JP5638083B2 - カテーテル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生体内に挿入して用いられるカテーテルに関し、特にラピッド・エクスチェンジタイプのカテーテルに関するものである。
従来から、PTCA(経皮的冠動脈形成術)といった治療などにおいて、バルーンカテーテルが用いられている。バルーンカテーテルの構造には、ガイドワイヤが手元から先端まで通るオーバー・ザ・ワイヤータイプ(OTW型とも呼ばれる。)と、カテーテルの先端部のみガイドワイヤが通るラピッド・エクスチェンジタイプ(RX型とも呼ばれる。)と、がある。オーバー・ザ・ワイヤータイプは、ガイドワイヤの交換が容易なのでガイドワイヤの交換が必要な症例に適している。一方、ラピッド・エクスチェンジタイプは、ガイドワイヤを体内に残した状態で、迅速にカテーテルを交換できるので、円滑な治療を行うことができる。ラピッド・エクスチェンジタイプでは、カテーテルの先端部のみにガイドワイヤが通されるので、ガイドワイヤを通すための孔がカテーテルシャフトに形成されることになる。この孔は一般にガイドワイヤポートと呼ばれる。
特開2000−24112号公報 特開2008−237844号公報
しかし、ラピッド・エクスチェンジタイプのバルーンカテーテルに形成されているガイドワイヤポートの構成やその製造方法については、十分な検討がなされていなかった。さらに、ガイドワイヤポートは、バルーンカテーテルだけでなく、吸引カテーテルや貫通カテーテル、ステントデリバリカテーテルといった他の種類のカテーテルにも使用され、これらのカテーテルに共通する問題であった。
本発明は、上述の従来の課題を解決するために創作されたものであり、カテーテルにおいて、ガイドワイヤポートの構成やその製造方法を改善する技術の提供を目的とする。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
手段1.ガイドワイヤによって導かれるラピッドエクスチェンジ型のカテーテルであって、
遠位端と近位端とを有するカテーテルシャフトと、
前記ガイドワイヤが挿通するための内腔が形成され、前記カテーテルシャフトに装着されているインナーチューブと、
を備え、
前記カテーテルシャフトには、前記カテーテルシャフトの外部に開口し、前記ガイドワイヤが挿通するための開口部であるガイドワイヤポートが前記近位端よりも前記遠位端に近い位置に形成され、
前記インナーチューブの内腔の近位端は、前記カテーテルシャフトの内部で前記ガイドワイヤポートに連通していることを特徴とするカテーテル。
手段1では、インナーチューブの内腔の近位端は、カテーテルシャフトの内部でガイドワイヤポートに連通しているので、インナーチューブの近位端がカテーテルの外形形状に影響を与えないように構成されていることになる。具体的には、たとえばインナーチューブとカテーテルシャフトの2層構造に起因するバリの発生を予め防止することができる。これにより、インナーチューブとカテーテルシャフトの接続方法(たとえば溶着や接着)に拘わらず、その接続の端部位置におけるバリの発生の問題を抑制することができる。
バリ発生の可能性があると、従来は、その除去のために切除工程を追加しなければならないという問題があった。ところが、切除工程を追加すると、カテーテルシャフトに不意の切込みが形成されていないか否かの検査も必要となるので、製造負担の増大だけでなく品質保証上の負担も過大となっていた。手段1によれば、バリの問題を未然に防止して製造工程を簡略化するとともに、品質を顕著に向上させることができる。なお、手段1は、バルーンカテーテルだけでなく、たとえば吸引カテーテルや貫通カテーテル、ステントデリバリカテーテルといった他の種類にも適用することができる。
手段2.前記ガイドワイヤポートは、前記連通の位置である連通位置から前記開口の位置である開口位置までの軸線方向が、前記カテーテルシャフトの軸線方向と平行となるように内面が形成されている手段1に記載のカテーテル。
手段2では、連通位置から開口位置までの軸線方向がカテーテルシャフトの軸線方向と平行となるようにガイドワイヤポートの内面が形成されているので、ガイドワイヤポートの操作の際におけるカテーテルシャフトへのモーメント荷重の印加を抑制することができる。これにより、カテーテルの操作を円滑化することができる。
手段3.前記ガイドワイヤポートは、前記インナーチューブと前記カテーテルシャフトの熱溶着によって形成された外形形状を有している手段1に記載のカテーテル。
手段3は、インナーチューブとカテーテルシャフトの熱溶着によって形成された外形形状を有している。ガイドワイヤポートの輪郭部の形成は、インナーチューブとカテーテルシャフトの熱溶着の際に形成されているので、ガイドワイヤポートの滑らかな外形形状を実現してバリの発生を予め防止することができる。熱溶着の方法には、たとえば型を使用して行うことができる。
手段4.前記カテーテルシャフトは、遠位側のディスタールシャフトと近位側の付加シャフトとを備え、
