JP5639421B2 - エンコーダを用いた位置検出装置及び位置検出方法 - Google Patents

エンコーダを用いた位置検出装置及び位置検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、変位測定や角度測定に用いられる光学式エンコーダなどのエンコーダを用いた位置検出装置及び位置検出方法に関する。特には、確実な原点検出と、高精度な相対位置検出の両立が可能な位置検出装置及び位置検出方法に関する。
従来、光を用いる光学式エンコーダは、例えば、次の様な構成を有する。すなわち、第1の光学格子(光に対して作用する周期的パターン)が形成されたメインスケールと、これに対向して配置され第2の光学格子が形成されたインデックススケールと、メインスケールに光を照射する光源と、受光素子を備える。メインスケールとインデックススケールが相対移動するとき、光源からの光が、メインスケールの第1の光学格子において透過又は反射し、更にインデックススケールの第2の光学格子に至り、受光素子がインデックススケールから戻って来る光信号を受光する。この種の光学式エンコーダにおいて、インデックススケールを兼ねて受光素子アレイを用いる方式が、特許文献1に提案されている。この構成のエンコーダは、インクリメンタル型と云われ、スケールの移動に対するパルスの増減により、スケールの移動量を検出することが可能である。このインクリメンタル型においては、回転角度の絶対位置が分からず、絶対位置を検出するセンサが別途に必要になる課題がある。
この課題を解決する手段として、特許文献2、特許文献3の手法が提案されている。特許文献2では、各受光素子の出力信号を加算する加算回路を設け、加算電圧値の減衰を検出すること、又は、発光量をコントロールする回路へ加算電圧値をフィードバックしその結果得られたLED電流を検出すること、で基準位置を決定している。このため、エンコーダそのものの回路規模が大きくなり易い。更に、エンコーダから加算回路の出力、又は、電流検出回路の出力を装置のメインシステムへフィードバックする必要がある。そのため、エンコーダと装置のメインシステムとの間の信号線やコネクタのピン数の増大しがちとなり、小型化を図りたい機器に対しては、コスト、レイアウトスペースにおいて好ましいとは言い難かった。
特公平6−56304号公報 特開2005−291980号公報 特開2008−076284号公報
また、特許文献3に開示の例では、エンコーダ信号の振幅の中心電圧を検出することで信号振幅の変化点を検出し、基準位置を決定している。この手法によると、中心電圧の変化は信号振幅のピーク値の変化の1/2であり、ノイズや繰り返しによる検出バラツキの影響を受け易くなる場合がある。
更に、何れの方法においても、原点ないし基準位置の検出のために、スケールの周期的パターンに不連続部分を設けて意図的にエンコーダ出力の振幅を変化させ、その振幅の変化を検出する手法をとっている。それと同時に、同じエンコーダ出力を用いてリニアエンコード処理を行うインクリメンタル型のエンコーダを構成し、相対的な位置変化を検出している。このインクリメンタル型のリニアエンコード処理においては、原点検出のために意図的に振幅を変化させたエンコーダ出力が、相対位置検出精度を悪化させる要因となる可能性がある。
上記課題に鑑み、本発明の位置検出装置は、エンコーダと補正手段と相対位置検出手段と原点検出手段と絶対位置決定手段を備えることを特徴とする。前記エンコーダは、相対移動可能に設けられたスケールと受信部を有し、前記スケールは、物理的性質が周期的に変化する周期的パターン及び前記周期的パターンが中断する不連続部分を有する。前記受信部は、前記スケールと前記受信部が相対移動するときに、前記周期的パターンから来る信号を受信して位置検出のための出力信号を生成する。前記補正手段は、前記受信部の出力信号について、前記不連続部分に由来する信号部分を補正する。前記相対位置検出手段は、前記補正手段により補正をかけた信号に対してエンコード処理を施すことにより、前記スケールと前記受信部との相対位置を検出する。前記原点検出手段は、前記不連続部分に由来する信号部分を含む前記受信部の出力信号であって前記補正手段による補正をかけていない出力信号に基づいて、原点位置を検出する。前記絶対位置決定手段は、前記相対位置検出手段の相対位置の検出結果と前記原点検出手段の原点位置の検出結果に基づいて前記スケール又は前記受信部の絶対位置を決定する。
また、上記課題に鑑み、本発明の位置検出方法は、次の工程を有する。物理的性質が周期的に変化する周期的パターン及び前記周期的パターンが中断する不連続部分を設けたスケールと受信部が相対移動するときに、受信部に、前記周期的パターンから来る信号を受信して位置検出のための出力信号を生成させる工程。前記受信部の出力信号について、前記不連続部分に由来する信号部分を補正する工程。前記補正をかけた信号に対してエンコード処理を施すことにより、前記スケールと前記受信部との相対位置を検出する工程。前記不連続部分に由来する信号部分を含む前記受信部の出力信号であって前記補正をかけていない出力信号に基づいて、原点位置を検出する工程。前記相対位置の検出結果と前記原点位置の検出結果に基づいて前記スケール又は前記受信部の絶対位置を決定する工程。
本発明の位置検出装置及び位置検出方法では、スケール(又はその付帯部材)に周期的パターンの不連続部分を設けると共に、不連続部分に由来して変化させられた振幅を補正して振幅変化のない補正信号を得ることを行う。そして、不連続部分に由来して振幅が変化させられたエンコーダ出力から原点検出を行って原点位置を得る一方で、補正された信号を用いてエンコード処理を行うことにより相対位置を得るので、確実な原点検出と高精度な相対位置検出の両立が可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る光学式エンコーダの構成図である。 第1の実施形態に係る光学式エンコーダの受光部と検出される光の明暗パターンとの説明図である 第1の実施形態に係る光学式エンコーダの処理回路の構成図である。 第1の実施形態のブロック図である。 第1の実施形態に係る補正手段の説明図である。 第1の実施形態に係る相対位置検出手段の説明図である。 第1の実施形態に係る相対位置検出手段の説明図である。 第1の実施形態に係る原点検出手段の説明図である。 第1の実施形態に係るピーク検出処理のフロー図である。 第1の実施形態に係る原点検出手段における処理フロー図である。 第1の実施形態に係る絶対位置決定手段における処理フロー図である。 第2の実施形態に係る原点検出手段における処理フロー図である。 第3及び第4の実施形態に係る原点検出手段における処理フロー図である。 第5の実施形態に係る原点検出手段における処理フロー図である。 第6の実施形態に係る原点検出手段における処理フロー図である。 第6の実施形態に係る絶対位置決定手段における処理フロー図である。 第6の実施形態に係る原点検出及び絶対位置決定手段の説明図である。
