JP4917447B2 - 表面被覆切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、基材上に被膜を形成してなる表面被覆切削工具に関する。
切削工具を構成する基材は、その表面保護を目的とするとともに耐摩耗性や靭性等の諸特性の更なる向上を目的として、各種の被膜でその表面を被覆することが行なわれてきた。中でも酸化アルミニウムは、高い硬度を有し耐摩耗性に特に優れる効果が発揮されるとともに、基材の表面酸化を防止する効果が期待されることから、上記基材の表面を被覆する被膜として用いる試みが古くから行なわれてきた。
たとえば、α型の結晶構造を有する酸化アルミニウムでそのような被膜を構成しかつ引張応力を付与したものが知られているが(特許文献1)、かかる被膜に衝撃が加わると被膜が剥離するとともにチッピングや欠損を生じ靭性に劣るという問題点を有していた。これに対して、α型の結晶構造を有する酸化アルミニウムで被膜を構成し圧縮応力を付与したものが提案されているが(特許文献2)、かかる構成を採用すると酸化アルミニウムの結晶粒子が粗大成長しやすく、被膜の表面平滑性が害されることから切削時に被削材の溶着による被膜剥離が発生し耐摩耗性が劣るという問題点が存した。
一方、微細結晶粒のγ型酸化アルミニウムで被膜を構成したものが知られているが(特許文献3)、γ型酸化アルミニウムはα型の結晶構造を有するものに比し硬度および熱安定性が劣ることから、耐摩耗性に劣り工具寿命が短くなるという問題点が存した。また、酸化アルミニウム被膜をα型あるいはγ型の単独の結晶構造の酸化アルミニウムで構成した場合、被膜の大規模破壊を生じやすいという共通の問題点を有していた。
これに対して、α型の結晶構造を有する酸化アルミニウムとγ型の結晶構造を有する酸化アルミニウムとの両者で被膜を形成することも試みられているが(特許文献4)、かかる被膜全体に対して圧縮応力が付与された構成であるため、被膜の自己破壊を生じやすくやはり工具寿命が短くなるという問題を有していた。
上記のような問題を解決する試みの一つとして、被膜に圧縮応力の強度分布を形成するというアプローチが提案されているが(たとえば特許文献5)、被膜を形成する条件が複雑化し生産性が低下するという問題を有していた。
特開2004−1154号公報 特開2004−332006号公報 特表2001−522725号公報 特開平7−41963号公報 特開2006−82218号公報
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、基材等に対して優れた密着性を有することから被膜剥離が防止されるとともに被膜の大規模破壊を生じることもなく、しかも靭性と耐摩耗性とを高度に両立させることにより優れた工具寿命を提供することができ、さらに煩雑な製造条件を必要とすることなく簡易に形成することができる酸化アルミニウム被膜を備えた表面被覆切削工具を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、上記の従来技術のような種々の問題点を一掃するためには酸化アルミニウムの結晶構造に関するアプローチと残留応力の付与に関するアプローチとをバランス良く融合させることが必要であるという知見を得、この知見に基づきさらに検討を重ねることによりついに本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本発明の表面被覆切削工具は、基材と、該基材上の少なくとも一部に形成された1層以上の被膜とを備えるものであって、該被膜は、少なくとも1層の酸化アルミニウム被膜を含み、該酸化アルミニウム被膜は、酸化アルミニウムを含む被膜であって、この酸化アルミニウム被膜のうち少なくとも1層の酸化アルミニウム被膜は、その同一層内にα型の結晶構造の酸化アルミニウムとγ型の結晶構造の酸化アルミニウムとを混在して含み、かつそのα型の結晶構造の酸化アルミニウムは引張応力を有し、そのγ型の結晶構造の酸化アルミニウムは圧縮応力を有することを特徴としている。
上記α型の結晶構造の酸化アルミニウムは、上記α型の結晶構造の酸化アルミニウムと上記γ型の結晶構造の酸化アルミニウムとの全体に対して5%以上90%以下の割合で混在していることが好ましい。
また、上記α型の結晶構造の酸化アルミニウムは、0GPaより大きく3GPa以下の引張応力を有することが好ましく、上記γ型の結晶構造の酸化アルミニウムは、−4GPa以上0GPaより小さい圧縮応力を有することが好ましい。
また、上記酸化アルミニウム被膜は、物理蒸着法により形成されていることが好ましく、上記酸化アルミニウムは、柱状の結晶組織を有することが好ましい。
また、上記被膜は、さらに補助酸化物被膜を含み、該補助酸化物被膜は、酸化アルミニウム以外の酸化物を含むことが好ましい。
また、上記酸化アルミニウム被膜は、Zr、Hf、BまたはTiの少なくとも1種を含有していることが好ましく、0.1μm以上10μm以下の膜厚を有していることが好ましい。
また、上記被膜は、さらに周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、または該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される1層以上の被膜を含むことが好ましい。
そして特に上記被膜は、さらにTi、Cr、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、または該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される1層以上の被膜を含むことが好ましく、Ti、Cr、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、または該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される2種以上の層が、各層の厚みを1nm以上100nm以下の厚みとして周期的に積層されてなる被膜を1以上含むことが好ましい。
また、上記基材は、超硬合金、サーメット、高速度鋼、セラミックス、立方晶型窒化硼素焼結体、またはダイヤモンド焼結体のいずれかにより構成されることが好ましい。
