JP5636053B2 - ガス電界電離イオン源及びその使用方法、並びに、イオンビーム装置 - Google Patents

ガス電界電離イオン源及びその使用方法、並びに、イオンビーム装置 Download PDF

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    • H01J2237/0807Gas field ion sources [GFIS]

Description

本発明は、ガス電解電離イオン源と、当該イオン源を用いたイオンビーム装置と、当該イオン源を構成するエミッタチップに関するものである。
特許文献1及び2には、ガス電解電離イオン源(GFIS:Gas Field Ionization Ion Source)を搭載し、水素(H) 、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)などのガスイオンを用いた集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)装置が記載されている。これらのガス集束イオンビーム(ガスFIB)は、現在よく使われている液体金属イオン源(LMIS:Liquid Metal Ion Source)からのガリウム(Ga:金属)集束イオンビーム(Ga−FIB)のように、試料にGa汚染をもたらさないという利点がある。加えて、GFISは、そこから引出したガスイオンのエネルギー幅が狭いこと、およびイオン発生源サイズが小さいことから、Ga−FIBと較べ、より微細なビームが形成できる。
一方、特許文献3及び非特許文献1には、GFISのエミッタチップ先端に微小な突出部を形成すること、或いはエミッタチップ先端の原子数を数個以下に下げることにより、イオン源の放射角電流密度が高くなる等、イオン源特性が良くなることが開示されている。このようなエミッタチップ先端の微小突出(以下、「ナノチップ」という。)の作製例として、非特許文献1及び特許文献2では、タングステン(W:金属)製のエミッタチップから電解蒸発を利用して作製することが開示されている。この場合、ナノチップは、W単結晶の [111]方向に終端する1又は3原子(すなわち、1個又は3個の原子)である。また、非特許文献2及び特許文献4には、エミッタチップの第1金属材料(例えばW)とは異なる第2金属(例えばイリジウム(Ir)や白金(Pt)等の貴金属)を用いてナノチップを作製することが開示されている。この場合、ナノチップは、W単結晶の [111]方向の終端部に形成した第2金属を表面に持つピラミッドである。
特許文献5には、ナノチップを持たないGFISについて、エミッタチップの先端曲率を増加させることで放射角電流密度を増加させる方法が記述されている。
特開平7−192669号公報 特表2009−517846号公報 特開昭58―85242号公報 特開2008−140557号公報 特開昭58−89763号公報
H.-W. Fink, Physica Scripta. 38 (1988) 260 H.-S. Kuo, I.-S. Hwang, T.-Y. Fu, Y.-H. Lu, C.-Y. Lin, and T. T. Tsong, Appl. Phys. Letters 92 (2008) 063106
ガス電界電離イオン源(GFIS)を用いたイオンビーム装置、例えば走査イオン顕微鏡(SIM:Scanning Ion Microscope)を走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)のような実用的なものとするためには、現在の技術で得られるビーム電流を一桁程度増加させる必要がある。このためにはGFISの放射角電流密度を向上させることが不可欠である。放射角電流密度を向上させるためには、3原子のナノチップを単原子化する方法がある。すなわち、単原子化によりナノチップに電流集中を起こし、放射角電流密度を3倍に高める方法が有力視されてきた。しかし、この方法では、期待とは反対に、低い値の放射角電流密度しか得られていない。我々の調査の結果、後者のイオン放射角が前者の数倍以上に広いことが原因であることが分かった。当該原因は、頂点の単原子部分に電界が集中しすぎて放出イオンに周辺の電界の影響が見えないため、すなわちレンズ作用が働かないためと推定する。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、エミッタチップの先端に単原子を頂点に有する角錐または円錐形状の突起を持ち、そのイオン放射角が狭くて、放射角電流密度の高いGFISを提供することを目的とする。
本発明では、エミッタチップの形成工程に次の工程を順番に入れる。(1)エミッタチップの先端に20kV以上で電界蒸発させた曲面を作る、(2)エミッタチップの先端に単原子を頂点に有する角錐または円錐上の突起を形成する。この方法により、エミッタチップ先端の単原子の電界蒸発電圧(単原子が電界蒸発するしきい値電圧)が11kV以上となる。これは、ヘリウムガスをイオン化する場合の単原子からのイオンの引出電圧が10kV以上であることと同義である。また、ヘリウムガスをイオン化する場合の単原子からのイオン放射半角が0.7°以下であることと同義である。
本発明によれば、エミッタチップ先端の微小突起(ナノチップ)の放射角電流密度を従来例に比して高くすることができる。従って、当該ナノチップを用いたガス電界電離イオン源を搭載すれば、イオンビーム装置のビーム電流を増やし、各種処理のスループットを向上することができる。
実施の形態に係るイオンビーム装置の全体構成例を示す図。 ガス電界電離イオン源の構成例を示す図。 エミッタチップの形状変更に伴う引出電圧と放射立体角Ω(放射半開角Θの2乗)の逆数との関係を表すグラフ。 ヘリウムの引出電圧Vex に対する放射半開角Θの変化を示す図。 引出印加電圧Ve に対する放出イオン電流Ie の変化を示す図。 実施の形態に係るエミッタチップの作成工程例を説明する図。 実施の形態に係るエミッタチップの先端部分の走査電子顕微鏡写真(エッチング後)。 実施の形態に係るエミッタチップ先端部分の走査電子顕微鏡写真(三角錐形状の突起形成後)。 図6に示すエミッタチップ先端の拡大図。 実施の形態に係るエミッタチップの他の作成工程例を説明する図。
