JP5633643B2 - 永久磁石同期電動機の位置センサレス制御装置 - Google Patents

永久磁石同期電動機の位置センサレス制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、永久磁石を界磁源とする同期電動機(以下、PMモータ)の位置センサレス制御装置に係り、特に磁気的に突極性のないPMモータを電流引込法で始動制御するときのモータ速度の振動抑制に関する。
PMモータの界磁磁石を配置する構造には、界磁鉄心の表面に磁石を張り付ける構造(SPMSM:Surface Permanent Magnet Synchronous Motor)と鉄心内部に埋め込む構造(IPMSM:Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)とに大別することができる。
永久磁石同期機では、永久磁石の比透磁率が約1程度と低いため、SPM構造とIPM構造では特性が異なる。一般的には、SPM構造ではd軸インダクタンスとq軸インダクタンスがほぼ等しい非突極性を有することが多く、IPM構造ではd軸よりq軸インダクタンスの方が小さいという逆突極特性を有することが多い。
ここでは、界磁極(N極)を基準とする直交座標系における固定子巻線のd軸とq軸のインダクタンス成分がほぼ等しい場合を“磁気的に非突極性を有する”と定義する。
基本となる記号の定義
d軸:界磁軸
q軸:界磁軸に対して直交であり、d軸から電気角で90°だけ正転方向に移動した軸
Ld:電機子巻線のd軸インダクタンス
Lq:電機子巻線のq軸インダクタンス
R:電機子巻線抵抗
θ:U相巻線軸からd軸までの位相角(電気角、正転方向を正とする)
ω:角速度(dθ/dt)(電気角、正転側方向を正とする)
ここで、突極性に関しては次のように定義する。
“磁気的に非突極性を有する同期機”または“非突極機”:Ld≒Lqの場合
“磁気的に突極性を有する同期機”または“突極機”:Ld≠Lqの場合
本発明が制御対象としているPMモータは、非突極機でかつダンパ巻線の存在していないPMモータである。
PMモータの磁極位置を位置センサで検出することなく、PMモータの速度やトルクを制御する手法として、PMモータの速度起電力から磁極位置情報を得る方式など、位置センサを不要にしてPMモータの回転速度、回転位相を制御する位置センサレス制御方式が提案されている。このうち、PMモータの速度起電力から磁極位置情報を得る方式は、PMモータの定格速度の10%以下付近の速度になると、前記の速度起電力がPMモータの定格電圧よりも相対的に小さくなるため、速度起電力の電圧誤差の影響が相対的に大きくなる。そのため、速度起電力情報を利用した位置センサレス制御方式では、低速域の正確な磁極位相が得られなくなる。この低速域のセンサレス制御による磁極位相精度の対策として、突極機などではモータ駆動電流に高周波成分を重畳した磁極位相推定方法などが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、磁気的に非突極性を有する非突極機では、高調波の電圧と電流のベクトルには位相差が生じないため、位相推定方法を適用できないという問題があった。そのため、非突極機では、ステッピングモータにおける駆動制御のように、任意の大きさとなる振幅の電流を流し、この電流の周波数を徐々に変化させて同期引込状態を維持させながら強制的に磁極位相を電流位相に追従させて始動する方式(電流引込法と呼ぶ)が利用されている。
しかし、この電流引込法による始動方式は下記のような課題がある。
(1)磁極軸と電流軸の位相差(起磁力相差角ψ)のsin関数としてトルクが変動するため、このトルク特性が固定子と回転子間にあたかも弾性軸が存在しているものと似た振る舞いをする。そして、負荷トルク変動などにより、回転子や負荷の慣性モーメントと共振するような速度振動(軸ねじれ振動)が生じるが、ダンパ巻線が無いPMモータでは振動抑制効果が無く、軸ねじれ振動(以下、軸振動と称する)が継続する問題がある。この軸振動は負荷に出力するトルク品質を低下させ、さらにカップリングなどでは軸振動により金属疲労などを起こす問題がある。
(2)電流引込法では、上記の軸振動が生じると軸ねじれ分のトルク脈動が出力軸のトルクに加算されるため、電流振幅を大きく設定しておかないと最大トルクを超えて脱調が発生する。この脱調を防止するためには通常のベクトル制御で必要な電流よりも、1.5〜2倍の大きな電流を流さねばならない。その結果、大きな容量の電力変換器が必要になる。
