JP6108988B2 - エンコーダ - Google Patents

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Description

本発明は、変位検出を行うエンコーダであって、特に、原点検出機能を有するエンコーダに関する。
従来、測定機等の分野において、高精度に寸法等の測定ができる光学式エンコーダ(以下、単にエンコーダと称する)が使用されている。エンコーダとは、スケール表面に生成された等間隔のパターンをリーディングヘッド(光検出部)で読み取り、リーディングヘッド上を通過したパターンの数をカウントすることで長さや角度を測定するものである。
光を透過する部分と反射する部分とが交互に配置されるスケールを有するエンコーダでは、スケールとリーディングヘッドとの相対的な位置情報しか得られない。そのため、原点検出機能を有するエンコーダは、位置検出系とは別構造で原点検出系を持つことが多い。
また、中には位置検出系のみで原点検出もする構造を備えたエンコーダも開発されている。例えば、特許文献1に開示された光学式エンコーダは、変位検出される一方の部材に取り付けられたスケールと、前記一方の部材に対して相対移動する他方の部材に取り付けられ、前記スケールに対向配置された検出ヘッドとを備えた光学式エンコーダにおいて、前記検出ヘッドは、前記スケールに所定の光を照射する少なくとも1つの発光部と、前記発光部から前記スケールに照射されて前記光学パタンを経た光を受光する受光面を有し、前記受光面上に形成される光分布を検出する少なくとも1つの光検出部と、を備え、前記スケールは、前記相対移動する方向に反射率または透過率が異なる2つの部分が交互に配置されて成る光学パタンが、前記2つの部分1組を光学パタンの1周期として、所定のピッチで繰り返し形成され、前記1ピッチ内における前記2つの部分のデューティ比が変調された領域を有しており、前記少なくとも1つの光検出部は、前記相対移動の変位量に応じた位置信号を出力し、かつ前記所定の範囲内で原点信号を出力する、ことを特徴としている。
これにより、単純な構成で、しかも、相対位置検出系と原点検出系とで検出ヘッドとスケールとの間のギャップ合わせ無しに、相対位置検出と原点検出とを可能とする光学式エンコーダを提供することができるとしている。
特開2010−223631号公報
しかしながら、位置検出系と原点検出系とが分かれていた従来のエンコーダは、別構造で原点検出系を持っているので、位置検出系と原点検出系の両方で光学的な位置合わせが必要なる。また、温度などの環境変化の影響を原点検出系と位置検出系とで別々に受けてしまうので、それぞれのデータの整合性に誤差が生ずる場合がある。更に、そのため温度等の環境変化の影響を受けやすくなり、位置検出系と原点検出系とが同一軸上に配置できない場合は、アッベ誤差も発生することがあるという問題を有している。
また、特許文献1に開示されている光学式エンコーダは、デューティ比の違いによる光量の変化を検出して原点としているため、光量の変動を補正する回路を付けることができない。そのため、光源の光量変化や外乱光の影響を受けるので使いづらい物となるという問題があった。
ここで、光量変動を補正する機能とは、例えば、IC内部でPD出力のAとA-、BとB-の差動を取り、各信号のDC成分を無くしたものに一定のリファレンス電圧を付加してから、4相信号ともIC外部に出力するような回路のことである。
本発明は、かかる実情に鑑み、位置検出系と原点検出系の両方での光学的な位置合わせを不要とし、温度などの環境変化の影響を原点検出系と位置検出系とで別々に受けることによる、それぞれのデータの整合性に誤差が生ずる問題を解決し、温度等の環境変化の影響を受けにくくなり、アッベ誤差も発生しにくくなり、更に、光量の変動を補正する回路の付加も可能なエンコーダを提供しようとするものである。
本発明の課題は、下記の各発明によって解決することができる。
即ち、本発明のエンコーダは、光反射部と光透過部とが交互に連続して配置されたスケールと、前記スケールに対して相対的に移動可能な光検出部と、前記スケールの原点を検出する原点検出部と、を有するエンコーダであって、前記光検出部は、前記スケールに光を照射する発光手段と、前記発光手段から照射した光のうち、前記スケールで反射して戻った光、または、前記スケールを透過した光を受光し電気信号に変換して出力する受光手段と、を備え、前記スケールは、前記光反射部と前記光透過部の並びのピッチが変更された領域と、前記並びのピッチが変更される境界であるピッチ境界部と、を有し、前記原点検出部は、前記光検出部が前記ピッチ境界部からの反射光または透過光に由来して出力した電気信号に基づいて原点位置を検出することを主要な特徴にしている。
また、本発明のエンコーダは、光反射部と光透過部とが交互に連続して配置されたスケールと、前記スケールに対して相対的に移動可能な光検出部と、前記スケールの原点を検出する原点検出部と、を有するエンコーダであって、前記光検出部は、前記スケールに光を照射する発光手段と、前記発光手段から照射した光のうち、前記スケールで反射して戻った光、または、前記スケールを透過した光を受光し電気信号に変換して出力する受光手段と、を備え、前記スケールは、前記光反射部が形成されている面とは反対側の面の一部に光を反射する部分である裏面反射部を有し、前記原点検出部は、前記光検出部が前記裏面反射部からの反射光または前記裏面反射部での透過光に由来して出力した電気信号に基づいて原点位置を検出することを主要な特徴にしている。
更に、本発明のエンコーダは、光反射部と光透過部とが交互に連続して配置されたスケールと、前記スケールに対して相対的に移動可能な光検出部と、前記スケールの原点を検出する原点検出部と、を有するエンコーダであって、前記光検出部は、前記スケールに光を照射する発光手段と、前記発光手段から照射した光のうち、前記スケールで反射して戻った光、または、前記スケールを透過した光を受光し電気信号に変換して出力する受光手段と、を備え、前記スケールは、複数の前記光反射部のうちの一部に光の反射率の異なる光反射部を含み、前記原点検出部は、前記光検出部が前記光の反射率の異なる光反射部からの反射光または、前記光の反射率の異なる光反射部の透過光に由来して出力した電気信号に基づいて原点位置を検出することを主要な特徴にしている。
更にまた、本発明のエンコーダは、光反射部と光透過部とが交互に連続して配置されたスケールと、前記スケールに対して相対的に移動可能な光検出部と、前記スケールの原点を検出する原点検出部と、を有するエンコーダであって、前記光検出部は、前記スケールに光を照射する発光手段と、前記発光手段から照射した光のうち、前記スケールで反射して戻った光、または、前記スケールを透過した光を受光し電気信号に変換して出力する受光手段と、を備え、前記スケールは、前記光検出部との相対的な移動方向の端部に光反射部のみまたは光透過部のみが形成されたパターン無し領域を有し、前記原点検出部は、前記光検出部が前記パターン無し領域からの反射光または前記パターン無し領域の透過光に由来して出力した電気信号に基づいて原点位置を検出することを主要な特徴にしている。
また、本発明のエンコーダは、光反射部と光透過部とが交互に連続して配置されたスケールと、前記スケールに対して相対的に移動可能な光検出部と、前記スケールの原点を検出する原点検出部と、を有するエンコーダであって、前記光検出部は、前記スケールに光を照射する発光手段と、前記発光手段から照射した光のうち、前記スケールで反射して戻った光、または、前記スケールを透過した光を受光し電気信号に変換して出力する受光手段と、を備え、前記原点検出部は、前記光検出部が前記スケールの前記光検出部との相対的な移動方向の終端より先に位置したときに、前記光検出部が出力した電気信号に基づいて原点を検出することを主要な特徴にしている。
更にまた、本発明のエンコーダは、前記スケールが、前記光検出部に対して相対的に移動する方向の、前記光反射部と前記光透過部のペア1つの長さを1周期としたとき、前記原点検出部は、前記ペアからの光の反射または前記ペアでの光透過に基づいて前記光検出部が出力する90度位相の異なる電気信号の振幅の2乗和に基づいて原点位置を検出することを主要な特徴にしている。