前記インナーチューブと前記カテーテルシャフトの熱溶着は、前記ディスタールシャフトの素材であるディスタールシャフト用素材と、前記付加シャフトの素材である付加シャフト用素材と、が当接された状態において行われ、
前記付加シャフトの外形形状には、前記ガイドワイヤポートに挿通するガイドワイヤが、前記カテーテルの外部において通過するための凹部が形成され、
前記凹部は、前記ディスタールシャフト用素材と前記付加シャフト用素材とが当接された状態において前記熱溶着で接続された際に形成された形状である手段3に記載のカテーテル。
手段4では、付加シャフトの外形形状には、ガイドワイヤポートに挿通するガイドワイヤがカテーテルの外部において通過するための凹部が形成されている。この凹部は、ディスタールシャフトと付加シャフトとが当接された状態において熱溶着で接続された際に形成された形状なので、その熱溶着の際にガイドワイヤポートと同時に形成することができる。
手段5.前記インナーチューブは、ポリアミド系の合成樹脂の外層と高密度ポリエチレン樹脂の内層とを有し、
前記カテーテルシャフトは、ポリアミド系の合成樹脂で構成され、
前記ガイドワイヤポートは、前記インナーチューブと前記カテーテルシャフトの溶着によって形成された外形形状を有し、
前記内層は、前記外層よりも薄い層である手段3又は4のいずれか1つのカテーテル。
手段5では、インナーチューブは、ポリアミド系の合成樹脂の外層と高密度ポリエチレン樹脂の内層とを有している。高密度ポリエチレン樹脂の内層は、ガイドワイヤとの静摩擦係数を低減化させることができる。一方、ポリアミド系の合成樹脂の外層は、ポリアミド系の合成樹脂で構成されているカテーテルシャフトと円滑に溶着することができる。このように、インナーチューブとカテーテルシャフトの溶着性を維持しつつ円滑なガイドワイヤの操作を実現することができる。特に内層は、外層よりも薄い層なので溶着性を確実に維持することができる。
手段6.前記インナーチューブの内面は、前記ガイドワイヤとの静摩擦係数が、前記ガイドワイヤと前記カテーテルシャフトの静摩擦係数よりも小さい材質で形成されている手段1乃至5のいずれか1つのカテーテル。
手段6では、インナーチューブの内面は、ガイドワイヤとの静摩擦係数が、ガイドワイヤとカテーテルシャフトの静摩擦係数よりも小さい材質で形成されているので、ガイドワイヤによるカテーテルの導入を円滑化することができる。一方、インナーチューブの材料については、接着あるいは溶着に拘わらず、加工時の端部のバリの発生を考慮しなくて良いので、多様な材料からの選択を可能としている。
手段7.ガイドワイヤによって導かれるラピッドエクスチェンジ型のカテーテルを製造する方法であって、
前記ガイドワイヤを通過させるためのワイヤ用貫通孔が形成されているインナーチューブと、前記インナーチューブを挿通させるためのチューブ用貫通孔が形成されているカテーテルシャフトと、マンドレルとを準備する準備工程と、
前記カテーテルシャフトのチューブ用貫通孔に前記インナーチューブを挿通させる工程と、前記インナーチューブのワイヤ用貫通孔に前記マンドレルを挿通させる工程とを含む組立て工程と、
前記インナーチューブの基端側の端部である内側端部を、前記カテーテルシャフトの外表面から所定の長さだけ前記カテーテルシャフトの内部側に位置決めする位置決め工程と、
前記外表面を含む領域を加熱して溶着させる熱溶着工程と、
を備えるカテーテルの製造方法。
手段7の製造方法では、溶着工程において、インナーチューブの端部である内側端部をディスタールシャフトの端部である外側端部から所定の長さだけディスタールシャフトの内側に位置決めするだけで、極めて簡易に本発明を適用することができる。
なお、本明細書では、近位とはカテーテルを操作する術者から見て近い位置を言い、遠位とはカテーテルを操作する術者から見て遠い位置を言う。
実施形態におけるバルーンカテーテルの構成を示す概略全体側面図。 ガイドワイヤポートの近傍の外形形状を示す外観図。 ガイドワイヤポートの近傍の構成を示す断面図。 ディスタールシャフト13のA−A断面を示す断面図。 ディスタールシャフト13のB−B断面を示す断面図。 ディスタールシャフト13のC−C断面を示す断面図。 ガイドワイヤポート30の近傍におけるミッドシャフト12の構成を示すD−D断面図。 ガイドワイヤポート30から近位側に離れた位置におけるミッドシャフト12の構成を示すE−E断面図。 ガイドワイヤポート30とその近傍の形成の各行程を示すフローチャート。 準備工程において準備される材料と治具とを示す斜視図。 インナーチューブ用素材70の断面を示す断面図。 組み立て工程においてワイヤ用マンドレル89の挿入前の状態を示す断面図。 組み立て工程によって組み立てられた状態を示す断面図。 組み立て工程によって組み立てられた状態を示す外観図。 変形例の組み立て工程によって組み立てられた状態を示す断面図。 変形例の組み立て工程によって組み立てられた状態を示す外観図。
(カテーテルの構成)
