JP5634981B2 - ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
上記樹脂成分を構成するポリカーボネート樹脂(A)としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂が挙げられる。ポリカーボネート樹脂(A)としては、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
上記ポリカーボネート樹脂(A)とともに上記樹脂成分を構成する熱可塑性樹脂(B)は、ポリエステル樹脂(B−1)、及びゴム成分が50質量%未満であり且つスチレン単位成分を含有するスチレン単位成分含有熱可塑性樹脂(B−2)からなる群より選択される少なくとも1種で構成されるものである。従って、(B)成分は(B−1)成分又は(B−2)成分を各々単独で使用しても、(B−1)成分及び(B―2)成分を任意の割合で混合して用いてもよい。(B)成分は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し0〜80質量部配合される。(B)成分の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し15〜45質量部であることが好ましく、20〜40質量部であることがより好ましい。
上記ポリエステル樹脂(B−1)とは、ジカルボン酸若しくはその反応性誘導体と、ジオール若しくはそのエステル誘導体とを主成分とする縮合反応により得られる重合体又は共重合体である。
ポリエチレンテレフタレートを熱水(蒸気)処理してポリエチレンテレフタレート中のゲルマニウム系触媒を失活させる方法。
具体的には、まずポリエチレンテレフタレートを容器に充填し、70〜150℃、例えば約100℃の水蒸気をポリエチレンテレフタレートに対して毎時1〜100質量%の量で5〜6000分間蒸気を通す蒸気処理を行った後に乾燥する。
次いで、ポリエチレンテレフタレートを容器内でポリエチレンテレフタレートの0.3〜10質量倍の蒸留水に浸漬させる。次に、ポリエチレンテレフタレート及び蒸留水が入った容器を外部より加熱し、内温を70〜110℃にコントロールし、3〜3000分間保持して熱水処理を行った後、脱水し、乾燥する。
上記乾燥は、通常、窒素等の不活性ガス中、120〜180℃で3〜8時間行われる。
ポリエチレンテレフタレートにリン化合物を添加して、ポリエチレンテレフタレート中のチタニウム系触媒を失活させる。この場合、リン原子の添加量は、ポリエチレンテレフタレートの質量を基準として7〜500質量ppmの範囲であることが好ましい。この場合、リン化合物の添加量が上記範囲を外れる場合に比べて、触媒の失活がより十分となり、且つ、外観不良や耐衝撃性の低下をより十分に抑制することができる。
固相重合速度Ks=([η]s−[η]m)/T …(2)
スチレン単位成分含有熱可塑性樹脂(B−2)は、スチレン系単量体の単独重合体、又は、スチレン系単量体と、このスチレン系単量体と共重合可能な他のビニル単量体およびゴム成分からなる群より選ばれる1種以上との共重合体で構成される。ここで、(B−2)成分中のゴム成分の含有量は50質量%未満である。ゴム成分の含有量は好ましくは45質量%未満である。
マスターバッチ(C)は、アルミニウムを主成分とする金属顔料(C−1)とポリカーボネート樹脂(C−2)とを配合し、単軸押出機を用いて溶融混練することにより製造される。
金属顔料(C−1)は、上述したように、アルミニウムを主成分とするものである。ここで、「主成分」とは、金属顔料(C−1)中の含有率が50質量%以上である成分を言うものとする。すなわち、金属顔料(C−1)は、アルミニウムを50質量%以上含む。ここで、金属顔料(C−1)中のアルミニウムの含有率は好ましくは95質量%以上、より好ましくは98質量%以上、最も好ましくは99質量%以上である。また金属顔料(C−1)中の鉄分濃度は3000質量ppm以下である。鉄分濃度は2000質量ppm以下であることが好ましい。この場合、鉄分濃度が2000ppmを超える場合に比べて、ポリカーボネート樹脂組成物の劣化をより効果的に抑制でき、成形品の外観不良をより十分に抑制することができる。但し、アルミニウムを主成分とする金属顔料の精製のしやすさ、及び得られるポリカーボネート樹脂組成物における色調安定性という観点からは、鉄分濃度は100質量ppm以上であることが好ましい。なお、金属顔料(C−1)にはその他の微量成分、例えばニッケル等が含有されていてもよい。
ポリカーボネート樹脂(C−2)としては、ポリカーボネート樹脂(A)と同様のものを用いることができる。
上記樹脂成分に対して配合される有機リン酸エステル化合物(D)は、下記一般式(1)で表されるものである。
