JP4372826B2 - 光学式エンコーダおよび電子機器 - Google Patents

光学式エンコーダおよび電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP4372826B2
JP4372826B2 JP2008129779A JP2008129779A JP4372826B2 JP 4372826 B2 JP4372826 B2 JP 4372826B2 JP 2008129779 A JP2008129779 A JP 2008129779A JP 2008129779 A JP2008129779 A JP 2008129779A JP 4372826 B2 JP4372826 B2 JP 4372826B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
light
output
circuit
signals
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008129779A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009031261A (ja
Inventor
直正 木村
教和 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2008129779A priority Critical patent/JP4372826B2/ja
Priority to CN2008101274075A priority patent/CN101339054B/zh
Priority to US12/166,996 priority patent/US7820957B2/en
Publication of JP2009031261A publication Critical patent/JP2009031261A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4372826B2 publication Critical patent/JP4372826B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Transform (AREA)

Description

この発明は、受光素子を用いて移動体の位置、移動速度、移動方向等を検出する光学式エンコーダに関し、一例として特に、複写機、プリンターなどの印刷機器、FA(ファクトリオートメーション)機器等に用いると好適である光学式エンコーダに関する。
従来、光学式エンコーダとしては、複数の受光素子を回転体のスリットの配列方向にスリットの配列ピッチの4分の1の間隔で配置し、これら受光素子の出力信号を比較することにより、信頼性の高い回転情報が得られるようにするものが提案されている(特許文献1(特開昭59−40258号公報))。
また、特許文献4(特開2005−61896号公報)に記載の光学式エンコーダでは、三角波を生成し出力することで、移動体の移動量を検知する精度を上げる方法を採用している。
また、特許文献2(特開2000−121390号公報)では、90°の位相差を有するA相信号およびB相信号を、パルス変換することにより、スケールの移動方向に応じてPWM変調された1系統のA/B相パルス信号として出力することで、A相およびB相の計測パルス信号を1系統の伝送線路で出力できるようにすることが開示されている。
また、特許文献3(特開昭60−88316号公報)では、ロータリーエンコーダの2相の出力を信号変換して2相に対応するカウンタパルスを取り出し、一方のカウンタパルスを位相反転して他方のカウンタパルスと加算することにより、単一の出力信号線で信号を送信し得るようにすることが開示されている。
ところで、特許文献1に記載の光学式エンコーダでは、位相が互いに90°異なるA相,B相の2つの出力信号を用いて、移動体(回転体)の相対位置変化と移動方向を検出している。
しかし、特許文献1の光学式エンコーダでは、2出力を設け、2出力分の配線が必要となり、信号の出力配線の簡易性に欠け、実装面積の小型化には不向きである。また、2本の出力配線の配線長の差やそれぞれの配線が受けるノイズ等の影響により、90°位相がずれるべき2つの出力信号のタイミングが変化する可能性があるため、より信頼度の高い出力方法が必要となる。
また、特許文献2では、90°の位相差を有するA相信号およびB相信号をパルス変換して、スケールの移動方向に応じてPWM変調された1系統のA/B相パルス信号として出力している。
しかし、常に一定の周期で移動する移動体であれば、PWM(パルス幅変調)信号にて移動方向を検出することが可能であるが、移動体が一定の周期で移動しない場合は出力パルスのパルス幅やジッターとして出力成分に影響してくることに起因して、移動体の移動方向を高精度で検知することが困難となる。また、2相の信号成分を1つに合成した信号では、1周期における移動位置のカウント数が片相分となり、特許文献1の光学式エンコーダに比べて、分解能が半分になっている。
また、特許文献3では、ロータリーエンコーダから得られた2相のカウンタパルス信号の一方を位相反転してから加算して、単一の出力信号線で信号を送信し得るようにしているが、これは特許文献2のものと同様、分解能を半分にしているので、相対的な位置情報を高精度に得ることができなくなる。
さらに、特許文献2,3のいずれも、信号処理により総配線数を半分にすることを目的にしているが、カウンタ,パルス変調器や発振器等が必要となる。したがって、使用できる周波数が限定されるだけでなく、出力部との同期を取る必要があり構成が複雑となるので、エンコーダモジュールが実装される部分について、小型化することが難しい。
さらに、特許文献2のものでは、移動体の移動情報に応じてマイコン制御によりPWM変調をかけることになる。つまり、マイコンの処理速度や内部発振器の周波数に依存してPWM変調がかかることになるので、移動体の移動方向が切り替わった瞬間に移動方向を判断することは難しい。
また、特許文献3のものも同様に、移動体の許容される周期は発振器の周波数に依存する。よって、上記発振器の周波数を上げることで、広範囲の周波数に対応できるが、消費電流が増加し実用には向かない。
また、両文献ともに信号処理により総配線数を半分にすることを目的にしているが、カウンタ,パルス変調器や発振器等が必要となり、出力部との同期を取る必要があり構成が複雑となるので、エンコーダモジュールが実装される部分について、小型化することが難しい。
また、特許文献4に記載の光学式エンコーダにおいても、特許文献1に記載の光学式エンコーダと同様に、移動方向を検知するためには、2相の出力を用いることが必要になる。
特開昭59−40258号公報 特開2000−121390号公報 特開昭60−88316号公報 特開2005−61896号公報