以下、本発明を具体化した実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態におけるバルーンカテーテル10の構成を示す概略全体側面である。バルーンカテーテル10は、カテーテルシャフト19と、カテーテルシャフト19の基端部(近位端部)に取り付けられたハブ15と、カテーテルシャフト19の先端部(遠位端部)に取り付けられたバルーン16と、ガイドワイヤルーメンを形成するためのインナーチューブ14と、を備えている。
カテーテルシャフト19は、基端側から順に、プロキシマルシャフト11とミッドシャフト12とディスタールシャフト13とを備えている。プロキシマルシャフト11は、基端シャフトとしての管状シャフト(チューブ)である。ミッドシャフト12は、中間シャフトとしての管状シャフト(チューブ)である。ディスタールシャフト13は、先端シャフトとしての管状シャフト(チューブ)である。ディスタールシャフト13の内部には、インナーチューブ14が挿通されている。
なお、ミッドシャフト12やプロキシマルシャフト11は、必須の構成要素ではなく、ディスタールシャフト13とプロキシマルシャフト11とを直結する構成や単一シャフトのカテーテルでもよい。また、ディスタールシャフト13に接続されるシャフトは、付加シャフトとも呼ばれる。
バルーン16は、近位端部16nと遠位端部16fとを有し、近位端部16nがディスタールシャフト13の遠位端部13fに接合され、遠位端部16fがインナーチューブ14の遠位端部14fに接合されている。インナーチューブ14は、バルーン16内部を通過するように配置され、インナーチューブ14の遠位端部14fには、バルーン16の遠位端部16fより遠位側に延びている先端チップ14pが接合されている。先端チップ14pには、インナーチューブ14のガイドワイヤルーメンが連通し、ガイドワイヤルーメンが先端チップ14pの遠位側で開口されている。
バルーンカテーテル10の要求仕様には、屈曲血管(又は、ガイドワイヤG)への追随性(trackability)と、体内へバルーンカテーテル10を挿入する際の力の伝達性(pushability)とが含まれている。これら両性能は、一般的にバルーンカテーテル10の先端側の剛性を基端側よりも低くする構成を採用することによって満たされている。
具体的には、プロキシマルシャフト11よりも剛性が低いミッドシャフト12を採用し、さらにミッドシャフト12よりも剛性が低いディスタールシャフト13を使用し、各シャフトも遠位側に近づくほど剛性を低下させることによって上述の両性能が満たされている。剛性の調整は、図示しない剛性調整用のコアワイヤを使用することによって行うようにしてもよい。本明細書では、剛性とは、具体的には「曲げこわさ(曲げ剛性)」のことをいい、ヤング率(縦弾性係数)と断面二次モーメントとの積に比例する値のことをいう。
プロキシマルシャフト11は、本実施形態では、ステンレスやニッケルチタン合金などといった金属により形成されている。プロキシマルシャフト11の材質は、金属製に限定されることはなく、合成樹脂製であってもよい。プロキシマルシャフト11は、本実施形態では、1m強の長さを有し、その基端部に上記ハブ15が接合され、先端部にミッドシャフト12が接合されている。プロキシマルシャフト11の外周には、PTFEといったフッ素樹脂などをコーティングする構成としてもよい。
ミッドシャフト12は、剛性がプロキシマルシャフト11よりも低くなるように、その材料、肉厚及び外径などが設定されている。ミッドシャフト12は、遠位側に近づくほど剛性が低下するように構成されている。ミッドシャフト12は、本実施形態では、熱可塑性樹脂により形成されている。具体的にはミッドシャフト12は、ポリアミド系樹脂、より具体的にはポリアミドエラストマにより形成されている。ミッドシャフト12の先端部には、ディスタールシャフト13及びインナーチューブ14の基端部が接合されている。
ディスタールシャフト13及びインナーチューブ14は、その二重構造となった部位の剛性がミッドシャフト12よりも低くなるように構成されている。ディスタールシャフト13及びインナーチューブ14は、いずれも熱可塑性樹脂製である。インナーチューブ14は、1つのチューブで形成されてもよく、また複数のチューブで形成されていてもよい。ディスタールシャフト13は、剛性の調整の観点からポリアミド系の熱可塑性樹脂により形成されている。
具体的にはディスタールシャフト13はポリアミドエラストマにより形成されている。インナーチューブ14の近位端部14nは、ガイドワイヤGの円滑な滑りの観点からポリエチレン系の熱可塑性樹脂により内面が形成され、ポリアミド系の熱可塑性樹脂、具体的にはポリアミドエラストマにより外面が形成されている。なお、インナーチューブ14の構造については後述する。また、ディスタールシャフト13及びインナーチューブ14は、いずれも遠位側に近づくほど剛性が低下するように構成されている。
ただし、可撓性や熱可塑性を有するのであれば、ポリアミド系樹脂やポリエチレン系樹脂に限定されるものではなく、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂などの合成樹脂材料を用いることができ、さらには上記各合成樹脂材料を基材として当該基材に対して添加剤が混合されていてもよい。
