JP3639377B2 - 光学式変位センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物の変位を光学的に測定する光学式変位センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平7−55423号は、垂直共振器型面発光レーザを用いた光学式変位センサを開示している。この光学式変位センサは、図15に示すように、垂直共振器型面発光レーザ1と外部ミラー2が組み合わされた複合共振器を備え、外部ミラー2の移動に伴って生じるレーザ光の強度変化を検出する受光手段3を有している。外部ミラー2から帰還するレーザ光の位相は、外部ミラー2と垂直共振器型面発光レーザ1の相対的な変位により決まり、レーザ光の波長の1/2に相当する変位量の周期でレーザ光出力が変動する。この変位量は、計数装置4で変動の周期数を計数し、これに演算装置5でレーザ光の波長の1/2を乗じることにより算出される。
これにより、極めて簡単な構成で高精度の変位測定が可能なコンパクトな光学式変位センサが実現されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平7−55423号は、外部ミラー2の移動方向を判別する三つの手法を開示している。
第一の手法では、外部ミラー2が垂直共振器型面発光レーザ1から遠ざかるときにはレーザ出力のピークが減少し、反対に近づくときに増大する性質を利用し、ピークの高さを調べることにより外部ミラー2の移動方向を判別している。
【0004】
第二の手法では、外部ミラー2からの反射光の位相をシフトする手段を設けて、レーザ出力の変化の一周期中に大小のピークが発生するようにし、大小のピークの現れる順番を検知することにより外部ミラー2の移動方向を判別している。
【0005】
第三の手法では、垂直共振器型面発光レーザと外部ミラーからなる二組の共振器を設け、その一方の光路中に位相シフト手段を設け、レーザ光出力の周期的な変化に位相差を有する二つの信号を得、これに基づいて外部ミラー2の移動方向を判別している。
【0006】
しかしながら、第一と第二の手法では、レーザ出力の周期的変化の一周期内で外部ミラーの移動方向が繰り返し反転した場合の対応策については何も示唆していない。つまり、受光手段3からの信号に基づいて常に外部ミラー2の変位を検知しているため、受光手段3からの出力信号がたまたま一方向に移動している時と似た波形となった場合には、外部ミラー2が実際には一方向に移動していないにも関わらず、装置は誤って外部ミラー2が一方向に移動したものと判断してしまう。また、受光手段3からの出力信号の波形が移動時の波形に似ていない場合や、外的要因などで出力変動が生じる場合等において、装置は誤った信号を出力し続けることになる。
【0007】
また、第三の手法では、二つの垂直共振器型面発光レーザを用いているため、両者の特性の相違(例えば発振波長の相違)がある場合には、検知される変位は実際の変位とは異なってしまい、測定結果は精度の高いものとは言えない。
【0008】
本発明の目的は、対象物の変位の方向と量を常に正確に測定できる、極めて簡単な構成で高精度な変位測定が可能なコンパクトな光学式変位センサを提供することである。言い換えれば、本発明の目的は、一周期内で外部ミラーの移動方向が繰り返し反転した場合にもエラーを発生しない光学式変位センサを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による光学式変位センサは、上部反射手段と下部反射手段からなる垂直共振器を有する垂直共振器型面発光レーザと、前記垂直共振器型面発光レーザと組み合わさって複合共振器を構成する外部反射手段と、前記複合共振器の内部または外部に配置され、前記垂直共振器型面発光レーザから出射した光の特定部分を検出する第一の受光手段と、前記複合共振器の内部または外部に配置されるとともに、前記垂直共振器型面発光レーザから出射した光の前記特定部分とは異なる位置に配置されて、前記第一の受光手段の出力信号に対して所定の位相差を持つ信号を出力する第二の受光手段と、前記第一の受光手段と前記第二の受光手段から出力される周期的な出力信号から前記垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段の間の相対的な変位量と変位の向きを検出可能な変位検出手段とを備えている。ここで、「複合共振器」とは、上部反射手段と下部反射手段からなる光学共振器と、外部反射手段と下部反射手段と上部反射手段からなる光学共振器が組み合わされた形態の光学系を意味する。
【0010】
本発明による別の光学式変位センサは、上部反射手段と下部反射手段からなる垂直共振器を有する垂直共振器型面発光レーザと、前記垂直共振器型面発光レーザと組み合わさって複合共振器を構成する外部反射手段と、前記垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段の間の多重反射により生じる干渉縞の移動を検出する受光素子アレイと、前記受光素子アレイから出力された信号から前記垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段の間の相対的な変位量と変位の向きを検出可能な変位検出手段とを備えている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
〔第一の実施の形態(図1に対応)〕
第一の実施の形態の光学式変位センサの構成を図1に示す。図1に示すように、光学式変位センサは、垂直共振器型面発光レーザ21、外部反射手段22、第一の受光手段23aと第二の受光手段23b、変位検出手段28を有している。垂直共振器型面発光レーザ21と外部反射手段22は組み合わさって複合共振器を構成している。ここで複合共振器とは、垂直共振器型面発光レーザ21の上部反射手段と下部反射手段からなる光学共振器と、垂直共振器型面発光レーザ21の下部反射手段と外部反射手段22からなる光学共振器と、垂直共振器型面発光レーザ21の上部反射手段と外部反射手段22からなる光学共振器とが組み合わさった光学系を意味する。