また、本発明のエンコーダは、前記スケールが、前記光検出部に対して相対的に移動する方向の、前記光反射部と前記光透過部のペア1つの長さを1周期としたとき、前記原点検出部は、前記ペアからの光の反射または前記ペアでの光透過に基づいて前記光検出部が出力する90度位相の異なる2つの電気信号のうちの一方の電気信号の振幅が0のときの他方の電気信号の振幅に基づいて原点位置を検出することを主要な特徴にしている。
位置検出系と原点検出系の両方での光学的な位置合わせを不要とし、温度などの環境変化の影響を原点検出系と位置検出系とで別々に受けることによる、それぞれのデータの整合性に誤差が生ずる問題を解決し、温度等の環境変化の影響を受けにくくなり、アッベ誤差も発生しにくくなり、更に、光量の変動を補正する回路の付加も可能なエンコーダを提供することができる。
本発明の第1実施形態のエンコーダの概略構成図である。 スケール上の原点位置説明図である。 受光手段を説明する説明図である。 PD1〜PD4の出力電気信号と、電気信号A、Bを表す説明図である。 ピッチ境界部前後での波形とPD素子の配置を表した説明図である。 ピッチ境界部前後での位相差が180度のときの光検出部からの電気信号出力を表す図である。 ピッチ境界部前後での位相差が180度ではないときの光検出部からの電気信号出力を表す図である。 実際の電気信号A、電気信号Bの波形を示す図である。 電気信号Bが0のときの電気信号Aの値を示す説明図である。 電気信号B=0のときの電気信号Aの電圧の2乗値を表すグラフである。 電気信号B=0かつ電気信号Aが正のときの電気信号Aの電圧を表すグラフである。 電気信号B=0かつ電気信号Aが正のときの電気信号Aの電圧の2乗値を表すグラフである。 図11と図12のグラフを一つにしたグラフである。 本発明の第2実施形態のエンコーダの概略構成図である。 第2実施形態の原点位置と原点検出原理の説明図である。 本発明の第3実施形態のエンコーダ160の概略構成図である 第3実施形態の原点位置と原点検出原理の説明図である。 本発明の第4実施形態のエンコーダ180の概略構成図である。 第4実施形態の原点位置と原点検出原理の説明図である。 PD素子アレイと原点検出の説明図である。 第4実施形態における原点領域の電気信号波形を表した図である。 本発明の第5実施形態のエンコーダ220の概略構成図である。 第5実施形態の原点位置と原点検出原理の説明図である。 PD素子アレイと原点検出の説明図である。 第5実施形態における原点領域の電気信号波形を表した図である。 電気信号B=0のときの電気信号Aの電圧の2乗値を表すグラフである。 第2実施形態における電気信号Aと、電気信号Aの逆位相の信号Aと、電気信号AとAとの差の信号(A−A)を示すグラフである。 電気信号Aと電気信号Bとが描くリサージュ曲線を表した図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。ここで、図中、同一の記号で示される部分は、同様の機能を有する同様の要素である。また、本発明において、値の範囲を"〜"を用いて表した場合は、その両境界の値は、範囲内に含まれるものとする。
<第1実施形態>
(1)構成及び作動
本発明のエンコーダの第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態のエンコーダの概略構成図である。
図1に示すように、本発明のエンコーダ10は、光反射部11と光透過部12とが交互に連続して配置されたスケール13と、スケール13に対して相対的に移動可能な光検出部14と、前記スケールの原点を検出する原点検出部15と、を主に備えて構成される。
図1において、原点検出部15は、光検出部14に含まれるように記載されているが、この図のように原点検出部15は、光検出部14に含まれていても良いし、光検出部14とは別体であっても良い。
スケール13は、例えば、ガラス製の板にCr、Au、Pt、Ag、Al等の光反射率の高い金属を成膜して光反射部11を形成し、これらの金属膜が成膜されていない部分を光透過部12にすることができる。
光検出部14は、スケール13に光を照射するための発光手段16と、スケール13から反射した光を受光し電気信号に変換して出力するための受光手段17とを備えている。発光手段16は、例えば、LEDアレイで構成することができるが、LD(Laser Diode)アレイを用いても良い。
受光手段17は、例えば、PD(Photo Diode)アレイを含んで構成することができる。また、発光手段16を駆動するための回路と、受光手段17がスケール13からの反射光を変換した電気信号を処理するための回路とが形成されたICを光検出部が備えていても良いし、このICは、光検出部14とは別体として存在しても良い。
例えば、光検出部14は、発光手段16及びそれを駆動する回路と、受光手段17及びそれからの電気信号を処理するための回路と、原点検出部15を構成する回路とを備えて構成することができる。この場合は、これらの回路は、1個または複数のICで構成されて、発光手段16と、受光手段17とともにHIC(Hybrid IC)として構成することができる。これにより、エンコーダ10を小型化することが可能になる。
次に、原点検出部にスケール13上において原点位置として検出させる部分について図2を参照して説明する。図2は、スケール上の原点位置説明図である。図2は、スケール13の長手方向が図示左右方向である概略断面を示している。
図2に示すように、スケール13には、光反射部11と光透過部12とが交互に形成されている。ところが、ピッチ境界部20においては、光反射部11の図面視左右方向長さが他の光反射部11と異なっているため、それ以降(図面視右側)は、光反射部11と光透過部1のピッチが変わってくる。
図2においては、ピッチ境界部20において光反射部11が従来の2倍の長さになっているため、それ以降の光反射部11と光透過部12の並ぶ順序が逆になっている。
即ち、図2において、光反射部11を「1」、光透過部12を「0」として順番を表している。すると、1010・・・と順番に交互に並んでいるが、連続配置されている部分であるピッチ境界部20において1が2倍の長さ即ち、11と連続して並んでいるのと同じ状態になり、その後、0101・・・と順番が逆になって並んでいる。
これを、光検出部14で得られる電気信号で表すと、図2に示すような実線の波形22になる。ここで、ピッチ境界部20が存在せず、1010・・・と交互に連続していた場合の波形を点線の波形24で示す。このように、ピッチ境界部20において光反射部11の長さが2倍に変更されているため、それ以降の波形は位相が180度ずれたものになっている。
図2においては、ピッチ境界部20において、光反射部11を2倍の長さにした場合を例にとって説明したが、光反射部11の長さは2倍以外にも様々な長さにすることが可能であり、光反射部11の長さを変更することにより、ピッチ境界部20の前後において光検出部14で得られる電気信号の位相を0度から360度まで任意に変更することが可能になる。
また、ピッチ境界部20において、光反射部11ではなく、光透過部12の長さを変更することでも同様に、ピッチ境界部20の前後において光検出部14で得られる電気信号の位相を0度から360度まで任意に変更することが可能になる。
次に、受光手段17について説明する。受光手段17は、光を受光するためのPDアレイを含んで構成される。ここで、PDアレイからの電気出力信号を処理するための回路を更に含んでいても良い。図3を参照して詳細に説明する。図3は、受光手段を説明する説明図である。
図3に示すように、発光手段16から照射されスケール13で反射した光は、受光手段17表面において明部30と暗部31の縞模様を形成する。明部30は、光反射部11で反射された光に対応する部分であり、暗部31は、光透過部12に対応する部分であり、光が反射されないために暗くなっている。
受光手段17を構成するPDアレイは、4つのPD素子PD1(記号32)、PD2(記号33)、PD3(記号34)、PD4(記号35)を一組とするPDのセットが、複数セット存在して構成される。一つの明部30と一つの暗部31の組を4つのPD素子PD1、PD2、PD3、PD4で受光する。よって、明部30と暗部31とをわせたサイズが、4つのPD素子PD1〜PD4を合わせたサイズと同じであることが望ましい。