上記樹脂成分には、熱可塑性エラストマー(E)が配合されてもよい。熱可塑性エラストマーの配合で、熱滞留時のポリカーボネート樹脂組成物の増粘を抑制することができる。即ち、熱可塑性エラストマー(E)の量と成分を選択することにより、熱滞留時の熱可塑性エラストマー(E)の凝集を防止して、凝集による増粘を抑制し、これにより、成形安定性を改良することが可能となる。
polymer network)ゴム)重合体等の、シェル層がポリメチルメタクリレート(PMMA)系重合又は共重合体ブロックからなるコア/シェル型熱可塑性エラストマーを挙げることができる。
上記樹脂成分に対しては、パールマイカ顔料(F)を配合してもよい。
上記樹脂成分に対しては染料をさらに配合してもよい。染料としては、無機顔料、有機顔料及び有機染料などが挙げられる。
上記樹脂成分に対しては、ヒンダードフェノール系等の熱安定剤がさらに配合されてもよい。
上記樹脂成分に対しては、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物などのUV吸収剤がさらに配合されてもよい。
1)PC−A
界面重合法で製造されたビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート樹脂
三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユーピロン(登録商標)E−2000
粘度平均分子量 28,000
2)PC−B
界面重合法で製造されたビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート樹脂
三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユーピロン(登録商標)S−3000
粘度平均分子量 22,000
(B−1)ポリエチレンテレフタレート樹脂
1)未処理PET
重縮合触媒として二酸化ゲルマニウム触媒を用いたポリエチレンテレフタレート 三菱化学(株)製「GG500S」、固有粘度[η]:0.76dl/g
2)失活PET―1
上記の未処理PETに対して、以下の重縮合触媒の失活処理を施したもの、固有粘度[η]:0.75dl/g
<失活処理方法>
未処理PET50kgを100℃の蒸留水50kg中で1時間煮沸処理した後、脱水し、窒素雰囲気中、120℃で6時間乾燥した。
3)失活PET―2
上記の未処理PETに対して、以下の重縮合触媒の失活処理を施したもの、固有粘度[η]:0.73dl/g
<失活処理方法>
未処理PETに対して、以下のリン系熱安定剤a(ADEKA(株)製「アデカスタブAX−71」)を100質量ppmと以下のリン系熱安定剤b(BASF社製「イルガフォス168」)を300質量ppm添加し、タンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30XCT、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度270℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量15kg/hrにて溶融混練した。
4)ポリブチレンテレフタレート樹脂
三菱エンジニアリングプラスチックス社製 PBT
ノバデュラン(登録商標)5020 固有粘度1.20dl/g
1)ABS樹脂
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体 テクノポリマー社製「DP−611」、ゴム成分の含有量:40質量%
2)AS樹脂
アクリロニトリル/スチレン共重合体 テクノポリマー社製「SAN−C」、ゴム成分の含有量:0質量%
(C−1)金属顔料
1)金属顔料−1
東洋アルミニウム(株)製「PAタイプ シルキーシリーズ」
(アルミニウム含有率:99.8質量%、平均粒径:5μm、アスペクト比:20、鉄分濃度:1500ppm)
2)金属顔料−2
東洋アルミニウム(株)製「E タイプ スパークルシリーズ」
(アルミニウム含有率:99.8質量%、平均粒径:20μm、アスペクト比:20、鉄分濃度:1500ppm)
3)金属顔料−3
東洋アルミニウム(株)製「S タイプ スパークルシリーズ」
(アルミニウム含有率:99.8質量%、平均粒径:40μm、アスペクト比:9、鉄分濃度:1500ppm)
4)金属顔料−4
東洋アルミニウム(株)製「G タイプ スパークルシリーズ」
(アルミニウム含有率:99.8質量%、平均粒径:60μm、アスペクト比:9、鉄分濃度:1500ppm)
5)金属顔料−5
東洋アルミニウム(株)製「W タイプ スパークルシリーズ」
(アルミニウム含有率:99.8質量%、平均粒径:90μm、アスペクト比:9、鉄分濃度:1500ppm)
6)金属顔料−6
金属顔料−1を、12,000ガウスのマグネットを要する装置にて除鉄し、鉄分濃度を200ppmとした金属顔料
7)金属顔料−7
金属顔料−1に、6)の除鉄処理により得られた鉄分を添加し、鉄分濃度を2800ppmとした金属顔料