そこで、この発明の課題は、相対位置情報,移動方向等の移動情報を高精度で検出でき、かつ、広い周波数範囲で使用可能であると共に出力総配線数を削減でき、小型化に最適な光学式エンコーダを提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の光学式エンコーダは、発光部と、上記発光部からの光が到達し得る領域に一方向に並べて配置されている複数の受光素子を有する受光部とを備え、上記受光素子に対応する所定の位置を通過するときに上記光が上記受光素子に入射する状態にする光オン部および上記受光素子に対応する所定の位置を通過するときに上記光が上記受光素子に入射しない状態にする光オフ部を有すると共に上記一方向に移動するときに上記光オン部と光オフ部が上記所定の位置を交互に通過する移動体の移動を検出する光学式エンコーダであり、
上記複数の受光素子から位相が異なる複数の受光信号が入力されて、この複数の受光信号に対して、論理演算処理、加算処理、減算処理のうちの少なくとも1つの信号処理を含む信号処理を行って、位相が異なると共に所定のスレッシュレベルに対する信号レベルが異なる複数の信号成分を含む出力信号を出力する受光信号処理部を備え、
上記受光信号処理部は、
上記複数の受光信号から得られた位相が互いに90°異なる第1,第2の信号の排他的論理和を演算して第3の信号を出力する排他的論理和回路と、
上記排他的論理和回路が出力する第3の信号と上記第1,第2の信号のうちの一方との論理積を演算して第4の信号を出力する論理積回路と、
上記第1,第2の信号のうちの他方から上記論理積回路が出力する第4の信号を減算して第5の信号を出力する減算回路とを有することを特徴としている。
この発明の光学式エンコーダによれば、受光信号処理部は、位相が異なる複数の受光信号を、位相が異なると共に所定のスレッシュレベルに対する信号レベルが異なる複数の信号成分を含む出力信号に変換する。この出力信号により、複数の移動情報を、単一の伝送路を用いて伝送することが可能となる。また、この出力信号は、一周期当たりに複数の位相の異なる出力成分を有することで、高精度な位置情報が得られ、分解能を下げることなく、エンコーダモジュールの小型化、電気配線の簡略化を図れる。
また、本発明の構成では、内部発振器による同期回路の構成を必要としないので、回路上で移動体の移動速度が制限されることは無い。よって、本発明によれば、広い周波数範囲で安定した出力が得られることになる。
また、一参考例の光学式エンコーダは、上記受光素子と受光信号処理部とが構成する検出部を複数有し、この複数の検出部によって、互いに異なる方向に移動する複数の移動体の移動を検出する。
この参考例の光学式エンコーダによれば、移動体が2つ以上である場合にも、2つ以上の移動体の高精度な移動情報が得られ、出力信号の伝送路の数を半減できて、エンコーダモジュールの小型化、電気配線の簡略化を図れる。例えば、2つ以上の移動体により、2次元、3次元等の移動方向を検出する場合に、出力信号の伝送路の数を、従来の4、6から2、3へ半減可能になる。
また、一参考例の光学式エンコーダは、上記受光信号処理部は、上記複数の受光信号を減算して、位相が異なると共に所定のスレッシュレベルに対する信号レベルが異なる複数の信号成分を含む出力信号を生成する減算回路を有する。
この参考例によれば、受光信号処理部は、減算回路で上記複数の受光信号を減算することで、位相が異なると共に所定のスレッシュレベルに対する信号レベルが異なる複数の信号成分を含む出力信号を生成するので、パルス変調器や発振器を用いて単一パルスを作成して出力する従来例と異なり、信号処理部に十分集積可能であり、実装面積の縮小化を図れる。
また、本発明の光学式エンコーダは、上記受光信号処理部は、
上記複数の受光信号から得られた位相が互いに90°異なる第1,第2の信号の排他的論理和を演算して第3の信号を出力する排他的論理和回路と、
上記排他的論理和回路が出力する第3の信号と上記第1,第2の信号のうちの一方との論理積を演算して第4の信号を出力する論理積回路と、
上記第1,第2の信号のうちの他方から上記論理積回路が出力する第4の信号を減算して第5の信号を出力する減算回路とを有する。
本発明によれば、受光信号処理部は、排他的論理和回路,論理積回路,減算回路により、位相が異なると共に所定のスレッシュレベルに対する信号レベルが異なる複数の信号成分を含む第5の信号が生成され、この第5の信号の上記信号レベルが異なる複数の信号成分のパルス幅が変更される。よって、この発明によれば、複数の受光信号から得られた位相が互いに90°異なる第1,第2の信号に対して、簡単な論理演算および減算を行うことで得られる第5の信号により、スレッシュレベルの片相のパルス幅を変更できる。よって、第5の信号は、移動体の移動方向の正逆により論理値を変更でき、移動方向の正逆の検出ミスを回避できる。
また、一参考例の光学式エンコーダは、上記受光信号処理部は、上記減算回路が出力する信号と所定の基準電圧とを比較して、この比較結果を出力する比較部を有する。
この参考例によれば、受光信号処理部が有する比較部は、様々な光学条件で変動する可能性がある減算回路の出力信号と所定の基準電圧とを比較した結果を出力するので、スレッシュレベルの安定化を図れ、減算回路の出力信号の変動に起因して後段の信号処理が複雑になることを回避して誤動作の可能性を回避できる。
また、上記比較部の出力のスレッシュレベルは、上記基準電圧により任意に変更することができる。これにより、比較部の出力のうちの任意の出力成分のみを取り出すことも可能で、高い精度が必要ではない場合には上記減算回路の出力信号に含まれる複数の位相の情報のうちの片相の情報のみを得ることも可能になる。
また、一実施形態の光学式エンコーダは、上記受光信号処理部は、上記減算回路が出力する第5の信号が反転入力端子に入力されると共に所定の基準電圧が非反転入力端子に入力される演算増幅器を含む負帰還回路を有する。
この実施形態によれば、上記負帰還回路により、減算回路からの第5の信号のスレッシュレベルを安定化でき、また、負帰還回路におけるゲインを調整することで、負帰還回路の出力信号の振幅の値をスレッシュレベルに対して容易に調整できる。
また、一参考例の光学式エンコーダは、上記受光信号処理部は、上記所定の基準電圧の値を変更できる基準電圧部を有する。
この参考例の光学式エンコーダによれば、上記受光信号処理部が有する基準電圧部が上記所定の基準電圧の値を変更することによって、受光信号処理部からの出力配線を増やすことなく、比較部の出力のうちの任意の出力成分のみを取り出すことが可能になる。
また、一参考例の光学式エンコーダでは、上記受光信号処理部は、アナログ信号を生成するアナログ信号生成回路を有し、このアナログ信号生成回路が生成した上記アナログ信号によるアナログ信号成分を含む出力信号を出力する。
この参考例の光学式エンコーダによれば、上記受光信号処理部が出力する出力信号が含む上記アナログ信号成分の分解能に応じて、上記移動体の移動量検出の高精度化を図れる。また、上記アナログ信号成分による波形変動でもって、上記移動体の移動方向を検知することを可能にできる。