【0013】
外部反射手段22には、ガラス等の平滑面に金属の蒸着膜等の反射層を設けたものが適している。第一の受光手段23aは、垂直共振器型面発光レーザ21と外部反射手段22との間の相対的な位置変化に起因して生じるレーザ出力の周期的変化を計測し、第二の受光手段23bは、垂直共振器型面発光レーザ21と外部反射手段22の間の多重反射により生じる干渉縞を検出する。第一の受光手段23aと第二の受光手段23bには、シリコンフォトダイオード等の半導体受光素子が適している。受光手段23aと23bは、後述する干渉縞に関して異なる位相の位置に配置されている。変位検出手段28は、第一の受光手段23aと第二の受光手段23bから出力される周期的な出力信号から、垂直共振器型面発光レーザ21と外部反射手段22の間の相対的な位置変化を検知する。
【0014】
垂直共振器型面発光レーザ21からの出力光は、矢印27で模式的に示されるように、垂直共振器型面発光レーザ21と外部反射手段22の間で多重反射する。その一部は垂直共振器型面発光レーザ21に戻り、距離Lで決まる戻り光の位相により垂直共振器型面発光レーザ21のレーザ出力に強弱が生じる。
【0015】
一方、出力光は矢印27で示される多重反射により同心円状の干渉縞を形成する。この干渉縞は、距離Lが変化するに伴い、Lの変化量λ/2(λは出力光の波長)を一周期とし、Lが増加するときには同心円の外側から内側へ移動し、Lが減少するときには同心円の内側から外側へ移動する。第一の受光手段23aと第二の受光手段23bは干渉縞の異なる位相の位置に配置されているので、その出力は略同じ周期で異なる位相の周期的な信号となり、Lの増減に対応して時間軸上での相互の位相の進みと遅れの関係が反転する。
【0016】
図2(A)と図2(B)は、発明者が実験により観察した干渉縞と、その移動の様子を示した模式図である。図2(B)は干渉縞の形状を、図2(A)は干渉縞の直径方向を横軸にとったときの光強度分布を示している。同図から分かるように、Lの増加に伴って干渉縞が外側から内側に移動するのが観察された。ここで、図2(A)のX=X0 とX=X1 の位置(検出出力間の位相差がθ≠nπとなる位置)に配置された第一の受光手段23aと第二の受光手段23bの出力信号をそれぞれ図3(A)と図3(B)に示す。なお、実際の出力信号の波形は、受光手段23aと23b、外部反射手段22、垂直共振器型面発光レーザ21の相互間の位置関係、垂直共振器型面発光レーザ21の構造や駆動条件等によって異なるが、以下の説明では簡単のため略正弦波であるものとする。
【0017】
変位検出手段28は、第一の受光手段23aと第二の受光手段23bからの出力信号に基づいて、垂直共振器型面発光レーザ21と外部反射手段22との間の相対的な変位を検知する。
【0018】
変位の検知には、例えば、xy平面上において、受光手段23aからの出力信号をx軸にとり、受光手段23bからの出力信号をy軸にとって得られる軌跡(リサージュ曲線)を利用する手法が適用できる。この場合、変位方向はプロット点がリサージ曲線上を移動する方向で判断され、変位量はプロット点がリサージュ曲線上を移動した周期数にλ/2を乗じて求められる。
【0019】
あるいは、別の手法として、受光手段23aと23bからの出力信号を二値化して信号処理する手法が適用できる。以下、図4を参照しながら、二値化による信号処理に基づく変位検出手段28の具体例について説明する。図4において、上段は変位検出手段28の構成を示すブロック図であり、下段は処理される波形を模式的に示している。下段の左右は入力される二信号の位相差が逆の場合を比較して表している。
【0020】
変位検出手段28は、第一の二値化回路28a、微分回路28b、第二の二値化回路28c、乗算回路28dを有している。受光手段23aの出力信号は第一の二値化回路28aによって0と1に二値化され、信号Aが得られる。この信号Aは微分回路28bによって時間で微分され、信号Bが得られる。一方、受光手段23bの出力信号は第二の二値化回路28cによって0と1に二値化され、信号Cが得られる。信号Bと信号Cは乗算回路28dによって乗算され、信号Dが得られる。図の左右を比較すると容易に理解できるように、信号Dは、一周期ごとに出力されるパルス信号であり、受光手段23aと23bの出力信号の位相関係に対応する符号を有している。従って、変位方向は信号Dの符号で判断され、変位量はパルス数にλ/2を乗じて求められる。
【0021】
以上の説明から分かるように、本実施形態の光学式変位センサは、垂直共振器型面発光レーザ21と外部反射手段22の間の相対的な変位量(変位の絶対値)のみならず変位方向も検出できる。しかも、外部ミラー移動方向の反転が繰り返された場合でもエラーは発生しない。
【0022】
勿論、この実施の形態の各構成は各種の変形や変更が可能である。例えば、本実施形態では受光手段23aと23bは外部反射手段22の表面に配置されたが、垂直共振器型面発光レーザ21と外部反射手段22の間の空間に配置されても一向に構わない。また、第一の受光手段23aは垂直共振器型面発光レーザ21の光軸上に配置されたが、これ以外の場所に配置されても一向に構わない。さらに、第一の受光手段23aと第二の受光手段23bを一体に形成した光学素子アレイとしてもよい。
【0023】
〔第二の実施の形態(図5に対応)〕
第二の実施の形態の光学式変位センサの構成を図5に示す。第一の実施の形態の部材と同等の部材は同一の符号で示し、その詳しい説明はここでは省略する。
【0024】
本実施形態では、図5に示すように、第一の受光手段23aは垂直共振器型面発光レーザ21の裏面に配置されており、垂直共振器型面発光レーザ21の裏面放射光41を受光する。従って、矢印27で示される多重反射の光路中には第二の受光手段23bのみが配置されている。