本発明の位置検出装置及び位置検出方法は、原点位置検出のために設けたスケールの周期的パターンの不連続部分に由来する信号を補正して、補正をかけた信号に対してエンコード処理を施すことによりスケールと受信部との相対位置を検出することを特徴とする。この考え方に基づき、本発明の位置検出装置及び位置検出方法は上記課題を解決するための手段のところで述べた様な基本的な構成を有する。エンコーダは、物理的性質が周期的に変化する周期的パターン及びこれが中断する不連続部分を有するスケールと受信部を備え、相対移動可能な両者が相対移動するときに、受信部が周期的パターンからの信号を受けて位置検出用の信号を生成できるものであればよい。典型的には、エンコーダは、光透過部又は光反射部を周期的に配列することで周期的パターンを形成したスケールと、複数の受光素子を含む受光部と、スケールを介して受光部に光を照射する発光部を有する後述の実施形態で説明する様な光学式エンコーダである。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)〜ピーク値判定〜
図1〜図11を参照して、本発明の第1の実施形態に係る位置検出装置及び方法について説明する。最初に、本実施形態を構成する光学式エンコーダについて説明する。図1は、エンコーダの構成図であり、発光部11、受信部である受光部12、移動体であるスケール13から成る。発光部11で発光した光は、細かい間隔の反射部分13aと非反射部分(黒い部分)からなる周期的パターンを持つスケール13で反射して、図2(b)に示す受光部12の受光素子であるフォトダイオード14の列上に明暗の分布を与える。図1のスケール13は極く一部のみを図示していて、実際にはスケール13は移動方向に長く伸びていて、反射部分13aが所定周期(ピッチ)で並んだ領域の一部に、反射部分が欠落した非反射部分13b(斜線で示す部分)がある。スケールは、上述した様に、物理的性質が周期的に変化する周期的パターン及びこれが中断する不連続部分を有すればよく、周期的パターンは、デジタル的(非連続的)に物理的性質が周期的に変化していてもよいし、アナログ的(連続的に)に変化していてもよい。非反射部分は、光を反射しなければよいので、光透過部分でもよいし、光吸収部分でもよい。また、スケールを挟んで、受光部の配置側と反対側に発光部を配置して、スケールの光反射部分を光透過部分に置き換える構成にしてもよい。ただし、この場合は、図1のスケールの黒い部分と斜線部を非透過部分(光反射部分や光吸収部分)とする。
この様に、本実施形態のエンコーダは、光透過部又は光反射部が周期的に連続して配列された周期的パターンを持つ光学格子を形成したスケールと、複数の受光素子を持つ受信部と、スケールを介して受信部に光を照射する発光部を有する光学式エンコーダである。図2(b)の受光部12においては、多数のフォトダイオード14が配列されており、4個のフォトダイオード14で1組とされる測定部分が複数個存在している。この4個のフォトダイオード14で1組を成す測定部分が、スケール13の明暗1周期分の長さに対応している。つまり、フォトダイオードなどの受光素子ないし測定部分は、前記周期に関係付けして配設されている。例えば、前記周期の整数分の一又は整数倍の周期で配設されている。この1組の測定部分を1セグメントと称し、図2(b)においては、6セグメントとされている。この4個のフォトダイオード14から得られる信号を演算することで、位相が90°ずれた2相の正弦波信号を得ることができる。
図2(a)に示す様に、スケール13を介して受光部12に戻ってきた光の強度の強い部分Laがスケールのピッチと或る関係で分布し、受光部12側の1セグメントにおいて光の強度の強い部分Laが存在する。本実施形態では、スケール13に連続した3個の非反射部分13bを設けているため、光の強度の強い部分La中に光の弱い部分Lbが発生する。この構成によれば、反射光がスケール13の非反射部分13bによって完全に1つ欠落したとしても、光を受ける他のフォトダイオード14が存在するために、ほぼこうしたフォトダイオード14が残っている割合で信号振幅が得られる。例えば、本実施形態では、受光部12は6個の光強度の強い部分Laを受ける構成になっており、そのうちの連続した3つが欠落するので、通常と比較して3/6の光量が得られることになる。
図3は本実施形態の処理回路構成図であり、1セグメントの4個のフォトダイオード14a〜14dの後段にそれぞれ電流電圧変換器が接続されている。フォトダイオード14a〜14dからはそれぞれ位相が90°ずれた信号が出力され、フォトダイオード14aと14c、14bと14dのそれぞれ位相が180°ずれた信号がアナログ増幅器21a〜21dに接続されている。更に、アナログ増幅器21a〜21dの出力は差動増幅器23a、23bに接続され、A相、B相のアナログ信号A、Bが出力される。こうして、受信部から複数相の出力信号が出力される。
次に、本発明ないし本実施形態の位置検出装置のブロック図を、図4を用いて説明する。101は光学式エンコーダであり、先に図1を用いて説明したものである。光学式エンコーダ101から出力され位相が90°ずれたアナログ信号A、Bは、ADコンバータ102でアナログ信号A、Bからデジタル信号A、Bへ変換され、振幅補正手段103へ入力されると共に、原点検出手段104へ入力される。本実施形態においては、ADコンバータ102は10bit分解能とし、デジタル信号A、Bは、図5(a)で示す様に、0〜1023の値の範囲で表現される。原点検出手段104の詳細については、図8を用いて後述する。
