JP5637307B2 - エレベータの制御装置 - Google Patents
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Description
エレベータが動作時以外はゲートの電圧を負にすることによりパワー半導体素子の誤動作を防止している。しかし、エレベータの主電源をオフにするとゲート電源の出力も喪失する。このため、ゲートに負バイアスができなくなるので、これより先に主回路コンデンサの電圧を放電しないとゲートの誤動作により、半導体素子によって母線短絡を引き起こし得る。
このようなエレベータの制御装置によれば、電源遮断時のコンデンサの強制放電を回生電力処理回路によって強制放電するようにしたので、コンデンサの強制放電が簡易になる。
本発明のエレベータの制御装置によれば、第1の判断手段は、制御電源手段の第1の電圧値が第1の閾値以下か否かを判断し、供給手段は第1の閾値以下になると制御手段に蓄電池からの電力を供給する。したがって、停電時などで制御電源手段の出力電圧が低下しても、蓄電池から制御手段に電力供給を継続できるので、制御手段によりスイッチング素子を適切に制御し得る。
本エレベータの制御装置によれば、供給手段は、さらにコンデンサの第2の電圧値が第2の閾値より大きい場合に限り、制御手段に蓄電池からの電力を供給する。したがって、インバータを成すスイッチング素子によって電源短絡の際に流れ得る電流などが大きい場合に限り、供給手段は、制御手段に蓄電池からの電力を供給可能とするので、蓄電容量などを減少できる。
本エレベータの制御装置によれば、第1の制御電源手段が故障しても、第2の制御電源手段から制御手段に電源供給できるので、制御電源手段の故障に対する信頼性が向上する。
本エレベータの制御装置によれば、第1の制御電源手段が正常な動作状態では、第1の制御電源手段から制御手段へ電源供給するのみで、第2の制御電源手段からは制御手段に電源供給しない。そして、第1の制御電源手段の出力電圧よりも第2の制御電源の出力電圧が高くなると、第2の制御電源手段から制御手段に電源供給するので、第2の制御電源手段の電源容量を小さくできる。
本エレベータの制御装置によれば、第1及び第2の制御電源手段により負バイアス電圧を発生するので、第1の制御電源手段が故障しても第2の制御電源手段から発生した負バイアス電圧によりスイッチング素子のオフを確実にできると共に、第2の制御電源手段を簡易にできる。
本エレベータの制御装置によれば、インバータの下側アームを成すスイッチング素子の負バイアス電圧の発生を二重系にするので、第1の制御電源手段が故障してもインバータ全体としてのオフを確実にできると共に、第2の制御電源手段をさらに簡易にできる。
これにより、上記二重系を得るので、第1の制御電源手段が故障しても下側アームのスイッチング素子をオフすることによりインバータ全体としてのオフを確実にできると共に、第2の制御電源手段は負バイアス電圧を一つのみ発生すればよいので、より一層簡易にできる。
本発明の一実施の形態を図1及び図2によって説明する。図1は本発明の実施の一実施の形態によるエレベータの全体図、図2は図1に示すゲート電源回路の内部構成図である。
図1において、エレベータは、釣合い錘3の端がロープ5の一端に接続され、ロープ5の他端がかご9に接続され、ロープ5が巻上機の綱車7の溝と接触しており、巻上機の綱車7を回転するモータ11によりかご9が昇降するように形成されている。
同様に、主電源スイッチS1を介してゲート駆動回路60の直流電源となるゲート電源50を有しており、ゲート電源回路50には、バックアップ用の蓄電池52が供給スイッチSeを介して接続されている。
そして、ゲート駆動回路60及び充放電回路35を制御する制御指令信号を発生するエレベータの制御装置70を有している。
<通常時>
主電源スイッチS1を投入すると共に、常開接点22を開放から閉成すると、ゲート電源50には、交流電圧が入力して直流電圧をゲート駆動回路60に供給している。一方、三相交流電源をコンバータ24により直流を得てインバータ30に入力する。ゲート駆動回路60がエレベータの制御装置70からの指令信号によりインバータ30を制御してモータ11を停止又は駆動している。