本発明の表面被覆切削工具は、上述の通りの構成を有することにより、基材等に対して優れた密着性を有することから被膜剥離が防止されるとともに被膜の大規模破壊を生じることもなく、しかも靭性と耐摩耗性とを高度に両立させることにより優れた工具寿命を提供することができ、さらに煩雑な製造条件を必要とすることなく簡易に形成することができる酸化アルミニウム被膜を備えたものである。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
<表面被覆切削工具>
本発明の表面被覆切削工具は、基材と、該基材上の少なくとも一部に形成された1層以上の被膜とを備えるものである。このような基本的構成を有する本発明の表面被覆切削工具は、たとえばドリル、エンドミル、フライス加工用または旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ、またはクランクシャフトのピンミーリング加工用チップ等として極めて有用である。
<基材>
本発明の表面被覆切削工具の基材としては、このような切削工具の基材として知られる従来公知のものを特に限定なく使用することができる。たとえば、超硬合金(たとえばWC基超硬合金、WCの他、Coを含み、あるいはさらにTi、Ta、Nb等の炭窒化物等を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、およびこれらの混合体など)、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体等をこのような基材の例として挙げることができる。このような基材として超硬合金を使用する場合、そのような超硬合金は、組織中に遊離炭素やη相と呼ばれる異常相を含んでいても本発明の効果は示される。
なお、これらの基材は、その表面が改質されたものであっても差し支えない。たとえば、超硬合金の場合はその表面に脱β層が形成されていたり、サーメットの場合には表面硬化層が形成されていても良く、このように表面が改質されていても本発明の効果は示される。
<被膜>
本発明の表面被覆切削工具の上記基材上の少なくとも一部に形成される被膜は、少なくとも1層以上の被膜が積層されて形成されるものであり、またその被膜は少なくとも1層の酸化アルミニウム被膜を含むものである。なお、基材上の少なくとも一部に形成されるとは、この被膜が基材上の全面を被覆するもののみに限られるものではなく、部分的に被覆する(すなわち部分的に被膜が形成されていない)態様をも含むことを示すものである。
また、このような被膜は、さらに補助酸化物被膜を含むことができ、この補助酸化物被膜は酸化アルミニウム以外の酸化物を含む。
さらに、このような被膜は、周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、または該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される1層以上の被膜を含むことができるとともに、さらに他の組成の被膜を含むこともできる。
なお、このような被膜の合計厚み(総膜厚)は、0.5μm以上15μm以下とすることが好ましく、より好ましくはその上限が10μm以下、さらに好ましくは7μm以下、その下限が1μm以上、さらに好ましくは2μm以上である。その厚みが0.5μm未満の場合、耐摩耗性や耐酸化性等の諸特性の向上作用が十分に示されない場合があり、15μmを超えると耐欠損性が低下するため好ましくない。なお、本発明の被膜には、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znなどが耐摩耗性を低下させない程度に10原子%以下(炭素、窒素、および酸素を除く全原子に対して)含有される場合を含む。以下、これらの被膜についてさらに詳細に説明する。
<酸化アルミニウム被膜>
本発明の被膜は、少なくとも1層の酸化アルミニウム被膜を含み、この酸化アルミニウム被膜は、酸化アルミニウム(Al23)を含む被膜である。そして、この酸化アルミニウム被膜のうち少なくとも1層の酸化アルミニウム被膜は、その同一層内にα型の結晶構造の酸化アルミニウムとγ型の結晶構造の酸化アルミニウムとを混在して含み、かつそのα型の結晶構造の酸化アルミニウムは引張応力を有し、そのγ型の結晶構造の酸化アルミニウムは圧縮応力を有することを特徴としている。
このように少なくとも1層の酸化アルミニウム被膜において、その被膜の同一層内にα型の結晶構造の酸化アルミニウム(このような結晶構造を有する酸化アルミニウムを以下単にα−Al23と記すこともある)とγ型の結晶構造の酸化アルミニウム(このような結晶構造を有する酸化アルミニウムを以下単にγ−Al23と記すこともある)とを混在して含む構造としたことにより、従来のα型単独のものに比べ結晶粒子の粗大成長を防止し以って被膜の表面を平滑なものとし得たとともに、従来のγ型単独のものに比べ酸化アルミニウム自体の硬度および熱安定性をさらに向上させることに成功したものである。また、このように圧縮応力を有するγ−Al23を部分的に存在させたことから靭性(耐欠損性)の向上に寄与し、かつ硬度の高いα−Al23を部分的に存在させたことから耐摩耗性の向上に寄与し、以って靭性と耐摩耗性の両立を図ったものである。
そして、さらにこのように異質の組織が混在することにより、仮にクラック等が発生したとしてもその伝播を効果的に抑制することができ酸化アルミニウム被膜の大規模破壊(たとえば酸化アルミニウム被膜の上面から下面にまで達するような破壊)を防止することができる。
しかも、被膜全体として単一の応力を有するのではなく、上記α−Al23は引張応力を有し、上記γ−Al23は圧縮応力を有するというように異質の応力領域を混在させたことから、被膜全体の絶対応力が緩和され、基材や他の被膜との密着性を飛躍的に高めることができるとともに、被膜の自己剥離や自己破壊を効果的に防止することに成功したものである。
すなわち、上記のような優れた特性を有する酸化アルミニウム被膜は、被膜の大規模破壊や自己剥離が防止されるとともに靭性と耐摩耗性とを高度に両立させることにより優れた工具寿命を提供することができ、しかも後述のように煩雑な製造条件を必要とすることなく簡易に形成することができるものである。
また、このような切削工具自体のメリットばかりではなく、この工具により加工された被削材は、その仕上り面が極めて美麗なものになるという優れた効果が示される。