本発明のガス電界電離イオン源(GFIS)及びイオンビーム装置に係る実施の形態について、以下、図面と共に説明する。
<第1の実施の形態>
(イオンビーム装置の構成)
図1は、本実施の形態に係るイオンビーム装置の全体構成図である。本実施の形態のイオンビーム装置200は、後述する本発明のガス電界電離イオン源(GFIS)100を、従来のガリウム−液体金属イオン源(Ga−LMIS)用に作製された集束イオンビーム(FIB)装置にそのGa−LMISに代えて組み込んで構成したものである。
図1において、イオンビーム装置200は、GFIS100から放出されたイオンビーム5をイオン光学系300に入射し、その後、イオン光学系300によって集束されたイオンビーム5を試料ステージ101に載置された試料6上に照射する構成を採用する。
GFIS100は、エミッタチップ1と、引出電極2と、イオン化用のガスをエミッタチップ先端に供給するガス供給配管30(図2)のガス放出口3とを備えている。エミッタチップ1と引出電極2の間には、引出電圧印加部4から高電圧(エミッタチップ1側が正、引出電極2側が負)が印加される。この高電圧により、ガス放出口3から供給されてエミッタチップ1の先端に所在するガスがイオン化される。引出電極2は、エミッタチップ1によって生成されたイオンを引き出し、イオン光学系300に対してイオンビーム5として放出する。
イオン光学系300は、静電レンズ102−1,102−2,ビーム制限絞り102−3,アライナー102−4を含むレンズ系102と、偏向器103−1,103−2を含む偏向系103とを備えている。イオン光学系300に入射したイオンビーム5は、光学系内の静電レンズ102−1,102−2で集束されて試料6上に照射される。また、試料6上におけるイオンビーム5の照射位置は、偏向器103−1,103−2によるイオンビーム5の偏向により調整される。
静電レンズ102−1,102−2,ビーム制限絞り102−3,アライナー102−4を含むレンズ系102は、それぞれ対応するドライバ102−1’〜102−4’により駆動制御される。ドライバ102−1’〜102−4’は、レンズ系制御器105により制御される。また、レンズ系制御器105は、引出電圧印加部4の駆動制御を通じ、イオン光学系300に放出されるイオンビーム5も制御する。一方、偏向器103−1,103−2を含む偏向系103は、それぞれ対応するドライバ103−1’,103−2’により駆動制御される。ドライバ103−1’,103−2’は、偏向系制御器106により制御される。
上述したイオンビーム5の照射により試料6から発生した2次電子7は、2次電子検出器104で検出され、A/D信号変換部104’を介してデジタル信号に変換される。この後、当該デジタル信号は画像生成部を含む表示器110に与えられる。表示器110は、デジタル信号の強度を偏向強度に対応付けた2次電子観察像を形成する。ユーザは、表示器110に表示された2次電子観察像を見ながら、イオンビーム5の照射位置を当該表示画面上で指定入力する。この指定入力は、不図示の制御部により受付けられ、偏向制御器106の偏向制御に用いられる。
なお、これらの制御器(レンズ系制御器105,偏向系制御器106)と表示器110を含む装置全体を制御する制御部の詳細については、図1では図示を省略してある。
(ガス電界電離イオン源の構成)
図2は、図1に示したガス電界電離イオン源(GFIS)100の構成例である。
本実施の形態では、エミッタチップ1,引出電極2,ガス放出口部3が配置される雰囲気を、レンズ系102及び偏向系103が配置されるイオン光学系300の雰囲気から独立した超高真空に保つ。このため、エミッタチップ1等を収容する真空容器10は、イオン光学系300の機器を収容するイオン光学系筐体(図示せず)とは独立した筐体により形成されている。すなわち、ガス電界電離イオン源(GFIS)100は、ユニット化されている。
真空容器10は、排気口11,各装着口12(イオン源サブユニット装着口12−1,冷却ヘッド装着口12−2,高電圧導入端子装着口12−3,ガス供給配管導入口12−4),作動排気口13が形成された箱体からなる。真空容器10内は、排気口11に連結された排気系(図示を省略)によって例えば10−8Paの桁値の超高真空に保たれる。作動排気口13は、イオン光学系300に対してイオンビーム5を放出するための開口である。真空容器10は、イオン光学系筐体に対して一体的に装着された状態で、この作動排気口13を境にして、排気系によってイオン光学系300と別々に独立して内部の排気が可能になっている。作動排気口13は、真空容器10のイオン源サブユニット装着口12−1が形成された壁部と相対向する壁部に、イオン源サブユニット装着口12−1と対向するように配置形成されている。
引出電極2は、そのビーム引出孔が作動排気口13と同軸になるように、容器内壁部に立設された支持部材14によって支持された状態で真空容器10内に設けられている。支持部材14は、少なくともその一部が絶縁部材14’によって形成され、引出電極2と真空容器10との間が絶縁されている。引出電極2は、高電圧導入端子装着口12−3に装着された高電圧導入端子40−2に接続され、引出電圧印加部4から引出電圧の供給を受けるようになっている。ガス供給配管30は、ガス供給配管導入口12−4を介して真空容器10内に導入され、エミッタチップ1の先端近傍に配置されたガス放出口3から、イオン化しようとするガスを供給する。ガス供給配管30の基端側は、バルブ32を介してガスボンベ31と接続されている。ガス供給配管30は、ガス放出口3の部分が伝熱の良い無酸素銅で、ガス放出口3を除く部分が熱伝導の悪いステンレスでできている。さらに、ガス放出口3の部分は、真空容器10内において伝熱の良い無酸素銅でできた伝熱支持体22−2により支持されている。加えて、真空容器10内のガス供給配管30の途中部分には屈曲部が形成され、熱伝導距離を長くして外部からの熱進入を防ぐ構造になっている。