補正手段103は、図5で示す様に、デジタル信号A、B(図5(a))の振幅の中点が0となる様にオフセットを付けたデジタル信号A1、B1を算出する(図5(b))。そして、そのデジタル信号A1、B1の交点における信号レベルが+128及び−128となる振幅補正係数を乗算したデジタル信号A2、B2を出力する(図5(c))。その際、初期の補正係数Gに対して、現在のデジタル信号A、Bの二乗和の平方根と所定の値との比率を乗算することでデジタル信号A、Bの二乗和の平方根が一定値となるよう、振幅補正係数Gはサンプリング毎に更新される。すなわち、デジタル信号A2、B2の振幅が一定に保たれるよう、振幅補正係数Gはサンプリング毎に更新される。こうして、補正手段103は、エンコーダ101の出力信号について、前記不連続部分に由来する信号部分を補正する。
105は相対位置検出手段であり、図6で示す様に、補正手段103の出力信号A2、B2より、正負を反転した信号A2’、B2’を生成し、ドメイン・カウンタ、メイン・カウンタ、信号A2、B2のデジタル値、からなる相対位置カウンタを構成する。ドメイン・カウンタは、それぞれの波形の交点及びゼロクロス点が到来する毎にカウントアップ/ダウンを行う。メイン・カウンタは、ドメイン・カウンタがオーバーフローすると1カウントアップされ、ドメイン・カウンタがアンダーフローすると1カウントダウンされる14bitカウンタである。
相対位置カウンタは、図7の如く、ドメイン・カウンタ701を下位3bit、メイン・カウンタ702を上位14bitとしてビット結合した17bitカウンタ703を7ビット左シフトし、下位7bitに‘0’を詰めた24bitのデジタル値704とする。ここで得られた24bitデジタル値704と信号A2又はB2のデジタル値705とを加算して相対位置カウンタの値706、すなわち、相対位置検出手段105の出力とする。この様にして、光学式エンコーダの一周期を1024分解能で表現する。
次に、原点検出手段104の詳細を、図8を用いて説明する。図8(a)は、スケール13の非反射部13bの連続した3本が欠落している箇所(非連続部)が受光部12上を通過している時のエンコーダ出力を示している。実線801は、デジタル信号Aの波形を示し、破線で階段状に示される波形802は、原点検出手段104がデジタル信号Aの上側ピーク値として検出している検出値を示す。本実施形態においては、信号A、Bそれぞれについて、最大値及び最小値を保持するハードウェア・ロジックが構成されている。下側ピーク値が到来すると、保持している最大値をクリアすることで、上側ピーク値が到来してから下側ピーク値が到来するまでの期間、上側のピーク値を読み出すことができる。なお、最大値及び最小値検出のためのデジタル信号処理は公知であるので、その説明は割愛する。一点鎖線で示した線803は、ピーク値の大小関係を判定する際の閾値である。
次に、ピーク検出処理について、図9を用いて説明する。例えば、信号Aが信号Bよりも90°位相が遅れて出力される方向へスケール13が移動する場合、次の様になる。
〜1〜
ドメイン・カウンタが“111”から“000”へ遷移したことを検出すると(S10)、S11へ進む。S11では、前回ドメイン・カウンタが“111”から“000”へ遷移したことを検出したときのメイン・カウンタ702の値である記憶領域S1の値と、現在のメイン・カウンタの値を比較する。記憶領域S1の値と現在のメイン・カウンタの値が一致した場合(S11)、移動体の移動がなされていない、又は、移動体の挙動に発振などの異常があると判断し、S10へ戻る。記憶領域S1の値と現在のメイン・カウンタの値が一致しない場合(S11)、信号Aの上側ピーク値を検出したと判断する(S12)。続けて、S13へ進み、信号Aの下側ピーク値の値をクリアするとともに、S14でメイン・カウンタ702の値を記憶領域S1へ保持する。
〜2〜
ドメイン・カウンタが“001”から“010”へ遷移したことを検出すると(S10)、S21へ進む。S21では、前回ドメイン・カウンタが“001”から“010”へ遷移したことを検出したときのメイン・カウンタ702の値である記憶領域S2の値と、現在のメイン・カウンタの値を比較する。記憶領域S2の値と現在のメイン・カウンタの値が一致した場合(S21)、移動体の移動がなされていない、又は、移動体の挙動に発振などの異常があると判断し、S10へ戻る。記憶領域S2の値と現在のメイン・カウンタの値が一致しない場合(S21)、信号Bの上側ピークが到来したと判断する(S22)。続けて、S23へ進み、信号Bの下側ピーク値の値をクリアするとともに、S24でメイン・カウンタ702の値を記憶領域S2へ保持する。
〜3〜
ドメイン・カウンタが“011”から“100”へ遷移したことを検出すると(S10)、S31へ進む。S31では、前回ドメイン・カウンタが“011”から“100”へ遷移したことを検出したときのメイン・カウンタ702の値である記憶領域S3の値と、現在のメイン・カウンタの値を比較する。記憶領域S3の値と現在のメイン・カウンタの値が一致した場合(S31)、移動体の移動がなされていない、又は、移動体の挙動に発振などの異常があると判断し、S10へ戻る。記憶領域S3の値と現在のメイン・カウンタの値が一致しない場合(S31)、信号Aの下側ピークが到来したと判断する(S32)。続けて、S33へ進み、信号Aの上側ピーク値の値をクリアするとともに、S34でメイン・カウンタ702の値を記憶領域S3へ保持する。
〜4〜
ドメイン・カウンタが“101”から“110”へ遷移したことを検出すると(S10)、S41へ進む。S41では、前回ドメイン・カウンタが“101”から“110”へ遷移したことを検出したときのメイン・カウンタ702の値である記憶領域S4の値と、現在のメイン・カウンタの値を比較する。記憶領域S4の値と現在のメイン・カウンタの値が一致した場合(S41)、移動体の移動がなされていない、又は、移動体の挙動に発振などの異常があると判断し、S10へ戻る。記憶領域S4の値と現在のメイン・カウンタの値が一致しない場合(S41)、信号Bの下側ピークが到来したと判断する(S42)。続けて、S43へ進み、信号Bの上側ピーク値の値をクリアするとともに、S44でメイン・カウンタ702の値を記憶領域S4へ保持する。