これらの課題があるため、電流引込法はファン・ポンプなどの始動時や低速時のトルクが小さい二乗低減負荷特性などに応用範囲が限定されている。
もし、電流引込法を突極機に適用するのであれば、特許文献2のように、高周波法を振動抑制に応用する方法もある。また、高周波成分を利用しないで磁極位相を推定する方法として非特許文献1の方式などもある。
この非特許文献1の方式における特徴は、PWM制御によるスイッチングモードにおいて、三相のスイッチング素子が全相とも上アームのみが導通(ON)する期間(V7)と全相とも下アームのみが導通(ON)する期間(V0)に電流微分情報を得て磁極位相を推定する。このV7とV0の期間は通常零電圧ベクトル期間と呼ばれている。PMモータの定格速度の10%以下という低速では零電圧ベクトル期間V7とV0の発生比率が大きいため、電流微分情報を得るために複数の電流を検出する時間間隔もPWMキャリア周期の1/4以上に設定できるため、2点以上の時刻で電流検出が可能である。
特開2008−295220号公報 特開2006−353025号公報 特開2000−236694号公報
J.−L.Chen, T.−H.Uu,and C.−L.Chen:"Implementation of a Novel High−Paformance Sensorless IPMSM Control System"、ICIT 2010,pp.361−366(2010)
PMモータの位置センサレス制御における磁極位相推定方法を大別すると、次の3種類がある。
(a)速度起電力を利用した磁極位相推定方法
(b)磁気的な突極性を利用した磁極位相推定方法
(c)鉄心の磁気飽和特性がN極とS極方向で異なることを利用した磁極位相推定方法
これら位相推定方法のうち、零電圧ベクトル期間における電流微分情報を利用する方法の非特許文献1では、磁気的な突極性を利用した(b)の成分だけでなく、(a)の速度起電力の成分も複合して位相推定に利用している。
(b)の磁気的な突極性を利用する方法では、d軸の位相を推定できても、N極とS極の区別ができない欠点がある。ある程度の速度に達すれば(a)の起電力情報によってN極とS極を判定することが可能になるが、それまではN極とS極の推定に誤りがあるとPMモータは異常な動作をすることがある。
(c)の鉄心の磁気飽和を利用する方法では、モータの設計時点で磁気飽和をしやすい設計にする必要があり、さらに過大な電流を流す必要がある。
以上のように、従来のPMモータの位置センサレス制御方法は、(a)の速度起電力を利用した磁極位相推定方法だけでは正確な磁極位相を推定できない。また、(b)の方法は磁気的な突極性を利用するため、磁気的に突極性のない非突極機にはそのまま適用することができない。また、電流引込法を適用した場合には軸ねじれ振動を招く問題が残る。また、(c)の方法は、大容量の電力変換器を必要とするなどの問題がある。
本発明の目的は、磁気的に突極性のないPMモータの磁極位相を定格速度の10%以下などの低い速度まで精度良く推定でき、この磁極位相の推定を基にした電流引込法による速度振動(軸振動)の抑制および脱調を防止できる永久磁石同期電動機の位置センサレス制御装置を提供することにある。
本発明に用いる前記の零電圧ベクトル期間の電流微分情報は、デッドタイムの影響を受けないため、従来のPWM制御に入力する電圧指令などを利用する磁極位相推定方法よりも、より低い速度から速度起電力情報が得られる可能性があることに着目し、零電圧ベクトル期間の電流微分情報を検出して速度起電力情報を取得し、この速度起電力を利用した磁極位相推定方法で磁極位相を推定し、この推定した磁極位相を基に磁気的に突極性のないPMモータに電流引込法を適用した場合の速度振動(軸振動)の抑制をするようにしたもので、以下の構成を特徴とする。
(1)非突極機でかつダンパ巻線を有しない永久磁石を界磁源とする同期電動機の磁極位相θを電流位相に追従させて始動し、前記磁極位相θの振動情報を推定して角周波数指令を補正する手段を有する永久磁石同期電動機の制御装置であって、
前記角周波数指令を補正する手段は、
PWM制御による出力電圧期間のうち、三相とも上アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間(V7)、または、三相とも下アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間(V0)において、各前記零電圧ベクトル期間中に少なくとも2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流を検出する基本波電流検出部(8)と、
