JP5019868B2 - ガイドワイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ガイドワイヤ、特に血管や胆管のような体腔内にカテーテルを導入する際に用いられるガイドワイヤに関するものである。
ガイドワイヤは、例えばPTCA(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty:経皮的冠状動脈血管形成術)のような、外科的手術が困難な部位の治療、または人体への低侵襲を目的とした治療や、心臓血管造影などの検査に用いられるカテーテルを誘導するのに使用される。PTCA術に用いられるガイドワイヤは、ガイドワイヤの先端をバルーンカテーテルの先端より突出させた状態にて、バルーンカテーテルと共に目的部位である血管狭窄部付近まで挿入され、バルーンカテーテルの先端部を血管狭窄部付近まで誘導する。
また、PTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty:経皮的血管拡張術)においても、フェモラール、イリアック、リナール、シャント等のような抹消血管に形成された狭窄部(閉塞部)を開通させるために、PTCA術とほぼ同様に、ガイドワイヤを用いてバルーンカテーテルの先端部を血管狭窄部付近まで誘導する。
このような治療方法が用いられる血管は、複雑に湾曲しており、バルーンカテーテルを血管に挿入する際に用いるガイドワイヤには、適度の曲げに対する柔軟性および復元性、基端部における操作を先端側に伝達するための押し込み性およびトルク伝達性(これらを総称して「操作性」という)、さらには耐キンク性(耐折れ曲がり性)等が要求される。
従来のガイドワイヤとしては、適度な操作性を有することはもちろんのこと、ガイドワイヤの先端部に適度の柔軟性が得られるための構造として、互いに異なる材料で構成された、すなわち、Ni−Ti系合金で構成された第1ワイヤとステンレス鋼で構成された第2ワイヤとを有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のガイドワイヤでは、Ni−Ti系合金で構成された第1ワイヤとステンレス鋼で構成された第2ワイヤとを突き合わせ抵抗溶接により接合することで、他の溶接方法では、脆いFe−Ti系金属間化合物が生成され、接合強度が不十分であったものが、比較的強固に接合し得るようになっている。
また、特許文献1に記載のガイドワイヤでは、溶接部に、外周方向に突出する突出部を形成し、この突出部により、接合強度を高め、また、ガイドワイヤが曲げられたときに、応力が分散されるようになっている。
しかしながら、この特許文献1に記載のガイドワイヤでは、溶接後の加工等に手間がかかり、また、接合強度も未だ不十分である。
特開2004−230140号公報
本発明の目的は、構成材料の異なる第1ワイヤと第2ワイヤとを容易かつ強固に接続することができるガイドワイヤを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(6)の本発明により達成される
(1) 先端側に配置され、第1の材料で構成された第1ワイヤと、該第1ワイヤの基端側に配置され、第2の材料で構成された第2ワイヤとを、中間部材を介して接続してなるワイヤ本体を備えるガイドワイヤであって、
前記中間部材は、コア部と、該コア部の外周を覆うように設けられた外層とを有し、
前記コア部と前記外層とは、それぞれ、前記第1の材料と前記第2の材料とのうちの一方と他方とで構成されており、
前記第1ワイヤの基端部と前記中間部材の先端部とが接合され、前記第2ワイヤの先端部と前記中間部材の基端部とが接合されていることを特徴とするガイドワイヤ。
(2) 前記第1の材料は、Ni−Ti系合金である上記(1)に記載のガイドワイヤ。
(3) 前記第2の材料は、ステンレス鋼である上記(1)または(2)に記載のガイドワイヤ。
(4) 前記第1ワイヤの基端部は、前記中間部材よりも剛性が低い上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(5) 前記第2ワイヤの先端部は、前記中間部材よりも剛性が高い上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(6) 前記ワイヤ本体のうち、少なくとも前記第1ワイヤの基端部から前記第2ワイヤの先端部まで、前記ワイヤ本体の外径が該ワイヤ本体の長手方向に沿って略一定である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
本発明によれば、例えば、柔軟性に富んだ第1ワイヤと、剛性に富んだ第2ワイヤとを設けることにより、ガイドワイヤの先端側には柔軟性を十分に確保して安全性を高め、ガイドワイヤの基端側には十分な剛性が得られ、押し込み性、トルク伝達性および追従性に優れたガイドワイヤを得ることができる。
また、第1ワイヤと第2ワイヤとの間に介在する中間部材は、コア部と、コア部の外周を覆うように設けられた外層とを有しており、コア部と外層とは、それぞれ、第1の材料と第2の材料とのうちの一方と他方とで構成されているので、ワイヤ本体の剛性変化をその長手方向に沿って緩やかにすることができ、これにより、キンク(折れ曲がり)を防止することができる。
また、各接合部の接合強度をそれぞれ高くすることができ、これにより、第1ワイヤと第2ワイヤとを中間部材を介して、容易かつ強固に接続することができる。これによって、第2ワイヤから第1ワイヤへねじりトルクや押し込み力をより確実に伝達することができる。
