JP5417650B2 - 表面被覆切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、基材と、該基材上に形成された被膜とを備える表面被覆切削工具に関する。
切削工具を構成する基材は、その表面保護を目的とするとともに耐摩耗性や靭性等の諸特性の更なる向上を目的として、各種の被膜でその表面を被覆することが行なわれてきた。中でも酸化アルミニウムは、高い硬度を有し耐摩耗性に特に優れる効果が発揮されるとともに、基材の表面酸化を防止する効果が期待されることから、上記基材の表面を被覆する被膜として用いる試みが古くから行なわれてきた。
一般的にAl23は熱伝導性が悪く、断熱材料として広く用いられており、TiAlN層などの窒化物の上にAl23層を設けた構造の工具が知られている。しかしながらAl23層は工具に用いられる他の材料に比べて靭性に劣る。酸化物層の靭性を向上することを目的として酸化物層に金属成分を添加する方法が知られている。
たとえば、特許文献1には、基体表面に周期律表のIVa、Va、VIa族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物、炭酸化物、窒酸化物及び炭窒酸化物のいずれか1種の単層皮膜又は2種以上からなる多層皮膜並びに少なくとも1層の酸化アルミニウム膜が形成され、該酸化アルミニウム膜の結晶粒界にイットリウムが含有されている酸化被膜工具が開示されている。酸化アルミニウム膜は、α型の結晶構造を有し、CVDで被膜を形成し、引張り残留応力を付与したものである。Y含有量が2.5wt%を超えると固溶し始めるとあり、2.5wt%未満ではYは結晶粒界に粒子として存在していると考えられる。しかし、YはAl23結晶と反応(拡散・固溶)するため、かかる被膜に衝撃が加わると被膜が剥離するとともにチッピングや欠損を生じ靭性に劣るという問題点を有していた。
また、特許文献2には、基材上にα型の結晶構造の酸化アルミニウムとγ型の結晶構造の酸化アルミニウムとを混在して含む酸化アルミニウム被膜を有する表面切削工具が開示されている。該酸化アルミニウム被膜は、Zr、Hf、BまたはTiの少なくとも1種を含有することができるが、これらの元素は、酸化アルミニウム被膜を形成するUBMスパッタ源に添加しているので、酸化アルミニウム結晶粒内に原子として固溶してしまうため、近年における高速切削や難削材加工などの膜への負荷が高い加工においては靭性が不十分であった。
硬質被膜層に金属粒子を含有させる方法としては、アークイオンプレーティング法がある。しかし、アークイオンプレーティング法で発生するドロップレットと呼ばれる金属粒子は粒径が約1.0μmと非常に大きいため、ドロップレット周囲に空隙が生じる。特許文献3では、アークイオンプレーティング法で発生するドロップレットと呼ばれる金属粒子を部分的に除去することで、工具部位におけるドロップレットの面積比を制御しているが、近年における高速切削や難削材加工などの膜への負荷が高い加工においては靭性が不十分である。
特開2004−1154号公報 特開2008−879号公報 特開2007−118126号公報
本発明は、Al23層を設けた構造の表面被覆切削工具において、高速加工やステンレス、インコネル、チタンなどの難削材加工において、非常に優れた靭性を有する表面被覆切削工具を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、Al23層に特定の金属粒子を含有させることにより上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)基材と、該基材上に形成された被膜とを備える表面被覆切削工具であって、前記被膜は、
Al23層を含み、
前記Al23層は金属粒子が分散した構造であり、
前記金属粒子は、周期表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、及びSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含み、
前記金属粒子の粒子サイズは10nm〜250nm
であることを特徴とする表面被覆切削工具。
(2)前記金属粒子が、Al23層中、Alに対して0.01〜20.00at%含有されることを特徴とする前記(1)記載の表面被覆切削工具。
(3)前記Al23層が、(Al1-xMex23但し、MeはAl 2 3 に固溶しており、MeはV,Cr,Y,Zr、Nb,Hf,Ta,B,Siの少なくとも1種であり、xは0〜0.20である。)層であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の表面被覆切削工具。