イオン源サブユニットは、図示の例では、水平微動機構450と、高電圧導入端子40−1が装着される端子装着部45と、複数の薄肉ステンレスパイプで構成されて外部からの熱進入を遮断する熱絶縁支持体24−1と、無酸素銅により形成された環状の伝熱支持体22−1と、サファイアにより形成された中空柱状の伝熱絶縁碍子23−1と、エミッタチップ1を含むチップアッセンブリ500が傾斜スペーサ600を介在させて位置決め装着された支持体400とを含む。
このイオン源サブユニットにおいて、水平微動機構450の被可動部46には端子装着部45が一体的に接続固定され、端子装着部45は熱絶縁支持体24−1を介在させて伝熱支持体22−1と一体的に接続固定され、環状の伝熱支持体22−1の孔部には伝熱絶縁碍子23−1の基部が嵌合固定され、伝熱絶縁碍子23−1の先端部には支持体400が装着固定される構成になっている。そして、これらの一体的な接続固定状態で、水平微動機構450の被可動部46と伝熱絶縁碍子23−1とは同軸に位置決め固定され、さらに支持体400は伝熱絶縁碍子23−1に対して同軸に装着固定されている。これにより、水平微動機構450の被可動部46の中心軸は、支持体400の中心軸と同軸になるよう構成されている。
水平微動機構450は、盤状の環状ベース47と、環状ベースの中心孔に隙間を有して挿通された被可動部46と、被可動部46を環状ベース47の中心孔内で配置調整するための位置決め機構とを含む。被可動部46の外周には、環状ベースの表面滑り面452に被可動部46を支持させるための環状ベース47の中心孔よりも大径なフランジ部が形成されている。被可動部46は、フランジ部のフランジ面を環状ベース47の表面滑り面452に当接させて、環状ベース47に微動可能に支持されている。位置決め機構は、被可動部46のフランジ部をその径方向に挟持するように環状ベース47に配置された押し棒453と圧縮バネ454とから構成されている。これにより、押し棒453の進退位置を圧縮バネ454の付勢力に抗して調整固定することにより、環状ベース47の中心孔内における被可動部の位置を調整することができる。
水平微動機構450は、環状ベース47の中心孔と真空容器10のイオン源サブユニット装着口12−1とが同軸になるように環状ベース47の裏面を真空容器10の外面に当接し、気密が確保されるように真空容器10に対して取り付けている。真空容器10のイオン源サブユニット装着口12−1は、水平微動機構450の被可動部46,端子装着部45をはじめとする真空容器10内に配置されるイオン源サブユニットの各部の幅寸法よりも大きく形成されている。従って、イオン源サブユニットを真空容器10に対して取り付けることができる。また、水平微動機構450の環状ベース47の表面滑り面452の裏面と端子装着部45との間には、被可動部46を囲繞するように真空ベローズ451が設けられている。真空ベローズ451は、真空容器10の内部と水平微動機構450の環状ベース47の表面滑り面452とを区画するように設けるだけで済むので、真空ベローズ451の表面積の抑制がはかられている。
エミッタチップ1には、端子装着部45に装着された高電圧導入端子40−1を介して、引出電圧印加部4から印加電圧が印加される。イオン化のためには、高電圧導入端子40−1を介してエミッタチップ1へ電位を与える配線は1本で足りる。本実施の形態では、エミッタチップ1の根元のフィラメント部加熱用に配線が2本になっている。
真空容器10の冷却ヘッド装着口12−2には容器外部から冷却ヘッド20(例えば、Gifford-McMahon冷凍機)が接続される。冷却ヘッド20は、無酸素銅でできた伝熱用網線21−1を介してイオン源サブユニットの伝熱支持体22−1と、無酸素銅でできた伝熱用網線21−2を介してガス放出口3部分を支持する伝熱支持体22−2とにそれぞれ接続されている。これら伝熱用網線21−1,21−2,伝熱支持体22−1,22−2は、熱輻射を減らすため、さらに金でメッキされている。
エミッタチップ1は、真空容器10の外部から導入された冷却ヘッド20との間で、伝熱用網線(無酸素銅)21−1,伝熱支持体(無酸素銅)22−1,及び伝熱絶縁碍子(サファイア)23−1を介して熱交換を行い、冷却される。また、ガス放出口3の部分(無酸素銅)は、冷却ヘッド20との間で、伝熱用網線(無酸素銅)21−2及び伝熱支持体(無酸素銅)22−2を介して熱交換を行い、冷却される。
それぞれの部材の熱伝導性が良いため、エミッタチップ1とガス放出口3の部分とは略同じ温度に冷却される。加えて、外部からの熱進入は、イオン源サブユニットの熱絶縁支持体24−1(ステンレス)及びガス供給配管30のガス放出口3を除く部分(ステンレス)により防止されている。また、各部の温度を安定に保つために幾つかの熱シールド壁を追加してもよい。
上述のように構成された本実施の形態のガス電界電離イオン源(GFIS)100においては、エミッタチップ1として、タングステン(W)の単結晶の先端のW(111)結晶面の上にイリジウム(Ir)の原子状ピラミッドを形成したものを使用した。イオン化するガスとしてヘリウム(He)を使用した。エミッタチップ1とガス放出口部分3の温度は約20Kに保った。その上で、引出電圧印加部4により、エミッタチップ1を正、引出電極を負とする電圧を印加していくと、あるところで、ガス放出口部分3から放出されてエミッタチップ1の先端に達したガス原子(分子の場合もある)の一部が電界電離により正のイオンとなり、イオン放出が起こる。ここで、イオンの引出電圧は約12kVである。
(エミッタチップの先端形状とその駆動条件)
次に、本実施の形態に係るガス電界電離イオン源(GFIS)100を構成するエミッタチップ1の形状制御の方法と、それによる放射角電流密度の改善について説明する。