ここで、本発明でいう圧縮応力とは、被膜に存する内部応力(固有ひずみ)の一種であって、「−」(マイナス)の数値(単位:GPa)で表されるものである。このため、数値を用いずに圧縮応力(内部応力)の大小を表現する場合は、上記数値の絶対値が大きくなるものを「圧縮応力が大きい」と表現し、上記数値の絶対値が小さくなるものを「圧縮応力が小さい」と表現する場合がある。一般に、圧縮応力が大きくなる程高い靭性を示す。
また、本発明でいう引張応力とは、これも被膜に存する内部応力(固有ひずみ)の一種であって、「+」(プラス)の数値(単位:GPa)で表されるものである。なお、単に残留応力あるいは応力と表現する場合は、上記の圧縮応力と引張応力の両者を含む概念を示すものとする(なお、残留応力が解放されて応力が0GPaになった状態も便宜的に圧縮応力または引張応力に含むものとする)。
また、このような本発明の応力は、X線応力測定装置を用いたsin2ψ法により測定することができ、工具のすくい面または逃げ面等の平坦部に位置する任意の点3点(これらの各点は当該部位の応力を代表できるように互いに0.5mm以上の距離を離して選択することが好ましい)以上の応力を該sin2ψ法により測定し、その平均値を求めることにより測定することができる。
このようなX線を用いたsin2ψ法は、多結晶材料の残留応力の測定方法として広く用いられているものであり、たとえば「X線応力測定法」(日本材料学会、1981年株式会社養賢堂発行)の54〜67頁に詳細に説明されている。
なお、sin2ψ法により応力を測定する場合、被膜のヤング率とポアソン比が必要となる。しかし、該ヤング率はダイナミック硬度計等を用いて測定することができ、ポアソン比は材料によって大きく変化しないため0.2前後の値を用いればよい。本発明では、正確な応力値の特定が特に重要となるわけではなく、異質な応力領域の混在の確認が重要である。このため、応力を求めるに際して、ヤング率を用いることなく格子定数および格子面間隔を求めることにより異質な応力領域の分布の代用とすることができる。
上記α型の結晶構造の酸化アルミニウムは、0GPaより大きく3GPa以下の引張応力を有することが好ましい。さらに好ましくはその上限が2.5GPa以下、より好ましくは2GPa以下である。引張応力が3GPaを超えると、基材や他の被膜との密着性が劣る場合がある。
上記γ型の結晶構造の酸化アルミニウムは、−4GPa以上0GPaより小さい圧縮応力を有することが好ましい。さらに好ましくはその上限が−0.5GPa以下であり、その下限が−3GPa以上である。圧縮応力が−4GPa未満になると、被膜の自己破壊を生じる場合がある。
一方、本発明における酸化アルミニウムを含む被膜とは、酸化アルミニウムを主成分として含む被膜を意味し、不可避不純物が包含されていても差し支えない。また、α型の結晶構造とは結晶学的にコランダム型の結晶構造を有するものであり、γ型の結晶構造とは結晶学的にスピネル型の結晶構造を有するものである。これらは、いずれもX線回折法(XRD)により同定することができる。
また、α型の結晶構造の酸化アルミニウムとγ型の結晶構造の酸化アルミニウムとが混在するとは、X線回折法で上記α型とγ型の双方に起因する回折スペクトルを有するものをいう。そして、このようなα型の結晶構造の酸化アルミニウムは、α型の結晶構造の酸化アルミニウムとγ型の結晶構造の酸化アルミニウムとの全体に対して5%以上90%以下の割合で混在していることが特に好ましい。このような割合の混在組織とすることにより、上記大規模破壊の防止効果が特に向上するためである。上記割合は、より好ましくはその上限が85%以下、さらに好ましくは75%以下であり、その下限が10%以上、さらに好ましくは20%以上である。上記割合が5%未満の場合や90%を超える場合は、大規模破壊の防止効果を十分に達成することができない場合がある。
なお、上記のような混在の割合(%)は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて酸化アルミニウム被膜の基材に対する垂直方向の断面を観察し、その断面におけるα型の結晶構造とγ型の結晶構造との全面積に対するα型の結晶構造の面積比を求めることにより、それを当該混在の割合(%)とする。より具体的には、このTEM観察による測定視野を、基材の表面に対する水平方向に0.15〜0.5μmおよび同垂直方向に0.15〜0.5μmの各直線によって囲まれる範囲とし、任意の3視野を測定することによりその平均を求め、その平均値を当該混在の割合(%)とする。
また、上記のような酸化アルミニウムは、柱状の結晶組織を有していることが好ましい。各結晶組織間の密着性(結合力)が向上し、被膜からの脱落を低減することができるからである。なお、柱状の結晶組織とは、結晶がある方位に優先的に成長して柱状の組織となったものをいう。
このような酸化アルミニウム被膜は、上記の酸化アルミニウム以外の成分としてさらにZr、Hf、BまたはTiの少なくとも1種を含有していても差し支えない。これらの成分は、酸化アルミニウム被膜中の酸素を除く全原子に対して0.1原子%以上40原子%以下の配合比で包含されることができる。またさらに、該酸化アルミニウム被膜は、Si、Cr、Y、Yb等の元素を、酸素を除く全原子に対して20原子%以下含有することができる。
このように酸化アルミニウム以外の上記各成分を含むことにより、酸化アルミニウムの微細化が促進され高硬度化や断熱性の向上という特性を付与することができる。なお、酸化アルミニウム被膜が上記のような他の成分を含む場合、これらの他の成分は酸化アルミニウムの結晶格子の正規の位置に置換型として入る場合、該結晶格子間に侵入型として入る場合、金属間化合物を形成する場合、非晶質として存在する場合等、いずれの場合も含まれる。
また、このような酸化アルミニウム被膜は、0.1μm以上10μm以下の厚み(多層で形成される場合はその全体の厚み)を有することが好ましく、より好ましくはその上限が6μm以下、さらに好ましくは3μm以下、その下限が0.2μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上である。その厚みが0.1μm未満の場合、高温時に十分な耐酸化性が示されなくなるとともに十分な耐摩耗性を示さなくなる場合があり、10μmを超えると耐欠損性が低下するため好ましくない場合がある。