停電により主電源スイッチS1及び常開接点22を閉成から開放してコンデンサ26の電荷を充放電回路35により放電する。一方、ゲート電源回路50の出力電圧が低下する。第1の電圧検出部80が該出力電圧としての第1の電圧値を検出して第1の判断部83に入力する。判断部83は、第1の電圧値が第1の閾値以下か否かを判断し、第1の閾値以下になると供給スイッチSeを開放から閉成してゲート駆動回路60に蓄電池52からの電力を供給する。したがって、停電が発生した時でも、ゲート駆動回路60を正常に制御し得るので、インバータ30のスイッチング素子31も制御できる。
本発明の他の実施の形態を図3によって説明する。図3は本発明の他の実施の形態によるエレベータの全体図である。図3中、図1と同一符号は同一部分を示し、説明を省略する。
図3において、第2の電圧検出器180はコンデンサ26の第2の電圧値を検出し、第2の判断部183は、第1の電圧値が第1の閾値以下で、第2の電圧値が第2の閾値より高いと、供給スイッチSeを開放から閉成してゲート駆動回路60に蓄電池52からの電力を供給するように形成されている。
<停電発生時>
停電により主電源スイッチS1及び常開接点22を閉成から開放すると、コンデンサ26の電荷が充放電回路35により放電する。一方、ゲート電源回路50の出力電圧が低下する。この出力電圧としての第1の電圧値を第1の電圧検出器80、コンデンサ26の両端電圧を第2の電圧検出器180がそれぞれ検出して第2の判断部183に入力する。第2の判断部183は、第1の電圧値が第1の閾値以下か否かを判断すると共に、第2の電圧値が第2の閾値より高いか否かを判断し、第1の電圧値が第1の閾値以下で、第2の電圧値が第2の閾値より高くなるとスイッチS2を開放から閉成してゲート駆動回路60に蓄電池52からの電力を供給する。これにより、停電が発生した時でも、ゲート駆動回路60を正常に制御し得ると共に、コンデンサ26の両端電圧が第2の閾値よりも高い時、すなわち、短絡電流の大きさを考慮してゲート駆動回路60に蓄電池52からの電力を供給する。
すなわち、コンデンサ26の電圧値が第2の閾値よりも高い場合に限り、ゲート駆動回路60に蓄電池52からの電力を供給するので、畜電池52の容量を減少し得る。
本発明の他の実施の形態を図4及び図5によって説明する。図4は本発明の他の実施の形態によるエレベータの全体図、図5は図4に示す第1及び第2のゲート電源回路の内部結線図である。図4中、図1と同一符号は同一部分を示す。
実施形態1及び2では、ゲート電源回路50は一つであったが、本実施の形態では、図4に示すように第1のゲート電源回路150と第2のゲート電源回路250とを有していて、ゲート電源回路150,250を二重系としている。インバータ30は、スイッチング素子31から成る上側アーム32と下側アーム34とを有しており、上側アーム32は、スイッチング素子31uu,32uv,31uwを有し、下側アーム34は、スイッチング素子31du,31dv,31dwを有している。
電圧監視部200は、第1及び第2のゲート電源回路150,250のそれぞれの出力電圧値を検知すると共に、二つの出力電圧値が予め定められた閾値よりも低下するとゲート駆動回路60を遮断する遮断信号を発生するように形成されている。
そして、第2の電源出力部は、トランス258の二次巻線の一端には、ダイオードD31(D32〜D36)の一端が接続されており、他端には、ダイオードD41(D42〜D46)の一端が接続されており、二次巻線の中央点から二つの平滑用のコンデンサC31(C32〜C36),C41(C42〜C46)のそれぞれの一端が接続されている。平滑用のコンデンサC31(C32〜C36)の他端にダイオードD31(D32〜D36)の他端が接続されており、コンデンサC41(C42〜C46)の他端にダイオードD41(D42〜D46)が接続されている。
なお、第2の電源出力部の出力が第1の電源出力部に並列に常時接続されている。
|V1-1|>|V1-2|、|V2-1|>|V2-2|
