JP2011206174A - ガイドワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐キンク性および操作性に優れるガイドワイヤを提供すること。
【解決手段】ガイドワイヤ1は、第1のワイヤ2と、第2のワイヤ3と、これらを接続する管状の接続部材4とを有している。また、接続部材4は、先端側拡径部41と基端側拡径部42とを有している。第1のワイヤ2は、その基端に外径が基端側に向けて漸減する第1のテーパー部21を有し、第1のテーパー部21の少なくとも一部が先端側拡径部41に挿入されている。第2のワイヤ3は、その先端に外径が先端側に向けて漸減する第2のテーパー部31を有し、第2のテーパー部31の少なくとも一部が基端側拡径部42に挿入されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガイドワイヤ、特にカテーテル等を生体内の目的部位へ誘導する機能を有するガイドワイヤに関する。
ガイドワイヤは、外科的手術が困難な部位、または人体への低侵襲を目的とした治療・検査、例えばPTCA術(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty:経皮的冠状動脈血管形成術)等におけるカテーテルの誘導に用いられる。このうち、PTCA術に用いられるガイドワイヤは、カテーテルの血管への挿入に先立ち、カテーテルに挿入され、ガイドワイヤの先端が先行するようにカテーテルと共にガイドワイヤ先端部を目的部位である血管狭窄部付近まで誘導するために用いられる。このカテーテルの先端部は、使用目的・使用部位に応じて様々な形状をしており、また血管および体内の複雑な屈曲に追従し得る可撓性を有している。
したがって、このようなカテーテルを血管および体内に挿入する際に用いるガイドワイヤには、適度の可撓性、基端部において手元の操作を先端部に伝達するための押し込み性およびトルク伝達性(これらを総称して「操作性」という)、さらには耐キンク性(耐折れ曲がり性)等が要求される。このような要求を満たすために、Ni−Ti合金線とステンレス線とを接続したガイドワイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、Ni−Ti合金線とステンレス線は剛性が異なり、Ni−Ti合金線とステンレス線との接続箇所には、比較的大きな剛性差が生じる。このような剛性差が生じる箇所には応力集中が生じ、これにより、キンクの原因となったり、操作性を低下させたりする。
特開2006−325687号公報
本発明の目的は、耐キンク性および操作性に優れるガイドワイヤを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。また、(12)〜(17)であるのが好ましい。
(1) 先端側に配置された線状の第1のワイヤと、前記第1のワイヤの基端側に配置され、前記第1のワイヤの構成材料より弾性率が大きい材料で構成された線状の第2のワイヤと、前記第1のワイヤと前記第2のワイヤとを接続する管状の接続部材とを有するガイドワイヤであって、
前記接続部材は、先端側拡径部と基端側拡径部とを有し、
前記第1のワイヤは、その基端に外径が基端側に向けて漸減する第1のテーパー部を有し、該第1のテーパー部の少なくとも一部が前記先端側拡径部に挿入され、
前記第2のワイヤは、その先端に外径が先端側に向けて漸減する第2のテーパー部を有し、該第2のテーパー部の少なくとも一部が前記基端側拡径部に挿入されていることを特徴とするガイドワイヤ。
(2) 前記先端側拡径部は、前記第1のテーパー部により押し広げられることにより前記第1のワイヤと嵌合し、前記基端側拡径部は、前記第2のテーパー部により押し広げられることにより前記第2のワイヤと嵌合する上記(1)に記載のガイドワイヤ。
(3) 前記第1のテーパー部は、前記第1のワイヤの中心軸に対する回転体形状であり、前記第2のテーパー部は、前記第2のワイヤの中心軸に対する回転体形状である上記(1)または(2)に記載のガイドワイヤ。
(4) 前記第1のテーパー部および前記第2のテーパー部は、それぞれ、円錐形状をなしている上記(3)に記載のガイドワイヤ。
(5) 前記接続部材は、前記先端側拡径部と前記基端側拡径部との間に、前記接続部材の軸方向に沿って外径および内径が一定な非変形部を有し、
前記先端側拡径部および前記基端側拡径部は、それぞれ、前記外径一定部に向かって外径が漸減している上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(6) 前記第1のテーパー部と前記先端側拡径部および前記第2のテーパー部と前記基端側拡径部は、互いに溶接されていない上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(7) 前記第1のテーパー部および前記第2のテーパー部は、前記接続部材内にて該接続部材の径方向に重なり合っていない上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(8) 前記第1のテーパー部および前記第2のテーパー部は、前記接続部材内にて該接続部材の軸方向に離間している上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(9) 前記接続部材は、超弾性合金で構成されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(10) 前記第1のワイヤと前記接続部材の段差を埋める第1の段差埋め部材と、前記第2のワイヤと前記接続部材の段差を埋める第2の段差埋め部材とを有している上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(11) 前記第1の段差埋め部材および前記第2の段差埋め部材は、それぞれ、接着性を有している上記(10)に記載のガイドワイヤ。