上記のような優れた特性を有する本発明の酸化アルミニウム被膜は、物理蒸着法により形成することが最適である。基材を劣化させることなく有利に酸化アルミニウム被膜を形成することができるためである。特に、イオンプレーティング法またはスパッタリング法を採用することが好ましい。イオンプレーティング法は比較的低温における処理であるにもかかわらず緻密な被膜を容易に得ることができ、とりわけアークイオンプレーティング法はさらに成膜速度が速く高い生産効率を得ることができるという利点を有する。また、スパッタリング法は、表面平滑な被膜を容易に作成することができ、被削材に対する耐溶着性に優れた被膜となり、同時に被削材の仕上げ面粗度が良好になるという利点を有する。
このような物理蒸着法としては、従来公知の物理蒸着法をいずれも採用することができるが、非導電性材料である酸化アルミニウムを被覆するためには上述のスパッタリング法が好ましい。中でも、カソードにパルス電源を用いたマグネトロンスパッタリング法を採用することが好ましい。また、スパッタリング法とアークイオンプレーティング法との組み合せや酸化アルミニウム中に導電性物質を分散させて導電性を付与し、アークイオンプレーティング法で成膜する方法も採用できる。
そして、上記のような引張応力を有するα型の結晶構造の酸化アルミニウムと、圧縮応力を有するγ型の結晶構造の酸化アルミニウムとを混在して含む酸化アルミニウム被膜をこのような物理蒸着法により形成するためには、特に以下のような条件を採用することが好ましい。すなわち、スパッタリング法として反応性スパッタリング法を採用し、成膜初期(好ましくは膜厚が0.1μm以下の範囲)において基材温度を700℃以上とするとともに基材に印加するバイアス電圧を−400V以下とし、さらに成膜中期(好ましくは膜厚が0.1〜0.3μmの範囲)において上記バイアス電圧はそのままとし基材温度のみを600℃以下に下げ、その後(好ましくは膜厚が0.3μmを超える範囲)基材に印加するバイアス電圧を−50〜−500Vの範囲、および基材の温度を500〜750℃の範囲において各々段階的に制御するという条件を採用することが好ましい。
このようにして本発明の酸化アルミニウム被膜は、煩雑な製造条件を必要とすることなく主として基材温度とバイアス電圧とを制御するだけで簡易に形成することができる。
なお、本発明において酸化アルミニウム被膜が2層以上含まれる場合は、上述の通り少なくとも1層の酸化アルミニウム被膜が上記のように引張応力を有するα型の結晶構造の酸化アルミニウムと、圧縮応力を有するγ型の結晶構造の酸化アルミニウムとを混在して含む限り、他の酸化アルミニウム被膜は酸化アルミニウムを含むという要件を満たす限り任意の構成とすることができる(勿論、引張応力を有するα型の結晶構造の酸化アルミニウムと、圧縮応力を有するγ型の結晶構造の酸化アルミニウムとを混在して含むもののみによって構成することもできる)。また、本発明において酸化アルミニウム被膜が1層のみ含まれる場合は、当然ながらその酸化アルミニウム被膜は上記のように引張応力を有するα型の結晶構造の酸化アルミニウムと、圧縮応力を有するγ型の結晶構造の酸化アルミニウムとを混在して含むものとなる。
<補助酸化物被膜>
本発明の被膜は、上記の酸化アルミニウム被膜以外にさらに補助酸化物被膜を含むことができる。そして、このような補助酸化物被膜は、酸化アルミニウム以外の酸化物を含むものであり、上記酸化アルミニウム被膜に接する下層として形成されていることが好ましい。ここで、酸化アルミニウム以外の酸化物を含むとは、そのような酸化物を主成分として含むことを意味し、不可避不純物が包含されていても差し支えない。
このように補助酸化物被膜を上記酸化アルミニウム被膜に接する下層として形成することにより、上記のような物理蒸着法の採用と相俟って、本発明の酸化アルミニウム被膜を極めて有利に形成することができる。これは恐らく、酸化アルミニウムと親和性の高い酸化物でこの補助酸化物被膜を形成することにより、補助酸化物被膜上にα−Al23とγ−Al23との結晶核(シード)を極めて高密度に形成することができ、しかもそのように形成された結晶核を極めて均一に成長させることができるためではないかと考えられる。
したがって、このような補助酸化物被膜に含まれる酸化物としては、酸化アルミニウムと親和性の高い酸化物を用いることが好ましく、たとえばCr23、TiO2、SiO2、ZrO2、Ta2O、HfO2、TiZrON等を挙げることができる。なお、当該酸化物は、窒素、炭素、硼素等を含んでいても差し支えない。
このような補助酸化物被膜は、上記の酸化アルミニウム被膜と同様に物理蒸着法により形成することが好適である。その理由は、酸化アルミニウム被膜が物理蒸着法により形成される場合においてこの酸化アルミニウム被膜と同じ成膜方法を採用することにより製造効率を向上させるためである。このような物理蒸着法は、上記の酸化アルミニウム被膜について述べたのと同様の方法を採用することができ、特に酸化アルミニウム被膜と同一の方法を採用することが好適である。
なお、このような補助酸化物被膜は、直接酸化物を形成して被膜とすることができるとともに、一旦酸化物以外の組成のもの(たとえば金属窒化物等)を形成しそれを酸化することにより当該被膜とすることもできる。
また、この補助酸化物被膜は、残留応力を有することが好ましく、これにより基材または他の被膜(特に酸化アルミニウム被膜)と高い密着性を示すものとなる。ここで、残留応力とは、上記の酸化アルミニウム被膜について既に説明した通りの内部応力であって、好ましくは−4GPa以上3GPa以下、さらに好ましくはその上限が2GPa以下、さらに好ましくは1GPa以下、その下限が−3GPa以上、さらに好ましくは−2GPa以上の範囲の応力とすることが好適である。3GPaを超える残留応力を有する場合には、靭性が劣る(耐欠損性が劣る)ことになり、一方、残留応力が−4GPa未満になると圧縮応力が大きくなり過ぎて被膜の自己破壊による剥離を生じる場合がある。なお、このような残留応力は、酸化アルミニウム被膜で説明したsin2ψ法を用いた同様の方法により測定することができる。
また、このような補助酸化物被膜は、0.05μm以上5μm以下の厚みを有することが好ましく、より好ましくはその上限が3μm以下、さらに好ましくは2μm以下であり、その下限が0.1μm以上である。その厚みが0.05μm未満の場合には、好適に酸化アルミニウム被膜を形成できない場合があり、5μmを超えると耐欠損性が低下することがあるため好ましくない。
