JP2005283248A - 変位センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易な構成でありながら精度の高い変位センサを提供する。
【解決手段】 対象物に光を照射する投光部と、所定の基準点から対象物までの距離に相関付けられた所定の部位に対象物から反射された反射光を受光する受光面をそれぞれ同一方向、且つ横並びに近接して配置されて該反射光のレベルを検出信号として出力する一対の受光素子と、これら一対の受光素子がそれぞれ出力した検出信号のいずれか一方を選択して出力する切替器が選択した前記検出信号のレベルを所定時間積算して出力する積分器と、この積分器が出力した出力値が所定の閾値に達したとき、前記切替器に選択した一方の前記検出信号を他方の検出信号に切り替える切替信号を出力する比較器と、前記比較器が前記切替器に入力する切替信号の一方の検出信号を選択する時間と他方の検出信号を選択する時間との和および差の比から前記対象物の変位を求める演算部を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、対象物の変位を計測する変位センサに係り、特に対象物の変位を赤外線、レーザ光等の光を用いて計測するに好適な変位センサに関する。
従来から位置検出素子を用いた三角測量法により測定対象物Sの変位量を検出する変位センサ(半導体位置検出装置)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この種の変位センサは、図21に示すように計測対象物Sに対して例えば赤外線やレーザ光を照射する投光素子1、投光レンズ2と測定対象物Sから反射される反射光を集光する集光レンズ3およびこの集光レンズ3で集光された反射光の受光位置から測定対象物Sの変位量を検出する位置検出素子4とから構成されている。
ちなみに位置検出素子4は、図22に示すように二つの出力端子が設けられており、位置検出素子4の受光面に到達した反射光の位置によって、それぞれの端子から出力される電流値が変化するようになっている。またこの種の用途に用いられる位置検出素子4として半導体位置検出素子(PSD:Position Sensitive Detector)が知られている。この位置検出素子(PSD)4は、表面に均一な抵抗層が形成されてその両端に信号電流取り出し用の出力端子4a,4bが設けられたものである。詳しくはこの位置検出素子4は、受光面に抵抗層が形成されているとともにフォトダイオードと同様のPN接合を形成しており、受光面に到達した光により生じる光起電力効果によって光電流が流れるようになっている。この位置検出素子4を用いた変位センサにあっては、上述したように測定対象物Sから反射した反射光を集光レンズ3により集光し、位置検出素子4の受光面に与える。すると位置検出素子4は、該位置検出素子4における受光面の集光位置に応じた電流を二つの出力端子4a,4bからそれぞれ出力する。
いま、位置検出素子4における一方の出力端子4aから出力される電流値を[I1]、他方の出力端子4bから出力される電流を[I2]とする。また、出力端子4aから位置検出素子4の受光面に到来した入射光の中心点までの距離を[X]とし、受光面の長手方向の幅を[Ld]とする。このとき位置検出素子4の二つの出力端子4a,4bからは、それぞれ電流[I1]および電流[I2]が検出信号として出力される。それ故、次式に示す演算を施すことにより、受光量の絶対値や光電流の絶対値によらず、受光面に到来した光の集光位置を得ることができる。
(I1−I2)/(I1+I2)=(2X−Ld)/Ld
ちなみにこの式は、位置検出素子4の長手方向の中心を基準点として、その基準点から該位置検出素子4の受光面に到来した光の集光位置がどれだけずれて(変位して)いるのかを求める式である。
具体的に図21に示した光学系に上記した式を用いることで測定対象物Sの変位量を求めることができる。ちなみに変位センサが検出する変位量の検出手段は次のとおりである。まず、変位センサの光学系を調整して測定対象物Sから反射される反射光(スポット光)を位置検出素子4の長手方向(変位測定方向)の中央になるように予め位置付けておく。そして測定対象物Sが変位したとき、位置検出素子S上のスポット光が変位した変位量を変位センサが捉えることにより測定対象物Sの変位量を求める。
例えば測定対象物Sまでの距離をL、投光素子1から位置検出素子4の端部までn距離(基線長)をM、集光レンズ3の焦点距離をf、位置検出素子4の端部から集光位置までの距離をXとすると、二つの直角三角形における相似関係から[L=M・f/X]が成立する。一方、測定対象物Sまでの検出距離に対する出力の電流の変化は、上記した式を用いれば次式に示すようになる。
(I1−I2)/(I1+I2)=(2X−Ld)/Ld
={(2・M・f/L)−Ld}/Ld=(1/L)・(2・M・f/Ld)−1
この式を変形すれば、測定対象物Sまでの距離Lは、次式で求めることができる。
L={(I1−I2)/(I1+I2)}・{(2・M・f/Ld)−1}
=k・(I1−I2)/(I1+I2
ただし、k=(2・M・f/Ld)−1
このような原理に基づいて構成した従来の変位センサは、例えば図23に示すように構成されている。ちなみに、この図において位置検出素子(PSD)4の二つの出力端子4a,4bがそれぞれ出力する検出信号は、二つの受光素子が出力するものとして描いている。
この図において位置検出素子(PSD)4に設けられた二つの出力端子4a,4bから出力される電流(検出信号)は、各出力端子4a,4bが出力した電流値に比例する電圧値に変換して出力するI/V変換器5a,5bに与えられる。そしてI/V変換器5a,5bによって電圧値に変換された検出信号は、次段のアナログ演算器の入力信号として相応しいレベルに増幅する増幅器6a,6bに与えられる。
この増幅器6a,6bで増幅された検出信号は、前述した計算式に従って演算すべく加算器7(上式分母の演算)および減算器8(上式分子の演算)に与えられる。そしてこれら加算器7および減算器8により求められた加算値および減算値に相当するアナログ信号は、割算器9により分子の値(減算器8の出力)÷分母の値(加算器7の出力)に相当するアナログ信号に変換される。このように従来の変位センサは、アナログ演算を行うことによって、測定対象物Sの変位を、アナログ信号のレベルとして求めるものである。
ところで求められたアナログ信号、すなわち測定対象物Sの変位を示す信号は、一般にAD変換器でディジタル信号のレベルに変換されたディジタルデータとして用いられることが多い。このため従来の変位センサの割算器9の出力端子には、この割算器9が演算した測定対象物Sまでの距離を示すアナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換器10が設けられている。そしてAD変換器10によりディジタル信号に変換された測定対象物Sまでの距離Lを示すディジタルデータは、更に精度を高めるべくAD変換器10の次段に設けたCPU11(中央処理装置)により補正処理されることがある。
このように構成された従来の変位センサは、位置検出素子4の二つの端子から出力される検出信号の電流値を用いて、この電流値に所定のアナログ演算を施すことによって測定対象物Sの変位を求めることができる。
特開平1‐266770号公報
上述した従来の変位センサにあっては、測定対象物Sの変位を求めるため、各種アナログ演算器(加算器7、減算器8、割算器9)が必要である。この種のアナログ演算器は、素子のばらつきによって計測精度に影響が出ないように、各演算器の増幅度や入出力信号のレベル等を微調整するトリミングが必要であり、その調整が多大な時間を要する他、アナログ回路故、その調整がやっかいであると言う問題があった。特にアナログ演算器は、動作環境や経時変化の影響等の他、ノイズ等の外乱の影響を受けやすく、高い検出精度を維持することが難しいという問題もある。