このとき、4つの各PD素子は、PD1〜PD4にかけてそれぞれ位相が1/4ずつずれた電気信号を出力し、複数のPD素子のセットの各PDは、PD1〜PD4それぞれ同じ電気信号を出力する。つまり、各PD素子のセットの各PD1同士は同じ信号を出力し、各PD2同士は同じ信号を出力する。これは、PD3もPD4も同様である。
PD1〜PD4にかけて位相が1/4ずつずれた電気信号を出力するので、PD1とPD3は、互いに1/2即ち180度位相がずれた電気信号を出力し、PD2とPD4も同様に互いに180度位相がずれた電気信号を出力する。
このため、各PD素子のセットのPD1同士、PD2同士、PD3同士、PD4同士が接続されて電気信号が出力される。更に、位相が180度異なるPD1とPD3の電気信号の差分をとってAとし、PD2とPD4の電気信号の差分をとってBとして出力することができる。これにより、電気信号AとBとは、位相が1/4つまり90度ずれた信号になる。
ここで、図4を参照して更に説明する。図4は、PD1〜PD4の出力電気信号と、電気信号A、Bを表す説明図である。図4に示すように、PD1〜PD4の各出力電気信号の波形である波形40〜波形43は、1/4つまり90度ずつ位相がずれている。つまり、PD1の波形40とPD3の波形42とは、180度位相がずれており、PD2の波形41とPD4の波形43も180度位相がずれている。
180度位相がずれているPD1とPD3の電気信号の差分を取ることにより、別の言い方をすると、PD3の信号を反転させて合成することにより電気信号Aになる。同様に180度位相がずれているPD2とPD4の電気信号の差分を取ることにより電気信号Bになる。
この電気信号Aまたは電気信号Bのパルス数をカウントすることにより、スケール13の光透過部12と光反射部11の組がいくつ移動したかを知ることができる。よって、カウントしたパルス数にスケール13の光透過部12と光反射部11の組の長さを乗ずることにより、スケール13が光検出部14に対して相対的に動いた距離を求めることができる。
(2)原点検出
次に、原点検出原理について図面を参照して説明する。図5は、ピッチ境界部前後での波形とPD素子の配置を表した説明図である。図5は、ピッチ境界部20の光反射部の長さが通常の光反射部の長さの2倍になっている場合を示している。
図5に示すように、ピッチ境界部20の長さが通常の光反射部の長さの2倍なので、ピッチ境界部前後でPD素子が出力する電気信号は位相が180度ずれることになる。よって、例えば、ピッチ境界部20を挟んだ前後である、記号50で示すPD素子群の中のPD1が出力する信号と、記号51で示すPD素子群の中のPD1が出力する信号は位相が180度ずれている。これは、PD2、PD3、PD4も同様で、ピッチ境界部20の前後で出力する位相が180度ずれている。
このため、各PD1の出力を加算すると互いに打ち消し合って、出力が小さくなる(PD1に対応する波形の斜線部参照)。これは、PD2〜PD4も同様である。すなわち、スケール13が相対移動してピッチ境界部20が光検出部14の検出範囲に入ることにより、光検出部14からの信号出力は小さくなりはじめる。それから、光検出部14のPD素子アレイの中間にピッチ境界部20が来たとき光検出部14からの出力信号は最小になり、ピッチ境界部20がPD素子アレイの中間から離れるに従って出力信号がまた大きくなる。
このときの光検出部14の電気信号出力を示したのが図6である。図6において、実線は電気信号Aの波形を示し、破線は電気信号Bの波形を示し、一点鎖線は、電気信号A、電気信号Bの2乗和の波形を示す。また、横軸は、スケール13の光検出部14に対する相対移動量(μm)を示し、縦軸は、光検出部14からの出力を示している。縦軸においては、振幅の最大と最小を規格化してそれぞれ1、−1とし、振幅の中間を0にしている。
図6に示すように、スケール13の移動に従って電気信号A、電気信号Bの振幅が小さくなって行き、スケール移動量130μmのところで最小になり(図6においては0)、それからまた振幅が大きくなっている。ここで、図6に示すのは一例のグラフであり、スケールのピッチやPD数によって出力が最小になるスケール移動量は変わる。よって、スケール移動量が130μmで最小になることに限定されるものではない。
よって、電気信号Aまたは電気信号Bの出力の振幅が最小になったところをスケール13の原点にすることができる。これにより、原点検出系を位置検出系と別構造で持つ必要がなくなり、別構造で原点検出系を持つことによる欠点を無くすことができる。別構造で原点検出系を持つことによる欠点とは、位置検出系と原点検出系の両方で光学的な位置合わせが必要なること、温度などの環境変化の影響を原点検出系と位置検出系とで別々に受けてしまうので、それぞれのデータの整合性に誤差が生ずる場合があること、そのため温度等の環境変化の影響を受けやすくなること、位置検出系と原点検出系とが同一軸上に配置できない場合は、アッベ誤差も発生すること等である。
ここで、原点位置を決定する方法として、90度位相がずれている電気信号Aと電気信号Bの2乗和(A+B)をとって、その2乗和(A+B)が最小になる所を原点とすることもできる。電気信号A、電気信号Bは、それぞれ略正弦波になるので90度位相がずれた信号の2乗和は、本来の振幅が変動しない限りは一定の値になるはずである。よって、この2乗和を算出することにより原点位置を再現性良く、正確に決定することができる。この2乗和を算出することによる原点位置の決定方法は、第1実施形態のみではなく、本発明全てに適用できるものであり、もちろん後述する他の実施形態においても適用できるものである。
原点位置の決定方法としては、2乗和が所定の値、または所定の範囲になった所を原点位置としても良いし、極小値になった所を原点位置としても良い。
次に、図5において、ピッチ境界部20の長さを光透過部12の長さの2倍にしなかった場合について説明する。この場合は、ピッチ境界部20前後での光検出部14が出力する電気信号の位相差は、180度ではなくなる。このため、例えば、記号50のPD1の信号と記号51のPD1の信号とを加算しても完全に打ち消されることは無いので、位相差が180度のときよりは、信号出力の低下が抑えられる。
このときの、光検出部14の電気信号出力を示したのが図7である。図7において、縦軸、横軸等は全て図6と同様である。図7に示すように、ピッチ境界部20前後でのPD素子からの電気信号出力の位相差が180度では無いので、PD1〜PD4の同一番号のPD素子からの出力同士を加算しても完全に打ち消されることは無く、振幅も図6のように小さくはならない。図7の電気信号A、電気信号Bの2乗和(A+B)を見れば分かるように、極小値においても0にはならない。
しかしながら、極小値が明確に出ており、原点位置を検知するには十分である。このように、ピッチ境界部20前後での光検出部14が出力する位相差が180度でなくても、原点検出することが十分可能である。
原点の決定は、電気信号の振幅が所定の値または範囲になったときを原点としても良いし、2乗和(A+B)が所定の値または範囲または極小値になった時を原点としても良い。
ここで、原点の位置決定に電気信号Aと電気信号Bとの2乗和(A+B)を用いる場合において発生しうるばらつきについて図28を参照して説明する。図28は、電気信号Aと電気信号Bとが描くリサージュ曲線を表した図である。図28の(A)は、理想的な状態のときの電気信号Aと電気信号Bのリサージュ曲線を示しており、(B)は電気信号Aと電気信号Bの振幅方向の中心がずれていたとき(オフセットが掛かっていたとき)のリサージュ曲線を示しており、(C)は電気信号Aと電気信号Bとの位相差が90度からずれていたときのリサージュ曲線を示しており、(D)電気信号Aと電気信号Bの振幅がずれていたときのリサージュ曲線を示している。また、図28において、縦軸は信号Bの電圧を示し、横軸は信号Aの電圧を示している。
電気信号を処理するデバイスの特性等の問題により、電気信号Aと電気信号Bとは、図28(A)示すように、リサージュ曲線が円にはならずに、図28(B)〜(C)に示すように中心からずれたり,楕円になることがある。このような場合は、電気信号Aと電気信号Bの2乗和を求めても一定の値にはならないことは、図28(B)〜(C)に示される図形の半径(電気信号Aと電気信号Bとの2乗和の平方根)が一定ないことから明らかである。よって、電気信号Aと電気信号Bの振幅方向の中心がずれていること、電気信号Aと電気信号Bとの振幅が異なること、電気信号Aと電気信号Bの位相差が90度よりもずれていることが原因で電気信号Aと電気信号Bとの2乗和が必ずしも一定にならず増減することがあるので、2乗和を適用する場合は、それを考慮する必要がある。