本実施の形態に係るエミッタチップ1は、予め作成した幾つかのエミッタチップの中から選んだものである。それらのエミッタチップから放射されるイオンの放射立体角Ω(放射半開角をΘとして、πΘ2と表せる)の逆数を、イオンの引出電圧Vex で整理したグラフを図3Aに示す。これらのエミッタチップでは、基本的にイオン放射する領域が頂点の単原子に限定されている。このため、放射立体角Ωの逆数の変化は、そのまま放射角電流密度の変化に対応する。
まず、エミッタチップの先端形状が単純な曲面(半球)である場合は、特許文献5に示されるように、先端に強いレンズ作用が働き、曲線5000のように変化すると予想される。
一方、エミッタチップの先端にレンズ作用が働かずに加速されるだけの場合は、曲線5001のように変化することが予想された。ここで、レンズ作用が働かないというのは、同じ電圧まで加速すると同じ放射立体角になり、本質的に特性差が無いということである。
次に、エミッタチップ1の先端形状を原子状ピラミッドに変更して引出電圧Vex を変えたエミッタチップを調べたところ、約10kVまではレンズ作用の働かない曲線5001のように推移した。ここまで確認した時点で、先端形状が原子状ピラミッドのエミッタチップ1に対しては、曲線5000のような従来の考え方が適用できないことが明らかになった。ところが、引出電圧Vex をさらに上げ、エミッタチップ1による放射立体角Ωの逆数の変化を調べたところ、急激にグラフが立ち上がり、先端にレンズ作用が発生することを発見した。その推移は直線5002に沿っている。頂点が単原子となるエミッタチップにおいてこの現象が発生する境界(クライテリア)は、ヘリウムの引出電圧(ベストイメージになる電圧)では約10kVである。これは、先端の単原子からのイオン放射半開角では0.7°に対応する。また、先端の単原子を電界蒸発させるのに必要な電圧では約11kVに対応する。
これらの対応関係を説明する。図3Bに、ヘリウムの引出電圧Vex に対する放射半開角Θの変化を示す。引出電圧Vex が10kVの付近で近似線が5001‘から5002’へ折れ曲がっている。放射半開角Θの引出電圧Vex に対する変化は、図3Aの放射立体角Ωの変化と比べて緩やかであり、単独の図では、変化点が分かり難い。しかし、確かに変化点が存在する。このときの放射半開角Θは約0.7°であり、これより値が小さい領域では放射立体角Ωが急激に大きくなるようなエミッタチップ形状が実現されている。
次に、任意のエミッタチップに関して、チップと引出電極の間に印加する電圧、すなわち引出印加電圧Ve に対する放出イオン電流Ie の変化を図3Cに示す。引出印加電圧Ve を高めていくと、あるところから急激に放出イオン電流Ie が増加し、イオン電流Ie が飽和しはじめて引出印加電圧VeがVex(ベストイメージ電圧)となったところで、FIM(Field Ion Microscope)像が最もシャープになる。本明細書の中では、任意のエミッタチップにおけるイオンの引出電圧をVexと定義して使用している。
さらに、引出印加電圧Veを高めていくと、引出印加電圧VeがVevap(電界蒸発電圧)となったところでエミッタチップ先端の原子が電界蒸発でとれてしまう。この引出電圧(ベストイメージ電圧)Vex と電界蒸発電圧Vevap の比率は、エミッタチップの形状にはよらず一定の値となる。図3Aで示した中の引出電圧(ベストイメージ電圧)が約10kVのエミッタチップの頂点の単原子を電界蒸発させる電圧は約11kVに対応する。したがって、頂点の単原子の電界蒸発電圧が約11kV以上であるエミッタチップでは放射立体角Ωが急激に大きくなるようなエミッタチップ形状が実現されている。
以上のように、(頂点が単原子となる)エミッタチップの特性値であるVex、Θ又はVevap により、エミッタチップ形状の特徴を現すことができ、それらは相互に依存した量である。
なお、上記の特性値は、エミッタチップの形状が同じでも、厳密にはエミッタチップの動作温度などにより僅かに変化することを注意しておく。図3Aは、エミッタチップの動作温度が約80Kの場合を示している。たとえば動作温度が20Kとなった場合には、引出電圧(ベストイメージ電圧)はいずれも15%ほど低下させる補正が必要となる。電界蒸発電圧Vevap は、エミッタチップの動作温度には鈍感である。動作温度が50K以下ではほとんど変動せず、80Kまで上げても数%の低下である。
しかしながら、エミッタチップ先端の単原子の種類には依存する。前述の図3Cでの説明は、先端がIrで覆われたエミッタチップに関するものであり、先端原子がWの場合には、5%から10%ほど高い値となる。以上の議論を考慮すると、頂点が単原子となるエミッタチップにおいて、先端のレンズ作用が急激に大きくなるような形状か、そうでないかを表す各特性値の境界は、厳密な測定環境が規定されていない場合、±10%程度の幅を持ってとらえる必要がある。
本実施の形態に係るエミッタチップ1は、図3Aの直線5002上に存在する複数のプロットの中で、プロット5100に示したものである。エミッタチップ1の近傍に約0.5Paのヘリウムガスを供給し、引出印加電圧をベストイメージよりガス供給制限領域まで僅かに上げて電流を最大とした状態での測定結果において、単原子からの放射電流は460pA、単原子からの放射半開角Θは約0.5°であった。このエミッタチップ1の放射半開角は従来のものから半減している。放射角電流密度は約2.0μA/srであった。
(エミッタチップの製造方法)
本実施の形態に係るエミッタチップ1の製造方法を図4に示す。エミッタチップ1の製造は、基本的にはGFIS100とは別の装置群を用いて行うが、工程6002以降はGFISで行うこともできる。
まず、工程6000で、単結晶の棒の先端を電界エッチングにより針状に成形する。ここでは、長手方向に [111]結晶軸を沿わせたW単結晶を用いた。電解エッチングは、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液にW単結晶棒の先端を浸し、DC電圧を印加して先端を切り落として先鋭化した後に、AC電圧を印加して先端のコーン角を調整する。ここでは、先端から約1μmの領域のコーン半角を約15°に形成した。なお、このコーン角はイオン放射角Θへ直接的に作用することは無い。
