JP5638821B2 - コネクタ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、嵌合リングに回転自在に収容された第1のコネクタを、回転する嵌合リングと共に第2のコネクタに対する第1のコネクタの嵌合方向に引き込むことで、両コネクタ同士が接続される回転嵌合式のコネクタ装置に関する。
この種のコネクタ装置は、下記の特許文献1〜4に開示されている。下記の特許文献1では、噛み合わせリングに収容された雄型コネクタが、噛み合わせリングが回転することで雌型コネクタに接続される。両コネクタの完全嵌合時、噛み合わせリングが備える可撓係止アームの係止爪が、雄型コネクタの検知用係止突部を乗り越え、そのとき可撓係止アームの段部が検知用係止突部に当接してロック音が発生する。
下記の特許文献2では、回動部材に収容されたコネクタ主部が、回動部材が回転することで相手方コネクタに接続される。コネクタ主部と相手方コネクタとの完全嵌合時には、回動部材が備える係止アームの係止片がコネクタ主部の誘導部から係合部へ導かれて係止アームの弾性変形が解除される。このとき、係止片が係合部に係合して、ロック音が発生する。
下記の特許文献3では、回動部材に収容された雄コネクタが、回動部材が回転することで雌コネクタに接続される。両コネクタの完全嵌合時には、回動部材が備える係合アームの突部が雄コネクタの係合凹部に係合し、突部と係合凹部とが当接してロック音が発生する。
下記の特許文献4では、回動部材に収容された雄コネクタが、回動部材が回転することで雌コネクタに接続される。両コネクタの嵌合直後には、回動部材に支持された嵌合検知部材の一端が、他方のコネクタが備える環状壁の摺接面から当接終了端に落ち込んで、嵌合検知部材の他端の弾性片が弾性復帰し、嵌合検知部材が嵌合開始前の状態に戻る。
特開2005−267930号公報 特開2006−332033号公報 特開2003−163056号公報 特開2001−43932号公報
アームの当接に伴い生じるロック音で完全嵌合を知らせる特許文献1〜3の方法では、周囲の騒音でロック音がかき消されたり、他の音をロック音と誤認する虞があった。また、嵌合検知部材の目視でコネクタ同士の完全嵌合を知らせる特許文献4の方法では、暗い場所での作業や周辺部品等の影響を受ける虞があった。
本発明は斯かる課題に鑑みてなされたもので、作業環境の影響を受けることなく、コネクタ同士の完全嵌合を知らせることのできるコネクタ装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のコネクタ装置は、嵌合リングに回転自在に収容された第1のコネクタを、回転する前記嵌合リングと共に第2のコネクタに対する前記第1のコネクタの嵌合方向に引き込むことで、両コネクタ同士が接続されるコネクタ装置であって、前記第1のコネクタが、前記嵌合リングの内周面に弾接して前記第1のコネクタ側に撓んだ板バネを備え、前記嵌合リングが、両コネクタ同士の完全嵌合時に前記板バネと向き合う位置に、前記板バネの撓みを解いて前記板バネの先端を前記嵌合リングの外側に突出させるための開口部を有することを特徴とする。
また、本発明のコネクタ装置は、周壁の内面に形成されたガイド突起と、前記周壁に形成された係止板と、前記周壁を貫通した開口部とを有した円筒状の嵌合リングと、前記嵌合リングの周方向に沿って回転自在に前記嵌合リング内に収容された本体と、前記本体の外周面に周方向に沿って延びて前記係止板をガイドする係止溝と、前記本体に形成されたガイド部とを有した雌コネクタと、円筒状の被着部と、前記被着部の外周面に螺旋状に延びて前記ガイド突起をガイドするガイド溝と、前記被着部の内周面に前記被着部の軸心方向に沿って延びて前記ガイド部をガイドするガイド突条とを有した雄コネクタとを備え、前記雌コネクタが、前記周壁の内周面に弾接して前記雌コネクタ側に撓んだ板バネを外周面に備え、前記周壁が、前記雌コネクタと前記雄コネクタとの完全嵌合時に前記板バネと向き合う位置に、前記板バネの撓みを解いて前記板バネの先端を前記嵌合リングの外側に突出させるための開口部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、開口部から突出した板バネが嵌合リングを把持した手に当接することで、両コネクタ同士の完全嵌合を、作業環境の影響を受けずに確実に知らせることができる。