(12) 前記第1のテーパー部および前記第2のテーパー部は、前記接続部材内にて外接続部材の径方向に重なり合っている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(13) 前記第1のテーパー部の先端部および前記第2のテーパー部の先端部は、それぞれ、前記接続部材の内面に接触していない上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(14) 前記先端側拡径部および前記基端側拡径部の長手方向での長さは、それぞれ、0.5mm〜5.0mmである上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(15) 前記第1のテーパー部の前記第1のワイヤの中心軸に対する傾きおよび前記第2のテーパー部の前記第2のワイヤの中心軸に対する傾きは、それぞれ、0.05°〜5°である上記(1)ないし(14)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(16) 前記第1のテーパー部および前記第2のテーパー部は、それぞれ、表面に摩擦を増大させる処理が施されている上記(1)ないし(15)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(17) 前記第1のワイヤは、Ni−Ti合金で構成されており、前記第2のワイヤは、ステンレス鋼で構成されている上記(1)ないし(14)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
本発明によれば、第1のテーパー部および第2のテーパー部が、その全周にわたってほぼ等しい接合力で接続部材に固定されるため、ガイドワイヤの径方向の全ての方向に等しく曲がり易く、耐キンク性および操作性の優れるガイドワイヤを得ることができる。特に、血管のような湾曲の多い部位を繰り返し通過する場合に高い耐久性を発揮する。また、本発明によれば、接合力の個体差を小さくすることができ、歩留まりを向上させることもできる。
また、第1のテーパー部が第1のワイヤの中心軸に対する回転体形状であり、第2のテーパー部が第2のワイヤの中心軸に対する回転体形状である場合は、ガイドワイヤのトルク伝達性を周方向に等しくすることができ、加えられたトルクに対してリニアに反応し、さらに良好な操作性を発揮することのできるガイドワイヤを得ることができる。
本発明のガイドワイヤの第1実施形態を示す縦断面図である。 図1に示すガイドワイヤが有する接続部材の自然状態での断面図およびガイドワイヤの部分拡大断面図である。 接続部材の拡大断面図である。 図1に示すガイドワイヤが変形したときの断面図である。 本発明のガイドワイヤをPTCA術に用いた場合における使用状態を示す図である。 本発明のガイドワイヤをPTCA術に用いた場合における使用状態を示す図である。 本発明のガイドワイヤの第2実施形態を示す縦断面図である。 本発明のガイドワイヤの第3実施形態を示す縦断面図である。 本発明のガイドワイヤの第4実施形態を示す縦断面図である。
以下、本発明のガイドワイヤの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のガイドワイヤの第1実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示すガイドワイヤが有する接続部材の自然状態での断面図およびガイドワイヤの部分拡大断面図、図3は、接続部材の拡大断面図、図4は、図1に示すガイドワイヤが変形したときの断面図、図5および図6は、それぞれ、本発明のガイドワイヤをPTCA術に用いた場合における使用状態を示す図である。なお、説明の都合上、図1および図2中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図1、図2、図3および図4中では、見易くするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示しており、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは大きく異なる。
図1に示すガイドワイヤ1は、先端側に配置された第1のワイヤ2と、第1のワイヤ2の基端側に配置された第2のワイヤ3と、第1のワイヤ2および第2のワイヤ3を接続する管状の接続部材4とを有しており、第1のワイヤ2の基端部を接続部材4の先端部に嵌入すると共に、第2のワイヤ3の先端部を接続部材4の基端部に嵌入することにより、接続部材4を介して第1、第2のワイヤ2、3が接続されている。また、ガイドワイヤ1は、これら第1のワイヤ2、第2のワイヤ3および接続部材4の外周を覆う被覆層5を有している。
ガイドワイヤ1の全長は、特に限定されないが、200〜5000mm程度であるのが好ましい。また、ガイドワイヤ1の最も太い部分の外径は、特に限定されないが、通常、0.2〜1.2mm程度であるのが好ましい。
第1のワイヤ2は、弾性を有する線材である。第1のワイヤ2の長さは、特に限定されないが、20〜1000mm程度であるのが好ましい。
本実施形態では、第1のワイヤ2の基端は、外径が基端方向へ向かって漸減するテーパー部(第1のテーパー部)21で構成されている。テーパー部21は、その一部が接続部材4内に嵌入されており、これにより第1のワイヤ2が接続部材4に固定(接合)されている。このテーパー部21については、後に詳述する。
また、第1のワイヤ2は、テーパー部21の先端側に設けられ長手方向に沿って外径が一定な第1の外径一定部22と、第1の外径一定部22の先端側に設けられ、外径が先端方向へ向かって漸減しているテーパー部23と、テーパー部23の先端側に設けられ、外径が第1の外径一定部22よりも小さくかつ長手方向に沿って一定な第2の外径一定部24とを有している。
テーパー部23を有することにより、第1のワイヤ2の剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)を先端方向に向かって徐々に減少させることができ、その結果、ガイドワイヤ1は、先端部に良好な柔軟性を得て、血管への追従性、安全性が向上すると共に、折れ曲がり等も防止することができる。
図示の構成では、テーパー部23は、第1のワイヤ2の一部に形成されているが、これに限定されず、例えば、第1のワイヤ2のテーパー部21を除く部位全体がテーパー部23を構成していてもよい。また、テーパー部23のテーパー角度(外径の減少率)は、第1のワイヤ2の長手方向に沿って一定でも、長手方向に沿って変化する部位があってもよい。例えば、テーパー角度が比較的大きい箇所と比較的小さい箇所とが複数回交互に繰り返して形成されているようなものでもよい。