なお、上記アナログ信号生成回路としては、例えば、信号の立ち上がり,立下りに時間幅を持たせるように、受光信号を増幅するアンプ部や論理出力回路部などに容量を追加した回路を採用できる。また、上記アナログ信号生成回路としては、例えば、受光信号を増幅するアンプ部のゲインを落として、信号の立ち上がり,立下りに時間幅を持たせる回路も採用可能である。いずれの回路も極めて容易に構成可能な回路である。また、上記アナログ信号は、受光信号から得られるものに限定するものではなく、例えば三角波を生成するクロックなどをアナログ信号としてもよい。
また、一参考例の光学式エンコーダでは、上記受光信号処理部は、上記アナログ信号生成回路が生成したアナログ信号とは位相が異なるデジタル信号を上記受光信号から生成するデジタル信号生成回路を有し、上記アナログ信号と上記デジタル信号とを減算して、位相が異なると共に所定のスレッシュレベルに対する信号レベルが異なる複数の信号成分を含む出力信号を生成する減算回路とを備える。
この参考例の光学式エンコーダによれば、上記受光信号処理部が備える減算回路により上記出力信号を生成するので、前述のアンプ部のゲイン変更や容量の追加による時定数の変化を回避できる。さらに、発振器等の追加回路も必要がないので、周波数依存性を持たせることなく、高精度に移動体の移動量と移動方向を検知することが可能となる。
また、一参考例の電子機器は、上記光学式エンコーダを備え、上記受光信号処理部が出力する上記位相が異なると共に所定のスレッシュレベルに対する信号レベルが異なる複数の信号成分を含む出力信号と、上記スレッシュレベルに対応した基準電圧とを比較して、この比較結果を出力する比較部を有する。
この参考例の電子機器によれば、上記比較部は、上記光学式エンコーダからの上記出力信号を上記スレッシュレベルに対応した基準電圧と比較することによりデジタル値に変換した信号を出力できる。すなわち、上記光学式エンコーダからの上記出力信号がアナログ出力信号となっていてマイクロコンピュータ等で直接に信号処理ができない場合でも、上記比較部によって、上記出力信号をデジタル信号に変換できる。よって、この電子機器が有するマイクロコンピュータに上記比較部からのデジタル化された出力信号を入力することで上記移動体の移動情報が得られる。例えば、この実施形態の電子機器をインクジェットプリンタのインクヘッド部に採用することで、光学式エンコーダから出力される配線数を減らしたままで、移動体としてのインクヘッド部の移動情報が容易に得られる。
また、一参考例の電子機器は、上記光学式エンコーダの上記受光信号処理部が出力する上記アナログ信号成分を含む出力信号と、複数の異なる基準電圧とを比較し、この比較結果による複数のデジタル信号を出力する比較部を有する。
この参考例の光学式エンコーダによれば、上記比較部が出力する複数のデジタル信号によって、移動体の高精度な移動情報が得られる。また、上記比較部はデジタル信号を出力するので、マイクロコンピュータ等で直接信号処理をすることができる。
また、一実施形態の電子機器は、上記光学式エンコーダを備えた。この電子機器によれば、光学式エンコーダのための配線数を削減できて小型化を図れ、かつ、移動情報を高精度で検出できる。
この発明の光学式エンコーダによれば、受光信号処理部は、位相が異なる複数の受光信号を、位相が異なると共に所定のスレッシュレベルに対する信号レベルが異なる複数の信号成分を含む出力信号に変換する。この出力信号により、複数の移動情報を、単一の伝送路を用いて伝送することが可能となる。また、この出力信号は、一周期当たりに複数の位相の異なる出力成分を有することで、高精度な位置情報が得られ、エンコーダモジュールの小型化、電気配線の簡略化を図れる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の参考例)
図1に、この発明の光学式エンコーダの第1参考例を示す。この第1参考例は、移動体1と受光部2と発光部3を備える。発光部3は、LED(発光ダイオード)等の発光素子で構成されている。受光部2は、3個の受光素子11〜13を有する。また、移動体1は、矢印X1またはX2で示される方向に移動可能になっていて、移動方向に交互に光オン部6と光オフ部7とが配列されている。この光オン部6の配列ピッチをPとすると、光オン部6および光オフ部7の移動方向の寸法(幅寸法)は(1/2)Pである。上記光オン部6は発光部3からの光を受光部2側に通過させる一方、光オフ部7は発光部3からの光を受光部2側に通過させない。なお、この参考例では、受光素子11〜13をフォトダイオードで構成したがフォトトランジスタで構成してもよい。また、この参考例では、各受光素子11〜13の幅寸法を(1/12)Pとした。また、各受光素子11〜13は移動方向に間隔を隔てずに隣接している。
したがって、各受光素子11,12,13が出力する受光信号A,B,Cは、図2に示すように、1ピッチPを360°とすると位相が30°ずつずれている。各受光素子11,12,13が出力する受光信号A,B,Cは、電流分配器14,15,16およびAD変換器(図示せず)を経由して、論理積回路17に入力されて、論理積演算される。この論理積回路17は、図2に示す波形の論理積信号A・B・Cを3つの排他的論理和回路18〜20に出力する。
排他的論理和回路18には、上記論理積信号A・B・Cと、上記電流分配器14とAD変換器を経由した受光信号Aとが入力され、この排他的論理和回路18は両信号の排他的論理和を演算して、演算後の信号A’を加算回路22に出力する。また、排他的論理和回路19には、上記論理積信号A・B・Cと、上記電流分配器15とAD変換器を経由した受光信号Bとが入力され、この排他的論理和回路19は両信号の排他的論理和を演算して、演算後の信号B’を加算回路22に出力する。また、排他的論理和回路20には、上記論理積信号A・B・Cと、上記電流分配器16とAD変換器を経由した受光信号Cとが入力され、この排他的論理和回路20は両信号の排他的論理和を演算して、演算後の信号C’を増幅回路21に出力する。そして、上記加算回路22は、演算後の信号A’とB’および増幅回路21で2倍に増幅された信号2C’とを加算して、図2に示す波形の出力信号を出力する。
上記電流分配器14〜16、AD変換器、論理積回路17、排他的論理和回路18,19,20、増幅回路21、加算回路22が受光信号処理部を構成している。
上記出力信号は、図2に示すように、スレッシュレベル0とスレッシュレベル1との間で立ち上がったパルスS1がA相信号成分となり、スレッシュレベル1とスレッシュレベル2との間で立ち上がったパルスS2がB相信号成分となり、スレッシュレベル2を超えて立ち上がったパルスS3がC相信号成分となる。したがって、後段の信号処理部では、例えば、各スレッシュレベル0〜2に対する立ち上がり成分をカウントすることで、移動体1の相対的な移動情報が得られる。また、移動体1の移動方向の正,逆(X1,X2)に関しては、A相信号成分とC相信号成分のパルス立ち上がりの先後関係で判別することができる。したがって、この参考例によれば、移動情報成分を失うことなく、加算回路22が単一の伝送路に出力する出力信号に、信号レベルと位相が異なるA〜C相の3相の信号成分を乗せることができる。したがって、この参考例によれば、小型化と電気配線の簡略化を図りつつ、高精度な移動情報を得ることができる。