プロキシマルシャフト11、ミッドシャフト12およびディスタールシャフト13には、その各々の内部に相互に連通する内腔(図示省略)が形成されている。本内腔は、圧縮流体をバルーン16内に導く流体用ルーメンを構成している。圧縮流体は、ハブ15を介して供給される。一方、ディスタールシャフト13の内部に挿通されているインナーチューブ14には、ガイドワイヤ用ルーメン(後述)が形成されている。
図2は、ガイドワイヤポート30の近傍の外形形状を示す外観図である。図3は、ガイドワイヤポート30の近傍の構成を示す断面図である。ガイドワイヤポート30は、ミッドシャフト12とディスタールシャフト13の接続位置の近傍に形成されている。本接続は、溶着によるものであり、流体用ルーメンを構成するミッドシャフト12の流体ルーメン用内腔12aとディスタールシャフト13の流体ルーメン用内腔13aも連通するように接続されている。本接続は、熱溶着によるものなので、たとえば同一材料を使用した場合のようにミッドシャフト12とディスタールシャフト13の明確な境界は存在しない場合もある。
ガイドワイヤポート30は、カテーテルシャフト19の基端19nよりも先端19fに近い位置であるポート形成領域13c(長さδ2)に形成される。ガイドワイヤポート30は、ディスタールシャフト13の近位端部13nおよびミッドシャフト12の遠位端部12fによって形成されている。具体的にはガイドワイヤポート30は、ディスタールシャフトの近位端部13nを形成するディスタールシャフトの周壁の一部と、ミッドシャフト12の遠位端部12fを形成するミッドシャフトの周壁の一部とで形成されている。
ガイドワイヤポート30は、ガイドワイヤGが挿通するためにバルーンカテーテル10の外部に開口する開口部である。一方、ディスタールシャフト13の内部には、インナーチューブ14が挿通されている。インナーチューブ14の基端側は、ディスタールシャフト13の内部において内部開口部13bとして形成されている。内部開口部13bは、ガイドワイヤポート30に連通している。これにより、インナーチューブ14の基端側の接続におけるバリの発生の問題を抑制することができる。
バリの発生は、従来は、その除去のために切除工程を追加しなければならないという問題を生じさせていた。ところが、切除工程を追加すると、カテーテルシャフトに不意の切込みが形成されていないか否かの検査も必要となるので、製造負担の増大だけでなく品質保証状の負担も過大となっていた。本実施形態によれば、バリの問題も未然に防止して製造工程を簡略化するとともに、品質を顕著に向上させることができる。
一方、インナーチューブ14の近位端部14nは、ポート形成領域13cの先端側に続く接合領域13d(長さδ1)でカテーテルシャフト19に接合されている。インナーチューブ14の近位端部14nは、接合領域13dにおいて、カテーテルシャフトに囲まれて液密に接合されている。インナーチューブ14の近位端部14nが、接合領域13dにおいて、ディスタールシャフト13の近位端部13nの流体ルーメン用内腔13aの内面と、ミッドシャフト12の外面と挟まれて溶着されることによって接合されている。接合領域13d(長さδ1)の軸方向の長さは、ポート形成領域13c(長さδ2)の軸方向の長さより長い。接合領域13dからポート形成領域13cにわたってインナーチューブ14のワイヤ用内腔14aの内面と、ガイドワイヤポート30の内面とが面一となるように連通して形成されている。
なお、インナーチューブ14のワイヤ用内腔14aには、ガイドワイヤGの滑り性を高めるために、図示しないコーティング層が形成されている。このコーティング層として、ポリエチレンオキサイドや無水マレイン酸といった親水性の材料を用いてもよく、PTFE等のフッ素樹脂といった疎水性の材料を用いてもよい。疎水性の材料を用いることにより、コーティング層の膨潤を防ぐことができる。また、コーティング層としてダイアモンドライクカーボン(DLC)を用いてもよく、さらにはダイアモンドライクカーボンをプライマーとして用い、親水性の材料又は疎水性の材料を被覆することによってコーティング層を形成してもよい。
図4、図5及び図6は、ガイドワイヤポート30の近傍におけるディスタールシャフト13の構成を示す断面図である。図4は、ディスタールシャフト13のA−A断面を示している。ディスタールシャフト13は、A−A断面において流体用ルーメンを構成するために流体ルーメン用内腔12aに連通する流体ルーメン用内腔13aが形成され、その内部にインナーチューブ14が挿入されている。インナーチューブ14は、接合領域13dより先端側において流体ルーメン用内腔13aに対して固定されておらずA−A断面内方向に自由に動くことができる。