また、第1のワイヤ2は、例えば、先端方向へ向かって外径が漸減するテーパー部が長手方向に沿って複数箇所に形成され、隣り合うテーパー部の間に外径が長手方向に沿って一定の部分が形成されているようなものでもよい。このような場合でも、前記と同様の効果が得られる。
第1のワイヤ2の構成材料は、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼などの各種金属材料を使用することができるが、そのなかでも特に、擬弾性を示す合金(超弾性合金を含む。)が好ましい。より好ましくは超弾性合金である。超弾性合金は、比較的柔軟であるとともに、復元性があり、曲がり癖が付き難いので、第1のワイヤ2を超弾性合金で構成することにより、ガイドワイヤ1は、その先端側の部分に十分な柔軟性と曲げに対する復元性が得られ、複雑に湾曲・屈曲する血管に対する追従性が向上し、より優れた操作性が得られるとともに、第1のワイヤ2が湾曲・屈曲変形を繰り返しても、第1のワイヤ2に復元性により曲がり癖が付かないので、ガイドワイヤ1の使用中に第1のワイヤ2に曲がり癖が付くことによる操作性の低下を防止することができる。
擬弾性合金には、引張りによる応力−ひずみ曲線のいずれの形状も含み、As、Af、Ms、Mf等の変態点が顕著に測定できるものも、できないものも含み、応力により大きく変形(歪)し、応力の除去により元の形状にほぼ戻るものは全て含まれる。
超弾性合金の好ましい組成としては、49〜52原子%NiのNi−Ti合金等のNi−Ti系合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等が挙げられる。このなかでも特に好ましいものは、上記のNi−Ti系合金である。
第1のワイヤ2の基端側には、第2のワイヤ3が配置されている。この第2のワイヤ3は、弾性を有する線材である。第2のワイヤ3の長さは、特に限定されないが、20〜4800mm程度であるのが好ましい。
本実施形態では、第2のワイヤ3の先端は、外径が先端方向へ向かって漸減するテーパー部(第2のテーパー部)31で構成されている。このテーパー部31は、その一部が接続部材4に嵌入されており、これにより第2のワイヤ3が接続部材4に固定されている。このテーパー部31については、後に詳述する。
また、第2のワイヤ3は、テーパー部31の基端側に設けられ長手方向に沿って外径が一定な外径一定部32を有している。
本実施形態では、外径一定部32は、その外径が第1のワイヤ2の第1の外径一定部22の外径よりも大きく設定されている。ただし、外径一定部32と第1の外径一定部22の外径の大小関係は、これに限定されず、外径一定部32と第1の外径一定部22の外径が等しくてもよいし、外径一定部32の外径が第1の外径一定部22の外径よりも小さくてもよい。
なお、図示の構成では、第2のワイヤ3は、テーパー部31および丸み付けされた基端部を除いて、長手方向に沿って外径がほぼ一定であるが、例えば、外径一定部32の長手方向の途中に、外径が先端方向へ向かって漸減するテーパー部(外径漸減部)を少なくとも1つ有していてもよい。
このような第2のワイヤ3は、第1のワイヤ2の構成材料より弾性率(ヤング率(縦弾性係数)、剛性率(横弾性係数)、体積弾性率)が大きい材料で構成されている。これにより、第2のワイヤ3に適度な剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)が得られ、ガイドワイヤ1がいわゆるコシの強いものとなって押し込み性およびトルク伝達性が向上し、より優れた挿入操作性が得られる。
第2のワイヤ3の構成材料(素材)は、特に限定されず、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等SUSの全品種)、ピアノ線、コバルト系合金、擬弾性合金などの各種金属材料を使用することができる。この中でも、特に好ましいのは、ステンレス鋼である。ステンレス鋼を用いた場合、ガイドワイヤ1は、より優れた押し込み性およびトルク伝達性が得られる。
ここで、本発明では、第1のワイヤ2と第2のワイヤ3を異種合金とすることが好ましく、また、第1のワイヤ2が、第2のワイヤ3の構成材料より弾性率が小さい材料で構成されている。これにより、ガイドワイヤ1は、先端側の部分が優れた柔軟性を有するとともに、基端側の部分が剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)に富んだものとなる。その結果、ガイドワイヤ1は、優れた押し込み性やトルク伝達性を得て良好な操作性を確保しつつ、先端側においては良好な柔軟性、復元性を得て血管への追従性、安全性が向上する。
第1のワイヤ2と第2のワイヤ3との具体的な組合せとしては、第1のワイヤ2をNi−Ti系合金で構成し、第2のワイヤ3をステンレス鋼で構成することが特に好ましい。これにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。
次いで、テーパー部21、31について詳細に説明する。
テーパー部21、31は、第1、第2のワイヤ2、3を接続部材4内に挿入し易くする機能と、第1、第2のワイヤ2、3の剛性をガイドワイヤ1の長手方向に沿って徐々に変化させる機能とを兼ね備えている。このようなテーパー部21、31を有することにより、ガイドワイヤ1は、製造の容易化および操作性の向上を図ることができる。
図2(a)、(b)に示すように、ガイドワイヤ1では、テーパー部21を接続部材4の先端側開口4aから接続部材4内に挿入し、テーパー部21によって接続部材4の先端側を押し広げ、接続部材4の先端側が自然状態(応力が加わっていない状態)に戻ろうとする復元力によって第1のワイヤ2を接続部材4に固定している。同様に、テーパー部31を接続部材4の基端側開口4bから接続部材4内に挿入し、テーパー部31によって接続部材4の基端側を押し広げ、接続部材4の基端側が自然状態に戻ろうとする復元力によって第2のワイヤ3を接続部材4に固定している。
このような固定方法によれば、テーパー部21、31が、その全周にわたってほぼ等しい接合力で接続部材4に固定されるため、ガイドワイヤ1の径方向の全ての方向に等しく曲がり易く、耐キンク性および操作性の優れるガイドワイヤ1を得ることができる。また、このような固定方法によれば、接合力の個体差を小さくすることができ、歩留まりを向上させることもできる。