そこで、本発明者は、鋭意研究の結果、原点の位置決定において、上述したようなずれによる誤差を低減できる方法を発明した。以下において詳細に説明する。
(3)90度位相がずれた2つの電気信号を利用した原点決定方法
以下に述べる90度位相がずれた2つの電気信号を利用した原点決定方法は、この第1実施形態のみではなく、本発明全てに適用できるものであり、もちろん後述する他の実施形態においても適用できるものである。
90度位相がずれている電気信号Aと電気信号Bとを利用して原点の位置を決定することができる。この方法について、図面を参照して詳細に説明する。
図9(電気信号Bが0のときの電気信号Aの値を示す説明図)に示すように、電気信号Bが0のときの電気信号Aの値を求め、それに基づいて原点位置を決めることができる。
更に言えば、電気信号Bの波形が立ち上がりつつ(傾きが正で)0になったときの電気信号Aの値、または、電気信号Bの波形が立ち下がりつつ(傾きが負で)0になったときの電気信号Aの値を求め、それに基づいて原点位置を決めることができる。
また、電気信号Bが0になったときの電気信号Aの値の2乗に基づいて原点位置を決めることができる。更に、電気信号Bの波形が立ち上がりつつ(傾きが正で)0になったときの電気信号Aの値の2乗、または、電気信号Bの波形が立ち下がりつつ(傾きが負で)0になったときの電気信号Aの値の2乗を求め、それに基づいて原点位置を決めることができる。
上記の、90度位相がずれている電気信号Aと電気信号Bを利用して、一方の電気信号が0のときの他方の電気信号の値に基づいて原点位置を決める方法は、電気信号Aと電気信号Bとの位相差が90度ぴったりでなく、多少ずれていても問題なく原点を検出することができるという特徴を有する。
これにより、上記方法では、電気信号Aと電気信号Bとの2乗和(A+B)を用いる方法における欠点であった、電気信号Aと電気信号Bの振幅方向の中心がずれていること、または、電気信号Aと電気信号Bとの振幅が異なること、または、電気信号Aと電気信号Bの位相差が90度よりもずれていることを原因とする電気信号Aと電気信号Bとの2乗和のばらつきにより生じる原点ずれの発生を抑えることができる。
ここで、図8に示すように、実際の電気信号Bは、振幅が0かつ波形の立ち上がり部分(または立ち下がり部分)は周期2π(360度)の繰り返しになるが、振幅が0になるところ自体は、周期π(180度)の繰り返しではない。即ち、図8に示すように、例えば、電気信号Bの振幅が0かつ波形の立ち上がり部分(記号84で示す)と、振幅が0かつ波形の立ち下がり部分(記号85で示す)との間隔は、π(180度)より小さくなり、振幅が0かつ波形の立ち下がり部分(記号85で示す)と、その次の振幅が0かつ波形の立ち上がり部分(記号86で示す)との間隔は、π(180度)より大きくなる。しかしながら、記号84で示す電気信号Bの振幅が0かつ波形の立ち上がり部分と、記号86で示す電気信号Bの振幅が0かつ波形の立ち上がり部分との間隔は2π(360度)である。
よって、後述する(図10の説明において示す)ように、電気信号Aと電気信号Bとのうち、一方の信号の振幅0の部分の位相πごとに他方の信号を読む場合よりも、一方の信号の振幅0の部分の位相2πごとに他方の信号を読む場合の方が、ばらつき無く他方の信号を読むことができる。
上述した90度位相がずれた2つの電気信号を利用した原点決定方法は、この第1実施形態のみではなく、本発明全てに適用できるものであり、もちろん後述する他の実施形態においても適用できるものである。
(4)評価
次に、上述したピッチ境界部20を設けたスケールの原点位置決定評価について図26を参照して説明する。図26は、電気信号B=0のときの電気信号Aの電圧の2乗値を表すグラフである。
(1)使用したスケール
光反射部11と光透過部12の幅がそれぞれ10μmで、ピッチ境界部20が14μmであるスケール。
(2)評価内容
上記スケールを使用し、光検出部14が、ピッチ境界部20の前からピッチ境界部を通過するまで光検出部14とスケール13とを相対的に移動させたときの電気信号A、電気信号B、電気信号Aと電気信号Bとの2乗和(A+B)のシミュレーションを行い、電気信号Bが0(立ち上がり時)のときの電気信号Aの値を測定した。
(3)評価結果
電気信号A、電気信号B、電気信号Aと電気信号Bとの2乗和(A+B)のシミュレーション結果と、電気信号Bが0(立ち上がり時)のときの電気信号Aの値を測定値とを示したグラフが図26である。図26の縦軸は電気信号の出力変動を示し、横軸はスケールの相対移動量(μm)を示す。
図26に示すように、シミュレーション結果から得ることができる電気信号Bが0(立ち上がり時)のときの電気信号Aの値と、実測値の電気信号Bが0(立ち上がり時)のときの電気信号Aの値とは、ほぼ同じ値を示している。これより、シミュレーションでも十分な精度で評価できることが分かる。
また、ピッチ境界部20の幅を、光反射部11、光透過部12の幅の10μmからわずか4μm増加させた14μmにするだけで、つまり、ピッチをわずか4μmずらすだけで、ピッチ境界部20において電気信号の振幅が減少することが分かった。
これにより、電気信号Aのピッチ境界部20前後の位相差が180度でなくても、あるいは電気信号Bのピッチ境界部20前後の位相差が180度でなくても振幅において十分な極小値が表れるので、位相差が180度になるほどピッチをずらさなくてもこの方法を原点の決定に使用できることが分かる。
ここで、上記第1実施形態載説明において、光検出部14がスケールで反射した光を受光する反射型エンコーダを例に挙げて説明したが、光検出部14がスケールを透過した光を受光する透過型エンコーダにおいても同様であり、第1実施形態には透過型エンコーダも含まれるものである。即ち、透過型エンコーダにおいては、光検出部14がスケールを間に挟んで光源と対向する位置に設置されること以外は、上記第1実施形態と同じ構成を取り、同じように作用するので説明を省略する。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の説明においては、第1実施形態と異なる部分を説明し、第1実施形態と同じ内容については説明を省略する。
本発明の第2実施形態は、原点位置を決定、検出するための工夫においてスケール部分が第1実施形態と異なる。図面を参照して説明する。図14は、本発明の第2実施形態のエンコーダ140の概略構成図である。
(1)構成
図14に示すように、本発明の第2実施形態のエンコーダ140は、スケール13の光透過部12と光反射部11とが形成されている面の反対側の面の一部に光を反射する部分である裏面反射部142を備えている。裏面反射部142は、発光手段16から照射された光のうち光透過部12を通って来た光を受光手段17に向かって反射させる機能を有している。この裏面反射部142を備えていること以外は、第1の実施形態と同じ構成であるで、それ以外の構成については説明を省略する。
裏面反射部142は、Cr、Au、Pt、Ag、Al等の光反射率の高い金属をスケール13に成膜することによって形成することができるが、コスト、成膜性等を考慮するとCrを用いることが好ましい。成膜方法としては、金属の成膜方法として広く行われているどんな方法でも採用することができ、例えば、蒸着、イオンプレーティング、スパッタ、メッキ、CVD等を用いることができる。
(2)作動
次に、第2実施形態の作動について図面を参照して説明する。図15は、第2実施形態の原点位置と原点検出原理の説明図である。図15は、スケール13の長手方向が図示左右方向である概略断面を示している。
図15に示すように、スケール13には、光反射部11と光透過部12とが交互に形成されている(光反射部11と光透過部12とが形成されている面をスケール13の表面とする)。そして、原点部分には、スケール13の裏面に裏面反射部142が形成されている。これにより、光検出部14で得られるスケール13からの反射光に基づくPD素子1つの電気信号を表すと波形150になる。