図5は、カテーテルシャフト19の接合領域13dのB−B断面を示している。B−B断面は、接合領域13dの範囲で形成されている。ディスタールシャフト13の断面には、流体用ルーメンを構成するために流体ルーメン用内腔12aに連通する流体ルーメン用内腔13aと、ガイドワイヤ用ルーメンを構成するワイヤ用内腔14aとが形成されている。インナーチューブ14は、接合領域13dにおいてカテーテルシャフト19に埋め込まれて固定されている。一方、流体用ルーメンを構成する流体ルーメン用内腔13aは、インナーチューブ14の埋め込みに起因する断面積の部分的な減少に対応した三日月形の形状を有している。
図6は、カテーテルシャフト19のポート形成領域13cのC−C断面を示している。C−C断面は、ポート形成領域13cの範囲で形成されている。ポート形成領域13cにおけるディスタールシャフト13の断面には、流体用ルーメンを構成するために流体ルーメン用内腔12aに連通するガイドワイヤポート30の内面(内腔)と、ガイドワイヤポート30とが形成されている。ガイドワイヤポート30には、ワイヤ用内腔14aの内部開口部13bが連通している。ガイドワイヤポート30は、内部開口部13bからガイドワイヤポート30の近位端(開口位置)までの軸線方向が、ディスタールシャフト13の軸線方向と平行となるように内面が形成されている。これにより、ガイドワイヤポートの操作の際におけるカテーテルシャフトへのモーメント荷重の印加を抑制することができる。これにより、カテーテルの操作を円滑化することができる。
図7は、ガイドワイヤポート30の基端側近傍におけるミッドシャフト12の構成を示すD−D断面図である。ミッドシャフト12の断面には、流体用ルーメンを構成する流体ルーメン用内腔12aと、凹部12bとが形成されている。凹部12bは、ガイドワイヤポート30の内面と連なる面を有している。凹部12bは、ガイドワイヤポート30の基端側近傍におけるワイヤ用内腔14aの軸線方向に平行な面を有している。ワイヤ用内腔14aの軸線方向は、ガイドワイヤポート30の近傍においてはディスタールシャフト13の軸線方向に平行である。凹部12bは、遠位側に向かってガイドワイヤポート30に近づくほど凹部の幅(軸線方向に垂直で外面に平行)が滑らかに広がる外形を有しているので、ガイドワイヤGをディスタールシャフト13やミッドシャフト12に平行な方向に円滑に誘導することができる。凹部12bは、ガイドワイヤポート30から基端側に向かって深さが小さくなるように形成されている。
図8は、ガイドワイヤポート30から近位側に離れた位置におけるミッドシャフト12の構成を示すE−E断面図である。カテーテルシャフト19は、凹部12bが形成された領域から遠位側に向かって徐々に外形が円形に回復するように形成されている。具体的にはミッドシャフト12は、D−D断面図の位置からE−E断面図の位置まで連続的に滑らかに断面形状が変化している。
このように、ガイドワイヤGは、ディスタールシャフト13へのモーメント荷重の印加を低減させることができる。さらに、ガイドワイヤGは、ガイドワイヤポート30から出た位置において、凹部12bに沿って(あるいは通過して)円滑に誘導されるので、人体の血管内部において円滑なガイド操作を実現することができる。このような形状は、後述する製造方法によってガイドワイヤポート30と一体的に形成される。
なお、流体用ルーメンを構成する流体ルーメン用内腔13aは、ガイドワイヤポート30の形成に起因する断面積の部分的な減少に対応した三日月形の形状を有している。流体用ルーメンを構成する流体ルーメン用内腔12aは、凹部12bの形成に起因する断面積の部分的な減少に対応した三日月形の形状を有している。
(カテーテルの製造方法)
図9は、ガイドワイヤポート30とその近傍の形成の各行程を示すフローチャートである。ステップS10では、作業者は準備工程を実行する。準備工程は、ディスタールシャフト13とミッドシャフト12の熱溶着を行うために素材と治具とを準備する工程である。ガイドワイヤポート30は、ディスタールシャフト13とミッドシャフト12の熱溶着の際に形成される。
図10は、準備工程において準備される材料と治具とを示す斜視図である。材料には、ディスタールシャフト13の材料となるディスタールシャフト用素材50と、ミッドシャフト12の材料となるミッドシャフト用素材60と、インナーチューブ14の材料となるインナーチューブ用素材70と、が含まれる。治具には、ワイヤ用内腔14aを形成するためのワイヤ用マンドレル89と、流体ルーメン用内腔12a,13aを形成するための流体ルーメン用マンドレル80と、が含まれる。
ディスタールシャフト用素材50は、ポリアミド系樹脂を押出し成型することによって形成されたチューブから切削加工によって基端側の端部に切込み54が形成された素材である。ディスタールシャフト用素材50の端部形状は、ミッドシャフト用素材60の端部形状と嵌合するために加工された形状である。ディスタールシャフト用素材50の端部には、基端51,52と、切込み53,54と、内接面55,56とが形成されている。切込み53,54は、楔状に形成された切り込みでも、あるいは単なる切断状態でもよい。