次に、工程6001で、針状に成形したW単結晶棒の先端にIrをコートする。Irは高融点であるため、真空中でスパッタ蒸着することで厚さ約7nm分をコートした。Irコートの下地となるWの表面は僅かに酸化されている。このIrは最終工程で先端に突起を形成するのに必要なものである。
次に、工程6002で、W単結晶棒の先端を電界蒸発させ、先端曲率を調整する。従来、先端曲率の調整は、工程6000の電解エッチングで行われていた。このため、先端曲率のばらつきが大きかった。しかし、本実施形態のように電解蒸発により先端曲率を最終的に調整することで、エミッタチップの先端曲率を安定化することができた。なお、この工程は先端の状況をFIM(FIB:Field Ion Microscope)像で観察するためにヘリウムガス中で行った。
次に、工程6003と工程6004を合わせた工程6005によって、W単結晶棒の先端の結晶面(111)の上に三角錐形状の突起(ピラミッド)を形成する。
工程6003では、工程6002の電界蒸発で先端表面から酸化層とともに剥離されたIrコートを補給する。例えば真空中で赤熱しない温度(約400℃〜約500℃)で、工程6002後のエミッタチップを10分間加熱する。この加熱により、W単結晶棒の根元からIrを拡散し、エミッタチップの先端をコートする。この加熱では、赤熱させないことで、W表面の構造変化を避けてIrを均一に拡散させている。
工程6004では、単原子層以上IrがコートされたWを所定温度まで加熱することで、まずIrが単層化し、ついでWの結晶面(211)が成長(ファセット成長)して先端に単原子を頂点とする三角錐形状の突起(ピラミッド)ができる。ここでは、工程6003に連続して930℃で10分間の加熱を行った。
先端曲率の小さい従来のエミッタチップでは850℃程度で十分なファセット成長がおきたが、本実施の形態のように、基体の先端曲率を上げていくと、高い温度が必要となった。原子の移動量が増えるためと考えられる。上記の温度条件によりピラミッドはその稜線が基体の曲面に接するところまで成長した。
本実施の形態1に係るエミッタチップ1の製造方法で特徴的なことは、第一に、先端の曲率を電界蒸発で調整する工程と、先端に単原子を頂点とする角錐形状または円錐形状の突起を形成する工程とを、この順番で有することである。また第二に、前述した電界蒸発を約20kV以上の電圧で行うことである。単原子を頂点とするエミッタチップにおいて、先端に強いレンズ作用を働かせるためには、前者が必要条件であり、後者が十分条件である。これにより、ヘリウムイオンの引出電圧Vex が約10kVを越える。
ここで、製造装置の耐電圧を向上させ、さらに高い電圧で電界蒸発を行えば、引出電圧Vex を上げて放射角電流密度をさらに向上させることができる。電界蒸発の電圧として40から60kVの製造装置を製作することは困難では無い。これは、単原子からのヘリウムイオンの引出電圧Vex としては20から30kVに対応する。原理的にはこれ以上の引出電圧Vex も可能であるが、通常のイオンビーム装置200では、加速電圧を30kVから40kVとしているため使い難くなってしまう。
本実施の形態のエミッタチップ1、すなわち図3Aのプロット5010に示すエミッタチップのSEM写真を図5〜図7に示す。図5は、電解エッチング後(工程6000)のSEM写真である。図6は、エッチング後のエミッタチップの先端部分に三角錐形状の突起(ピラミッド)を形成した後のSEM写真である。図7は、図6に示すエミッタチップの先端部分を更に拡大して示す模式図である。図5に示すエミッタチップの先端は、25kVの電界蒸発により剥離され、切り取られたような曲面となっている。一方、ファセット成長により形成された三角錐形状の突起は、その稜線が電界蒸発後のエミッタチップ先端の曲面に接するように形成されている。SEMの分解能ではその大きさを正確に判断することはできないが、FIM像での観察から、稜線の長さは10nm程度と推定される。なお、突起の頂点とその稜線が形成する角度は、図7に示すように、約150°程度であると推定される。
(エミッタチップ先端のプリセット条件による再生)
GFISにおいて使用される先端の原子数が非常に少ないエミッタチップでは、イメージング用のガス(ここではヘリウム)に含まれる不純物ガスの吸着により、先端原子が本来より小さい電界で剥離する現象がある。これがエミッタチップの寿命を決めている。不純物ガスの由来には、装置内壁なども含まれる。このため、装置ごとにその寿命は異なる。
しかし、失われた先端原子をガス電界電離イオン源内で短時間に自動的に再生できれば、実質的なエミッタチップの寿命が尽きることはない。本実施の形態のエミッタチップでは、図4の工程6005により、先端の単原子を再生することができる。なお、先端の数原子だけが失われた場合も、同様に再生することができる。
具体的には、工程6003により、エミッタチップの先端表面から失われた貴金属(ここではIr)を先端に補充し、次の工程6004により、エミッタチップ先端の原子配列を再構成する。この工程の動作条件は、イオンビーム装置200の制御器にプリセット条件として格納しておくことが望ましい。工程6003と工程6004の実行により、単原子を頂点とする突起(ピラミッド)がエミッタチップの先端部に再生される。
工程6003と工程6004は真空中で行うので、ガスの出し入れを考慮すると、再生にかかる時間は約1時間である。エミッタチップの加熱は局所的な通電により行うので、エミッタチップ部を伝導冷却する部分の温度は低温のままに維持する。以上の再生工程の詳細条件は、エミッタチップの状態によらず予め決められた一定条件(プリセット条件)で良いのでユーザの判断は不要である。従って、プリセット条件に基づくエミッタチップの再生が自動的に実行されるように制御系を作成することに困難は無い。
なお、工程6003と6004の加熱温度や加熱時間は、最初にエミッタチップの先端を作る場合より緩和することもできる。突起形成時に移動すべき物質の量が少ないからである。また、前述した再生処理は、エミッタチップを製造装置で完成させてからGFISに移し変える場合にも実施する場合が多い。