前記2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流検出値から電流差分を演算する電流差分検出部(11)と、
前記時刻t2n,t2n+1の時間差ΔTpと前記同期電動機の抵抗Rによる電圧降下分とインダクタンスLおよび角周波数指令ωより速度起電力を演算し、前記時間差ΔTpをインダクタンスLで除した値と前記速度起電力との乗算値となる電流差分成分を出力する電流差分成分演算部(12)と、
前記電流差分検出部の出力と前記電流差分成分演算部の出力は正値と負値であるので、加算によりこの2種類の電流差分の誤差分を求め、この加算値をフィルタで直流分を除去して補正ゲインKを乗算し、さらに前記補正ゲインKを乗算した出力に周波数が零付近では補償量の大きさを零に抑圧する角周波数重み関数Kωを乗じることにより補正角周波数Δω を演算し、これを前記角周波数指令ωに加算して新しい角周波数指令ω を演算する補正角周波数指令演算部(13〜15)と、
を備えたことを特徴とする。
(2)非突極機でかつダンパ巻線を有しない永久磁石を界磁源とする同期電動機の磁極位相θを電流位相に追従させて始動し、前記磁極位相θの振動情報を推定して角周波数指令を補正する手段を有する永久磁石同期電動機の制御装置であって、
前記角周波数指令を補正する手段は、
PWM制御による出力電圧期間のうち、三相とも上アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間(V7)、または、三相とも下アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間(V0)において、前記零電圧ベクトル期間中に少なくとも2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流を検出する基本波電流検出部(8)と、
前記2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流検出値から電流差分を演算する電流差分検出部(11)と、
前記電流差分をフィルタにより直流分を除去して補正ゲインを乗算し、さらに前記補正ゲインKを乗算した出力に周波数が零付近では補償量の大きさを零に抑圧する角周波数重み関数Kωを乗じることにより補正角周波数Δω を演算し、これを角周波数指令ωに加算して新しい角周波数指令ω を演算する補正角周波数指令演算部(13〜15)と、
を備えたことを特徴とする。
(3)非突極機でかつダンパ巻線を有しない永久磁石を界磁源とする同期電動機の磁極位相θを電流位相に追従させて始動し、前記磁極位相θの振動情報を推定して各周波数指令を補正する手段を有する永久磁石同期電動機の制御装置であって、
前記角周波数指令を補正する手段は、
PWM制御による出力電圧期間のうち、三相とも上アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間(V7)、または、三相とも下アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間(V0)において、前記零電圧ベクトル期間中に三角波キャリア信号の上下限の頂点に対して対称な少なくとも2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流を検出する基本波電流検出部(8)と、
前記上アームと下アーム2種類の零電圧ベクトル期間(V7,V0)の頂点に対して対称な2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流検出値の電流成分の平均値を求め、前記時刻t2n,t2n+1の時間差ΔTpと、前記同期電動機の抵抗Rによる電圧降下分とインダクタンスLおよび角周波数指令ωより速度起電力を演算し、前記時間差ΔTpをインダクタンスLで除した値と前記速度起電力との乗算値となる電流差分成分について、V7とV0の2種類の検出期間の成分を平均して出力する平均値演算部(12A)と、