波形150が示すように、光反射部11で反射された発光手段16(光検出部14内に含まれる)からの光が、光検出部14で検出されて電気信号に変換されるので、光反射部11では、波形150は立ち上がって極大になる。逆に光透過部12では、発光手段16からの光は透過してしまい反射しないので、光検出部14は反射光を検出できず、波形150は、立ち下がって極小になる。
ここで、裏面反射部142が形成されている部分を見ると、発光手段16からの光は、光透過部12を透過するが、裏面反射部142で反射されて、また光透過部12を通って光検出部14に戻る。これにより、光透過部12の波形150は、光検出部14が裏面反射部142で反射された光を検出するので、裏面反射部142が無い部分よりもレベルが大きくなる。一方、裏面反射部142が形成されている部分の光反射部11の波形150は、裏面反射部142が無い部分と同じである。
このように、裏面反射部142が形成された部分では、波形150が他の部分とは異なってくるので、これを利用して原点検出をすることができる。原点検出の方法について以下に説明する。
(3)原点検出
次に、第2実施形態での原点検出方法について図27を参照して説明する。図27は、第2実施形態における電気信号Aと、電気信号Aの逆位相の信号Aと、電気信号AとAとの差(A−A)を示すグラフである。
図15における記号150のグラフが、図27の電気信号Aのグラフに相当する。図27に示すように、裏面反射部142での電気信号Aは、振幅方向において中心からずれていたが、電気信号AとAとの差(A−A)を求めることにより振幅方向からのずれをキャンセルして、(A−A)は、振幅方向において0(原点)を中心に変動する曲線になる。
また、裏面反射部142以外の部分の(A−A)は、裏面反射部142での(A−A)よりも振幅が大きくなる。その結果、全体として、裏面反射部142での(A−A)の曲線は、それ以外よりも振幅の小さい部分となり識別が容易になる。これにより、第1実施形態と同様に、求められた信号(A−A)と、同様にして信号Bから求めた信号(B−B)との2乗和を算出するか、(B−B)が0のときの(A−A)を求める方法により原点を決定することができる。
ここで、上記第2実施形態載説明において、光検出部14がスケールで反射した光を受光する反射型エンコーダを例に挙げて説明したが、光検出部14がスケールを透過した光を受光する透過型エンコーダにおいても同様であり、第2実施形態には透過型エンコーダも含まれるものである。即ち、透過型エンコーダにおいては、光検出部14がスケールを間に挟んで光源と対向する位置に設置されること以外は、上記第2実施形態と同じ構成を取り、同じように作用するので説明を省略する。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態の説明においては、第1実施形態と異なる部分を説明し、第1実施形態と同じ内容については説明を省略する。
(1)構成
本発明の第3実施形態は、原点位置を決定、検出するための工夫においてスケール部分が第1実施形態と異なる。図面を参照して説明する。図16は、本発明の第3実施形態のエンコーダ160の概略構成図である。
図16に示すように、本発明の第3実施形態のエンコーダ160は、スケール13に形成された複数の光反射部11の一部に光の反射率が他の光反射部と異なる異光反射部162を備えている。この異光反射部162を備えていること以外は、第1の実施形態と同じ構成であるので、それ以外の構成については説明を省略する。
異光反射部162は、他の光反射部11と比較して光反射率が異なれば、他の光反射部11よりも光反射率が高くても良いし、低くても良い。このような異光反射部162は、例えば、他の光反射部11とは光反射率の異なる金属を成膜することによっても形成することができるし、他の光反射部11と同一の金属であっても成膜厚さを変えることにより反射率をコントロールして形成することもできる。
例を挙げれば、異光反射部162の方が他の光反射部11よりも反射率を高くするためには、異光反射部162に金、銀、光源波長に合わせた誘電体多層膜等を用いて、他の光反射部11にクロム、アルミ等を用いることができる。また、異光反射部162の方が他の光反射部11よりも反射率を低くするためには、異光反射部162にクロム、アルミ等を用いて、他の光反射部11に金、銀、光源波長に合わせた誘電体多層膜等を用いることができる。
また、異光反射部162と、他の光反射部11との反射率を異ならせる方法としては、光反射率を低下させたい方の表面を粗くする方法がある。表面を粗くすることにより、表面で乱反射が起きるので、光検出部14に向かって反射される光の量が少なくなり、光反射率が低下する。このように、本発明において光反射率が異なるとは、発光手段16からの光を光検出部14に反射させる率が異なるという意味である。
反射率を粗くする方法としては、金属の成膜条件を変える方法もあるし、成膜後の金属表面を化学的処理(エッチング等)によって粗くする方法もあるし、やすりやサンドブラスト等による物理的接触によって粗くする方法もある。
また、異光反射部162と、他の光反射部11とのいずれかの表面がスケール13の表面(光反射部11、光透過部12が形成されている面)と平行ではなく角度を持つことによって光反射率を変えることができる。これにより、異光反射部162と他の光反射部11の使用材料、表面粗さが同じであっても、発光手段16からの光を光検出部14に向かって反射させる割合が異なってくる。この角度を調整することにより、反射率を高くすることもできるし、低くすることもできる。
(2)作動
次に、第3実施形態の作動について図面を参照して説明する。図17は、第3実施形態の原点位置と原点検出原理の説明図である。図17は、スケール13の長手方向が図示左右方向である概略断面を示している。
図17に示すように、第3実施形態に係るスケール13の光反射部11の一部は、光反射率が異なっている異光反射部162になっている。これにより、スケール13と光検出部14とが相対的に移動したとき、光反射部11、異光反射部162からの反射光に基づくPD素子1つの電気信号は、記号170で示されるような波形になる。この波形170は、異光反射部162の光反射率が、光反射部11の光反射率よりも低い場合の波形である。
波形170が示すように、光反射部11で反射された発光手段16からの光が、光検出部14で検出されて電気信号に変換されるので、光反射部11では、波形170は立ち上がって極大になる。逆に光透過部12では、発光手段16からの光は透過してしまい反射しないので、光検出部14は反射光を検出できず、波形170は、立ち下がって極小になる。
ここで、異光反射部162が形成されている部分を見ると、発光手段16(光検出部14内に含まれる)からの光は、異光反射部162で反射されるが、反射率が光反射部11よりも低いので、光検出部14が受光する光量は光反射部11のときよりも少なくなる。そのため、波形170は、極大値が光反射部11のときの極大値よりも小さくなる
このように、他の光反射部11とは光反射率が異なっている光反射部である異光反射部162が形成された部分では、波形170が他の部分とは異なってくるので、これを利用して原点検出をすることができる。原点検出の方法について以下に説明する。
(3)原点検出
次に、第3実施形態での原点検出方法について説明する。第3実施形態での原点検出方法は、第2実施形態での原点検出方法と同じである。そのため再度、図27を参照して説明する。図17における記号170のグラフが、図27の電気信号Aのグラフに相当する。
ここで、図17の記号170の例では、本来は、図27において振幅が小さくなっている中央部分の信号AとAとは、極大部分が原点(0)辺りに来るように下方にシフトしたグラフとなる。
図27に示すように、異光反射部162での電気信号Aは、振幅方向において中心からずれていたが、電気信号AとAとの差(A−A)を求めることにより振幅方向からのずれをキャンセルして、(A−A)は、振幅方向において0(原点)を中心に変動する曲線になる。