また、信号Bが信号Aよりも90°位相が遅れて出力される方向へスケール13が移動する場合においても、同様に、次の様になる。
〜5〜
ドメイン・カウンタが“000”から“111”へ遷移したことを検出すると(S10)、S51へ進む。S51では、前回ドメイン・カウンタが“000”から“111”へ遷移したことを検出したときのメイン・カウンタ702の値である記憶領域S5の値と、現在のメイン・カウンタの値を比較する。記憶領域S5の値と現在のメイン・カウンタの値が一致した場合(S51)、移動体の移動がなされていない、又は、移動体の挙動に発振などの異常があると判断し、S10へ戻る。記憶領域S5の値と現在のメイン・カウンタの値が一致しない場合(S51)、信号Aの上側ピークが到来したと判断する(S52)。続けて、S53へ進み、信号Aの下側ピーク値の値をクリアするとともに、S54でメイン・カウンタ702の値を記憶領域S5へ保持する。
〜6〜
ドメイン・カウンタが“010”から“001”へ遷移したことを検出すると(S10)、S61へ進む。S61では、前回ドメイン・カウンタが“010”から“001”へ遷移したことを検出したときのメイン・カウンタ702の値である記憶領域S6の値と、現在のメイン・カウンタの値を比較する。記憶領域S6の値と現在のメイン・カウンタの値が一致した場合(S61)、移動体の移動がなされていない、又は、移動体の挙動に発振などの異常があると判断し、S10へ戻る。記憶領域S6の値と現在のメイン・カウンタの値が一致しない場合(S61)、信号Bの上側ピークが到来したと判断する(S62)。続けて、S63へ進み、信号Bの下側ピーク値の値をクリアするとともに、S64でメイン・カウンタ702の値を記憶領域S6へ保持する。
〜7〜
ドメイン・カウンタが“100”から“011”へ遷移したことを検出すると(S10)、S71へ進む。S71では、前回ドメイン・カウンタが“100”から“011”へ遷移したことを検出したときのメイン・カウンタ702の値である記憶領域S7の値と、現在のメイン・カウンタの値を比較する。記憶領域S7の値と現在のメイン・カウンタの値が一致した場合(S71)、移動体の移動がなされていない、又は、移動体の挙動に発振などの異常があると判断し、S10へ戻る。記憶領域S7の値と現在のメイン・カウンタの値が一致しない場合(S71)、信号Aの下側ピークが到来したと判断する(S72)。続けて、S73へ進み、信号Aの上側ピーク値の値をクリアするとともに、S74でメイン・カウンタ702の値を記憶領域S7へ保持する。
〜8〜
ドメイン・カウンタが“110”から“101”へ遷移したことを検出すると(S10)、S81へ進む。S81では、前回ドメイン・カウンタが“110”から“101”へ遷移したことを検出したときのメイン・カウンタ702の値である記憶領域S8の値と、現在のメイン・カウンタの値を比較する。記憶領域S8の値と現在のメイン・カウンタの値が一致した場合(S81)、移動体の移動がなされていない、又は、移動体の挙動に発振などの異常があると判断し、S10へ戻る。記憶領域S8の値と現在のメイン・カウンタの値が一致しない場合(S81)、信号Bの下側ピークが到来したと判断する(S82)。続けて、S83へ進み、信号Bの上側ピーク値の値をクリアするとともに、S84でメイン・カウンタ702の値を記憶領域S8へ保持する。
以上、図9を用いてピーク検出処理について説明した。これにより、何れのピークが到来したかを判断するとともに、検出されたピーク値の検出が可能となる。
次に、原点検出処理について図10に沿って説明する。図8(b)は、図8(a)でピーク値が閾値803を下回る付近を拡大して示しており、これを用いて、信号Aの上側ピーク値の検出及びピーク値の判定について説明する。原点検出手段104は、図9で説明したピーク検出処理(S101)の結果から、信号Aの上側ピーク値が到来したと判断したならば(S102)、ピーク判定処理(S101)で得られた信号Aの上側ピーク値と閾値との大小関係を判定する(S103)。信号Aの上側ピーク値が所定の閾値よりも大きい場合には(S103)、S101〜S102を繰り返す。信号Aの上側ピーク値が所定の閾値よりも小さい場合には、初めて閾値を下回ったと判断、すなわち原点位置を検出したと判断し、原点検出信号を出力する(S104)。この所定の閾値は、前記周期的パターンの不連続部分以外の部分に由来するエンコーダの出力信号のピーク値に基づいて決定することができる。例えば、こうしたエンコーダの出力信号のピーク値に所定の比率を掛けた値を閾値とすることができる。この閾値の決定方法は、後述する他の実施形態でも適用できる。
絶対位置決定手段106は、図11に示す様に、原点検出手段104が出力する原点検出信号を受けると(S104)、そのときの相対位置検出手段105の出力を記憶領域1に保持する(S105)。予め決定された原点設定位置でのカウント値から差し引いた値を相対位置検出手段105に対するオフセット値として算出し(S106)、記憶領域2へ保持する(S107)。そして、相対位置検出手段105の出力と記憶領域2に保持されたオフセット値を加算した値を絶対位置として出力する(S108)。この様子を図8(b)の806〜808に示す。本実施形態においては原点設定値を500として示している。こうして、絶対位置決定手段106は、相対位置検出手段105の相対位置の検出結果と原点検出手段104の原点位置の検出結果に基づいてスケール又は受信部の絶対位置を決定する。
上記説明では、信号Aの上側ピーク値を原点検出の判定対象としているが、信号Aの下側ピーク値、信号Bの上側ピーク値、信号Bの下側ピーク値の何れを判定に用いてもよい。
本実施形態によると、周期的パターンの不連続部分に由来する意図的に振幅を変化させたエンコーダ出力から原点検出を行う。その一方で、意図的に変化させられた振幅に対して補正を行う補正手段を備えることで、あたかも振幅が変化していない様に見せかけた信号を生成し、その信号を用いてリニアエンコード処理を行う。そのため、高精度な相対位置検出が可能となる。これにより、従来両立が容易ではなかった確実な原点検出と高精度な相対位置検出の両立が可能となり、高精度な絶対位置検出が可能となる。