本発明の一実施形態のコネクタ装置を上方から見た斜視図であり、雌コネクタに対する嵌合リングの組付前を示している。 図1のコネクタ装置を上方から見た斜視図であり、雌コネクタに対する嵌合リングの組付後を示している。 図1の雌コネクタを下方から見た斜視図である。 図1の嵌合リングを下方から見た斜視図である。 嵌合リングを組み付けられた雌コネクタが嵌合リング内に板バネを撓ませた状態を示す図であり、(a)は側面図,(b)は(a)のA−A矢視断面図,(c)は(b)の枠B内の拡大図である。 嵌合リングを組み付けられた雌コネクタが嵌合リングから板バネを突出させた状態を示す図であり、(a)は側面図,(b)は(a)のC−C矢視断面図,(c)は(b)の枠D内の拡大図である。 雄コネクタに接続される雌コネクタを示す斜視図であり、(a)は嵌合リング内に板バネを撓ませた状態,(b)は嵌合リングから板バネを突出させた状態を示している。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。
図1,2は、本実施形態のコネクタ装置を上方から見た斜視図であり、図1は雌コネクタ1に対する嵌合リング2の組付前,図2は雌コネクタ1に対する嵌合リング2の組付後を示している。図3は、雌コネクタ1を下方から見た斜視図である。図4は、嵌合リング2を下方から見た斜視図である。なお、以下の説明で用いる上下,左右の各方向は説明に用いる各図に示している。この上下,左右は説明のために記載したもので、実際の配置と異なってよいことはもちろんである。
図1及び図2に示すように、コネクタ装置は、嵌合リング2が取り付けられた雌コネクタ1を、雄コネクタ3に接続するように構成されている。図1に示すように、雄コネクタ3は、端子キャビティを備えた円柱状の本体3Aと、本体3Aの上端から上方に延びた円筒状の被着部3Bとを備えている。本体3Aの端子キャビティ内に保持された端子は、被着部3B内に先端を突出させている。被着部3Bの外周面には、被着部3Bの上端から下方に向けて、被着部3Bの軸心を中心とする右回り方向に螺旋状に延びたガイド溝31が形成されている。また、被着部3Bの内周面には、被着部3Bの上端から下方に向けて、被着部3Bの軸心に沿って互いに平行に延びた一対のガイド突条32が形成されている。
図1〜図3,及び図7に示すように、雌コネクタ1は、端子キャビティを備えた円柱状の装着部1Aと、装着部1Aの上端から上方に延びた円柱状の被支持部1Bとを備えている。装着部1Aの下面には、雌コネクタ1と雄コネクタ3との接続時に雄コネクタ3の端子が挿通される挿通孔が開口している。雄コネクタ3の端子は、挿通孔を通して装着部1A内の端子と接続される。装着部1Aの外周面には、装着部1Aの上端から下端にかけて装着部1Aの軸心に沿って延びたガイド部1A1が形成されている。
被支持部1Bは、装着部1Aより大きな外径を有して、装着部1Aと軸心を一致させた円柱状を呈している。被支持部1Bの上面1Cの外周縁からは、平板状の規制板1B2,1B3,1B4が、被支持部1Bの周縁に沿って所定幅で延びている。規制板1B2,1B3,1B4の下方に位置する被支持部1Bの外周面の中間部には、被支持部1Bの全周に亘って被支持部1Bの周方向に沿って延びた係止溝1B1が形成されている。規制板1B3の下方に位置する被支持部1Bの外周面には、係止溝1B1の下端から被支持部1Bの下端にかけて、被支持部1Bの外周面を被支持部1Bの周方向に沿って所定長さに亘って延びた切欠部11が形成されている。切欠部11は、被支持部1Bの外周部を一定の厚さだけ肉薄に形成して構成されており、被支持部1Bの左回り方向の終端側の側壁からは、左回り方向の終端側の側壁側に向けて平板状の板バネ12が延びている。
図1,図2,図4,及び図7に示すように、嵌合リング2は、縮経部2Aと拡径部2Bとを備えた円筒状を呈している。縮経部2Aの内面からは、ガイド突起2A1が縮経部2Aの内方に向けて突出している。拡径部2Bは、縮経部2Aの上端から徐々に拡径して上方に延びた後、同径を保って上方に延びて縮経部2Aと軸心を一致させている。