ここで、従来のように、2つの線材(例えば、Ni−Ti合金線とステンレス線)を溶接により接合すると、個体間で接合強度のばらつきが大きくなり、製造されたガイドワイヤの中には、接合強度が著しく低いものも存在し、歩留まりが低下する。さらには、溶接によると、接合面の全域で接合強度を均一にすることが難しく、接合面中に接合強度の異なる領域が形成されるおそれがある。接合面中に接合強度の異なる領域が存在すると、ある方向へは湾曲し易いが、ある方向へは湾曲し難いといった現象が生じ、これにより操作性が低下したり、キンクの原因になったりする。
テーパー部21は、第1のワイヤ2の中心軸に対する回転体形状、具体的には円錐形状をなしている。同様に、テーパー部31も、第2のワイヤ3の中心軸に対する回転体形状、具体的には、円錐形状をなしている。このように、テーパー部21、31を回転体形状とすることにより、ガイドワイヤ1(特に、第1、第2のワイヤ2、3と接続部材4との接合部付近)のトルク伝達性を周方向に等しくすることができる。その結果、加えられたトルクに対してリニアに反応し、良好な操作性を発揮することのできるガイドワイヤ1を得ることができる。本実施形態では、円錐形状を例に挙げたが、これに限らず、複数段階に外径が漸減したものや、円錐台形状のような構成であってもよい。
テーパー部21、31の長さとしては、特に限定されないが、1mm〜50mm程度であるのが好ましく、10mm〜50mm程度であるのがより好ましい。このような数値範囲とすることにより、テーパー部21、31の接続部材4内に挿入される部位の長さを十分に長くすることができ、十分な接合力で第1、第2のワイヤ2、3を接続部材4に固定することができる。さらに、第1、第2のワイヤ2、3の剛性を先端側に向けてなだらかに変化させることもできる。
また、テーパー部21、31のテーパー角度θ(中心軸に対する角度)としては、特に限定されないが、0.05°〜5°程度であるのが好ましく、0.1°〜10°程度であるのがより好ましい。このような数値範囲とすることにより、テーパー部21、31の接続部材4内に挿入される部位の長さを十分に長くすることができるとともに、接続部材4の復元力中の第1のワイヤ2、3を押し出そうとする力成分の割合を少なくすることができる。その結果、第1、第2のワイヤ2、3を接続部材4により強固に固定することができる。
なお、本実施形態では、テーパー部21、31が共に円錐形状をなしているため、テーパー角度は、ガイドワイヤの長手方向に沿って一定である。本発明のガイドワイヤでは、このように、各テーパー部のテーパー角度がガイドワイヤの長手方向に沿って一定であるのが好ましい。
また、テーパー部21は、長手方向の途中まで接続部材4内に挿入されており、第1の外径一定部32側が接続部材4から露出している。同様に、テーパー部31も、長手方向の途中まで接続部材4内に挿入されており、第1の外径一定部22側が接続部材4から露出している。このように、テーパー部21、31の一部のみを接続部材4に挿入し、全域を挿入しないことにより次のような効果を発揮することができる。
すなわち、接続部材4の構成材料やテーパー部21、31のテーパー角度にもよるが、図3に示すように、仮にテーパー部21、31の全域を接続部材4内に挿入すると、接続部材4の両端部と第1、第2のワイヤ2、3との間に隙間が生じ、第1、第2のワイヤ2、3と接続部材4との間に比較的大きな段差61、62が形成されるおそれがある。このような段差61、62は、通常、被覆層5によって埋められ平坦化されるが、段差61、62の大きさや被覆層5の膜厚等によっては、段差61、62を十分に埋められない可能性もある。これに対して、テーパー部21、31の一部のみを接続部材4に挿入すれば、前述したような隙間が発生し得ず、段差61、62の形成が防止される。これにより、ガイドワイヤ1は、より良好な操作性を発揮することができる。
また、テーパー部21、31の表面に、摩擦を増大させる処理を程こすことが好ましい。これにより、第1、第2のワイヤ2、3と接続部材4との摩擦抵抗が増大するため、第1、第2のワイヤ2、3を接続部材4により強固に固定することができる。摩擦を増大させる処理としては、例えば、エッチングやサンドブラスト等の各種表面処理法によって、テーパー部21、31の表面を粗面化する方法が挙げられる。
以上、テーパー部21、31について説明したが、テーパー部21、31は、互いに、その長さやテーパー角が等しくても、異なっていても特に限定されない。すなわち、例えば、テーパー部21の方がテーパー部31よりもテーパー角が小さくてもよいし、テーパー部21の方がテーパー部31よりも短くてもよい。
第1のワイヤ2および第2のワイヤ3は、前述したように、接続部材4によって連結されている。図2(a)に示すように、接続部材4は、第1のワイヤ2および第2のワイヤ3が嵌入されていない状態(以下、この状態を「自然状態」とも言う)において外径および内径が長手方向に沿って一定であり、かつ横断面形状が円形をなす直管である。接続部材4を直管とすることにより、接続部材4の剛性をその長手方向に沿って一定とすることができる。これにより、ガイドワイヤ1に曲げ応力が加わったときに、接続部材4が全体的に湾曲するため、ガイドワイヤ1の耐キンク性が向上する。
接続部材4の全長としては、特に限定されないが、2mm〜80mm程度であるのが好ましく、5mm〜30mm程度であるのがより好ましい。このような数値範囲とすることにより、接続部材4の全長を抑えつつ、テーパー部21、31を挿入するスペース(長手方向の長さ)を十分に確保することができる。
接続部材4の肉厚としては、特に限定されないが、0.01mm〜0.1mm程度であるのが好ましく、0.04mm〜0.075mm程度であるのがより好ましい。このような数値範囲とすることにより、接続部材4の強度を確保しつつ接続部材4に優れた柔軟性を付与することができる。そのため、ガイドワイヤ1に曲げ応力が加わったときに、接続部材4が十分に湾曲し、ガイドワイヤ1の耐キンク性をより向上させることができる。