このような関係を有することにより、第1のゲート電源回路150が故障していない通常状態においては、第2のゲート電源回路250の出力電流が流れないように形成されている。
<通常時>
主電源スイッチS1を投入すると共に、常開接点22を開放から閉成すると、第1のゲート電源回路150には、交流電圧が入力して直流電圧をゲート駆動回路60に供給している。一方、三相交流電源をコンバータ24により直流を得てインバータ30に入力する。第1のゲート駆動回路150が制御装置70からの指令信号によりインバータ30を制御してモータ11を停止又は駆動している。
<異常時>
いま、何らかの原因により第1のゲート電源回路150の電圧が第2のゲート電源回路250の出力電圧よりも低下すると、第2のゲート電源回路250の出力によって、インバータ30を構成するスイッチング素子31にゲート信号を入力する。したがって、第1のゲート電源回路150が故障しても、第2のゲート電源回路250からゲート駆動回路60を介してインバータ30を駆動できる。
また、停電発生時には、蓄電池52を入力源としているので、第2のゲート電源回路250からゲート駆動回路60を介してインバータ30を駆動できる。
実施形態3では、図5に示すようにゲート電源回路を二重系とするために第1のゲート電源回路150と第2のゲート電源回路250とを共に、正バイアス電圧と負バイアス電圧とを発生したが、本実施の形態では、図6に示すように第2のゲート電源回路1250は、正バイアス電圧を発生することなく、負バイアス電圧のみを発生するように形成されており、第2の電源出力部の出力となる各負バイアス電圧が対応する第1の電源出力部の各負バイアス電圧に並列に常時接続されている。
このような構成によるエレベータの制御装置によれば、負バイアス電圧の二重系が担保される。これにより、第1のゲート電源回路150の負バイアス電圧が発生できなくても、第2のゲート電源回路1250から負バイアス電圧をインバータ30のスイッチング素子31に印加できるので、スイッチング素子31を確実にオフできる。
これにより、本実施の形態は実施の形態3に比較して、第2のゲート電源回路1250は正バイアス電圧の発生を省略できるので、簡易にできる。
実施形態4では、図6に示すようにゲート電源回路の負バイアス電圧側のみを二重系としたが、本実施の形態では、図7に示すように第2のゲート電源回路2250は、インバータの下側アーム34にかかるスイッチング素子31の三つの負バイアス電圧のみを発生するように形成されている。第2の電源出力部の出力となる三つの負バイアス電圧が対応する第1の電源出力部の各負バイアス電圧に並列に常時接続されている。
このような構成によるエレベータの制御装置によれば、インバータ30の下側アーム34にかかるスイッチング素子31に関する負バイアス電圧の二重系が担保されるので、第1のゲート電源回路150の対応する負バイアス電圧の発生部が故障しても、第2のゲート電源回路2250から対応する負バイアス電圧を下側アーム34のスイッチング素子31に印加できるので、スイッチング素子31の誤動作を防止できる。
これにより、本実施の形態は実施の形態4に比較して、インバータ30の上側アーム32にかかるスイッチング素子31の三つの負バイアス電圧の発生を省略できるので、第2のゲート電源回路2250の構成を簡易にできる。
実施形態5では、図7に示すように第2のゲート電源回路2250は、インバータ30の下側アーム34にかかるスイッチング素子31の三つの負バイアス電圧のみを発生し、第2の電源出力部の出力となる三つの負バイアス電圧が対応する第1の電源出力部の各負バイアス電圧に並列に常時接続されているが、本実施の形態では、図8に示すように第2のゲート電源回路3250は、インバータ30の下側アーム34のスイッチング素子31に対応する一つの負バイアス電圧のみを発生するように形成されており、該負バイアス電圧が対応する第1のゲート電源回路150の負バイアス電圧の出力に常時接続されている。
そして、インバータ30を成す下側アーム34の二つのスイッチング素子31に入力する他の負バイアス電圧の出力にスイッチS1〜S4を介して接続されている。