拡径部2Bの上端部からは、平板状の移動規制片2B3が上方に延びている。また、拡径部2Bの上端部には、複数の係止板2B1が設けられている。各係止板2B1は、拡径部2Bに上端から下方に向けて延びる一対の切り欠きを設けることで形成されており、上端部の内面には係止突起を備えている。また、移動規制片2B3の下方に位置する拡径部2Bの周壁には、矩形の開口形状を有して拡径部2Bの周壁を貫通した開口部21が形成されている。
拡径部2Bには、拡径部2Bの上端から下方に向けて延びた後、当接舌片2B2の下方に向けて拡径部2Bの周方向に沿って延びたL字状の切欠部2B4が形成されている。切欠部2B4の上端側に位置する拡径部2Bの周壁は、弾性アーム2B5を構成している。弾性アーム2B5の上端面からは、平板状の当接舌片2B2が上方に延びている。
次に、雌コネクタ1に対する嵌合リング2の取付構造について説明する。
雌コネクタ1は、図1に矢印で示すように、嵌合リング2の拡径部2Bに装着部1A側から挿入され、被支持部1Bの外周面を拡径部2Bの内周面に向き合わせて、図2に示すように嵌合リング2に保持される。嵌合リング2に保持された雌コネクタ1の装着部1Aと、嵌合リング2の縮経部2Aとの間には間隙が設けられている。
雌コネクタ1を保持した嵌合リング2は、係止板2B1が備える係止突起が雌コネクタ1の係止溝1B1に係止することで、上下方向への移動を規制される。また、嵌合リング2は、雌コネクタ1の係止溝1B1で係止板2B1の係止突起をガイドされ、雌コネクタ1の周方向に沿って移動自在となっている。嵌合リング2は、図6に示すように、雌コネクタ1が備える規制板1B3の左回り方向の終端面に移動規制片2B3が当接することで右回り方向への移動を規制される。また、図示しないが、規制板1B4の右回り方向の終端面に移動規制片2B3が当接することで左回り方向への移動を規制される。
雌コネクタ1の板バネ12は、図5,図7(a)に示すように、嵌合リング2が備える拡径部2Bの内周面に弾接して切欠部11側に撓んでおり、雌コネクタ1の規制板1B3と移動規制片2B3とが当接又は互いに近接した状態になると、図6,図7(b)に示すように開口部21から拡径部2Bの外側に先端を突出させる。
次に、嵌合リング2が組み付けられた雌コネクタ1を、雄コネクタ3と接続する際の動作について説明する。
嵌合リング2が組み付けられた雌コネクタ1と雄コネクタ3との接続作業は、雌コネクタ1の規制板1B4と嵌合リング2の移動規制片2B3が当接又は近接した図示しない状態で行われる。雌コネクタ1と雄コネクタ3との接続の際には、嵌合リング2が組み付けられた雌コネクタ1を、縮経部2Aと装着部1Aとの間に雄コネクタ3の被着部3Bが位置するように被着部3Bの上端側に配置し、雌コネクタ1のガイド部1A1を被着部3Bの一対のガイド突条32間に進入させると共に、嵌合リング2のガイド突起2A1をガイド溝31内に進入させる。この状態で、嵌合リング2を雄コネクタ3に対して右回り方向へ回転させると、嵌合リング2がガイド突起2A1をガイド溝31でガイドされて、雄コネクタ3に対して右回り方向へ回転しながら下方に移動する。また、雌コネクタ1は、一対のガイド突条32にガイド部1A1をガイドされて、雄コネクタ3に対する周方向への位置決めをされながら、嵌合リング2に対する上下位置を一定に保ちつつ、下方に移動する。このとき、嵌合リング2は、係止板2B1の係止突起を雌コネクタ1が被支持部1Bに備える係止溝1B1でガイドされて、雌コネクタ1に対して右回り方向へ回転する。
雌コネクタ1及び嵌合リング2の下方への移動に伴い、嵌合リング2が雌コネクタ1に対して右回り方向に回転すると、当接舌片2B2,移動規制片2B3,及び開口部21も雌コネクタ1に対して右回り方向に移動する。その後、当接舌片2B2が規制板1B2に当接すると弾性アーム2B5が下方に向けて切欠部2B4内に撓み、図7(a)に示すように当接舌片2B2が規制板1B2を通過すると、弾性アーム2B5の撓みが解けた状態となる。そして、雄コネクタ3が本体3Aに備える端子が嵌合リング2が縮経部2Aに備える挿通孔に挿入されて、縮経部2A内の端子に完全に接続される完全嵌合状態になると、図7(b)に示すように、板バネ12の先端の配置された位置まで移動してきた開口部21から、板バネ12が拡径部2Bの外側に先端を突出させる(図6も参照)。これに伴い、雌コネクタ1の規制板1B3と嵌合リング2の移動規制片2B3とが当接して、雌コネクタ1に対する嵌合リング2の右回り方向への回転も規制される。また、嵌合リング2のガイド突起2A1が雄コネクタ3のガイド溝31の端部に当接し、雄コネクタ3に対する嵌合リング2の右回り方向への回転も規制される。