また従来の変位センサは、受光素子4a,4bが出力した検出信号(電流値)を電圧値に変換するI/V変換器5a,5bおよびこのI/V変換器5a,5bの次段に設けられた増幅器6a,6bが、各受光素子4a,4b毎に必要であり、回路規模が大きくなるという問題があった。またこれらのアナログ回路、すなわち回路毎にI/V変換器5a,5bおよび増幅器6a,6bが設けられているため、それらの変換器間および増幅器間の相対精度(ばらつき)を維持することが困難であるという問題もあった。勿論、互いのI/V変換器5a,5bおよび増幅器6a,6bに関する相対精度を維持するには、補正回路や補正機器を新たに設ければよい。しかしながらこれらの補正回路、補正機器を追加することによって変位センサは、高価なものになるということが否めない。
更に変位センサは、一般に測定した測定対象物Sの変位をディジタルデータとして出力されることが望まれており、それ故、検出されたアナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換器が必要となり回路が複雑になるという問題もあった。また従来の変位センサは、アナログ回路で構成されたアナログ演算部によって測定対象物Sの変位演算を行うため、アナログ演算の入力段、すなわち増幅器6a,6bの後段から混入したノイズの影響を受ける懸念がある。つまり従来の変位センサは、ノイズを入力換算ノイズとして考えたとき、増幅器6a,6bのゲイン分ノイズを抑圧することができるものの、各周波数帯域に対して一定ゲインでの抑圧効果しか得ることができないという問題があった。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、その目的は、簡易な構成でありながら精度の高い変位センサを提供することにある。
上述した目的を達成するため、本発明に係る変位センサは、対象物に光を照射する投光部と、所定の基準点から前記対象物までの距離に相関付けられた所定の部位に該対象物から反射された反射光を導く光学系と、この光学系により導かれた前記反射光を受光する受光面をそれぞれ同一方向、且つ横並びに近接して配置されて該反射光のレベルを検出信号として出力する一対の受光素子と、これら一対の受光素子がそれぞれ出力した前記検出信号のいずれか一方を選択して出力する切替器と、この切替器が選択した前記検出信号を所定時間積算して出力する積分器と、この積分器が出力した出力値が所定の閾値に達したとき、前記切替器に選択した一方の前記検出信号を他方の検出信号に切り替える切替信号を出力する比較器と、前記比較器が前記切替器に入力する切替信号の一方の検出信号を選択する時間と他方の検出信号を選択する時間との和および差の比から前記対象物の変位を求める演算部を備えることを特徴としている。
上述の変位センサは、受光部が出力した受光信号(アナログ信号)を積分器の前段で離散化した離散信号を生成し、この得られた離散信号を積分器で積分する。そして積分器で積分された受光信号を比較器で所定のレベルと比較する。このとき比較器は、入力された信号が所定のレベル(基準レベル)を超えているか否かにより各受光素子が切替部に入力する検出信号の一方を選択して次段の積分器に与える。次いで演算部は、比較器が切換部に与える切替信号の切替時間、つまり一対の受光素子がそれぞれ出力した検出信号の一方を選択する時間と、他方を選択する時間との和および差の比から対象物の変位を求める。
また本発明に係る変位センサは、対象物に光を照射する投光部と、所定の基準点から前記対象物までの距離に相関付けられた所定の部位に該対象物から反射された反射光を導く光学系と、この光学系により導かれた前記反射光を受光する受光面をそれぞれ同一方向、且つ横並びに近接して配置されて該反射光のレベルを検出信号として出力する一対の受光素子と、これら一対の受光素子がそれぞれ出力した前記検出信号のいずれか一方を選択して出力する切替器と、この切替器が選択した前記検出信号を積算して出力する積分器と、この積分器の出力レベルを予め定めた時間毎に所定の基準値と比較し、該出力レベルが所定の閾値に達したとき、前記切替器に選択した一方の前記検出信号を他方の検出信号に切り替える切替信号を出力する比較器と、前記比較器が前記切替器に入力する切替信号の一方の検出信号を選択する時間と他方の検出信号を選択する時間との和および差の比から前記対象物の変位を求める演算部を備えることを特徴としている。
上述の変位センサは、比較器の前段で受光素子が出力した検出信号を離散化(ディジタル信号)する。そして積分器の次段に設けられた比較器は、この離散化された検出信号が所定のレベル(基準レベル)を超えているか否かを判定する。このとき比較器は、判定した結果を入力切替部にフィードバックして入力信号、すなわち一対の受光素子の一方の検出信号を選択する選択信号を切替器に与える。次いで演算部は、比較器が切換部に与える切替信号の切替時間、つまり一対の受光素子がそれぞれ出力した検出信号の一方を選択する時間と、他方を選択する時間との和および差の比から対象物の変位を得る。
好ましくは上述した変位センサは、前記比較器が出力する切替信号の平均レベルを求めるフィルタを備えると共に、前記演算部は、前記フィルタを介して出力される切替信号の平均レベルから対象物の変位を求めることが望ましい。
また前記切替器、積分器および比較器は、ΔΣ変調を行う変調回路として構成される。つまり上述の変位センサは、受光素子が出力した検出信号(アナログ信号)をΔΣ変調を用いたフィードバック構成にしてディジタル信号として出力する。また、フィードバック経路に設けた積分器により混入したノイズを低減する。
以上説明したように、本発明の変位センサにあっては、受光素子から出力される検出信号(アナログ信号)をΔΣ変調回路を用いたフィードバック構成によってディジタル信号に変換しているのでAD変換器を別途用意する必要がない。また、ΔΣ変調回路のフィードバック経路に積分器を設けているので、ディジタル信号に変換する際の量子化ノイズ等は、積分器によってノイズシェーピングされることで低減させることができる。
更にはΔΣ変換部が出力する変位検出信号、すなわち比較器が入力切替部にフィードバックするループ内のディジタル信号を用いているので高精度に測定対象物の変位検出を行うことが可能となる。
このようなことから変位センサにおいて高精度が要求されるアナログ回路を極力少なくすることができ、簡易な構成であり、小型化、集積化が容易であるのみならず、精度の高い変位センサを実現することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態に係る変位センサに関し、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明一実施形態に係る変位センサの概略構成を示すブロック図である。尚、この図において従来の変位センサと同一機能を有する部位にあっては、同符号を付してその説明を略述する。
図1において12a,12bは、図示しない投光部から測定対象物Sに対して照射した光が、この測定対象物Sにより反射された反射光を受光する受光素子である。この受光素子12a,12bは、例えば二分割フォトダイオード(PD)や位置検出素子(PSD)が用いられる。この図にあっては、二分割フォトダイオードまたは位置検出素子に設けられて、検出信号を出力する二つの電極を、それぞれ二つの受光素子12a,12bに置き換えて描いたものである。これらの受光素子12a,12bは、それぞれの受光素子12a,12bが受光した反射光の量、具体的には受光素子12に到達した反射光が受光素子12a,12bの受光部に占める面積に比例したレベルの検出信号(電流)、または集光位置と電極までの距離に反比例したレベルの検出信号(電流)を出力する。そして受光素子12a,12bが出力した検出信号(電流値)は、次段のI/V変換器5a,5bに与えられて検出した電流値に比例した電圧値に変換されると共に、変換された電圧値を所定のレベルに増幅する増幅器6a,6bに与えられる。そして増幅器6a,6bから出力された信号は、次段のΔΣ変換部20に与えられる。