このように、本発明によれば、中間部材を介して第1ワイヤと第2ワイヤとを容易かつ強固に接続することができ、安全性、操作性および耐キンク性に優れたガイドワイヤを提供することができる。
以下、本発明のガイドワイヤを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のガイドワイヤの第1実施形態を示す縦断面図である。なお、説明の都合上、図1中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図1中では、理解を容易にするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示しており、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは異なる。
図1に示すガイドワイヤ1は、カテーテル(内視鏡も含む)の内腔に挿入して用いられるカテーテル用ガイドワイヤであって、先端側に配置された第1ワイヤ2と、第1ワイヤ2の基端側に配置された第2ワイヤ3とを中間部材5を介して接続してなるワイヤ本体10と、螺旋状のコイル4とを有している。ガイドワイヤ1の全長は、特に限定されないが、200〜5000mm程度であるのが好ましい。また、ガイドワイヤ1の外径は、特に限定されないが、通常、0.2〜1.2mm程度であるのが好ましい。
第1ワイヤ2は、柔軟性または弾性を有する線材で構成されている。第1ワイヤ2の長さは、特に限定されないが、20〜1000mm程度であるのが好ましい。
本実施形態では、第1ワイヤ2は、その外径が一定である部分と、外径が先端方向へ向かって漸減しているテーパ状の部分(外径漸減部)とを有する。後者は、1箇所でも2箇所以上でもよく、図示の実施形態では、2箇所の外径漸減部15および16を有している。
このような外径漸減部15、16を有することにより、第1ワイヤ2の剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)を先端方向に向かって徐々に減少させることができ、その結果、ガイドワイヤ1は、先端部に良好な柔軟性を得て、血管等への追従性、安全性が向上すると共に、折れ曲がり等も防止することができる。
外径漸減部15、16のテーパ角度(外径の減少率)は、それぞれ、ワイヤ本体10の長手方向(以下、単に「長手方向」と言う)に沿って一定でも、長手方向に沿って変化する部位があってもよい。例えば、テーパ角度(外径の減少率)が比較的大きい箇所と比較的小さい箇所とが複数回交互に繰り返して形成されているようなものでもよい。
第1ワイヤ2の基端側の部分(外径漸減部16より基端側の部分)は、その外径が第1ワイヤ2の基端まで一定となっている。
また、図示の構成では、第1ワイヤ2の先端側の部分(外径漸減部15より先端側の部分)は、その外径が第1ワイヤ2の先端まで一定となっている。
第1ワイヤ2の構成材料(素材)である第1の材料は、特に限定されず、例えば、Ni−Ti系合金、ステンレス鋼などの各種金属材料を使用することができるが、擬弾性を示す合金(超弾性合金を含む。)であるのが好ましい。より好ましくは超弾性合金である。超弾性合金は、比較的柔軟であるとともに復元性があり、曲がり癖が付き難いので、第1ワイヤ2を超弾性合金で構成することにより、ガイドワイヤ1は、その先端側の部分に十分な柔軟性と曲げに対する復元性が得られ、複雑に湾曲・屈曲する血管に対する追従性が向上し、より優れた操作性が得られるとともに、第1ワイヤ2が湾曲・屈曲変形を繰り返しても、第1ワイヤ2に復元性により曲がり癖が付かないので、ガイドワイヤ1の使用中に第1ワイヤ2に曲がり癖が付くことによる操作性の低下を防止することができる。
擬弾性合金には、引張りによる応力−ひずみ曲線のいずれの形状も含み、As、Af、Ms、Mf等の変態点が顕著に測定できるものも、できないものも含み、応力により大きく変形(歪)し、応力の除去により元の形状にほぼ戻るものは全て含まれる。
超弾性合金の好ましい組成としては、49〜52原子%NiのNi−Ti合金等のNi−Ti系合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等が挙げられる。このなかでも特に好ましいものは、上記のNi−Ti系合金である。なお、Ni−Ti系合金に代表される超弾性合金は、後述する樹脂被覆層8、9の密着性にも優れている。
後述する中間部材5の基端側には、第2ワイヤ3が配置(設置)されている。第2ワイヤ3は、柔軟性または弾性を有する線材で構成されている。第2ワイヤ3の長さは、特に限定されないが、20〜4800mm程度であるのが好ましい。
なお、図示の構成では、第2ワイヤ3の外径は、長手方向に沿ってほぼ一定であり、第1ワイヤ2の基端の外径とほぼ等しい。
また、第2ワイヤ3の平均外径は、第1ワイヤ2の平均外径より小さい。これにより、ガイドワイヤ1は、その先端側である第1ワイヤ2上では、より柔軟性に富み、基端側である第2ワイヤ3上では、より剛性が高いものとなるので、先端部の柔軟性と優れた操作性(押し込み性、トルク伝達性等)とを両立することができる。