(エミッタチップ再生によるアライメントへの影響)
その一方で、エミッタチップの先端を再生する場合、再生の前後で引出電圧Vex が大きく変化すると、イオン光学系へのアライメントのやり直しが必要になる。このアライメントのやり直しに伴う余分な作業時間の発生は、稼働時間を減少させる可能性がある。本実施の形態のエミッタチップでは、単原子を頂点とする三角錐形状の突起が基体部分の曲面に接するように形成されているため、再生によりこの突起の頂点が移動することは無い。従って、再生による引出電圧Vex の変化は微小であり、1週間の間に数回の再生を行っても、12kVの引出電圧Vex は100Vも変化しない。勿論、1回の使用当たりの引出電圧Vex の変化は1%以下である。
図1に示した通常のイオン光学系300では、初段の静電レンズ102−1のイオン源側は最終加速電圧までの加速レンズになっている。イオン引出電圧の1%程度までの変化であれば、この加速レンズの作用の変化は無視できるので、初段静電レンズ102−1へのエミッタチップ1のアライメントをやり直す必要は無い。このため、対物レンズ102−2の強度を僅かに調整するだけで、正常な試料像が得られる。なお、エミッタチップ先端を電界蒸発により何層か剥がすことで現われる先端の3原子(3個の原子)を使う従来の再生方法では、引出電圧Vex が500V程度ずつ変化するため、前記のようなアライメント作業が発生してしまう。
(エミッタチップの先端構造の選択)
前述の通り、本実施の形態のエミッタチップは、頂点に単原子を作った上に放射角を狭めて放射角電流密度を高めることを狙ったものである。しかし、頂点の単原子をわざと剥離して3原子の状態で使用する方法が考えられる。この使用方法では、放射角電流密度を高める効果は3分の1に減ってしまうが、単原子の場合よりも3原子の状態の方が先端原子の剥離に対する尤度が高くなるためにエミッタチップの再生までの時間を延ばせる利点がある。
そこで、本実施の形態に係るイオンビーム装置200では、制御システムが表示器110の画面上にユーザインターフェース画面を表示し、エミッタチップの先端構造を単原子とするか3原子とするかをユーザに選択させ、選択された先端構造に応じて各種制御パラメータを決定するように構成する。3原子で使う場合にはエミッタチップの再生工程に、先端の単原子のみを電界蒸発で剥離する工程が加わる。
(貴金属コートエミッタチップの製造方法)
図4に例示した本実施形態のエミッタチップの製造方法は、W単結晶上に貴金属をコートして先端にナノチップを形成する方法に関するものであり、それ自体が新しい。なぜなら、本発明の必要条件である、電界蒸発による曲率調整に続けて単原子を頂点とする突起(ピラミッド)をエミッタチップの先端に形成するという要請に答えるために新たに開発したためである。例えば非特許文献2に記載された製造方法では、上記の条件を満たせない。
本実施の形態に係るエミッタチップでは、前述した製造方法により、頂点の単原子(貴金属、ここではIr)を再生するための原子供給源となるリザーバが設けられている。Wの酸化層の上にIrがコートされているエミッタチップの根元がリザーバにあたる。エミッタチップの先端は、Wの酸化層が電界蒸発で剥離されているため加熱で容易にIrを拡散するが、エミッタチップの根元では酸化層のためにIrが拡散し難くここに保持される。エミッタチップ先端の再生時には、低温の加熱でリザーバ部分から先端にIrを潤沢に供給することができる。エミッタチップの全体からこの酸化層を排除した後に貴金属をコートする従来の方法では、リザーバとなる部分が無いために、エミッタチップ先端の再生を繰り返すうちに、貴金属の供給が枯渇して再生不能となる。これに比べて、本実施の形態のエミッタチップでは、先端の再生能力を長く維持できる利点がある。
以上、本実施の形態ではエミッタチップ1の基体をWの単結晶としたが、先端に単原子を頂点とする突起(ピラミッド)を形成できる材料であれば良く、モリブデン(Mo)などの高融点の単結晶を使うことができる。できれば電界で剥がれ難い材料が望ましく、知られている範囲ではWが最も適している。また、本実施の形態では、エミッタチップ1の表面にコートする貴金属をIrとしたが、基体と共にアニールすることで先端に単原子を頂点とする突起(ピラミッド)を形成できる材料であれば良く、白金(Pt)やパラジウム(Pd)なども使うことができる。ただし、頂点の単原子がこの貴金属原子となるため、電界で剥がれ難い材料が望ましく、知られている範囲ではIrが最も適している。
<第2の実施の形態>
続いて、他の実施の形態を説明する。なお、本実施の形態に係るイオンビーム装置の構成も、実施の形態1に関わるイオンビーム装置200(図1)と同じである。また、GFISの構成も図2のGFIS100と同じである。異なる部分は、GFISに実装するエミッタチップ1の特性である。実施の形態1に係るエミッタチップでは、図3Aのプロット5010に対応する特性を有するものであったのに対し、本実施の形態に係るエミッタチップ1の場合には、図3Aのプロット5011に対応する特性を有するものを使用する。
(エミッタチップの製造方法)
実施の形態1で実装したプロット5010に対応するエミッタチップ1は、工程6002の電界蒸発を25kVで行ったものであり、ヘリウムの引出電圧Vex は12.2kVであった。
これに対し、本実施の形態2で実装するプロット5011に対応するエミッタチップ1は、工程6002の電界蒸発を29kVで行い、ヘリウムの引出電圧Vex を15.6kVとする。
電界蒸発電圧に対する引出電圧Vex の比は、後者の方が前者に比して約10%高い。これには理由がある。通常、電界蒸発のために印加する電圧の増加は連続的にゆっくりと行うのに対して、後者では25kVから29kVまでをステップ状に高速に行ったためである。少なくとも5kV/s以上の速度で増加させた。この現象の原因は、高速な電界蒸発では同時に剥離する領域が広がるために剥離量が非線形に増加するためと推定する。これをきちんと制御すれば、エミッタチップの製造装置の耐電圧を低くすることができる。
