JP5640242B2 - 表面被覆切削工具 - Google Patents
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Description
本発明の表面被覆切削工具は、基材とその上に形成された被膜とを備えたものである。このような基本的構成を有する本発明の表面被覆切削工具は、たとえばドリル、エンドミル、フライス加工用または旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ、またはクランクシャフトのピンミーリング加工用チップ等として極めて有用に用いることができる。本発明の表面被覆切削工具は、特にステンレス、インコネル、チタン等の難削材を削る場合にも、被膜が剥離しにくいという特徴を有する。
本発明の表面被覆切削工具の基材としては、このような切削工具の基材として知られる従来公知のものを特に限定なく使用することができる。たとえば、超硬合金(たとえばWC基超硬合金、WCの他、Coを含み、あるいはさらにTi、Ta、Nb等の炭窒化物等を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、およびこれらの混合体など)、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体等をこのような基材の例として挙げることができる。
本発明の被膜は、2以上の層を含み、該2以上の層のうち、少なくとも一層はNbNからなる第1化合物層であり、該第1化合物層の直下の層は、M1-xNbxNy(0.01≦x≦0.3、0.95≦y≦1.05)からなる第2化合物層であることを特徴とする。
<第1化合物層>
本発明の被膜に含まれる第1化合物層は、NbNからなり、かつ基材側から順に非晶質領域と結晶質領域とを有することを特徴とする。このような構造を有する本発明の第1化合物層は、潤滑性および耐摩耗性に優れるという長所を持つ結晶質領域に対し、その下層として非晶質領域を形成している。このため、第1化合物層の直下に形成される第2化合物層との結晶組織の整合性がよくなり、第1化合物層の密着性を向上し、以って極めて優れた耐摩耗性が示される。このような特性を有する本発明の表面被覆切削工具は、20m/min以上のいわゆる高速切削加工においても優れた潤滑性を示す。
本発明において、上記の第1化合物層の直下の層は、第2化合物層であり、かかる第2化合物層は、M1-xNbxNy(0.01≦x≦0.3、0.95≦y≦1.05)からなり、Mは、Si、Cr、Al、Ti、Ta、Hf、およびVからなる群より選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする。
本発明において、被膜は、第1化合物層および第2化合物層以外に、さらに1層以上の第3化合物層を含むことが好ましい。かかる第3化合物層は、基材と第2化合物層との間に含まれていてもよいし、第1化合物層のさらに表面側に含まれていてもよい。
本発明の被膜を形成するのに用いられる物理蒸着法(PVD法)としては、従来公知の物理蒸着法を特に限定することなく用いることができる。これは、本発明の被膜を基材表面に成膜するためには結晶性の高い化合物を形成することができる成膜プロセスであることが不可欠であり、種々の成膜方法を検討した結果、物理蒸着法を用いることが最適であることが見出されたからである。物理蒸着法には、たとえばスパッタリング法、イオンプレーティング法、アークイオンプレーティング法、電子イオンビーム蒸着法等があるが、特に原料元素のイオン化率が高いカソードアークイオンプレーティング法、もしくはスパッタリング法を用いると、生産性が高いので好ましい。
以下のようにして表面被覆切削工具を作成し、その評価を行なった。
まず、表面被覆切削工具の基材として、材質がP20超硬であり、形状がSEET13T3AGSN(JIS)である正面フライス加工用の刃先交換型切削チップと、材質がK20超硬であり、形状がCNMG120408(JIS)である旋削加工用の刃先交換型切削チップとを準備し、これらの基材をカソードアークイオンプレーティング・スパッタ装置に装着した。
上記で作製した実施例1〜35および比較例1〜8の表面被覆切削工具のそれぞれについて、以下の条件による正面フライス試験および連続旋削試験を行なうことにより耐摩耗性の評価を行なった。該評価は、刃先の逃げ面摩耗幅が0.2mmを超えるまでの時間、または被膜に欠損が生じるまでの時間を切削時間として測定することにより行なった。その結果を表3に示す。なお、正面フライス試験および連続旋削試験のいずれも、切削時間が長いものほど耐摩耗性が優れていることを示している。
基材としては上記の通り材質がP20超硬合金であり、形状がSEET13T3AGSN(JIS)である正面フライス加工用の刃先交換型切削チップを用いて、以下の条件により行なった。
切削速度:120m/分
切り込み:2.0mm
送り:0.15mm/rev
DRY/WET:DRY
<連続旋削試験の条件>
基材としては上記の通り材質がK20超硬合金であり、形状がCNMG120408(JIS)である旋削加工用刃先交換型切削チップを用い、以下の条件により行なった。
切削速度:40m/分
切り込み:0.5mm
送り:0.15mm/rev
DRY/WET:WET
Claims (7)
- 基材と、該基材上に形成された被膜とを備える表面被覆切削工具であって、
前記被膜は、2以上の層を含み、
前記2以上の層のうち少なくとも一層は、NbNからなる第1化合物層であり、
前記第1化合物層は、前記基材側から厚み方向に非晶質領域と結晶質領域とをこの順に有し、
前記非晶質領域は、非晶質からなり、
前記結晶質領域は、六方晶構造からなり、
前記第1化合物層の直下の層は、M1-xNbxNy(0.01≦x≦0.3、0.95≦y≦1.05)、またはCr 0.7 Si 0.1 Nb 0.2 Nからなる第2化合物層であり、
前記Mは、Ti、TiAl、またはTiHfからなり、
前記第2化合物層は、立方晶構造を含む結晶構造からなり、かつ4200mgf/μm2以上の硬度を有する、表面被覆切削工具。 - 前記第1化合物層は、0.1μm以上5μm以下の厚みである、請求項1に記載の表面被覆切削工具。
- 前記第2化合物層は、0.1μm以上5μm以下の厚みである、請求項1または2に記載の表面被覆切削工具。
- 前記被膜は、さらに1層以上の第3化合物層を含み、
前記第3化合物層は、周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、およびSiからなる群より選ばれる1種以上の元素、または該元素のうちの1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群より選ばれる1種以上の元素との化合物によって構成される、請求項1〜3のいずれかに記載の表面被覆切削工具。 - 前記第3化合物層は、Cr、Al、Ti、およびSiからなる群より選ばれる1種以上の元素、または該元素のうちの1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群より選ばれる1種以上の元素との化合物によって構成される、請求項4に記載の表面被覆切削工具。
- 前記第3化合物層は、1nm以上100nm以下の厚みの薄膜層を周期的に積層した超多層構造を有し、
前記薄膜層は、Cr、Al、Ti、およびSiからなる群より選ばれる1種以上の元素、または該元素のうちの1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群より選ばれる1種以上の元素との化合物によって構成される、請求項4または5に記載の表面被覆切削工具。 - 前記基材は、超硬合金、サーメット、立方晶型窒化硼素焼結体、高速度鋼、セラミックス、またはダイヤモンド焼結体のいずれかにより構成される、請求項1〜6のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
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