第2ワイヤ3は、第1ワイヤ2と異なる材料で構成されており、特に、第1ワイヤ2の構成材料より弾性率(ヤング率(縦弾性係数)、剛性率(横弾性係数)、体積弾性率)が大きい材料で構成されているのが好ましい。これにより、第2ワイヤ3に適度な剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)が得られ、ガイドワイヤ1がいわゆるコシの強いものとなって押し込み性およびトルク伝達性が向上し、より優れた挿入操作性が得られる。
第2ワイヤ3の構成材料(素材)、すなわち、第2の材料は、第1ワイヤ2と異なるものであれば特に限定されず、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等のSUS全品種)、ピアノ線、コバルト系合金、擬弾性合金などの各種金属材料を使用することができるが、ステンレス鋼またはコバルト系合金であるのが好ましく、ステンレス鋼であるのがより好ましい。第2ワイヤ3をステンレス鋼またはコバルト系合金で構成することにより、ガイドワイヤ1は、より優れた押し込み性およびトルク伝達性が得られる。
第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との間には、中間部材5が配置(設置)され、第1ワイヤ2と中間部材5の端部(端面)同士、第2ワイヤ3と中間部材5の端部(端面)同士が、それぞれ、接合(接続)されている。すなわち、第1ワイヤ2の基端面(基端部21)と中間部材5の先端面(先端部)とが接合され、第2ワイヤ3の先端面(先端部31)と中間部材5の基端面(基端部)とが接合されている。
中間部材5は、柔軟性または弾性を有する線材で構成されている。図示の構成では、中間部材5は、略円柱状をなしており、その外径は、第1ワイヤ2の基端の外径および第2ワイヤ3の先端の外径とほぼ等しい。すなわち、ワイヤ本体10のうち、第1ワイヤ2の基端部21から第2ワイヤ3の基端部まで(少なくとも第1ワイヤ2の基端部21から第2ワイヤ3の先端部31まで)、ワイヤ本体10の外径が長手方向に沿って略一定である。換言すれば、ワイヤ本体10の外周面が実質的に段差のない連続面を構成している。これにより、使用時に、ガイドワイヤ1が生体内で引っ掛かり難くなり、操作がし易く、かつ、安全性が向上する。
また、中間部材5は、コア部51と、コア部51の外周を覆うように設けられた外層52とで構成されている。図示の構成では、コア部51は、略円柱状(柱状)をなしており、外層52は、横断面形状が略円形の筒状をなしている。
これらコア部51と外層52とは、互いに圧着(固定)されている。なお、コア部51と外層52との固定方法は、圧着には限定されず、他の方法を用いてもよいが、容易かつ強固に固定し得るという観点から、圧着が好ましい。
また、コア部51(コア部51の全部)は、外層52と異なる材料で構成され、かつ、コア部51と外層52とのうちの少なくとも一方は、第1の材料(第1ワイヤ2と同一の材料)または第2の材料(第2ワイヤ3と同一の材料)で構成されている。
この場合、本実施形態では、下記(1)および(2)の構成が好ましい。
これにより、第1ワイヤ2の構成材料と外層52の構成材料とが同一になるので、第1ワイヤ2の基端面と外層52の先端面とが特に強固に接合され、また、第2ワイヤ3の構成材料とコア部51の構成材料とが同一になるので、第2ワイヤ3の先端面とコア部51の基端面とが特に強固に接合される。これによって、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とが中間部材5を介して強固に接続される。
(構成2)
コア部51が第1の材料で構成され、外層52が第2の材料で構成されている。
これにより、第1ワイヤ2の構成材料とコア部51の構成材料とが同一になるので、第1ワイヤ2の基端面とコア部51の先端面とが特に強固に接合され、また、第2ワイヤ3の構成材料と外層52の構成材料とが同一になるので、第2ワイヤ3の先端面と外層52の基端面とが特に強固に接合される。これによって、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とが中間部材5を介して強固に接続される。
また、この中間部材5の剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)は、第1ワイヤ2の基端部21と第2ワイヤ3の先端部31との間である。すなわち、第1ワイヤ2の基端部21は、中間部材5よりも剛性が低く、第2ワイヤ3の先端部31は、中間部材5よりも剛性が高い。これにより、ガイドワイヤ1のワイヤ本体10は、その長手方向(軸方向)の途中から先端方向に向かって剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)が緩やかに減少することとなる。その結果、耐キンク性(耐折れ曲がり性)が向上し、ガイドワイヤ1は、優れた操作性が得られる。
また、中間部材5の剛性は、いずれの方向に曲げた場合でも(周方向によらず)、一定であり、これにより、優れた操作性が得られる。
また、前記第1ワイヤ2の基端部21と中間部材5の先端部との接合方法、前記第2ワイヤ3の先端部31と中間部材5の基端部との接合方法は、それぞれ、特に限定されず、種々の方法を用いることができるが、溶接により接合されているのが好ましい。
これにより、簡単な方法で、第1ワイヤ2の基端部21と中間部材5の先端部との接合部17、第2ワイヤ3の先端部31と中間部材5の基端部との接合部18に、それぞれ、高い接合強度が得られ、よって、ガイドワイヤ1では、第2ワイヤ3からのねじりトルクや押し込み力が確実に第1ワイヤ2に伝達される。