なお、本発明の補助酸化物被膜は、酸化アルミニウム被膜に接する下層として形成される以外の積層配置で形成することもでき、また2以上の層に分けて形成することもできる。2以上の層に分けて形成される場合、1の層を酸化アルミニウム被膜に接する下層として形成し、他の層はそれ以外の積層配置として形成することができる。
<第3被膜>
本発明の被膜は、上記で説明した各被膜以外に、さらに周期律表のIVa族元素(Ti、Zr、Hf等)、Va族元素(V、Nb、Ta等)、VIa族元素(Cr、Mo、W等)、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、または該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される1層以上の被膜を含むことができる。本発明では、このような被膜を、便宜的に第3被膜と記すことにする。
そして、このような第3被膜としては、特にTi、Cr、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、または該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される1層以上の被膜を含むことが好ましく、Ti、Cr、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、または該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される2種以上の層が、各層の厚みを1nm以上100nm以下の厚みとして周期的に積層されてなる被膜を1以上含むことが好ましい。
このような第3被膜は、高硬度で耐摩耗性に優れるとともに、極めて優れた靭性を示すものが好ましい。特に、Ti、Cr、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、または該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される1層以上の被膜は、耐酸化性および耐熱性に優れていることから特に優れた耐摩耗性が示されるため極めて有効である。なお、該第3被膜は、物理蒸着法により形成されることが好ましく、圧縮応力を有していることが好ましい。
このような第3被膜を物理蒸着法により形成することが好適である理由は、第一に第3被膜に圧縮応力を付与するためであり、第二に上記の各被膜が物理蒸着法により形成される場合においてこれらの被膜と同じ成膜方法を採用することにより製造効率を向上させるためである。このような物理蒸着法は、上記の酸化アルミニウム被膜について述べたのと同様の方法を採用することができる。
そして、このような第3被膜を構成する元素または化合物としては、たとえば、Cr、Ti、Al、Si、V、Zr、Hf、TiAl、TiSi、AlCr、TiN、TiON、TiCN、TiCNO、TiBN、TiCBN、TiAlCN、AlN、AlCN、AlCrCN、AlON、CrN、CrCN、TiSiN、TiSiCN、Ti23、TiAlON、ZrN、ZrCN、AlZrN、TiAlN、TiAlSiN、TiAlCrSiN、AlCrN、AlCrSiN、TiZrN、TiAlMoN、TiAlNbN、TiSiN、TiSiCN、AlCrTaN、AlTiVN、TiB2、TiCrHfN、CrSiWN、TiAlCN、TiSiCN、AlZrON、AlCrCN、AlHfN、CrSiBON、TiAlWN、AlCrMoCN、TiAlBN、TiAlCrSiBCNO等を挙げることができる。
とりわけ、Ti、Cr、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、または該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物としては、Ti、Cr、Al、Si、TiAlN、TiAlNO、TiAlCNO、TiBN、TiCBN、TiSiN、TiSiNO、TiSiCNO、CrTiN、CrTiNO、CrTiCNO、SiAlN、SiAlNO、SiAlCNO、CrSiN、CrSiNO、CrSiCNO、SiAlN、SiAlNO、SiAlCNO、CrSiN、CrSiNO、CrSiCNO、TiAlSiN、TiAlSiNO、TiAlSiCNO、TiAlCrN、TiAlCrNO、TiAlCrCNO、TiCrSiN、TiCrSiNO、TiCrSiCNO、AlCrN、AlCrNO、AlCrSiNO、AlCrCNO、AlCrSiBNO等を挙げることができ、特にAlCrN、AlCrNO、AlCrSiNO、AlCrSiBNO、AlCrCNO等が好適である。
なお、上記の化学式において、各元素の原子比が特に記載されていないものは必ずしも等比となるものではなく、従来公知の原子比が全て含まれるものとする。たとえば単にTiNと記す場合、TiとNとの原子比は1:1が含まれる他、2:1、1:0.95、1:0.9等が含まれる(特に断りのない限り、以下において同じ)。
なお、この第3被膜は、これらの元素または化合物を単層または多層として形成することができ、多層の場合はこれらの元素または化合物からなる層を5nm〜5μmの厚みで積層する場合も含む。そして、特にTi、Cr、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、または該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される2種以上の層が、各層の厚みを1nm以上100nm以下の厚みとして周期的に積層されてなる被膜を1以上含むことが好ましい。このように上記各層を周期的に積層させることにより、耐酸化性および耐熱性がさらに向上し極めて優れた耐摩耗性が示される。ここで、周期的に積層させるとは、たとえば2種の層を上下交互に積層させるなど、一定の周期性をもって積層させることをいう。なお、各層の厚みが1nm未満となる場合や100nmを超える場合には積層による耐摩耗性の向上効果が示されない場合があるが、その場合であってもこれらの元素や化合物によってもたらされる固有の耐摩耗性の向上効果は示される。各層の厚みはより好ましくは5nm以上60nm以下である。