(4)前記Al23層が、(Al1-xMex23但し、MeはAl 2 3 に固溶しており、MeはV,Cr,Y,Zr、Nb,Hf,Ta,B,Siの少なくとも1種であり、x=0.001〜0.20である。)層であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
(5)前記被膜が、前記(Al1-xMex23においてx=0のAl23層と、x=0.001〜0.20のAl23層とを含むことを特徴とする前記(3)又は(4)に記載の表面被覆切削工具。
(6)前記被膜は、Al23層以外に、周期表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al,及びSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素からなる金属、または、該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、及び硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される硬質被膜層を、少なくとも1層有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
(7)前記硬質被膜層は、Cr、Al、Ti、及びSiから選ばれる少なくとも1種の元素からなる金属、または、該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成されることを特徴とする前記(6)に記載の表面被覆切削工具。
(8)前記被膜は、Al23層以外に、Cr、Al、Ti、及びSiから選ばれる少なくとも1種の元素からなる金属、または、該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される硬質被膜層を2種以上、各層の厚みを1nm以上100nm以下の厚みとして積層されてなる積層被膜を1以上有しており、該積層被膜において2種以上の各硬質被膜層が周期的に積層されてなることを特徴とする前記(6)又は(7)に記載の表面被覆切削工具。
(9)前記基材が、超硬合金、サーメット、cBN、高速度鋼、セラミクス、またはダイヤモンド焼結体により構成されることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
本発明の表面被覆切削工具は、高速加工やステンレス、インコネル、チタンなどの難削材加工において、非常に優れた靭性を得ることができる。
本発明におけるAl23層成膜装置の概略構成を示す模式図である。
本発明の表面被覆切削工具は、基材と、該基材上に形成された被膜とを備える表面被覆切削工具であって、前記被膜は、
Al23層を含み、
前記Al23層は金属粒子が分散した構造であり、
前記金属粒子は、周期表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、及びSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含み、
前記金属粒子の粒子サイズは10nm〜250nm
である。
<表面被覆切削工具>
本発明の表面被覆切削工具は、基材と、該基材上に形成された被膜とを備えるものである。このような基本的構成を有する本発明の表面被覆切削工具は、たとえばドリル、エンドミル、フライス加工用または旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ、またはクランクシャフトのピンミーリング加工用チップ等として極めて有用である。
<基材>
本発明の表面被覆切削工具の基材としては、このような切削工具の基材として知られる従来公知のものを特に限定なく使用することができる。たとえば、超硬合金(たとえばWC基超硬合金、WCの他、Coを含み、あるいはさらにTi、Ta、Nb等の炭窒化物等を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、およびこれらの混合体など)、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体等をこのような基材の例として挙げることができる。このような基材として超硬合金を使用する場合、そのような超硬合金は、組織中に遊離炭素やη相と呼ばれる異常相を含んでいても本発明の効果は示される。
なお、これらの基材は、その表面が改質されたものであっても差し支えない。たとえば、超硬合金の場合はその表面に脱β層が形成されていたり、サーメットの場合には表面硬化層が形成されていても良く、このように表面が改質されていても本発明の効果は示される。
<被膜>
本発明の表面被覆切削工具の上記基材上に形成される被膜は、少なくとも1層の特定のAl23層を含むものである。