また、本実施形態では、原点検出の方法についても、検出されたピーク値と所定の閾値との大小関係を比較するのみで原点位置を検出することができるため、簡単な構成で原点検出が可能となる。また、絶対位置検出を行う際に、受信部のセグメント数とスケールの周期的パターンの不連続部分との関係を基に、簡単な構成で、原点検出が可能となる。更に、エンコーダ信号と原点信号が同じスケールから得られる同期した信号のため、精度の良い原点信号となり、かつ原点信号検出のための新たな部品の追加をすることなく、原点検出機能付き位置検出システムが実現できる。
(実施形態2)〜振幅判定〜
原点検出方法が実施形態1と異なる実施形態2を説明する。実施形態2における原点検出手段104について、図12を用いて説明する。原点検出手段104は、ピーク検出処理(S201)の結果より、信号Aのピーク到来の判定を行う(S202)。このピーク検出処理(S201)の処理内容は、実施形態1の図10のS101と同様である。信号Aの上側ピークが到来すると(S202)、検出した上側ピーク値を記憶領域Aへ保持する(S203)。他方、信号Aの下側ピーク値が到来すると(S202)、検出した下側ピーク値を記憶領域Bへ保持する(S204)。続けて、S205へ進み、記憶領域Aと記憶領域Bの差、すなわち、振幅を算出する(S205)。これにより、上側のピーク値、下側のピーク値を問わず、ピーク値が到来する毎に振幅が更新されることになる。そして、S205で算出された振幅が、閾値よりも大きい場合(S206)、S201へ戻る。S205で算出された振幅が、閾値よりも小さい場合(S206)、原点を検出したと判断し、原点検出信号を出力する(S207)。
これにより、スケール13の反射部13aを欠落させた非反射部13bを発光部11及び受光部12が通過する際に生じるエンコーダ出力の振幅の減衰を検出でき、原点検出が可能となる。S207で出力された原点検出信号は、絶対位置決定手段106へ入力され、実施形態1と同様な処理を行う。本実施形態では、信号Aの振幅を原点検出の判定対象としているが、信号Bの振幅値を用いてもよい。
本実施形態によると、実施形態1と同様に、確実な原点検出と高精度な相対位置検出の両立が可能となる。また、本実施形態の原点検出手段においては、検出されたピーク値より振幅を算出しているため、実施形態1と比較して処理が増えているが、ピーク値よりも変化する値のダイナミックレンジが大きくなるので、より安定した原点検出が可能となる。
(実施形態3)〜二乗和判定〜
実施形態3における原点検出手段104について、図13(a)を用いて説明する。原点検出手段104は、補正手段103で振幅補正係数Gを算出する際に計算されたデジタル信号A1、B1の二乗和(A1)+(B1)の値を読み出し(S301)、閾値との大小関係を判定する(S302)。デジタル信号A1、B1の二乗和が閾値よりも大きい場合(S302)、S301へ戻る。デジタル信号A1、B1の二乗和が閾値よりも小さい場合(S302)、原点検出信号を出力する(S303)。
これにより、スケール13の反射部13aを欠落させた非反射部13bを発光部11及び受光部12が通過する際に生じるエンコーダ出力の振幅の減衰を検出でき、原点検出が可能となる。S303で出力された原点検出信号は、絶対位置決定手段106へ入力され、実施形態1と同様な処理を行う。
本実施形態によると、実施形態1と同様に、確実な原点検出と高精度な相対位置検出の両立が可能となる。その上、原点検出手段においては、補正手段103で既に計算された値に対して、閾値との大小関係を判定するのみでよいので、原点検出のための演算処理は発生しない。そのため、処理負荷の非常に少ない原点検出が可能となる。
(実施形態4)〜ゲイン判定〜
実施形態4における原点検出手段104について、図13(b)を用いて説明する。原点検出手段104は、補正手段103で算出されるゲインである振幅補正係数Gの値を読み出し(S401)、閾値との大小関係を判定する(S402)。振幅補正係数Gが閾値よりも小さい場合(S402)、S401へ戻る。振幅補正係数Gが閾値よりも大きい場合(S402)、原点検出信号を出力する(S403)。
これにより、スケール13の反射部13aを欠落させた非反射部13bを発光部11及び受光部12が通過する際に生じるエンコーダ出力の振幅の減衰を検出でき、原点検出が可能となる。S403で出力された原点検出信号は、絶対位置決定手段106へ入力され、実施形態1と同様な処理を行う。
本実施形態によると、実施形態1と同様に、確実な原点検出と高精度な相対位置検出の両立が可能となる。その上、原点検出手段においては、補正手段103で既に計算された値に対して、閾値との大小関係を判定するのみでよいので、原点検出のための演算処理は発生しない。そのため、実施形態3と同様、処理負荷の非常に少ない原点検出が可能となる。
(実施形態5)〜パターン判定〜
実施形態5における原点検出手段104について、図14を用いて説明する。原点検出手段104は、S501の初期化処理により、振幅増減カウンタをゼロクリアすると共に、振幅判定ステータスを0とする。続けて、ピーク値検出処理(S502)を行う。ピーク値検出処理の内容については、実施形態1の図10のS101と同様である。ピーク検出処理(S502)の結果により、信号Aの上側ピーク値が到来したと判断すると(S503)、検出した上側ピーク値を記憶領域Aへ保持する(S504)。信号Aの下側ピーク値が到来したと判断すると(S503)、検出した下側ピーク値を記憶領域Bへ保持する(S505)。続けて、S506へ進み、記憶領域Aと記憶領域Bの差、すなわち、振幅を算出し(S506)、前回の振幅値が保持されている記憶領域C1の値を記憶領域C0へ保持し直す(S507)。そして、S506で算出された今回の振幅値を記憶領域C1へ保持する(S508)。更に、記憶領域C0から記憶領域C1の値を減算し、前回の振幅値と今回の振幅値の差分を算出する(S509)。