本実施の形態に係るエミッタチップ1の近傍に約0.5Paのヘリウムガスを供給し、引出印加電圧をベストイメージよりガス供給制限領域まで僅かに上げて電流を最大とすると、エミッタチップ1の先端(頂点)に位置する単原子からの放射電流は460pA、単原子からの放射半開角Θは約0.4°であった。このエミッタチップ1の放射半開角は、従来のものから半減している。なお、放射角電流密度は約2.8μA/srであった。
<第3の実施の形態>
更に、他の実施の形態を説明する。なお、本実施の形態に係るイオンビーム装置の構成も、実施の形態1に関わるイオンビーム装置200(図1)と同じである。また、GFISの構成も図2のGFIS100と同じである。異なる部分は、GFISに実装するエミッタチップ1の組成である。具体的には、エミッタチップ1の全ての部分がWでできている場合を想定する。
(エミッタチップの製造方法)
本実施の形態に係るエミッタチップ1の製造方法を図8に示す。エミッタチップ1の製造は、基本的には、GFIS100とは別の装置群を用いて行うが、工程6002以降はGFISで行うこともできる。なお、図8には、図4との対応部分に対応する符号を付して示している。
まず、工程6000で、単結晶の棒の先端を電解エッチングにより針状に成形する。内容は実施の形態1の場合と共通である。すなわち、図4の工程6000と同じである。
次に、工程6002で、W単結晶棒の先端を電界蒸発させ、基体の先端曲率を調整する。この工程の内容も、実施の形態1の場合と共通である。すなわち、図4の工程6002と同じである。
次に、本実施の形態に特有の工程6005−2により、W単結晶棒の先端の結晶面(111)の上に三角錐形状の突起(ピラミッド)を形成する。超高真空中で、エミッタチップ1先端に約2kVの正電界を印加しながら、約830℃で約10分間加熱する。この加熱により、エミッタチップの基体の先端部分に単原子を頂点に有する三角錐形状の突起(ピラミッド)を形成することができる。
図8に示した工程は、図4に示した実施の形態1のエミッタチップの形成工程と次の共通点がある。すなわち、エミッタチップの先端を20kV以上の電界蒸発で成形した後に、先端に角錐形状又は円錐形状の突起を形成することである。このことにより、突起の頂点から放射されるイオンにエミッタチップ全体の電界が十分に影響するようになり、そのレンズ作用でイオンの放出角が狭められる。
本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、高い放射角電流密度が得られた。また、本実施の形態と同様のエミッタチップで先端形状を変更した場合、引出電圧に対する放射立体角の逆数の変化は、実施の形態1の図3Aと全く同様であった。なお、本実施の形態では、エミッタチップ先端の頂点原子はWであり、実施形態1の頂点原子Irとは異なる。このため、わずかに頂点原子の電界蒸発電圧やヘリウムイオンの引出電圧Vex が異なる。しかし、その差はいずれも1kV以下と小さく、上記議論に与える影響を無視できる。
(エミッタチップ先端のプリセット条件による再生)
本実施の形態に係るエミッタチップの寿命も、実施の形態1で説明した場合と同様に、イメージング用のガス(ここではHe)に含まれる不純物ガスにより決まる。しかしながら、失われた先端原子をイオン源装置内で短時間に自動的に再生できれば、実質的なエミッタチップの寿命は尽きない。本実施の形態のエミッタチップでは、図8の工程6005−2により先端の単原子を再生することができる。勿論、先端の数原子が失われた場合も同様である。工程6005−2の実行により先端の原子配列が再構成され、単原子を頂点とする突起(ピラミッド)が形成される。
工程6005−2は真空中で行うので、ガスの出し入れを考慮すると、再生にかかる時間は約1時間である。エミッタチップの加熱は局所的な通電により行うので、エミッタチップ部を伝導冷却する部分の温度は低温のままに維持する。
以上の再生工程の詳細条件はエミッタチップの状態によらず予め決められた一定条件(プリセット条件)で良いのでユーザの判断は不要である。従って、プリセット条件に基づくエミッタチップの再生が自動的に実行されるように制御系を作成することに困難は無い。
なお、工程6005−2の加熱温度や加熱時間は、最初にエミッタチップの先端を作る場合より緩和することもできる。突起形成時に移動すべき物質の量が少ないからである。
(エミッタチップ再生によるアライメントへの影響)
本実施の形態のエミッタチップでは、実施の形態1で説明したのと同様に、単原子を頂点とする三角錐形状の突起が基体部分の曲面に接するように形成される。このため、再生処理により、この突起の頂点が移動することは無い。従って、本実施形態のエミッタチップの先端再生時の引出電圧Vex の変化も、実施の形態1で説明したのと同様に微小である。実際、1週間の間に数回の再生を行っても、その変化量は1%以下の変化である。このため、前述した再生処理を行ったとしても、イオン光学系のアライメントをやり直す必要は生じない。なお、エミッタチップ先端を電界蒸発により何層か剥がして出てくる先端の3原子を使う従来の再生方法では、引出電圧が500V程度ずつ変化するため、前述したようなイオン光学系のアライメント作業が発生してしまう。
(エミッタチップの先端構造の選択)
本実施の形態のエミッタチップは、実施の形態1の場合に比べて、頂点の単原子が失われた場合にこれを再生できる確率が低い。このため、再生処理を何度も繰り返す場合がある。この原因は、頂点の単原子(ここではW原子)の供給源を実施の形態1のように特別に設けていないためと推定される。そこで、頂点の単原子をわざと剥離して3原子の状態で使用する方法が考えられる。この使用方法では、放射角電流密度を高める効果は3分の1に減ってしまうが、単原子の場合よりも3原子の状態の方が先端原子の剥離に対する尤度が高くなるためにエミッタチップ再生までの時間を延ばせる利点がある。