また、このような被膜は、さらに硬質被膜を含むことができ、この硬質皮膜は、周期表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、及びSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素からなる金属、または、該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、及び硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される硬質被膜層を、少なくとも1層有することができるとともに、さらに他の組成の被膜を含むこともできる。
なお、このような被膜の合計厚み(総膜厚)は、0.5μm以上15μm以下とすることが好ましく、より好ましくはその上限が10μm以下、さらに好ましくは7μm以下、その下限が1μm以上、さらに好ましくは2μm以上である。その厚みが0.5μm未満の場合、靭性の向上作用が十分に示されない場合があり、15μmを超えると靭性が低下するため好ましくない。
<Al23層>
本発明の被膜は、少なくとも1層のAl23層を含み、前記Al23層は金属粒子が分散した構造であり、前記金属粒子は、周期表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、及びSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含み、該金属粒子の粒子サイズは10nm〜250nmである。
金属粒子の粒子サイズは10〜250nmであることが重要であり、30〜150nmが好ましく、50〜100nmがより好ましい。10nm未満では成膜中にAl23結晶との界面において金属粒子とAl23結晶間での反応が起こり、靭性向上効果が得られない。一方、250nmを超えるとAl23結晶との界面において空隙が発生し、被膜硬度が低下するとともに空隙から結晶粒子が脱落してしまい靭性が低下する。
金属粒子の粒子サイズは、膜断面をTEMで観察し、任意の3μm長さの線分上で金属粒子のサイズを測定した。3線分における金属粒子のサイズを測定し、平均を粒子サイズとした。
尚、本発明においては、Siは構造によらず金属とする。
前記周期表のIVa族元素(Ti、Zr、Hf等)、Va族元素(V、Nb、Ta等)、VIa族元素(Cr、Mo、W等)、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属としては、Zr、Nb、Ta,Cr、Si等が好ましい。
また、Al23層における金属粒子の割合は、Al23のAlに対して0.01〜20.00at%含有されることが好ましく、1.0〜16at%がより好ましく、4〜13at%が特に好ましい。0.01at%未満では金属粒子による靭性向上効果が不十分であり、20.00at%を超えると金属粒子同士が隣接して粗大化してしまうという事象が発生してしまい靭性が低下する。
Al23層における金属粒子の割合は、XPSで測定することにより求めることができる。
また、前記Al23層は、(Al1-xMex23(Me=V,Cr,Y,Zr、Nb,Hf,Ta,B,Siの少なくとも1種、x=0〜0.20)層であることが好ましく、前記x=0.001〜0.20であることがより好ましい。このMeはAl23層中に固溶している。
前記Al23層がMeを上記の含有量で含有することによって、硬度・耐熱性・高温安定性・潤滑性が向上する。
また、前記被膜は、前記(Al1-xMex23においてx=0のAl23層(Me含有しないAl23層)と、x=0.001〜0.20のAl23層(Meを含有するAl23層)とを有していてもよい。
Al23の結晶構造はα、γ、アモルファス、またはそれらが混在してもよいが、γ型の結晶構造を含むことが好ましい。
Al23層の膜厚は0.1〜10.0μmが好ましく、0.5〜7.5μmがより好ましく、1.0〜4.0μmが特に好ましい。0.1μm以上であることによりAl23層の効果が十分に発揮され、10.0μm以下であることによりAl23層が内部応力による自己破壊を伴うことがなく、効果を十分に発揮することができる。
前記膜厚は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてAl23層の基材に対する垂直方向の断面を観察し、測定することができる。
上記のような優れた特性を有するAl23層は、被膜の大規模破壊や自己剥離が防止されるとともに靭性と耐摩耗性とを高度に両立させることにより優れた工具寿命を提供することができる。
また、このような切削工具自体のメリットばかりではなく、この工具により加工された被削材は、その仕上り面が極めて美麗なものになるという優れた効果が示される。
一方、本発明におけるAl23層とは、Al23を主成分として含む層を意味し、不可避不純物が包含されていても差し支えない。また、α型の結晶構造とは結晶学的にコランダム型の結晶構造を有するものであり、γ型の結晶構造とは結晶学的にスピネル型の結晶構造を有するものである。これらは、いずれもX線回折法(XRD)により同定することができる。
