JP2005069645A - 多段電動膨張弁及び冷凍装置 - Google Patents

多段電動膨張弁及び冷凍装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 複雑な構造や制御を必要とせずに、冷媒減圧量を任意に可変することができ、気液二相状態の冷媒の通過音を低減した多段電動膨張弁及びこの多段電動膨張弁を用いた冷凍装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 冷媒の出入口1、2を備えた筺体3と、筺体3内に形成された弁座4と、弁座4に対し進退可能に形成された弁体5とから構成され、弁体5及び弁座4が、弁体5の進行方向と退行方向とに複数回、冷媒流通方向を転換し得る絞り通路6a〜6cを構成するように形成されてなる多段電動膨張弁。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多段電動膨張弁及び冷凍装置に関し、より詳細には、空気調和装置等の冷凍装置に用いられる電動膨張弁の冷媒通過音を低下することができる多段電動膨張弁及びこれを用いた冷凍装置に関する。
従来から、冷凍装置において、ステッピングモータで駆動される電動膨張弁が用いられている。
この電動膨張弁は、図14に示すように、冷媒出入口91、92を備えた筺体93内に、その先端部95aがニードル形状に形成された弁体95を備えて構成される。筐体93は、その下方に弁座94を有しており、この弁座94の中央部が一方の冷媒出入口91に連通している。また、筐体93は、その側壁に他方の冷媒出入口92を有している。弁体95は、筐体93の上部に配置されたステッピングモータ(図示せず)により駆動される構造を有している。
このように構成された電動膨張弁は、ステッピングモータ(図示せず)を駆動し、その回転角度を制御することにより、弁座94に対しニードル形状の先端部95aを有する弁体95を進退させて、弁体95と弁座94との間に形成される絞り部の冷媒通過面積を変化させる。これにより、この電動膨張弁を通過する冷媒の減圧量を変化させることができる。
しかし、この電動膨張弁では、絞り部の長さが極めて短く、所定量の減圧量を得るために絞り部の冷媒通過面積を可変とするものであり、絞り部における冷媒流速が極めて速くなる。これにより、音エネルギに変換されるエネルギーが大きくなり、冷媒通過音が大きくなる。
そこで、絞り部の冷媒通過速度を低減するための多段、例えば二段電動膨張弁が提案されている(例えば、特許文献1)。
この多段電動膨張弁は、絞り前後の圧力差と冷媒音との関係に着目して、任意の絞り量に調整することができ、かつ絞り作用を2段階に分けて、絞り作用1回あたりの減圧量を低下させる絞り構造を形成している。
特開平5−322381号公報
しかし、空気調和機などの冷凍装置においては、一般的に、据付条件や運転条件の変化により、膨張弁入口までの液管内で気泡が発生して二相冷媒流となり、この二相冷媒流中の気泡が大きく成長して冷媒流れ中に大きな気泡が断続的に存在するスラグ流やプラグ流となることがある。このようなスラグ流やプラグ流が発生すると、絞り部を通過する液冷媒とガス冷媒との間に速度差を生じる。この速度差は、不連続な圧力変動を生じさせ、結果として「チュルチュル」と表現されるような不連続の冷媒流動音が発生する。そして、このような気液冷媒の速度差による圧力変動は、絞り部の冷媒通過速度が速いほど大きくなる。
また、特許文献1に記載の二段電動膨張弁は、二段の絞りの間は中間圧になるように設計されているが、大きく絞った状態でも中間圧になるためには、極限的に全閉時には二段の絞りの両方が全閉にならなくてはならない。これを実現するためには、加工精度、組み立て精度とも高度な技術が必要になり、その精度のばらつきによっては、いずれの絞りでも全閉にならず、必要な絞り量が得られない。
さらに、この二段電動膨張弁は、気液二相流入する場合であっても一段電動膨張弁に比べて低騒音ではあるが、二段の絞り比を等しくしても気泡を含む冷媒がスムーズに絞りに流入できないという点で不連続音の改善には不十分である。
本発明は、このような従来技術に存在する課題に着目してなされたものであり、複雑な構造や制御を必要とせずに、冷媒減圧量を任意に可変することができ、気液二相状態の冷媒の通過音を低減した多段電動膨張弁及びこの多段電動膨張弁を用いた冷凍装置を提供することを目的とする。
本発明の多段電動膨張弁は、冷媒の出入口を備えた筺体と、筺体内に形成された弁座と、弁座に対し進退可能に形成された弁体とから構成され、弁体及び弁座が、該弁体の進行方向と退行方向とに複数回、冷媒流通方向を転換し得る絞り通路を構成するように形成されてなることを特徴とする。
本発明の多段膨張弁は、弁座と弁体とが、絞り通路の一部において全閉可能な絞り通路を構成するように形成されていてもよい。また、弁座と弁体との少なくともいすれかが、流体慣性力が作用する面に衝撃緩衝材を備えていてもよく、特に衝撃緩衝材が、多孔質体からなるものであってもよい。さらに、絞り通路が、冷媒流通方向の長さを可変とすることにより冷媒流通抵抗を可変とするように構成されていてもよく、特に冷媒流通方向の長さ及び冷媒通過面積を同時に可変とすることにより冷媒流通抵抗を可変とするように構成されていてもよい。また、絞り通路は螺旋状に形成されていてもよい。