ΔΣ変換部20は、各受光素子12a,12bからそれぞれ出力されてI/V変換器5a,5bおよび増幅器6a,6bを介して所定のレベルに増幅された信号のいずれか一方を選択して出力する入力切替部21、この入力切替部21で選択された検出信号の時間的な積算値を求める積分器22およびこの積分器22の出力を所定レベルの閾値と比較する比較器23を備えている。比較器23は、詳細は後述するが所定時間毎に積分器22が出力した検出信号の積分値と、所定の基準値とを比較し、その比較結果を出力するものである。具体的に比較器23は、コンパレータ等の回路が用いられる。
この比較器23が所定の基準値と比較した結果は、該比較器23から出力されて入力切替部21の切替信号として用いられる。ちなみに比較器23が出力した信号(切替信号)は、詳細は後述するが測定対象物Sの変位を示す二値のディジタル信号と見なすことができる。そこで比較器23の次段には、比較器23が出力した信号(切替信号)を平均化処理するディジタルフィルタ25が設けられている。このディジタルフィルタ25は、比較器23が出力する二値レベルのディジタル信号を高分解可能な多ビットディジタル信号に変換して出力する役割を担う。
また詳細は後述するが、ΔΣ変換部20には、積分器22の積分タイミングおよび比較器23の比較タイミングの基準となる基準クロックを生成するクロック発生部24が設けられている。
尚、上述した実施形態にあっては、I/V変換器5a,5bとその出力側に設けられた増幅器6a,6bとをそれぞれ別々に設けた回路構成をとっているが、I/V変換器5a,5bに入力される電流値を電圧値に変換(I/V変換)するとともに、次段のΔΣ変換部20への入力信号として相応しいレベルになるように増幅すれば、図2の変形例に示すように増幅器を省略してもよい。或いは、二つの受光素子12a,12bからそれぞれ出力される検出信号のレベルおよび信号の種類(電流値や電圧値)が次段のΔΣ変換部20の入力に相応しいものであれば、図3に示すようにI/V変換器5a,5bおよび増幅器6a,6bを省略してもかまわない。
ここに上述したように構成された本発明に係る変位センサが特徴とするところは、一対の受光素子12a,12bがそれぞれ出力した検出信号を入力切替部21、積分器22、比較器23およびクロック発生部24からなるΔΣ変調回路を用いて高精度に測定対象物Sの変位を検出する点にある。
このような特徴ある本発明の一実施形態に係る変位センサに関し、図面を参照しながらより詳細に説明する。図4は、図2に示す本発明の一実施形態に係る変位センサのブロック図からディジタルフィルタ25およびCPU26を省略した具体的実現回路の一例を示す図である。尚、この図にあっては、回路の作動を理解しやすくするため投光素子1、投光レンズ2、集光レンズ3からなる光学系も省略してある。尚、この図において上述した機能と同機能を満たす回路部位には、同符号を付してその説明を略述する。
この図において12a,12bは、例えば同一パッケージに封入された二分割フォトダイオード(PD)または位置検出素子であるが、位置検出素子(PSD)を用いて構成することもできる。ここでは、二分割フォトダイオード(PD)を用いた回路を例示するが、二分割フォトダイオードに限定されるものではない。
さて、これら受光素子(フォトダイオードPD)12a,12bに流れる電流は、それぞれの受光素子12a,12bに入射した光の量に比例して増加する。また各フォトダイオード12a,12bのカソード側は、それぞれ接地される一方、アノード側は、I/V変換器5a,5bの役割を担うオペアンプ51,52の入力端子にそれぞれ接続される。
これらオペアンプ51,52は、I/V変換器として構成される。どちらも受光電流が増加することで、その電流量に応じた負側の電圧を発生させる。両オペアンプ51,52の入出力間には、増幅度を設定する抵抗器53,54がそれぞれ接続される。
上述したように構成されたI/V変換器5a,5bは、フォトダイオード12a,12bから出力される電流値(受光した光のレベルに応じた検出信号)を電圧レベルの信号に変換する。そしてこのI/V変換器5a,5bにより電圧レベルの信号に変換された検出信号は、次段の入力切替部21へ与えられる。
この入力切替部21は、I/V変換器5a,5bから与えられた検出信号のいずれか一方を選択する役割を担っている。具体的に入力切替部21は、二つのスイッチ21a,21bから構成されている。これらスイッチ21a,21bの一方の端子は、それぞれI/V変換器5a,5bの役割を担うオペアンプ51,52の出力端子に接続されて該スイッチ21a,21bの他方の端子は共に接続され、次段のΔΣ変換部20に与えられる。このスイッチ21a,21bは互いに連動するように構成されて、一方のスイッチが導通しているときには、他方のスイッチは開放されるようになっている。そしてこのスイッチは、後述するΔΣ変換部20の比較器23の出力信号によって切り替えられるようになっている。つまりI/V変換器5a,5bのいずれか一方の出力信号は、入力切替部21により選択されてΔΣ変換部20に与えられる。
このΔΣ変換部20は、与えられた電圧信号のレベルを電荷量として保持するスイッチトキャパシタ回路27と、積分器22および比較器23から構成されている。ちなみにスイッチトキャパシタ回路27は、入力された電荷を蓄える入力サンプリング用コンデンサCと、複数のスイッチからなっている。
これら複数のスイッチは、例えば図4に示すように比較器23の出力yの値によらず、後述するクロック発生部24で発生される基準クロックのみで開閉状態が決定されるスイッチ27b、27dと、その基準クロックに加えて比較器23の出力yの値によって開閉状態が決定されるスイッチ27a,27cとからなり、これら四つのスイッチが連動して作動するようになっている。つまり比較器23の出力yが負の場合は、スイッチ27a,27bが導通状態になる。このとき、他の二つのスイッチ27c,27dは開放状態になる。そして、比較器23の出力yが同様に負の場合において、スイッチ27a,27bが開放状態になるときは、スイッチ27c,27dが導通状態になる。そして詳細は後述するが、これらのスイッチ群によりI/V変換器5a,5bから出力される電圧値を電荷として蓄えると共に、その蓄えた電荷を後段の積分器22に電圧値として与える入力サンプリング用コンデンサCの接続を切り替えるスイッチトキャパシタ回路27を構成する。
詳しくは、スイッチトキャパシタ回路27が備えるスイッチ27a,27b,27c,27dを切り替えるクロック信号は、二相クロック生成回路によって作られる。この二相クロック生成回路により生成される二相クロックは、オーバラップがないもの(ノン・オーバラッピング・クロック)である。二相クロック生成回路をノン・オーバラッピング・クロックとしたのは、二相クロックに互いに論理[H]の状態が存在するとスイッチトキャパシタ回路27のスイッチ制御が正しく行われず電荷の転送ができないためである。このようなノン・オーバラッピング・クロック生成回路は、例えば図5に示すように簡単な回路構成で実現することができる。つまりこの回路は、基準クロック[φ]に対して位相を反転させたクロックをインバータ105によって作成する。そして、これら二つの位相をもつクロックに対して、それぞれの出力論理が互いに論理[H]とならないよう遅延回路103,104により遷移時間をもたせて、二相クロック[φ1]および[φ2]を得ている。
より詳細に図6に示すタイムチャートを参照しながら説明する。この回路は、基準クロック[φ]が論理[L]の状態のとき、二相クロック[φ2]の立ち下がりの後に遅延回路103を経由してNOR回路101の一方の入力に論理[L]が入力される。このNOR回路101は、二相クロック[φ2]からの信号が入った後に、二相クロック[φ1]の信号が立ち上がり、この二相クロック[φ1]が論理[H]の状態になる。すなわち二相クロック[φ1]の立ち上がりは、二相クロック[φ2]が確実に立ち下がった後に発生する。これにより二相クロック[φ1]と[φ2]のそれぞれが、同時に論理[H]になることを防いでいる。