また、α型の結晶構造の酸化アルミニウムとγ型の結晶構造の酸化アルミニウムとが混在するとは、X線回折法で上記α型とγ型の双方に起因する回折スペクトルを有するものをいう。
上記のような優れた特性を有する本発明のAl23層は、物理蒸着法により形成することが最適である。物理蒸着法としては、従来公知の物理蒸着法をいずれも採用することができ、このような物理的蒸着法としては、たとえばスパッタリング法、イオンプレーティング法、アークイオンプレーティング法、電子イオンビーム蒸着法等を挙げることができる。原料元素のイオン率が高いカソードアークイオンプレーティング法もしくはスパッタリング法を用いると、被膜を形成する前に基材表面に対して金属またはガスイオンボンバードメント処理が可能となるため、被膜と基材との密着性が格段に向上するので好ましい。特に、非導電性材料であるAl23を被覆するためにはスパッタリング法が好ましい。スパッタリング法は、表面平滑な被膜を容易に作成することができ、被削材に対する耐溶着性に優れた被膜となり、同時に被削材の仕上げ面粗度が良好になるという利点を有する。また、基材を劣化させることなく有利にAl23層を形成することができる。また、金属粒子はイオンクラスタービーム(ICB)法を用いて含有させることが、Al23層中に好適なサイズの金属粒子を分散させることができ、好ましい。特に、パルス化スパッタ法とイオンクラスタービーム法を併用し、パルススパッタ法でAl23マトリクス、イオンクラスタービーム法で金属成分を添加することが好ましい。
具体的には、図1に示すように、Al、前記Me等のAl23マトリクス組成の原料をスパッタ源、添加金属原料をICB源にセットし、成膜温度450〜700℃、スパッタ内のガスはアルゴン等の希ガスと酸素、ICB内はアルゴン等の希ガスを投入し成膜することが好ましい。
金属添加量はスパッタ出力とICB法の出力との比で制御することができる。
また、Al23マトリクス、金属粒子の添加は、特に以下のような条件を採用することが好ましい。すなわち、Al23マトリクスは、スパッタリング法としてパルス化スパッタ法を採用し、圧力は0.1〜1.0Pa、単位面積あたりのスパッタ出力を3.0〜10.0W/cm2、スパッタ周波数を50〜350kHz、基材へのバイアス電圧を20〜120V、バイアス周波数を30〜100kHzの条件で成膜することが好ましい。
金属粒子は、イオンクラスタービーム法において、圧力0.01〜0.1Pa、加速電圧0.1〜1kV、エミッション電流100〜500mAの条件で添加することが好ましい。
<硬質被膜>
本発明の被膜は、上記で説明したAl23層以外に、さらに周期律表のIVa族元素(Ti、Zr、Hf等)、Va族元素(V、Nb、Ta等)、VIa族元素(Cr、Mo、W等)、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素からなる金属、または、該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される硬質被膜層を、少なくとも1層含むことができる。
そして、このような硬質被膜層としては、特にTi、Cr、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素からなる金属、または、該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される硬質被膜層が好ましく、Ti、Cr、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素からなる金属、または、該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される硬質被膜層を2種以上、各層の厚みを1nm以上100nm以下の厚みとして積層されてなる積層被膜を有し、該積層被膜において、各硬質被膜層が周期的に積層されてなる積層被膜を1以上含むことが好ましい。
このような硬質被膜層は、高硬度で耐摩耗性に優れるとともに、極めて優れた靭性を示すものが好ましい。特に、Ti、Cr、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素からなる金属、または該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される1層以上の硬質被膜層は、耐酸化性および耐熱性に優れていることから特に優れた耐摩耗性が示されるため極めて有効である。なお、該硬質被膜層は、物理蒸着法により形成されることが好ましく、圧縮応力を有していることが好ましい。
このような硬質被膜層を物理蒸着法により形成することが好適である理由は、第一に硬質被膜層に圧縮応力を付与するためであり、第二に上記のAl23層が物理蒸着法により形成される場合においてこれらの被膜と同じ成膜方法を採用することにより製造効率を向上させるためである。このような物理蒸着法は、上記のAl23層について述べたのと同様の方法を採用することができる。
そして、このような硬質被膜層を構成する元素または化合物としては、たとえば、Cr、Ti、Al、Si、V、Zr、Hf、TiAl、TiSi、AlCr、TiN、TiON、TiCN、TiCNO、TiBN、TiCBN、TiAlCN、AlN、AlCN、AlCrCN、AlON、CrN、CrCN、TiSiN、TiSiCN、Ti23、TiAlON、ZrN、ZrCN、AlZrN、TiAlN、TiAlSiN、TiAlCrSiN、AlCrN、AlCrSiN、TiZrN、TiAlMoN、TiAlNbN、TiSiN、TiSiCN、AlCrTaN、AlTiVN、TiB2、TiCrHfN、CrSiWN、TiAlCN、TiSiCN、AlZrON、AlCrCN、AlHfN、CrSiBON、TiAlWN、AlCrMoCN、TiAlBN、TiAlCrSiBCNO等を挙げることができる。
とりわけ、Ti、Cr、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素からなる金属、または該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物としては、Ti、Cr、Al、Si、TiAlN、TiAlNO、TiAlCNO、TiBN、TiCBN、TiSiN、TiSiNO、TiSiCNO、CrTiN、CrTiNO、CrTiCNO、SiAlN、SiAlNO、SiAlCNO、CrSiN、CrSiNO、CrSiCNO、SiAlN、SiAlNO、SiAlCNO、CrSiN、CrSiNO、CrSiCNO、TiAlSiN、TiAlSiNO、TiAlSiCNO、TiAlCrN、TiAlCrNO、TiAlCrCNO、TiCrSiN、TiCrSiNO、TiCrSiCNO、AlCrN、AlCrNO、AlCrSiNO、AlCrCNO、AlCrSiBNO等を挙げることができ、特にAlCrN、AlCrNO、AlCrSiNO、AlCrSiBNO、AlCrCNO等が好適である。
なお、上記の化学式において、各元素の原子比が特に記載されていないものは必ずしも等比となるものではなく、従来公知の原子比が全て含まれるものとする。たとえば単にTiNと記す場合、TiとNとの原子比は1:1が含まれる他、2:1、1:0.95、1:0.9等が含まれる(特に断りのない限り、以下において同じ)。
なお、これらの元素からなる金属または化合物によって構成される硬質被膜層は、単層または多層として形成することができ、多層の場合はこれらの元素からなる金属または化合物からなる硬質被膜層を5nm〜5μmの厚みで積層する場合も含む。そして、特にTi、Cr、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素からなる金属、または、該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される硬質被膜層を2種以上、各層の厚みを1nm以上100nm以下の厚みとして積層されてなる積層被膜を有し、該積層被膜において、各硬質被膜層が周期的に積層されてなる積層被膜を1以上含むことが好ましい。このように上記各層を周期的に積層させることにより、耐酸化性および耐熱性がさらに向上し極めて優れた耐摩耗性が示される。ここで、周期的に積層させるとは、たとえば組成が異なる2種の層を上下交互に積層させるなど、一定の周期性をもって積層させることをいう。なお、各層の厚みが1nm未満となる場合や100nmを超える場合には積層による耐摩耗性の向上効果が示されない場合があるが、その場合であってもこれらの元素や化合物によってもたらされる固有の耐摩耗性の向上効果は示される。各層の厚みはより好ましくは5nm以上60nm以下である。
さらに本発明の硬質被膜層は、上記のように圧縮応力を有することが好ましく、これにより高い靭性を示すものとなる。ここで、圧縮応力とは、被膜に存する内部応力(固有ひずみ)の一種であって、「−」(マイナス)の数値(単位:GPa)で表されるものである。このため、数値を用いずに圧縮応力(内部応力)の大小を表現する場合は、上記数値の絶対値が大きくなるものを「圧縮応力が大きい」と表現し、上記数値の絶対値が小さくなるものを「圧縮応力が小さい」と表現する場合がある。一般に、圧縮応力が大きくなる程高い靭性を示す。硬質被膜層の圧縮応力は、好ましくは−10GPa以上−1GPa以下、さらに好ましくはその上限が−1.5GPa以下、さらに好ましくは−2GPa以下、その下限が−8GPa以上、さらに好ましくは−7GPa以上の範囲の応力とすることが好適である。−1GPaを超える残留応力を有する場合には、靭性が劣る(耐欠損性が劣る)ことになり、一方、残留応力が−10GPa未満になると圧縮応力が大きくなり過ぎて被膜の自己破壊による剥離を生じる場合がある。なお、このような圧縮応力は、sin2ψ法を用いた方法により測定することができる。また、硬質被膜層が多層で形成される場合には、最大の圧縮応力(その絶対値が最大となる圧縮応力)を有する層の応力を硬質被膜層の圧縮応力とするものとする。
また、このような硬質被膜層は、0.3μm以上10μm以下の厚み(多層で形成される場合はその全体の厚み)を有することが好ましく、より好ましくはその上限が7μm以下、さらに好ましくは5μm以下、その下限が0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上である。その厚みが0.3μm未満の場合には、十分な耐摩耗性が示されなくなるとともに十分な靭性を示さなくなる場合があり、10μmを超えると耐欠損性が低下することがあるため好ましくない。
なお、このような硬質被膜層は、基材とAl23層との間に形成することができるとともに、Al23層上に形成することもでき、その積層配置は特に限定されない。
<補助酸化物被膜>
本発明の被膜は、上記のAl23層、硬質被膜以外にさらに補助酸化物被膜を含むことができる。そして、このような補助酸化物被膜は、Al23以外の酸化物を含むものであり、上記Al23層に接する下層として形成されていることが好ましい。ここで、Al23以外の酸化物を含むとは、そのような酸化物を主成分として含むことを意味し、不可避不純物が包含されていても差し支えない。
このように補助酸化物被膜を上記Al23層に接する下層として形成することにより、上記のような物理蒸着法の採用と相俟って、本発明のAl23層を極めて有利に形成することができる。これは恐らく、Al23と親和性の高い酸化物でこの補助酸化物被膜を形成することにより、補助酸化物被膜上にAl23との結晶核(シード)を極めて高密度に形成することができ、しかもそのように形成された結晶核を極めて均一に成長させることができるためではないかと考えられる。
したがって、このような補助酸化物被膜に含まれる酸化物としては、Al23と親和性の高い酸化物を用いることが好ましく、たとえばCr23、TiO2、SiO2、ZrO2、Ta2O、HfO2、TiZrON等を挙げることができる。なお、当該酸化物は、窒素、炭素、硼素等を含んでいても差し支えない。
このような補助酸化物被膜は、上記のAl23層と同様に物理蒸着法により形成することが好適である。その理由は、Al23層が物理蒸着法により形成される場合においてこのAl23層と同じ成膜方法を採用することにより製造効率を向上させるためである。このような物理蒸着法は、上記のAl23層について述べたのと同様の方法を採用することができ、特にAl23層と同一の方法を採用することが好適である。
なお、このような補助酸化物被膜は、直接酸化物を形成して被膜とすることができるとともに、一旦酸化物以外の組成のもの(たとえば金属窒化物等)を形成しそれを酸化することにより当該被膜とすることもできる。
また、このような補助酸化物被膜は、0.05μm以上5μm以下の厚みを有することが好ましく、より好ましくはその上限が3μm以下、さらに好ましくは2μm以下であり、その下限が0.1μm以上である。その厚みが0.05μm未満の場合には、好適にAl23層を形成できない場合があり、5μmを超えると耐欠損性が低下することがあるため好ましくない。
なお、本発明における補助酸化物被膜は、Al23層に接する下層として形成される以外の積層配置で形成することもでき、また2以上の層に分けて形成することもできる。2以上の層に分けて形成される場合、1の層をAl23層に接する下層として形成し、他の層はそれ以外の積層配置として形成することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の各被膜の化学組成はXPS(X線光電子分光分析装置)によって確認した。
実施例1
<表面被覆切削工具の作製>
まず、以下の基材を準備した。
すなわち、グレードがJIS規格K20のWC基超硬合金であって、切削チップとしての形状がJIS規格CNMG120408であるもの(後述の旋削加工試験及び断続切削試験に使用するもの)を準備した(上記のJIS規格は1998年度版のものである)。
そして、それぞれの基材に対して以下のような方法により被膜を形成した。
すなわち、まず上記基材をカソードにパルスDC電源を用いたパルス化スパッタリング装置(成膜装置)に装着した。図1は、その成膜装置の概略構成を示す模式図である。図1に示す成膜装置内にパルススパッタ源とイオンクラスタービーム源を配置し、中心点Cを中心とし上記スパッタ源およびICB源に各対向するようにして回転する基材テーブルに基材である上記切削チップを装着した。なお、スパッタ内にはアルゴン等の希ガスと酸素を、ICB内にはアルゴン等の希ガスを投入した。
本実施例では、スパッタ源に表1のAl23層の組成の欄の金属組成をもつターゲットをセットし、ICB源に金属組成の欄の原料(例えばSi、Cr、Ta、Nb、Y、Zrなど)をセットした。すなわち、スパッタ源によりAl23マトリックスを形成し、ICB源により金属粒子を添加した。
また、硬質被覆層は、アークイオンプレーティング(AIP)装置を用いて成膜した。
上記基材表面に形成される被膜として、化学組成および積層構成(膜厚、金属サイズ、添加量等)が以下の表1に示したものとなるように上記蒸発源に上記原料(すなわちターゲット)を各々セットした。成膜の順序は、表1において左側に記載されているものから順に基材上に形成した。
続いて、真空ポンプにより該装置のチャンバー内を1×10-3Pa以下に減圧するとともに、該装置内に設置されたヒーターにより上記基材の温度を650℃に加熱し、1時間保持した。
次に、アルゴンガスを導入してチャンバー内の圧力を1.0Paに保持し、基板バイアス電源の電圧を徐々に上げながら−1000Vとし、基材の表面のクリーニングを15分間行なった。その後、アルゴンガスを排気した。
次いで、上記基材表面に形成される被膜として、化学組成および積層構成(膜厚、残留応力等)が以下の表1に示したものとなるように上記蒸発源に上記原料(すなわちターゲット)を各々セットした。成膜の順序は、表1において左側に記載されているものから順に基材上に形成した。
まず、第1層、第2層については、基材(基板)温度を550℃に設定し、反応ガスとして窒素を導入させながら、アークイオンプレーティング法で上記基材表面に各構成の被膜を形成した。
表1中のNo.1〜20のAl23層については、成膜初期(膜厚が0.1μm以下の範囲)において基材温度を550℃とし、さらに成膜中期(膜厚が0.1〜0.3μmの範囲)においては基材温度を徐々に680℃まで上げた。反応ガスとしてパルススパッタ内にはArと酸素、ICB内にはArガスを導入させながら成膜した。
スパッタカソードに印加するパルス周波数を100kHz以下と300kHz以上を交互に印加した(20〜70nm成膜毎)。交互に印加することでターゲットから飛来する粒子のエネルギーを調整し、結晶の成長を制御できる。更に基材に印加するバイアス周波数、電圧を調整することで被膜の緻密さを制御できる。
300kHz以上のパルスを印加する割合を高くすると結晶成長が促進され、結晶が3次元的に成長し(=結晶粒子径が大きく)結晶性が高くなる。逆に100kHz以下のパルスを印加する割合を高くすると結晶性が悪くなる。適切に制御することで結晶性を高くたもったまま結晶成長を抑制でき、粒子径が均一なAl23被膜を得ることができる。
更にカソードのパルス周波数を300kHz以上にする間に、基材に印加するバイアスを周波数50kHz以下、且つ電圧50Vより小さく、カソードのパルス周波数を100kHz以下にする間に基材に印加するバイアスを周波数50kHz以上、50V以上とすることで被膜を緻密にすることができる。
金属粒子は、イオンクラスタービーム法において、圧力0.01〜0.1Pa、加速電圧0.1〜1kV、エミッション電流100〜500mAの条件で添加した。
なお、No.13のAl23層は、上記のスパッタ源のターゲットにZrを4原子%添加(ターゲット中の全原子に対して)することにより、Al23層において、Zrが5原子%含まれる(前記x=0.05)ようにして形成した。同じく、No.15のAl23層は、上記のスパッタ源のターゲットにYを10原子%添加(ターゲット中の全原子に対して)することにより、Al23層において、Yが8原子%含まれる(前記x=0.08)ようにして形成した。同じく、No.18のAl23層は、上記のスパッタ源のターゲットにCrを10原子%添加(ターゲット中の全原子に対して)することにより、Al23層において、Crが10原子%含まれる(前記x=0.10)ようにして形成した。
また、No.19、20の第2層は、2種の層が周期的に積層されてなる被膜であることを示している。このような周期的な積層は、上記成膜装置において基材テーブルの回転速度を調節することにより形成することができる。
このようにして、表1に示したNo.1〜24の表面被覆切削工具を作製した。No.1〜20が本発明の実施例であり、No.21〜24は比較例である。
なお、比較例のNo.23は、金属粒子となるAlSiをAlSi合金ターゲットを用いてスパッタ成膜した。TEM観察では、Al23層中に700nmサイズのAlSiドロップレットを確認した。
また、比較例のNo.24のAl23層は、Al23粉末と金属Cr粉末混合ターゲットを用いてスパッタで成膜した。TEM観察では、Al23層中にCr金属粒子は確認できなかった。
Figure 0005417650
得られた表面被覆切削工具について、下記の条件により、靱性の評価を行なった。