尚、上記参考例では、受光部2と受光信号処理部とが構成する1つの検出部を備えたが、上記検出部を複数有し、この複数の検出部によって、互いに異なる方向に移動する複数の移動体の移動を検出するようにしてもよい。2つ以上の移動体の高精度な移動情報が得られ、出力信号の伝送路の数を半減できて、エンコーダモジュールの小型化、電気配線の簡略化を図れる。例えば、2つの以上の移動体により、2次元、3次元等の移動方向を検出する場合に、出力信号の伝送路の数を、従来の4、6から2、3へ半減可能になる。なお、上記2次元の2つの移動方向としては、一例として、X方向と、X方向に対して90°傾斜したY方向としてもよいが、傾斜角は90°に限定するものではないことは勿論で、異なる移動方向であればよい。また、上記3次元の移動方向としてのX方向,Y方向,Z方向としては、各方向が互いに直角座標系のように直角に限定されるものではないことは言うまでもない。
(第2の参考例)
次に、図3Aに、この発明の光学式エンコーダの第2参考例を示す。この第2参考例は、移動体31と受光部32と発光部33を備える。発光部33は、LED(発光ダイオード)等の発光素子で構成されている。
受光部32は、4個の受光素子41〜44を有する。また、移動体31は、矢印X1またはX2で示される方向に移動可能になっていて、移動方向に交互に光オン部36と光オフ部37とが配列されている。この光オン部36の配列ピッチをPとすると、光オン部36および光オフ部37の移動方向の寸法(幅寸法)は(1/4)Pである。上記光オン部36は発光部33からの光を受光部32側に通過させる一方、光オフ部37は発光部33からの光を受光部32側に通過させない。なお、受光素子41〜44はフォトダイオードからなる。この参考例では、各受光素子41〜44の幅寸法を(1/4)Pとした。また、各受光素子41〜44は移動方向に間隔を隔てずに隣接している。
上記受光素子41が出力する受光信号A+は電流電圧変換部45を経由して差動増幅器51の非反転入力端子に入力され、受光素子43が出力する受光信号A−は電流電圧変換部46を経由して差動増幅器51の反転入力端子に入力される。一方、上記受光素子42が出力する受光信号B−は電流電圧変換部48を経由して差動増幅器52の反転入力端子に入力され、受光素子44が出力する受光信号B+は電流電圧変換部48を経由して差動増幅器52の反転入力端子に入力される。
上記差動増幅器51は、電圧に変換された受光信号A+と電圧に変換された受光信号A−との差を増幅して、この増幅した信号をAD変換器53に出力する。また、上記差動増幅器52は、電圧に変換された受光信号B+と電圧に変換された受光信号B−との差を増幅して、この増幅した信号をAD変換器54に出力する。
そして、上記AD変換器53は差動増幅器51から入力された増幅信号をデジタル信号Aに変換して減算回路55に出力し、AD変換器54は差動増幅器52から入力された増幅信号をデジタル信号Bに変換して減算回路55に出力する。すると、減算回路55は、上記デジタル信号Aからデジタル信号Bを減算して、減算信号(A−B)を出力する。
この第2参考例では、上記電流電圧変換部45〜48と差動増幅器51,52とAD変換器53,54および減算回路55が受光信号処理部を構成している。
図4の(A相先行)の欄に、移動体31が矢印X1の方向に移動する場合において、AD変換器53,54が出力するデジタル信号A,B、および、減算回路55が出力する減算信号(A−B)の信号波形を示す。また、図4の(B相先行)の欄に、移動体31が矢印X2の方向に移動する場合において、AD変換器53,54が出力するデジタル信号A,B、および、減算回路55が出力する減算信号(A−B)の信号波形を示す。
図4に示すように、この参考例によれば、減算回路55でデジタル信号Aからデジタル信号Bを減算することで、位相が異なると共に所定のスレッシュレベルSLに対する信号レベルが異なるA相成分As,B相成分Bsを含む減算信号(A−B)を出力信号として生成する。
この参考例によれば、図4の(A相先行)の欄に示すように、スレッシュレベルSLに対して上側のA相成分Asが、スレッシュレベルSLに対して下側のB相成分Bsよりも先行している場合は、移動体31が矢印X1の方向に移動していることを判別できる。また、図4の(B相先行)の欄に示すように、B相成分BsがA相成分Asよりも先行している場合は、移動体31が矢印X2の方向に移動していることを判別できる。
また、この参考例によれば、パルス変調器や発振器を用いて単一パルスを作成して出力する従来例と異なり、信号処理部に十分集積可能である減算回路55を追加するだけで、一周期当たりに複数の位相の異なる出力成分As,Bsを有する減算信号(A−B)が得られ、高精度な位置情報が得られ、電気配線の簡略化,実装面積の縮小化を図れる。
尚、図3Bに、上記第2参考例の変形例を示す。この変形例では、上記減算回路55の出力側に比較部66を接続している。この比較部66は、演算増幅器64と、この演算増幅器64の出力側と演算増幅器64の反転入力端子との間に接続された帰還抵抗63と、演算増幅器64の非反転入力端子に接続された基準電圧部65を有する。この変形例では、図3Bに示すように、減算回路55が出力する減算信号(A−B)が比較部66に入力される。上記減算信号(A−B)は、比較部66が有する演算増幅器64の反転入力端子に入力され、この演算増幅器64の非反転入力端子には基準電圧部65からの基準電圧が入力される。この演算増幅器64の出力信号によれば、安定したスレッシュレベルが得られる。また、基準電圧部65が発生する基準電圧の値を変更することで、上記減算信号(A−B)から所望の信号成分を取り出して出力することが可能になる。例えば、移動方向に関する情報が必要でない場合、または、移動情報に高い精度が要求されない場合に、基準電圧を電源電圧もしくはグランド(GND)とすることで、A相とB相の内の片相のみの移動情報を得ることができる。
また、この変形例では、帰還抵抗63による負帰還回路でもって、演算増幅器64の出力を反転入力端子に帰還しているので、帰還抵抗63の抵抗値を変更することで、所望の出力振幅を得ることができる。また、帰還抵抗63に替えて、ダイオードを演算増幅器64の出力と反転入力端子との間に接続することで、出力信号の振幅変動を圧縮することも可能である。
また、この参考例において、図7に示すように、基準電圧部65にnpnトランジスタ71のコレクタを接続し、ベースを抵抗72と抵抗73の接続点に接続し、抵抗72に接続する電源の電圧Vccを或る一定値以上に設定することで、演算増幅器64の非反転入力端子に入力する基準電圧を変更できるようにしてもよい。これにより、受光信号処理部からの出力配線を増やすことなく、電源電圧を調整するだけで受光信号処理部内で基準電圧を変更して、上記減算信号(A−B)から所望の信号成分を取り出して出力することが可能になる。これにより、複数の出力成分を一つの伝送路で出力する場合に、外部の信号処理を単純にすることができる。