自然状態における接続部材4の内径は、テーパー部21、31の最大外径よりも小さい。これにより、前述したように、第1のワイヤ2のテーパー部21を接続部材4の先端側開口4aから接続部材4内に挿入するとテーパー部21によって接続部材4の先端側が押し広げられ、接続部材4の先端側が自然状態に戻ろうとする復元力によって第1のワイヤ2が接続部材4に固定される。同様に、第2のワイヤ3のテーパー部31を接続部材4の基端側開口4bから接続部材4内に挿入するとテーパー部31によって接続部材4の基端側が押し広げられ、接続部材4の基端側が自然状態に戻ろうとする復元力によって第2のワイヤ3が接続部材4に固定される。
第1、第2のワイヤ2、3と接続部材4の接合強度としては、引張強度で2kgf以上であるのが好ましく、5kgf以上であるのがより好ましい。これにより、ガイドワイヤ1を通常の使用目的(例えば、後述するような使用目的)に使用する限り、十分な接合強度で第1、第2のワイヤ2、3を接続部材4に固定することができる。
接続部材4の自然状態での内径は、テーパー部21、31の最大外径よりも小さければ特に限定されないが、テーパー部21、31の最大外径をRとしたとき、0.5R〜0.8R程度であるのが好ましく、0.6R〜0.7R程度であるのがより好ましい。このような数値範囲とすることにより、テーパー部21、31を接続部材4内に挿入し易くなり、かつ挿入後はガイドワイヤ1の機能を発揮するのに十分な接合力で第1、第2のワイヤ2、3を接続部材4に固定することができる。
このような接続部材4は、第1、第2のワイヤ2、3を接続した状態では、テーパー部21が挿入された(すなわち、テーパー部21の嵌入によって拡径した)先端側拡径部41と、テーパー部31が挿入された(すなわち、テーパー部31の嵌入によって拡径した)基端側拡径部42と、先端側拡径部41および基端側拡径部42の間に位置し、外径および内径が自然状態から変化していない非変形部43とを有している。
先端側拡径部41および基端側拡径部42の長手方向での長さとしては、特に限定されないが、0.1mm〜5.0mm程度であるのが好ましく、0.5mm〜2.0mm程度であるのがより好ましい。このような数値範囲とすることにより、接続部材4の全長を抑えつつ、テーパー部21、31と接続部材4の内面との接触面積を大きくすることができる。そのため、ガイドワイヤ1の操作性を維持しつつ、第1、第2のワイヤ2、3を接続部材により強固に固定することができる。
また、先端側拡径部41および基端側拡径部42の最大外径(すなわち、接続部材4の開口4a、4bの外径)は、非変形部43の外径をRとしたとき、1.01R〜1.09R程度であるのが好ましく、1.02R〜1.08R程度であるのがより好ましい。このような数値範囲とすることにより、先端側拡径部41および基端側拡径部42の過度な押し広がりが防止されるとともに、第1、第2のワイヤ2、3を接続部材4により強固に固定することができる。
先端側拡径部41の内部には第1のワイヤ2が嵌入されているため、先端側拡径部41は、第1のワイヤ2の剛性(物理的特性)が支配的となる。また、先端側拡径部41では、嵌入された第1のワイヤ2の外径が非変形部43に向けて漸減するため、非変形部43に向けて第1のワイヤ2の剛性の支配力が低下し、剛性が第1のワイヤ2のものから接続部材4のものに徐々にシフトする。
基端側拡径部42の内部には第2のワイヤ3が嵌入されているため、基端側拡径部42は、第2のワイヤ3の剛性が支配的となる。また、基端側拡径部42では、嵌入された第2のワイヤ3の外径が非変形部43に向けて漸減するため、非変形部43に向けて第2のワイヤ3の剛性の支配力が低下し、剛性が第2のワイヤ3のものから接続部材4のものに徐々にシフトする。
非変形部43の内部には、テーパー部21、31の先細り端部211、311が非変形部43の内面に接触することなく位置している。また、テーパー部21、31は、互いにガイドワイヤ1の長手方向に離間している。このことから、本実施形態の非変形部43は、内部にテーパー部21(先細り端部211)が位置する先端部431と、内部にテーパー部31(先細り端部311)が位置する基端部432と、内部にテーパー部21、31が共に位置していない中間部433とを有している。
このうち、先端部431では、図4(a)に示すように、ガイドワイヤ1に加わった曲げ応力が小さいときにはテーパー部21が先端部431の内面に接触することなく、先端部431のみが湾曲する。そして、図4(b)に示すように、曲げ応力が大きくなるとテーパー部21が先端部431の内面に接触し、先端部431とともにテーパー部21も湾曲する。このような先端部431は、テーパー部21と接触していない状態では、接続部材4の物理的特性が支配的となるため、長手方向にそって剛性が一定である。一方、テーパー部21と接触した状態では、先端側に向けて、徐々に、第1のワイヤ2の剛性の影響が大きくなる。
このような先端部431と同様に、基端部432では、図4(a)に示すように、加わった曲げ応力が小さいときにはテーパー部31が基端部432の内面に接触することなく、基端部432のみが湾曲する。そして、図4(b)に示すように、曲げ応力が大きくなるとテーパー部31が基端部432の内面に接触し、基端部432とともにテーパー部31も湾曲する。このような基端部432は、テーパー部31と接触していない状態では、接続部材4の物理的特性が支配的となるため、長手方向にそって剛性が一定である。一方、テーパー部31と接触した状態では、基端側に向けて、徐々に、第2のワイヤ3の剛性の影響が大きくなる。
また、中間部433では、加わった曲げ応力の大小に関わらず、接続部材4の物理的特性が支配的となる。すなわち、中間部433は、加わった曲げ応力の大小に関わらず、長手方向に沿って剛性が一定である。
このような構成の接続部材4を有することにより、基端側拡径部42から非変形部43、先端側拡径部41へ向けて、第2のワイヤ3の剛性から第1のワイヤ2の剛性へと徐々に変化させることができる。その結果、ガイドワイヤ1では、耐キンク性および操作性が向上する。
特に、本実施形態では、第1のワイヤ2および第2のワイヤ3をガイドワイヤ1の長手方向に離間させ、加わった曲げ応力の大小に関わらず長手方向に沿って物理的特性が等しい中間部433を形成しているため、第2のワイヤ3の剛性から第1のワイヤ2の剛性へとよりゆるやかに変化させることができる。