また、前記溶接方法としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、摩擦圧接、レーザを用いたスポット溶接、バットシーム溶接等の突き合わせ抵抗溶接などが挙げられるが、比較的簡単で高い接合強度が得られることから、突き合わせ抵抗溶接が特に好ましい。
中間部材5の長さ(長手方向の長さ)は、特に限定されないが、5〜150mm程度であるのが好ましく、5〜40mm程度であるのがより好ましい。
また、中間部材5のコア51の外径は、特に限定されないが、0.15〜1.19mm程度であるのが好ましく、0.17〜1.15mm程度であるのがより好ましい。
また、中間部材5の外層52の内径、外径、厚さは、それぞれ、特に限定されないが、外層52の内径は、コア51の外径と略等しく、0.15〜1.19mm程度であるのが好ましく、0.17〜1.15mm程度であるのがより好ましい。また、外層52の外径は、0.2〜1.2mm程度であるのが好ましい。また、外層52の厚さは、0.01〜0.2mm程度であるのが好ましく、0.01〜0.05mm程度であるのがより好ましい。
また、第1ワイヤ2の先端部外周には、コイル4が配置されている。このコイル4は、線材(細線)を螺旋状に巻回してなる部材であり、第1ワイヤ2の少なくとも先端側の部分を覆うように設置されている。図示の構成では、第1ワイヤ2の先端側の部分は、コイル4の内側のほぼ中心部に挿通されている。また、第1ワイヤ2の先端側の部分は、コイル4の内面と非接触で挿通されている。接合部17は、コイル4の基端より基端側に位置している。
なお、図示の構成では、コイル4は、外力を付与しない状態で、螺旋状に巻回された線材同士の間にやや隙間が空いているが、図示と異なり、外力を付与しない状態で、螺旋状に巻回された線材同士が隙間なく密に配置されていてもよい。
コイル4は、金属材料で構成されているのが好ましい。コイル4を構成する金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、超弾性合金、コバルト系合金や、金、白金、タングステン等の貴金属またはこれらを含む合金(例えば白金−イリジウム合金)等が挙げられる。特に、貴金属のようなX線不透過材料で構成した場合には、ガイドワイヤ1にX線造影性が得られ、X線透視下で先端部の位置を確認しつつ生体内に挿入することができ、好ましい。また、コイル4は、その先端側と基端側とを異なる材料で構成してもよい。例えば、先端側をX線不透過材料のコイル、基端側をX線を比較的透過する材料(ステンレス鋼など)のコイルにて各々構成してもよい。なお、コイル4の全長は、特に限定されないが、5〜500mm程度であるのが好ましい。
コイル4の基端部および先端部は、それぞれ、固定材料11および12により第1ワイヤ2に固定されている。また、コイル4の中間部(先端寄りの位置)は、固定材料13により第1ワイヤ2に固定されている。固定材料11、12および13は、半田(ろう材)で構成されている。なお、固定材料11、12および13は、半田に限らず、接着剤でもよい。また、コイル4の固定方法は、固定材料によるものに限らず、例えば、溶接でもよい。また、血管等の体腔の内壁の損傷を防止するために、固定材料12の先端面は、丸みを帯びているのが好ましい。
本実施形態では、このようなコイル4が設置されていることにより、第1ワイヤ2は、コイル4に覆われて接触面積が少ないので、摺動抵抗を低減することができ、よって、ガイドワイヤ1の操作性がより向上する。
なお、本実施形態の場合、コイル4は、線材の横断面が円形のものを用いているが、これに限らず、線材の断面が例えば楕円形、四角形(特に長方形)等のものであってもよい。
また、ワイヤ本体10は、その外周面(外表面)の全部または一部を覆う樹脂被覆層8、9を有している。図示の実施形態では、第1ワイヤ2および第2ワイヤ3の外周に、それぞれ、樹脂被覆層8および9が設けられている。
これらの樹脂被覆層8、9は、種々の目的で形成することができるが、その一例として、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)を低減し、摺動性を向上させることによってガイドワイヤ1の操作性を向上させることがある。
また、図示と異なり、樹脂被覆層8または9が、外径漸減部16の外周を覆うように設けられていてもよい。これにより、ワイヤ本体10の外径変化(テーパ角度の変化等)をさらに緩和することができ、ガイドワイヤ1の押し込み性、トルク伝達性、耐キンク性をより向上することができるとともに、ガイドワイヤ1の長手方向の移動操作性を向上することができる。
ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)の低減を図るためには、樹脂被覆層8、9は、以下に述べるような摩擦を低減し得る材料で構成されているのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)が低減されて摺動性が向上し、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。また、ガイドワイヤ1の摺動抵抗が低くなることで、ガイドワイヤ1をカテーテル内で移動および/または回転した際に、ガイドワイヤ1のキンク(折れ曲がり)やねじれ、特に接合部17、18付近におけるキンクやねじれをより確実に防止することができる。