次に、S510で振幅判定ステータスが0(ゼロ)であったならば、S511へ進み、S509で算出された振幅の差分と閾値との大小関係を判定する。S509で算出された振幅の差分が閾値Aよりも小さい場合(S511)、S502へ戻る。S509で算出された振幅の差分が閾値Aよりも大きい場合(S511)、振幅の増減回数をカウントする第1のカウンタを1カウントアップする(S512)。続けて、振幅の増減回数をカウントする第1のカウンタの値を調べ、6でない場合(S513)、すなわち、振幅の減衰が最終レベルに到達していないと判断される場合、S502へ戻る。振幅の増減回数をカウントする第1のカウンタの値が6であった場合(S513)、すなわち、振幅の減衰が最終レベルに到達したと判断される場合、振幅判定ステータスを1として(S514)、S502へ戻る。
S510で振幅判定ステータスが1であったならば、S521へ進み、S509で算出された振幅の差分と閾値A、閾値Bとの大小関係を判定する。S509で算出された振幅の差分が閾値Aよりも大きい場合、又は、閾値Bよりも小さい場合(S521)、S502へ戻る。S509で算出された振幅の差分が閾値Aよりも小さく、かつ、閾値Bよりも大きい場合(S521)、振幅の増減回数をカウントする第2のカウンタを1カウントアップする(S522)。続けて、振幅の増減回数をカウントする第2のカウンタの値を調べて、6でない場合(S523)、S502へ戻る。振幅の増減回数をカウントする第2のカウンタの値が6であった場合(S523)、振幅判定ステータスを2として(S524)、S502へ戻る。
S510で振幅判定ステータスが2であったならば、S531へ進み、S509で算出された振幅の差分と閾値Bとの大小関係を判定する。S509で算出された振幅の差分が、閾値Bよりも大きい場合(S531)、S502へ戻る。S509で算出された振幅の差分が、閾値B以下である場合(S531)、振幅の増減回数をカウントする第3のカウンタを1カウントアップする(S532)。続けて、振幅の増減回数をカウントする第3のカウンタの値を調べ、6でない場合(S533)、S502へ戻る。振幅の増減回数をカウントする第3のカウンタの値が6であった場合(S533)、振幅の増加が最終レベルに到達したと判断し、振幅判定ステータスを0(ゼロ)として(S534)、原点検出信号を出力する(S535)。この様に、本実施形態では、次の様に原点位置を決定している。まず、エンコーダの出力信号の前回の振幅と今回の振幅の差分が所定の値以上減少している状態が周期的パターンの不連続部分における構成要素の欠落個数に関連した回数連続する。続けて、前回の振幅と今回の振幅の差分が所定の値以下である状態が前記欠落個数に関連した回数連続する。そして、更に続けて、前回の振幅と今回の振幅の差分が所定の値以上増加している状態が前記欠落個数に関連した回数連続したときの位置を原点位置と決定している。
この様に、パターンを検出して原点検出を判断することで、突発的なノイズにより原点検出の精度が劣化することを防ぐことができる。また、本実施形態では、振幅が減衰する部分、振幅が減衰した状態を保持する部分、振幅が増大する部分の全体をパターンとして判定したが、次の様にしてもよい。すなわち、振幅が減衰する部分、振幅が減衰した状態を保持する部分、振幅が増大する部分の何れか一部のみをパターンとして判定してもよい。つまり、エンコーダの出力信号の前回の振幅と今回の振幅の差分が所定の値との関係で或る条件を満たす状態が、周期的パターンの不連続部分における構成要素の欠落個数に関連した回数連続したときの位置を原点位置と決定することができる。
更に、本実施形態では、スケール13に連続した3個の非反射部分13bを設けている。よって、上側ピーク値、下側ピーク値はそれぞれ3回連続してピーク値の減衰、増加を起こすと共に、ピーク値が減衰した後、ピーク値の増大を開始するまでに3回連続して振幅の増減が少ない状態が続く。このため、振幅では、その2倍の6回連続してピーク値の減衰、増加、及び振幅減衰後の振幅の増減が少ない状態が続く。従って、図14のS513、S523、S533では、判定の回数は6としているが、これに限らず、非反射部分13bの個数に関連した数値としてもよい。例えば、スケール13の非反射部分13bの個数3に対して2倍した値から1差し引いた値とすると、突発的な振幅の変動によりパターン検出できなくなることを防ぐことができる。
本実施形態では、A相の振幅についてパターン検知を行ったが、B相の振幅についてパターン検知を行ってもよい。また、A相、B相の上側ピーク値、下側ピークのそれぞれに対して、パターン検知を行ってもよい。この場合、S513、S523、S533での判定値は、スケール13の非反射部分13bの個数3に関連した値とすることでパターン検知を実現できる。更に、A相、B相のそれぞれの振幅に対して図14で示す判定処理を行いながら、S510のステータスの判定については、次の様にできる。すなわち、A相の処理のS514、S524、S534から決定される判定ステータス、B相の処理の同様の判定ステータスのどちらか先についてパターン検知を行った上で、そのパターン検知に基づいて原点検出を行うことができる。また、エンコーダの各相の出力信号から各相毎に基準位置を決定し、それに基づいて(典型的にはその平均をとる)原点位置を決定することができる。更には、上記二乗和或いは振幅補正係数について同様にパターン検知を行って原点位置を決定することもできる。
本実施形態でも、実施形態1と同様に、確実な原点検出と高精度な相対位置検出の両立が可能となる。その上、原点検出手段においては、エンコーダ出力の変化をパターンとして認識するため、突発的なエンコーダ出力の変動により誤った原点検出を行うことを無くすことができる。
(実施形態6)
実施形態6における原点検出手段104について、図15を用いて説明する。原点検出手段104は、まず、原点判定ステータスを初期化し、ゼロとする(S600)。次に、ピーク検出処理(S601)を行う。ピーク値検出処理は、実施形態1の図10のS101と同様である。ピーク検出処理(S601)の結果により、信号Aの上側ピーク値の到来を検出すると(S602)、検出した上側ピーク値を記憶領域Aへ保持する(S603)。信号Aの下側ピーク値の到来を検出すると(S602)、検出した下側ピーク値を記憶領域Bへ保持する(S604)。
続けて、S605へ進み、記憶領域Aと記憶領域Bの差、すなわち、信号Aの振幅を算出する。これにより、上側のピーク値、下側のピーク値を問わず、ピーク値が到来するたびに振幅が更新されることになる。次に、606へ進み、前回のピーク値到来時の信号Aの振幅が記憶された記憶領域C1の値を記憶領域C0へ保持し直し、S607へ進む。S607では、今回のピーク値到来時の振幅としてS605で算出した信号Aの振幅値を記憶領域C1へ保持する。これにより、前回の振幅値が記憶領域C0に、今回の振幅値が記憶領域C1に保持されたことになる。