ここで、第1のワイヤ2と第2のワイヤ3の離間距離としては、特に限定されないが、0.01mm〜1mm程度であるのが好ましく、0.05mm〜0.5mm程度であるのがより好ましい。このような数値範囲とすることにより、接続部材4の長さを抑えることができるとともに、十分な長さの非変形部43を設けることができる。
本実施形態では、前述したように、第1のワイヤ2と第2のワイヤ3とが離間しており、これらがガイドワイヤ1の径方向に重なり合っていない。そのため、ガイドワイヤ1の接続部材4が位置する部位のトルク伝達性を周方向に等しくすることができる。
このような接続部材4は、その剛性が、第2のワイヤ3の第1の外径一定部32における剛性よりも小さく、第1のワイヤ2の第1の外径一定部22における剛性よりも大きくなるように構成されているのが好ましい。これにより、第2のワイヤ3から第1のワイヤ2に向けて剛性を徐々に変化させることができるため、ガイドワイヤ1の耐キンク性および操作性が向上する。
接続部材4の構成材料は、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼などの各種金属材料を使用することができるが、そのなかでも特に、擬弾性を示す合金(超弾性合金を含む。)が好ましい。より好ましくは超弾性合金である。超弾性合金は、比較的柔軟であるとともに、復元性があり、曲がり癖が付き難いので、接続部材4を超弾性合金で構成することにより、ガイドワイヤ1は、接続部材4の部分に十分な柔軟性と曲げに対する復元性が得られ、複雑に湾曲・屈曲する血管に対する追従性が向上し、より優れた操作性が得られるとともに、キンクを効果的に防止することができる。
擬弾性合金には、引張りによる応力−ひずみ曲線のいずれの形状も含み、As、Af、Ms、Mf等の変態点が顕著に測定できるものも、できないものも含み、応力により大きく変形(歪)し、応力の除去により元の形状にほぼ戻るものは全て含まれる。
超弾性合金の好ましい組成としては、49〜52原子%NiのNi−Ti合金等のNi−Ti系合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等が挙げられる。このなかでも特に好ましいものは、上記のNi−Ti系合金である。
第1のワイヤ2、第2のワイヤ3および接続部材4の外周を覆うように、被覆層5が形成されている。被覆層5は、種々の目的で形成することができるが、その一例として、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動摩擦)を低減し、摺動性を向上させることによってガイドワイヤ1の操作性を向上させることがある。
このような目的のためには、被覆層5は、摩擦を低減し得る材料で構成されているのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)が低減されて摺動性が向上し、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。また、ガイドワイヤ1の摺動抵抗が低くなることで、ガイドワイヤ1をカテーテル内で移動および/または回転した際に、ガイドワイヤ1のキンク(折れ曲がり)やねじれ、特に溶接部付近におけるキンクやねじれをより確実に防止することができる。
このような摩擦を低減し得る材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、ETFE等)、シリコーンゴム、その他各種のエラストマー(例えば、ポリアミド系、ポリエステル系等の熱可塑性エラストマー)またはこれらの複合材料が挙げられるが、そのなかでも特に、フッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)が好ましく、PTFEがより好ましい。
また、摩擦を低減し得る材料の他の好ましい例としては、親水性材料または疎水性材料が挙げられる。これらのうちでも特に、親水性材料が好ましい。
この親水性材料としては、例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート−ジメチルアクリルアミド(PGMA−DMAA)のブロック共重合体)、水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
このような親水性材料は、多くの場合、湿潤(吸水)により潤滑性を発揮し、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)を低減する。これにより、ガイドワイヤ1の摺動性が向上し、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。
このような被覆層5の形成箇所は、ガイドワイヤ1の全長でも、長手方向の一部でもよいが、接続部材4を覆うように形成されているのが好ましい。
被覆層5は、第1のワイヤ2、第2のワイヤ3および接続部材4のほぼ全域を被覆して、ガイドワイヤ1の外径を実質的に均一としている。なお、使用上支障のないようななだらかな外径の変化も「実質的に均一な外径」に含むものとする。
被覆層5の厚さは、特に限定されないが、通常は、厚さ(平均)が1〜20μm程度であるのが好ましく、2〜10μm程度であるのがより好ましい。被覆層5の厚さが薄すぎると、被覆層5の形成目的が十分に発揮されないことがあり、また、被覆層5の剥離が生じるおそれがあり、また、被覆層5の厚さが厚すぎると、ワイヤの物性を阻害することがあり、また被覆層5の剥離が生じるおそれがある。
図5および図6は、それぞれ、本発明のガイドワイヤ1をPTCA術に用いた場合における使用状態を示す図である。
図5および図6中、符号40は大動脈弓、符号50は心臓の右冠状動脈、符号60は右冠状動脈開口部、符号70は血管狭窄部である。また、符号30は大腿動脈からガイドワイヤ1Aを確実に右冠状動脈に導くためのガイディングカテーテル、符号20はその先端部分に拡張・収縮自在なバルーン201を有する狭窄部拡張用のバルーンカテーテルである。
図5に示すように、ガイドワイヤ1の先端をガイディングカテーテル30の先端から突出させ、右冠状動脈開口部60から右冠状動脈50内に挿入する。さらに、ガイドワイヤ1Aを進め、先端から右冠状動脈内に挿入し、先端が血管狭窄部70を超えた位置で停止する。これにより、バルーンカテーテル20の通路が確保される。なお、このとき、ガイドワイヤ1Aの接続部材4は、大動脈弓40の基部付近(生体内)に位置している。