前記基本波電流検出部(8)が出力する零電圧ベクトル期間の頂点に対して対称な2点以上の時刻t2n,t(2n+1)における電流検出値の電流差分の平均値出力と前記電流差分成分の平均値演算部(12A)の出力は、それぞれ正値と負値であるので、加算(12C)によりこの2種類の電流差分の誤差分を求め、この加算値をフィルタで直流分を除去して補正ゲインKを乗算し、さらに前記補正ゲインK乗算した出力に周波数が零付近では補償量の大きさを零に抑圧する角周波数重み関数Kωを乗じることにより補正角周波数Δω を演算し、これを前記角周波数指令ωに加算して新しい角周波数指令ω を演算する補正角周波数指令演算部(13〜15)と、
を備えたことを特徴とする。
(4)非突極機でかつダンパ巻線を有しない永久磁石を界磁源とする同期電動機の磁極位相θを電流位相に追従させて始動し、前記磁極位相θの振動情報を推定して各周波数指令を補正する手段を有する永久磁石同期電動機の制御装置であって、
前記角周波数指令を補正する手段は、
PWM制御による出力電圧期間のうち、三相とも上アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間、または、三相とも下アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間において、前記零電圧ベクトル期間中に少なくとも2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流を検出する基本波電流検出部(8)と、
前記上アームの零電圧ベクトル期間(V7)と下アームの零電圧ベクトル期間(V0)の2種類の検出期間における前記2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流成分を移動平均し、前記時刻t2n、t2n+1の時間差ΔTpと、前記同期電動機の抵抗Rによる電圧降下分とインダクタンスLおよび角周波数指令ωより速度起電力を演算し、前記時間差ΔTpをインダクタンスLで除した値と前記速度起電力との乗算値となる電流差分成分を出力する移動平均値演算部(12B)と、
前記基本波電流検出部(8)が出力する零電圧ベクトル期間の頂点に対して対称な2点以上の時刻t2n,t(2n+1)における電流検出値の電流差分の平均値出力と移動平均値演算部(12B)のそれぞれの出力は正値と負値であるので、加算によりこの2種類の電流差分の誤差分を求め(12C)、この加算値をフィルタで直流分を除去して補正ゲインKを乗算し、さらに前記補正ゲインKp乗算した出力に周波数が零付近では補償量の大きさを零に抑圧する角周波数重み関数Kωを乗じることにより補正角周波数Δω を演算し、これを前記角周波数指令ωに加算して新しい角周波数指令ω を演算する補正角周波数指令演算部(13〜15)と、
を備えたことを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、零電圧ベクトル期間の電流微分情報を利用して速度起電力情報を取得し、この速度起電力を利用した磁極位相推定方法で磁極位相を推定し、この推定した磁極位相を基に磁気的に突極性のないPMモータの磁極位相θを電流位相に追従させて始動する電流引込法を適用した場合の制御方法に対して、の振動抑制を追加したことにより、磁気的に突極性のないPMモータの磁極位相の推定を基にした電流引込法による速度振動(軸振動)の抑制および脱調を防止できる。
本発明の実施形態1を示す装置構成図。 本発明の実施形態2を示す装置構成図。 本発明の実施形態3を示す装置構成図。 本発明の実施形態4を示す装置構成図。 V0電圧ベクトル時の短絡電流の例。 V7電圧ベクトル時の短絡電流の例。 零電圧ベクトルV0,V7の定義期間。 零電圧ベクトルV0,V7と電流検出の関係図。 図1中の周波数重み関数の特性例。 従来の基本的な電流引込法によるシミュレーション波形図。 本発明の実施形態によるシミュレーション波形図。
(1)発明の基本的な説明
本発明の実施形態を示す前に、本発明の基本的な原理や関係式を先に説明する。まず、同期機が呈する電圧、電流等の関係は、磁極軸をd軸とする直交2軸座標系(d−q座標)の方程式を(1)式として表すことができる。
Figure 0005633643
ここで、
d、Vq:d軸、q軸電圧成分
d、iq:d軸、q軸電流成分
φd:界磁磁束による固定子巻線鎖交磁束(界磁磁束はd軸のみと仮定)
R:巻線抵抗
d、Lq:界磁軸(d軸)とそれより90°位相の進んだ軸におけるインダクタンス成分
p:微分演算子(=d/dt)
θ:U相巻線軸からみた界磁軸(d軸)の位相角(電気角)
ω:角周波数(電気角)dθ/dt
次に、本発明は、非突極機を対象とするため、インダクタンスをLd=Lq=Lとおくと、(2)式のように行列が対称な要素になる。