(実施の形態)
次に、図5に、この発明の光学式エンコーダの実施形態を示す。この実施形態は、前述の第2参考例のAD変換器53,54と減算回路55との間に排他的論理和回路61および論理積回路62を接続した点と、減算回路55の出力側に比較部66を接続した点とが前述の第2参考例と異なる。よって、この実施形態では、図3に示した移動体31,受光部32,発光部33,電流電圧変換部45〜48を備える点は前述の第2参考例と同様である。よって、この実施形態では、前述の第2参考例と同じ部分には同じ符号を付して、前述の第2参考例と異なる部分を主に説明する。
図5に示すように、この実施形態では、排他的論理和回路61の入力側にAD変換器53の出力線67とAD変換器54の出力線68が接続されている。また、AD変換器54の出力線68と排他的論理和回路61の出力線69が論理積回路62の入力側に接続されている。また、論理積回路62の出力線70とAD変換器53の出力線67が減算回路55の入力側に接続されている。
この減算回路55の出力が比較部66に接続されている。この比較部66は、演算増幅器64と、この演算増幅器64の出力側と演算増幅器64の反転入力端子との間に接続された帰還抵抗63と、演算増幅器64の非反転入力端子に接続された基準電圧部65を有する。
の実施形態では、AD変換器53,54から出力される互いに位相が90°異なる第1,第2の信号としてのデジタル信号A,Bが排他的論理和回路61に入力され、この排他的論理和回路61は、デジタル信号AとBとの排他的論理和を演算した第3の信号Iを出力線69に出力する。
論理積回路62は、AD変換器54から入力されたデジタル信号Bと排他的論理和回路61から入力された第3の信号Iの論理積を演算して出力線70に第4の信号Jを出力する。そして、減算回路55は、AD変換器53から入力されたデジタル信号Aから第4の信号Jを減算して、第5の信号Kを出力する。
ここで、図6Aに、図3に示した移動体31が矢印X1の方向に移動する場合での第1,第2の信号としてのデジタル信号A,B、第3の信号I、第4の信号J、第5の信号Kの信号波形を示す。また、図6Bに、図3に示した移動体31が矢印X2の方向に移動する場合での第1,第2の信号としてのデジタル信号A,B、第3の信号I、第4の信号J、第5の信号Kの信号波形を示す。
図6A,図6Bに示す第5の信号Kの信号波形において、スレッシュレベルSLの上側の信号成分Asがデジタル信号Aに対応しており、スレッシュレベルSLの下側の信号成分Bsがデジタル信号Bに対応している。したがって、この実施形態によれば、信号成分Asのパルスの立ち上がりと信号成分Bsのパルスの立ち上がりとを独立してカウントすることで、相対位置変化情報が得られ、分解能を下げることなく、単一の伝送路を用いて、第5の信号Kを伝送可能となる。
また、移動体31の移動方向は、第5の信号Kにおける信号成分Asと信号成分Bsのパルス波形の時間的関係を検出することで検知できる。例えば、移動体31が矢印X1の方向に移動する場合は、図6Aに示すように、信号成分Asのパルス波形が立ち下がったとき、すぐに、信号成分Bsのパルス波形が発生する。一方、移動体31が矢印X2の方向に移動する場合は、図6Bに示すように、信号成分Asのパルス波形が立ち下がってから、第5の信号Kの4分の1周期が経過したときに信号成分Bsのパルス波形が発生する。
したがって、減算回路55が出力する第5の信号Kにおける信号成分Asと信号成分Bsとの間の時間差を検出することで移動体31の移動方向を容易に検出できることになる。図6Aおよび図6Bにおいて、第5の信号Kの波形の下方のA欄に、信号Kの4分の1周期(デューティの25%)毎に信号成分Asをサンプリングした場合において、スレッシュレベルSLに対してH(Hレベル)であるか否かを表すロジック結果「1」,「0」を示す。また、図6Aおよび図6Bにおいて、第5の信号Kの波形の下方のB欄に、信号Kの4分の1周期(デューティの25%)毎に信号成分Bsをサンプリングした場合において、スレッシュレベルSLに対してL(Lレベル)であるか否かを表すロジック結果「1」,「0」を示す。
図6Aにおいて一点鎖線BRで囲まれた部分のロジック結果と、図6Bにおいて一点鎖線BRで囲まれた部分のロジック結果とは相違しているので、上記両部分のロジック結果を比較することで、移動体31の移動方向が矢印X1の方向であるのか矢印X2の方向であるのかを判別できる。一例として、上記第5の信号Kの信号波形を、オシロスコープなどの波形表示装置に表示すれば、信号波形の違いから移動方向を検知可能になるので、どの瞬間でも移動体の移動方向を検知できる。この実施形態によれば、減算回路55が出力する第5の信号Kによれば、移動体31の移動方向の正逆により論理値を変更でき、移動方向の正逆を正確に検出できる。
また、この実施形態では、図5に示すように、減算回路55の第5の信号Kが比較部66に入力される。上記第5の信号Kは、比較部66が有する演算増幅器64の反転入力端子に入力され、この演算増幅器64の非反転入力端子には基準電圧部65からの基準電圧が入力される。この演算増幅器64の出力信号によれば、安定したスレッシュレベルが得られる。また、基準電圧部65が発生する基準電圧の値を変更することで、第5の信号Kから所望の信号成分を取り出して出力することが可能になる。例えば、移動方向に関する情報が必要でない場合、または、移動情報に高い精度が要求されない場合に、基準電圧を電源電圧もしくはグランド(GND)とすることで、A相とB相の内の片相のみの移動情報を得ることができる。
また、この実施形態では、帰還抵抗63による負帰還回路でもって、演算増幅器64の出力を反転入力端子に帰還しているので、帰還抵抗63の抵抗値を変更することで、所望の出力振幅を得ることができる。また、帰還抵抗63に替えて、ダイオードを演算増幅器64の出力と反転入力端子との間に接続することで、出力信号の振幅変動を圧縮することも可能である。
また、この実施形態において、図7に示すように、基準電圧部65にnpnトランジスタ71のコレクタを接続し、ベースを抵抗72と抵抗73の接続点に接続し、抵抗72に接続する電源の電圧Vccを或る一定値以上に設定することで、演算増幅器64の非反転入力端子に入力する基準電圧を変更できるようにしてもよい。これにより、受光信号処理部からの出力配線を増やすことなく、電源電圧を調整するだけで受光信号処理部内で基準電圧を変更して、第5の信号Kから所望の信号成分を取り出して出力することが可能になる。これにより、複数の出力成分を一つの伝送路で出力する場合に、外部の信号処理を単純にすることができる。
(第3の参考例)