ディスタールシャフト用素材50の端部の各形状は以下のように構成されている。ディスタールシャフト用素材50の端部は、切込み53,54によって基端51と基端52とに分離されている。基端51の側には、基端51に連なって内接面55が軸線方向に形成されている。基端52の側には、基端52に連なって内接面56が軸線方向に形成されている。
ミッドシャフト用素材60は、ポリアミド系樹脂を押出し成型することによって形成されたチューブからスカイブ加工によって先端側の端部の形成がなされた素材である。ミッドシャフト用素材60の端部形状は、ディスタールシャフト用素材50の端部形状と嵌合した状態で溶着されるとガイドワイヤポート30(図2及び図3)の近傍の形状が形成されるように構成された形状である。なお、ミッドシャフト用素材60は、付加シャフト用素材とも呼ばれる。
ミッドシャフト用素材60の端部の各形状は、以下のように構成されている。先端端部61は、上述のチューブの軸線方向に垂直な平面形状を有している。第1当接平面62および第2当接平面63は、先端端部61に連なって丸棒の軸線方向に延びている平面として形成されている。中間端部64は、第1当接平面62および第2当接平面63に連なって丸棒の軸線方向に傾斜した平面として形成されている。流体用ルーメン用貫通孔65は、先端端部61と第1当接平面62と第2当接平面63と中間端部64とに渡って形成されている開口部を有し、チューブの軸線方向に延びている。
図11は、インナーチューブ用素材70の断面を示す断面図である。インナーチューブ用素材70は、ポリアミド系樹脂と、ポリエチレン系樹脂とを押出し成型することによって形成されたチューブによって形成された素材である。インナーチューブ用素材70は、二層構造を有している。外側の層である外層71は、熱可塑性樹脂製であり、本実施形態ではポリアミド系樹脂製である。内側の層である内層72は、熱可塑性樹脂製であり、本実施形態では高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)製である。外層71と内層72は、本実施形態では低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)で接合されている。内層72には、軸線方向に延びているワイヤ用貫通孔70aが形成されている。内層72は、外層71(外層)よりも薄い。
内層72は、本実施形態では、高密度ポリエチレン樹脂製なので、コーティング処理を行わなくてもガイドワイヤGとの間の摩擦力が小さい内面を形成するという特徴を有している。ただし、たとえばPTFEコーティングを施すようにしても良い。
準備工程では、治具として2個のマンドレル80,89とが準備される。流体ルーメン用マンドレル80は、熱溶着の際に流体ルーメン用内腔12a,13aの内面形状を形成するための金属製の治具である。流体ルーメン用マンドレル80は、流体ルーメン用内腔12a,13aの内面形状を三日月状の断面形状とするための断面形状(外形形状)を有している。三日月状の断面形状81は、流体ルーメン用マンドレル80の側面の一部に緩やかな円状の凹部83の形成を実現している。流体ルーメン用マンドレル80の凹部83は、ワイヤ用マンドレル89との間に中間端部64を挟むことによって凹部12bを形成するためにも使用される。ワイヤ用マンドレル89は、熱溶着の際にワイヤ用内腔14aの内面形状を円形の断面形状とするための断面形状(外形形状)を有している金属製の治具である。
ステップS20(図9参照)では、作業者は組立て工程を実行する。組立て工程とは、材料と治具とを組み立てる工程である。
図12は、組み立て工程においてワイヤ用マンドレル89の挿入前の状態を示す断面図である。図13は、組み立て工程によって組み立てられた状態を示す断面図である。図14は、組み立て工程によって組み立てられた状態を示す外観図である。ディスタールシャフト用素材50の端部とミッドシャフト用素材60の端部は、切込み53,54を利用して相互に嵌合している。ミッドシャフト用素材60の中間端部64は、ディスタールシャフト用素材50の内接面55,56の内部に挿入されている。中間端部64は、ワイヤ用マンドレル89の外面と流体ルーメン用マンドレル80の凹部83との間に挟まれることによって凹状の面形状を有する凹部12bを形成している(図12参照)。これにより、中間端部64の側の流体用ルーメン用貫通孔65の内面は、凸状の面形状を形成している。この凸状の面形状は、熱溶着後(後述)において、図5及び図6の断面図において、流体ルーメン用内腔13aの内面形状を形成することになる。
ワイヤ用マンドレル89は、以下のような形状を実現している。ワイヤ用マンドレル89は、直線状の形状を有しているので、図3及び図7に示されるように凹部12bがガイドワイヤポート30の近傍におけるワイヤ用内腔14aの軸線方向に平行な面を有している。ワイヤ用内腔14aの軸線方向は、ガイドワイヤポート30の近傍においてはディスタールシャフト13の軸線方向に平行である。凹部12bは、遠位側に向かってガイドワイヤGに近づくほど凹部の幅が滑らかに広がる外形を有している。