【0025】
裏面放射光41は外部反射手段22の移動に伴ってやはり強弱を生じるので、本実施形態においても第一の実施の形態と同様の手法により変位の方向と量が求められる。
【0026】
この実施の形態は第一の実施の形態で得られる効果の他に以下に述べる特有の効果を有する。
第一の実施の形態では第一の受光手段23aを垂直共振器型面発光レーザ21の光軸上に配置したときに最も変調度の高い信号を取り出すことができるが、複合共振器中の光軸上に第一の受光手段23aを配置すると受光手段の縁辺での光線の回折・散乱等によって迷光が生じ、信号レベルの低下を招いたり、出力信号のノイズとなるおそれがある。
【0027】
これに対して、本実施形態の光学式変位センサにおいては複合共振器中の光軸上に受光手段が位置しないので、光量損失が減少し、変調度の大きな出力信号が得られる。
【0028】
〔第三の実施の形態(図6に対応)〕
第三の実施の形態の光学式変位センサの構成を図6に示す。第二の実施の形態の部材と同等の部材は同一の符号で示し、その詳しい説明はここでは省略する。
【0029】
本実施形態では、図6に示すように、外部反射手段22はハーフミラーであり、第二の受光手段23bは外部反射手段22に対して垂直共振器型面発光レーザ21の反対側に配置されており、外部反射手段22を透過した光を受光する。外部反射手段22には、平滑なガラス基板等の光透過性の材料に金属薄膜等を施したものを用いることができる。
【0030】
出力光は矢印27で示される多重反射により干渉縞を形成する。第一の受光手段23aは裏面放射光41を受光し、第二の受光手段23bは外部反射手段22を透過した干渉光を受光する。従って、第二の実施の形態と同様の手法により変位の方向と量を求めることができる。
【0031】
この実施の形態は、第二の実施の形態で得られる効果の他に次のような特有の効果を有する。本実施形態の光学式変位センサでは、複合共振器の光路中に受光手段がいっさい存在しないので、受光手段の縁辺での光の回折により発生する迷光による測定への悪影響を受けることがない。
【0032】
また、次のような別の効果も有する。第一と第二の実施の形態においては受光手段23aまたは受光手段23bと変位検出手段28を接続するための電気配線を外部反射手段22に対して設ける必要がある。このとき、外部反射手段22と垂直共振器型面発光レーザ21の間の相対的な変位を測定するためには、外部反射手段22の垂直共振器型面発光レーザ21に対する相対的な変位を妨げないために、この電気配線はフレキシブル配線部材等の柔軟な配線部材が望ましい。しかし、このような配線部材を選択した場合であっても配線部材の曲げ弾性等に起因する抵抗力が作用し、外部反射手段22の変位を物理的に妨害したり、外部反射手段22にたわみ等の変形を生じさせたりする可能性がある。その結果、測定対象物の変位が正確に測定できなくなるおそれがある。つまり、一般の光学式変位測定が本来有する非接触センシングの利点の一部が損なわれる場合が生じ得る。これに対して、本実施の形態では外部反射手段22に電気配線を付与する必要がないため、電気配線部材による外部反射手段22の移動に対する物理的な妨害等が生じず、正確な変位測定が行なえる。
【0033】
〔第四の実施の形態(図7に対応)〕
第四の実施の形態の光学式変位センサの構成を図7に示す。第三の実施の形態の部材と同等の部材は同一の符号で示し、その詳しい説明はここでは省略する。
【0034】
本実施形態では、図7に示すように、外部反射手段22は基板22aとハーフミラー層22bとからなっている。また、基板22aの中に第二の受光手段23bが形成されている。このような外部反射手段22は半導体製造プロセスによって作製可能である、例えば、基板22aには表面が鏡面状のシリコン基板を使用し、その一部にフォトダイオードを形成して受光手段23bとし、その上層に窒化シリコン薄膜等の光透過性の電気絶縁層を介して金属蒸着薄膜等のハーフミラー層22bを形成して得られる。
【0035】
この実施の形態は、第三の実施の形態と同様の効果の他に、次のような特有の効果を有する。外部反射手段22と第二の受光手段23bを一体的に製作できるので、部品数が少なく、組立が容易である。
【0036】
なお、この発明の実施の各構成は各種の変更が可能である。例えば、第一の受光手段23aと第二の受光手段23bを共に基板22aに製作した場合も同様の利点が得られる。
【0037】
〔第五の実施の形態(図8に対応)〕
第五の実施の形態の光学式変位センサの構成を図8に示す。第四の実施の形態の部材と同等の部材は同一の符号で示し、その詳しい説明はここでは省略する。
【0038】
本実施形態では、図8に示すように、垂直共振器型面発光レーザ21と同一基板に第一の受光手段23aと第二の受光手段23bが形成されている。このような構造体はフォトリソグラフィー等の半導体製造プロセスによって作製可能である。
【0039】
本実施形態は次に述べる特有の効果を有する。垂直共振器型面発光レーザ21と第一の受光手段23aと第二の受光手段23bを同一基板に形成することにより、部品数が少なくなり、組立工程が簡略化され、製造コストが低減される。また、垂直共振器型面発光レーザ21と第一の受光手段23aと第二の受光手段23bは半導体製造技術によって高い位置精度で基板に形成されるため、組立時に相互の位置関係の調整が不要である。
【0040】
本実施形態では、第一の受光手段23aと第二の受光手段23bを共に垂直共振器型面発光レーザ21の基板に形成したが、これらのいずれか一方のみを基板に形成した場合も同様の利点が得られる。
【0041】
〔第六の実施の形態(図9に対応)〕
第六の実施の形態の光学式変位センサの構成を図9に示す。図9に示すように、光学式変位センサは、垂直共振器型面発光レーザ21、外部反射手段22、一次元の受光素子アレイ81、変位検出手段82を有している。