さらに本発明の第3被膜は、上記のように圧縮応力を有することが好ましく、これにより高い靭性を示すものとなる。ここで、圧縮応力とは、上記の酸化アルミニウム被膜について既に説明した通りの内部応力であって、好ましくは−10GPa以上−1GPa以下、さらに好ましくはその上限が−1.5GPa以下、さらに好ましくは−2GPa以下、その下限が−8GPa以上、さらに好ましくは−7GPa以上の範囲の応力とすることが好適である。−1GPaを超える残留応力を有する場合には、靭性が劣る(耐欠損性が劣る)ことになり、一方、残留応力が−10GPa未満になると圧縮応力が大きくなり過ぎて被膜の自己破壊による剥離を生じる場合がある。なお、このような圧縮応力は、酸化アルミニウム被膜で説明したsin2ψ法を用いた同様の方法により測定することができる。また、第3被膜が多層で形成される場合には、最大の圧縮応力(その絶対値が最大となる圧縮応力)を有する層の応力を第3被膜の圧縮応力とするものとする。
また、このような第3被膜は、0.3μm以上10μm以下の厚み(多層で形成される場合はその全体の厚み)を有することが好ましく、より好ましくはその上限が7μm以下、さらに好ましくは5μm以下、その下限が0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上である。その厚みが0.3μm未満の場合には、十分な耐摩耗性が示されなくなるとともに十分な靭性を示さなくなる場合があり、10μmを超えると耐欠損性が低下することがあるため好ましくない。
なお、このような第3被膜は、基材と酸化アルミニウム被膜(あるいは補助酸化物被膜)との間に形成することができるとともに、酸化アルミニウム被膜上に形成することもでき、その積層配置は特に限定されない。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の各被膜の化学組成はXPS(X線光電子分光分析装置)によって確認し、酸化アルミニウム被膜の残留応力は上記に説明したsin2ψ法により3点の平均値を求めることによって算出した(ただし、α−Al23のヤング率を408.880GPaとし、ポアソン比を0.233とするとともに、γ−Al23の単結晶理論値が確立されていないためγ−Al23についてはα−Al23と同一のヤング率およびポアソン比を使用して算出した)。また、以下では被膜を物理蒸着法であるアンバランスドマグネトロンスパッタリング法とカソードアークイオンプレーティング法の組み合わせにより形成しているが、公知の他の物理蒸着法によって成膜した場合も含まれ、製造方法を限定するものではない。
<実施例1>
<表面被覆切削工具の作製>
まず、基材として次の2種を準備した。すなわち、グレードがJIS規格M20のWC基超硬合金であって、切削チップとしての形状がJIS規格CNMG120408であるもの(後述の耐摩耗性試験に使用するもの)およびグレードがJIS規格P20のWC基超硬合金であって、切削チップとしての形状がJIS規格SDEX42MTであるもの(後述の断続切削試験に使用するもの)を準備した(上記のJIS規格は1998年度版のものである)。そして、それぞれの基材に対して以下のような方法により同様にして被膜を形成した。
すなわち、まず上記基材をカソードにパルスDC電源を用いたアンバランスドマグネトロンスパッタリング装置(成膜装置)に装着した。図1は、その成膜装置10の概略構成を示す模式図である。図1に示す成膜装置10内に複数のアーク蒸発源11、12およびアンバランスドマグネトロンスパッタ蒸発源(以下、UBMスパッタ源と呼ぶ)13、14を配置し、中心点Cを中心とし蒸発源11〜14に各対向するようにして回転する保持具17に基材20である上記切削チップを装着した。なお、必要なガスは、ガス導入口15から成膜装置10内へ導入される。また、成膜装置10内にはヒーター16が備えられている。
本実施例では、アーク蒸発源11、12に所定の原料(例えば、TiAl、Ti、AlCr、TiSiなど)をセットし、UBMスパッタ源13、14にも所定の原料(例えばAl、Cr、Ti、TiZrなど)をセットした。すなわち、UBMスパッタ源により酸化アルミニウム被膜を形成し、アーク蒸発源により第3被膜を形成するものである。なお、補助酸化物被膜に関しては、その組成によりセットする蒸発源および原料の種類を変更させた。すなわち、後述の表1に示したように補助酸化物被膜がCr23、TiO2およびTiZrONの場合はAlがセットされていない方のUBMスパッタ源にCr、Ti、TiZrをセットするものとし、一旦CrNまたはZrNを生成するもの(No.2、No.7)については第3被膜用の原料がセットされない方のアーク蒸発源にCrまたはZrをセットすることにより形成した。
続いて、真空ポンプにより該装置のチャンバー内を1×10-3Pa以下に減圧するとともに、該装置内に設置されたヒーター16により上記基材20の温度を650℃に加熱し、1時間保持した。
次に、アルゴンガスを導入してチャンバー内の圧力を3.0Paに保持し、基板バイアス電源の電圧を徐々に上げながら−1000Vとし、基材の表面のクリーニングを15分間行なった。その後、アルゴンガスを排気した。
次いで、上記基材表面に形成される被膜として、化学組成および積層構成(膜厚、残留応力等)が以下の表1に示したものとなるように上記蒸発源に上記原料(すなわちターゲット)を各々セットした。成膜の順序は、表1において左側に記載されているものから順に基材上に形成した。
まず、第3被膜については、基材(基板)温度を400〜600℃に設定し、真空もしくは反応ガスとして窒素(および酸素)を導入させながら、アークイオンプレーティング法で上記基材表面に各構成の被膜を形成した。
また、補助酸化物被膜に関しては、基材温度を400〜750℃とし、基材に印加するバイアス電圧を−200V以上とすることによって、不活性ガスに対する酸素ガス(および窒素ガス)の圧力比を制御させながら反応性スパッタリング法で形成した。ただし、No.2とNo.7の補助酸化物被膜は上記の第3被膜と同様の条件により一旦CrNまたはZrNを形成し、続いて雰囲気ガスを一旦排気した後酸素ガスを1時間供給することによりCr23またはZrO2を形成した。