更に、S608へ進み、前回のピーク値到来時の相対位置検出手段105の出力である相対位置カウント値が記憶された記憶領域P1の値を記憶領域P0へ保持し直しS609へ進む。S609では、今回のピーク値到来時の相対位置検出手段出力105の出力である相対位置カウント値を記憶領域P1へ保持する。これにより、前回のピーク値到来時の相対位置カウント値が記憶領域P0に、今回のピーク値到来時の相対位置カウント値が記憶領域P1に保持されたことになる。
続けて、S610へ進み、原点判定ステータスが0であるならば、次の様にする。すなわち、スケール13の反射部13aを欠落させた非反射部13bの部分以外の領域を通過している、すなわち、振幅の減衰を起こしていない状態、つまり、振幅値が閾値Cよりも大きいと判断し、S611へ進む。S611では、S605で算出した振幅が、閾値Cよりも小さくなっていることの判定を行う。原点判定ステータスが1であるならば(S610)、スケール13の反射部13aを欠落させた非反射部13bの領域を通過しており、振幅が減衰した状態、つまり、振幅値が閾値Dよりも小さいと判断し、S614へ進む。S614では、S605で算出した振幅が閾値Dよりも大きくなっていることの判定を行う。
S611へ進んだならば、S605で算出された振幅が閾値Cよりも大きい場合(S611)、S601へ戻る。S605で算出された振幅が閾値Cよりも小さい場合(S611)、振幅の減衰部分を検出したと判断し、基準位置信号Aを出力する(S612)。続けて、S613へ進み、原点判定ステータスを1にセットする。S614へ進んだならば、S605で算出された振幅が閾値Dよりも小さい場合(S614)、S601へ戻る。S605で算出された振幅が閾値Dよりも小さい場合(S614)、振幅の増加部分を検出したと判断し、基準位置信号Bを出力する(S615)。続けて、S616へ進み、原点判定ステータスを0にセットする。これにより、スケール13の反射部13aを欠落させた非反射部13bを発光部11及び受光部12が通過する際に生じるエンコーダ出力の振幅の減衰部分及び増加部分が検出される。
図16に本実施形態の絶対位置決定手段106の処理フローを示す。絶対位置決定手段106は、原点検出手段104が出力する基準位置信号Aが検出されなければ(S621)、基準位置信号Aが検出されるまで、S621を繰り返す。原点検出手段104が出力する基準位置信号Aが検出されると(S621)、次の式601により基準位置Aの算出を行う(S622)。
基準位置A=記憶領域P0+距離a*{(閾値C−記憶領域C0)/(記憶領域C1−記憶領域C0)}…(式601)
つまり、ここでは、次の様に基準位置を決定している。1つの比率を、エンコーダの出力信号の振幅が所定の閾値を下回ったときの振幅と閾値の差分と、エンコーダの出力信号の振幅が所定の閾値を下回る直前の振幅と閾値の差分との比率とする。他の比率を、エンコーダの出力信号の振幅が所定の閾値を下回ったときの相対位置検出手段の出力と当該基準位置との差分と、エンコーダの出力信号の振幅が所定の閾値を下回わる直前の相対位置検出手段の出力と当該基準位置との差分との比率とする。そして、両者の比率がと同一となる様に基準位置Aを決定している。この基準位置Aをそのまま原点位置とすることも可能である。
ここで、基準位置信号Aが出力された時の様子について、図17を用いて説明する。図17において、(a)は信号Aを示し、(b)は原点検出及び絶対位置決定の様子を示し、(c)は(b)の一部を拡大して示す。基準位置信号Aが出力されたとき、記憶領域C0には、閾値Cを下回る直前のピーク値の検出により得られた振幅601の値が保持され、記憶領域C1には、閾値Cを下回った直後のピーク値の検出により得られた振幅602の値が保持されている。また、記憶領域P0には、振幅601が得られた時の相対位置検出手段105の出力である相対位置カウント値が保持され、記憶領域P1には、振幅602が得られた時の相対位置検出手段105の出力である相対位置カウント値が保持されている。距離aは、信号Aの周期の1/2にあたる距離、すなわち、スケール13のピッチの1/2である。これにより、位置スケール13の1/2のピッチよりも細かい単位で検出することが可能となる。
S623へ進んだならば、基準位置信号Bが検出されていないか判断する。原点検出手段104が出力する基準位置信号Bが検出されなければ(S623)、基準位置信号Bが検出されるまで、S623を繰り返す。原点検出手段104が出力する基準位置信号Bが検出されると(S623)、次の式602により基準位置Bの算出を行う(S624)。
基準位置B=記憶領域P0+距離a*{(閾値D−記憶領域C0)/(記憶領域C1−記憶領域C0)}…(式602)
ここでも、前記基準位置Aの決定方法と実質的に同様な方法で基準位置Bを決定している。また、この基準位置Bをそのまま原点位置とすることも可能である。
ここで、基準位置信号Bが出力された時の様子について、図17(b)を用いて説明する。基準位置信号Bが出力されたとき、記憶領域C0には、閾値Dを上回る直前のピーク値の検出により得られた振幅604の値が保持され、記憶領域C1には、閾値Dを上回った直後のピーク値の検出により得られた振幅603の値が保持されている。また、記憶領域P0には、振幅604が得られた時の相対位置検出手段105の出力である相対位置カウント値が保持されており、記憶領域P1には、振幅603が得られた時の相対位置検出手段105の出力である相対位置カウント値が保持されている。距離aは前述した通りである。続けて、基準位置の平均値を算出、すなわち、原点検出信号Aが検出された位置と原点検出信号Bが検出された位置の中点位置を算出する(S625)。そして、予め決定された原点設定位置でのカウント値からS625で算出した中点位置を差し引いた値を、相対位置検出手段105に対するオフセット値として算出し(S626)、記憶領域2へ保持する(S627)。更に、相対位置検出手段105と記憶領域2に保持されたオフセット値を加算した値を絶対位置として出力する(S628)。以上の様子が図17に示されている。