【0042】
垂直共振器型面発光レーザ21と外部反射手段22は組み合わさって複合共振器を構成している。ここで複合共振器とは、垂直共振器型面発光レーザ21の上部反射手段と下部反射手段からなる光学共振器と、垂直共振器型面発光レーザ21の下部反射手段と外部反射手段22からなる光学共振器と、垂直共振器型面発光レーザ21の上部反射手段と外部反射手段22からなる光学共振器とが組み合わさった光学系を意味する。
【0043】
受光素子アレイ81は外部反射手段22に設けられており、外部反射手段22の表面に形成される干渉縞の間隔に比べて十分に小さい間隔で並んだ多数の受光素子を有し、例えば図2(A)のX0 ≦X≦X1 に相当する範囲を延びている。受光素子アレイ81には、例えばCCD(電荷結合デバイス)ラインセンサ等が使用される。
【0044】
第一の実施の形態に関して図2(A)と図2(B)を用いて説明したように、外部反射手段22の表面に形成される同心円状の干渉縞は外部反射手段22の移動に伴って移動し、しかも、外部反射手段22が垂直共振器型面発光レーザ21から遠ざかるときには干渉縞は周囲から中心へ、近づくときには中心から周囲へと移動する。
【0045】
受光素子アレイ81は、外部反射手段22の表面に形成される干渉縞の明暗分布を検知し、図2(A)のX0 ≦X≦X1 の範囲に相当する波形信号を出力する。変位検出手段82はこの波形信号から干渉縞の移動を検知し、垂直共振器型面発光レーザ21と外部反射手段22との間の相対的な変位を検知する。
【0046】
以下、図10を参照しながら、変位検出手段82の具体例について説明する。図10において、上段は変位検出手段82の構成を示すブロック図であり、下段は処理される信号の波形を模式的に示している。下段の左右は干渉縞の移動の向きが逆の場合を比較して表している。
【0047】
時間T=T0 の時点において受光素子アレイ81からの信号が入力され、信号波形記憶装置82aに記憶される。この波形の横軸は受光素子アレイ81の受光面の位置に対応したものであり、この位置をXで表す。この信号波形は、ピーク検出回路82bに送られて処理され、ピーク位置P1 、P2 、P3 が検出され、ピーク位置で立ち上がるパルスを有する信号Aが得られる。このピーク位置はピーク位置記憶装置82cにより記憶される。一方、信号波形記憶装置82aに記憶された信号波形は、微分回路82dに送られて位置Xで微分され、信号Bが得られる。この信号Bはさらに二値化反転回路82gにより+1と−1に二値化されるとともに正負の符号が反転され、信号Cが得られる。
【0048】
次いで時間T=T1 =T0 +ΔTの時点において受光素子アレイ81からの信号が入力され、信号波形記憶装置82aに記憶される。この信号波形は、ピーク検出回路82bに送られて処理され、ピーク位置P4 、P5 、P6 が検出され、ピーク位置で立ち上がるパルスを有する信号Dが得られる。
【0049】
ここで、信号Cと信号Dを乗算回路82eで乗算することにより、波形の移動方向に応じた符号を有する信号Eが得られる。この符号を符号検出回路82hで検出することにより、波形の移動方向に対応した符号が得られる。図10においては、右に移動するときはプラス、左に移動するときはマイナスの符号が得られる。
【0050】
減算回路82fは、ピーク位置記憶装置82cに記憶されたT=T1 におけるピーク位置からT=T0 におけるピーク位置を減算し、これにより符号を含めたピーク移動量すなわち干渉縞の移動量を算出する。この際、符号検出回路82hの出力に応じて、波形の移動方向が右側の時には、T=T0 の時のピーク位置Pm に対してPm <Pn の条件を満たす最小の、T=T1 の時のピーク位置Pn を選択してPn −Pm を演算すればよい。また、波形の移動方向が左側の時には、T=T0 の時のピーク位置Pm に対してPm >Pn の条件を満たす最大の、T=T1 の時のピーク位置Pn を選択してPn −Pm を演算すればよい。この減算は、任意の一つのピークに関して行なってもよいが、複数のピークに関して算出して平均を取ってもよい。
【0051】
このように、変位検出手段82は符号を含めたピーク移動量すなわち干渉縞の移動量を算出する。さらに、受光素子アレイ81は干渉縞の間隔に対して厳密に位置合わせを行う必要がないので、光学式変位センサを製造する際の組立・調整が容易である。
【0052】
勿論、この実施の形態の各構成は種々の変形や変更が可能である。
例えば、本実施形態では干渉縞の移動量を検出する手法により変位量を検出したが、受光素子アレイ81を構成する受光素子中の特定の一つの受光素子からの出力信号に着目し、その周期的な変化から変位量を検出してもよい。
【0053】
また、本実施形態では干渉縞の移動方向を検出する手法により変位方向を検出したが、受光素子アレイ81を構成する受光素子中の特定の二つの受光素子から出力される位相差を持った信号に着目し、第一の実施の形態と同じ手法により変位方向を検出してもよい。
【0054】
〔第七の実施の形態(図11に対応)〕
第七の実施の形態の光学式変位センサの構成を図11に示す。第六の実施の形態の部材と同等の部材は同一の符号で示し、その詳しい説明はここでは省略する。
【0055】
本実施形態では、図11に示すように、外部反射手段22はハーフミラーであり、受光素子アレイ81は外部反射手段22に対して垂直共振器型面発光レーザ21の反対側に配置されており、外部反射手段22を透過した光を受光する。変位の方向と量は第六の実施の形態と同じ手法により求められる。
【0056】
本実施形態は、第六の実施の形態の効果の他に、以下に述べる特有の効果を有する。本実施の形態の光学式変位センサは、複合共振器の光路中に受光素子アレイが存在しないので、受光素子アレイの縁辺での光の回折により発生する迷光による測定への悪影響が回避される。また、外部反射手段22に電気配線を設ける必要がないため、第三の実施の形態と同様に、電気配線による外部反射手段22の移動に対する物理的な妨害等が生じることはなく、正確な変位測定が行なえる。