次に基準クロック[φ]が論理[H]になったときを考える。基準クロック[φ]が論理[H]になったところで、インバータ105を介してNOR回路102の一つ目の入力は、論理[L]になる。そして基準クロック[φ]が論理[H]になることで、NOR101の出力が論理[L]になる。
即ち、二相クロック[φ1]が論理[L]になる。しかしこの二相クロック[φ1]の論理[L]の状態は、遅延回路104を経由する。このため、NOR回路102の他方の入力端子には、基準クロック[φ]が論理[H]になった瞬間に、まだ二相クロック[φ1]の論理[H]状態が残っている。次いでNOR回路102には、二相クロック[φ1]が論理[L]になった後に、遅延回路104を経由して遅れた論理[L]状態が届く。これは二相クロック[φ1]が論理[L]になって十分時間が経過した後になる。二相クロック[φ2]は、この二相クロック[φ1]が論理[L]になって遅延回路104を経由した時間の後に、NOR回路102の二つの入力が、それぞれ論理[L]になるため論理[L]から論理[H]の状態へ遷移する。ちなみに遅延回路103,104は、例えば複数のインバータを多段接続し、各インバータの遅延時間を利用したり、コンデンサの充放電時間などを利用して構成すればよい。
二相クロック生成回路は、このような簡易な構成でありながら二相クロックの出力が互いに論理[H]となることのないノン・オーバラッピング・クロックを得ることができる。上述したようにクロックの位相を変えることは、ロジック回路を用いてディジタル的に決定できるため、回路規模も小さく全体の精度に与える影響は少ない。
またこの二相クロック生成回路には、二相クロック[φ2]の出力を反転させるインバータ106を備えている。このインバータ106は、二相クロック[φ2]を反転させたクロックを生成するものである。この反転した位相の二相クロック[φ2]は、後述する比較器23の出力信号をラッチするタイミングとなるものである。
さて、図4に示す回路においてスイッチ21aは、比較器23の出力yが正の状態のときI/V変換器5aの出力を選択する。また比較器23の出力yが正のときで、クロック発生器24から出力される二相クロック[φ1]の論理が[H]のときは、スイッチ27aが開き、スイッチ27cが閉じられる。一方、スイッチ27bは、比較器23の出力yの値によらず閉じられるため、積分器22の入力サンプリング用コンデンサCの両端が接地されることになり、このコンデンサCに蓄積していた電荷が放電される。
次に二相クロック[φ2]の論理が[H]になったとき、スイッチトキャパシタ回路27は、スイッチ27cを開き、スイッチ27aを閉じる。このためコンデンサCは、スイッチ21aを介してI/V変換器5aに接続される。このときコンデンサCの他方の端子は、スイッチ27bが開く代わりにスイッチ27dが閉じるので、I/V変換器5aの出力電圧によってコンデンサCに電荷が注入される。そして積分器22の積分コンデンサ22bには、コンデンサCの電荷を打ち消すような電荷が発生し、これにより積分器22の出力電圧は、積分コンデンサ22bと入力サンプリング用コンデンサCとの比によって決定される倍率をもつ反転符号を伴う積分回路を構成する。
一方、比較器23の出力yが負の状態のとき、他方のI/V変換器5bの出力がスイッチ21bによって選択されることになる。また比較器23の出力yが負であるため、二相クロック[φ1]が論理[H]のときスイッチ27aが閉じられ、スイッチ27cが開放される。一方スイッチ27bは、比較器23の出力yの値によらず閉じられるため、積分器22の入力サンプリング用コンデンサCは、スイッチ21bを介してI/V変換器5bの出力電圧による電荷が注入される。
そして二相クロック[φ2]が論理[H]になったとき、スイッチ27aが開いてスイッチ27cが閉じるため入力サンプリング用コンデンサCは、I/V変換器5bと切り離される。このとき入力サンプリング用コンデンサCの他方の端子は、スイッチ27bが開く代わりにスイッチ27dが閉じた状態になる。するとオペアンプ22aの入力端子は、仮想接地端子であるため、入力サンプリング用コンデンサCの両端が接地されることになり、コンデンサCに蓄えられていた電荷が放電される。
このとき、放電された電荷を打ち消すように積分コンデンサ22bに電荷が発生するが、前述した状態とはスイッチ群の接続状態が異なるため、積分器22の出力電圧は、積分コンデンサ22bと入力サンプリング用コンデンサCとの比によって決定される倍率をもつ非反転の積分回路を構成する。
このように比較器23の出力yの状態に応じて、スイッチトキャパシタ回路27におけるスイッチの位相を制御することで、積分器22の出力を反転、非反転状態にすることができる。
そしてこの積分器22の出力、すなわちオペアンプ22aの出力は、所定の閾値と比較される比較器23に与えられる。そうして比較器23が比較した結果は、該比較器23の出力端子から出力されるようになっている。ちなみに比較器23から出力される信号は、詳細は後述するが基準電位(例えばオペアンプが正負の二電源で駆動される場合は、0V、+5V単電源で駆動される場合は、+2.5Vなど)とオペアンプ22aの出力電位とを比較して、前述した入力切替部21のスイッチ21a,21bを切り替える切替信号となる。
このように構成された本発明に係る変位センサにおいて、ここでは、理解をしやすくするため上述した受光素子12を構成する二分割フォトダイオード12a,12bに変えて、位置検出素子4を用いた場合について説明する。このとき図4に示す二つの受光素子12a,12bは、図22に示す位置検出素子4が備える二つの出力端子4a,4bにそれぞれ相当する。この位置検出素子4は、前述したように該位置検出素子4の検出方向の中央を基準点とし、位置検出素子4の受光部に入射する反射光の位置と基準点とのずれから測定対象物Sの変位を検出するものである。
具体的に位置検出素子4の検出方向の一端部側に設けられた出力端子4aから出力される検出レベル(電流値)は、位置検出素子4の受光面に入射する反射光が一端部側に近いときに最も多く、位置検出素子4の基準端から最も離れたとき、その出力レベルが最小、すなわち[0]となる。この関係を示せば、図7の実線に示すように位置検出素子4における反射光の受光位置が基準端から離れるに従って、検出レベルが減少する右肩下がりの直線となる。
一方、基準端とは反対側の端部に設けられた出力端子4bから出力される検出レベル(電流値)は、位置検出素子4の受光面に入射する反射光が前述した一端部側に近いときに最も少なく、この基準端から最も離れたとき、即ち基準端とは反対側に位置する端部に設けられた出力端子側に入射光が位置したとき最大となる。この関係を示せば、図7の一点鎖線に示すように、受光位置が基準端から離れるに従って、検出レベル(電流値)が増加する右肩上がりの直線となる。
さて位置検出素子4の一方の出力端子4aから出力される電流を[I1]、他方の出力端子4bから出力される電流を[I2]とする。これらの電流は、上述したようにI/V変換器5a,5bを介して電流値に比例した電圧値に変換された後、いずれか一方の電圧値が入力切替部21により選択されて積分器22に与えられる。