このような摩擦を低減し得る材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、ETFE等)、またはこれらの複合材料が挙げられる。
その中でも特に、フッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)を用いた場合には、ガイドワイヤ1とカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)をより効果的に低減し、摺動性を向上させることができ、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。また、これにより、ガイドワイヤ1をカテーテル内で移動および/または回転した際に、ガイドワイヤ1のキンク(折れ曲がり)やねじれ、特に溶接部付近におけるキンクやねじれをより確実に防止することができる。
また、フッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)を用いた場合には、焼きつけ、吹きつけ等の方法により、樹脂材料を加熱した状態で、ワイヤ本体10への被覆を行うことができる。これにより、ワイヤ本体10と、樹脂被覆層8、9との密着性は特に優れたものとなる。
また、樹脂被覆層8、9がシリコーン樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成されたものであると、樹脂被覆層8、9を形成する(ワイヤ本体10に被覆する)際に、加熱しなくても、ワイヤ本体10に確実かつ強固に密着した樹脂被覆層8、9を形成することができる。すなわち、樹脂被覆層8、9をシリコーン樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成されたものとする場合、反応硬化型の材料等を用いることができるため、樹脂被覆層8、9の形成を室温にて行うことができる。このように、室温にて樹脂被覆層8、9を形成することにより、簡便にコーティングができるとともに、接合部17、18における接合強度を十分に維持した状態にてガイドワイヤの操作ができる。
また、樹脂被覆層8、9(特に先端側の樹脂被覆層8)は、ガイドワイヤ1を血管等に挿入する際の安全性の向上を目的として設けることもできる。この目的のためには、樹脂被覆層8、9は柔軟性に富む材料(軟質材料、弾性材料)で構成されているのが好ましい。
このような柔軟性に富む材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、シリコーン樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等の熱可塑性エラストマー、ラテックスゴム、シリコーンゴム等の各種ゴム材料、またはこれらのうちに2以上を組み合わせた複合材料が挙げられる。
特に、樹脂被覆層8、9が前述した熱可塑性エラストマーや各種ゴム材料で構成されたものである場合には、ガイドワイヤ1の先端部の柔軟性がより向上するため、血管等への挿入時に、血管内壁等を傷つけることをより確実に防止することができ、安全性が極めて高い。
このような樹脂被覆層8、9は、それぞれ、2層以上の積層体でもよい。また、樹脂被覆層8と樹脂被覆層9とは、同一材料で構成されていても、異なる材料で構成されていてもよい。例えば、ガイドワイヤ1の先端側に位置する樹脂被覆層8は、前述した柔軟性に富む材料(軟質材料、弾性材料)で構成し、ガイドワイヤ1の基端側に位置する樹脂被覆層9は、前述した摩擦を低減し得る材料で構成することができる。これにより、摺動性(操作性)の向上と安全性の向上の両立を図ることができる。
樹脂被覆層8、9の厚さは、特に限定されず、樹脂被覆層8、9の形成目的や構成材料、形成方法等を考慮して適宜されるが、通常は、樹脂被覆層8、9共に、厚さ(平均)が1〜100μm程度であるのが好ましく、1〜30μm程度であるのがより好ましい。樹脂被覆層8、9の厚さが薄すぎると、樹脂被覆層8、9の形成目的が十分に発揮されないことがあり、また、樹脂被覆層8、9の剥離が生じるおそれがある。また、樹脂被覆層8、9の厚さが厚すぎると、ワイヤ本体10の物理的特性に影響を与えるおそれがあり、また樹脂被覆層8、9の剥離が生じるおそれがある。
なお、本発明では、ワイヤ本体10の外周面(表面)に、樹脂被覆層8、9の密着性を向上するための処理(粗面加工、化学処理、熱処理等)を施したり、樹脂被覆層8、9の密着性を向上し得る中間層を設けたりすることもできる。
ガイドワイヤ1の少なくとも先端部の外面には、親水性材料がコーティングされているのが好ましい。本実施形態では、ガイドワイヤ1の先端から中間部材5の基端付近に至るまでの領域におけるガイドワイヤ1の外周面に、親水性材料がコーティングされている。これにより、親水性材料が湿潤して潤滑性を生じ、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)が低減し、摺動性が向上する。従って、ガイドワイヤ1の操作性が向上する。
親水性材料としては、例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート−ジメチルアクリルアミド(PGMA−DMAA)のブロック共重合体)、水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