【0057】
〔第八の実施の形態(図12に対応)〕
第八の実施の形態の光学式変位センサの構成を図12に示す。第七の実施の形態の部材と同等の部材は同一の符号で示し、その詳しい説明はここでは省略する。
【0058】
本実施形態では、図12に示すように、外部反射手段22は基板22aとハーフミラー層22bとからなっている。また、基板22aには第四の実施の形態と同様の手法により受光素子アレイ81が形成されている。変位の方向と量は第六の実施の形態と同じ手法により求められる。
【0059】
本実施形態は、第七の実施の形態の効果の他に、次に述べる特有の効果を有する。外部反射手段22と受光素子アレイ81が一体的に作製されるので、部品数が少なくなり、組立が容易になる。
【0060】
〔第九の実施の形態(図13に対応)〕
第九の実施の形態の光学式変位センサの構成を図13に示す。第六の実施の形態の部材と同等の部材は同一の符号で示し、その詳しい説明はここでは省略する。
【0061】
本実施形態では、図13に示すように、垂直共振器型面発光レーザ21と同一基板に受光素子アレイ81が形成されている。受光素子アレイ81は、垂直共振器型面発光レーザ21の基板に容易に製作できるフォトダイオードアレイが適している。このような受光素子アレイは半導体製造プロセスによって製作可能である。
【0062】
本実施形態は、次のような特有の効果を奏する。垂直共振器型面発光レーザ21と受光素子アレイ81を同一基板上に形成することにより、部品数が少なくなり、組立工程が簡略化され、製造コストが低減される。
【0063】
〔第十の実施の形態(図14に対応)〕
第十の実施の形態の光学式変位センサの構成を図14に示す。第六の実施の形態の部材と同等の部材は同一の符号で示し、その詳しい説明はここでは省略する。
【0064】
本実施形態の光学式変位センサは、図14に示すように、垂直共振器型面発光レーザ21の裏面放射光41を受光する変位量検出用受光手段101と、受光素子アレイ81と受光手段101の出力信号から垂直共振器型面発光レーザ21と外部反射手段22との間の相対的な変位を検知する変位検出手段102を有している。変位量検出用受光手段101には例えばPIN型フォトダイオード(P型半導体とN型半導体の間に高抵抗層を形成したフォトダイオード)等の高速応答型の受光素子が適している。
【0065】
変位検出手段102は、変位速度が所定速度以上のときは、受光手段101の出力する周期的な信号から変位量を検知するが、変位方向は一定であるので、変位方向の検知は行わない。反対に、変位速度が所定速度以下のときは、変位検出手段102は、受光手段101の出力する周期的な信号から変位量を検知すると共に、変位方向が変わる可能性があるので、第六の実施の形態と同じ手法により受光素子アレイ81の出力信号から変位方向を検知する。ここで述べた変位速度は受光手段101の出力信号から検知される変位量を時間微分することで容易に得られる。
【0066】
変位方向が反転する際およびその前後の時刻では必然的に変位速度は0(ゼロ)および0(ゼロ)近傍(すなわち比較的低速)になるので、変位検出手段102は変位方向を正しく検出できる。これにより、受光素子アレイ81の動作速度を上回る高速な変位や、変位検出手段102が変位方向検知に要する信号処理速度を上回る高速な変位に対しても変位検知可能な、高速で動作する光学式変位センサを提供できる。本実施形態において変位方向の反転が繰り返された場合にも正確な測定が行われるのは言うまでもない。
【0067】
本発明は、上述の実施の形態に何等限定されるものではない。発明の要旨を逸脱しない範囲で行なわれる実施は、すべて本発明に含まれる。
本発明は以下の各項に記した技術思想を含んでいる。
【0068】
1.
[構成]上部反射手段と下部反射手段からなる垂直共振器を有する垂直共振器型面発光レーザと、
この垂直共振器型面発光レーザと組み合わさって複合共振器を構成する外部反射手段と、
第一の受光手段と、
前記第一の受光手段の出力信号に対して所定の位相差を有する出力信号を出力する第二の受光手段とを有し、
前記第一及び第二の受光手段からそれぞれ出力される周期的な出力信号から前記垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段との間の相対的な変位を検出する変位検出手段を備えていることを特徴とする光学式変位センサ。
【0069】
[対応する実施の形態]第一、第二、第三、第四、第五の実施の形態が対応する。なお、「複合共振器」とは、上部反射手段と下部反射手段からなる光学共振器と、外部反射手段と下部反射手段及び上部反射手段からなる光学共振器が組み合わされた形態の光学系を意味する。
【0070】
[作用]第一及び第二の受光手段によって垂直共振器型面発光レーザと外部反射手段との間の相対的な変位に応じた周期的かつ相互に所定の位相差を有する二つの出力信号を検出し、それらの信号から変位検出手段によって相対的な変位を検出する。
【0071】
[効果]周期的かつ相互に所定の位相差を有する二つの出力信号から変位を検出するので、高精度で安定した測定の可能な光学式変位センサを提供できる。
2.
[構成]第1項の光学式変位センサにおいて、前記変位検出手段が変位方向の検出を行うことを特徴とする光学式変位センサ。
【0072】
[対応する実施の形態]第一、第二、第三、第四、第五の実施の形態が対応する。「変位方向の検出」とは、垂直共振器型面発光レーザと外部反射手段との距離が増加しているのか減少しているのかを検出することを意味する。
【0073】
[作用効果]第一及び第二の受光手段によって位置変化量の増減に応じて相互の位相関係の変化する周期的信号を検出し、変位検出手段によってそれらの周期的な信号の位相関係から相対的な変位方向を検出するので、変位方向が反転した場合にも正確な変位量を測定できる。
【0074】
3.