また、本発明の冷凍装置は、上記多段電動膨張弁を用いることを特徴とする。
本発明の多段電動膨張弁によれば、冷媒流通方向を、弁体の進行方向と退行方向とに複数回、転換し得る絞り通路を有しているため、気液二相状態の冷媒が上流側の絞り通路を通過することにより、その流れを急激に方向転換させることができ、その衝撃によって、冷媒中の気泡を細分化して均一化することができる。これによって、下流にある絞り通路で気液二相冷媒の速度差による圧力変動を低減することができ、ひいては、冷媒が膨張弁の絞り部を通過する際の騒音及び異常音を低減することが可能となる。
特に、弁座と弁体とが、絞り通路の一部において全閉可能な絞り通路を構成するように形成されることにより、全閉状態とすることができるため、必ず必要な絞り量を確保することができることとなる。
また、弁座と弁体との少なくともいすれかが、流体慣性力が作用する面に衝撃緩衝材を有することにより、振動を低減することができ、さらに騒音及び異常音をより低減することができる。つまり、気相二相流が絞り部を通過する場合、気泡が絞り部を高速で通過した後、気泡末端境界に接する液冷媒が、気泡と同様に高速に絞り部に流入しようとするが、粘性抵抗等の影響で液冷媒はスムーズに絞り部に流入することができず、絞り部の入口部分に衝突して、いわゆるウォーターハンマーに似た現象が生じる。衝撃緩衝材は、このようなウォーターハンマー現象を緩和することができ、ひいては振動と騒音との双方を低減することが可能となる。
特に、衝撃緩衝材が多孔質体からなる場合には、上述したような衝撃を緩和させるのみならず、多孔質体に衝突することで気泡の細分化が促進され、次段の絞り部で発生する圧力変動をさらに低減することができる。
また、絞り通路が、冷媒流通方向の長さを可変とすることにより冷媒流通抵抗を可変とするように構成されるため、絞り通路の断面積のみを小さくした場合に比較して、絞り通路を通過した冷媒速度をより小さくすることができ、騒音の低減に有利となる。
さらに、絞り通路が、冷媒流通方向の長さ及び冷媒通過面積を同時に可変とすることにより冷媒流通抵抗を可変とするように構成される場合には、より冷媒流れをスムーズにしながら、絞り通路を通過した冷媒速度を小さくすることができ、さらなる騒音の低減に有利となる。
特に、絞り通路に螺旋溝が形成される場合には、絞り通路を通過する冷媒に旋回成分を付与することができるため、気液二相流において、より気泡を均一化することができる。
本発明の上述した多段電動膨張弁を用いた冷凍装置によれば、その運転音をより静粛にすることができる。
以下に、この発明を具体化した多段電動膨張弁についての実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
この実施例の多段電動膨張弁は、図1に示したように、主として、冷媒出入口1、2を備えた略円筒状の筐体3と、この筐体3内の一端面側に形成された弁座4と、この弁座4に対して進退可能に形成された弁体5とから構成される。
弁座4は、その中央部に、平面形状が円形の弁孔4aが形成されており、この弁孔4aが一方の冷媒出入口1に連通されている。また、この冷媒出入口1に連通された弁孔4aの外周に、平面形状が環状のV溝4bが形成されている。なお、弁座4のV溝4bは、筐体3の内壁よりも若干内周側に形成されている。
弁体5は、略円柱形状で、その一端面の中央部に、弁座4に形成された弁孔4aよりも大径で、平面形状が円形の円形凹部5aを有している。これにより、弁体5の先端面において、円形凹部5aの外周に、環状の突部5bが配置することとなる。また、円形凹部5aの中央部には、弁座4側に円錐状に突出した突状部5cが形成されている。
このような形状の弁座4と弁体5とが噛み合うように接近することにより、弁座4の弁孔4a及びV溝4bの間の壁部と、弁体5の円形凹部5aの底面とが接近し、絞り部6aが構成される。この絞り部6aは全閉しないように、補助絞り部として形成されている。
また、弁座4のV溝4bの内周側の側面と弁体5の突部5bの内周側の角部とが接近し、絞り部6bが構成される。この絞り部6bは、弁座4のV溝4bの内周側の側面と弁体5の突部5bの内周側の角部とが密着することにより、全閉可能に、主絞り部として形成されている。
さらに、弁座4のV溝4bの外周側の側面と弁体5の突部5bの外周側の角部とが接近し、絞り部6cが構成される。この絞り部6cは全閉しないように、補助絞り部として形成されている。
弁体5は、筐体3の上部に配置されたステッピングモータ(図示せず)により駆動されるように構成されており、ステッピングモータを駆動し、その回転角度を制御することにより、弁座4に対し弁体5を進退させることができるように構成されている。