このような親水性材料は、多くの場合、湿潤(吸水)により潤滑性を発揮し、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)を低減する。これにより、ガイドワイヤ1の摺動性が向上し、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。
以上説明したように、このガイドワイヤ1によれば、先端側に、柔軟性に富んだ第1ワイヤ2を有し、基端側に、剛性に富んだ第2ワイヤ3を有しており、これにより、ガイドワイヤ1の先端側には柔軟性が十分に確保されて安全性が高く、ガイドワイヤ1の基端側には十分な剛性が得られ、押し込み性、トルク伝達性および追従性に優れる。
また、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とを中間部材5を介して容易かつ強固に接続することができる。
<第2実施形態>
図2は、本発明のガイドワイヤの第2実施形態を示す縦断面図である。なお、説明の都合上、図2中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図2中では、理解を容易にするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示しており、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは異なる。
以下、第2実施形態のガイドワイヤ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態のガイドワイヤ1は、中間部材5および第1ワイヤ2の基端部21の構成が異なっていること以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図2に示すように、第2実施形態のガイドワイヤ1では、中間部材5の外層52は、コア部51の先端からさらに先端側に延長した延長部521を有し、この延長部521が第1ワイヤ2の基端部21の外周を覆っている。
すなわち、第1ワイヤ2の基端部21は、その基端側に、外径が縮径した細径部(縮径部)211を有しており、延長部521は、この細径部211の外周を覆っている。
また、第1ワイヤ2の細径部211(基端部21)の外周面と中間部材5の延長部521(外層52)の内周面とが接合され、第2ワイヤ3の先端面と中間部材5の基端面とが接合されている。図示の構成では、第1ワイヤ2の細径部211と中間部材5の延長部521との接合部として、スポット状の溶接部19が形成されている。
また、コア部51は、第2の材料で構成されている。また、外層52は、第1の材料で構成されている
外層52が第1の材料で構成されている場合は、第1ワイヤ2の構成材料と外層52の構成材料とが同一になるので、第1ワイヤ2の細径部211(基端部21)の外周面と延長部521(外層52)の内周面とが特に強固に接合され、また、第2ワイヤ3の構成材料とコア部51の構成材料とが同一になるので、第2ワイヤ3の先端面とコア部51の基端面とが特に強固に接合される。これによって、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とが中間部材5を介して強固に接続される。
また、第1ワイヤ2の基端部21のうち、中間部材5(細径部211)よりも先端側の部分は、中間部材5のコア5を有する部分よりも剛性が低く、第2ワイヤ3の先端部31は、中間部材5のコア5を有する部分よりも剛性が高い。
また、前記第1ワイヤ2の基端部21と中間部材5の先端部である延長部521との接合方法、前記第2ワイヤ3の先端部31と中間部材5の基端部との接合方法は、それぞれ、特に限定されず、種々の方法を用いることができるが、第1ワイヤ2の基端部21と中間部材5の延長部521とは、溶接により接合されているのが好ましく、また、第2ワイヤ3の先端部31と中間部材5の基端部とは、溶接またはろう接により接合されているのが好ましい。
また、前記溶接方法としては、それぞれ、特に限定されないが、第1ワイヤ2の基端部21と中間部材5の延長部521との溶接は、レーザを用いた溶接が好ましく、レーザを用いたスポット溶接が特に好ましい。また、第2ワイヤ3の先端部31と中間部材5の基端部との溶接は、突き合わせ抵抗溶接が特に好ましい。
このガイドワイヤ1によれば、前述した第1実施形態のガイドワイヤ1と同様の効果が得られる。
<第3実施形態>
図3は、本発明のガイドワイヤの第3実施形態を示す縦断面図である。なお、説明の都合上、図3中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図3中では、理解を容易にするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示しており、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは異なる。
以下、第3実施形態のガイドワイヤ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態のガイドワイヤ1は、中間部材5および第2ワイヤ3の先端部31の構成が異なっていること以外は、前述した第3実施形態と同様である。
図3に示すように、第3実施形態のガイドワイヤ1では、中間部材5の外層52は、コア部51の先端からさらに基端側に延長した延長部522を有し、この延長部522が第2ワイヤ3の先端部31の外周を覆っている。