[構成]第1項、第2項記載の光学式変位センサにおいて、前記第一の受光手段及び第二の受光手段の二つの受光手段の内、一方の受光手段を前記垂直共振器型面発光レーザの光軸上に配置し、他方の受光手段を前記垂直共振器型面発光レーザと外部反射手段の間の多重反射により生じる干渉縞の一部を検出するように前記垂直共振器型面発光レーザの光軸外に配置したことを特徴とする光学式変位センサ。
【0075】
[対応する実施の形態]第一、第二、第三、第四の実施の形態が対応する。
[作用効果]第一の受光手段は、垂直共振器型面発光レーザの光軸上に配置されるので、レーザ光の強度分布の最大ピーク周辺の光を受光し、強度の大きな、すなわち振幅の大きな信号を出力する。従って、電磁ノイズ等の外乱に対して耐性の高い光学式変位センサが得られる。
【0076】
4.
[構成]第3項の光学式変位センサにおいて、
前記垂直共振器型面発光レーザが両面出射型の垂直共振器型面発光レーザであり、
前記第一の受光手段が前記垂直共振器型面発光レーザに対して前記外部反射手段と反対側に配置されていることを特徴とする光学式変位センサ。
【0077】
[対応する実施の形態]第二、第三、第四の実施の形態が対応する。
[作用効果]少なくとも一つの受光手段が複合共振器の外に配置されるため、複合共振器中の光量損失が減少し、強度の大きな変位出力信号が得られる。そのため、電磁ノイズ等の外乱に対して耐性の高い光学式変位センサが提供できる。また、少なくとも一つの受光手段が複合共振器の外に配置されることにより、複合共振器中に受光手段を配置した場合に生じる回折光等の有害な迷光が軽減もしくは排除される。
【0078】
5.
[構成]第1項、第2項の光学式変位センサにおいて、
前記第一の受光手段が前記垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段との間の多重反射により生じる干渉縞の第一の部分を受光する垂直共振器型面発光レーザであり、
前記第二の受光手段が前記干渉縞の前記第一の部分と異なる第二の部分を受光する受光手段であることを特徴とする光学式変位センサ。
【0079】
[対応する実施の形態]第一、第五の実施の形態が対応する。
[作用効果]干渉縞上の第一及び第二の受光手段が受光する部分を適宜選択することによって垂直共振器型面発光レーザと外部反射手段との間の相対的な位置の変化の方向に応じて相互の位相関係の変化する周期的信号を検出することができる。変位検出手段によってそれらの周期的な信号の位相関係から相対的な変位方向を検出するので、変位方向が反転した場合にも正確な変位量を測定することの可能な光学式変位センサが得られる。
【0080】
6.
[構成]第1項、第2項、第3項、第4項、第5項の光学式変位センサにおいて、前記所定の位相差がθ≠nπ(θは位相差、nは整数)であることを特徴する光学式変位センサ。
【0081】
[対応する実施の形態]第一、第二、第三、第四、第五の実施の形態が対応する。
[作用効果]第一及び第二の受光手段が出力する信号の位相差をθ≠nπ(θは位相差、nは整数)とすることで、相互の位相関係による変位方向検出が可能となり、変位方向が反転した場合にも正確な変位量を測定できる。
【0082】
7.
[構成]第1項、第2項、第3項、第5項、第6項の光学式変位センサにおいて、第一及び第二の受光手段が一体に形成された受光素子アレイを有することを特徴とする光学式変位センサ。
【0083】
[対応する実施の形態]第一、第五の実施の形態が対応する。
[作用効果]第一及び第二の受光手段が一体に形成された受光素子アレイを有する構成とすることによって、センサの部品数が削減され、調整が容易で極めて簡単な構成の光学式変位センサが提供できる。
【0084】
8.
[構成]第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第6項、第7項の光学式変位センサにおいて、
前記外部反射手段は光の一部を透過するハーフミラーであり、
前記第一及び第二の受光手段の少なくともひとつの受光手段が前記ハーフミラーに対して前記垂直共振器型面発光レーザと反射側に配置されていることを特徴とする光学式変位センサ。
【0085】
[対応する実施の形態]第三、第四の実施の形態が対応する。
[作用効果]少なくとも一つの受光手段が複合共振器の外に配置されることにより、複合共振器中に受光手段を配置した場合に生じる回折光等の有害な迷光が軽減もしくは排除される。
【0086】
9.
[構成]第8項の光学式変位センサにおいて、
同一基板中の上層に前記ハーフミラーが形成され、
下層に第一及び第二の受光手段の少なくともひとつの受光手段が形成されていることを特徴とする光学式変位センサ。
【0087】
[対応する実施の形態]第四の実施の形態が対応する。
[作用効果]ハーフミラーと受光手段が同一基板中に形成されることにより、センサの部品数が少なくなり、調整が容易で極めて簡単な構成の光学式変位センサが得られる。
【0088】
10.
[構成]第1項、第2項、第5項、第6項、第7項の光学式変位センサにおいて、前記第一及び第二の受光手段の少なくともひとつの受光手段が前記垂直共振器面発光レーザと同一基板上に形成されていることを特徴とする光学式変位センサ。
【0089】
[対応する実施の形態]第五の実施の形態が対応する。
[作用効果]垂直共振器型面発光レーザと受光手段が同一基板中に形成されていることによって、センサの部品数が少なくなり、調整が容易で極めて簡単な構成の光学式変位センサが得られる。
【0090】
11.