インコネル丸棒旋削加工においては、逃げ面摩耗量0.2mmとなる、又は工具が欠損するまでの時間を測定し、SCM435断続加工においては、工具が欠損するまでの時間を測定した。その時間が長いもの程耐欠損性(靭性)に優れていることを示している。
その結果を以下の表2および3に示す。
インコネル丸棒旋削加工
<加工条件>
材質 インコネル718丸棒
切削チップ JIS K20超硬 CNMG120408
速度 70m/min
送り 0.15mm/rev
切り込み 0.5mm
寿命判定 逃げ面摩耗量0.2mm or 欠損まで
Figure 0005417650
SCM435断続加工
<加工条件>
材質 SCM435溝付き丸棒
切削チップ JIS K20超硬 CNMG120408
速度 100m/min
送り 0.22mm/rev
切り込み 1.5mm
寿命判定 欠損までの時間
Figure 0005417650
表2及び3より明らかなように、実施例のNo.1〜20の本発明に係る表面被覆切削工具は、比較例のNo.21〜24の表面被覆切削工具に比し、優れた靱性を示し、工具寿命が向上していることが確認できた。

Claims (9)

  1. 基材と、該基材上に形成された被膜とを備える表面被覆切削工具であって、前記被膜は、
    Al23層を含み、
    前記Al23層は金属粒子が分散した構造であり、
    前記金属粒子は、周期表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、及びSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含み、
    前記金属粒子の粒子サイズは10nm〜250nm
    であることを特徴とする表面被覆切削工具。
  2. 前記金属粒子が、Al23層中、Alに対して0.01〜20.00at%含有されることを特徴とする請求項1記載の表面被覆切削工具。
  3. 前記Al23層が、(Al1-xMex23但し、MeはAl 2 3 に固溶しており、MeはV,Cr,Y,Zr、Nb,Hf,Ta,B,Siの少なくとも1種であり、xは0〜0.20である。)層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面被覆切削工具。
  4. 前記Al23層が、(Al1-xMex23但し、MeはAl 2 3 に固溶しており、MeはV,Cr,Y,Zr、Nb,Hf,Ta,B,Siの少なくとも1種であり、x=0.001〜0.20である。)層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
  5. 前記被膜が、前記(Al1-xMex23においてx=0のAl23層と、x=0.001〜0.20のAl23層とを含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の表面被覆切削工具。
  6. 前記被膜は、Al23層以外に、周期表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al,及びSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素からなる金属、または、該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、及び硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される硬質被膜層を、少なくとも1層有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
  7. 前記硬質被膜層は、Cr、Al、Ti、及びSiから選ばれる少なくとも1種の元素からなる金属、または、該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成されることを特徴とする請求項6に記載の表面被覆切削工具。
  8. 前記被膜は、Al23層以外に、Cr、Al、Ti、及びSiから選ばれる少なくとも1種の元素からなる金属、または、該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される硬質被膜層を2種以上、各層の厚みを1nm以上100nm以下の厚みとして積層されてなる積層被膜を1以上有しており、該積層被膜において2種以上の各硬質被膜層が周期的に積層されてなることを特徴とする請求項6又は7に記載の表面被覆切削工具。
  9. 前記基材が、超硬合金、サーメット、cBN、高速度鋼、セラミクス、またはダイヤモンド焼結体により構成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
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