本実施形態によれば、嵌合リング2の回転に伴い開口部21が雌コネクタ1の外周面に沿って嵌合リング2の周方向に移動して、雌コネクタ1と雄コネクタ3とが完全嵌合すると、嵌合リング2の内周面に弾接した板バネ12が開口部21から嵌合リング2の外側に突出する。このため、作業者は、嵌合リング2を雄コネクタ3に対して回転させるために嵌合リング2を把持した手に板バネ12が当接したのを確認することで、雌コネクタ1と雄コネクタ3とが完全嵌合したのを知ることができる。従って、作業環境の影響を受けずに、雌コネクタ1と雄コネクタ3との完全嵌合を確実に作業者に知らせることができる。
なお、上記実施形態では、嵌合リング2のガイド突起2A1を雄コネクタ3のガイド溝31でガイドして、回転する嵌合リング2を雌コネクタ3側に引き込んだ場合について説明したが、雄コネクタ3に対する嵌合リング2のガイド方法は任意であり、例えば、嵌合リング2のガイド溝を雄コネクタ3のガイド突起でガイドしてもよい。
また、上記実施形態では、雄コネクタ1のガイド部1A1を雌コネクタ3のガイド突条32で雄コネクタ3の軸心方向にガイドした場合について説明したが、雌コネクタ3に対する雄コネクタ1のガイド方法は任意であり、例えば、雄コネクタ1のガイド突条を雌コネクタ3のガイド部でガイドしてもよい。
また、嵌合リング2で雌コネクタ1を回転自在に支持する方法は任意であり、嵌合リング2が備える係止溝に雌コネクタ1が備える係止板を係止させてもよい。また、上記実施形態では、雌コネクタ1と雄コネクタ3とが完全嵌合する前に嵌合リング2の当接舌片2B2が雌コネクタ1の規制板1B2に当接する場合について説明したが、当接舌片2B2及び規制板1B2を備えない構成としてもよい。
1 雌コネクタ(第1のコネクタ)
1A 装着部(本体)
1A1 ガイド部
1B 被支持部(本体)
1B1 係止溝
1B2,1B3,1B4 規制板
11 切欠部
12 板バネ
2 嵌合リング
2A 縮経部
2A1 ガイド突起
2B 拡径部
2B1 係止板
2B2 当接舌片
2B3 移動規制片
2B4 切欠部
2B5 弾性アーム
21 開口部
3 雄コネクタ(第2のコネクタ)
3A 本体
3B 被着部
31 ガイド溝
32 ガイド突条

Claims (2)

  1. 嵌合リングに回転自在に収容された第1のコネクタを、回転する前記嵌合リングと共に第2のコネクタに対する前記第1のコネクタの嵌合方向に引き込むことで、両コネクタ同士が接続されるコネクタ装置であって、
    前記第1のコネクタは、前記嵌合リングの内周面に弾接して前記第1のコネクタ側に撓んだ板バネを備え、
    前記嵌合リングは、両コネクタ同士の完全嵌合時に前記板バネと向き合う位置に、前記板バネの撓みを解いて前記板バネの先端を前記嵌合リングの外側に突出させるための開口部を有することを特徴とするコネクタ装置。
  2. 周壁の内面に形成されたガイド突起と、前記周壁に形成された係止板と、前記周壁を貫通した開口部とを有した円筒状の嵌合リングと、
    前記嵌合リングの周方向に沿って回転自在に前記嵌合リング内に収容された本体と、前記本体の外周面に周方向に沿って延びて前記係止板をガイドする係止溝と、前記本体に形成されたガイド部とを有した雌コネクタと、
    円筒状の被着部と、前記被着部の外周面に螺旋状に延びて前記ガイド突起をガイドするガイド溝と、前記被着部の内周面に前記被着部の軸心方向に沿って延びて前記ガイド部をガイドするガイド突条とを有した雄コネクタとを備え、
    前記雌コネクタは、前記周壁の内周面に弾接して前記雌コネクタ側に撓んだ板バネを外周面に備え、
    前記周壁は、前記雌コネクタと前記雄コネクタとの完全嵌合時に前記板バネと向き合う位置に、前記板バネの撓みを解いて前記板バネの先端を前記嵌合リングの外側に突出させるための開口部を備えることを特徴とするコネクタ装置。
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