この電動膨張弁では、冷媒が冷媒出入口2から流入した場合、冷媒は、弁体5と筐体3との間を通過して、絞り部6cを通過する。この際、冷媒が、弁座4に形成されたV溝4bの内周側の側面に衝突することにより、冷媒内に含まれていた気泡を細分化するとともに、その流通方向を、弁体5の進行方向(図1中矢印Aの方向)から退行方向(図1中矢印Bの方向)に転換する。さらに、退行方向にその流通方向が転換された冷媒は絞り部6bを通過する。この絞り部6bを通過した冷媒は、弁体5の円形凹部5aの底面に衝突することにより、さらに気泡を細分化するとともに、絞り部6aを通過し、弁体5の端面に形成された突状部5cに衝突し、この突状部5cの側面に沿って、その流通方向を再び弁体4の進行方向に転換する。そして、弁座4に形成された弁孔4aを通って冷媒出入口1から流出される。
また、冷媒が冷媒出入口1から流入した場合には、冷媒は、弁座4に形成された弁孔4aを通り、突状部5cに衝突することにより、冷媒内に含まれていた気泡を細分化するとともに、絞り部6aを通過する。そして、絞り部6aを通過した冷媒は、さらに弁体5の円形凹部5aの外周側の側面に衝突し、その流通方向を、弁体5の退行方向(図1中矢印Bの方向)から進行方向(図1中矢印Aの方向)に転換する。さらに、進行方向にその流通方向が転換された冷媒は絞り部6bを通過する。この絞り部6bを通過した冷媒は、弁座4のV溝4bの外周側の側面に衝突することにより、さらに気泡を細分化して、その流通方向を再び弁体4の退行方向に転換する。そして、絞り部6cを通過し、弁体5と弁座4との間の隙間を通って、冷媒出入口2から流出される。
このように、冷媒が、各絞り部6a、6b、6cを通過する際に多段階に減圧され、急激な圧力変動を低減することが可能となる。
また、冷媒が冷媒出入口のいずれから流入する場合であっても、最も上流側の絞り部が補助絞り部として機能し、次段の絞り部が、全閉可能な主絞り部として構成されているために、最も大きな圧力変動を発生させる主絞り部に流入する冷媒に含まれる気泡を、補助絞り部において、細かくすることができるとともに、必ず必要な絞り量を、主絞り部における全閉状態までの微調整により確保することができる。さらに補助絞り部をさらに主絞り部の下流に設けることにより、主絞り部からの冷媒流の速度を、補助絞り部においてさらに低減させることができ、より低騒音化に有利となる。
さらに、冷媒が、各絞り部6a、6b、6cを通過する間及びその後、弁体5又は弁座4の壁面に衝突することにより、弁体の進行方向と退行方向とに2回、急激にその流通方向を転換するため、冷媒内に含有されていた気泡の細分化を促進でき、これにより、各絞り部6b、6aで発生する衝撃的圧力変動を小さくすることができる。
これらの結果、冷媒の騒音及び異常音を低減することが可能となる。
この実施例の多段電動膨張弁は、図2に示したように、実施例1の多段電動膨張弁の弁体15と弁座14との噛み合せ形状を変更したものである。
弁座14は、その中央部に、平面形状が円形の弁孔14aが形成されており、この弁孔14aが一方の冷媒出入口1に連通されている。また、この冷媒出入口1に連通された弁孔14aの外周であって、筐体13の内周側に、平面形状が環状の突起部14bが形成されている。さらに、突起部14bの外周は、突起部14bよりも低い平坦な壁部14cが形成されている。
弁体15は、略円柱形状で、その一端面、つまり弁座14と噛み合う方の端面の中央部に、弁座14に形成された弁孔14aよりも小径で平面形状が円形の端面を残して、その外周に、環状のV溝15aを有している。これにより、弁体15の端面において、弁体15の最外周に突部15bが配置することとなる。
その他の構成は、実施例1と同様である。
このような形状の弁座14と弁体15とが噛み合うように接近することにより、弁座14の突起部14bの内周側の角部と弁体15のV溝15aの内周側の側面とが接近し、絞り部16aが構成される。また、弁座14の突起部14bの外周側の角部と弁体15のV溝15aの外周側の側面とが接近し、絞り部16bが構成される。なお、この絞り部16bでは、弁座14の突起部14bの外周側の角部と弁体15のV溝15aの外周側の側面とが密着することにより、全閉状態とすることができる。さらに、弁座14の壁部14cと弁体15の突部15bとが接近し、絞り部16cが構成される。
この電動膨張弁では、冷媒が冷媒出入口2から流入した場合、冷媒は、弁体15と筐体13との間を通過して、絞り部16cを通過する。この場合、最も上流側である絞り部16cは全閉しないように形成されている。この絞り部16cを通過した冷媒は、弁座14に形成された突起部14bの側面に衝突することにより、冷媒内に含まれていた気泡を細分化するとともに、その流通方向を、弁体5の進行方向(図2中矢印Aの方向)から退行方向(図2中矢印Bの方向)に転換する。さらに、退行方向にその流通方向が転換された冷媒は絞り部16bを通過する。なお、この絞り部16bは、弁座14の突起部14bの外周側の角部と弁体15のV溝15aの外周側の側面とが密着して接触させることにより、全閉可能に形成されている。この絞り部16bを通過した冷媒は、弁体5のV溝15aの内周側の側面に衝突することにより、さらに気泡を細分化するとともに、絞り部16aを通過し、弁体15のV溝15aの内周側の側面に沿って、その流通方向を再び弁体14の進行方向に転換する。なお、この絞り部16aは全閉しないように形成されている。そして、弁座14に形成された弁孔14aを通って冷媒出入口1から流出される。