また、異光反射部162以外の部分の(A−A)は、異光反射部162での(A−A)よりも振幅が大きくなる。その結果、全体として、異光反射部162での(A−A)の曲線は、それ以外よりも振幅の小さい部分となり識別が容易になる。これにより、第1実施形態と同様に、求められた信号(A−A)と、同様にして信号Bから求めた信号(B−B)との2乗和を算出するか、(B−B)が0のときの(A−A)を求める方法により原点を決定することができる。
ここで、上記第3実施形態載説明において、光検出部14がスケールで反射した光を受光する反射型エンコーダを例に挙げて説明したが、光検出部14がスケールを透過した光を受光する透過型エンコーダにおいても同様であり、第3実施形態には透過型エンコーダも含まれるものである。この場合、異光反射部162は、光の透過率が異なる性質を持つことになる。よって、透過型エンコーダにおいては、異光反射部162は光反射部11と比較して光の透過率が異なる性質を持つこと、及び光検出部14がスケールを間に挟んで光源と対向する位置に設置されること以外は、上記第3実施形態と同じ構成を取り、同じように作用するので説明を省略する。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態の説明においては、第1実施形態と異なる部分を説明し、第1実施形態と同じ内容については説明を省略する。
(1)構成
本発明の第4実施形態は、原点位置を決定、検出するための工夫においてスケール部分が第1実施形態と異なる。図面を参照して説明する。図18は、本発明の第4実施形態のエンコーダ180の概略構成図である。
図18に示すように、本発明の第4実施形態のエンコーダ180は、スケール13の端部に光反射部11のみ、または光透過部12のみが形成され、光反射部11と光透過部12とが交互に形成されたパターンが存在しない、パターン無し領域182を備えている。図18においては、パターン無し領域182は、光透過部12のみが形成されている。
スケール13の端部に原点位置決定のためのパターン無し領域182を設け、スケール13の端部以外の場所(スケール13の中央部等)に原点位置決定のためのパターン無し領域182を設けない理由は、スケール13の中央にパターン無し領域182を設けると、パターン無し領域182の前と後ろで連続した測定ができなくなるからである。パターン無し領域182の前側から測定を開始し、パターン無し領域182側に移動してパターン無し領域に入ったところを原点としても、そこから先の後ろ側は測定できない(正しくスケールパターンをカウントできない)領域になってしまうからである。
このパターン無し領域182は、スケール13の両端部にあっても良いし、一方の端部のみにあっても良い。スケール13の両端部にパターン無し領域182を設ける場合は、両端とも光反射部のみ、または、両端とも光透過部のみのパターン無し領域182であっても良いし、一方の端部が光反射部のみで、もう一方の端部が光透過部のパターン無し領域182であってもよい。
しかしながら、スケール13の両端部にパターン無し領域182を設ける場合は、両端部のうち一方の端部が光反射部のみで、もう一方の端部が光透過部のパターン無し領域182を設ける方が好ましい。これにより、それぞれの端部で光検出部14が受光する光量が異なってくるので、これを利用してスケール13のどちらの端部に光検出部14が位置しているかを識別できるからである。
(2)作動
次に、第4実施形態の作動について図面を参照して説明する。図19は、第4実施形態の原点位置と原点検出原理の説明図である。図19は、スケール13の長手方向が図示左右方向である概略断面を示している。
図19に示すように、第4実施形態に係るスケール13は、その少なくとも一方の端部に光反射部11と光透過部12とが交互に設けられたパターンが形成されておらず、光反射部11のみ、或いは光透過部12のみが形成されている(図19においては、光透過部12のみが形成されている)。これにより、スケール13と光検出部14とが相対的に移動したとき、光反射部11、光透過部12に基づくPD素子一つの電気信号は、記号190で示されるような波形になる。
(3)原点検出
このパターン無し領域182を用いた原点検出について、図20を参照して説明する。図20は、PD素子アレイの説明図である。第1実施形態でも説明したように、受光手段17を構成するPDアレイは、4つのPD素子PD1(記号32)、PD2(記号33)、PD3(記号34)、PD4(記号35)を一組とするPDのセットが、複数セット存在して構成される。一つの光反射部11と一つの光透過部12の組を4つのPD素子PD1、PD2、PD3、PD4で受光する。
このとき、4つの各PD素子は、PD1〜PD4にかけてそれぞれ位相が1/4ずつずれた電気信号を出力し、複数のPD素子のセットの各PDは、PD1〜PD4それぞれ同じ電気信号を出力する。つまり、各PD素子のセットの各PD1同士は同じ信号を出力し、各PD2同士は同じ信号を出力する。これは、PD3もPD4も同様である。
PD1〜PD4にかけて位相が1/4ずつずれた電気信号を出力するので、PD1とPD3は、互いに1/2即ち180度位相がずれた電気信号を出力し、PD2とPD4も同様に互いに180度位相がずれた電気信号を出力する。
このため、各PD素子のセットのPD1同士、PD2同士、PD3同士、PD4同士が接続されて電気信号が出力される。更に、位相が180度異なるPD1とPD3の電気信号の差分をとってAとし、PD2とPD4の電気信号の差分をとってBとして出力することができる。これにより、電気信号AとBとは、位相が1/4つまり90度ずれた信号になる。
ここで、各PD1を見ると、図面視左側から1番目、2番目(PD1のみの順番)のPD1は、光反射部11に位置しているので、反射光を受光するが、図面視左から3番目のPD1は、パターン無し領域182に位置しているので反射光が受光できない。このため、スケール13と光検出部14の相対移動により、PDアレイの一部がパターン無し領域182に位置し始めると、光反射部11に位置しているPD素子(図20においてはPD1)の出力が小さくなる。そして、PDアレイ全体がパターン無し領域182に位置することにより、PD素子出力が最小になる。
よって、電気信号A、電気信号Bは、スケール13と光検出部14との相対的移動により、PDアレイがパターン無し領域182に位置し始めることにより、振幅が小さくなり、PDアレイ全体がパターン無し領域182に位置することにより、振幅が最小になる。この様子を示したのが図21である。図21は、第4実施形態における原点領域の電気信号波形を表した図である。
図21において、横軸はスケールと光検出部との相対的移動量(μm)を示し、縦軸は電気信号A、電気信号B、電気信号Aと電気信号Bの2乗和の出力変動を規格化して表している。このように、電気信号A、電気信号Bは、PDアレイを含む光検出部がパターン無し領域182に位置し始めることにより、振幅が小さくなり、PDアレイ全体がパターン無し領域182に位置することにより、振幅が最小になっている。
よって、例えば、電気信号Aと電気信号Bの2乗和の振幅が、所定値、或いは所定の範囲の値になることにより、その位置を原点と決めることができる。詳細な説明は、第1実施形態に説明しているので省略する。また、第1実施形態で説明したように、(図9を参照して)電気信号Bの振幅が0のときの電気信号Aの値(または、電気信号Aの振幅が0のときの電気信号Bの値)が、所定の値、或いは、所定の範囲の値になったときにそこを原点とすることができる。ここも詳細の説明は、第1実施形態ですでに記載されているので省略する。
(4)評価
次に、スケールの原点位置決定評価について図10から図13及び図8を参照して説明する。図10は、電気信号B=0のときの電気信号Aの電圧の2乗値を表すグラフである。図11は、電気信号B=0かつ電気信号Aが正のときの電気信号Aの電圧を表すグラフである。図12は、電気信号B=0かつ電気信号Aが正のときの電気信号Aの電圧の2乗値を表すグラフである。図13は、図11と図12のグラフを一つにしたグラフである。
(1)使用したスケール
第4実施形態のスケール
(2)評価内容
上記スケールを使用し、光検出部14が、パターン無し領域182の前からパターン無し領域182に入るまで、光検出部14とスケール13とを相対的に移動させて、そのときの電気信号Aを測定して以下のようにグラフにプロットした。
・電気信号B=0のときの電気信号Aの値(振幅=電圧)の2乗値を求めた。(結果は図10)
