JP5640243B2 - 表面被覆切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、基材と該基材上に形成された被膜とを備える表面被覆切削工具に関する。
最近の切削工具の動向として、地球環境保全の観点から切削油剤を用いないドライ加工が求められていること、被削材が多様化・難削化していること、加工能率を一層向上させるため切削速度がより高速になってきていることなどの理由から、工具刃先温度はますます高温になる傾向にあり、工具材料に要求される特性は厳しくなる一方である。切削工具の寿命を長寿命化するために、工具材料に要求される特性として、基材上に形成される被膜の耐摩耗性はもちろんのこと、被膜の基材に対する密着性や潤滑性も一段と重要となっている。
被膜の放熱性、潤滑性、および耐チッピング性を向上させるために、WC基超硬合金、サーメット、高速度鋼等の硬質基材からなる切削工具の表面に、被膜を形成する技術はよく知られているところであり、従来から様々な方法が採られている。
たとえば特許文献1には、ZrN、HfN、NbN、TaN、MoN、およびWNからなる群より選択された化合物からなる固体潤滑被膜を含む被膜によって基材を被覆する技術が開示されている。このような被膜で基材を被覆することにより、20m/min以下の低速で切削する場合の耐溶着性および耐圧着性を向上させることができる。
さらに、特許文献2には、TiNからなる層と、TaNからなる層とを交互に超多層積層した被膜によって基材を被覆する技術が開示されている。かかる被膜で基材を被覆することにより、表面被覆切削工具の耐摩耗性および耐熱性を向上させることができる。
特開2001−179533号公報 特表2001−517156号公報
しかしながら、特許文献1に開示される切削工具は、20m/min以下の低速の切削加工においては、耐溶着性および耐圧着性を向上させることができるものの、20m/minを超える高速加工では、基材と被膜との密着が十分でないことに起因して、潤滑性が低下するという問題があった。
特許文献2では、TiNからなる層と、TaNからなる層との超多層構造としているため、被膜全体としては硬度および耐摩耗性を向上させることができるが、耐溶着性に乏しいTiNからなる層が介在しているため、被膜全体としての潤滑性は必ずしも十分なものと言うことができない。
このようにTiNからなる層に対し、TaNからなる薄層を積層することによって、被膜に潤滑性を付与する技術は従来からよく用いられているが、被膜の潤滑性を満足に向上させることができていないというのが現状である。
本発明は、上記のような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、耐摩耗性および潤滑性を高度に両立した表面被覆切削工具を提供することにある。
図2は、従来の表面被覆切削工具の損傷形態を示す模式的な断面図である。従来の表面被覆切削工具は、切削時に基材の表面に平行な方向の力が被膜に加わると、被膜を構成する各層の間で剥離が生じ、図2に示されるように被膜が摩耗する。図2において、摩耗前の表面被覆切削工具の外形を点線で示している。なお、説明の便宜のために被膜4が2層構造の場合を示している。
このような従来の摩耗形態の摩耗を防止したのが本発明である。すなわち、本発明の表面被覆切削工具は、基材と、該基材上に形成された被膜とを備えるものであって、該被膜は、2以上の層を含み、該2以上の層のうち少なくとも一層は、TaNからなる第1化合物層であり、該第1化合物層は、基材側から厚み方向に非晶質領域と結晶質領域とをこの順に有し、非晶質領域は、非晶質からなり、結晶質領域は、六方晶構造からなり、第1化合物層の直下の層は、M1-xTaxy(0.01≦x≦0.3、0.95≦y≦1.05)からなる第2化合物層であり、Mは、Si、Cr、Al、Ti、Hf、およびVからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、第2化合物層は、立方晶構造を含む結晶構造からなり、かつ4200mgf/μm2以上の硬度を有することを特徴とする。
第1化合物層は、0.1μm以上5μm以下の厚みであることが好ましく、第2化合物層は、0.1μm以上5μm以下の厚みであることが好ましい。被膜は、さらに1層以上の第3化合物層を含み、該第3化合物層は、周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、およびSiからなる群より選ばれる1種以上の元素、または該元素のうちの1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群より選ばれる1種以上の元素との化合物によって構成されることが好ましい。