また、冷媒が冷媒出入口1から流入した場合には、上記と逆の冷媒流通により、上記に準じて冷媒流通方向が転換されるとともに、冷媒が壁へ衝突するとともに、各絞り部を通過する。
これらの結果、実施例1と同様の作用効果により、冷媒の騒音及び異常音を低減することが可能となる。
この実施例の多段電動膨張弁は、図3に示したように、実施例1の多段電動膨張弁の弁体15と弁座14との噛み合せ形状を、冷媒流通方向の長さを可変とすることにより冷媒流通抵抗を可変とするような絞り通路を構成するように、変更したものである。
弁座24は、その中央部に、平面形状が円形の弁孔24aが形成されており、この弁孔24aが一方の冷媒出入口1に連通されている。また、この冷媒出入口1に連通された弁孔24aの外周に、平面形状が環状の溝24bが形成されている。この溝24bは、その外周側の側面が、筐体3の内壁よりも若干内周側に、略垂直に配置しており、溝24bの内周側の側面よりも高く、レの字状に形成されている。
弁体25は、略円柱形状で、その一端面、つまり弁座24と噛み合う方の端面の中央部に、弁座24に形成された弁孔24aよりも若干小径の円柱25bを残すように、平面形状が環状の溝25aが形成されている。これにより、弁体25の一端面において、溝25aの外周に、環状の突部25cが配置することとなる。なお、この環状の突部25cは、円柱25bよりも若干低く形成されている。
このような形状の弁座24と弁体25とが噛み合うことにより、弁座24の弁孔24aに弁体25の円柱25bが接近し、嵌挿されることにより、冷媒流通方向の長さが変化し、その冷媒流通抵抗を変化させることができる絞り部26aを構成する。また、弁座24の溝24bの内周側の側面と弁体5の突部25cの内周側の角部とが接近し、絞り部26bが構成される。なお、弁座24の溝24bの内周側の側面と弁体5の突部25cの内周側の角部とが密着することにより、全閉状態とすることができる。さらに、弁座24の溝24b内に弁体25の突部25cが嵌挿されることにより、冷媒流通方向の長さが変化し、その冷媒流通抵抗を変化させることができる絞り部26cを構成する。
その他の構成は、実施例1と同様である。
この電動膨張弁では、冷媒が冷媒出入口2から流入した場合、冷媒は、弁体25と筐体23との間を通過して、絞り部26cを通過する。この絞り部26cを通過した冷媒は、弁座24に形成された溝24bの底面に衝突することにより、冷媒内に含まれていた気泡を細分化するとともに、その流通方向を、弁体25の進行方向(図1中矢印Aの方向)から退行方向(図1中矢印Bの方向)に転換する。さらに、退行方向にその流通方向が転換された冷媒は絞り部26bを通過する。この絞り部26bを通過した冷媒は、弁体25の溝25aの底面に衝突することにより、さらに気泡を細分化するとともに、その流通方向を再び弁体24の進行方向に転換し、絞り部26aを通過する。そして、弁座24に形成された弁孔24aを通って冷媒出入口1から流出される。
また、冷媒が冷媒出入口1から流入した場合には、上記と逆の冷媒流通により、上記に準じて冷媒流通方向が転換されるとともに、冷媒が壁へ衝突し、各絞り部を通過する。
これらの結果、実施例1と同様の作用効果により、冷媒の騒音及び異常音を低減することが可能となる。さらに、冷媒流通の長さ方向に抵抗をもつために絞り面積を大きくでき、冷媒流速を小さくできるので、より冷媒音の低減により有効である。
この実施例の多段電動膨張弁は、図4に示したように、実施例2の多段電動膨張弁の弁体15と弁座14との噛み合せ形状を、冷媒流通方向の長さを可変とすることにより冷媒流通抵抗を可変とするような絞り通路を構成するように、変更したものである。
弁座44は、その中央部に、平面形状が円形の弁孔34aが形成されており、この弁孔34aが一方の冷媒出入口1に連通されている。また、この冷媒出入口1に連通された弁孔34aの外周に、平面形状が環状の突部34bが形成されている。さらに、突部34bの外周には、突部34bよりも低い溝34cが形成されており、その外周側の側面は、筐体33の内壁よりも若干内周側に入り込んでおり、突部34bよりも高く、略垂直に形成されている。
弁座35は、略円柱形状で、その一端面、つまり弁座34と噛み合う方の端面の中央部に、弁座34に形成された弁孔34aよりも若干小径の円柱状の突起部35bが形成されている。突起部35bの外周には、平面形状が環状の溝35aが形成されている。これにより、溝35aの外周に、平面形状が環状で、中央部の突起部35bよりも若干低く、その外周側面が略垂直の壁部35cが配置されることとなる。
このような形状の弁座34と弁体35とが噛み合うことにより、弁座34の弁孔34aに弁体35の円柱状の突起部35bが接近し、嵌挿されることにより、冷媒流通方向の長さが変化して、その冷媒流通抵抗を変化させることができる絞り部36aを構成する。また、弁座34の突部34bの外周側の角部と弁体35の溝35aの外周側の側面とが接近して、絞り部36bが構成される。なお、この絞り部36bは、弁座34の突部34bの外周側の角部と弁体5の溝35aの外周側の側面とが密着することにより、全閉状態とすることができる。さらに、弁座34の溝34c外周側の側面と弁体35の壁部35cの外周側の側面とが接近し、弁座34の溝34c内に弁体35の壁部35cが嵌挿されることにより、冷媒流通方向の長さが変化し、その冷媒流通抵抗を変化させることができる絞り部36cを構成する。