次に、図6に示すように、ガイドワイヤ1の基端側から挿通されたバルーンカテーテル20の先端をガイディングカテーテル30の先端から突出させ、さらにガイドワイヤ1に沿って進め、右冠状動脈開口部60から右冠状動脈50内に挿入し、バルーンが血管狭窄部70の位置に到達したところで停止する。
次に、バルーンカテーテル20の基端側からバルーン拡張用の流体を注入して、バルーン201を拡張させ、血管狭窄部70を拡張する。このようにすることによって、血管狭窄部70の血管に付着堆積しているコレステロール等の堆積物は物理的に押し広げられ、血流阻害が解消できる。
<第2実施形態>
次に、本発明のガイドワイヤの第2実施形態について説明する。
図7は、本発明のガイドワイヤの第2実施形態を示す縦断面図である。なお、図7では、説明の便宜上、被覆層の図示を省略している。
以下、図7に示すガイドワイヤ1Aについて説明するが、前記第1実施形態のガイドワイヤ1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態のガイドワイヤ1Aでは、第1、第2のワイヤ2、3と接続部材4との段差を埋める段差埋め部材を有する以外は、前記第1実施形態のガイドワイヤ1と同様である。
図7に示すように、ガイドワイヤ1Aは、第1のワイヤ2と接続部材4との段差を埋める段差埋め部材(第1の段差埋め部材)71と、第2のワイヤ3と接続部材4との段差を埋める段差埋め部材(第2の段差埋め部材)72とを有している。このような段差埋め部材71、72を有することにより、第1、第2のワイヤ2、3および接続部材4を被覆層5で覆ったときに、より確実に、ガイドワイヤ1の外径を長手方向に沿って一定とすることができる。
段差埋め部材71、72は、ろう付けによって構成されることで、段差を埋めると同時に第1のワイヤ2と接続部材4および第2のワイヤ3と接続部材4をそれぞれ強固に接続することができる。
本実施形態では、段差埋め部材71、72は、さらに接着性を有しており、段差埋め部材71によって第1のワイヤ2と接続部材4とが接合され、段差埋め部材72によって第2のワイヤ3と接続部材4とが接合される。このように、段差埋め部材71、72が接着性を有していることにより、第1、第2のワイヤ2、3を接続部材4にさらに強固に固定することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明のガイドワイヤの第3実施形態について説明する。
図8は、本発明のガイドワイヤの第3実施形態を示す縦断面図である。
以下、図8に示すガイドワイヤ1Bについて説明するが、前記第1実施形態のガイドワイヤ1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態のガイドワイヤ1Bでは、被覆層の構成が異なる以外は、前記第1実施形態のガイドワイヤ1と同様である。
図8に示すように、本実施形態のガイドワイヤ1Bは、接続部材4およびテーパー部21、31を覆うように形成された被覆層51Bと、被覆層51Bの先端側に形成された先端側被覆層52Bと、被覆層51Bの基端側に形成された基端側被覆層53Bとを有している。
本実施形態では、被覆層51Bと先端側被覆層52Bの境界がテーパー部21と第1の外径一定部22の境界と一致しており、被覆層51Bと基端側被覆層53Bの境界がテーパー部31と外径一定部32の境界と一致している。なお、被覆層51Bと先端側被覆層52Bの境界の位置は、特に限定されず、例えば、テーパー部21の途中に位置していてもよいし、第1の外径一定部22の途中に位置していてもよい。同様に、被覆層51Bと基端側被覆層53Bの境界の位置も特に限定されず、例えば、テーパー部31の途中に位置していてもよいし、外径一定部32の途中に位置していてもよい。
被覆層51Bの構成材料としては、特に限定されず、例えば、前記被覆層5で挙げたものを用いることができる。このように、被覆層51Bは、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、シリコーン樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成されたものであるのが好ましい。これにより、接続部材4および第1、第2のテーパー部21、31に確実かつ強固に密着した被覆層51Bを形成することができる。そのため、第1、第2のワイヤ2、3と接続部材4の接合強度を高めることができる。
先端側被覆層52Bおよび基端側被覆層53Bの構成材料としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、前記被覆層5で挙げたものを用いることができる。このように、先端側被覆層52Bおよび基端側被覆層53Bは、それぞれ、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、フッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成されたものであるのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1Bとカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)をより効果的に低減し、摺動性を向上させることができ、カテーテル内でのガイドワイヤ1Bの操作性がより良好なものとなる。また、これにより、ガイドワイヤ1Bをカテーテル内で移動および/または回転した際に、ガイドワイヤ1のキンク(折れ曲がり)やねじれ、特に溶接部付近におけるキンクやねじれをより確実に防止することができる。
被覆層51B、先端側被覆層52B、基端側被覆層53Bの構成材料の具体的な組合せとしては、例えば、被覆層51Bがシリコーン樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成され、先端側被覆層52Bがフッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成され、かつ、基端側被覆層53Bがフッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成されたものであるのが好ましい。
