷媒に浮遊する大きな気泡については、壁37によって弁室18への通過が阻止される。
図16は第8の実施の形態に係る膨張弁を示す中央縦断面図である。なお、この図16において、図12に示した構成要素と同じまたは均等の構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
この膨張弁10gは、高圧入口ポート13の下側奥から斜め下方に向けて冷媒流通孔17を穿設している。これにより、高圧入口ポート13に気泡が混入した冷媒が導入されると、下側を流れる液冷媒だけが冷媒流通孔17を通って弁室18へ流れ、液冷媒に浮遊する大きな気泡は、壁37によって弁室18への通過が阻止されることになる。
なお、第1の実施の形態では、気泡流入抑制手段として気泡細分化手段および気泡堰き止め手段を有してオリフィス19になるべく大きな気泡を入れないようにし、さらに、弁室18のオリフィス19に通じるコーナー内壁32に平面が残らないようにR形状に形成して冷媒の流れを滑らかにし、気泡の発生を抑えるようにしている。しかし、気泡堰き止め手段および弁室18におけるコーナー内壁32のR形状を持たない第2、第3および第4の実施の形態に係る膨張弁10a,10b,10cにおいても、気泡堰き止め手段またはR形状のコーナー内壁32を付加することができ、気泡堰き止め手段およびR形状のコーナー内壁32の両方を備えることもできる。同様に、気泡細分化手段およびR形状のコーナー内壁32を持たない第6ないし第8の実施の形態に係る膨張弁10e,10f,10gに、気泡細分化手段、R形状のコーナー内壁32または気泡細分化手段およびR形状のコーナー内壁32を備えることができる。
10,10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g 膨張弁
11 本体
12 パワーエレメント
13 高圧入口ポート
14 低圧出口ポート
15 低圧入口ポート
16 低圧出口ポート
17 冷媒流通孔
18 弁室
19 オリフィス
20 弁座
21 弁体
22 バルブサポート
22a 筒状部
22b ばね受け部
22c 切欠き部
22d 開口部
23 圧縮コイルスプリング
24 アジャストねじ
25 冷媒戻り通路
26 ダイヤフラム
27 感温室
28 ディスク
29 シャフト
30 保持部材
31 スプリング
32 コーナー内壁
33 筒状気泡細分化部材
33a,33b 端部
33c 中間部
33d スリット
34 リブ
35 歯付きリング
35a リング部
35b 突起部
36 重力方向
37 壁
38 調整部材収容室

Claims (1)

  1. 冷媒を絞り膨張させる弁部と、冷媒の圧力および温度に応じて前記弁部の開度を制御するパワーエレメントとを備えた膨張弁において、
    導入された冷媒の全量が前記弁部に向けて通過する位置に配置され、冷媒に混入した気泡が前記弁部へ流入するのを抑制する気泡流入抑制手段を備え、
    前記気泡流入抑制手段は、冷媒が導入される弁室にて冷媒の流れを遮るように配置され、通路断面積の小さな複数の通路を有する気泡細分化手段であり、
    前記気泡細分化手段は、前記弁室に連通するオリフィスに対し開閉自在に弁体を支持するバルブサポートに形成され、中央に前記弁体を載せている環状のばね受け部の外周に配置されて前記通路を構成する複数の切欠き部であることを特徴とする膨張弁。
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