その他の構成は、実施例2と同様である。
この電動膨張弁では、冷媒が冷媒出入口2から流入した場合、冷媒は、弁体35と筐体33との間を通過して、絞り部36cを通過する。この絞り部6cを通過した冷媒は、弁座34に形成された溝34cの底面に衝突することにより、冷媒内に含まれていた気泡を細分化するとともに、その流通方向を、弁体35の進行方向(図1中矢印Aの方向)から退行方向(図1中矢印Bの方向)に転換する。さらに、退行方向にその流通方向が転換された冷媒は絞り部36bを通過する。この絞り部36bを通過した冷媒は、弁体35の溝35aの内周側の側面に衝突することにより、さらに気泡を細分化するとともに、その流通方向を再び弁座44の進行方向に転換し、絞り部36aを通過する。そして、弁座44に形成された弁孔34aを通って冷媒出入口1から流出される。
また、冷媒が冷媒出入口1から流入した場合には、上記と逆の冷媒流通により、上記に準じて冷媒流通方向が転換されるとともに、冷媒が壁へ衝突することとなる。
これらの結果、実施例2と同様の作用効果により、冷媒の騒音及び異常音を低減することが可能となる。さらに、冷媒流通の長さ方向に抵抗をもつために絞り面積を大きくでき、冷媒流速を小さくできるので、冷媒音の低減により有効である。
この実施例の多段電動膨張弁は、図5に示したように、実施例1の多段電動膨張弁の弁体5と弁座4との少なくともいずれかにおいて、流体慣性力が大きく作用する面に衝撃緩衝材を備えるように変更したものである。
実施例1の弁座4において、V溝4bの外周側の側面が、多孔質体からなる衝撃緩衝材7aにより形成されている。
また、弁体5において、円形凹部5aの側面から底面にわたる壁と、突状部5cとが多孔質体からなる衝撃緩衝材7bにより形成されている。
その他の構成は、実施例1と同様である。したがって、実施例1と同様の作用効果により、冷媒の騒音及び異常音を低減することが可能となる。
また、気相二相流が絞り部を通過する場合、気泡が絞り部を高速で通過した後、気泡末端境界に接する液冷媒が、気泡と同様に高速に絞り部に流入しようとするが、粘性抵抗等の影響で液冷媒はスムーズに絞り部に流入することができず、絞り部の入口部分に衝突して、いわゆるウォーターハンマーに似た現象が生じる。しかし、この実施例の多段電動膨張弁の絞り部の入り口に衝撃緩衝材を用いることにより、このようなウォーターハンマー現象を緩和することができ、ひいては振動と騒音との双方を低減することができる。
特に、衝撃緩衝材が多孔質体からなる場合には、上述したような衝撃を緩和させるのみならず、多孔質体に衝突することで、より効果的に気泡が細分化され、均一化されることとなり、次段の絞り部で発生する圧力変動をさらに低減することができる。
さらに、この実施例では、衝撃緩衝材が冷媒通路を完全に覆うことがないため、多孔質体の目詰まり、研磨等による変形が生じたとしても、絞り機能、ひいては膨張弁としての機能を確保することができる。
なお、この実施例の場合には、冷媒が冷媒出入口1、2のいずれから流入した場合においても、冷媒の流入時に大きな流体慣性力が作用する箇所、つまり冷媒の流入方向の正面に衝撃緩衝材7a、7bが設けられているので、冷媒の流入方向にかかわらず、上述の効果を確実に発揮することができる。
この実施例の多段電動膨張弁は、図6に示したように、実施例5の多段電動膨張弁の弁体5と弁座4とにおける衝撃緩衝材の位置を変更したものである。
実施例1の弁座4において、V溝4bの底部付近(外周側及び内周側の側面の下方)が、多孔質体からなる衝撃緩衝材17aにより形成されている。
また、弁体5において、円形凹部5aの側面から底面にわたる角部が、多孔質体からなる衝撃緩衝材17bにより形成されている。
その他の構成は、実施例1と同様である。したがって、実施例1と同様の作用効果により、冷媒の騒音及び異常音を低減することが可能となる。
また、気相二相流が、実施例1の多段電動膨張弁の絞り部を通過する場合には、急激な方向転換を伴うため、冷媒が直接的に衝突する箇所で振動が大きくなる可能性があるが、この実施例の多段電動膨張弁では、冷媒が直接的に衝突する箇所に衝撃緩衝材17a、17bが設けられているので、振動となる加振力を効果的に低減することができる。
さらに、実施例5と同様の作用効果により、振動と騒音との双方の低減を実現することができる。
この実施例の多段電動膨張弁は、図7に示したように、実施例2の多段電動膨張弁の弁体15と弁座14とに衝撃緩衝材を備えたものである。
実施例2の弁座14において、壁部14cの外周側の上側面部分が多孔質体からなる衝撃緩衝材27aにより形成されており、さらに、突状部14bの外周側の下側面から壁部14cの一部にかけて多孔質体からなる衝撃緩衝材27bにより形成されている。
また、弁体15において、V溝15aの底部付近(外周側及び内周側の側面の下方)が、多孔質体からなる衝撃緩衝材27cにより形成されている。
その他の構成は、実施例2と同様である。したがって、実施例2と同様の作用効果により、冷媒の騒音及び異常音を低減することが可能となる。