図8にこの発明の光学式エンコーダの第3参考例の要部を示す。この第3参考例は、図3Aに示す第2参考例のAD変換器53と減算回路55との間に抵抗82とキャパシタ83とで構成したローパスフィルタ81を接続した点が前述の第2参考例と異なる。
この第3参考例では、アナログ信号生成回路としての上記ローパスフィルタ81によって、AD変換器53が出力するデジタル信号Aの図4に示した矩形波の立ち上がりと立下りを時間的に鈍らせてアナログ波形にすることができる。これにより、図3Aの移動体31が矢印X1の方向に移動する場合を表す図4の(A相先行)の欄では、減算信号(A−B)のA相成分の立上りおよびB相成分の立上りが上記ローパスフィルタ81の抵抗82とキャパシタ83とで決まる時定数に応じてなだらかになる。
一方、図3Aの移動体31が矢印X2の方向に移動する場合を表す図4の(B相先行)の欄では、減算信号(A−B)のA相成分の立下がりとB相成分の立下がりとが上記ローパスフィルタ81の抵抗82とキャパシタ83とで決まる時定数に応じてなだらかになる。
したがって、この第3参考例によれば、図4の(A相先行)の欄に示すように、減算信号(A−B)のA相成分Asの立上り波形がなだらかである場合は、移動体31が矢印X1の方向に移動していることを判別できる。一方、図4の(B相先行)の欄に示すように、減算信号(A−B)のA相成分Asの立下がり波形がなだらかである場合は、移動体31が矢印X1の方向に移動していることを判別できる。
したがって、この第3参考例によれば、前述の第2参考例のAD変換器53と減算回路55との間にローパスフィルタ81を接続するという極めて簡単な回路変更により移動体31の移動方向を簡単に判別可能にできる。
なお、上記AD変換器53と減算回路55との間にローパスフィルタ81を接続する替わりに、AD変換器54と減算回路55との間にローパスフィルタを接続してデジタル信号Bをアナログ波形にしてもよい。要は、A相先行の場合とB相先行の場合とが判別可能なようにアナログ化する信号を選定すればよい。すなわち、上記アナログ化のためのアナログ信号は、受光信号から得られるものに限定するものではなく、例えば三角波を生成するクロックなどをアナログ信号としてもよい。
(第参考例)
次に、図9A,図9Bに、この発明の光学式エンコーダの第4参考例を示す。この第4参考例は、次の(1),(2),(3)の点が前述の実施形態と異なる。
(1) 図9Bに示すように、図5の減算回路55および比較部66に替えて、減算回路90を備えた点。
(2) 図9Aに示すように、4個の受光素子41,42,43,44にそれぞれ電流分配器91,92,93,94を接続し、この電流分配器91,92,93,94から図9Bの電流電圧変換部45,46,47,48に受光信号A+,A−,B+,B−を入力するようにした点。
(3) 図9Aに示すように、電流分配器91,92に接続された電流電圧変換部95と、電流分配器93,94に接続された電流電圧変換部96と、この電流電圧変換部95と96とに入力側が接続された減算回路97と、この減算回路97の出力信号が入力される比較器98とを備え、この比較器98の出力側が図9Bの減算回路90の入力側に接続されている点。
この第4参考例では、図9Aの電流電圧変換部95は、受光信号A+とB−とを加算した信号((A+)+(B−))を電圧信号に変換して減算回路97に入力する。この加算信号((A+)+(B−))は移動体31の1ピッチPの移動が一周期に相当する。また、電流電圧変換部96は、受光信号A−とB+とを加算した信号((A−)+(B+))を電圧信号に変換して減算回路97に入力する。この加算信号((A−)+(B+)は移動体31の1ピッチPの移動が一周期に相当する。また、上記加算信号((A+)+(B−))と加算信号((A−)+(B+)とは位相が180°異なる。
そして、この減算回路97は、信号((A+)+(B−))から信号((A−)+(B+))を減算し、この減算した減算信号を比較器98に入力する。比較器98は、上記減算信号を直流電源99による一定の電圧VAと比較して、アナログ出力信号A1outを出力する。このアナログ出力信号A1outは、移動体31の移動方向にかかわらず、図10に示すような半周期が三角波のアナログ波形となる。この三角波のアナログ出力信号A1outは、1周期が移動体31の1ピッチの移動に対応している。
そして、図9Bの論理積回路62は、上記実施形態と同様に、AD変換器54から入力されたデジタル信号Bと排他的論理和回路61から入力された第3の信号Iの論理積を演算して出力線70に第4の信号Jを出力する。この第4の信号Jは、図10に示すように、1周期が移動体31の1ピッチの移動に対応している。
そして、この第4の信号Jと上記減算回路97が出力するアナログ出力信号A1outは減算回路90に入力され、この減算回路90は、上記アナログ出力信号A1outから上記第4の信号Jを減算して、アナログ出力信号A2outを出力する。
図10の(A相先行)の欄に、移動体31が矢印X1の方向に移動する場合におけるアナログ出力信号A1out、第4の信号J、アナログ出力信号A2outの信号波形を示す。この場合、アナログ出力信号A2outの信号波形は、アナログ出力信号A1outの立ち下がりと同時に4分の1周期分の矩形波を下側に出力する波形となる。一方、移動体31が矢印X2の方向に移動する場合は、図10の(B相先行)の欄に示すように、アナログ出力信号A2outの信号波形は、アナログ出力信号A1outの立ち下がりから4分の1周期分遅れて矩形波が下側に出力される波形となる。
したがって、この第4参考例によれば、A相先行の場合には、上記比較器98が出力するアナログ出力信号A2outの矩形波成分がアナログ出力信号A1outの三角波成分の直後に現れる。一方、B相先行の場合には、上記比較器98が出力するアナログ出力信号A2outの矩形波成分がアナログ出力信号A1outの三角波成分から4分の1周期遅れて現れる。このような波形の相違により、移動体31の移動方向を容易に検出可能となる。また、この第4参考例によれば、アナログ出力信号A2outの三角波の部分により、移動量を高精度で検出できる。また、この第4参考例によれば、アンプのゲイン変更や時定数の変更は不要であるので、広範囲な周波数領域で安定に動作可能となる。
なお、上記参考例では、デジタル信号としてデジタル信号AとBとの排他的論理和とデジタル信号Bとの論理積である出力信号Jを用いたが、デジタル信号としてデジタル信号AとBとの排他的論理和とデジタル信号Aとの論理積信号を用いてもよい。要は、A相先行の場合とB相先行の場合とが判別可能なデジタル信号を用いればよい。
(第参考例)
次に、図11に、この発明の上記第1参考例の光学式エンコーダを備えた電子機器である第5参考例を示す。この第5参考例は、図1の第1参考例の加算回路22の出力側に接続した第1,第2,第3のコンパレータ101,102,103を備えた点が、前述の第1参考例と異なる。よって、この第5参考例では、前述の第1参考例と異なる点を主に説明する。