・電気信号B=0、かつ、電気信号Aが正のときに電気信号Aの値(振幅=電圧)を求めた。(結果は図11)
・電気信号B=0かつ電気信号Aが正のときの電気信号Aの電圧の2乗値を求めた。(結果は図12)
(3)評価結果
電気信号B=0のときの電気信号Aの値(振幅=電圧)の2乗値をプロットしたグラフを図10に示す。図10において、縦軸は、電気信号Aの電圧の2乗値を表し、横軸は光検出部14とスケール13との相対的移動距離を表す。
また、電気信号B=0、かつ、電気信号Aが正のときの電気信号Aの値(振幅=電圧)をプロットしたグラフを図11に示す。図11において、縦軸は、電気信号Aの電圧の値を表し、横軸は光検出部14とスケール13との相対的移動距離を表す。
また、電気信号B=0かつ電気信号Aが正のときの電気信号Aの電圧の2乗値をプロットしたグラフを図12に示す。図12において、縦軸は、電気信号Aの電圧の値の2乗値を表し、横軸は光検出部14とスケール13との相対的移動距離を表す。
また、図13に図11と図12のグラフを一緒に記載したグラフを示す。
図10〜図13に示すように、光検出部14がパターン無し領域182に達するまでは、ほぼ水平なグラフになり、光検出部14がパターン無し領域182に達することにより、値が0に急激に近づいてゆき、最終的に0もしくは略0になる。
よって、例えば0もしくは0に近い値を決めて、この値になったときのスケール13と光検出部14との相対位置を原点とすることができる。また、このように、電気信号Aの振幅が0の時の電気信号Bの値を用いて原点位置を決定することにより、図8に示すような、電気信号A、電気信号Bの原点横軸のずれ(電気信号Aの中心87と電気信号Bの中心88のずれ)が存在しても、電気信号A、電気信号Bの振幅0の点の間隔が、π(180度)でなくても、明確に値が0に近づいてゆくので、高精度に原点位置決定をすることができる。これは、電気信号Aと電気信号Bとを入れ替えて考えても同様である。
ここで、図10と図11、または、図10と図12とを比較すると図10の方が、プロットの水平部分の変動が大きく、プロットが0に近づいてゆくときの変動も大きい。これは、図10が電気信号B=0のときの電気信号Aの2乗値をプロットしているため、図8において説明したように、電気信号Bが0のときの間隔が必ずしもπ(180度)でないことの影響を受けているからだと考えられる。
これに対して、図11、図12とも電気信号B=0のときで、かつ、電気信号Aが正のときの値に基づいてプロットしているので、電気信号B=0で電気信号Aが正のときの間隔は2π(360度)となるため、変動が小さいものと考えられる。
また、図13に示すように、電気信号B=0、かつ、電気信号Aが正のときの電気信号Aの値と、その値の2乗のプロットを比較すると2乗したものの方が、立ち下がりが急峻であり、0により近づいていることが分かる。これより、電気信号Aの値の2乗値を用いた方が原点検出には有利であると考えられる。
ここで、上記第4実施形態載説明において、光検出部14がスケールで反射した光を受光する反射型エンコーダを例に挙げて説明したが、光検出部14がスケールを透過した光を受光する透過型エンコーダにおいても同様であり、第4実施形態には透過型エンコーダも含まれるものである。即ち、透過型エンコーダにおいては、光検出部14がスケールを間に挟んで光源と対向する位置に設置されること以外は、上記第4実施形態と同じ構成を取り、同じように作用するので説明を省略する。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態の説明においては、第1実施形態と異なる部分を説明し、第1実施形態と同じ内容については説明を省略する。
(1)構成
本発明の第5実施形態は、原点位置を決定、検出するための工夫においてスケール部分が第1実施形態と異なる。図面を参照して説明する。図22は、本発明の第5実施形態のエンコーダ220の概略構成図である。
図22に示すように、本発明の第5実施形態のエンコーダ220は、スケール13と光検出部14とは、相対移動によりスケール13の端部(つまりスケール終端240)を超えて移動することが可能になっている。更に詳しく説明すると、光検出部14に含まれるPDアレイが、少なくともスケール13の終端をまたいで位置するように、より好ましくは、スケール13の終端を完全に超えて位置することができるように、光検出部14とスケール13とが構成されている。
原点検出部は、光検出部14に含まれるPDアレイの少なくとも一部がスケール13の終端を超えた所に位置したときに光検出部14から出力される電気信号に基づいて原点を検出する。
(2)作動
次に、第5実施形態の作動について図面を参照して説明する。図23は、第5実施形態の原点位置と原点検出原理の説明図である。図23は、スケール13の長手方向が図示左右方向である概略断面を示している。
図23に示すように、スケール13と光検出部14とが相対的に移動したとき、光反射部11、光透過部12に基づくPD素子一つの電気信号は、記号230で示されるような波形になる。即ち、PD素子が光反射部11に位置するときは、光反射部11からの反射光を受光して波形が極大になり、光透過部12に位置するときは反射光を受光できないので波形が極小になる。
光検出部14の少なくとも一部が、スケール13の終端を超えたとき、スケール13のスケール終端240を超えた所に位置するPDは、反射光を受光できないので波形の振幅が最小になる。
(3)原点検出
このスケール13の終端を用いた原点検出について、図24を参照して説明する。図24は、PD素子アレイと原点検出の説明図である。第1実施形態でも説明したように、受光手段17を構成するPDアレイは、4つのPD素子PD1(記号32)、PD2(記号33)、PD3(記号34)、PD4(記号35)を一組とするPDのセットが、複数セット存在して構成される。一つの光反射部11と一つの光透過部12の組を4つのPD素子PD1、PD2、PD3、PD4で受光する。
このとき、4つの各PD素子は、PD1〜PD4にかけてそれぞれ位相が1/4ずつずれた電気信号を出力し、複数のPD素子のセットの各PDは、PD1〜PD4それぞれ同じ電気信号を出力する。つまり、各PD素子のセットの各PD1同士は同じ信号を出力し、各PD2同士は同じ信号を出力する。これは、PD3もPD4も同様である。
PD1〜PD4にかけて位相が1/4ずつずれた電気信号を出力するので、PD1とPD3は、互いに1/2即ち180度位相がずれた電気信号を出力し、PD2とPD4も同様に互いに180度位相がずれた電気信号を出力する。
このため、各PD素子のセットのPD1同士、PD2同士、PD3同士、PD4同士が接続されて電気信号が出力される。更に、位相が180度異なるPD1とPD3の電気信号の差分をとってAとし、PD2とPD4の電気信号の差分をとってBとして出力することができる。これにより、電気信号AとBとは、位相が1/4つまり90度ずれた信号になる。
ここで、各PD1を見ると、図面視左側から1番目、2番目(PD1のみの順番)のPD1は、光反射部11に位置しているので、反射光を受光するが、図面視左から3番目のPD1は、スケール終端240を過ぎた位置、即ち、スケールが存在しない場所に位置しているので反射光が受光できない。このため、スケール13と光検出部14の相対移動により、PDアレイの一部がスケール終端240を過ぎた位置(スケールが存在しない位置)に位置し始めると、光反射部11に位置しているPD素子(図20においてはPD1)の出力が小さくなる。そして、PDアレイ全体がスケール終端240を過ぎた場所に位置することにより、PD素子出力が最小になる。
よって、電気信号A、電気信号Bは、スケール13と光検出部14との相対的移動により、PDアレイがスケール終端240を過ぎた場所に位置し始めることにより、振幅が小さくなり、PDアレイ全体がスケール終端240を過ぎた場所に位置することにより、振幅が最小になる。この様子を示したのが図25である。図25は、第5実施形態における原点領域の電気信号波形を表した図である。
図25において、横軸はスケールと光検出部との相対的移動量(μm)を示し、縦軸は電気信号A、電気信号B、電気信号Aと電気信号Bの2乗和の出力変動を規格化して表している。このように、電気信号A、電気信号Bは、PDアレイを含む光検出部がスケール終端240を過ぎた場所に位置し始めることにより、振幅が小さくなり、PDアレイ全体がスケール終端240を過ぎた場所に位置することにより、振幅が最小になっている。