ここで一方のI/V変換器5aから出力される電圧を[V1]、他方のI/V変換器5bから出力される電圧を[V2]とする。するとどちらか一方の電圧が入力切替部21により切り替えられて積分器22に与えられる。このときの平均電圧を[V0=(V1+V2)/2]とし、差電圧を[ΔV=V1−V2]とする。これらの式から、[V1=V0+(ΔV/2)]、[V2=V0−(ΔV/2)]の二つの関係式が得られる。ここで入力切替部21が[V1]を選択した時間を[t1]、[V2]を選択した時間を[t2]とし、それぞれの時間の差を[Δt=t1−t2]とする。図4の回路図に示すようにI/V変換器の出力電圧が入力サンプリング用コンデンサCによってサンプリングされる際に、クロックの位相を制御することで、入力サンプリング用コンデンサCの電荷の符号を反転することが可能になる。したがって積分器22に与えられる出力信号の極性が逆転し、回路全体として一方は反転の積分回路、他方は非反転の積分回路を形成することになる。また、比較器23の出力電圧は、前述したように基準電位のレベルを閾値として入力切替部21を切り替えている。それ故、この比較器23は、積分器22の出力電圧が比較器23の基準電位になるようにフィードバックループを形成する役割を担うことになる。換言すれば、入力切替部21、積分器22および比較器23で構成される回路は、ある一定時間[t]に亘って測定したときの積分器22に対する入力電圧が基準電位になるようフィードバック制御する回路と見なすことができる。ここに、積分器22に入力される誤差電圧を[VE]は、次式で表すことができる。
E=V1・t1−V2・t2
={V0+(ΔV/2)}t1−{V0−(ΔV/2)}(t−t1
=(ΔV/2)・t+V0・Δt
この式の両辺をt・V0で割ると、次式を得る。
(ΔV/2)・t+V0・Δt=VE
{ΔV/(2V0)}+(Δt/t)=(VE/V0)(1/t)
ここで上述したように比較器23が出力する切替信号をフィードバックしていることから誤差電圧VEは、平均電圧V0より小さい正の実数となることは明らかである。したがって[t]が十分大きいとすると、上式の右辺[1/t]は[0]に近づく。よって、次式を得る。
ΔV/2V0≒−Δt/t
つまり位置検出素子4から出力される光電流に関する次式を得ることができる。
(V1−V2)/(V1+V2)=(t2−t1)/(t1+t2
尚、前述したように比較器23の出力yは、基準クロックに基づいて出力される。このため[t1]ならびに[t2]の時間は、基準クロックに同期し、二相クロック[φ1]、[φ2]からなる一定周期を基本としたその周期の選択回数となる。この周期の選択回数は、例えばカウンタによって容易に計数することができる。よって、入力切替部21が[V1]を選択した回数を[N1]、[V2]を選択した回数を[N2]とすると、次式のように表すこともできる。
(V1−V2)/(V1+V2)=(N2−N1)/(N1+N2
具体的に図8に示すように位置検出素子4に入射する反射光の受光位置が、受光面の長手方向に対して3:1に内分する点に位置している場合、この受光位置から遠い位置検出素子4の出力端子4aから出力される電流を[I1]、受光位置に近い側の位置検出素子4の出力端子4bから出力される電流を[I2]とすれば、[I2]の方が[I1]に比べて3倍の電流が流れることになる。すなわち[I2=3・I1]で示される電流の関係式が成立する。
このとき図4に示す回路が、どのように作動するのかについて詳細に述べる。先ずオペアンプ51,52,22aや比較器23などの回路は、正負の二電源(両電源)で作動するものとし、その基準電位を[0V]と仮定する。そして最初、入力切替部21のスイッチ21bが、次段のスイッチトキャパシタ回路27に接続されているものとする。即ち、比較器23の出力が負側に振れていると仮定し、積分器22の出力は、[−2.5V]であったとする。このとき積分器22の出力が、基準電位[0V]よりも低いため、比較器23の出力yが負側になり、その結果の入力切換スイッチ21bが選択される。
このときI/V変換器5aは、位置検出素子4の一方の出力端子4bから電流[I2]に相当する電圧値の電圧を出力する。この電圧は、入力切替部21で選択されているスイッチ21bから出力される。
積分器22の入力サンプリング用コンデンサCには、二相クロック[φ1]が論理[H]のときスイッチ27a,21bを介してI/V変換器5bの出力が接続される。入力サンプリング用コンデンサCの他端は、スイッチ27bによって接地されている。そして二相クロック[φ2]が論理[H]のときスイッチトキャパシタ回路27は、入力サンプリング用コンデンサCに接続されたスイッチ27aが開き、スイッチ27cが閉じる。一方、入力サンプリング用コンデンサCの他端側では、スイッチ27bが開かれ、スイッチ27dが閉じられる。このため、入力サンプリング用コンデンサCに充電されていた電荷を放電するように、積分コンデンサ22b(Ci)に対して逆向きの電荷が発生し、積分器22の出力電圧が上昇する。このときの積分器22の時定数(ゲイン)は、基準クロックとキャパシタ比[C/Ci]で決定される。ここでは、説明を簡単にするため、二相クロック[φ1]、[φ2]からなる1周期での積分結果が、丁度[1V]上昇するものと仮定する。
具体的に積分器22が積分した結果、例えば積分器22の出力電圧が[+1V]上昇したとする。すると積分器22の出力波形は、図9に示すように[−2.5V]から[+1V]上昇して[−1.5V]となる。ちなみに図9におけるクロック信号は、二相クロック[φ2]を示している。この二相クロック[φ2]が論理[L]から論理[H]への変化、すなわちクロック信号の立ち上がりによって、積分器22の出力がステップ状に変化する。そして二相クロック[φ1]の論理が[H]のとき、スイッチ27dが開き、積分器22の入力が開放状態になるため電荷は移動しない。このため積分器22の出力電圧は、変化しない。
このとき積分器22の出力が基準電位[0V]を超えていないため、比較器23の出力yは変化しない。それ故、入力切替部21は、スイッチ21aが開かれたままであり、スイッチ21bが閉じられたままの状態を維持する。そして二相クロック[φ1]の論理が[H]のとき、再びI/V変換器5bの出力が、サンプリング用コンデンサCによってサンプリングされて、上述したときと同様に積分器22の電圧を[+1V]上昇させる。この結果、積分器22の出力電圧は、[−1.5V]から[−0.5V]に変化する。しかるに積分器22の出力電圧は、基準電圧[0V]を超えないため比較器23の出力yは、引き続き変化しない。つまり入力切替部21のスイッチの状態も変化しない。
更に次のクロック周期において、積分器22の出力電圧が更に[+1V]上昇したとすると、積分器22の出力電圧は[+0.5V]となる。このとき比較器23の入力電圧は、基準電圧[0V]を上回る。このため比較器23の出力yは、これまで負であったものが正に反転する。すると入力切替部21は、比較器23の出力信号yを受けてスイッチ21bを開くと共に、スイッチ21aを閉じる。このため位置検出素子4の他方の出力端子4aからの電流[I1]を電圧値に変換した値が、スイッチトキャパシタ回路27の入力に与えられる。
ところで、上述したように二つのI/V変換器5a,5bからそれぞ出力される電流の比を、[I2=3・I1]としているので、I/V変換器5a,5bから、それぞれ出力される電圧値の大きさ(絶対値)も3倍異なることになる。したがって、次の二相クロックの周期で、積分器22の出力電圧は、[0.5−3=−2.5V]に変化する。すると比較器23の出力yが変化すると共に、再び入力切替部21のスイッチ21bが閉じ、スイッチ21aが開く。以降、上述した動作を繰り返す。
ところで図4において積分器22は、一つのオペアンプ22aからなる一次積分回路であるが、上述した例のように入力電流の比を整数で表すことができる場合は、比較器23の出力が周期的なパターンとなってしまう。そのパターン周期が既知であれば問題ないが、一般に入力電流の比を計測するものであるため既知ではない。このためパターン周期とは異なる周期を用いた計測の場合、検出誤差が大きくなるという不具合がある。この種の不具合は、ΔΣ変調回路におけるトーン信号と呼ばれている。このトーン信号の発生を防止するには、積分器の段数を増やして高次の構成にしたり、量子化器となる比較器への入力にdither信号とよばれる疑似ランダム信号を加えたりすることで、入力パターンをランダムに近い状態にする手法をとればよい。