また、実施例5と同様の作用効果により、振動となる加振力を効果的に低減することができ、ひいては騒音の低減を実現することができる。
この実施例の多段電動膨張弁は、図8に示したように、実施例1の多段電動膨張弁の弁体5と弁座4との少なくともいずれかにおいて、流体慣性力が大きく作用する面に、2種類の衝撃緩衝材を組み合わせて備えるように変更したものである。
つまり、実施例1の弁座4において、V溝4bの外周側の側面を低くし、その低くした分の側面とその上面とに、板ばねからなる衝撃緩衝材37aが配置されている。
また、弁体5において、円形凹部5aの突状部5cに代えて、その底部にコイルばねからなる衝撃緩衝材37cを埋め込んで配置するとともに、その表面に受圧面となる板材37bが被覆されている。
その他の構成は、実施例1と同様である。したがって、実施例1と同様の作用効果により、冷媒の騒音及び異常音を低減することが可能となる。
また、実施例5と同様の作用効果により、振動となる加振力を効果的に低減することができ、ひいては騒音の低減を実現することができる。
この実施例の多段電動膨張弁は、図9に示したように、実施例8の多段電動膨張弁の弁体5と弁座4とにおける衝撃緩衝材にさらに別の衝撃緩衝材を組み合わせて備えるように変更したものである。
つまり、実施例8の弁座4において、ゴム材からなる衝撃緩衝材47aと受圧面となる板材47bが配置されている。また、弁体5においてもゴム材からなる衝撃緩衝材47dと受圧面となる板材47cが被覆されている。
その他の構成は、実施例8と同様である。したがって、実施例8と同様の作用効果により、冷媒の騒音及び異常音を低減することが可能となる。
この実施例の多段電動膨張弁は、図10に示したように、実施例3の多段電動膨張弁の弁体25と弁座24との噛み合せ形状において、冷媒流通方向の長さと冷媒通過面積とを同時に可変とすることにより冷媒流通抵抗を可変とするような絞り通路を構成するように、変更したものである。
つまり、弁体25において、冷媒流通方向の長さを可変とする部分である、その中央部の円柱25bの外周側の側面及び環状の突部25cの外周側の側面に、それぞれ、螺旋状の溝57bおよび57aが形成されている。
その他の構成は、実施例3と同様であり、従って、実施例3と同様の作用効果により、冷媒の騒音及び異常音を低減することが可能となる。
このように絞り部に螺旋状の溝57bが形成されることにより、全閉しない絞り部内部及び絞り部の出口からの冷媒の流れに旋回成分を与えることができ、次段における絞り部に流入する気液二相冷媒の気泡をより均一にすることができ、冷媒の騒音及び異常音をより効果的に低減することができる。
(変形例)
なお、この発明は、次のように変更して具体化することもできる。
(1)実施例1〜10において、3段の絞り部を有する構成を示しているが、冷媒の流通方向が弁体の進退方向に複数回、転換し得るものである限り、2段又は4段以上の絞り部を有するような構成にしてもよい。
このような構成により、冷媒の圧力変動が緩和されるとともに、冷媒が気液二相流であっても、気泡を細分化し、均一化することが可能となり、有効に冷媒通過音が低減される。
(2)実施例3及び4において、冷媒流通方向の長さを可変とする弁体と弁座とによる絞り部は、垂直方向に形成された壁によって形成されているが、この部分の壁を、テーパーを有する壁に変更することにより、冷媒流通方向の長さ及び通路面積を可変とする構成としてもよい。また、実施例10においても同様に、螺旋状の溝が形成された壁を、テーパーを有する壁に変更することにより、冷媒流通方向の長さ及び通路面積の可変をより大きくする構成としてもよい。
(3)実施例5〜9における衝撃緩衝材は、ゴム、樹脂類、バネなどの弾性部材、網状部材、多孔質体(例えば、発泡金属等)等のいずれであってもよい。特に網状部材は、多孔質材と同様に、衝撃緩衝のみならず、気泡を細分化することができるため、好ましい。これらの材料は、1種以上を用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、実施例5〜9では、弁座及び弁体の双方に衝撃緩衝材を配置しているが、弁座のみ、弁体のみに配置してもよい。さらに、その位置は、全閉可能な絞り部を構成する部分以外の部分であれば、冷媒が衝突し得る部分のいずれでもよい。
(4)実施例10における螺旋状の溝は、弁体にのみ形成されているが、弁座のみに形成してもよく、さらに、弁体と弁座との間に冷媒が流通し得る隙間を有している限り、弁体と弁座との双方に、螺合するように形成してもよい。
(5)本発明の実施例においては、筐体が円筒状、弁座、弁体が円柱状、弁孔、V溝、突状部、凸部等の平面形状が円形として説明したが、これらの平面形状は円形のみならず、楕円形、多角形、略円形、略楕円形、略多角形等であってもよく、それらの組み合わせ、例えば、筐体が円筒状で弁座及び弁体が円柱状で、弁孔等が正方形のような組み合わせであってもよい。
(応用例)
次に、上記のように構成された多段電動膨張弁の応用例について簡単に説明する。
上記構成の多段電動膨張弁は、冷凍装置であればどのようなものにも使用することができるが、特に多段電動膨張弁における冷媒通過音が問題視され易い室内機に用いると効果がある。
応用例1.