8)金属顔料−8
金属顔料−2を、目開き37μmのタイラーメッシュを用いて、大粒径成分をカットした金属顔料。
平均粒径:18μm、アスペクト比:35、鉄分濃度:1500ppm
9)金属顔料―9
金属顔料−2を、ヘンシェルミキサーを用いて2分間撹拌処理をした金属顔料。
平均粒径:15μm、アスペクト比:3、鉄分濃度:1500ppm
1)PC−B
界面重合法で製造されたビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート樹脂
三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユーピロン(登録商標)S−3000
粘度平均分子量 22,000
2)PC−C
界面重合法で製造されたビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート樹脂
三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユーピロン(登録商標)H−4000
粘度平均分子量 16,000
脂肪酸ワックス(ペンタエリスリトールテトラステアレート、コグニス・オレオケミカルズジャパン社製商品名「ロキシオールVPG 861」、融点64℃)
1)メタリックマスターバッチ−1
金属顔料(C−1)として金属顔料−1を10質量部、及び、ポリカーボネート樹脂(C−2)としてPC−Bを90質量部の合計100質量部に対し、分散剤(C−3)としてペンタエリスリトールテトラステアレート(製品名:ロキシオールVPG861、コグニス・オレオケミカルズジャパン社製)を0.4質量部の割合で配合し、これらをタンブラーにて20分混合した。その後、混合物をフルフライトスクリューとベントとを備えた単軸押出機(製品名:VS−40、いすず化工機社製)に供給し、スクリュー回転数70rpm、吐出量10kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、押出ノズル先端から、ストランド状に押出した。そして、押出物を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてカットしてメタリックマスターバッチを得た。これをメタリックマスターバッチ−1とした。
2)メタリックマスターバッチ−2
金属顔料(C−1)として金属顔料−2を用いたこと以外はメタリックマスターバッチ−1と同様の方法でメタリックマスターバッチを得た。これをメタリックマスターバッチ−2とした。
3)メタリックマスターバッチ−3
金属顔料(C−1)として金属顔料−2を用い、ポリカーボネート樹脂(C−2)としてPC−Cを用いたこと以外はメタリックマスターバッチ−1と同様の方法でメタリックマスターバッチを得た。これをメタリックマスターバッチ−3とした。
4)メタリックマスターバッチ−4
金属顔料(C−1)として金属顔料−3を用いたこと以外はメタリックマスターバッチ−1と同様の方法でメタリックマスターバッチを得た。これをメタリックマスターバッチ−4とした。
5)メタリックマスターバッチ−5
金属顔料(C−1)として金属顔料−4を用いたこと以外はメタリックマスターバッチ−1と同様の方法でメタリックマスターバッチを得た。これをメタリックマスターバッチ−5とした。
6)メタリックマスターバッチ−6
金属顔料(C−1)として金属顔料−5を用いたこと以外はメタリックマスターバッチ−1と同様の方法でメタリックマスターバッチを得た。これをメタリックマスターバッチ−6とした。
7)メタリックマスターバッチ−7
金属顔料(C−1)として金属顔料−6を用いたこと以外はメタリックマスターバッチ−1と同様の方法でメタリックマスターバッチを得た。これをメタリックマスターバッチ−7とした。
8)メタリックマスターバッチ−8
金属顔料(C−1)として金属顔料−7を用いたこと以外はメタリックマスターバッチ−1と同様の方法でメタリックマスターバッチを得た。これをメタリックマスターバッチ−8とした。
9)メタリックマスターバッチー9
金属顔料(C−1)として金属顔料−1を5質量部、及び、ポリカーボネート樹脂(C−2)としてPC−Cを95質量部の合計100質量部に対し、分散剤(C−3)としてペンタエリスリトールテトラステアレート(製品名:ロキシオールVPG861、コグニス・オレオケミカルズジャパン社製)を0.4質量部の割合で配合したこと以外はメタリックマスターバッチ−1と同様の方法でメタリックマスターバッチを得た。これをメタリックマスターバッチ−9とした。
10)メタリックマスターバッチー10
金属顔料(C−1)として金属顔料−1を30質量部、及び、ポリカーボネート樹脂(C−2)としてPC−Cを70質量部の合計100質量部に対し、分散剤(C−3)としてペンタエリスリトールテトラステアレート(製品名:ロキシオールVPG861、コグニス・オレオケミカルズジャパン社製)を0.4質量部の割合で配合したこと以外はメタリックマスターバッチ−1と同様の方法でメタリックマスターバッチを得た。これをメタリックマスターバッチ−10とした。
