JP2001343256A - 光学式エンコーダ - Google Patents

光学式エンコーダ

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JP2001343256A
JP2001343256A JP2000165882A JP2000165882A JP2001343256A JP 2001343256 A JP2001343256 A JP 2001343256A JP 2000165882 A JP2000165882 A JP 2000165882A JP 2000165882 A JP2000165882 A JP 2000165882A JP 2001343256 A JP2001343256 A JP 2001343256A
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scale
photodetector
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pattern
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Takeshi Ito
毅 伊藤
Eiji Yamamoto
英二 山本
Jun Hane
潤 羽根
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、光検出器からの出力信号を理想的な
出力波形となるように出力信号波形を制御するととも
に、小型で低コストに製造できる光学式エンコーダを提
供する。 【解決手段】本発明の一態様によると、光源と、上記光
源から射出する光ビームを横切るように変位し、かつ、
前記光ビームに照射される所定周期の光学パターンを形
成したスケールと、前記光学パターンを経由した前記光
ビームを受光して、前記光学パターンによって生じた明
暗パターンを検出する光検出器とを具備し、前記光検出
器は受光エリアの実効的な受光感度分布が不均一である
ことを特徴とする光学式エンコーダが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学式エンコーダに
係り、特に、光学的手段を用いて光学的に変位をセンシ
ングする光学式エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、工作機械のステージや3次元計測
定器などにおいては、直線方向変位量を検出するため
の、また、サーボモータなどにおいては、回転角を検出
するための、光学式や磁気式などのいわゆるエンコーダ
が利用されている。
【0003】光学式エンコーダは、一般的に、ステージ
等変位を検出しようとする部材に固定されたスケール
と、このスケールの変位を検出するためのセンサヘッド
とによって構成されている。
【0004】センサヘッドは、スケールに光を照射する
発光部と、スケールにより透過、回折または反射された
光ビームを検出するための受光エリアとを有しており、
受光した光信号の変化によってスケールの移動を検出し
ている。
【0005】第1の従来技術として、代表的な光学式エ
ンゴーダについて、図1を用いて説明する。
【0006】図1は、レンズなどの光学部品を必要とし
ない小型・低コストなエンコーダの一例として、面発光
レーザと反射型スケールを用いた従来技術によるレーザ
エンコーダを示す構成図である。
【0007】この面発光レーザと反射型スケールを用い
たレーザエンコーダについては、例えば、論文「面発光
型半導体レーザーを用いたマイクロエンコーダー」(山
本英二,〜光学27巻6号(1998))に記載されて
いる。
【0008】このエンコーダは、図1に示すように、反
射型のスケール20とセンサヘッド30とで構成されて
いる。
【0009】スケール20の表面には、光源である面発
光レーザ32から出射される光ビームの反射率が周期的
に変化するようにパターンが形成されている。
【0010】このパターンは、例えば、ガラス等の透明
な部材の表面にアルミニウム等反射率の高い部材をパタ
ーニングすることにより形成されている。
【0011】センサヘッド30は、光源32と光検出器
34が共に基材36に固定されて構成されており、光源
32と光検出器34の相対的な位置関係は一定に保たれ
ている。
【0012】スケール20は、ステージ(図示せず)等
と連動してセンサヘッド30に対して、相対的に、図1
の紙面に垂直な方向に往復運動し、センサヘッド30は
この移動をスケール20からの反射光の強度変化から検
出する。
【0013】面発光レーサ32から出射された光ビーム
は、スケール20により反射され、この反射光が光検出
器34により受光される。
【0014】スケール20上のパタ一ンは、その反射率
が周期的に変化するように形成されているため、光検出
器34により受光される反射光の強度変化からスケール
の変位量を検出することができる。
【0015】次に、第2の従来技術として、コヒーレン
ト光源と回折格子スケールを用いた従来技術によるレ一
ザエンコーダについて説明する。
【0016】図2は、レンズなどの光学部品を必要とし
ない小型・低コストなエンコーダの一例であるレーザエ
ンコーダを示す構成図である。
【0017】このコヒーレント光源と回折格子スケール
を用いたレーザエンコーダについては、例えば、「コパ
ル:ロータリエンコーダカタログ」に記載されている。
【0018】すなわち、このレーザエンコーダは、図2
に示すように、コヒーレント光源1である半導体レーザ
から出射したレーザビームを透過型の回折格子スケール
2に照射し、これにより生成される回折干渉パターン1
3の特定部分が一定間隔p2の透過スリット53を通過
して光検出器3により検出されるように構成されてい
る。
【0019】この第2の従来例の動作について、図3を
用いて説明する。
【0020】図3に示すように、各構成パラメータを以
下のように定義する。
【0021】z1:光源と、スケール上の回折格子を形
成した面の間隔、 z2:スケール上の回折格子を形成した面と、光検出器
の間隔、 p1:スケール上の回折格子のピッチp2:光検出器の
受光面上の、回折干渉バターンのピッチ。
【0022】なお、「スケール上の回折格子のピッチ」
とは、スケール上に形成される光学特性が変調されたパ
ターンの空間的な周期を意味する。
【0023】また、「光検出器の受光面上の回折パター
ンのピッチ」とは、受光面上に生成された回折パターン
の強度分布の空間的な周期を意味する。
【0024】ところで、光の回折理論によると、上記の
ように定義されるz1、z2が以下の(1)式に示す関
係を満たすような特定の関係にあるときには、スケール
の回折格子パターンと相似な強度パターンが光検出器の
受光面上に生成される。
【0025】 (1/z1)+(1/z2)=λ/kp12 …(1) ここで、λは光源から出射される光ビームの波長、kは
整数である。
【0026】このときには、受光面上の回折干渉パター
ンのピッチp2は、他の構成パラメータを用いて以下の
(2)式に示すように表すことができる。
【0027】 p2=p1(z1+z2)/z1 …(2) 前記光源に対して、前記スケールが回折格子のピッチ方
向に変位すると、同じ空間周期を保った状態で、回折干
渉パターンの強度分布がスケールの変位する方向に移動
する。
【0028】従って、光検出器の受光エリア4の空間周
期p20をp2と同じ値に設定すれば、スケールがピッ
チ方向にp1だけ移動する毎に光検出器から周期的な強
度信号が得られるので、スケールのピッチ方向の変位量
を検出することができる。
【0029】次に、これら従来技術における、出力信号
の分割による、分解能の向上方法について以下に述べ
る。
【0030】上記、第1、第2の従来技術を含め、一般
のエンコーダでは、図4の(b)に示すように、移動量
に加えて変位方向の検出を行う目的で、90度の位相差
を有する2つの信号である、A相、B相の信号を出力す
るのが普通である。
【0031】これら2つの信号をx,y表示すると、図
4の(a)に示すようなリサージュ図形を形成すること
ができる。
【0032】スケールの変位に伴い、A、B両相の信号
により決定されるリサージュ図形上の一点Pは、スケー
ルの移動方向に従い右回り、もしくは左回りに、このリ
サージュ図形上を移動する。
【0033】そして、この点Pが、リサージュ円の円周
上を一周すると、スケールの1ピッチ分の移動を示す。
【0034】従って、点Pの、このリサージュ図形上の
位置を検出することにより、スケールピッチより小さい
移動量を検出することができる。
【0035】このような方法は、リサージュ図形を用い
た位相分割法または内挿法などと呼ばれるもので、例え
ば、スケールピッチの4分の1の分解能でスケールの移
動を検出したい場合には、リサージュ図形を、中心角9
0度ずつの4つの部分に分割し、点Pがこの4つの部分
のどこに属するかを検出することによって、その位置を
検出することができる。
【0036】さらに分解能を向上させたい場合、例え
ば、スケールピッチの360分の1の移動量を検出した
い場合には、リサージュ図形を中心角1度ずつの360
の部分に分割すればよいし、さらに多くの分割を用いた
位相分割法も旧来より利用されている。
【0037】また、別の方法による、出力信号の分割方
法について以下に述べる。
【0038】一般に、エンコーダからの出力信号は、図
6に示すようなアナログ信号として出力される。
【0039】そして、この出力信号を出力信号のスライ
スレベルにより分割する分割方法も知られている。
【0040】すなわち、出力信号をいくつかのスライス
範囲に分割し、検出された出力信号のスライスレベルが
どのスライス範囲に属するかを検出することにより、ス
ケールピッチ以下の移動量の検出が可能となる。
【0041】ここでは、これをスライスレベルによる位
相分割法と呼ぶことにする。
【0042】光学式エンコーダは、高精度、高分解能、
非接触式であり、かつ、電磁波障害耐性に優れるなどの
特徴を有しているため、様々な分野で利用されており、
特に、高精度、高分解能を要するエンコーダにおいて
は、光学式エンコーダが主流となっている。
【0043】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光学式エンコーダに用いられるスケール20上に形成さ
れるパターン22は、図7に示すような矩形のパターン
22をスケール20の変位方向に周期的に並ベて形成さ
れており、また、スケール20からの反射光、透過光ま
たは回折光を受光する光検出器34の受光エリア35
も、例えば、図9に示すように、矩形に形成されてい
た。
【0044】このため、光検出器から得られる信号は原
理的には、図5の(b)に示すように三角波となり、実
際も図4のように三角波に近い周期信号となっていた。
【0045】この、三角波に近い周期信号を用いて、分
解能を向上させるためにリサージュ図形による位相分割
法、もしくはスライスレベルによる分割法を用いて行お
うとした場合、以下のような問題点を有していた。
【0046】すなわち、リサージュ図形による位相分割
法を行う場合においては、図4の(a)に示すようなリ
サージュ図形を、単純に等しい中心角で分割してしまう
と、リサージュ図形上の点Pの移動距離はリサージュ図
形上の位置によって変化してしまい、これが検出誤差と
なって現れる。
【0047】例えば、図5の(a)に示されるような、
三角波のリサージュ図形を360分割した場合、等しい
中心角、すなわち、1度であっても、最も大きな変位部
分(菱形の頂点部分)と最も小さな変位部分(菱形の辺
の中央部分)とでは約2倍も異なってしまうことにな
る。
【0048】リサージュ図形による位相分割法によっ
て、分解能の向上を試みる場合においては、リサージュ
図形は、図24の(a)に示すように、円形であること
が望ましい。
【0049】一方、スライスレベルによる位相分割を行
う場合において、図4の(a)に示すようなリサージュ
図形を一定の幅のスライスレベルで分割してしまうと、
等しい出力信号の変化であっても、スケールの移動量が
一定でなくなるという問題点を有している。
【0050】すなわち、出力信号が小さい範囲において
は、小さな変位であっても大きく出力信号が変化するの
に対し、出力信号が大きい場合、すなわち、各周期のピ
ーク近傍においては、大きな変位であっても出力信号の
変化は小さい。
【0051】この、スライスレベルによる分割方法を用
いる場合には、出力信号は三角波であることが望まし
い。
【0052】このため、従来方法においては、例えば、
スケールの周期パターンの反射部に分布を持たせる方法
などにより、エンコーダ出力信号の波形を制御しようと
する試みがなされてきた。
【0053】しかし、この方法では、スケールの作製に
コストが大きくなってしまうという問題を有している。
【0054】また、微細なスケールを作製しようとする
場合には、スケール作製技術の点から限界があった。
【0055】また、光検出器の手前に固定スリットを用
いる方式のエンコーダにおいては、図8に小すように、
固定スリットのみをsin関数で表される輪郭を有する
ように設計し、光検出器の出力信号を理想的な正弦波に
近づける方法が、例えば、特開平11−351911号
公報に記載されている。
【0056】しかしながら、この方法では、固定スリッ
トを用いたエンコーダのみにしか適用できず、ヘッドの
小型化が困難であり、また、組立調整も厳密に行う必要
があるため、低価格化は極めて困難であつた。
【0057】さらに、また、別の従来方法では、個々の
リサージュ図形に合わせて校正曲線を作成し、それによ
り補正を行って位相分割を行い分解能を向上させる方法
も知られている。
【0058】しかし、この方法では、個々のエンコーダ
に毎に、位相分割用の演算回路を調整する必要があり、
また、演算を行うために応答時間が増大したり、さらに
は、故障などの原因によりエンコーダを交換する場合
に、位相分割回路も含めて交換もしくは調整する必要が
あるなど、高価でしかも使用時に制限の多い構成となっ
ていた。
【0059】そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてな
されたもので、上記光検出器からの出力信号を理想的な
出力波形となるように出力信号波形を制御するととも
に、小型で低コストに製造できる光学式エンコーダを提
供することを目的とする。
【0060】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題を解決するために、(1) 光源と、上記光源から射
出する光ビームを横切るように変位し、かつ、前記光ビ
ームに照射される所定周期の光学パターンを形成したス
ケールと、前記光学パターンを経由した前記光ビームを
受光して、前記光学パターンによって生じた明暗パター
ンを検出する光検出器とを具備し、前記光検出器は受光
エリアの実効的な受光感度分布が不均一であることを特
徴とする光学式エンコーダが提供される。
【0061】また、本発明によると、上記課題を解決す
るために、(2) 前記光検出器の受光エリアの実効的
な受光感度分布は、前記スケールの移動にともなう出力
信号の変化が、略正弦波の形状となるように設定されて
いることを特徴とする(1)記載の光学式エンコーダが
提供される。
【0062】また、本発明によると、上記課題を解決す
るために、(3) 光源と、上記光源から射出する光ビ
ームを横切るように変位し、かつ、前記光ビームに照射
される所定周期の光学パターンを形成したスケールと、
前記光学パターンを経由した前記光ビームを受光して、
前記光学パターンによって生じた明暗パターンを検出す
る光検出器とを具備し、前記光検出器の受光エリアが、
前記スケールの移動方向において、中心部分が他の部分
より幅が広いことを特徴とする光学式エンコーダが提供
される。
【0063】
【発明の実施の形態】本発明による光学式エンコーダの
第1の出力信号波形の改善方法は移動スケールからの反
射、透過または回折光を受光する光検出器上の受光エリ
アの実効的な感度に分布を設けることによって、出力の
信号波形を制御可能とすることを特徴とする。
【0064】また、第2の出力信号改善方法としては、
光源から出射された光ビームが移動スケールによって反
射、透過または回折され、光検出器上の受光エリアに入
射するときの光軸上に光を拡散する光学素子を設け、光
検出器の受光面上に形成される明暗パターンの光強度分
布のプロフアイルを調整することによって、光検出器か
らの出力の信号波形を制御可能とすること特徴とする。
【0065】まず、上記本発明による光学式エンコーダ
の第1の出力信号波形の改善方法に関わる光学式エンコ
ーダの原理について、図9乃至図14を参照しながら説
明する。
【0066】図9に示すような、反射型のレーザエンコ
ーダについて考える。
【0067】すなわち、このレーザエンコーダは、コヒ
ーレント光源である面発光レーザ32から出射したレー
ザビームを反射型の回折格子スケール20に照射し、こ
れにより生成される面折干渉パターンの特定部分が光検
出器34により検出されるように構成されている。
【0068】図9に示すエンコーダは反射型であるた
め、z1=z2より、p2=2P1、すなわち、スケー
ル上の回折格子のピッチP1の2倍のピッチの明暗パタ
ーンが受光面上に現れる。
【0069】図10は、光検出器34の受光面上に形成
される、スケール20からの反射光による回折干渉パタ
ーンの光強度分布を示している。
【0070】ここで、図9の光検出器34上の一つの受
光エリア35に注目して考える。
【0071】スケール20がエンコーダヘッドに対して
相対的に移動すると、光検出器34の受光面上の回折干
渉パターン44は、図11の(a)、(b)、(c)、
(d)の順に移動する。
【0072】このときの光検出器34の出力信号の例
を、受光エリア35が実効的な感度分布を持たない場合
を図12に示す。
【0073】このような方式の場合、一般に、三角波に
近い出力波形が出力される。
【0074】次に、光検出器34の受光エリア35が、
正弦波で表されるような外形を有する場合について、光
検出器34の受光面上の回折干渉パターン44の動き
を、同様に図13の(a)・(b)、(c)、(d)に
示す。
【0075】そして、このときの光検出器34の出力信
号の例を図14に示す。
【0076】スケール20からの反射光により生成され
る回折干渉パターンは、図12に示されるようなプロフ
ァイルを有しているが、光検出器34の受光エリア35
の外形を正弦波で表されるように構成することで、光検
出器34の実効的な受光感度が、スケール移動方向に対
して受光エリア35の端部で小さく中央部で大きく構成
されているため、光検出器34からの出力信号は図14
に示すように略正弦波として出力される。
【0077】上記のように、光検出器34の受光エリア
35を所定の形状にすることで、光検出器34からの出
力信号を所望の形状に制御することが可能である。
【0078】次に、上記本発明による光学式エンコーダ
の第2の出力信号波形の改善方法にに関わる光学式エン
コーダの原理について、図15および図16を用いて説
明する。
【0079】図15に示すように、スケール20から光
検出器34へ向かう光軸上に光ビームを拡散させる光学
素子として拡散板40を設ける。
【0080】スケール20からの反射光による回折干渉
パターンは、この光を拡散する光学素子40を通過して
光検出器34の受光面上に形成される。
【0081】この回折干渉パターンは、光を拡散する光
学素子40を設けていない場合には、図10に示すよう
なプロファイルを有しているが、スケール20から光検
出器34に向かう光軸上に、光を拡散する光学素子40
を設けた場合には、図16に示すようなプロファイルと
なる。
【0082】このとき、スケール20がへッド30に対
して相対的に移動すると、光検出器34の受光面上に投
影される回折干渉パターン44は、図21の(a)、
(b)、(c)、(d)の順に移動する。
【0083】この結果として、光検出器34からの出力
は、図14に示すように、略正弦波とすることが可能と
なる。
【0084】(第1の実施の形態)次に、本発明による
光学式エンコーダの第1の実施の形態について図9を参
照しながら説明する。
【0085】図9に示す反射型レーザエンコーダは、コ
ヒーレント光源である面発光レーザ32から出射した光
ビームを反射型の回折格子スケール20に照射し、これ
により生成される回折干渉パターンの所定部分が光検出
器34の受光エリア35により検出されるように構成さ
れている。
【0086】面発光レーザ32は出射する光ビームのビ
ーム広がりを、レンズ等の光学部材を用いずに制御する
ことが可能なコヒーレント光源である。
【0087】面発光レーザ32から出射された光ビーム
により、スケール20のパターン面に所望する大きさの
ビームスポットを形成する。
【0088】スケール20からの反射光は回折干渉パタ
ーンを形成し、光検出器34の受光面上に、スケール2
0のパターンと相似な回折干渉パターンを形成する。
【0089】本実施の形態では、反射型の光学式エンコ
ーダであるため、図2における、z1とz2が等しいた
め、式(2)より、p2=2P1、すなわち、スケール
上の回折格子のピッチP1の2倍のピッチの回折干渉パ
ターンが受光面上に形成される。
【0090】言い換えると、スケール20のスケールパ
ターンが2倍に拡大されて光検出器34の受光面上に投
影される構成となっている。
【0091】この光検出器34の受光面上に投影される
回折干渉パターンの光強度のプロファイルは、図10に
示されているような強度分布となっている。
【0092】本実施の形態においては、光検出器34の
受光面上の、受光エリア35のパターンは、図17に示
すように形成されている。
【0093】図17に示すように、光検出器34の受光
面上の受光エリア35を、p2すなわち受光面上に現れ
る回折干渉パターンの周期の、4分の1ピッチで形成
し、周期p2ずつの4つのグループに分けられており、
各グループごとに4種類の信号を出力するように構成さ
れている。
【0094】4つのグループの信号はそれぞれ、A、
B、と呼ばれ、A相信号は、Aのグループの出力
からのグループの出力を減じて出力されるように、ま
た、B相信号はBのグループの出力からのグループの
出力を引いて出力されるように構成されており、これら
の信号処理を行う信号処理回路(図示せず)が光検出器
34上に集積されている。
【0095】このようにしてA相、B相の信号を出力す
ることで、外光等の影響により信号レベルが変化するこ
とを抑制し、安定した信号出力が得られるように構成さ
れている。
【0096】また、A相、B相信号出力用の受光エリア
35の各グループを本実施の形態のように同一面内に、
櫛の歯状に組み合わせて形成することで、光検出器34
を小型化すると共に、回折干渉パターンの同一部分から
出力信号を得ることができるため、より安定な信号を得
ることが可能となっている。
【0097】光検出器34の受光面上の受光エリア35
は図17に示す通り、それぞれ隣り合った受光エリアと
その凹凸部分をかみ合わせた配置とされている。
【0098】従来技術による光検出器34は、図18に
示すように構成されている。
【0099】図19の(a)、(b)は、このような受
光エリア群による出力信号の例を示している。
【0100】このように、従来技術による光検出器34
では、リサージュ信号の形状が方形となってしまうた
め、いずれの方法による信号分割にも適さなかった。
【0101】−方、図17に示すように光検出器を構成
した場合、隣合う受光エリア間の境界部の信号が両受光
エリアによって出力されるため、図24の(a)、
(b)に示すように略正弦波状の信号を出力することが
可能である。
【0102】さらに、本実施の形態においては、隣合う
受光エリア間の境界部が交互に凹部と凸部を組み合わせ
るように構成されているため、光検出器34の受光面上
に投影された回折干渉パターンを効率よく受光エリアか
ら取り入れることができるため、出力信号強度を向上さ
せることができる。
【0103】また、図17に示されるように、各受光エ
リア35の凹凸の数が複数形成されているため、例え
ば、スケールとへッド間の配置が相対的に変化したり、
スケールとエンコーダヘッド間のギャップが変化するな
どの理由により、光検出器34の受光面上に形成される
回折干渉パターンの投影される位置が図17における上
下方向に移動した場合においても、出力信号の形状が変
化しない構成となっている。
【0104】つまり、光検出器34上の、スケールから
の反射光のスポットが、図17の(1)から(2)の位
置に移動した場合でも、出力信号の形状が変化すること
はなく、略正弦波形状を維持する構成となっている。
【0105】上記のように構成することで、光検出器か
らの出力信号の形状を略正弦波とすることが可能であ
り、光検出器の受光面上の回折干渉バターンの位置が変
化しても光検出器からの出力信号の形状が変化すること
がなく、かつ、スケールからの回折干渉パターンを効率
よく受光することが可能であるような光検出器を有する
光学式エンコーダを構成することが可能となる。
【0106】従って、位相分割法等による信号分割時の
誤差を最小限にするように構成された光学式エンコーダ
を提供する事が可能となる。
【0107】(第2の実施の形態)次に、本発明による
光学式エンコーダの第2の実施の形態について図20を
用いて説明する。
【0108】本実施の形態においては、各部材の構成は
図9に示されるような、本発明の第1の実施の形態と同
様に構成されており、基本的な動作についても、第1の
実施の形態と同様である。
【0109】この第2の実施の形態においては、図9の
光検出器34の受光エリア35が図20に示されるよう
に構成されている。
【0110】すなわち、各受光エリア35の受光エリア
ユニット37の形状を、スケール20の移動方向につい
て正弦波によって表されるような形状とし、この受光エ
リアユニット37を光検出器34の受光面内において、
スケール20の移動方向とは垂直に併設するように構成
されている。
【0111】このように構成することにより、スケール
20からの、光検出器34の受光面上に形成される回折
千渉パターンが図10に示すような強度分布を有してい
る場合において、より正弦波に近い出力信号形状を形成
することが可能となる。
【0112】さらに、隣合う受光エリア間の境界部が交
互に凹部と凸部を組み合わせるように構成されているた
め、光検出器34の受光面上に投影された回折干渉パタ
ーンを効率よく受光エリアから取り入れることができる
ため、出力信号強度を向上させることが可能となる。
【0113】また、各受光エリア35の凹凸の数が複数
形成されているため、例えば、スケールとへッド間の配
置が相対的に変化したり、また、スケールとエンコーダ
ヘッド間のギャップが変化するなどの理由により、光検
出器34の受光面上に形成される回折干渉パターンの投
影される位置が図20における上下方向に移動した場合
においても、出力信号の形状が変化しない構成となって
いる。
【0114】上記のように構成することで、光検出器か
らの出力信号の形状をより正弦波に近い外形とすること
が可能であり、光検出器の受光面上の回折干渉パターン
の位置が変化しても光検出器からの出力信号の形状が変
化することがなく、かつ、スケールからの回折干渉パタ
ーンを効率よく受光することが可能であるような光検出
器を有する光学式エンコーグを構成することが可能とな
る。
【0115】従って、位相分割法等による信号分割時の
誤差を最小限にするように構成された光学式エンコーダ
を提供することが可能となる。
【0116】(第3の実施の形態)次に、本発明による
光学式エンコーダの第3の実施の形態について、図2
2、23、25および26を用いて説明する。
【0117】なお、本実施の形態においては、各部材の
構成は図9に示されるような、本発明の第1の実施の形
態と同様に構成されており、基本的な動作についても、
第1の実施の形態に記されているため、ここでは、主
に、第1の実施の形態との相違点について記す。
【0118】図22では、光検出器34の受光エリア3
5は矩形を有しており、その表面に遮光部42が以下の
ルールに従い形成されている。
【0119】すなわち、遮光部42はスケールの移動方
向について、受光エリア35の端部ではより多くの光を
遮るように、また、中心部では端部に比してより少なく
遮光するように形成されており、受光エリア35の実効
的な光感度が、略正弦波で表されるような割合いで遮光
部42が形成されている。
【0120】この遮光部42は金属など完全に光を遮る
部材を受光面上に形成し、端部と中心部の遮光面積を調
整して構成してもよいし、光源から出射される光ビーム
の一部を吸収するような部材を用いてもよい。
【0121】また、図23は光検出器34の受光エリア
35上に、スケールからの反射光の一部を透過するよう
な部材を一体形成することで、光検出器34の受光エリ
ア35に実効的な感度分布を持たせた例を示している。
【0122】すなわち、光検出器34の受光エリア35
を、スケールの移動方向、すなわち図のx方向に5つの
エリア48、47、46、47、48に分割し、それぞ
れの光透過率を目的とする出力信号波形を形成するよう
に調整される。
【0123】図23における、受光エリア35の断面
は、図25および図26に示されている。
【0124】すなわち、図25の(a)では、光検出器
24の受光エリア35上に、第1の遮光部材70が形成
されており、さらに、この第1の遮光部材70上に第2
の遮光部材72が形成されている。
【0125】このとき、第1、第2の遮光部材の光透過
率は、光検出器34からの出力信号の波形をどのような
形状に制御するかにより選択される。
【0126】また、図25の(b)においては、光検出
器34の受光エリア35上に、第1、第2の遮光部材7
0,72が形成されている。
【0127】ここで、第1の遮光部材70の光透過率
は、第2の遮光部材72の光透過率よりも大きく、すな
わち、より多くの光を透過させるように設定されてい
る。
【0128】図25に示すように形成することで、光検
出器34からの出力信号の形状を略正弦波にすることが
可能である。
【0129】また、図26の(a)では、光検出器24
の受光エリア35上に、第1の遮光部材70が形成され
ており、さらに、この第1の遮光部材70上に第2の遮
光部材72が形成されている。
【0130】このとき、第1、第2の遮光部材の光透過
率は、光検出器34からの出力信号の波形をどのような
形状に制御するかにより選択される。
【0131】また、図25の(b)においては、光検出
器34の受光エリア35上に、第1、第2の遮光部材7
0,72が形成されている。
【0132】ここで、第1の遮光部材70の光透過率
は、第2の遮光部材72の光透過率よりも大きく、すな
わち、より多くの光を透過させるように設定されてい
る。
【0133】また、これらを図26に示すように形成す
ることで、光検出器34からの出力信号の形状を略三角
波にする事が可能である。
【0134】本実施の形態においては、受光エリア35
を5つのエリア48、47、46、47、48に分割し
て出力信号波形の制御を行う例を示したが、5つより多
くのエリアに分割しても横わないし、少ないエリアに分
割しても構わない。
【0135】また、本実施の形態においては、受光エリ
ア35の実効的な受光感度、すなわち遮光部材の光透過
率の分布は図のx方向に対称とした例を示したが、左右
非対称な透過率分布であっても構わない。
【0136】本実施の形態のように光検出器34の受光
エリア35を形成することで、光検出器からの出力信号
の形状を制御することが可能となるため、信号分割時の
誤差を最小限にするように構成された光学式エンコーダ
を超小型、高分解能で、しかも安価に提供することが可
能となる。
【0137】(第4の実施の形態)次に、本発明による
光学式エンコーダの第4の実施の形態について、図15
を用いて説明する。
【0138】図15中、第1の実施の形態で説明した部
材と同質の部材は同じ符号で示してある。
【0139】これらの部材の詳細は第1の実施の形態の
説明を参照することにし、以下では第1の実施の形態と
の相違点に重点をおいて説明する。
【0140】本実施の形態においては、図15に示され
るように、スケール20からの反射光の光軸上に光を拡
散する光学素子40を設けており、スケール20からの
反射光による回折干渉パターンは、この光を拡散する光
学素子40を通って光検出器34の受光面上に投影され
る。
【0141】このときの光検出器34の受光面上の回折
干渉パターンの光強度分布は、図16に示されるような
プロファイルを形成する。
【0142】スケール20からの反射光の光軸上に光を
拡散する光学素子40が設けられていない場合の回折干
渉パターンの強度分布(図10)に比して、明部、すな
わち、検出される光強度が強い部分と、暗部、すなわ
ち、検出される光強度が弱い部分の境界が緩やかに変化
するようになる。
【0143】このとき、前記光を拡散する光学素子40
の光を拡散する割合いを適当に選択することで、光検出
器34からの出力信号を、図24に示すような略正弦波
として形成することが可能となる。
【0144】なお、本実施の形態において、光を拡散す
る部材40は、受光素子34の受光面上に配置すること
により、小型化が容易であり、光を拡散する部材40を
受光素子34と一体形成することが可能な光学式エンコ
ーダを構成することが可能となる。
【0145】また、エンコーダヘッド30が搭載される
筐体(図示せず)の、スケール20からの回折干渉パタ
ーンが光検出器34の受光面に投影されるときに通過す
る窓部近傍に配置することにより、エンコーダヘッドの
組立最終工程において、光を拡散する光学素子40を搭
載することが可能となる。
【0146】このように構成することにより、出力信号
をチエックしながら光を拡散する光学素子40を選択す
ることが可能となる。
【0147】さらには、スケール20の表面近傍に設け
ることも可能である。
【0148】このようなスケールとすることにより、ス
ケールを交換するだけで、光検出器40からの出力信号
の波形を制御することが可能となる。
【0149】上記のように構成することで、光検出器か
らの出力信号の形状を略正弦波とすることが可能となる
ため、位相分割法等による信号分割時の誤差を最小限に
するように構成された光学式子ンコーダを超小型、高分
解能で、しかも安価に提供することが可能となる。
【0150】本発明の上記実施の形態について、光源3
2、光検出器34は同一チップ上に形成することも可能
である。
【0151】また、信号処理回路や面発光レーザのドラ
イブ電源、出力信号のアナログデジタル変換回路等は光
検出器32もしくは光検出器34上に集積することも可
能である。
【0152】よた、本実施の形態においては、図9を用
いて面発光レ−ザ32と光検出器34がスケール20の
同一面側に位置している場合、すなわち反射型の光学式
エンコーダを例にとつて説明したが、透過型の場合にお
いても同様の効果を得ることができる。
【0153】さらに、本発明の実施の形態においては、
主に、光検出器からの出力信号を略正弦波とする方式に
ついて説明したが、ほぼ同様の手法を用いて、光検出器
の実効的な光感度を所定の分布とすることで、略三角波
を形成したり、または信号処理方法に応じて所望の形状
に制御することが可能である。
【0154】本発明は、発明の要旨を逸脱しない範囲内
に置いて種々多くの変形や修整が可能であり、上に説明
した実施の形態はその一例に過ぎない。
【0155】そして、上述したような実施の形態で示し
た本明細書には、特許請求の範囲に示した請求項1乃至
3以外にも、以下に付記1乃至付記13として示すよう
な発明が含まれている。
【0156】(付記1) 光源と、上記光源から射出す
る光ビームを横切るように変位し、かつ、前記光ピーム
に照射される所定周期の光学パターンを形成したスケー
ルと、前記光学パターンを経由した前記光ビームを受光
して、前記光学パターンによつて生じた明暗パターンを
検出する光検出器とを具備し、前記光検出器は複数の受
光エリアが前記スケールの移動方向に並列に配置してお
り、各受光エリアの形状において隣接する受光エリアが
ある辺は略波線であり、隣接する受光エリア間で前記略
波線の凹凸が噛み合わされていることを特徴とする光学
式エンコーダ。
【0157】(効果)スケールの移動にともなう光検出
器の出力変化が略正弦波となり、リサージュ図形による
位相分割法に好適な光学式エンコーダを提供することが
できる。
【0158】(付記2) 光源と、上記光源から射出す
る光ビームを横切るように変位し、かつ、前記光ビーム
に照射される所定周期の光学パターンを形成したスケー
ルと、前記光学パターンを経由した前記光ビームを受光
して、前記光学パターンによつて生じた明暗パターンを
検出する光検出器とを具備し、前記光検出器の受光エリ
アの形状が、前記スケールの移動方向において、略正弦
波関数の輪郭であることを特徴とする光学式エンコー
ダ。
【0159】(効果)スケールの移動にともなう光検出
器の出力変化が略正弦波となり、リサージュ図形による
位相分割法に好適な光学式エンコーダを提供することが
できる。
【0160】(付記3) 光源と、上記光源から射出す
る光ビームを横切るように変位し、かつ、前記光ビーム
に照射される所定周期の光学パターンを形成したスケー
ルと、前記光学パターンを経由した前記光ビームを受光
して、前記光学パターンによつて生じた明暗パターンを
検出する光検出器とを具備し、前記光検出器は、前記ス
ケールの移動方向において略正弦波の輪郭をもつ受光エ
リアユニットを、前記スケールの移動方向と直文する方
向に複数設けていることを特徴とする光学式エンコー
ダ。
【0161】(効果)スケールの移動にともなう光検出
器の出力変化が略正弦波となり、リサージュ図形による
位相分割法に好適であり、信号の強度が強く、アライン
メントの変動に対する影譬の少ない光学式エンコーダを
提供することができる。
【0162】(付記4) 光源と、上記光源から射出す
る光ビームを横切るように変位し、かつ、前記光ビーム
に照射される所定周期の光学パターンを形成したスケー
ルと、前記光学パターンを経由した前記光ビームを受光
して、前記光学パターンによつて生じた明暗パターンを
検出する光検出器とを具備し、前記光検出器は、前記ス
ケールの移動方向において、受光エリアの実効的透過率
分布が不均一であることを特徴とする光学式エンコー
ダ。
【0163】(効果)受光エリアの実効的透過率分布の
選択により、スケールの移動による光検出器からの出力
信号の変化を所望の形状にできる。
【0164】(付記5) 光源と、上記光源から射出す
る光ビームを横切るように変位し、かつ、前記光ビーム
に照射される所定周期の光学パターンを形成したスケー
ルと、前記光学パターンを経由した前記光ビームを受光
して、前記光学パターンによつて生じた明暗パターンを
検出する光検出器とを具備し、前記光検出器は、受光エ
リアの前に遮光部材を有することにより、前記スケール
の移動方向において、受光エリアの実効的受光感度分布
を不均−にしていることを特徴とする光学式エンコー
ダ。
【0165】(効果)遮光部歳による受光エリアの実効
的透過率分布の選択により、スケールの移動による光検
出器からの出力信号の変化を所望の形状にできる。
【0166】(付記6) 光源と、上記光源から射出す
る光ビームを横切るように変位し、かつ、前記光ビーム
に照射される所定周期の光学パターンを形成したスケー
ルと、前記光学パターンを経由した前記光ビームを受光
して、前記光学パターンによって生じた明暗パターンを
検出する光検出器とを具備し、前記光検出器は、受光エ
リアの前に反射又は透過率の分布を有する光学薄膜を有
することにより、前記スケールの移動方向において、受
光エリアの実効的受光感度分布を不均一にしていること
を特徴とする光学式エンコーダ。
【0167】(効果)光学薄膜による受光エリアの実効
的透過率分布の選択により、スケールの移動による光検
出器からの出力信号の変化を所望の形状にできる。
【0168】(付記7) 光源と、上記光源から射出す
る光ビームを横切るように変位し、かつ、前記光ビーム
に照射される所定周期の光学パターンを形成したスケー
ルと、前記光学パターンを経由した前記光ビームを受光
して、前記光学パターンによつて生じた明暗パターンを
検出する光検出器とを具備し、前記光検出器は、前記ス
ケールの移動方向において、受光エリアの周辺部が中心
部より光が遮光されるような受光エリアの実効的受光感
度分布をもっていることを特徴とする光学式エンコー
ダ。
【0169】(効果)スケールの移動にともなう光検出
器の出力変化が略正弦波となり、リサージュ図形による
位相分割法に好適な光学式エンコーダを提供することが
できる。
【0170】(付記8) 光源と、上記光源から射出す
る光ビームを横切るように変位し、かつ、前記光ビーム
に照射される所定周期の光学パターンを形成したスケー
ルと、前記光学パターンを経由した前記光ビームを受光
して、前記光学パターンによつて生じた明暗パターンを
検出する光検出器とを具備し、前記スケールから前記光
検出器に至る前記光ビームの光路中に、光を拡散する光
学素子を設けたことを特徴とする光学式エンコーダ。
【0171】(効果)スケールの移動にともなう光検出
器の出力変化が略正弦波となり、リサージュ図形による
位相分割法に好適な光学式エンコーダを提供することが
できる。
【0172】(付記9) 前記光を拡散する素子は前記
光検出器の受光エリアに固定されていることを特徴とす
る付記8記載の光学式エンコーダ。
【0173】(効果)光学式エンコーダを小型にでき、
あるいは、低価格で提供できる。
【0174】(付記10) 前記光を拡散する素子は前
記スケールのパターン面の近傍に配置されていることを
特徴とする請求項8記載の光学式エンコーダ。
【0175】(効果)低コストの光学式エンコーダを提
供できる、又は様々なエンコーダヘッドに適応可能であ
る、又はスケールを交換するだけで光検出器からの出力
信号の波形を制御できる。
【0176】(付記11) 前記光源と前記光検出器は
同一の筐体に固定されており、この筐体には前記スケー
ルを経由した前記光ビームが透過する窓部があり、この
窓部近傍に前記光を拡散する光学素子が配置されている
ことを特徴とする付記8記載の光学式エンコーダ。
【0177】(効果)エンコーダの組み立て最終工程出
で光を拡散する光学素子を搭載できるので、出力信号を
チェックしながら素子を選択できる。
【0178】(付記12) 前記光源は面発光レーザで
あることを特徴とする請求項1乃至3付記1乃至8記載
の光学式エンコーダ。
【0179】(効果)レンズ等の部品を用いることな
く、ビームスポットの形状を制御できる。
【0180】(付記13) 前記光源が可干渉光源であ
り、前記光検出器の検出する明暗パターンは回折干渉パ
ターンであり、前記レーザ光源の射出面と前記光学パタ
ーンの形成されている面までの距離をz1、前記光学パ
ターンの形成されている面から前記光検出器の受光エリ
アまでの距離をz2、前記光学パターンのピッチをp
1、nを自然数としたときに、前記光検出器は受光エリ
アは、前記回折干渉パターンのピッチ方向に、 np1(z1+z2)/z1 の間隔で形成された複数の群になっていることを特徴と
する請求項1乃至3付記1乃至15に記載の光学式エン
コーダ。
【0181】(効果)小型、高分解能、低コストの光学
式エンコーダを提供することができる。
【0182】
【発明の効果】従って、以上詳述したように、請求項1
に記載の本発明によれば、受光感度の分布の選択によ
り、スケールの移動による光検出器からの出力信号の変
化を所望の形状にできるので、様々な信号処理方法に適
したエンコーダ信号を出力することが可能な光学式エン
コーダを、極めて簡単な構成を有し、高分解能で、かつ
安価で提供することができる。
【0183】また、以上詳述したように、請求項2に記
載の本発明によれば、リサージュ図形による位相分割法
に好適な光学式エンコーダを提供することができる。
【0184】また、以上詳述したように、請求項2に記
載の本発明によれば、スケールの移動にともなう光検出
器の出力変化が略正弦波となり、リサージュ図形による
位相分割法に好適な光学式エンコーダを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、レンズなどの光学部品を必要としない
小型・低コストなエンコーダの一例として、面発光レー
ザと反射型スケールを用いた第1の従来技術によるレー
ザエンコーダを示す構成図である。
【図2】図2は、レンズなどの光学部品を必要としない
小型・低コストなエンコーダの一例である第2の従来技
術によるレーザエンコーダを示す構成図である。
【図3】図3は、第2の従来技術によるレーザエンコー
ダの動作を説明するために示した図である。
【図4】図4は、90度の位相差を有する従来技術によ
るA相、B相の信号と、これら2つのA相、B相の信号
をx,y表示することによって得られるリサージュ図形
を示した図である。
【図5】図5は、90度の位相差を有する従来技術によ
るA相、B相の信号と、これら2つのA相、B相の信号
をx,y表示することによって得られるリサージュ図形
を示した図である。
【図6】図6は、他の従来技術として、エンコーダから
のアナログ出力信号をスライスレベルにより分割する分
割方法を説明するために示した図である。
【図7】図7は、従来の光学式エンコーダに用いられる
スケール20上に形成されるパターン22が、矩形のパ
ターン22をスケール20の変位方向に周期的に並ベて
形成されていることを説明するために示した図である。
【図8】図8は、他の従来技術として、光検出器の手前
に固定スリットを用いる方式のエンコーダにおいて、光
検出器の出力信号を理想的な正弦波に近づける方法とし
て、固定スリットのみをsin関数で表される輪郭を有
するように設計する例を説明するために示した図であ
る。
【図9】図9は、本発明による光学式エンコーダの第1
の出力信号波形の改善方法に関わる光学式エンコーダの
原理および本発明による光学式エンコーダの第1の実施
形態を説明するために示した図である。
【図10】図10は、図9の光検出器34の受光面上に
形成されるスケール20からの反射光による回折干渉パ
ターンの光強度分布として、光検出器34の受光面上に
光を拡散する光学素子40を設けていない場合について
説明するために示した図である。
【図11】図11の(a)、(b)、(c)、(d)
は、図9のスケール20がエンコーダヘッドに対して相
対的に移動するときに、光検出器34の受光面上の回折
干渉パターン44が移動する順序を説明するために示し
た図である。
【図12】図12は、このときの光検出器34の出力信
号の例を、受光エリア35が実効的な感度分布を持たな
い場合について説明するために示した図である。
【図13】図13の(a)、(b)、(c)、(d)
は、図9の光検出器34の受光エリア35が、正弦波で
表されるような外形を有する場合について、光検出器3
4の受光面上の回折干渉パターン44の動きを説明する
ために示した図である。
【図14】図14は、このときの光検出器34の出力信
号の例を説明するために示した図である。
【図15】図15は、本発明による光学式エンコーダの
第2の出力信号波形の改善方法にに関わる光学式エンコ
ーダの原理および本発明による光学式エンコーダの第4
の実施の形態について説明するために示した図である。
【図16】図16は、図15の光検出器34の受光面上
に形成されるスケール20からの反射光による回折干渉
パターンの光強度分布を、光検出器34の受光面上に光
を拡散する光学素子40を設けた場合について説明する
ために示した図である。
【図17】図17は、図15の光検出器34の受光面上
の受光エリア35とが、それぞれ隣り合った受光エリア
とその凹凸部分をかみ合わせた配置とされていることを
説明するために示した図である。
【図18】図18は、従来技術による光検出器34の構
成を説明するために示した図である。
【図19】図19の(a)、(b)は、図17に示すよ
うな受光エリア群による出力信号の例を説明するために
示した図である。
【図20】図20は、本発明による光学式エンコーダの
第2の実施の形態における光検出器34の受光エリア3
5の構成を説明するために示した図である。
【図21】図21の(a)、(b)、(c)、(d)
は、本発明による光学式エンコーダの第2の実施の形態
におけるスケール20がエンコーダヘッドに対して相対
的に移動するときに、光検出器34の受光面上の回折干
渉パターン44が移動する順序を説明するために示した
図である。
【図22】図22は、本発明による光学式エンコーダの
第3の実施の形態における光検出器34の受光エリア3
5およびその表面に形成される遮光部42の構成を説明
するために示した図である。
【図23】図23は本発明による光学式エンコーダの第
3の実施の形態における光検出器34の受光エリア35
上に、スケールからの反射光の一部を透過するような部
材を一体形成することで、光検出器34の受光エリア3
5に実効的な感度分布を持たせた例を説明するために示
した図である。
【図24】図24は、本発明による光学式エンコーダに
おいて、90度の位相差を有する正弦波状のA相、B相
の信号と、これら2つのA相、B相の信号をx,y表示
することによって得られるリサージュ図形を示した図で
ある。
【図25】図25は、図23における、受光エリア35
の断面形状を説明するために示した図である。
【図26】図26は、図23における、受光エリア35
の別の断面形状を説明するために示した図である。
【符号の説明】
20…反射型の回折格子スケール、 30…センサ(エンコーダ)ヘッド、 32…コヒーレント光源である面発光レーザ、 34…光検出器、 35…光検出器34の受光エリア、 36…基材、 40…光を拡散する光学素子、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽根 潤 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2F103 BA00 BA31 BA37 CA03 CA08 DA01 DA12 EA02 EA15 EB02 EB07 EB15 EB21 EB32 FA11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、 上記光源から射出する光ビームを横切るように変位し、
    かつ、前記光ビームに照射される所定周期の光学パター
    ンを形成したスケールと、 前記光学パターンを経由した前記光ビームを受光して、
    前記光学パターンによって生じた明暗パターンを検出す
    る光検出器とを具備し、 前記光検出器は受光エリアの実効的な受光感度分布が不
    均一であることを特徴とする光学式エンコーダ。
  2. 【請求項2】 前記光検出器の受光エリアの実効的な受
    光感度分布は、前記スケールの移動にともなう出力信号
    の変化が、略正弦波の形状となるように設定されている
    ことを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。
  3. 【請求項3】 光源と、 上記光源から射出する光ビームを横切るように変位し、
    かつ、前記光ビームに照射される所定周期の光学パター
    ンを形成したスケールと、 前記光学パターンを経由した前記光ビームを受光して、
    前記光学パターンによって生じた明暗パターンを検出す
    る光検出器とを具備し、 前記光検出器の受光エリアが、前記スケールの移動方向
    において、中心部分が他の部分より幅が広いことを特徴
    とする光学式エンコーダ。
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