以上の様に、本実施形態では、エンコーダの出力信号の振幅が所定の閾値を下回ったときの位置を第一の基準位置と決定し、エンコーダの出力信号の振幅が所定の閾値を上回ったときの位置を第二の基準位置と決定する。そして、第一の基準位置と第二の基準位置に関連して決定される位置(典型的には中点位置)を原点位置としている。ただし、振幅は、上述した様なピーク値、又は、各相の出力の二乗和、又は、振幅補正係数とすることもできる。
本実施形態によると、実施形態1と同様に、確実な原点検出と高精度な相対位置検出の両立が可能となる。その上、原点検出手段においては、振幅の減衰部分で基準位置Aを決定すると共に、振幅の増加部分で基準位置Bを決定する。このことで、A、Bどちらか一方の基準位置にずれを生じた場合でも、2点間の中点位置を原点位置とするため、原点位置のずれを基準位置のずれの1/2に抑えることができる。
更に、基準位置A、基準位置Bそれぞれを決定する際においても、従来はエンコーダ出力の振幅のピーク値を検出する毎に基準位置を決定しているためスケールピッチの1/2の単位でしか原点位置を検出されなかったものを、次の様にできる。すなわち、検出した振幅値が閾値に対してどのくらい離れているかを加味した距離を、ピーク値を検出した位置に加減することで、基準位置を決定するため、極めて細かい単位で基準位置を決定できる。つまり、更に従来の1/2の細かさで原点位置を決定できるため、検出分解能及び検出精度を向上させることが可能になる。
11:発光部 、12:受光部(受信部)、13:スケール、13a:反射部、13b:非反射部、101:エンコーダ、103:補正手段、104:原点検出手段、105:相対位置検出手段、106:絶対位置決定手段

Claims (5)

  1. エンコーダと補正手段と相対位置検出手段と原点検出手段と絶対位置決定手段を備える位置検出装置であって、
    前記エンコーダは、相対移動可能に設けられたスケールと受信部を有し、
    前記スケールは、物理的性質が周期的に変化する周期的パターン及び前記周期的パターンが中断する不連続部分を有し、
    前記受信部は、前記スケールと前記受信部が相対移動するときに、前記周期的パターンから来る信号を受信して位置検出のための出力信号を生成し、
    前記補正手段は、前記エンコーダの出力信号について、前記不連続部分に由来する信号部分を補正し、
    前記相対位置検出手段は、前記補正手段により補正をかけた信号に対してエンコード処理を施すことにより、前記スケールと前記受信部との相対位置を検出し、
    前記原点検出手段は、前記不連続部分に由来する信号部分を含む前記エンコーダの出力信号であって前記補正手段による補正をかけていない出力信号に基づいて、前記スケール又は前記受信部の原点位置を検出するにあたり、前記エンコーダの出力信号の振幅が所定の閾値を下回ったときの振幅と閾値の差分と前記エンコーダの出力信号の振幅が所定の閾値を下回る直前の振幅と閾値の差分との比率が、前記エンコーダの出力信号の振幅が所定の閾値を下回ったときの前記相対位置検出手段の出力と前記原点位置との差分と前記エンコーダの出力信号の振幅が所定の閾値を下回わる直前の前記相対位置検出手段の出力と前記原点位置との差分との比率と同一となる様に前記原点位置を決定し
    前記絶対位置決定手段は、前記相対位置検出手段の相対位置の検出結果と前記原点検出手段の原点位置の検出結果に基づいて前記スケール又は前記受信部の絶対位置を決定することを特徴とする位置検出装置
  2. 前記エンコーダは、
    光透過部又は光反射部を周期的に配列することで前記周期的パターンを形成したスケールと、前記スケールに対して相対移動可能に設けると共に、前記光透過部又は光反射部のピッチに関係付けして配設した複数の受光素子を含む受光部と、前記スケールを介して前記受光部に光を照射する発光部とを有する光学式エンコーダであることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
  3. 前記原点検出手段は、
    前記周期的パターンの前記不連続部分以外の部分に由来する前記エンコーダの出力信号の振幅、ピーク値、各相の出力の二乗和、振幅補正係数のうちの何れかに基づいて決定した値を前記閾値とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置検出装置。
  4. 前記受信部は複数相の出力信号を出力し、
    前記原点検出手段は、
    前記エンコーダの各相の出力信号から各相毎に基準位置を決定し、その平均位置を前記原点位置と決定することを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の位置検出装置。
  5. 物理的性質が周期的に変化する周期的パターン及び前記周期的パターンが中断する不連続部分を設けたスケールと受信部が相対移動するときに、受信部に、前記周期的パターンから来る信号を受信して位置検出のための出力信号を生成させる工程と、
    前記受信部の出力信号について、前記不連続部分に由来する信号部分を補正する工程と、
    前記補正をかけた信号に対してエンコード処理を施すことにより、前記スケールと前記受信部との相対位置を検出する工程と、
    前記不連続部分に由来する信号部分を含む前記受信部の出力信号であって前記補正をかけていない出力信号に基づいて、原点位置を検出するにあたり、前記エンコーダの出力信号の振幅が所定の閾値を下回ったときの振幅と閾値の差分と前記エンコーダの出力信号の振幅が所定の閾値を下回る直前の振幅と閾値の差分との比率が、前記エンコーダの出力信号の振幅が所定の閾値を下回ったときの前記相対位置を検出する工程の出力と前記原点位置との差分と前記エンコーダの出力信号の振幅が所定の閾値を下回わる直前の前記相対位置を検出する工程の出力と前記原点位置との差分との比率と同一となる様に前記原点位置を決定する工程と、
    前記相対位置の検出結果と前記原点位置の検出結果に基づいて前記スケール又は前記受信部の絶対位置を決定する工程と、
    を有することを特徴とする位置検出方法。
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