11)メタリックマスターバッチ−11
金属顔料(C−1)として金属顔料−8を用い、ポリカーボネート樹脂(C−2)としてPC−Cを用いたこと以外はメタリックマスターバッチ−1と同様の方法でメタリックマスターバッチを得た。これをメタリックマスターバッチ−11とした。
12)メタリックマスターバッチ−12
金属顔料(C−1)として金属顔料−9を用い、ポリカーボネート樹脂(C−2)としてPC−Cを用いたこと以外はメタリックマスターバッチ−1と同様の方法でメタリックマスターバッチを得た。これをメタリックマスターバッチ−12とした。
13)比較用メタリックマスターバッチ−1
金属顔料(C−1)として金属顔料−1を10質量部、ポリカーボネート樹脂(C−2)としてPC−Bを90質量部の合計100質量部に対し、分散剤(C−3)としてペンタエリスリトールテトラステアレート(製品名:ロキシオールVPG861、コグニス・オレオケミカルズジャパン社製)を0.4質量部の割合で配合し、これらをタンブラーにて20分混合した。その後、混合物を、ベントを備えた二軸押出機(製品名:TEX30XCT、日本製鋼所社製、L/D=42、バレル数12)を使用し、バレル温度280℃、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、押出ノズル先端から、ストランド状に押出した。そして、押出物を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてカットしてメタリックマスターバッチを得た。これを比較用メタリックマスターバッチ−1とした。
14)比較用メタリックマスターバッチ−2
金属顔料(C−1)として金属顔料−2を用いたこと以外は比較用メタリックマスターバッチ−1と同様の方法でメタリックマスターバッチを得た。これを比較用メタリックマスターバッチ−2とした。
15)比較用メタリックマスターバッチ−3
金属顔料(C−1)として金属顔料−1を35質量部、及び、ポリカーボネート樹脂(C−2)としてPC−Bを65質量部の合計100質量部に対し、分散剤(C−3)としてペンタエリスリトールテトラステアレート(製品名:ロキシオールVPG861、コグニス・オレオケミカルズジャパン社製)を0.4質量部の割合で配合し、これらをタンブラーにて20分混合した。その後、混合物をフルフライトスクリューとベントとを備えた単軸押出機(製品名:VS−40、いすず化工機社製)に供給し、スクリュー回転数70rpm、吐出量10kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、押出ノズル先端から、ストランド状に押出した。そして、押出物を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてカットしてメタリックマスターバッチを得た。これを比較用メタリックマスターバッチ−3とした。
1)有機リン酸エステル化合物−1
城北化学工業社製、商品名「JP−506H」、ブトキシエチルアシッドフォスフェート (C4H9OC2H4O)nP(O)(OH)3−n(n=1又は2)
2)有機リン酸エステル化合物−2
ADEKA(株)製、商品名「アデカスタブAX−71」、モノ又はジ−ステアリルアシッドホスフェート (C18H37O)nP(O)(OH)3−n(n=1又は2)
1)熱可塑性エラストマー−1
武田薬品工業(株)製、商品名「スタフィロイドMG−1011」 コアシェルポリマー
2)熱可塑性エラストマー−2
ローム・アンド・ハース・ジャパン社製、商品名「EXL2603」、 ポリブタジエン(コア)/アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合物(シェル)からなるコア/シェル型グラフト共重合体
日本光研工業(株)製、商品名「SB−100」
1)染料−1
ランクセス社製、商品名「マクロレックス ブルー2R」(Solvent Blue 97)
2)染料−2
ランクセス社製、商品名「マクロレックス バイオレット2R」(Solvent Violet 13)
1)熱安定剤―1
ADEKA(株)製、商品名「アデカスタブAS2112」(トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト)
2)熱安定剤−2
ADEKA(株)製、商品名「アデカスタブPEP−36」(ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト)
3)熱安定剤−3
BASF社製、商品名「イルガノックス1076」(オクダデシル−3−(3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)
4)熱安定剤−4