この第5参考例は、図11に示すように、比較部としての第1〜第3の3つのコンパレータ101〜103を有し、この3つのコンパレータ101〜103の非反転入力端子は加算回路22の出力側に接続されている。また、第1のコンパレータ101の反転入力端子は、第1の基準電圧V0を発生する直流電源105に接続されている。また、第2のコンパレータ102の反転入力端子は、第2の基準電圧V1を発生する直流電源106に接続されている。また、第3のコンパレータ107の反転入力端子は、第3の基準電圧V2を発生する直流電源107に接続されている。上記第1,第2,第3の基準電圧V0,V1,V2は、それぞれ、図2および図12A,図12Bに示すスレッシュレベル0,1,2に対応している。
図12Aは、図1の移動体1が矢印X1に移動する場合での受光信号A,B,Cの波形、加算回路22の出力信号Yの波形、第1,第2,第3のコンパレータ101,102,103の出力信号XA,XB,XCの波形を示す波形図である。また、図12Bは、図1の移動体1が矢印X2に移動する場合での受光信号A,B,Cの波形、加算回路22の出力信号Yの波形、第1,第2,第3のコンパレータ101,102,103の出力信号XA,XB,XCの波形を示す波形図である。
図12A,図12Bに示すように、第1のコンパレータ101の出力信号XAの波形は、受光信号AとCの立上りと立下りによって、論理が切り替わる波形となっている。なお、移動体1の移動量は、上記出力信号XAだけでも検出できるので、第1〜第3のコンパレータ101〜103のうちの第1のコンパレータ101だけを備える構成も可能である。また、第1〜第3のコンパレータ101〜103のうちのいずれか1つだけを備える構成も可能である。
一方、上記出力信号XAだけでは、移動体1の移動方向は検出できない。そこで、出力信号XAと出力信号XCとの論理の切り替わりの違いを検出することによって、移動体1の移動方向を検出できる。例えば、排他的論理和回路で出力信号XAと出力信号XCとの排他的論理和を取り、この排他的論理和による信号Zをカウンタのクロックとして入力する。この排他的論理和による信号Zの先後関係によって、パルス幅が異なる信号を出力でき、この信号のパルス幅の長短でもって移動体1の移動方向の正,逆(X1,X2)を判別可能となる。
また、出力信号XAと出力信号XCとの排他的論理和を取る替わりに、排他的論理和回路で出力信号XAと出力信号XBとの排他的論理和を取り、この排他的論理和による信号Z2をカウンタのクロックとして入力してもよい。この排他的論理和による信号Z2の先後関係によって、パルス幅が異なる信号を出力してもよい。要は、図12A,図12Bに示すように、出力信号XBと出力信号XCは、移動体1の移動方向の正逆によって波形が異なることを利用すれば、移動体1の移動方向を検出できるので、そのための信号処理の仕方は上記した以外の仕方を適宜選択可能である。また、上記信号処理はマイクロコンピュータを用いて容易な方法を選択すればよい。
したがって、この第5参考例の電子機器によれば、第1,第2,第3の基準電圧V0,V1,V2と加算回路22の出力信号とを比較する第1,第2,第3のコンパレータ101,102,103を、上記論理積回路110あるいは排他的論理和回路,カウンタを有する外部信号処理部に接続することで、出力される配線数を減らしたままで、移動体1の移動量と移動方向を含む移動情報が容易に得られる。
尚、上記第1〜第4参考例および実施形態の光学式エンコーダを備えた電子機器によれば、光学式エンコーダのための配線数を削減できて小型化を図れ、かつ、移動情報を高精度で検出できる。例えば、上記第5参考例の電子機器をインクジェットプリンタのインクヘッド部に採用することで、光学式エンコーダから出力される配線数を減らしたままで、移動体としてのインクヘッド部の移動情報が容易に得られる。
この発明の光学式エンコーダの第1参考例を模式的に示す図である。 上記第1参考例の受光信号処理部での各信号波形を示す波形図である。 この発明の光学式エンコーダの第2参考例を模式的に示す図である。 上記第2参考例の変形例を模式的に示す図である。 上記第2参考例の受光信号処理部での各信号波形を示す波形図である。 この発明の光学式エンコーダの実施形態を模式的に示す図である。 記実施形態の受光信号処理部での各信号波形を示す波形図である。 記実施形態の受光信号処理部での各信号波形を示す波形図である。 記実施形態の基準電圧部の変形例を示す回路図である。 この発明の第3参考例の光学式エンコーダの要部を示す回路図である。 この発明の第4参考例の光学式エンコーダの一部を模式的に示す図である。 上記第4参考例の光学式エンコーダの受光信号処理部の一部を示す回路図である。 上記第4参考例の受光信号処理部での信号波形を示す波形図である。 この発明の第5参考例の電子機器の受光信号処理部の一部を示す図である。 上記第5参考例の受光信号処理部での各信号波形を示す波形図である。 上記第5参考例の受光信号処理部での各信号波形を示す波形図である。
1、31 移動体
2、32 受光部
3、33 発光部
6、36 光オン部
7、37 光オフ部
11〜13、41〜44、 受光素子
14〜16 電流分配器
17、62 論理積回路
18〜20、61 排他的論理和回路
21 増幅回路
22 加算回路
45〜48 電流電圧変換部
51、52 差動増幅器
53、54 AD変換器
55 減算回路
63 帰還抵抗
64 演算増幅器
65 基準電圧部
66 比較部
81 ローパスフィルタ
82 抵抗
83 キャパシタ
90、97 減算回路
91〜94 電流分配部
95、96 電流電圧変換部
101〜103 コンパレータ

Claims (3)

  1. 発光部と、上記発光部からの光が到達し得る領域に一方向に並べて配置されている複数の受光素子を有する受光部とを備え、上記受光素子に対応する所定の位置を通過するときに上記光が上記受光素子に入射する状態にする光オン部および上記受光素子に対応する所定の位置を通過するときに上記光が上記受光素子に入射しない状態にする光オフ部を有すると共に上記一方向に移動するときに上記光オン部と光オフ部が上記所定の位置を交互に通過する移動体の移動を検出する光学式エンコーダであり、
    上記複数の受光素子から位相が異なる複数の受光信号が入力されて、この複数の受光信号に対して、論理演算処理、加算処理、減算処理のうちの少なくとも1つの信号処理を含む信号処理を行って、位相が異なると共に所定のスレッシュレベルに対する信号レベルが異なる複数の信号成分を含む出力信号を出力する受光信号処理部を備え、
    上記受光信号処理部は、
    上記複数の受光信号から得られた位相が互いに90°異なる第1,第2の信号の排他的論理和を演算して第3の信号を出力する排他的論理和回路と、
    上記排他的論理和回路が出力する第3の信号と上記第1,第2の信号のうちの一方との論理積を演算して第4の信号を出力する論理積回路と、
    上記第1,第2の信号のうちの他方から上記論理積回路が出力する第4の信号を減算して第5の信号を出力する減算回路とを有することを特徴とする光学式エンコーダ。
  2. 請求項に記載の光学式エンコーダにおいて、