第3化合物層は、Cr、Al、Ti、およびSiからなる群より選ばれる1種以上の元素、または該元素のうちの1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群より選ばれる1種以上の元素との化合物によって構成されることが好ましい。
第3化合物層は、1nm以上100nm以下の厚みの薄膜層を周期的に積層した超多層構造を有し、該薄膜層は、Cr、Al、Ti、およびSiからなる群より選ばれる1種以上の元素、または該元素のうちの1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群より選ばれる1種以上の元素との化合物によって構成されることが好ましい。
基材は、超硬合金、サーメット、立方晶型窒化硼素焼結体、高速度鋼、セラミックス、またはダイヤモンド焼結体のいずれかにより構成されることが好ましい。
本発明の表面被覆切削工具は、上記のような構成を有することにより、耐摩耗性および潤滑性を高度に両立するという優れた効果を示す。
本発明の表面被覆切削工具の損傷形態を示す模式的な断面図である。 従来の表面被覆切削工具の損傷形態を示す模式的な断面図である。
<表面被覆切削工具>
本発明の表面被覆切削工具は、基材とその上に形成された被膜とを備えたものである。このような基本的構成を有する本発明の表面被覆切削工具は、たとえばドリル、エンドミル、フライス加工用または旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ、またはクランクシャフトのピンミーリング加工用チップ等として極めて有用に用いることができる。本発明の表面被覆切削工具は、特にステンレス、インコネル、チタン等の難削材を削る場合にも、被膜が剥離しにくいという特徴を有する。
図1は、本発明の表面被覆切削工具の損傷形態を示す模式的な断面図である。本発明の表面被覆切削工具は、図1に示されるように、基材1と、該基材1上に形成された被膜4とを備え、該被膜4は、基材1側から厚み方向に第2化合物層2と第1化合物層3とをこの順に有するものである。本発明の表面被覆切削工具を用いて切削を行なうと、表面被覆切削工具の逃げ面側およびすくい面側が、図1に示すように摩耗するため耐摩耗性が優れる。このように摩耗するのは、第1化合物層3と第2化合物層2との密着性を向上させたこと、および第2化合物層2の耐摩耗性を向上させたことに起因する。このような効果を得るための本発明の表面被覆切削工具の構成を以下に説明する。
<基材>
本発明の表面被覆切削工具の基材としては、このような切削工具の基材として知られる従来公知のものを特に限定なく使用することができる。たとえば、超硬合金(たとえばWC基超硬合金、WCの他、Coを含み、あるいはさらにTi、Ta、Nb等の炭窒化物等を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、およびこれらの混合体など)、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体等をこのような基材の例として挙げることができる。
このような基材として超硬合金を使用する場合、そのような超硬合金は、組織中に遊離炭素やη相と呼ばれる異常相を含んでいても本発明の効果は示される。なお、これらの基材は、その表面が改質されたものであっても差し支えない。たとえば、超硬合金の場合はその表面に脱β層が形成されていたり、サーメットの場合には表面硬化層が形成されていてもよく、このように表面が改質されていても本発明の効果は示される。
<被膜>
本発明の被膜は、2以上の層を含み、該2以上の層のうち、少なくとも一層はTaNからなる第1化合物層であり、該第1化合物層の直下の層は、M1-xTaxy(0.01≦x≦0.3、0.95≦y≦1.05)からなる第2化合物層であることを特徴とする。
上記の被膜は、第1化合物層および第2化合物層に加え、第3化合物層を含むことが好ましい。かかる第3化合物層に関しては後述する。かかる被膜を構成する各層は、ハロゲンを含むと、被膜が脆化してしまい、切削初期に被膜が破壊されやすくなり、潤滑効果が得られないというデメリットが生じることになるため、ハロゲンは含まないことが好ましい。なお、ここでのハロゲンが、F、Cl、Br、およびIを意味することは言うまでもない。
このような本発明の被膜は、基材上の全面を被覆する態様を含むとともに、部分的に被膜が形成されていない態様をも含み、さらにまた部分的に被膜の一部の積層態様が異なっているような態様をも含む。
本発明の被膜は、その全体の厚みが1μm以上30μm以下であることが好ましい。被膜の厚みが1μm未満であると耐摩耗性に劣る場合があり、30μmを超えると被膜に残存する圧縮応力に耐え切れず被膜が自己破壊する場合がある。このような被膜の好ましい厚みは2μm以上20μm以下である。