BASF社製、商品名「イルガノックス1010」(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])
シプロ化成社製、商品名「シーソーブ709」(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)、最大吸収波長=343nm
上記金属顔料−1
表1〜9に示す配合割合(単位は質量部)となるように成分(A)〜(J)を配合し、タンブラーミキサーで均一に混合し、混合物を得た。その後、この混合物を、二軸押出機(製品名:TEX30XCT、日本製鋼所社製、L/D=42、バレル数12)を使用し、バレル温度270℃、スクリュー回転数250rpmにて溶融混練し、押出ノズル先端から、ストランド状に押出し、押出物を得た。そして、押出物を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてカットすることにより、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを作製した。なお、表1〜9において、「メタリックMB」は「メタリックマスターバッチ」又は「比較用メタリックマスターバッチ」を意味するものである。
メタリックマスターバッチを用いず、金属顔料(J)として金属顔料−1を表7及び8に示す配合割合でメタリックマスターバッチの代わりに直接配合したこと以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂組成物のペレットを作製した。
実施例1〜38及び比較例1〜17で得られたポリカーボネート樹脂組成物について、メタリック調外観、滞留熱安定性及び耐湿熱性を評価した。
メタリック調外観は、ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの滞留後の光沢度によって評価した。
(滞留後光沢度)
実施例1〜38及び比較例1〜17で得られたポリカーボネート樹脂組成物ペレットを、120℃で5時間以上乾燥した。その後、ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを、射出成形機(名機製作所製「M150AII−SJ型」)を用意し、この射出成形機のシリンダー内に20分間保持した後、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、成形サイクル55秒の条件で、厚さ1.0mmの部分と、厚さ2.0mmの部分と、厚さ3.0mmの部分とを有する3段プレートを射出成形した。こうして得られた3段プレートのうち厚さ2.0mmの部分について、光沢度計(日本電色(株)製SE−2000)を用いて入射角60度にて光沢度の測定を行った。結果を表1〜9に示す。表1〜9において、合否基準は下記の通りとした。
光沢度が90以上:合格
光沢度が90未満:不合格
滞留熱安定性は、ポリカーボネート樹脂ペレットの色相変化、滞留後の外観及び滞留後の衝撃強度保持率によって評価した。
(色相変化)
上述した滞留後の光沢度評価に使用した3段プレートのうち厚さ2.0mmの部分について、滞留前後のYI値を測定した。そして、下記式に基づき、ΔYIを求めた。
△YI=(滞留成形時のYI−通常成形時のYI値)
結果を表1〜9に示す。
(滞留後外観)
上述した滞留後光沢度の評価に使用した3段プレートの滞留後の外観を目視にて観察した。結果を表1〜9に示す。なお、表1〜9において、滞留後の外観については以下の基準に基づいて評価した。
◎:表面にシルバーストリークなし
○:表面にわずかにシルバーストリークあり
△:表面にシルバーストリークあり
×:表面のシルバーストリークが著しい
(滞留による衝撃強度保持率)
ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを、120℃で5時間以上乾燥した。その後、ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを、射出成形機(名機製作所製「M150AII−SJ型」)を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、成形サイクル55秒の条件で、通常成形を行い、ASTMのアイゾット試験片(通常成形品)を作製した。さらに、ポリカーボネート樹脂組成物を乾燥後で且つ通常成形前にシリンダー内に20分間保持したこと以外は通常成形品の製造方法と同様にして、ASTMのアイゾット試験片(滞留後成形品)を作製した。このとき、アイゾット試験片としては、ASTM D256に準拠して、厚み3.2mmのノッチ付き試験片を使用し、23℃において、通常成形品及び滞留後成形品の各々についてアイゾット衝撃強度(単位:J/m)を測定した。滞留による衝撃強度保持率は、下記式に基づいて算出した。結果を表1〜9に示す。