Figure 0005633643
このd−q座標成分を固定座標から、位相角θγでかつ角速度ωγで回転している電流ベクトルを基準とする回転座標(γ−δ座標)に変換するには、d軸からみた電流ベクトルの発生軸(γ軸)までの位相角を起磁力相差角ψ=θγ−θと定義して(3)式〜(5)式を適用すればよい。
また、電流引込法では電流指令Iγ *のみに設定しており、さらに電流制御の応答も高いので正確にIγ *とIδ *=0に等しい実電流が角速度指令ω*どおり流れているものと仮定する。
Figure 0005633643
Figure 0005633643
Figure 0005633643
この(3)式〜(5)式を(1)式と(2)式に代入し、電圧項の変換行列を消去するためにその逆行列を両辺の左から掛けると、(6)式のようになり、さらにまとめると(7)式になる。
Figure 0005633643
Figure 0005633643
さらに、PWMパターンの零電圧ベクトル期間のみに限定すれば、左辺の電圧成分は(8)式のように零に置き換えられる。ここで、PWMインバータなどの主回路の半導体素子の電圧降下成分は無視しており、またd軸とγ軸の位相角の変化量が少ないものとみなして、d軸とγ軸の角速度差(dψ/dt)も微小であるとしてdψ/dt≒0を代入して無視する。
Figure 0005633643
(8)式の関係を(7)式に代入して、γ軸成分のみ取り出すとφd・sinψを求める式が得られる。
Figure 0005633643
発生トルクは電流と直交な鎖交磁束成分との積であるので、トルクTorqueはこれらの直交成分の積で求められる。
Figure 0005633643
ここで、正のトルクとは回転子を正転方向に加速するトルク成分としたので、磁束に対して電流が90゜進んだ方向の場合に正のトルクが発生する。このトルクが推定できれば、特許文献2および特許文献3などのV/F形PMモータの位置センサレス制御方式において採用した安定化原理を適用することができる。
特許文献3では電圧ベクトルと同相成分のq軸電流成分をフィードバック信号に利用しているが、トルクに比例する成分という観点でみれば等価であり、ほぼ同様な振動抑制効果が得られることになる。また、特許文献2では入力電圧ベクトルの軸と界磁磁束による電圧ベクトルの軸との位相差(負荷角δ)をフィードバックしている。どちらの構成においてもモータトルクに関連した検出値をフィードバック量としており、それぞれ、その情報を利用した安定化原理が説明されているので、ここでは安定化に必要な周波数補償についての原理的な説明は省略する。
結論としては、電流引込法における周波数をトルクに比例した(11)式で補正したωp *として補正すればよい。
Figure 0005633643
(11)式の電流微分p・iγを離散系として表すため、時刻t2n、t(2n+1)の電流検出値iγ2n、iγ(2n+1)の差分とその時間差ΔTp=t(2n+1)−t2nにより近似し、電流差分iγ(2n+1)−iγ(2n)に掛かっていた係数を他の項に移動する。また、負の符号もまとめてしまうと(12)式に変形できる。この時刻t2n、t(2n+l)と電流検出値iγ(2n)、iγ(2n+l)については、後述の図8やトリガ信号発生部9の説明で詳細に記載することにする。
Figure 0005633643
(12)式には分母に角周波数指令ω*の項があるため、周波数が零付近では補償量は過大になってしまう。この零の除算を防止するため、周波数の正負の極性を考慮し、周波数が零付近では補償量の大きさを零に抑圧する角周波数重みゲインKω(ω*)に近似して(13)式として取り扱うことにする。
Figure 0005633643
さらに、位相や回転速度の振動を抑制するためには(13)式の過渡成分だけを補償すればよいので、特許文献3を参照して高周波成分と直流成分を遮断するバンドパスフィルタ関数BPF{}を適用する。
Figure 0005633643
(2)装置の基本構成
本発明を実現するための基本構成例を図1、図2、図3、図4に装置構成図として示す。図1〜図4の装置構成およびこれら構成における要部機能および動作を以下に概略説明する。
図5は、V0電圧ベクトル時の短絡電流の例であり、零電圧ベクトル期間V0におけるインバータのスイッチング状態と、(+Iu、−Iv、−Iw)極性の三相電流における電流通流路の例を示す。これにより、モータの端子電流がインバータの直流リンク電圧源(Vdc)と無関係であり、三相端子が短絡された状態と等価であることが分かる。