本発明の被膜は、物理蒸着法(PVD法)により形成されることが好ましい。本発明においてこのような物理蒸着法を採用する理由は、基材表面に成膜される被膜として緻密な組織を持つ被膜を形成することが不可欠であり、種々の成膜方法を検討した結果、物理蒸着法により形成される被膜が最適であることが見出されたからである。
以下、本発明の被膜を構成する各層を詳細に説明する。
<第1化合物層>
本発明の被膜に含まれる第1化合物層は、TaNからなり、かつ基材側から順に非晶質領域と結晶質領域とを有することを特徴とする。このような構造を有する本発明の第1化合物層は、潤滑性および耐摩耗性に優れるという長所を持つ結晶質領域に対し、その下層として非晶質領域を形成している。このため、第1化合物層の直下に形成される第2化合物層との結晶組織の整合性がよくなり、第1化合物層の密着性を向上し、以って極めて優れた耐摩耗性が示される。このような特性を有する本発明の表面被覆切削工具は、20m/min以上のいわゆる高速切削加工においても優れた潤滑性を示す。
本発明の第1化合物層は、0.1μm以上5μm以下の厚みであることが好ましく、0.3μm以上3μm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは0.5μm以上2μm以下である。第1化合物層の厚みが0.1μm未満であると、被膜の潤滑性を向上させることができず、5μmを超えると、第1化合物層に残存する圧縮応力に耐え切れず第1化合物層が自己破壊して靭性が低下する。
ここで、非晶質領域は、非晶質からなるものであり、0.01μm以上0.5μm以下の厚みであることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上0.2μm以下の厚みである。非晶質領域の厚みが0.01μm未満であると、基材と被膜との密着性を十分に担保することができず、非晶質領域の厚みが0.5μmを超えると、被膜の硬度が低下し、耐摩耗性が低下する傾向がある。
一方、第1化合物層の表面側(基材側とは反対側)には結晶質領域が形成されており、当該結晶質領域は、六方晶構造からなることを特徴とする。このような結晶質領域を第1化合物層の表面側に形成することにより、表面被覆切削工具の耐摩耗性を向上させることができる。ちなみに、六方晶の結晶構造は、XRD(X線回折)により測定し、六方晶に起因するピークがあることで確認される。
上記の結晶質領域は、六方晶構造の結晶構造のみによって構成されるものであり、立方晶構造の結晶構造を含まないことを特徴とする。結晶質領域が立方晶構造を含むと、潤滑性が低下することになるため好ましくないからである。ちなみに、立方晶の結晶構造は、XRD(X線回折)により測定し、立方晶に起因するピークがあることで確認される。
<第2化合物層>
本発明において、上記の第1化合物層の直下の層は、第2化合物層であり、かかる第2化合物層は、M1-xTaxy(0.01≦x≦0.3、0.95≦y≦1.05)からなり、Mは、Si、Cr、Al、Ti、Hf、およびVからなる群より選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする。
このような原子比xでTaを含むことにより、TaNからなる第1化合物層との親和性を向上させることができ、もって第1化合物層との密着性を高めることができる。上記Taの原子比xは、0.25以下であることが好ましく、より好ましくは0.15以下である。Taの原子比xが0.01未満であると、第1化合物層との親和性が十分ではなく、第1化合物層との密着性が低下し、潤滑性を向上する効果を得ることができない。一方、0.3を超えると、第2化合物層の立方晶構造の一部が六方晶構造となり、第2化合物層の硬度が低下して耐摩耗性が低下するため好ましくない。
上記のTaは、物理蒸着法により第2化合物層を形成する際に、第2化合物層の原料となるターゲット中に所望量包含させることにより、当該層を構成する化合物中に含有させる。なお、このようなTaの含有の態様は、浸入型であってもよいし、置換型であってもよい。
また、第2化合物層を構成するM1-xTaxyにおけるNの原子比yは、金属成分との結合性の観点から0.98以上1.02以下であることが好ましい。Nの原子比yが0.95未満であるか、または1.05を超えると、金属成分(すなわちM)と窒素との結合が十分ではなくなることに起因して、被膜の硬度が低下し、耐摩耗性が低下するため好ましくない。
上記の第2化合物層は、立方晶構造を含む結晶構造からなり、4200mgf/μm2以上の硬度を有することを特徴とする。このような高硬度の第2化合物層を第1化合物層の直下に形成することにより、切削初期の第1化合物層の摩耗を抑制することができ、もって表面被覆切削工具の耐摩耗性を高めることができる。かかる第2化合物層は、4200mgf/μm2以上5500mgf/μm2以下の硬度を有することがより好ましく、さらに好ましくは4500mgf/μm2以上5200mgf/μm2以下の硬度である。
第2化合物層の硬度が4200mgf/μm2未満であると、第2化合物層の摩耗が進行しやすくなり、それに伴って第1化合物層も摩耗しやすくなるため、潤滑性が低下することとなる。一方、5500mgf/μm2を超えると、第2化合物層の硬度が固すぎて切削加工時の衝撃によって被膜が自己破壊して靭性が低下するため好ましくない。また、第2化合物層を構成する結晶構造が六方晶構造を含むと、第2化合物層の硬度が低下することになるため、第2化合物層は、立方晶のみの結晶構造からなることが好ましい。なお、本明細書において、「硬度」とは、インデンテーション硬度を意味し、ナノインデンター(エリオンクス社製)を用いて測定された値を採用する。
本発明の第2化合物層は、0.1μm以上5μm以下の厚みであることが好ましい。第2化合物層の厚みが0.1μm未満であると、第1化合物層との親和性が得られず、密着性が十分ではないため好ましくない。一方、5μmを超えると第2化合物層に残存する圧縮応力に耐え切れず被膜が自己破壊する場合があり、靭性が低下する。このような第2化合物層の好ましい厚みは0.3μm以上3μm以下であり、さらに好ましくは0.5μm以上2μm以下である。
<第3化合物層>
本発明において、被膜は、第1化合物層および第2化合物層以外に、さらに1層以上の第3化合物層を含むことが好ましい。かかる第3化合物層は、基材と第2化合物層との間に含まれていてもよいし、第1化合物層のさらに表面側に含まれていてもよい。
このような第3化合物層は、周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、およびSiからなる群より選ばれる1種以上の元素、または該元素のうちの1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群より選ばれる1種以上の元素との化合物によって構成されるものであることが好ましい。前者の元素に対し窒素を含有すると靭性に優れ、厚膜化しても被膜が破壊しにくいという利点を有する。一方、前者の元素に対し炭素および窒素を含有することにより、耐クレータ摩耗性を向上させることができる。また、酸素を含有することにより耐酸化性および耐溶着性に優れるため好ましい。なお、「第3化合物層」は、化合物からなるもののみに限定されるものではなく、上記の周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、およびSiの元素の単体からなる場合も含まれる。
上記の第3化合物層の1以上は、Cr、Al、Ti、およびSiからなる群より選ばれる1種以上の元素、または該元素のうちの1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群より選ばれる1種以上の元素との化合物によって構成されることが好ましい。
上記第3化合物層は、単層であってもよいし、多層であってもよいが、種々の機能を付与するという観点からは多層であることが好ましく、多層の中でも特に超多層構造であることがより好ましい。ここで、「多層」とは2以上の層からなる多重層をいい、「超多層構造」とは、性質および組成の相異なる2以上の層を数nm〜数百nmの厚みで100〜10000層程度積層したもの(通常上下交互または繰り返し積層されるもの)をいう。
第3化合物層は、1nm以上100nm以下の厚みの薄膜層を周期的に積層した超多層構造を有することが好ましく、当該薄膜層は、Cr、Al、Ti、およびSiからなる群より選ばれる1種以上の元素、または該元素のうちの1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群より選ばれる1種以上の元素との化合物によって構成されることがより好ましい。第3化合物層が超多層構造を有する場合、相異なる複数のターゲットを使用し、各層の厚みが数ナノメートルオーダーのレベルであることから、成膜速度に優れ、また、相異なる性質および組成の層を組み合わせることで被膜の硬度や断熱性、耐酸化性、靭性などの膜特性を向上させることができる。
<製造方法>
本発明の被膜を形成するのに用いられる物理蒸着法(PVD法)としては、従来公知の物理蒸着法を特に限定することなく用いることができる。これは、本発明の被膜を基材表面に成膜するためには結晶性の高い化合物を形成することができる成膜プロセスであることが不可欠であり、種々の成膜方法を検討した結果、物理蒸着法を用いることが最適であることが見出されたからである。物理蒸着法には、たとえばスパッタリング法、イオンプレーティング法、アークイオンプレーティング法、電子イオンビーム蒸着法等があるが、特に原料元素のイオン化率が高いカソードアークイオンプレーティング法、もしくはスパッタリング法を用いると、生産性が高いので好ましい。
物理蒸着法を用いて第1化合物層を形成する場合、成膜温度を制御することにより、第1化合物層の結晶状態を調整することが好ましい。すなわち、第1化合物層を形成し始めるときの成膜温度を550℃以上700℃以下とすることにより、基材側に非晶質領域を形成することができる。一方、非晶質領域を形成した後の成膜温度を450℃以上550℃以下とすることにより、非晶質領域上に結晶質領域を形成することができる。第1化合物層を占める非晶質領域および結晶質領域の厚みは、成膜時間の長短により調整することができ、成膜速度は0.1〜0.6μm/時とすることが好ましい。
第1化合物層は物理蒸着法の中でもスパッタリング法を用いて形成することが好ましい。スパッタリング法により第1化合物層を形成すると、該第1化合物層の特に結晶質領域の結晶組織が均質になり、第1化合物層の硬度を高めることができるというメリットがある。このようなスパッタリング法の具体的条件は、たとえば以下のような条件を挙げることができる。
すなわち、高周波数のパルスと低周波数のパルスとを交互に印加できるようなパルス化スパッタリング法を採用し、ターゲットとしては目的組成の焼結ターゲットまたは溶成ターゲットを用いる。そして、スパッタカソードに印加するパルス周波数を厚みが20〜70nmとなる毎に制御し、100kHz以下のパルス周波数と300kHz以上のパルス周波数とを交互に印加する。
このようにパルス周波数を交互に変化させて印加することにより、ターゲットから飛来する粒子のエネルギーを調整することができる。すなわち、300kHz以上のパルス周波数を印加する割合が高くなると、第1化合物層の結晶が大きく三次元的に成長し、硬度が向上する一方、100kHz以下のパルス周波数を印加する割合が高くなると第1化合物層の結晶成長が抑えられ硬度が低下する傾向を示す。このため、これらのパルス周波数を適切に制御することにより、第1化合物層の結晶性を高く保ちつつ、その結晶成長を抑制することができ、もって均一な結晶構造の第1化合物層を得ることができる。
そして、スパッタカソードに印加するパルス周波数を100kHz以下にするときは、基材に印加するバイアスを周波数200kHz以上であって、バイアス電圧を50V以上とすることが好ましく、スパッタカソードに印加するパルス周波数を300kHz以上にするときは、基材に印加するバイアスを周波数100kHz以下であって、バイアス電圧を50Vより小さくすることが好ましい。このように基材に印加するバイアスを調整することにより、第1化合物層の結晶組織を緻密にすることができ、もって被膜の摺動性を高めることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の被膜および被膜を構成する各層の厚みは被膜断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)または透過電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)を用いて観察することにより測定し、各層を構成する化合物の組成はX線光電子分光(XPS:X-ray photoelectron spectroscopy)によって確認した。また、結晶構造はX線回折(XRD:X‐ray diffraction)により確認し、入射角0.5°の条件で測定した。また、第2化合物層の硬度はナノインデンター(エリオンクス社製)を用いて測定した。
<実施例1〜35および比較例1〜8>
以下のようにして表面被覆切削工具を作成し、その評価を行なった。
<表面被覆切削工具の作成>
まず、表面被覆切削工具の基材として、材質がSUS304(加工面サイズ300mm×120mm)であり、形状がJIS P20超硬 SEET13T3AGSN(JIS)である正面フライス加工用の刃先交換型切削チップと、材質がインコネル718丸棒であり、形状がJIS K20超硬 CNMG120408(JIS)である旋削加工用の刃先交換型切削チップとを準備し、これらの基材をカソードアークイオンプレーティング・スパッタ装置に装着した。
続いて、真空ポンプにより該装置のチャンバー内を減圧するとともに、該装置内に設置されたヒーターにより上記基材の温度を600℃に加熱し、チャンバー内の圧力が1.0×10-4Paとなるまで真空引きを行なった。
次に、アルゴンガスを導入してチャンバー内の圧力を3.0Paに保持し、上記基材の基板バイアス電源の電圧を徐々に上げながら−1500Vとし、Wフィラメントを加熱して熱電子を放出させながら基材の表面のクリーニングを30分間行なった。その後、アルゴンガスを排気した。
次いで、上記基材上に直接接するようにして、表1および表2に記載の第3化合物層、第2化合物層、および第1化合物層を基材側から厚み方向にこの順に形成した。なお、表中の「−」と示しているのは、それに該当する層を形成していないことを意味する。ここで、第3化合物層は、表1および表2の「第3化合物層」の「第1層」および「第2層」の金属組成の焼結ターゲットまたは溶成ターゲットを用い、Ar、N2、CH4、およびO2ガスを導入して、それぞれ従来公知の方法により成膜を行なった。
なお、表1および表2中、「第1化合物層」、「第2化合物層」、および「第3化合物層」の欄の「組成」はそれぞれの層を構成する化合物の組成を示し、「厚み」はそれぞれの層の厚みを示している。また、表2中の実施例33〜35の第3化合物層の第2層、および比較例2の第3化合物層の第1層は、組成の横の括弧内に記載の厚みの薄膜層を交互に積層した超多層構造を有するものであるが、これらについては従来公知の条件で成膜した。
続いて、上記で形成した第3化合物層上に表1および表2記載の各第2化合物層を形成した。かかる第2化合物層は、上記の第3化合物層と同様にして形成することができ、表1および表2記載の第2化合物層の金属組成の焼結ターゲットまたは溶成ターゲットを用い、従来公知の方法により表1および表2の「厚み」の欄に記載の厚みとなるように形成した。また、「硬度」の欄には、ナノインデンター硬度計を用いて測定されたインデンテーション硬度の値を示す。ナノインデンター硬度計の測定条件は、標準的方法で作製したTiAlN被膜の硬度が4700mgf/μm2を示すように設定した。上記の「標準的方法」とは、TiAl合金(TiとAlとの原子比が1:1)をターゲット材料として、アーク電流150A、バイアス電圧150V、窒素ガスの圧力3.0Pa、基材温度400〜550℃の条件で2μmの厚みのTiAlN被膜を作製した条件を意味する。
さらに、上記で形成した第2化合物層上に表1および表2に記載の第1化合物層を形成した。かかる第1化合物層は、表1および表2記載のTaの焼結ターゲットまたは溶成ターゲットを用い、Ar、およびN2を導入しながら650℃で表1および表2記載の厚みの非晶質領域を形成するという操作の後に、500℃で表1および表2記載の厚みの結晶質領域を形成するという操作を行なうことにより、表1および表2記載の厚みを有するように第1化合物層を形成した。
表1および表2中の「TaN」は、TaとNとで構成される結晶または非晶質を示し、TaとNとの比は1:1の場合のみに限られるものではなく、これらの原子比から多少外れた比率のものであってもよく、従来公知の原子比を全て含むものであり、両者の原子比は特に限定されない。表1中に示される各組成のいずれに関しても、上記のTaNと同様その組成比が限定されるものではない。なお、「厚み」の欄には、非晶質領域および結晶質領域の各厚みを示すとともに、その合計となる第1化合物層の厚みを「合計厚み」の欄に示す。
なお、第1化合物層をスパッタリング法で形成する場合、650℃で非晶質領域を形成した後に、500℃とした上で、スパッタカソードに印加するパルス周波数を厚みが20〜70nmとなる毎に制御し、100kHz以下のパルス周波数と300kHz以上のパルス周波数とを交互に印加することにより結晶質領域を形成した。
第1化合物層の結晶質領域の結晶組織を緻密にするために、結晶質領域を形成するときのパルス周波数とバイアスとを調整した。具体的には、スパッタカソードに印加するパルス周波数を100kHz以下にするときは、基材に印加するバイアスを周波数200kHz以上とするとともに、バイアス電圧を50V以上とし、スパッタカソードに印加するパルス周波数を300kHz以上にするときは、基材に印加するバイアスを周波数100kHz以下にするとともに、バイアス電圧を50Vより小さくした。なお、成膜速度は0.1〜0.6μm/時となるようにスパッタ電力を調整した。
上記のようにして作製した各実施例および各比較例の表面被覆切削工具の第1化合物層を構成する結晶質領域に対し、XRD(X線回折)によって結晶構造を確認したところ、比較例3を除いては全て六方晶に起因するピークがあることが確認された。これに対し、比較例3の第1化合物相を構成する結晶質領域は、立方晶および六方晶の両方に起因するピークが確認された。よって、比較例3の結晶質領域は、六方晶に加えて立方晶を含むものである。
<表面被覆切削工具の耐摩耗性の評価>
上記で作製した実施例1〜35および比較例1〜8の表面被覆切削工具のそれぞれについて、以下の条件による正面フライス試験および連続旋削試験を行なうことにより耐摩耗性の評価を行なった。該評価は、刃先の逃げ面摩耗幅が0.2mmを超えるまでの時間、または被膜に欠損が生じるまでの時間を切削時間として測定することにより行なった。その結果を表3に示す。なお、正面フライス試験および連続旋削試験のいずれも、切削時間が長いものほど耐摩耗性が優れていることを示している。
<正面フライス試験の条件>
基材としては上記の通り材質がSUS304(加工面サイズ300mm×120mm)であり、形状がJIS P20超硬 SEET13T3AGSN(JIS)である正面フライス加工用の刃先交換型切削チップを用いて、以下の条件により行なった。
被削材:SUS304(加工面サイズ300mm×120mm)
切削速度:100m/分
切り込み:2.0mm
送り:0.15mm/rev
DRY/WET:DRY
<連続旋削試験の条件>
基材としては上記の通り材質がインコネル718丸棒であり、形状がJIS K20超硬 CNMG120408(JIS)である旋削加工用刃先交換型切削チップを用い、以下の条件により行なった。
被削材:インコネル718丸棒
切削速度:40m/分
切り込み:0.5mm
送り:0.15mm/rev
DRY/WET:WET
Figure 0005640243
Figure 0005640243
Figure 0005640243
表3より明らかなように、実施例1〜35の本発明に係る表面被覆切削工具は、比較例1〜8の表面被覆切削工具に比し、優れた耐摩耗性を示し、工具寿命が向上していることが確認できた。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 基材、2 第2化合物層、3 第1化合物層、4 被膜。

Claims (7)

  1. 基材と、該基材上に形成された被膜とを備える表面被覆切削工具であって、
    前記被膜は、2以上の層を含み、
    前記2以上の層のうち少なくとも一層は、TaNからなる第1化合物層であり、
    前記第1化合物層は、前記基材側から厚み方向に非晶質領域と結晶質領域とをこの順に有し、
    前記非晶質領域は、非晶質からなり、
    前記結晶質領域は、六方晶構造からなり、
    前記第1化合物層の直下の層は、M1-xTaxy(0.01≦x≦0.3、0.95≦y≦1.05)、またはCr 0.7 Si 0.1 Ta 0.2 からなる第2化合物層であり、
    前記Mは、Ti、TiAl、またはTiHfからなり
    前記第2化合物層は、立方晶構造を含む結晶構造からなり、かつ4200mgf/μm2以上の硬度を有する、表面被覆切削工具。
  2. 前記第1化合物層は、0.1μm以上5μm以下の厚みである、請求項1に記載の表面被覆切削工具。
  3. 前記第2化合物層は、0.1μm以上5μm以下の厚みである、請求項1または2に記載の表面被覆切削工具。
  4. 前記被膜は、さらに1層以上の第3化合物層を含み、
    前記第3化合物層は、周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、およびSiからなる群より選ばれる1種以上の元素、または該元素のうちの1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群より選ばれる1種以上の元素との化合物によって構成される、請求項1〜3のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  5. 前記第3化合物層は、Cr、Al、Ti、およびSiからなる群より選ばれる1種以上の元素、または該元素のうちの1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群より選ばれる1種以上の元素との化合物によって構成される、請求項4に記載の表面被覆切削工具。
  6. 前記第3化合物層は、1nm以上100nm以下の厚みの薄膜層を周期的に積層した超多層構造を有し、
    前記薄膜層は、Cr、Al、Ti、およびSiからなる群より選ばれる1種以上の元素、または該元素のうちの1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群より選ばれる1種以上の元素との化合物によって構成される、請求項4または5に記載の表面被覆切削工具。
  7. 前記基材は、超硬合金、サーメット、立方晶型窒化硼素焼結体、高速度鋼、セラミックス、またはダイヤモンド焼結体のいずれかにより構成される、請求項1〜6のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
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