これにより、本実施の形態は実施の形態5に比較して、インバータ30の下側アーム34にかかるスイッチング素子31の二つの負バイアス電圧の発生を省略できるので、第2のゲート電源回路の構成を簡易にできる。
このようなワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子31は、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、スイッチング素子31の小型化が可能であり、これら小型化されたスイッチング素子31を用いることにより、これらの素子を組み込んだインバータが小型化できる。
さらに、上記実施形態1〜6にインバータ30を成すスイッチング素子31をワイドバンドギャップ半導体により形成しても、交流電源が喪失しても、適切にスイッチング素子31を制御し得る。
Claims (7)
- 交流電源からの電力を半導体素子により直流に変換するコンバータと、
該直流を平滑にするコンデンサと、
前記直流をスイッチング素子により任意の交流に変換すると共に、エレベータのかごを動作するモータを駆動するインバータと、
前記スイッチング素子をオン・オフ制御する制御手段と、
前記交流電源に基づいて生成されると共に、前記制御手段に直流電源を供給する制御電源手段と、
前記交流電源が喪失した時に、該制御電源手段に電源を供給する蓄電池と、
該制御電源手段の出力となる第1の電圧値を検出する第1の電圧検出手段と、
前記第1の電圧値が第1の閾値以下か否かを判断する第1の判断手段と、
前記第1の電圧値が第1の閾値以下になると前記制御手段に前記蓄電池からの電力を供給する供給手段と、
前記交流電源の喪失に基づいて前記コンデンサの電荷を放電する放電手段と、
前記コンデンサの第2の電圧値を検出する第2の電圧検出手段と、
前記第2の電圧値が第2の閾値より高いか否かを判断する第2の判断手段と、を備え、
前記供給手段は、さらに前記第2の電圧値が第2の閾値より高いと、前記制御手段に前記蓄電池からの電力を供給する、
ことを特徴とするエレベータの制御装置。 - 前記制御電源手段は、少なくとも第1及び第2の制御電源手段を有すると共に、それぞれの出力が並列接続されており、前記第1の制御電源手段は、前記制御手段に直流電圧を供給しており、
前記供給手段は、前記第1の電圧値が第1の閾値以下になると前記第2の制御電源手段を介して前記制御手段に前記直流電源を供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの制御装置。 - 前記第2の制御電源手段の出力電圧は、前記第1の制御電源手段の出力電圧よりも低くする、
ことを特徴とする請求項2に記載のエレベータの制御装置。 - 前記第1の制御電源手段は、前記スイッチング素子をオンするための第1の正バイアス電圧と、前記スイッチング素子をオフするための第1の負バイアス電圧とを発生しており、
前記第2の制御電源手段は、前記スイッチング素子をオフするための第2の負バイアス電圧をのみを発生する、
ことを特徴とする請求項3に記載のエレベータの制御装置。 - 前記スイッチング素子は、上側アームと下側アームとを備えており、
前記第2の負バイアス電圧により前記下側アームの前記スイッチング素子をオフする、
ことを特徴とする請求項4に記載のエレベータの制御装置。 - 前記第2の制御電源手段は、前記第2の負バイアス電圧を一つのみを発生すると共に、複数の前記下側アームの前記スイッチング素子に供給する前記第1の制御電源手段の出力に常時接続されており、
前記第1の判断手段が第1の閾値以下と判断すると、前記第2の負バイアス電圧を他の下側アームの前記スイッチング素子に印加する印加手段を、
備えたことを特徴とする請求項5に記載のエレベータの制御装置。
- 前記スイッチング素子はワイドバンドギャップ半導体によって形成されている、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のエレベータの制御装置。
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