このようにΔΣ変換部を用いた本発明に係る変位センサは、換言すれば比較器23の出力により入力切替部21のスイッチを切り替えて積分器の出力が[0V]になるようにフィードバック制御を行うよう構成された回路である。このとき、比較器が23が出力する切替信号において、一方のI/V変換器を選択している時間と他方のI/V変換器を選択している時間との和および差をとり、それらの比を求めれば、前述したようにして対象物の変位を求めることができる。つまり、ΔΣ変調器を用いた本発明に係る変位センサは、ディジタル値として求められる入力切替部21の切替時間に基づき対象物の変位を容易に求めることが可能となる。
具体的には、オペアンプ22aの出力(積分電圧)と、比較器23が参照する基準電位との比較は、積分電圧が十分静定(飽和)した後に行う。例えば、二相クロック[φ2]の立ち下がり時に比較器23が比較した結果を出力するようにする。また比較器23には、比較した結果を次の比較まで保持できるようラッチ回路を内蔵したラッチ付コンパレータを用いるとよい。これにより入力切換スイッチ21a,21bや、スイッチトキャパシタ回路27のスイッチ27a,27cは、次に比較器23の出力が切り替わるまでの間、現時点におけるスイッチの状態を維持することができる。ちなみに図9でも二相クロック[φ2]の立ち下がり時、比較器23が積分器22が出力した電圧と基準電圧との比較を行い、その結果、どちらのI/V変換器が選択されているのかを示すパルス信号が出力される様子を示している。尚、図9では二相クロック[φ1]を省略しているが、図4に示すように二相クロック[φ1,φ2]は、図6に示したように基準クロック[φ]をベースにして生成した、互いに重なり合わない二相クロック信号である。
また本発明に係る変位センサは、ディジタル値を用いて対象物の変位を求めており、アナログ的な要素が含まれない。それ故、調整の必要がなく、更には経年変化等の影響を受けることもなく、誤差の少ない変位測定を簡易な回路によって実現することが可能となる。
更に本発明に係る変位センサに用いる比較器23は、一般にラッチ付きコンパレータを用いればよい。つまり比較器23からは、二値のディジタル信号が出力される。このため工場内等のようにノイズが多い環境下で比較器23の信号線を引き回す場合があったとしてもノイズに強いディジタル信号故、十分使用に耐えることができる。
また比較器23の出力に接続するディジタルフィルタ25は、比較器23の出力を平均化し、更には、二値しか出力することができない比較器23の出力を多ビットに変換して出力することができる。このため、本発明に係る変位センサにあっては、高分解能を有するディジタル信号を得ることができる。また本発明に係る変位センサは、ディジタルフィルタ25を用いている。このためフィルタの定数変更を行いたい場合であっても、該フィルタに与えるパラメータの変更のみで行うことが可能となり、所望の検出特性を容易に得ることが可能である。
また本発明に係る変位センサは、上述したように入力切替部21、積分器22および比較器23でΔΣ変換部20を構成している。このΔΣ変換部20は、その回路自体ノイズ・シェーピング効果を備えている。つまり入力換算ノイズで考えた場合、比較器23の入力端に加わるノイズは、等価的に微分回路を経由したことと考えてよい。つまり低周波帯域になるに従い、抑圧されるゲインが増大することになる。例えば、本発明に係る変位センサを変位検出に用いた場合、位置検出素子または受光素子が出力する検出信号は、直流成分ないし低周波帯域の信号であることが多い。それ故、本発明に係る変位センサは、高周波帯域の信号が主となるノイズによる影響を受けにくい。
尚、上述した変位センサは、その作動を理解しやすくするため位置検出素子4(PSD)を用いて説明したが、受光面が同一方向となるよう横並びに配置された二分割フォトダイオードで構成しても勿論かまわない。
また本発明に係る変位センサにあっては、受光素子12そのものをΔΣ変換部20のフィードバック制御ループ内で制御してもよい。この場合、比較器23までのアナログ回路は、高精度が要求される部品点数が少なくて済む。つまり、本発明の変位センサは、高精度が要求される部品を多く用いることなく対象物の位置検出を行うことが可能である。更には一対の受光素子12a、12bがそれぞれ検出した出力信号の比は、比較器23から出力されるディジタル信号である。このため出力されるディジタル信号を用いれば、例えばパソコン等でデータ処理を行うことができ、高度な変位センサに適用することがAD変換器を用いてアナログ信号をディジタル信号に変換することなく可能である。
尚、上述した実施形態において、入力切替部21のスイッチ21a,21bは、比較器23の出力yに応じて開閉されるが、スイッチトキャパシタ回路27のスイッチ27aにおいても、比較器23の出力yに応じてその開閉状態が決定されている。そこで図10には、これらのスイッチを共有化して構成した変位センサを示す。
この図に示すようにI/V変換器5aから出力される信号は、入力切替部21を介して二相クロック[φ2]が論理[H]のときだけ入力切替部21のスイッチ21aを介して入力サンプリング用コンデンサCに与えられる。一方、I/V変換器5bから出力される信号は、二相クロック[φ1]が論理[H]のときだけ入力切替部21のスイッチ21bを介して入力サンプリング用コンデンサCに与えられる。これらのことから、スイッチ21aを閉じる条件を比較器23の出力yの条件に加えてクロックの位相が[φ2]のときのみ閉じるようにする。この図に示す回路は、スイッチ21bに対しても、比較器23の出力yの状態に加えて、二相クロック[φ2]が論理[H]のときのみ閉じるように変更したものである。このようにすることで、スイッチトキャパシタ回路27の中のスイッチ27aを省略できる。また、この回路においてスイッチ27cを閉じるときには、入力切替部21のスイッチ21a,21bが開放されるため、I/V変換器5a,5bの出力端子が切り離されることになる。このためI/V変換器5a,5bの出力は、短絡されない。
このように構成しても上述したように高精度が要求される部品を多く用いることなく対象物の位置検出を行うことが可能である。
次に本発明の別の実施形態に係る変位センサについて図面を参照しながら説明する。この別の実施形態が上述した実施形態と異なるところは、受光素子12が検出した出力信号に対して連続時間の積分器を用いるところであり、離散化(ディジタル化)を比較器23の前段で行う点にある。
図11は、図3に示すブロック図からディジタルフィルタ25およびCPU26を省略した回路の一例を示す回路図である。この図において投光素子1、投光レンズ2、集光レンズ3からなる光学系も省略してある。尚、この図において上述した機能を満たす回路部位にあっては、同符号を付してその説明を略述する。
この図において、入力切替部21により選択されたI/V変換器5a,5bの出力電圧は、抵抗器Rを介して積分器22を構成するオペアンプ22aおよび積分器22のコンデンサ22bに与えられて、その積算値が比較器23に与えられる。つまり積分器22から出力される積算信号は、アナログ信号である。そして積分器22から出力されたI/V変換器5から出力された電圧は、基準値[0V]と比較する比較器23に与えられる。この比較器23は、所定の周波数のクロック信号を出力するクロック発生部24のクロック信号により比較動作が制御されている。具体的に比較器23は、クロック発生部24が出力するクロック信号の立ち上がりまたは立ち下がりエッジで積分器22が出力した出力電圧を基準値[0V]と比較する。このとき、上述したように積分器22が出力した電圧が基準値[0V]を上回っているとき、あるいは下回っているとき積分器22の出力が、基準値[0V]になるように切り替える。
このように構成した本発明の別の実施形態にかかる変位センサにあっても、上述したように、比較器23が入力切替部21に入力する切替信号の時間から対象物の変位を求めることができる。つまり、比較器23が一方のI/V変換器5aを選択する時間と他方のI/V変換器5bを選択する時間との和および差の比に基づき対象物の変位を求めることができる。