    上記受光信号処理部は、
    上記減算回路が出力する第5の信号が反転入力端子に入力されると共に所定の基準電圧が非反転入力端子に入力される演算増幅器を含む負帰還回路を有することを特徴とする光学式エンコーダ。
  3. 請求項1または2に記載の光学式エンコーダを備えた電子機器。
JP2008129779A 2007-07-05 2008-05-16 光学式エンコーダおよび電子機器 Expired - Fee Related JP4372826B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008129779A JP4372826B2 (ja) 2007-07-05 2008-05-16 光学式エンコーダおよび電子機器
CN2008101274075A CN101339054B (zh) 2007-07-05 2008-06-30 光学式编码器以及电子设备
US12/166,996 US7820957B2 (en) 2007-07-05 2008-07-02 Optical encoder for detecting movement of a moving object and electronic equipment including the optical encoder

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007177199 2007-07-05
JP2008129779A JP4372826B2 (ja) 2007-07-05 2008-05-16 光学式エンコーダおよび電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009031261A JP2009031261A (ja) 2009-02-12
JP4372826B2 true JP4372826B2 (ja) 2009-11-25

Family

ID=40213182

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008129779A Expired - Fee Related JP4372826B2 (ja) 2007-07-05 2008-05-16 光学式エンコーダおよび電子機器

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4372826B2 (ja)
CN (1) CN101339054B (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5921130B2 (ja) * 2011-10-12 2016-05-24 アズビル株式会社 光電センサ
JP2015017950A (ja) * 2013-07-12 2015-01-29 株式会社東芝 位置検出装置および駆動システム
US9887781B1 (en) * 2016-10-24 2018-02-06 Tt Electronics Plc High resolution interpolator for optical encoder
CN107631740A (zh) * 2017-09-11 2018-01-26 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 一种编码器光电补偿电路、方法及光电编码器
CN109889188B (zh) * 2019-04-17 2024-05-24 广州市恒众车联网科技股份有限公司 三角波产生装置及系统
CN111750795A (zh) * 2020-06-18 2020-10-09 哈尔滨工程大学 一种分布式蠕变测量系统及测量方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN101339054B (zh) 2010-09-22
JP2009031261A (ja) 2009-02-12
CN101339054A (zh) 2009-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4372826B2 (ja) 光学式エンコーダおよび電子機器
US7227125B2 (en) Encoder device
US8772705B2 (en) Interpolation circuitry for optical encoders
US7184914B2 (en) Sensor signal processor
JP4808197B2 (ja) 光学式エンコーダおよびそれを備えた電子機器
US9200928B2 (en) Position detector
JP4002581B2 (ja) 光電式エンコーダおよび電子機器
US7820957B2 (en) Optical encoder for detecting movement of a moving object and electronic equipment including the optical encoder
JP2008122264A (ja) エンコーダの位置情報補間回路
JP5171128B2 (ja) 位置測定装置での傾斜誤差算出用の回路装置及び方法
JP2008008903A5 (ja)
TWI650532B (zh) 遞增型編碼器之脈衝化變換裝置及脈衝化變換方法
JPWO2007097465A1 (ja) 信号比較回路および電力変換装置
JP5747342B2 (ja) 光学式エンコーダ
JP5153508B2 (ja) 光学式エンコーダおよび電子機器
JP2005283248A (ja) 変位センサ
JP4672542B2 (ja) 光電式エンコーダおよび電子機器
JP4777444B2 (ja) デコーダ装置および移動制御装置
JPH10300518A (ja) 信号異常検知回路及びこれを用いた変位情報検出装置
JP4022530B2 (ja) 光電式エンコーダ
JP2005257381A (ja) 光電式エンコーダ
JP6196539B2 (ja) 光学式エンコーダ
JP2007303873A (ja) 光学式エンコーダ
JP2012194150A (ja) 光学式エンコーダおよび電子機器
JP2006310908A (ja) Ad変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090804

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090902

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120911

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130911

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees