JP5638840B2 - 形状保持テープ付き包装体の製造方法およびテープ付き包装体 - Google Patents
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Description
特許文献1には、合成樹脂製のテープ状シートの一面に、線状もしくは網状に形成した金属製または紙製の芯材を接着剤で一体に粘着した形状保持テープが記載されている。
特許文献2には、弾性プレートを備えた形状保持テープを取り付ける構成が記載されている。
特許文献3には、袋体を封止するための背貼り部に沿って、袋体の内圧が上昇して膨れた状態を保持する形状保持テープを設ける構成が記載されている。形状保持テープは、サイドシール部にかからないように取り付けられ、形状保持テープの両端は基材フィルムがヒンジとなって大きく開く状態が得られる構成が採られている。
特許文献4には、袋体のサイドシール部に沿って、開口部から底部へサイドシール部を跨ぐ状態に形状保持テープを取り付け、開口部を押し広げる構成が記載されている。
特許文献5には、袋体のサイドシール部を跨ぐ状態で、樹脂製の小片状の形状保持テープを取り付け、開口部を押し広げる構成が記載されている。
また、特許文献2に記載のものは、大きく開く状態が得られるものの、製袋時に形状保持テープがサイドシール部にかからないように位置決めして取り付けることが煩雑で、生産性の向上が望まれる。
一方、特許文献4,5に記載のものは、サイドシール部を跨ぐようにして形状保持テープを設けるので、袋体の製袋時に、サイドシールを設けて袋体を形成した後に形状保持テープを設ける必要があり、製袋が煩雑で、生産性の向上が望まれる。
また、本発明に記載の形状保持テープ付き包装体の製造方法は、サイドシール部が設けられ開口部を有した袋体の開口縁に沿って、前記開口部の開口形状を保持する形状保持テープが取り付けられた形状保持テープ付き包装体の製造方法であって、前記袋体に前記形状保持テープを取り付ける際、前記サイドシール部における前記袋体の内側の一縁に対応する位置で前記形状保持テープの少なくとも一部を欠除する欠除工程を実施するに際し、前記形状保持テープとして、前記袋体の開口縁に沿って取り付けられる厚肉部と、この厚肉部の前記袋体の開口縁側の一縁に一体に設けられ厚さ寸法が前記厚肉部より薄い薄肉部と、この薄肉部の前記袋体の開口縁側の一縁に一体に設けられ厚さ寸法が前記薄肉部より厚い誘導厚肉部と、を備えたものを用いることを特徴とする。
また、本発明では、前記欠除工程は、前記厚肉部の前記サイドシール部に応じた位置を欠除する構成とすることが好ましい。
そして、本発明では、前記欠除工程は、打ち抜き加工により前記形状保持テープを欠除する構成とすることが好ましい。
さらに、本発明では、前記サイドシール部は、一対設けられるもので、前記欠除工程は、前記サイドシール部における前記袋体の内側の一縁に対応する位置にそれぞれ前記形状保持テープの少なくとも一部を欠除することが好ましい。
また、本発明では、前記形状保持テープとして、前記厚肉部の幅寸法が2mm以上20mm以下、前記厚肉部の厚さ寸法が150μm以上700μm以下のものを用いることが好ましい。
そして、本発明に記載のテープ付き包装体は、サイドシール部が設けられ開口部を有した袋体の開口縁に沿って、前記開口部の開口形状を保持するテープが取り付けられたテープ付き包装体であって、前記テープは、前記サイドシール部における前記袋体の内側の一縁に対応する位置で、かつ前記袋体内に区画形成された収納空間側の縁に対応する位置に、当該テープの少なくとも一部が欠除された欠除部が設けられたことを特徴とする。
また、本発明に記載のテープ付き包装体は、サイドシール部が設けられ開口部を有した袋体の開口縁に沿って、前記開口部の開口形状を保持するテープが取り付けられたテープ付き包装体であって、前記テープは、前記袋体の開口縁に沿って取り付けられる厚肉部と、この厚肉部の前記袋体の開口縁側の一縁に一体に設けられ厚さ寸法が前記厚肉部より薄い薄肉部と、この薄肉部の前記袋体の開口縁側の一縁に一体に設けられ厚さ寸法が前記薄肉部より厚い誘導厚肉部と、を備え、前記サイドシール部における前記袋体の内側の一縁に対応する位置に当該テープの少なくとも一部が欠除された欠除部が設けられたことを特徴とする。
そして、本発明では、前記テープは、前記袋体の開口縁に沿って取り付けられる厚肉部と、この厚肉部の前記袋体の開口縁側の一縁に一体に設けられ厚さ寸法が前記厚肉部より薄い薄肉部と、この薄肉部の前記袋体の開口縁側の一縁に一体に設けられ厚さ寸法が前記薄肉部より厚い誘導厚肉部と、を備えていることが好ましい。
また、本発明では、前記欠除部は、前記厚肉部の前記サイドシール部に応じた位置に設けられたことが好ましい。
そして、本発明では、前記サイドシール部は、一対設けられ、前記欠除部は、前記サイドシール部における前記袋体の内側の一縁に対応する位置にそれぞれ設けられたことが好ましい。
さらに、本発明では、前記テープは、前記厚肉部の幅寸法が2mm以上20mm以下、前記厚肉部の厚さ寸法が150μm以上700μm以下であることが好ましい。
このため、サイドシール部における形状保持テープの樹脂量が少なくなり、開口部の開口形状がサイドシール部の縁から大きく広がる状態となる。したがって、形状保持テープを取り付ける際に少なくとも一部を欠除する簡単な製造工程で、開口部を大きく開口できる形状保持テープ付き包装体を容易に製造できる。
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
第一実施形態では、形状保持テープ付き包装袋(以下「包装袋」と略記する)として、食品、薬品、医療品、雑貨等の各種物品を包装するための包装袋を例示する。
図2は、第一実施形態における包装袋を示す平面図である。図3は、第一実施形態における包装袋の欠除部の位置での断面図である。図4は、形状保持テープを示す断面図である。
図2,3に示すように、包装体1は、例えば三方製袋方法により形成され、袋体10と、一対の形状保持テープ20と、を備えている。
袋体10は、包材である基材フィルム11が重ね合わされ、その周囲にサイドシール部12、ボトムシール部13およびトップシール部14が形成され、内部に収納空間15を区画形成している。
基材フィルム11としては、例えば、(直鎖状)低密度ポリエチレン(Linear Low Density Polyethylene:LLDPE)、ポリプロピレン(Polypropylene:PP)などの熱可塑性樹脂にて形成された単層または多層のフィルムを利用できる。多層のフィルムとしては、表基材に、二軸延伸したポリプロピレン(Oriented Polypropylene:OPP)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)、二軸延伸ナイロン(ONy)、キャストポリプロピレン(Cast Polypropylene:CPP)などを用いることができる。なお、多層フィルムとして、いわゆるガスバリアーや遮光などの目的で、アルミニウム蒸着やアルミニウム箔の積層など、無機系の層を備えた構成としてもよい。
また、基材フィルム11は、包装袋用材料であれば特に限定されないが、例えば厚み寸法が10μm以上200μm以下であることが好ましい。厚み寸法が10μm未満であると、シール強度、袋強度が弱くなる場合がある。一方、厚み寸法が200μmを超えると、袋の開封がしにくくなる場合がある。
形状保持テープ20は、図2〜図4に示すように、帯状の厚肉部21を有している。この厚肉部21の長手方向の一縁には、該厚肉部21の厚さ寸法より薄い薄肉部22が一連に設けられている。さらに、薄肉部22の長手方向の一縁には、該薄肉部22の厚さ寸法より厚い誘導厚肉部23が一連に設けられている。
そして、形状保持テープ20は、袋体10のトップシール部14側に誘導厚肉部23が位置する状態で袋体10にヒートシールされている。
また、厚肉部21は、厚さ寸法aが150μm以上、特に250μm以上700μm以下が好ましい。厚さ寸法aが150μmより薄くなると、厚肉部21の剛性が低下して、開口する開口部16の開口形状の保持が得られにくくなるためである。さらに、薄肉部22で包装体1を引き裂いて開封する際に、厚肉部21によるガイド機能が得られにくくなり、直線カット性が得られにくくなるおそれがある。なお、厚肉部21の厚さ寸法が700μmより厚くなっても、開口する開口部16の開口形状の保持性や直線カット性にあまり差はなく、材料を多く利用することによりコストが増大するので、厚さ寸法を700μm以下に設定することが好ましい。
また、薄肉部22は、厚さ寸法bが30μm以上80μm以下、特に40μm以上70μm以下とすることが好ましい。厚さ寸法bが30μmより薄くなると、包装体1の開封時に薄肉部22が伸びて裂ける状態となり、良好な開封感が得られなくなるおそれがある。さらに、厚さ寸法bが80μmより厚くなると、包装体1の開封時の開封感が重くなり、良好な開封感が得られなくなるおそれがあるためである。
また、誘導厚肉部23は、厚さ寸法cが150μm以上700μm以下とすることが好ましい。厚さ寸法cが150μmより薄くなると、薄肉部22で包装体1を引き裂いて開封する際に、誘導厚肉部23によるガイド機能が得られにくくなり、直線カット性が得られにくくなるおそれがある。厚さ寸法cが700μmより厚くなると、サイドシール部12における薄肉部22の位置に樹脂溜まりが生じて包装体1の開封時にノッチが入りにくくなるおそれがある。さらには、700μmより厚くなっても、直線カット性にあまり差はなく、材料を多く利用することによりコストが増大するので、厚さ寸法cを700μm以下に設定することが好ましい。
この欠除部24は、例えばパンチング装置等を用いて厚肉部21を打ち抜くなどにより形成するとよい。
次に、包装体1を製造する製造装置について図面を参照して説明する。
図6は、包装袋の製造装置を示す斜視図である。図7は、形状保持テープに欠除部を設けた状況を示す斜視図である。
そして、この製造装置3の次工程として、形成された包装体1に図示しない内容物を充填しトップシール部14を設けて封止する図示しない充填装置が設けられている。
打ち抜き装置32は、図6,7に示すように、金型321を有している。打ち抜き装置32は、テープ操出装置31から繰り出された形状保持テープ20の厚肉部21を、操出方向の所定間隔、すなわち包装体1のサイドシール部12の内側の縁に応じた位置となる間隔で打ち抜き、欠除部24を形成する。なお、打ち抜き装置32は、パンチング装置による打ち抜き加工に限られるものではない。
テープ取付装置33は、形状保持テープ20を基材フィルム11にヒートシールして取り付ける。
シールバー34は、重なり合う基材フィルム11をヒートシールしてボトムシール部13を形成する。
サイドシールバー35は、重なり合う基材フィルム11を操出方向の所定間隔でヒートシールしてサイドシール部12を形成する。
切断部36は、サイドシール部12における操出方向の中間位置で切断する。この切断により、ボトムシール部13とサイドシール部12との三方がヒートシールされた包装体1が切り出される。
次に、製造装置3を用いた包装体1の製造方法について説明する。
包装体1の製造方法は、形状保持テープ20を繰り出すテープ操出工程と、形状保持テープ20に欠除部24を打ち抜き形成する欠除工程と、形状保持テープ20を基材フィルム11にヒートシールするテープ取付工程と、基材フィルム11から包装体1を形成する製袋工程と、などを実施する。
テープ操出工程では、テープ巻取ロール311からそれぞれ形状保持テープ20を引き出し、抜き工程へ繰り出す。この形状保持テープ20の操出は、後述する充填装置でトップシール部14が設けられる側に誘導厚肉部23が位置する状態である。
打ち抜き工程では、繰り出された形状保持テープ20の厚肉部21を、金型321により所定間隔でそれぞれ打ち抜き、欠除部24を形成する。欠除部24が形成された形状保持テープ20を重ね合わせてテープ取付工程へ繰り出す。
テープ取付工程では、形状保持テープ20が重ね合わされた基材フィルム11にヒートシールする。
この後、製袋工程で、シールバー34により基材フィルム11をヒートシールしてボトムシール部13を形成し、サイドシールバー35により基材フィルム11をヒートシールしてサイドシール部12を形成する。そして、切断部36により、サイドシール部12の中間位置で切断し、三方がシールされた包装体1を切り出す。
そして、得られた包装体1に、図示しない充填装置により内容物が所定量投入され、トップシール部14を設けて封止し、内容物を充填する。この状態で、形状保持テープ20は、収納空間15から開封により切り落とされるトップシール部14側に従って、厚肉部21、薄肉部22および誘導厚肉部23が位置する状態で袋体10に取り付けられる。
次に、内容物を充填する包装体1を開封する動作について説明する。
包装体1の開封に際しては、サイドシール部12における形状保持テープ20がヒートシールされた部分を摘み、形状保持テープ20の位置で引き裂くようにする。この引き裂きにより、基材フィルム11とともに薄肉部22が切断され、トップシール部14側が切り落とされ、開口部16が開口形成される。
そして、開口部16の開口縁を摘んで開口部16を広げる。この開口する状態では、図5に示すように、サイドシール部12の内側縁12Aから広がる。すなわち、基材フィルム11間に介在する形状保持テープ20と、開封後に袋体10の開口縁に残る形状保持テープ20の厚肉部21とが、サイドシール部12の内側縁12Aで不連続となっている。そして、欠除部24により、サイドシール部12では基材フィルム11間に介在する形状保持テープ20の樹脂量は少なく、サイドシール部12の内側縁12Aに形状保持テープ20の樹脂溜まりが形成されない。
このことにより、厚肉部21の弾性変形に抗した復元力により、厚肉部21のサイドシール部12側の端部は、サイドシール部12から外側に広がって直線上に戻ろうとする力が作用する。このため、基材フィルム11は、厚肉部21の復元力により、サイドシール部12の内側縁12Aから外側に引っ張られる状態となる。したがって、包装体1の開口は、図5に示すように、円弧状に弾性変形された厚肉部21により、サイドシール部12の内側縁12Aから大きく広がる開口状態が保持される。
また、厚肉部21を弾性変形して開口部16を開口させる力を解除すると、厚肉部21の剛性により、厚肉部21が復元力により湾曲する状態から直線形状に戻る状態となる。このことにより、対向する厚肉部21が重なり合って、開口が閉じる状態となる。すなわち、閉じた状態が保持されることとなる。
上述したように、上記実施形態では、形状保持テープ20を取り付ける際に、サイドシール部12に応じた位置で形状保持テープ20の少なくとも一部を欠除、具体的には厚肉部21を欠除している。
このことにより、上述したように、弾性変形する厚肉部21が直線上に戻ろうとする復元力により、基材フィルム11が欠除部24により不連続となっているサイドシール部12の内側縁12Aから外側に引っ張られる状態となって、大きく開口する状態で保持される。したがって、従来の製袋時に形状保持テープ20を欠除する簡単な工程を加えるのみで、開口部16が大きく開口する状態が容易に得られる。このため、包装体1に収納された内容物を容易に取り出しできる。
このことにより、開口縁が直線的で容易に開封できるカットテープに、開口部16を大きく開口させる状態に保持する形状保持の機能を、厚肉部21に欠除部24を設ける簡単な構成で付加できる。
特に、厚肉部21のみに欠除部24を設けるので、カットテープを取り付ける従来の製袋時と同様に、欠除部24を設けた形状保持テープ20を取り付ければよく、製造が煩雑となることもない。
このことにより、形状保持テープ20における欠除部24が設けられた位置の薄肉部22や誘導厚肉部23が製袋時に作用する張力で伸びてしまう不都合を防止できる。このため、サイドシール部12の内側縁12Aに応じた位置に欠除部24を位置させて製袋でき、歩留まりが低下することを防止できる。
このため、従来のジッパーテープ付包装体の製造方法で利用されているジッパーテープの打ち抜き方法を利用して欠除部24を形成することができ、容易に欠除部24を形成できる。
このため、形状保持テープ20をカットテープとして直線的に開封させることが容易にでき、かつ開口部16を大きく開口する状態に保持できる。
次に、本発明の第二実施形態を図面に基づいて説明する。
図8は、第二実施形態における包装体を示す平面図である。図9は、第二実施形態における包装体の断面図である。
この第二実施形態は、第一実施形態における三方製袋方法に代えて、回転ドラムを用いた回転ドラム式製袋方法で製袋するものである。
なお、この第二実施形態では、上記第一実施形態と同一または類似の構成については、同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
図8,9に示すように、包装体4は、一枚の基材フィルム11にて形成される袋体10に、一対の形状保持テープ20が取り付けられている。
基材フィルム11は、一縁が他側に重ね合わされて溶着された背貼部17を有している。背貼部17の両端部に対応する基材フィルム11の両側縁部には、サイドシール部12がそれぞれ設けられ、内部に収納空間15が区画形成されて袋体10が形成されている。さらに、袋体10の底部には、ガゼット18が形成されている。
また、袋体10には、一対の形状保持テープ20がサイドシール部12間に亘って背貼部17に沿って互いに対向する位置に設けられている。さらに、袋体10には、一対の形状保持テープ20の間に配置され、一対の形状保持テープ20が互いに対向する状態に基材フィルム11を折り返す帯状の折曲部材26が設けられている。折曲部材26は、幅方向の略中央に長手方向に沿った薄肉状の折曲部261を有し、折曲部261で折り曲げられて基材フィルム11が折り返され、一対の形状保持テープ20が対向する状態となる。なお、折曲部材26は、一対の形状保持テープ20の誘導厚肉部23にそれぞれ連続して一体的に設けられた構成としてもよい。
次に、上述した包装体4を製造する回転ドラム式の製造装置について図面を参照して説明する。
図10は、包装体の製造装置を示す斜視図である。
テープ取付回転装置53は、図示省略の駆動源によって回転される円柱状の回転ドラム531と、回転ドラム531の周面形状に対応する曲面形状の融着面532Aを有する融着バー532と、を備えている。
回転ドラム531には、一対の形状保持テープ20を導入案内する一対の溝部531Aが周方向に沿って平行に設けられている。溝部531Aは、形状保持テープ20の一部が回転ドラム531の外周面から突出する状態に収納可能な断面矩形状に形成されている。なお、図10は、説明の都合上、一方の溝部531Aのみ記載する。
また、一対の溝部531A間には、折曲部材操出装置から繰り出された折曲部材26を案内誘導する図示しない案内溝部が周方向に沿って、一対の溝部531Aから等距離の位置に平行に設けられている。案内溝部は、折曲部材26の一部が回転ドラム531の外周面から突出する状態に収納可能な断面矩形状に形成されている。
融着バー532は、融着面532Aが一対の溝部531Aおよび案内溝部に対応する位置に配設されている。この融着バー532は、溝部531Aにそれぞれ導入案内された形状保持テープ20、および、案内溝部に導入案内された折曲部材26を、基材フィルム11に融着させる。
円筒フォーマ551は、テープ取付回転装置53で形状保持テープ20および折曲部材26が融着された基材フィルム11が外周面に巻かれる円筒状に形成されている。
送りベルト552は、円筒フォーマ551の側部に配設され、円筒フォーマ551に巻かれた基材フィルム11を送る。
背貼シールバー553は、円筒フォーマ551に巻かれた基材フィルム11の重なり合わされた両側縁を融着し、背貼部17を形成する。
次に、製造装置5を用いた包装体4の製造方法について説明する。
包装体1の製造方法は、形状保持テープ20を繰り出すテープ操出工程と、折曲部材26を繰り出す折曲部材操出工程と、形状保持テープ20に欠除部24を打ち抜き形成する欠除工程と、形状保持テープ20を基材フィルム11にヒートシールするテープ取付工程と、基材フィルム11から包装体1を形成する製袋工程と、などを実施する。
テープ操出工程では、テープ巻取ロール311からそれぞれ形状保持テープ20を引き出し、打ち抜き工程へ繰り出す。
折曲部材操出工程は、図示省略の巻取ロールから折曲部材26を引き出し、テープ取付工程へ繰り出す。
打ち抜き工程では、繰り出された形状保持テープ20の厚肉部21を、金型321により所定間隔でそれぞれ打ち抜き、欠除部24を形成する。欠除部24が形成された形状保持テープ20をテープ取付工程へ繰り出す。
テープ取付工程では、欠除部24が設けられた形状保持テープ20を回転ドラム531の溝部531Aにそれぞれ導入案内するとともに、繰り出された折曲部材26を案内溝部に導入案内する。そして、融着バー532により、溝部531Aに導入案内された形状保持テープ20、および、案内溝部に導入案内された折曲部材26を、基材フィルム11に融着させる。この融着により、一対の形状保持テープ20間の略中央に折曲部材26が配置する状態となる。
そして、形状保持テープ20および折曲部材26が取り付けられた基材フィルム11は、製袋装置55へ送られる。
製袋工程では、基材フィルム11が円筒フォーマ551に巻かれつつ、送りベルト552により送られる。ここで、形状保持テープ20の欠除部24とサイドシール部12の内側縁12Aとが一致するように送られる。そして、背貼シールバー553により背貼部17が形成されつつ、三角板555により底部に対応する部分にガゼット18が形成される。
この後、サイドシールバー554により、一方のサイドシール部12が形成される。そして、円筒フォーマ551の内部空間を通して内容物を充填した後、再びサイドシールバー554により他方のサイドシール部12を形成する。そして、サイドシール部12の位置で切断し、包装体4を得る。
第二実施形態についても、形状保持テープ20におけるサイドシール部12の特に内側縁12Aに対応する位置に欠除部24を設けているため、第一実施形態と同様に、形状保持テープ20を欠除する簡単な工程を加えるのみで、開口部16が大きく開口する状態が容易に得られる。
なお、本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは、本発明に含まれるものである。
例えば、形状保持テープ20として、薄肉部22を設けていわゆるカットテープとしての機能を付与した構成を例示したが、単に厚肉部21のみの構成とし、製袋時に、サイドシール部12に応じた位置で厚肉部21の少なくとも一部を欠除する構成としてもよい。
また、包装体1として、形状保持テープ20より収納空間15側に位置して、互いに係脱可能に咬合するジッパーテープを設けて、再封可能とする構成としてもよい。
また、サイドシール部12における形状保持テープ20の薄肉部の位置に対応して、ノッチを設けたり、切断位置である印刷表示を設けたりしておいてもよい。この構成により、開封位置が明確で開封作業が容易となる。特に、ノッチを設けることにより、開封初期の引き裂きがより小さい力で済み、より開封作業性が向上できる。
また、第二実施形態の包装体4として、ガゼット18を設けて説明したが、ガゼットを設けなくてもよい。
なお、本発明はこれらの実施例等の記載内容に何ら制約されるものではない。
原料として直鎖状低密度ポリエチレン MFR2.0 密度923kg/m3(株式会社プライムポリマー製 商品名:0248Z)を用いて、断面形状が図4に示す形状で各寸法が異なる形状保持テープを製造した。製造した形状保持テープの各寸法は、以下の表1,2に示す。
製造した各寸法の形状保持テープを用いて、包装体を製袋した。この製袋に際して、図2,3に示すような欠除部を設けたもの(実施例1〜19)と、図12,13に示すように、欠除部を設けずにサイドシール部間に亘って形状保持テープをヒートシールしたもの(比較例1〜10)とを製造した。
製造した各包装体を開封し、開封の際の開封感と、開口部を開口した際の形状を観察した。
開口の広さは、図5に示すように広く開口するものを「○」、図1に示すように十分な広さの開口が得られないものを「×」として評価した。
また、開封感としては、開封時の重さや直線カット性をも観察した。
そして、開口の広さの評価が「○」で開封性も良好であったものの評価を「○」、いずれかが不十分であったものの評価を「×」とし、以下の表1,2に示す。
一方、欠除部を設けない比較例1〜10は、図1に示すような開口状態となり、十分に広い開口状態が得られなかった。
一方、図2,3に示すようなサイドシール部の内側縁に対応する位置に欠除部を設けた実施例1〜19は、サイドシール部の内側縁から大きく開く状態が得られた。また、開封感も良好であった。
10……袋体
12……サイドシール部
12A…内側縁
16……開口部
20……形状保持テープ
21……厚肉部
22……薄肉部
23……誘導厚肉部
24……欠除部
Claims (14)
- サイドシール部が設けられ開口部を有した袋体の開口縁に沿って、前記開口部の開口形状を保持する形状保持テープが取り付けられた形状保持テープ付き包装体の製造方法であって、
前記袋体に前記形状保持テープを取り付ける際、前記サイドシール部における前記袋体の内側の一縁に対応する位置で、かつ前記袋体内に区画形成された収納空間側の縁に対応する位置で前記形状保持テープの少なくとも一部を欠除する欠除工程を実施する
ことを特徴とする形状保持テープ付き包装体の製造方法。 - 請求項1に記載の形状保持テープ付き包装体の製造方法であって、
前記形状保持テープとして、前記袋体の開口縁に沿って取り付けられる厚肉部と、この厚肉部の前記袋体の開口縁側の一縁に一体に設けられ厚さ寸法が前記厚肉部より薄い薄肉部と、この薄肉部の前記袋体の開口縁側の一縁に一体に設けられ厚さ寸法が前記薄肉部より厚い誘導厚肉部と、を備えたものを用いる
ことを特徴とする形状保持テープ付き包装体の製造方法。 - サイドシール部が設けられ開口部を有した袋体の開口縁に沿って、前記開口部の開口形状を保持する形状保持テープが取り付けられた形状保持テープ付き包装体の製造方法であって、