また上述した変位センサにあっては、従来の変位センサのように測定対象物Sの変位を測定するに際して予め受光素子(例えば位置検出素子)の長手方向(変位検出方向)の中央に測定対象物Sから反射される反射光を光学系により集光したスポット光を位置付けてから計測を行うだけでなく、特に図示しないが例えば積分器22の入力端子に可変電圧を重畳させることにより電気的に変位点の中心をずらしておき(オフセット)、測定対象物Sの変位を検出することも可能である。
次に上述したようにして構成した変位センサについて、その正当性を検証すべく、各種のシミュレーションを実施した。このシミュレーションは、上述したように積分器を二段用いた構成にしており、比較器23の出力段にフィルタ(ローパスフィルタ)25を設けたものである。つまり比較器23の出力信号をフィルタ(ローパスフィルタ)25に通してΔΣ変換部20の出力信号を平均化処理したものである。このフィルタ25を通してΔΣ変換部20の出力信号を平均化処理することで、受光素子12a,12b(位置検出素子4)の集光位置をより正確に求めることができる。もちろんフィルタ25で平均化するデータ数を増やせば、その分、分解能を向上させることはできる反面、得られる出力の頻度、すなわちデータレートが遅くなることを意味する。
尚、フィルタ25は、狭帯域で急峻な周波数特性が必要とされるが、ΔΣ変換部20の出力は、すでに離散化されたディジタル信号である。このためフィルタ25には、ディジタルフィルタを適用することができる。ディジタルフィルタを用いることで、フィルタ特性を急峻にすることが容易にでき好ましい。しかしながらフィルタ25の出力データレートと精度(誤差)とは前述したように背反する関係にあり、それ故、適切な出力データレートと精度(誤差)とは、適用されるアプリケーションによって選定する必要がある。
さて、具体的には位置検出素子4の受光素子長を[100μm]、クロック発生部24の発振周波数を[1MHz]、位置検出素子4の二つの端子から出力される電流を[I1=0.8]、[I2=0.2]としてシミュレーションを行った。その結果、図12に示すように、出力レートが[1ms]のときの位置誤差の標準偏差は[0.1×10-2]であり、出力レートが[3ms],[10ms],[15ms],[20ms]および[30ms]のときの位置誤差の標準偏差は、それぞれ[0.2×10-5μm]、[0.1×10-6μm]、[0.9×10-8μm]、[0.4×10-9μm]および[0.1×10-9μm]となる。この図が示すように受光素子長が[100μm]の位置検出素子4の場合、例えば出力レートを[5ms]に設定すれば[10-6μm]オーダで検出することが可能な位置検出精度を得ることが可能となることが判る。
次に本発明に係る変位センサにおいて、集光位置に対する誤差のシミュレーションを実施した。まずサンプリング周波数が[1MHz]、フィルタ25(ローパスフィルタ)のデータレート[3.0ms]でフィルタリングした理想的な検出値を求めたところ図13に示すように位置検出素子4の集光位置と位置検出素子4の二つの端子から出力される電流の和および差の比[(I1−I2)/(I1+I2)]は、位置検出素子4の集光位置と直線比例する関係となった。つまり、位置検出素子4の長手方向(変位検出方向)の一端部を基準位置とすると、集光位置がこの位置にあるとき、[(I1−I2)/(I1+I2)=1]であり、集光位置が位置検出素子4の基準点から該位置検出素子4の中央部にあるとき、[(I1−I2)/(I1+I2)=0]であり、集光位置が位置検出素子4の基準点から最も離れた他端部にあるとき、[(I1−I2)/(I1+I2)=−1]となる。
次いで本発明に係る変位センサの検出値をシミュレーションしてみると、図14に示すように位置検出素子4の両端部から長手方向(変位検出方向)に対して[10μm]の範囲で、[1〜0.5×10-3μm]の誤差というわずかの誤差があるのみで、それ以外の部位にあっては、誤差が見られないという結果を得ることができた。これは、本発明に係る変位センサは、例え出力レートが[3ms]という高速であってもその誤差はわずか[1nm]以下の精度が得られることを示していることにほかならない。
ところで対象物における反射面の反射率が変化すると、位置検出素子4が受光する光(反射光)のレベルも変化する。そこで上述した位置検出素子4の二つの検出端子がそれぞれ出力する電流[I1]および[I2]の基準受光レベルを[1]として、[0.5〜1.5]倍の範囲でそれぞれ同時に変化させるシミュレーションを行った。ちなみに本シミュレーションは、クロック発生部24が出力するクロックの周波数を[1MHz]でデータ更新周期を[3ms]とした。その結果、図15に示すように受光レベルが[0.5〜1.5]倍の範囲で変化したとしても検出誤差は[0.5μm]の範囲内の収まる結果を得ることができた。つまり本発明に係る変位センサにあっては、例え受光レベルが変化したとしても検出精度には影響を受けないとが確かめられた。これは本発明に係る変位センサが、受光素子12に到達する受光量の絶対値ではなく、位置検出素子4の二つの検出端子から出力される電流値の相対比を求める回路によることにほかならないためである。
さて、上述した変位センサにあっては、理解を容易にするために受光素子12に位置検出素子4を用いた回路およびシミュレーションの結果を示した。しかしながら本発明に係る変位センサは、位置検出素子4に限ることなく、例えば二つの受光素子、具体的には受光面が同一方向になるように横並びに近接させた二分割フォトダイオードであってもかまわない。この種の二分割フォトダイオードは、図16に示すように二つの方形型の受光素子12a,12bをそれぞれの受光面が対象物からの反射光を受けるように同一方向に横並びに列べて構成される。
そこで図16に示すような二つの方形型の受光素子12a,12bとの間隙を[2Xs]とし、対象物からの反射光が図示しない光学系により集光された半径[r]のスポット光が二つの受光素子12a,12bに到達したものとしてシミュレーションを行った。具体的には、二つの受光素子12a,12bとの間隙を[2Xs=10μm]、スポット光の半径を[r=50μm]としてスポット光が受光素子12aに到達する受光位置によって受光素子12aに投影されるスポット光の面積変化を求めた。具体的には、図16に示すように、二つの受光素子12a,12bの間隙中心を基準として、受光素子12a側に向かってこの間隙中心線に垂直になるようにx軸をとる。そしてスポット光の中心[O]と、x軸と交わるスポット光の円周との距離を[X]とする。するとこのスポット光が受光素子12aの受光面に占める面積は、扇形OABの面積から三角形OABの面積を引いたものとして求めることができる。
そうしてスポット光の中心をx軸に沿って変化させたとき、図17の実線に示すように[X=−40μm]、すなわちスポット光の円周部が受光素子12aにおける受光面の端部に接したところから徐々に受光素子12aの受光面に占めるスポット光の投影面積が増加する。ちなみに、図17に示すグラフにおいて、一点鎖線は扇形OABの面積であり、二点鎖線は、三角形OABの面積を示している。
このグラフが示すように対象物から反射した円形のスポット光が方形の受光素子に到達したとしても、受光素子12a,12bの間隙の中心近傍においては、十分な線形性が保たれていることが確認できる。ちなみに測定対象物Sから反射されて二つの受光素子12a,12bに到達する円形のスポット光の半径[r]は、この二つの受光素子12a,12bの間隙[Xs]より大きい必要がある[r>Xs]。しかし実際には、二分割フォトダイオードを形成する二つの受光素子12a,12bの間隙[Xs]以下までスポット光を絞ることは困難であるので、実用上問題ない。