本実施の形態に係るイオンビーム装置200の場合にも、制御システムが表示器110の画面上にユーザインターフェース画面を表示し、エミッタチップの先端構造を単原子とするか3原子とするかをユーザに選択させ、選択された先端構造に応じて各種制御パラメータを決定するように構成する。3原子で使う場合にはエミッタチップの再生工程に、先端の単原子のみを電界蒸発で剥離する工程が加わる。
<その他の形態例>
以上、本発明を適用して好適な実施の形態例について説明してきたが、エミッタチップの先端に単原子を頂点とする角錐形状または円錐形状の突出部を作成する方法は、前述した実施の形態1及び実施の形態3に記載の方法に限られるものでは無い。例えば窒素(N)の雰囲気中でエミッタチップに電界をかけて先端をエッチングする方法など、種々考えられる。また、イオン化するためのガスはHeに限らず、ネオン(Ne)やアルゴン(Ar)などの希ガス、水素(H)なども使用できる。
1:エミッタチップ、2:引出電極、3:ガス供給配管のガス放出口部分、4:引出電圧印加部、5:イオンビーム、6:試料、7:2次電子、10:真空容器、11:排気口、13:作動排気口、20:冷却ヘッド、21−1、21−2:伝熱用網線(無酸素銅)、22−1、22−2:伝熱支持体(無酸素銅)、23−1:伝熱絶縁碍子(サファイヤ)、24−1:熱絶縁支持体(ステンレス薄肉パイプ)、30:ガス供給配管、31:ガスボンベ、32:バルブ、40−1、40−2:高電圧導入端子、100:ガス電界電離イオン源、101:試料ステージ、102:レンズ系、102−1、102−2:静電レンズ、102−3:ビーム制限絞り、102−4:アライナー、103:偏向系、103−1、103−2:偏向器、104:2次電子検出器、105:レンズ系制御器、106:偏向系制御器、110:表示器、200:イオンビーム装置、300:イオン光学系、301:イオン光軸、400:支持体、450:水平微動機構、451:真空ベローズ、452:すべり面、453:押し棒、454:押しバネ、500:チップアッセンブリ、600:傾斜スペーサ

Claims (9)

  1. 真空中に保持した導電性で針状の先端を持つエミッタチップと、該エミッタチップの先端方向に離間した位置に開口を有する引出電極と、該エミッタチップの先端近傍にガスを供給するガス供給配管と、該エミッタチップと該引出電極との間に引出電圧を印加して該ガスをイオン化する電界を形成する引出電圧印加手段と、を有するガス電界電離イオン源において、
    該エミッタチップの少なくとも基体が単結晶の金属であり、
    エミッタチップの先端が頂点に単原子を有する角錐形状又は円錐形状であり、かつ、次のいずれか1つの条件を満たすことを特徴とするガス電界電離イオン源。
    (A)該単原子が電界蒸発するしきい値電圧が11kV以上である。
    (B)ヘリウムガスをイオン化して発生した該単原子からのイオンビームがベストイメージを形成する条件になるときの前記引出電圧印加手段に印加する引出電圧が10kV以上である。
    (C)ヘリウムガスをイオン化する場合の該単原子からのイオンビームの放射半開角が0.7°以下である。
  2. 請求項1に記載のガス電界電離イオン源において、
    前記エミッタチップの少なくとも基体である単結晶がタングステンであり、前記エミッタチップの長手方向に該タングステンの[111]結晶方位を沿わせていることを特徴とするガス電界電離イオン源。
  3. 請求項1に記載のガス電界電離イオン源において、
    前記エミッタチップの先端の表面が貴金属でコートされていることを特徴とするガス電界電離イオン源。
  4. 請求項1に記載のガス電界電離イオン源において、
    前記頂点の単原子が失われた場合に、真空又は任意のガス中での加熱処理を含むプリセット条件の処理だけで、前記頂点に単原子を再生できることを特徴とするガス電界電離イオン源。
  5. 請求項4に記載のガス電界電離イオン源において、
    前記エミッタチップの前記頂点の単原子を再生により維持する場合に、累積使用時間1週間での引出電圧の使用開始前に対する変化が1%以下であることを特徴とするガス電界電離イオン源。
  6. 請求項4に記載のガス電界電離イオン源において、
    前記エミッタチップの前記頂点の単原子を再生により維持する場合に、1回使用後の引出電圧の使用開始前に対する変化が1%以下であることを特徴とするガス電界電離イオン源。
  7. 請求項4に記載のガス電界電離イオン源におけるプリセット条件が、前記頂点の単原子を再生しながら維持して使用するか、又は前記頂点の単原子のみを剥離して先端に3個の原子を配置した状態で使用するかの選択情報に応じて自動的に設定されることを特徴とするガス電界電離イオン源の使用方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つに記載のガス電界電離イオン源と、
    試料を保持する試料ステージと、
    前記イオン源から放出されるイオンを加速及び集束して該試料上に照射するレンズ系と、
    前記イオンを偏向して試料上におけるイオンの照射位置を変える偏向系と、
    前記試料から放出される2次粒子を検出する2次粒子検出器と、
    前記2次粒子検出器から得られる2次粒子信号を当該イオンの偏向に対応させて2次粒子画像を形成する手段と、
    画面上に表示された前記2次粒子画像上でイオンの照射位置の指定入力を受け付ける手段と
    を有するイオンビーム装置。
  9. 請求項8に記載のイオンビーム装置において、
    前記ガス電界電離イオン源を構成する前記エミッタチップの頂点の単原子を再生しながら維持して使用するか、又は頂点の単原子のみを剥離して先端を3個の原子の状態にして使用するかをユーザに選択させる制御系を有するとともに、該制御系が選択された原子の状態に応じて前記エミッタチップの頂点の再生処理を自動で実行することを特徴とするイオンビーム装置。
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