よって、例えば、電気信号Aと電気信号Bの2乗和の振幅が、所定の値、或いは所定の範囲の値になることにより、その位置を原点と決めることができる。詳細の説明は、第1実施形態に説明しているので省略する。また、第1実施形態で説明したように、(図9を参照して)電気信号Bの振幅が0のときの電気信号Aの値(または、電気信号Aの振幅が0のときの電気信号Bの値)が、所定の値、或いは、所定の範囲の値になったときにそこを原点とすることができる。ここも詳細の説明は、第1実施形態ですでに記載されているので省略する。


ここで、上記第5実施形態載説明において、光検出部14がスケールで反射した光を受光する反射型エンコーダを例に挙げて説明したが、光検出部14がスケールを透過した光を受光する透過型エンコーダにおいても同様であり、第5実施形態には透過型エンコーダも含まれるものである。即ち、透過型エンコーダにおいては、光検出部14がスケールを間に挟んで光源と対向する位置に設置されること以外は、上記第5実施形態と同じ構成を取り、同じように作用するので説明を省略する。
10…エンコーダ、11…光反射部、12…光透過部、13…スケール、14…光検出部、15…原点検出部、16…発光手段、17…受光手段、20…ピッチ境界部、22…波形、24…波形、30…明部、31…暗部、32…PD1、33…PD2、34…PD3、35…PD4、40…波形、41…波形、42…波形、43…波形、50…PD素子群、51…PD素子群、80…電気信号A、82…電気信号B、84…波形の立ち上がり部分、85…波形の立ち下がり部分、86…波形の立ち上がり部分、87…電気信号Aの中心、88…電気信号Bの中心、140…エンコーダ、142…裏面反射部、150…波形、160…エンコーダ、162…異光反射部、170…波形、180…エンコーダ、182…パターン無し領域、190…波形、220…エンコーダ、230…波形、240…スケール終端

Claims (5)

  1. 光反射部と光透過部とが交互に連続して配置されたスケールと、前記スケールに対して相対的に移動可能な光検出部と、前記スケールの原点を検出する原点検出部と、を有するエンコーダであって、
    前記光検出部は、
    前記スケールに光を照射する発光手段と、
    前記発光手段から照射した光のうち、前記スケールで反射して戻った光、または、前記スケールを透過した光を受光し電気信号に変換して出力する受光手段と、を備え、
    前記スケールは、前記光反射部と前記光透過部の並びのピッチが変更された領域と、前記並びのピッチが変更される境界であるピッチ境界部と、を有し、
    前記原点検出部は、前記光検出部が前記ピッチ境界部からの反射光または透過光に由来して出力した電気信号に基づいて原点位置を検出するエンコーダであり、
    前記スケールが、前記光検出部に対して相対的に移動する方向の、前記光反射部と前記光透過部のペア1つの長さを1周期としたとき、前記原点検出部は、前記ペアからの光の反射または前記ペアでの光透過に基づいて前記光検出部が出力する90度位相の異なる2つの電気信号のうちの一方の電気信号の振幅が0のときの他方の電気信号の振幅に基づいて原点位置を検出するエンコーダ。
  2. 光反射部と光透過部とが交互に連続して配置されたスケールと、前記スケールに対して相対的に移動可能な光検出部と、前記スケールの原点を検出する原点検出部と、を有するエンコーダであって、
    前記光検出部は、
    前記スケールに光を照射する発光手段と、
    前記発光手段から照射した光のうち、前記スケールで反射して戻った光、または、前記スケールを透過した光を受光し電気信号に変換して出力する受光手段と、を備え、
    前記スケールは、前記光反射部が形成されている面とは反対側の面の一部に光を反射する部分である裏面反射部を有し、
    前記原点検出部は、前記光検出部が前記裏面反射部からの反射光または前記裏面反射部での透過光に由来して出力した電気信号に基づいて原点位置を検出するエンコーダであり、
    前記スケールが、前記光検出部に対して相対的に移動する方向の、前記光反射部と前記光透過部のペア1つの長さを1周期としたとき、前記原点検出部は、前記ペアからの光の反射または前記ペアでの光透過に基づいて前記光検出部が出力する90度位相の異なる2つの電気信号のうちの一方の電気信号の振幅が0のときの他方の電気信号の振幅に基づいて原点位置を検出するエンコーダ。
  3. 光反射部と光透過部とが交互に連続して配置されたスケールと、前記スケールに対して相対的に移動可能な光検出部と、前記スケールの原点を検出する原点検出部と、を有するエンコーダであって、
    前記光検出部は、
    前記スケールに光を照射する発光手段と、
    前記発光手段から照射した光のうち、前記スケールで反射して戻った光、または、前記スケールを透過した光を受光し電気信号に変換して出力する受光手段と、を備え、
    前記スケールは、複数の前記光反射部のうちの一部に光の反射率の異なる光反射部を含み、
    前記原点検出部は、前記光検出部が前記光の反射率の異なる光反射部からの反射光または、前記光の反射率の異なる光反射部の透過光に由来して出力した電気信号に基づいて原点位置を検出するエンコーダであり、
    前記スケールが、前記光検出部に対して相対的に移動する方向の、前記光反射部と前記光透過部のペア1つの長さを1周期としたとき、前記原点検出部は、前記ペアからの光の反射または前記ペアでの光透過に基づいて前記光検出部が出力する90度位相の異なる2つの電気信号のうちの一方の電気信号の振幅が0のときの他方の電気信号の振幅に基づいて原点位置を検出するエンコーダ。
  4. 光反射部と光透過部とが交互に連続して配置されたスケールと、前記スケールに対して相対的に移動可能な光検出部と、前記スケールの原点を検出する原点検出部と、を有するエンコーダであって、
    前記光検出部は、
    前記スケールに光を照射する発光手段と、
    前記発光手段から照射した光のうち、前記スケールで反射して戻った光、または、前記スケールを透過した光を受光し電気信号に変換して出力する受光手段と、を備え、
    前記スケールは、前記光検出部との相対的な移動方向の端部に光反射部のみまたは光透過部のみが形成されたパターン無し領域を有し、
    前記原点検出部は、前記光検出部が前記パターン無し領域からの反射光または前記パターン無し領域の透過光に由来して出力した電気信号に基づいて原点位置を検出するエンコーダであり、
    前記スケールが、前記光検出部に対して相対的に移動する方向の、前記光反射部と前記光透過部のペア1つの長さを1周期としたとき、前記原点検出部は、前記ペアからの光の反射または前記ペアでの光透過に基づいて前記光検出部が出力する90度位相の異なる2つの電気信号のうちの一方の電気信号の振幅が0のときの他方の電気信号の振幅に基づいて原点位置を検出するエンコーダ。
  5. 光反射部と光透過部とが交互に連続して配置されたスケールと、前記スケールに対して相対的に移動可能な光検出部と、前記スケールの原点を検出する原点検出部と、を有するエンコーダであって、
    前記光検出部は、
    前記スケールに光を照射する発光手段と、
    前記発光手段から照射した光のうち、前記スケールで反射して戻った光、または、前記スケールを透過した光を受光し電気信号に変換して出力する受光手段と、を備え、
    前記原点検出部は、前記光検出部が前記スケールの前記光検出部との相対的な移動方向の終端より先に位置したときに、前記光検出部が出力した電気信号に基づいて原点を検出するエンコーダであり、
    前記スケールが、前記光検出部に対して相対的に移動する方向の、前記光反射部と前記光透過部のペア1つの長さを1周期としたとき、前記原点検出部は、前記ペアからの光の反射または前記ペアでの光透過に基づいて前記光検出部が出力する90度位相の異なる2つの電気信号のうちの一方の電気信号の振幅が0のときの他方の電気信号の振幅に基づいて原点位置を検出するエンコーダ。
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