表1中のNo.1〜15の酸化アルミニウム被膜については、不活性ガスに対する酸素ガスの圧力比を5〜9%に維持しながら、成膜初期(膜厚が0.1μm以下の範囲)において基材温度を750℃とするとともに基材に印加するバイアス電圧を−400V以下とし、さらに成膜中期(膜厚が0.1〜0.3μmの範囲)において上記バイアス電圧はそのままとし基材温度のみを600℃まで下げ、その後(膜厚が0.3μmを超える範囲)基材に印加するバイアス電圧を−50〜−500Vの範囲、および基材の温度を500〜750℃の範囲において各々段階的(たとえばNo.1の場合、基材温度をさらに500℃まで下げながらバイアス電圧を−400Vから−200Vまで30秒毎に50Vずつ増加させた後、基材温度を700℃まで10℃/分で増加させる。これに対してNo.4の場合はNo.1のバイアス電圧の増加を100Vずつ増加させ、No.10の場合は基材温度を50℃/分ずつ増加させるというように、α−Al23の応力値を大きくさせる場合は基材温度の増加速度を大きくし、γ−Al23の応力値の絶対値を小さくさせる場合はバイアス電圧の増加速度を大きくする)に制御することにより反応性スパッタリング法で形成した。なお、酸化アルミニウム被膜は1層のみとして形成し、その層内にα型の結晶構造の酸化アルミニウムとγ型の結晶構造の酸化アルミニウムとを混在して含み、かつそのα型の結晶構造の酸化アルミニウムは引張応力を有し、そのγ型の結晶構造の酸化アルミニウムは圧縮応力を有する構成とした。
なお、No.6の酸化アルミニウム被膜は、上記のUBMスパッタ源のターゲットにHfを17原子%添加(ターゲット中の全原子に対して)することにより、Hfが15原子%含まれるようにして形成した。同じく、No.7の酸化アルミニウム被膜は、上記のUBMスパッタ源のターゲットにTiを10原子%添加(ターゲット中の全原子に対して)することにより、Tiが9原子%含まれるようにして形成した。同じく、No.14の酸化アルミニウム被膜は、上記のUBMスパッタ源のターゲットにZrを1.6原子%添加(ターゲット中の全原子に対して)することにより、Zrが2原子%含まれるようにして形成した。同じく、No.15の酸化アルミニウム被膜は、上記のUBMスパッタ源のターゲットにBを4原子%添加(ターゲット中の全原子に対して)することにより、Bが4.5原子%含まれるようにして形成した。
また、No.12〜15の第3被膜は、2種の層が周期的に積層されてなる被膜であることを示している(表1の注4、注5および注6)。このような周期的な積層は、上記成膜装置10において保持具17の回転速度を調節したり、または半回転毎に反応ガスの種類や流量を調節することにより形成することができる。
このようにして、表1に示したNo.1〜19の表面被覆切削工具を作製した。No.1〜15が本発明の実施例であり、No.16〜19は比較例である。
なお、比較例のNo.16〜19の酸化アルミニウム被膜は、各実施例の酸化アルミニウム被膜の形成条件に代えて、以下の条件を採用して形成した。
すなわち、No.16の酸化アルミニウム被膜は、従来公知のプラズマCVD法(成膜温度1000℃)を採用することにより形成した。
No.17の酸化アルミニウム被膜は、従来公知の物理蒸着法(基材温度:700℃、バイアス電圧:−300V)により形成し、同様にNo.18の酸化アルミニウム被膜も従来公知の物理蒸着法(基材温度:500℃、バイアス電圧:−200V)により形成した。
また、No.19の酸化アルミニウム被膜は、上記実施例の酸化アルミニウム被膜の成膜条件において、基材温度を800℃、およびバイアス電圧を−400Vに固定するとともに、不活性ガスに対するO2の圧力比を2〜20%の範囲内で段階的(2%から0.5%/分で20%まで増加させる)に制御することにより形成した。
Figure 0004917447
上記表1において、
注1) α+γはα型の結晶構造とγ型の結晶構造との混在を示す。
注2) No.6の酸化アルミニウム被膜は、該被膜の酸素を除く全原子に対してHfを15原子%含む。
注3) No.7の酸化アルミニウム被膜は、該被膜の酸素を除く全原子に対してTiを9原子%含む。
注4) 厚み15nmのTiAlNからなる層と厚み15nmのAlCrNOからなる層とが周期的に上下交互に積層して厚み2.0μmの被膜が形成されていることを示す(基材上にはまずTiAlNからなる層が形成されることを示す)。
注5) 厚み4nmのTiAlNからなる層と厚み5nmのAlCrNからなる層とが周期的に上下交互に積層して厚み2.0μmの被膜が形成されていることを示す(基材上にはまずTiAlNからなる層が形成されることを示す)。
注6) 厚み4nmのTiAlSiNからなる層と厚み5nmのAlCrNからなる層とが周期的に上下交互に積層して厚み2.0μmの被膜が形成されていることを示す(基材上にはまずTiAlSiNからなる層が形成されることを示す)。
注7) No.14の酸化アルミニウム被膜は、該被膜の酸素を除く全原子に対してZrを2原子%含む。
注8) No.15の酸化アルミニウム被膜は、該被膜の酸素を除く全原子に対してBを4.5原子%含む。
ものとする(上記注4、注5、注6は表1中の表記に相当する)。
上記表1において、「*」の記号を付したものが比較例である。また、「α応力(GPa)」とはα型の結晶構造の酸化アルミニウムの応力を示し、「γ応力(GPa)」とはγ型の結晶構造の酸化アルミニウムの応力を示す。また、「α割合(%)」とは、α型の結晶構造の酸化アルミニウムとγ型の結晶構造の酸化アルミニウムとの全体に対するα型の結晶構造の酸化アルミニウムの混在割合を示している。この混在割合は、酸化アルミニウム被膜の基材に対する垂直方向の断面のTEM暗視野像(基材の表面に対する水平方向に1μmおよび同垂直方向に0.5μmの各直線によって囲まれた範囲)において、α型およびγ型各々の結晶構造を有する結晶組織の面積を求め、その合計面積に対するα型の結晶構造の結晶組織が占める面積比(%)を求めること(上記暗視野像につき異なった3つの暗視野像それぞれについて求めた平均値とした)により、その面積比を混在割合としたものである。
なお、実施例の酸化アルミニウム被膜においては、酸化アルミニウムの結晶組織が柱状であることを、同じくTEMを用いて観察することにより確認した。
そして、これらの表面被覆切削工具について、下記の条件により、耐摩耗性試験と断続切削試験を行なった。その結果を以下の表2に示す。耐摩耗性試験では、逃げ面摩耗量が0.15mmとなる時間を測定し、その時間が長いもの程耐摩耗性に優れていることを示している。また、断続切削試験では、工具が欠損するまでの時間を測定し、その時間が長いもの程耐欠損性(靭性)に優れていることを示している。
<耐摩耗性試験>
被削材:SCM435丸棒
切削速度:250m/min
切込み:2.0mm
送り:0.3mm/rev.
乾式/湿式:乾式
<断続切削試験>
被削材:SCM435
切削速度:350m/min
切込み:2.0mm
送り:0.2mm/rev.