滞留による衝撃強度保持率(%)=(滞留後の衝撃強度/滞留前の衝撃強度)×100(%)
滞留熱安定性についての合否基準は以下の通りとした。
合格 :ΔYIが2.3以下であり、滞留後の外観が◎又は○であり、かつ滞留による衝撃強度保持率が84%以上
不合格:ΔYIが2.3超、滞留後外観が△若しくは×であり、又は、滞留による衝撃強度保持率が84%未満
耐湿熱性は、湿熱処理による衝撃強度保持率、および、湿熱処理による引張伸び保持率に基づいて評価した。
(湿熱処理による衝撃強度保持率)
上記アイゾット試験片(通常成形品)について、温度80℃、相対湿度95%の環境下で500時間の湿熱処理を実施した。湿熱処理後のアイゾット試験片についてノッチ付きアイゾット衝撃強度(単位:J/m2)を、23℃の環境下において測定した。湿熱処理による衝撃強度保持率は、下記式に基づいて算出した。結果を表1〜9に示す。
湿熱処理による衝撃強度保持率(%)=(湿熱処理後の衝撃強度/未処理の衝撃強度)×100(%)
(湿熱処理による引張伸び保持率)
ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを、120℃で5時間以上乾燥した後、射出成形機(名機製作所製「M150AII−SJ型」)を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、成形サイクル55秒の条件で、ASTMの引張試験片を作製した。作製した引張試験片について、温度80℃、相対湿度95%の環境下で500時間の湿熱処理を実施した。湿熱処理前後の引張伸びは、ASTM D に準拠して23℃において測定した。湿熱処理による引張伸び保持率は下記式に基づいて算出した。結果を表1〜9に示す。
湿熱処理による引張伸び保持率(%)=(湿熱処理後の引張伸び/湿熱処理前の引張伸び)×100(%)
耐湿熱性についての合否基準は下記の通りとした。
合格 :湿熱処理による衝撃強度保持率が62%以上でかつ湿熱処理による引張伸び保持率が70%以上
不合格:湿熱処理による衝撃強度保持率が62%未満又は湿熱処理による引張伸び保持率が70%未満
Claims (7)
- ポリカーボネート樹脂(A)20〜100質量部と、ポリエステル樹脂(B−1)及びゴム成分が50質量%未満であり且つスチレン単位成分を含有するスチレン単位成分含有熱可塑性樹脂(B−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種で構成される熱可塑性樹脂(B)0〜80質量部からなる樹脂成分100質量部、マスターバッチ(C)1〜120質量部、及び、下記一般式(1)で表される有機リン酸エステル化合物(D)0.02〜3質量部を溶融混練する溶融混練工程を含むポリカーボネート樹脂組成物の製造方法であって、
前記マスターバッチ(C)が、アルミニウムを主成分とする金属顔料(C−1)とポリカーボネート樹脂(C−2)とを、単軸押出機を用いて溶融混練することにより製造され、
前記マスターバッチ(C)における前記金属顔料(C−1)と前記ポリカーボネート樹脂(C−2)との合計中の前記金属顔料(C−1)の配合割合が5〜30質量%であり、
前記金属顔料(C−1)が板状であり、前記金属顔料(C−1)の平均粒径Lが1〜100μm、前記金属顔料(C−1)の平均厚さdに対する平均粒径Lの比であるアスペクト比L/dが1〜40であり、
前記金属顔料(C−1)中の鉄分濃度が200〜2800質量ppmであるポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 前記単軸押出機が、フルフライトスクリューを有する単軸押出機である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 前記ポリカーボネート樹脂(C−2)の粘度平均分子量が15,000〜23,000である請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 前記金属顔料(C−1)中の鉄分濃度が2000質量ppm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 前記マスターバッチ(C)における前記金属顔料(C−1)と前記ポリカーボネート樹脂(C−2)との合計中の前記金属顔料(C−1)の配合割合が1〜15質量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 前記金属顔料(C−1)の平均粒径Lが3〜60μmである請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 前記金属顔料(C−1)のアスペクト比が5〜30である前記請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
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