前記袋体に前記形状保持テープを取り付ける際、前記サイドシール部における前記袋体の内側の一縁に対応する位置で前記形状保持テープの少なくとも一部を欠除する欠除工程を実施するに際し、
前記形状保持テープとして、前記袋体の開口縁に沿って取り付けられる厚肉部と、この厚肉部の前記袋体の開口縁側の一縁に一体に設けられ厚さ寸法が前記厚肉部より薄い薄肉部と、この薄肉部の前記袋体の開口縁側の一縁に一体に設けられ厚さ寸法が前記薄肉部より厚い誘導厚肉部と、を備えたものを用いる
ことを特徴とする形状保持テープ付き包装体の製造方法。 - 請求項2または請求項3に記載の形状保持テープ付き包装体の製造方法であって、
前記欠除工程は、前記厚肉部の前記サイドシール部に応じた位置を欠除する
ことを特徴とする形状保持テープ付き包装体の製造方法。 - 請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の形状保持テープ付き包装体の製造方法であって、
前記形状保持テープとして、前記厚肉部の幅寸法が2mm以上20mm以下、前記厚肉部の厚さ寸法が150μm以上700μm以下のものを用いる
ことを特徴とする形状保持テープ付き包装体の製造方法。 - 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の形状保持テープ付き包装体の製造方法であって、
前記サイドシール部は、一対設けられるもので、
前記欠除工程は、前記サイドシール部における前記袋体の内側の一縁に対応する位置にそれぞれ前記形状保持テープの少なくとも一部を欠除する
ことを特徴とする形状保持テープ付き包装体の製造方法。 - 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の形状保持テープ付き包装体の製造方法であって、
前記欠除工程は、打ち抜き加工により前記形状保持テープを欠除する
ことを特徴とする形状保持テープ付き包装体の製造方法。 - サイドシール部が設けられ開口部を有した袋体の開口縁に沿って、前記開口部の開口形状を保持するテープが取り付けられたテープ付き包装体であって、
前記テープは、前記サイドシール部における前記袋体の内側の一縁に対応する位置で、かつ前記袋体内に区画形成された収納空間側の縁に対応する位置に、当該テープの少なくとも一部が欠除された欠除部が設けられた
ことを特徴とするテープ付き包装体。 - 請求項8に記載のテープ付き包装体であって、
前記テープは、前記袋体の開口縁に沿って取り付けられる厚肉部と、この厚肉部の前記袋体の開口縁側の一縁に一体に設けられ厚さ寸法が前記厚肉部より薄い薄肉部と、この薄肉部の前記袋体の開口縁側の一縁に一体に設けられ厚さ寸法が前記薄肉部より厚い誘導厚肉部と、を備えている
ことを特徴とするテープ付き包装体。 - サイドシール部が設けられ開口部を有した袋体の開口縁に沿って、前記開口部の開口形状を保持するテープが取り付けられたテープ付き包装体であって、
前記テープは、前記袋体の開口縁に沿って取り付けられる厚肉部と、この厚肉部の前記袋体の開口縁側の一縁に一体に設けられ厚さ寸法が前記厚肉部より薄い薄肉部と、この薄肉部の前記袋体の開口縁側の一縁に一体に設けられ厚さ寸法が前記薄肉部より厚い誘導厚肉部と、を備え、前記サイドシール部における前記袋体の内側の一縁に対応する位置に当該テープの少なくとも一部が欠除された欠除部が設けられた
ことを特徴とするテープ付き包装体。 - 請求項9または請求項10に記載のテープ付き包装体であって、
前記欠除部は、前記厚肉部の前記サイドシール部に応じた位置に設けられた
ことを特徴とするテープ付き包装体。 - 請求項9から請求項11までのいずれか一項に記載のテープ付き包装体であって、
前記テープは、前記厚肉部の幅寸法が2mm以上20mm以下、前記厚肉部の厚さ寸法が150μm以上700μm以下である
ことを特徴とするテープ付き包装体。 - 請求項8から請求項12までのいずれか一項に記載のテープ付き包装体であって、
前記サイドシール部は、一対設けられ、
前記欠除部は、前記サイドシール部における前記袋体の内側の一縁に対応する位置にそれぞれ設けられた
ことを特徴とするテープ付き包装体。 - 請求項8から請求項13までのいずれか一項に記載のテープ付き包装体であって、
前記欠除部は、打ち抜き加工により設けられた
ことを特徴とするテープ付き包装体。
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