すなわち、第2ワイヤ3の先端部31は、その先端側に、外径が縮径した細径部(縮径部)311を有しており、延長部522は、この細径部311の外周を覆っている。
また、第1ワイヤ2の基端面と中間部材5の先端面とが接合され、第2ワイヤ3の細径部311(先端部31)の外周面と中間部材5の延長部522(外層52)の内周面とが接合されている。図示の構成では、第2ワイヤ3の細径部311と中間部材5の延長部522との接合部として、スポット状の溶接部19が形成されている。
また、コア部51は、第1の材料で構成されており、また、外層52は、第2の材料で構成されている。
これにより、第1ワイヤ2の構成材料とコア部51の構成材料とが同一になるので、第1ワイヤ2の基端面とコア部51の先端面とが特に強固に接合され、また、第2ワイヤ3の構成材料と外層52の構成材料とが同一になるので、第2ワイヤ3の細径部311(先端部31)の外周面と延長部521(外層52)の内周面とが特に強固に接合される。これによって、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とが中間部材5を介して強固に接続される。
また、第1ワイヤ2の基端部21は、中間部材5のコア5を有する部分よりも剛性が低く、第2ワイヤ3の先端部31のうち、中間部材5(細径部311)よりも基端側の部分は、中間部材5のコア5を有する部分よりも剛性が高い。
また、前記第1ワイヤ2の基端部21と中間部材5の先端部との接合方法、前記第2ワイヤ3の先端部31と中間部材5の基端部である延長部522との接合方法は、それぞれ、特に限定されず、種々の方法を用いることができるが、溶接により接合されているのが好ましい。
また、前記溶接方法としては、それぞれ、特に限定されないが、第1ワイヤ2の基端部21と中間部材5の先端部との溶接は、突き合わせ抵抗溶接が特に好ましい。また、第2ワイヤ3の先端部31と中間部材5の延長部522との溶接は、レーザを用いた溶接が好ましく、レーザを用いたスポット溶接が特に好ましい。
このガイドワイヤ1によれば、前述した第1実施形態のガイドワイヤ1と同様の効果が得られる。
<第4実施形態>
図4は、本発明のガイドワイヤの第4実施形態における積層体を示す断面図である。なお、説明の都合上、図4中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図4中では、理解を容易にするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示しており、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは異なる。
以下、第4実施形態のガイドワイヤ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態のガイドワイヤ1は、中間部材5の構成が異なっていること以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図4に示すように、第4実施形態のガイドワイヤ1では、中間部材5のコア部51は、先端側に配置された先端側部材511と、先端側部材511の基端側に配置(設置)され、先端側部材511と異なる材料で構成された基端側部材512とで構成されている。また、コア部51の一部、すなわち、先端側部材511と基端側部材512との一方が、外層52と異なる材料で構成されている。
図示の構成では、先端側部材511および基端側部材512は、それぞれ、略円柱状(柱状)をなしている。そして、先端側部材511の基端面と基端側部材512の先端面とが接触(対面)している。
また、先端側部材511は、第1の材料で構成され、基端側部材512は、第2の材料で構成されている。
これにより、第1ワイヤ2の構成材料と先端側部材511の構成材料とが同一になるので、第1ワイヤ2の基端面と先端側部材511の先端面とが特に強固に接合され、また、第2ワイヤ3の構成材料と基端側部材512の構成材料とが同一になるので、第2ワイヤ3の先端面と基端側部材512の基端面とが特に強固に接合される。
また、外層52は、第1の材料または第2の材料で構成されている。
外層52を第1の材料で構成した場合は、第1ワイヤ2の構成材料と外層52の構成材料とが同一になるので、第1ワイヤ2の基端面と外層52の先端面とが特に強固に接合される。また、外層52を第2の材料で構成した場合は、第2ワイヤ3の構成材料と外層52の構成材料とが同一になるので、第2ワイヤ3の先端面と外層52の基端面とが特に強固に接合される。
これによって、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とが中間部材5を介して強固に接続される。
また、外層52を第1の材料で構成した場合は、第1ワイヤ2の基端部21は、中間部材5の基端側部材512を有する部分よりも剛性が低く、第2ワイヤ3の先端部31は、中間部材5の基端側部材512を有する部分よりも剛性が高い。
また、外層52を第2の材料で構成した場合は、第1ワイヤ2の基端部21は、中間部材5の先端側部材511を有する部分よりも剛性が低く、第2ワイヤ3の先端部31は、中間部材5の先端側部材511を有する部分よりも剛性が高い。
このガイドワイヤ1によれば、前述した第1実施形態のガイドワイヤ1と同様の効果が得られる。
<第実施形態>