尚、本発明に係る変位センサにあっては、ΔΣ変換部20から出力される信号をフィルタ25で平均化処理を行った後、CPU26によって演算処理を行っている。このCPU26を用いれば、図17のグラフが示す両端、すなわち円形スポット光が受光素子12の縁部近傍のみに位置したときの非線形性を補正することが可能となる。
或いは上述した方形の受光素子12に限らず例えば特開昭62−123784号公報に開示される受光素子(クサビ型受光素子:図18)を本発明に係る変位センサに適用してもよい。この場合、受光素子12の受光面に照射されるスポット光は、円形であっても(図18(a))、反射光をスリットを介して受光素子12の受光面に照射(図18(b))してもよい。このクサビ型受光素子は、いずれの形のスポット光であっても受光素子12の長手方向に対してこのスポット光を移動(変位)させたとき、各受光素子から出力される検出信号(電流値)の線形変化が大きくなることが知られている。したがって、上述したくさび形受光素子を用いて本発明に係る変位センサを構成した場合、ΔΣ変換部20から出力される信号をフィルタ25で平均化処理を行った後、CPU26によって演算処理を行えば、受光素子12の受光位置と受光素子12から出力される電流値の非線形性を補正することができ、変位計測に極めて有用である。
尚、本発明に係る変位センサにあっては、上述した実施形態にとらわれることなく種々変形して実施することが可能である。例えは、上述した変位センサの実施形態にあっては対象物の変位を一次元で測定する変位センサであったが、一対の受光素子(例えば二分割フォトダイオード)または位置検出素子を二次元的または三次元的に配置してもよい。
具体的には、図19に示すように本発明に係る変位センサ二組がそれぞれ備える受光素子の検出方向を互いに直行するように配置すれば、互いの変位センサがそれぞれ検出した変位量から測定対象物の変位を二次元で捉えることが可能である。図19において、二つの受光素子12a,12bとを電気的に結合させたものを第1の受光素子とみなし、更に別の二つの受光素子12c,12dとを電気的に結合させたものを第2の受光素子としてみなす。このようにすることで、こららの受光素子にスポット光が照射されたことによって発生する電流のうち、第1の受光素子12a,12bがそれぞれ発生する受光電流と、第2の受光素子12c,12dがそれぞれ発生する受光電流の大小を、上述した回路のよって比較すればY軸方向の位置を検出することができる。また、同様に第1の受光素子および第2の受光素子のそれぞれ一方の受光素子12a,12cと、それぞれ他方の受光素子12b,12dが出力した受光電流を用いることでX軸方向の位置を検出することができる。あるいは、図20に示すように本発明に係る変位センサ三組が等しく円弧を持つような扇型の形状であっても互いに隣り合う受光素子が出力する受光信号の比較を行うことで、スポット光がどの半径方向、角度方向に傾いているかの情報を得ることができる。これにより必要に応じて曲座標からXY座標への変換を施すことで、または曲座標のままであっても、物体の二次元上の位置情報として変位を検出できる。これらのように位置検出素子を平面上に配置するのではなく、特に図示しないが立体的に配置することで、測定対象物の変位を三次元的に検出することもできる等、実用上多大なる効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る変位センサの概略構成を示すブロック図 図1に示す変位センサの変形例を示すブロック図。 図1に示す変位センサの別の変形例を示すブロック図。 図2に示す変位センサの具体的回路の一例を示す回路図。 二相クロック生成回路を示す回路図。 図5に示す二相クロック生成回路の作動を示すタイムチャート。 本発明の変位センサが備える受光素子における反射光の受光位置と、この受光素子が出力する電流値との関係を表すグラフ。 本発明の変位センサが備える受光素子における反射光の受光位置の一例を示す図。 本発明の変位センサの作動を示すタイムチャート。 図2に示す変位センサの変形例を示す回路図。 図2に示す変位センサの具体的回路の別の変形例を示す回路図。 出力レートと位置偏差との関係をシミュレーションした結果を示すグラフ。 受光素子に集光される反射光の位置と、変位センサが求める反射光の理論位置との関係を示すグラフ。 受光素子に集光される反射光の位置と、変位センサが求める反射光の検出誤差をシミュレーションした結果を示すグラフ。 受光素子が受光する光の強度と位置検出誤差との関係をシミュレーションした結果を示すグラフ。 本発明に係る変位センサの別の実施形態における方形型受光素子とその素子に集光される円形スポット光の一例を示す図。 図16に示す方形型センサにおける円形スポット光の受光部位と、受光素子の受光面に占める面積の関係を示す図。 クサビ型フォトダイオードに集光されるスポット光の例を示す図。 本発明の変位センサを適用して対象物の変位を二次元的に計測する場合における受光素子の配置例を示す図。 本発明の変位センサを適用して対象物の変位を二次元的に計測する場合における受光素子の別の配置例を示す図。 変位センサの測定原理を示す図。 位置検出素子に入射する入射光を示す図。 従来の変位センサの概略構成を示すブロック図。
符号の説明
5a,5b I/V変換器
6a,6b 増幅器
20 ΔΣ変換部
21 入力切替部
22 積分器
23 比較器
24 クロック発生部
25 ディジタルフィルタ
26 CPU

Claims (4)

  1. 対象物に光を照射する投光部と、
    所定の基準点から前記対象物までの距離に相関付けられた所定の部位に該対象物から反射された反射光を導く光学系と、
    この光学系により導かれた前記反射光を受光する受光面をそれぞれ同一方向、且つ横並びに近接して配置されて該反射光のレベルを検出信号として出力する一対の受光素子と、
    これら一対の受光素子がそれぞれ出力した前記検出信号のいずれか一方を選択して出力する切替器と、
    この切替器が選択した前記検出信号を所定時間積算して出力する積分器と、
    この積分器が出力した出力値が所定の閾値に達したとき、前記切替器に選択した一方の前記検出信号を他方の検出信号に切り替える切替信号を出力する比較器と、
    前記比較器が前記切替器に入力する切替信号の一方の検出信号を選択する時間と他方の検出信号を選択する時間との和および差の比から前記対象物の変位を求める演算部を備えることを特徴とする変位センサ。
  2. 対象物に光を照射する投光部と、
    所定の基準点から前記対象物までの距離に相関付けられた所定の部位に該対象物から反射された反射光を導く光学系と、
    この光学系により導かれた前記反射光を受光する受光面をそれぞれ同一方向、且つ横並びに近接して配置されて該反射光のレベルを検出信号として出力する一対の受光素子と、
    これら一対の受光素子がそれぞれ出力した前記検出信号のいずれか一方を選択して出力する切替器と、
    この切替器が選択した前記検出信を積算して出力する積分器と、
    この積分器の出力レベルを予め定めた時間毎に所定の基準値と比較し、該出力レベルが所定の閾値に達したとき、前記切替器に選択した一方の前記検出信号を他方の検出信号に切り替える切替信号を出力する比較器と、
    前記比較器が前記切替器に入力する切替信号の一方の検出信号を選択する時間と他方の検出信号を選択する時間との和および差の比から前記対象物の変位を求める演算部を備えることを特徴とする変位センサ。
  3. 請求項1または2に記載の変位センサであって、
    更に前記比較器が出力する切替信号の平均レベルを求めるフィルタを備え、
    前記演算部は、前記フィルタを介して出力される切替信号の平均レベルから前記対象物の変位を求めるものである変位センサ。
  4. 前記切替器、積分器および比較器は、ΔΣ変調を行う変調回路であることを特徴とする請求項1または2に記載の変位センサ。
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