[構成]上部反射手段と下部反射手段からなる垂直共振器を有する垂直共振器型面発光レーザと、
この垂直共振器型面発光レーザと組み合わさって複合共振器を構成する外部反射手段と、
前記垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段との間の多重反射により生じる干渉縞の明暗の分布を検出する受光素子アレイと、
前記受光素子アレイから出力された信号から前記垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段との間の相対的な変位を検出する変位検出手段を備えていることを特徴とする光学式変位センサ。
【0091】
[対応する実施の形態]第六、第七、第八、第九の実施の形態が対応する。「受光素子アレイ」は、実施の形態の中の一次元の受光素子アレイ81が該当するが、二次元の受光素子アレイであってもよい。
【0092】
[作用]受光素子アレイによって垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段との間の多重反射により生じる干渉縞の明暗の分布を検出し、その信号から変位検出手段によって相対的な変位を検出する。
【0093】
[効果]干渉縞の明暗の分布を検知して相対的な変位を検出するので、例えば電源変動による垂直共振器型面発光レーザの出力変化等の外乱の影響を受けにくい光学式変位センサが得られる。
【0094】
12.
[構成]第11項の光学式変位センサにおいて、前記変位検出手段が変位方向の検出を行うことを特徴とする光学式変位センサ。
[対応する実施の形態]第六、第七、第八、第九の実施の形態が対応する。
【0095】
[作用効果]変位検出手段が干渉縞の明暗の分布から相対的な変位方向を検出するので、変位方向が反転した場合にも正確な変位を測定できる。
13.
[構成]第12項の光学式変位センサにおいて、
前記垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段との間の相対的な変位によって生じる周期的な光出力の変化を検出する変位量検出用受光手段を備え、
前記変位検出手段が前記受光素子アレイによって出力される信号から変位方向の検出を行うとともに、前記変位検出手段が前記変位量検出用受光手段によって検出された周期的な光出力の変化によって変位量を検出することを特徴とする光学式変位センサ。
【0096】
[対応する実施の形態]第十の実施の形態が対応する。変位量検出用受光手段には垂直共振器型面発光レーザ21の裏面放射光41を受光する受光手段101が対応するが、これに限らず、例えば受光素子アレイ81と一体に形成されたものであってもよい。
【0097】
[作用効果]垂直共振器型面発光レーザと外部反射手段との間の距離が一様に増加もしくは減少する際には、変位量検出用受光手段から出力される周期的な出力信号から相対的な変位量を検出するので、受光素子アレイから変位検出手段に信号を転送する速度や変位検出手段が干渉縞の明暗の分布から相対的な変位量を検出する信号処理速度に制限されることなく、高速な変位量検出が可能になる。一方、垂直共振器型面発光レーザと外部反射手段との間の変位方向が反転する際およびその前後の時刻では必然的に変位速度は0(ゼロ)および0(ゼロ)近傍(すなわち比較的低速)になるので、第12項と同様に変位検出手段が干渉の明暗の分布から相対的な変位方向を検出する。よって、変位方向が反転した場合にも正確な変位を測定できる。したがって、第12項の構成で得られる効果に加えて、高速時にも正確な変位検出が可能になるという特有の効果を有する。
【0098】
14.
[構成]第13項の光学式変位センサにおいて、前記変位量検出用受光手段が高速応答受光素子であることを特徴とする光学式変位センサ。
[対応する実施の形態]第十の実施の形態が対応する。
【0099】
[作用効果]変位量検出用受光手段が高速応答受光素子であることにより、高速な変位に対しても正確な出力信号が得られるので、高速な変位の測定に好適な光学式変位センサが得られる。
【0100】
15.
[構成]第11項、第12項、第13項の光学式変位センサにおいて、
前記外部反射手段は光の一部を透過するハーフミラーであり、
前記受光素子アレイが前記ハーフミラーに対して前記垂直共振器型面発光レーザと反対側に配置されていることを特徴とする光学式変位センサ。
【0101】
[対応する実施の形態]第七、第八の実施の形態が対応する。
[作用効果]複合共振器の外に受光素子アレイが配置されることにより、複合共振器中に受光素子アレイを配置した場合に生じる回折光等の有害な迷光が排除される。
【0102】
16.
[構成]第15項の光学式変位センサにおいて、
同一基板中の上層に前記ハーフミラーが形成され、
下層に前記受光素子アレイが形成されていることを特徴とする光学式変位センサ。
【0103】
[対応する実施の形態]第八の実施の形態が対応する。
[作用効果]ハーフミラーと受光素子アレイが同一基板中に形成されていることにより、センサの部品数が少なくなり、調整が容易で極めて簡単な構成の光学式変位センサが得られる。
【0104】
17.