凹部12bの外形は、加熱加圧領域の位置によって調整することができる。ワイヤ用マンドレル89と、流体ルーメン用マンドレル80とに挟まれた部分のうち熱をかけて圧縮した部分が変形し、その変形した部分から変形していない部分に渡って滑らかな外面が形成されるからである。さらに、凹部12bの外形は、ディスタールシャフト用素材50の基端52からのワイヤ用マンドレル89の突出量を操作することによっても調整することができる。
凹部12bは、ディスタールシャフト用素材50とミッドシャフト用素材60とが当接された状態において熱溶着で接続された際に形成された形状なので、熱溶着の際にガイドワイヤポート30と同時に形成することができる。
凹部12bの形状は、ガイドワイヤポート30の近傍において十分に深く、ガイドワイヤポート30から近位端側に離れるに従って浅くなるという理想的な形状がワイヤ用マンドレル89によって実現される。さらに、凹部12bの深さは、たとえば熱溶着前のミッドシャフト用素材60やディスタールシャフト用素材50のワイヤ用マンドレル89の直径や溶着時の位置関係、あるいはミッドシャフト用素材60の端部形状の調整によって簡易に設定可能である。
一方、ディスタールシャフト用素材50とミッドシャフト用素材60の嵌合は、流体用ルーメン用貫通孔57と流体用ルーメン用貫通孔65の連通を実現している。流体用ルーメン用貫通孔としての内接面55,56と流体用ルーメン用貫通孔65の連通孔には、流体ルーメン用マンドレル80が挿通されている。現実の組み立て方法としては、ディスタールシャフト用素材50とミッドシャフト用素材60の一方に流体ルーメン用マンドレル80を挿通させ、流体ルーメン用マンドレル80に他方を挿通させる方法が一般に採用される。
インナーチューブ用素材70は、ディスタールシャフト用素材50の内部において中間端部64と内接面56との間に挟まれている。インナーチューブ用素材70のワイヤ用貫通孔70aには、ワイヤ用マンドレル89が挿入されている。ワイヤ用マンドレル89は、本実施形態では、流体ルーメン用マンドレル80に形成されている凹部83に対向する位置に配置されている。これにより、流体用ルーメンを構成する流体ルーメン用内腔12a,13aは、凹部12bやワイヤ用内腔14aの形成に起因する断面積の部分的な減少に対応した三日月形の形状を有するように形成されることになる。
ステップS30では、作業者は位置決め工程を実行する。位置決め工程とは、ディスタールシャフト用素材50の内部におけるインナーチューブ用素材70の位置を調整する工程である。インナーチューブ用素材70は、その近位側の端面がディスタールシャフト用素材50の基端51から設定量の長さδ2だけ内部に(先端側に)後退した状態に位置決めされている。これにより、熱溶着工程におけるインナーチューブ14の基端側の接続に起因するバリ発生の問題を抑制することができる。
予め設定されている設定量としての長さδ3は、たとえば0.1mm以上3mm以下であり、より好ましくは0.5mm以上1.5mm以下であることが本発明者によって試験と解析とによって確認されている。インナーチューブ用素材70の近位端は、内側端部とも呼ばれる。基端52は、外側端部とも呼ばれる。設定量の長さδ1は、δ3よりも長い値に設定することによって溶着を確実なものとしている。長さδ3は、溶着によってδ2(図3参照)の長さに変化する。
インナーチューブ用素材70はディスタールシャフト用素材50に対して円滑にすべるので、インナーチューブ用素材70を先端側から引っ張って動かすことができる。一方、ディスタールシャフト用素材50は透明あるいは半透明なので、ディスタールシャフト13の外部から目視で確認しつつ調整することができる。このような両者の特性によって、基端52から設定量の長さδ2だけの内部への後退は、極めて簡易に実現することができる。
ステップS40では、作業者は溶着工程を実行する。溶着工程は、加熱しながら図示しない型を使用して圧縮し、溶着する工程である。溶着工程では、加熱と圧縮の対象となる領域をカバーする位置に図示しない型が配置される。加熱と圧縮の対象となる領域は、具体的には、接合領域13d、ポート形成領域13cおよび凹部12bを形成する領域である。この状態において、所定の加熱を行うことによって、図2及び図3に開示されているガイドワイヤポート30の構成を実現することができる。このようにして形成されたガイドワイヤポート30は、図示しない型によって圧縮されながら形成された外形形状を有するので、滑らかな外形形状を有し、人体内での円滑な移動に寄与することができる。
(他の実施の形態)
本発明は上記各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
(1)上記各実施の形態では、図15は、変形例の組み立て工程によって組み立てられた状態を示す断面図である。図16は、変形例の組み立て工程によって組立てられた状態を示す外観図である。変形例の組立て工程は、ディスタールシャフト用素材50aに切込み53,54が形成されていないので、切込み53,54を使用せずに組立てられている点で実施形態の組立て工程と相違する。変形例の組立て工程では、ミッドシャフト用素材60の端部の全体がディスタールシャフト用素材50aの内腔に挿入されている。このように接合対象となるシャフトの素材形状や組立方法には、種々のものが利用可能である。