乾式/湿式:乾式
Figure 0004917447
上記表2において、「*」の記号を付したものが比較例である。表2から明らかなように、No.1〜No.15の本発明の実施例の表面被覆切削工具は、比較例のNo.16〜No.19の表面被覆切削工具に比し、いずれも優れた耐摩耗性を有するとともに耐欠損性(靭性)をも兼ね備えるものであった。すなわち、これらの実施例の表面被覆切削工具は、該酸化アルミニウム被膜が酸化アルミニウムを含む被膜であって、その同一層内にα型の結晶構造の酸化アルミニウムとγ型の結晶構造の酸化アルミニウムとを混在して含み、かつそのα型の結晶構造の酸化アルミニウムは引張応力を有し、そのγ型の結晶構造の酸化アルミニウムは圧縮応力を有することから、基材や他の被膜に対して優れた密着性を有することにより被膜剥離が防止されるとともに大規模破壊を生じることもなく、しかも靭性と耐摩耗性とを高度に両立させることによって極めて優れた工具寿命を有するものと考えられる。
また、第3被膜としてTi、Cr、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される2種以上の層を周期的に積層させた被膜を含むNo.12〜15において、特に優れた耐摩耗性が示されたことにより、これらの被膜が優れた耐酸化性および耐熱性を有していることが確認できた。
これに対して、No.16〜No.19の比較例の表面被覆切削工具は、上記実施例のものに比し耐摩耗性も靭性(耐欠損性)も劣っていた。すなわち、酸化アルミニウム被膜が、本発明の要件を備えていなければ大規模破壊が発生したり被膜剥離が発生するとともに、耐摩耗性および靭性(耐欠損性)が劣ることを示している。
<実施例2>
実施例1のNo.1〜15の酸化アルミニウム被膜の成膜条件に代えて、以下の条件を採用することを除き、他は全て同様にして以下の表3に記載した構成の酸化アルミニウム被膜を有する本発明の表面被覆切削工具を得た。
すなわち、No.24の第1層およびNo.26の第2層は、プラズマCVD法(成膜温度900℃)を採用することにより形成した。
また、No.25の第1層およびNo.27の第2層は、物理蒸着法(基材温度:500℃、バイアス電圧:−150V)により形成した。
また、No.21〜No.27において上記以外の層は、実施例1のNo.1〜15の酸化アルミニウム被膜の成膜条件と同様の条件を採用することにより形成した。
なお、上記の各表面被覆切削工具において、第三被膜と補助酸化物被膜については実施例1のNo.3と同一の構成とし、酸化アルミニウム被膜については第1層を補助酸化物被膜上に形成し、その上に第2層を形成した。また、表3中の用語であって表1中の用語と同一のものは、表1中の用語と同内容を示すものとする。
Figure 0004917447
そしてこのようにして得られた表面被覆切削工具について、実施例1と同様の条件により耐摩耗性試験と断続切削試験を行なった。その結果を以下の表4に示す。
Figure 0004917447
表4より明らかなように、本実施例の表面被覆切削工具は、実施例1の本発明の表面被覆切削工具と同様に優れた効果を示すものであった。すなわち、酸化アルミニウム被膜が2層以上の層で構成される場合において、この酸化アルミニウム被膜のうち少なくとも1層の酸化アルミニウム被膜が、その同一層内にα型の結晶構造の酸化アルミニウムとγ型の結晶構造の酸化アルミニウムとを混在して含み、かつそのα型の結晶構造の酸化アルミニウムは引張応力を有し、そのγ型の結晶構造の酸化アルミニウムは圧縮応力を有することにより、極めて優れた効果が発揮されることが確認された。
なお、上記各実施例では、基材としてチップブレーカを有するものを用いたが、チップブレーカを有していないものや、切削工具の上下面全面が研磨されたような工具(チップ)でも上記各実施例と同様の効果を得ることができる。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
成膜装置の概略構成を示す模式図である。
符号の説明
10 成膜装置、11,12 アーク蒸発源、13,14 アンバランスドマグネトロンスパッタ蒸発源、15 ガス導入口、16 ヒーター、17 保持具、20 基材。

Claims (13)

  1. 基材と、該基材上の少なくとも一部に形成された1層以上の被膜とを備える表面被覆切削工具であって、
    前記被膜は、少なくとも1層の酸化アルミニウム被膜を含み、
    前記酸化アルミニウム被膜は、酸化アルミニウムを含む被膜であって、
    前記酸化アルミニウム被膜のうち少なくとも1層の酸化アルミニウム被膜は、その同一層内にα型の結晶構造の酸化アルミニウムとγ型の結晶構造の酸化アルミニウムとを混在して含み、かつそのα型の結晶構造の酸化アルミニウムは引張応力を有し、そのγ型の結晶構造の酸化アルミニウムは圧縮応力を有することを特徴とする表面被覆切削工具。
  2. 前記α型の結晶構造の酸化アルミニウムは、前記α型の結晶構造の酸化アルミニウムと前記γ型の結晶構造の酸化アルミニウムとの全体に対して5%以上90%以下の割合で混在していることを特徴とする請求項1記載の表面被覆切削工具。
  3. 前記α型の結晶構造の酸化アルミニウムは、0GPaより大きく3GPa以下の引張応力を有することを特徴とする請求項1または2記載の表面被覆切削工具。
  4. 前記γ型の結晶構造の酸化アルミニウムは、−4GPa以上0GPaより小さい圧縮応力を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  5. 前記酸化アルミニウム被膜は、物理蒸着法により形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  6. 前記酸化アルミニウムは、柱状の結晶組織を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  7. 前記被膜は、さらに補助酸化物被膜を含み、
    前記補助酸化物被膜は、酸化アルミニウム以外の酸化物を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  8. 前記酸化アルミニウム被膜は、Zr、Hf、BまたはTiの少なくとも1種を含有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  9. 前記酸化アルミニウム被膜は、0.1μm以上10μm以下の膜厚を有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  10. 前記被膜は、さらに周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、または該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される1層以上の被膜を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  11. 前記被膜は、さらにTi、Cr、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、または該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される1層以上の被膜を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  12. 前記被膜は、さらにTi、Cr、Al、およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、または該元素の少なくとも1種と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される2種以上の層が、各層の厚みを1nm以上100nm以下の厚みとして周期的に積層されてなる被膜を1以上含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  13. 前記基材は、超硬合金、サーメット、高速度鋼、セラミックス、立方晶型窒化硼素焼結体、またはダイヤモンド焼結体のいずれかにより構成されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
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