図11に基づき応用例1を説明する。
応用例1はヒートポンプ式多室用分離型空気調和機に応用した例であり、図11にその冷媒回路を示す。
応用例1の空気調和機は、この図に示されるように、室外ユニット1Aに対し連絡配管1B、1Cを使用して複数台の室内ユニット1Dが接続されている。
また、図11に示されるように、室外ユニット1Aには、圧縮機61、室外コイル62、室外ファン63、従来公知の暖房専用の多段電動膨張弁64、四路切換弁65などが収納され冷媒配管により接続されている。また、室内ユニット1Dには、室内コイル66、室内ファン67、本発明に係る多段電動膨張弁68などが収納され冷媒配管により接続されている。
そして、冷房運転時は、四路切換弁65を図示実線の切換位置とし、多段電動膨張弁64を全開とするとともに、室内コイル66の出口の過熱度が所定値となるように多段電動膨張弁68も冷媒減圧量を調整することにより、冷媒を実線矢印のように流し、室内コイル66を蒸発器として作用させることにより冷房を行っている。
また、暖房運転時は、四路切換弁65を図示破線の切換位置とし、多段電動膨張弁68で少し減圧するようにするとともに、室外コイル62の出口の過熱度が所定値となるように多段電動膨張弁64も冷媒減圧量を調整することにより、冷媒を破線矢印のように流し、室内コイル66を凝縮器として作用させることにより暖房を行っている。
このようなヒートポンプ式多室用分離型空気調和機では、運転条件や据付条件の変化が大きく多段電動膨張弁68にはスラグ流やプラグ流が流れ易く、冷媒通過音が問題となりやすいが、本膨張弁を使用することにより冷媒通過音を低減することができる。
応用例2.
図12に基づき応用例2を説明する。
応用例2は冷房、暖房及び除湿運転可能な分離型空気調和機に応用した例であり、図12にその冷媒回路を示す。
応用例2の空気調和機は、この図に示されるように、室外ユニット2Aに対し連絡配管2B、2Cにより室内ユニット2Dが接続されている。
また、図12に示されるように、室外ユニット2Aには、圧縮機71、室外コイル72、室外ファン73、従来公知の多段電動膨張弁74、四路切換弁75などが収納され、冷媒配管により接続されている。また、室内ユニット2Dには、第1室内コイル76、第2室内コイル77、室内ファン78、本発明に係る多段電動膨張弁79などが収納されている。
そして、冷房運転時には、四路切換弁65は図示実線の切換位置とし、多段電動膨張弁79を全開とするとともに、多段電動膨張弁74を室内コイル77の出口の過熱度が所定値となるように多段電動膨張弁74も冷媒減圧量を調整することにより、冷媒を実線矢印のように流し、室内コイル76、77を蒸発器として作用させることにより冷房を行っている。
また、暖房運転時には、四路切換弁75を図示破線の切換位置とし、多段電動膨張弁79を全開とするとともに、室外コイル72の出口の過熱度が所定値となるように多段電動膨張弁74も冷媒減圧量を調整することにより、冷媒を破線矢印のように流し、室内コイル76、77を凝縮器として作用させることにより暖房を行っている。
また、除湿運転時には、四路切換弁75を図示実線の切換位置とし、多段電動膨張弁74を全開とするとともに、室内コイル77の出口の過熱度が所定値となるように多段電動膨張弁79も冷媒減圧量を調整することにより、冷媒を波線矢印のように流し、室内コイル76を再熱器(凝縮器)とし、室内コイル77を蒸発器として作用させることにより除湿を行っている。
このような冷房、暖房及び除湿用の空気調和機においても、本発明に係る多段電動膨張弁を使用することにより冷媒通過音を小さくすることができる。
応用例3.
応用例3はヒートポンプ式分離型空気調和機に応用した例であり、図13にその冷媒回路を示す。
応用例3の空気調和機は、この図に示されるように、室外ユニット3Aに対し連絡配管3B、3Cを使用して複数台の室内ユニット3Dが接続されている。
また、図13に示されるように、室外ユニット3Aには、圧縮機81、室外コイル82、室外ファン83、本発明に係る多段電動膨張弁84、四路切換弁85などが収納され冷媒配管により接続されている。また、室内ユニット3Dには、室内コイル86、室内ファン87などが収納され冷媒配管により接続されている。
そして、冷房運転時は、四路切換弁85を図示実線の切換位置とし、室内コイル86の出口の過熱度が所定値となるように多段電動膨張弁84も冷媒減圧量を調整することにより、冷媒を実線矢印のように流し、室内コイル86を蒸発器として作用させることにより冷房を行っている。
また、暖房運転時は、四路切換弁85を図示破線の切換位置とし、室外コイル82の出口の過熱度が所定値となるように多段電動膨張弁84も冷媒減圧量を調整することにより、冷媒を破線矢印のように流し、室内コイル86を凝縮器として作用させることにより暖房を行っている。
この応用例のように、室外ユニットの多段電動膨張弁に使用してもよく、この場合には、室外ユニットの運転音を小さくすることができる。
応用例4.