(2)上記各実施の形態では、インナーチューブとカテーテルシャフトが熱溶着で接合されているが、たとえば接着剤によって接着されていても良い。本発明で利用可能なインナーチューブとディスタールシャフトは、ディスタールシャフトの内部においてインナーチューブの内腔が近位側で内部開口部が形成されるように構成され、その内部開口部にガイドワイヤが挿通するための開口部であるガイドワイヤポートが連通するように構成されていればよい。
(3)上記各実施の形態では、インナーチューブ用素材がディスタールシャフト用素材50の基端52(外表面)から長さδ2だけ内部に後退した状態に位置決めすることによって、ガイドワイヤポートに連通する内部開口部13bが形成されている。しかし、たとえば逆にインナーチューブ用素材70の基端をディスタールシャフト用素材50の基端52から突出させ、突出したインナーチューブ用素材の基端を覆う別素材をディスタールシャフト用素材50に加えることによっても、ガイドワイヤポートに連通する内部開口部13bを形成することができる。別素材をディスタールシャフト用素材50の一部として把握すれば、「インナーチューブ用素材がディスタールシャフト用素材50の基端52から長さδ2だけ内部に後退した状態」を実現することが可能だからである。別素材は、ディスタールシャフトと同一の材料でインナーチューブを包囲する筒状の部材としても良い。筒状の部材は、その一部がインナーチューブ用素材70の突出部分とミッドシャフト用素材60の間に挟まれて自動的に位置決めがなされる。ただし、上述の実施形態は、別素材を使用することなく、位置決めだけで簡易に実現することができるという本変形例にない有利な利点を有している。
(4)上記各実施の形態では、流体ルーメン用マンドレル80は、流体ルーメン用内腔12a,13aの内面形状を三日月状の断面形状とするために、流体ルーメン用マンドレル80の側面の一部に緩やかな円状の凹部83の形成を実現している。しかし、流体用ルーメン用のマンドレルは、凹部を有するものであればよく、その断面形状は、三日月状の形状にかぎられない。流体用ルーメン用のマンドレルは、半月状の形状の直線部分の一部に凹部が形成される形状でもよく、楕円や四角形(面取りがあってもよい。)の一部に凹部が形成される形状でもよい。
流体用ルーメン用のマンドレルは、一般に、一部に凹部が形成された断面形状を有するものであればよく、実施形態のバルーンカテーテル10の製造に限られず、広く流体用ルーメン用の形成に利用することができる。流体用ルーメン用のマンドレルは、さらに流体用ルーメン用の内腔の内部形状に沿った凸側の外形断面を有し、その凸側の外形断面の反対側に凹部が配置されているように構成することがカテーテルシャフトの有効断面の効率的な利用の観点から好ましい。
(5)上記各実施の形態では、治療機能を有するバルーンを備えたバルーンカテーテルに適用されているが、たとえば吸引カテーテルや貫通カテーテル、ステントデリバリカテーテルといった他の種類にも本発明を適用することができる。本発明は、一般的にガイドワイヤによって導かれるラピッドエクスチェンジ型のカテーテルに適用することができる。
10…バルーンカテーテル、11…プロキシマルシャフト、12…ミッドシャフト、12…カテーテルシャフト、13…ディスタールシャフト、13b…内部開口部、14…インナーチューブ、14a…ワイヤ用内腔、15…ハブ、16…バルーン、30…ガイドワイヤポート、G…ガイドワイヤ。

Claims (1)

  1. ガイドワイヤによって導かれるラピッドエクスチェンジ型であって、
    遠位側のディスタールシャフトと近位側の付加シャフトとが互いに接続されることで構成されたカテーテルシャフトと、
    前記ディスタールシャフトの内部に形成されたチューブ用貫通孔に挿通されているとともに、前記ガイドワイヤを通過させるためのワイヤ用貫通孔を有するインナーチューブと、
    を備えるカテーテルに適用され、
    前記インナーチューブと、前記ディスタールシャフトと、前記付加シャフトと、マンドレルとを準備する準備工程と、
    前記ディスタールシャフトの端部と前記付加シャフトの端部とを互いに嵌合させる工程と、前記ディスタールシャフトのチューブ用貫通孔に前記インナーチューブを挿通させる工程と、前記インナーチューブのワイヤ用貫通孔に前記マンドレルを挿通させる工程とを含む組立て工程と、
    前記組立て工程の後、前記チューブ用貫通孔に挿通された前記インナーチューブの基端を、前記ディスタールシャフトの基端に対して所定長さだけ先端側に位置決めする位置決め工程と、
    前記位置決め工程による位置決め状態で前記インナーチューブの基端部を前記ディスタールシャフトに熱溶着させる熱溶着工程とを備えるカテーテルの製造方法。
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