これにより、前述したシリコーン樹脂の利点とフッ素系樹脂の利点とを併有することができる。すなわち、被覆層51B、先端側被覆層52B、基端側被覆層53Bの構成材料を、上記のような組合せとすることにより、第1、第2のワイヤ2と接続部材4の接合強度を維持しつつ、ガイドワイヤ1B全体としては、十分な摺動性を有し、優れた操作性を発揮するものとすることができる。
<第4実施形態>
次に、本発明のガイドワイヤの第4実施形態について説明する。
図9は、本発明のガイドワイヤの第4実施形態を示す縦断面図である。
以下、図9に示すガイドワイヤ1Cについて説明するが、前記第1実施形態のガイドワイヤ1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態のガイドワイヤ1Cでは、接続部材4内にて、テーパー部21、31が接続部材4の径方向に重なり合っている以外は、前記第1実施形態のガイドワイヤ1と同様である。
図9に示すように、本実施形態のガイドワイヤ1Cは、接続部材4内にて、テーパー部21、31が、接続部材4の非変形部43内にて、接続部材4の径方向に重なり合っている。このような構成とすることにより、例えば、第1実施形態のようにテーパー部21、31が接続部材4内にて接続部材4の径方向に重なり合っていない構成と比較して、基端側から先端側への剛性変化をよりなだらかとなり、ガイドワイヤ1Cの耐キンク性がより向上する。
なお、本実施形態では、テーパー部21、31が、非変形部43の中央部で重なり合っているが、非変形部43の全域で重なり合っていてもよい。
以上、本発明のガイドワイヤを図示の各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、ガイドワイヤを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせることもできる。
また、前述した実施形態では、ガイドワイヤの先端部にコイルが設けられていない構成について説明したが、これに限定されず、ガイドワイヤの先端部にコイルが設けられていてもよい。
1、1A、1B、1C ガイドワイヤ
2 第1のワイヤ
21 テーパー部
211 先細り端部
22 第1の外径一定部
23 テーパー部
24 第2の外径一定部
3 第2のワイヤ
31 テーパー部
311 先細り端部
32 外径一定部
4 接続部材
4a 先端側開口
4b 基端側開口
41 先端側拡径部
42 基端側拡径部
43 非変形部
431 先端部
432 基端部
433 中間部
5、51B 被覆層
52B 先端側被覆層
53B 基端側被覆層
61、62 段差
71、72 段差埋め部材
20 バルーンカテーテル
201 バルーン
30 ガイディングカテーテル
40 大動脈弓
50 右冠状動脈
60 右冠状動脈開口部
70 血管狭窄部

Claims (10)

  1. 先端側に配置された線状の第1のワイヤと、前記第1のワイヤの基端側に配置され、前記第1のワイヤの構成材料より弾性率が大きい材料で構成された線状の第2のワイヤと、前記第1のワイヤと前記第2のワイヤとを接続する管状の接続部材とを有するガイドワイヤであって、
    前記接続部材は、先端側拡径部と基端側拡径部とを有し、
    前記第1のワイヤは、その基端に外径が基端側に向けて漸減する第1のテーパー部を有し、該第1のテーパー部の少なくとも一部が前記先端側拡径部に挿入され、
    前記第2のワイヤは、その先端に外径が先端側に向けて漸減する第2のテーパー部を有し、該第2のテーパー部の少なくとも一部が前記基端側拡径部に挿入されていることを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 前記先端側拡径部は、前記第1のテーパー部により押し広げられることにより前記第1のワイヤと嵌合し、前記基端側拡径部は、前記第2のテーパー部により押し広げられることにより前記第2のワイヤと嵌合する請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. 前記第1のテーパー部は、前記第1のワイヤの中心軸に対する回転体形状であり、前記第2のテーパー部は、前記第2のワイヤの中心軸に対する回転体形状である請求項1または2に記載のガイドワイヤ。
  4. 前記第1のテーパー部および前記第2のテーパー部は、それぞれ、円錐形状をなしている請求項3に記載のガイドワイヤ。
  5. 前記接続部材は、前記先端側拡径部と前記基端側拡径部との間に、前記接続部材の軸方向に沿って外径および内径が一定な非変形部を有し、
    前記先端側拡径部および前記基端側拡径部は、それぞれ、前記外径一定部に向かって外径が漸減している請求項1ないし4のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  6. 前記第1のテーパー部と前記先端側拡径部および前記第2のテーパー部と前記基端側拡径部は、互いに溶接されていない請求項1ないし5のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  7. 前記第1のテーパー部および前記第2のテーパー部は、前記接続部材内にて該接続部材の径方向に重なり合っていない請求項1ないし6のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  8. 前記第1のテーパー部および前記第2のテーパー部は、前記接続部材内にて該接続部材の軸方向に離間している請求項1ないし7のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  9. 前記接続部材は、超弾性合金で構成されている請求項1ないし8のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  10. 前記第1のワイヤと前記接続部材の段差を埋める第1の段差埋め部材と、前記第2のワイヤと前記接続部材の段差を埋める第2の段差埋め部材とを有している請求項1ないし9のいずれかに記載のガイドワイヤ。
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