応用例4は、前述の応用例1のような多室用分離型空気調和機の室外ユニット1Aの暖房専用の多段電動膨張弁64に実施例5の多段電動膨張弁を応用するものである。なお、冷媒回路は応用例1と同一であり、応用例1と同様に制御して冷暖房を行うものとする。以下図11の冷媒回路を備えていることを前提として説明する。
前述のように、室外ユニット1Aに収納されている暖房専用の多段電動膨張弁64は、冷房運転時には全開とされ、暖房運転時のみ流量制御が行われる。この多段電動膨張弁64は、上記応用例3の場合の多段電動膨張弁84と比較すると、室外ユニットに収納される点においては同様であるが、流量制御を必要とするのが暖房運転時のみである点で相違する。
したがって、このような暖房専用の多段電動膨張弁64として実施例5に係る多段電動膨張弁を用いると、冷房運転時に全開状態としたときの冷媒通過抵抗が小さくなる。また、流量制御を必要とする暖房運転時には、全閉に近い状態から全開に近い状態まで線形的に流量制御を行うことができる。
本発明の実施例1に係る多段電動膨張弁の断面図である。 本発明の実施例2に係る多段電動膨張弁の断面図である。 本発明の実施例3に係る多段電動膨張弁の断面図である。 本発明の実施例4に係る多段電動膨張弁の断面図である。 本発明の実施例5に係る多段電動膨張弁の断面図である。 本発明の実施例6に係る多段電動膨張弁の断面図である。 本発明の実施例7に係る多段電動膨張弁の断面図である。 本発明の実施例8に係る多段電動膨張弁の断面図である。 本発明の実施例9に係る多段電動膨張弁の断面図である。 本発明の実施例10に係る多段電動膨張弁の断面図である。 本発明に係る多段電動膨張弁の応用例1を示す冷媒回路図である。 本発明に係る多段電動膨張弁の応用例2を示す冷媒回路図である。 本発明に係る多段電動膨張弁の応用例3を示す冷媒回路図である。 従来のステッピングモータで駆動される多段電動膨張弁の基本的な構造図である。
符号の説明
1、2冷媒出入口
3、13、23、33 筐体
4、14、24、34 弁座
5、15、25、35 弁体
4a、14a、24a、34a 弁孔
4b、15a V溝
5a 円形凹部
5b、15b、25c、34b 突部
5c、14b 突状部
6a〜6c、16a〜16c、26a〜26c、36a〜36c 絞り部
7a、7b、17a、17b、27a〜27c、37a〜37c、47a、47d 衝撃緩衝材
47b、47c 板材
14c、35c 壁部
24b、25a、34c、35a 溝
25b 円柱
35b 突起部
57a、57b 螺旋状の溝
61、71、81 圧縮機
62、72、82 室外コイル
63、73、83 室外ファン
64、74、84 電動膨張弁
65、75、85 四路切換弁
66、76、77、86 室内コイル
67、78、87 室内ファン
68、79 電動膨張弁
1A、2A、3A 室外ユニット
1B、2B、3B 連絡配管
1D、2D、3D 室内ユニット

Claims (8)

  1. 冷媒の出入口を備えた筺体と、筺体内に形成された弁座と、弁座に対し進退可能に形成された弁体とから構成され、
    弁体及び弁座が、該弁体の進行方向と退行方向とに複数回、冷媒流通方向を転換し得る絞り通路を構成するように形成されてなる多段電動膨張弁。
  2. 弁座と弁体とが、絞り通路の一部において全閉可能な絞り通路を構成するように形成されてなる請求項1に記載の多段電動膨張弁。
  3. 弁座と弁体との少なくともいすれかが、流体慣性力が作用する面に衝撃緩衝材を備えてなる請求項1又は2に記載の多段電動膨張弁。
  4. 衝撃緩衝材が、多孔質体からなる請求項1〜3の何れか1つに記載の多段電動膨張弁。
  5. 絞り通路が、冷媒流通方向の長さを可変とすることにより冷媒流通抵抗を可変とするように構成されてなる請求項1〜4の何れか1つに記載の多段電動膨張弁。
  6. 絞り通路が、冷媒流通方向の長さ及び冷媒通過面積を同時に可変とすることにより冷媒流通抵抗を可変とするように構成されてなる1〜5の何れか1つに記載の多段電動膨張弁。
  7. 絞り通路が螺旋状に形成されてなる請求項5又は6に記載の多段電動膨張弁。
  8. 請求項1〜7の何れか1つに記載の多段電動膨張弁を用いた冷凍装置。
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