図5は、本発明のガイドワイヤの第実施形態における中間部材を示す縦断面図である。なお、説明の都合上、図5中の右側を「基端」、左側を「先端」という。
以下、第実施形態のガイドワイヤ1について、前述した第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
実施形態のガイドワイヤ1は、中間部材5のコア部51の先端側部材511および基端側部材512の形状が異なっていること以外は、前述した第4実施形態と同様である。
図5に示すように、第実施形態のガイドワイヤ1では、中間部材5のコア部51の先端側部材511の基端部513は、略円錐状または略円錐台状(図示の構成では、円錐状)をなしており、基端側部材512の先端部514には、先端側部材511の基端部513の形状に対応する略円錐状または略円錐台状(図示の構成では、円錐状)の凹部515が形成されている。そして、基端側部材512の凹部515内に、先端側部材511の基端部513が挿入されている。
これにより、中間部材5の途中の部位(領域)において、ワイヤ本体10(ガイドワイヤ1)の剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)が先端方向に向かって徐々に減少(漸減)している。その結果、耐キンク性(耐折れ曲がり性)が向上し、ガイドワイヤ1は、優れた操作性が得られる。
また、中間部材5の剛性は、いずれの方向に曲げた場合でも(周方向によらず)、一定であり、これにより、優れた操作性が得られる。
このガイドワイヤ1によれば、前述した第4実施形態のガイドワイヤ1と同様の効果が得られる。
なお、この第実施形態は、前述した第2、第3実施形態にも適用することができる。第5実施形態を図2に示す第2実施形態に適用する場合は、図5において、先端側部材511を第1ワイヤ2の基端部21に変更し、基端側部材512をコア部51に変更すればよい。また、第5実施形態を図3に示す第3実施形態に適用する場合は、図5において、基端側部材512を第2ワイヤ3の先端部31に変更し、先端側部材511をコア部51に変更すればよい。
以上、本発明のガイドワイヤを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明では、中間部材5の形状や位置は、前記実施形態には限定されず、中間部材5は、例えば、略円錐台状をなしていてもよい。中間部材5の形状が略円錐台状の場合は、その中間部材5は、例えば、ワイヤ本体10の外径が先端方向へ向かって漸減しているテーパ状の部分、すなわち、外径漸減部16に配置され、その外径漸減部16の一部を構成する。
また、本発明では、コイル4が省略されていてもよい。この場合、樹脂被覆層8中には、造影性を有する材料(前記X線不透過材料等)によるフィラー(粒子)が分散され、これにより造影部を構成するようにしてもよい。
本発明のガイドワイヤの第1実施形態を示す縦断面図である。 本発明のガイドワイヤの第2実施形態を示す縦断面図である。 本発明のガイドワイヤの第3実施形態を示す縦断面図である。 本発明のガイドワイヤの第4実施形態を示す縦断面図である。 本発明のガイドワイヤの第実施形態における中間部材を示す縦断面図である。
符号の説明
1 ガイドワイヤ
10 ワイヤ本体
2 第1ワイヤ
21 基端部
211 細径部
3 第2ワイヤ
31 先端部
311 細径部
4 コイル
5 中間部材
51 コア部
511 先端側部材
512 基端側部材
513 基端部
514 先端部
515 凹部
52 外層
521、522 延長部
8、9 樹脂被覆層
11、12、13 固定材料
15、16 外径漸減部
17、18 接合部
19 溶接部

Claims (6)

  1. 先端側に配置され、第1の材料で構成された第1ワイヤと、該第1ワイヤの基端側に配置され、第2の材料で構成された第2ワイヤとを、中間部材を介して接続してなるワイヤ本体を備えるガイドワイヤであって、
    前記中間部材は、コア部と、該コア部の外周を覆うように設けられた外層とを有し、
    前記コア部と前記外層とは、それぞれ、前記第1の材料と前記第2の材料とのうちの一方と他方とで構成されており、
    前記第1ワイヤの基端部と前記中間部材の先端部とが接合され、前記第2ワイヤの先端部と前記中間部材の基端部とが接合されていることを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 前記第1の材料は、Ni−Ti系合金である請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. 前記第2の材料は、ステンレス鋼である請求項1または2に記載のガイドワイヤ。
  4. 前記第1ワイヤの基端部は、前記中間部材よりも剛性が低い請求項1ないし3のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  5. 前記第2ワイヤの先端部は、前記中間部材よりも剛性が高い請求項1ないし4のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  6. 前記ワイヤ本体のうち、少なくとも前記第1ワイヤの基端部から前記第2ワイヤの先端部まで、前記ワイヤ本体の外径が該ワイヤ本体の長手方向に沿って略一定である請求項1ないし5のいずれかに記載のガイドワイヤ。
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