[構成]第11項、第12項、第13項の光学式変位センサにおいて、
前記受光素子アレイが前記垂直共振器型面発光レーザと同一基板上に形成されていることを特徴とする光学式変位センサ。
【0105】
[対応する実施の形態]第九の実施の形態が対応する。
[作用効果]垂直共振器型面発光レーザと受光素子アレイが同一基板中に形成されていることにより、センサの部品数が少なくなり、調整が容易で極めて簡単な構成の光学式変位センサが得られる。
【0106】
【発明の効果】
本発明によれば、対象物の変位の方向と量を常に正確に測定できる、極めて簡単な構成で高精度な変位測定が可能なコンパクトな光学式変位センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の光学式変位センサの構成を示す。
【図2】実験により観察した干渉縞とその移動の様子を示す模式図であり、干渉縞の一断面の光強度分布(A)と干渉縞の形状(B)を示す。
【図3】図2は、X=X0 に配置された第一の受光手段の出力信号とX=X1 の位置に配置された第二の受光手段の出力信号を示し、同図(A)は距離Lが減少するとき、同図(B)は距離Lが増加するときを示す。
【図4】図1の光学式変位センサの変位検出手段の具体例を説明するための図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態の光学式変位センサの構成を示す。
【図6】本発明の第三の実施の形態の光学式変位センサの構成を示す。
【図7】本発明の第四の実施の形態の光学式変位センサの構成を示す。
【図8】本発明の第五の実施の形態の光学式変位センサの構成を示す。
【図9】本発明の第六の実施の形態の光学式変位センサの構成を示す。
【図10】図9の光学式変位センサの変位検出手段の具体例を説明するための図である。
【図11】本発明の第七の実施の形態の光学式変位センサの構成を示す。
【図12】本発明の第八の実施の形態の光学式変位センサの構成を示す。
【図13】本発明の第九の実施の形態の光学式変位センサの構成を示す。
【図14】本発明の第十の実施の形態の光学式変位センサの構成を示す。
【図15】特開平7−55423号に開示されている光学式変位センサを示す。
【符号の説明】
21 垂直共振器型面発光レーザ
22 外部反射手段
23a,23b 受光手段
28 変位検出手段
Claims (15)
- 上部反射手段と下部反射手段からなる垂直共振器を有する垂直共振器型面発光レーザと、
前記垂直共振器型面発光レーザと組み合わさって複合共振器を構成する外部反射手段と、
前記複合共振器の内部または外部に配置され、前記垂直共振器型面発光レーザから出射した光の特定部分を検出する第一の受光手段と、
前記複合共振器の内部または外部に配置されるとともに、前記垂直共振器型面発光レーザから出射した光の前記特定部分とは異なる位置に配置されて、前記第一の受光手段の出力信号に対して所定の位相差を持つ信号を出力する第二の受光手段と、
前記第一の受光手段と前記第二の受光手段から出力される周期的な出力信号から前記垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段の間の相対的な変位量と変位の向きを検出可能な変位検出手段とを備えている光学式変位センサ。 - 請求項1に記載の光学式変位センサにおいて、前記第一の受光手段及び前記第二の受光手段の二つの受光手段の内、一方の受光手段を前記垂直共振器型面発光レーザの光軸上に配置し、他方の受光手段を前記垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段の間の多重反射により生じる干渉縞の一部を検出するように前記垂直共振器型面発光レーザの光軸外に配置したことを特徴とする光学式変位センサ。
- 請求項2に記載の光学式変位センサにおいて、前記垂直共振器型面発光レーザが両面出射型の垂直共振器型面発光レーザであり、前記第一の受光手段が前記垂直共振器型面発光レーザに対して前記外部反射手段と反対側に配置されていることを特徴とする光学式変位センサ。
- 請求項1に記載の光学式変位センサにおいて、前記第一の受光手段が前記垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段との間の多重反射により生じる干渉縞の第一の部分を受光する垂直共振器型面発光レーザであり、前記第二の受光手段が前記干渉縞の第一の部分と異なる第二の部分を受光する受光手段であることを特徴とする光学式変位センサ。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の光学式変位センサにおいて、所定の位相差がθ≠nπ(θは位相差、nは整数)であることを特徴する光学式変位センサ。
- 請求項1、請求項2、請求項4、請求項5のいずれか1つに記載の光学式変位センサにおいて、前記第一及び第二の受光手段が一体に形成された受光素子アレイを有することを特徴とする光学式変位センサ。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の光学式変位センサにおいて、前記外部反射手段は光の一部を透過するハーフミラーであり、前記第一及び第二の受光手段の少なくともひとつの受光手段がハーフミラーに対して前記垂直共振器型面発光レーザと反射側に配置されていることを特徴とする光学式変位センサ。
- 請求項7に記載の光学式変位センサにおいて、同一基板中の上層に前記ハーフミラーが形成され、下層に前記第一及び第二の受光手段の少なくともひとつの受光手段が形成されていることを特徴とする光学式変位センサ。
- 請求項1、請求項4乃至請求項6のいずれか1つに記載の光学式変位センサにおいて、前記第一及び第二の受光手段の少なくともひとつの受光手段が前記垂直共振器面発光レーザと同一基板上に形成されていることを特徴とする光学式変位センサ。
- 上部反射手段と下部反射手段からなる垂直共振器を有する垂直共振器型面発光レーザと、
前記垂直共振器型面発光レーザと組み合わさって複合共振器を構成する外部反射手段と、
前記垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段の間の多重反射により生じる干渉縞の移動を検出する受光素子アレイと、
前記受光素子アレイから出力された信号から前記垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段の間の相対的な変位量と変位の向きを検出可能な変位検出手段とを備えている光学式変位センサ。 - 請求項10に記載の光学式変位センサにおいて、前記垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段との間の相対的な変位によって生じる周期的な光出力の変化を検出する変位量検出用受光手段を備え、前記変位検出手段が前記受光素子アレイによって出力される信号から変位方向の検出を行うとともに、前記変位検出手段が前記変位量検出用受光手段によって検出された周期的な光出力の変化によって変位量を検出することを特徴とする光学式変位センサ。
- 請求項11に記載の光学式変位センサにおいて、前記変位量検出用受光手段が高速応答受光素子であることを特徴とする光学式変位センサ。
- 請求項10または請求項11に記載の光学式変位センサにおいて、前記外部反射手段は光の一部を透過するハーフミラーであり、前記受光素子アレイが前記ハーフミラーに対して前記垂直共振器型面発光レーザと反対側に配置されていることを特徴とする光学式変位センサ。
- 請求項13に記載の光学式変位センサにおいて、同一基板中の上層に前記ハーフミラーが形成され、下層に前記受光素子アレイが形成されていることを特徴とする光学式変位センサ。
- 請求項10または請求項11に記載の光学式変位センサにおいて、前記受光素子アレイが前記垂直共振器型面発光レーザと同一基板上に形成されていることを特徴とする光学式変位センサ。
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