図6は、V7電圧ベクトル時の短絡電流の例であり、零電圧ベクトル期間V7におけるインバータのスイッチング状態と、(+Iu、−Iv、−Iw)極性の三相電流における電流通流路の例を示す。これにより、モータの端子電流がインバータの直流リンク電圧源(Vdc)と無関係であり、三相端子が短絡された状態と等価であることが分かる。
図7は、零電圧ベクトルV0,V7の定義期間であり、三角波キャリア比較法によるPWM制御パルス生成例を利用して、図5と図6における零電圧ベクトル期間V0とV7を示す。
図8は零電圧ベクトル期間V0,V7と電流検出の関係を示し、図7のPWMパターンと電流検出時期の関係を示す。このように、零電圧ベクトル期間の電流微分を応用する方法をここではCurrent−Slope法と呼ぶ。
図1は、Current−Slope法を適用した電流引込法によって振動抑制をする装置構成図であり、図8の電流サンプルを利用した制御システムの全体構成図を示す。
図9は、図1中の角周波数重み関数の特性例を示し、これは図11で使用した例である。
図2は、Current−Slope法を適用した電流引込法によって振動抑制をする装置構成図であり、図1の構成に対して、位相や回転速度の変動が小さいものとみなして簡素化した場合の構成例である。
図3は、Current−Slope法を適用した電流引込法によって振動抑制をする装置構成図であり、図1の構成に対して、電流サンプル情報のうち、電流微分以外に使用する電流成分を、電流差分演算用の複数の検出電流値から合成した電流に修正した場合の構成を示す。
図4は、Current−Slope法を適用した電流引込法によって振動抑制をする装置構成図であり、図3の構成に対して、電流差分値は三角波キャリアの上限の頂点(V7)と下限の頂点(V0)の2種類存在するので、2種類の平均値を移動平均して求めることにより、統計的な外乱抑制を適用した例を示す。
図10は、Current−Slope法による振動抑制を適用しない場合の、電流引込法による低速領域での始動および逆転動作のタイムチャート例であり、図4の制御構成例に対して、補償を適用していない動作チャートを示す。補償が無いため、速度が振動している例を示している。
図11は、Current−Slope法による振動抑制を適用した場合の、電流引込法による低速領域での始動および逆転動作のタイムチャート例であり、図4の制御構成例を適用することにより、図10の持続的な振動成分が減衰しながら抑制されている効果を示す。
(3)実施形態1
本実施形態は、図1に示す装置構成とする。同図は、電流制御部1による回転座標(γ−δ座標)の電流指令とそのフィードバック信号との偏差を基にした電流制御系を構成し、この電流制御部1からの電圧指令(γ−δ座標)を座標変換部2により推定位相(θ^)を使って電圧va *とvb *の固定座標に変換し、さらに2相/3相変換部3により3相電圧vu *,vv *,vw *に変換し、これら電圧を3相電圧指令としてPWM制御部4と三角波発振部5により三角波キャリア比較法によりPWM波形を生成し、このPWM波形を電圧形3相インバータ6の各相ゲート指令としてインバータ6にPMモータ7のPWM電流出力を得る。
次に、図1の装置構成で利用するモータ電流の検出について図5等を参照して説明する。図5はモータ電流の検出期間である零電圧ベクトル期間V0における電流の流路の例を示す。同図では、6アーム構成による電圧形3相インバータにおいて、3相とも下アームのスイッチング側(Sx、Sy、Sz)を導通(ON)状態にした場合をV0期間と呼ぶ。モータの端子電流がU相は正でありV相とW相は負の場合であれば、モータ内部のインダクタンス成分が電流を流れ続けるように働くため、点線で示したようにスイッチング素子と逆導通ダイオードを経由してモータ端子が短絡されたように電流が流れる。
図6はモータ電流のもう一つの検出期間である零電圧ベクトル期間V7における電流路の例を示す。同図では、上アームのスイッチング素子(Su、Sv、Sw)が導通(ON)状態となるので、電流路は異なるが、やはり図5と同様にモータ端子を短絡した状態になる。これにより、(8)式で電圧成分を零に近似したことが理解できる。
次に、三角波キャリア比較法におけるPWM波形作成の場合を例にとって、この場合の零電圧ベクトルV0とV7の期間を示したものが図7である。三角波キャリア信号に対して、図のようなU相電圧指令vu(実線)、V相電圧指令vv(破線)、W相電圧指令vw(一点鎖線)が与えられた場合の、Su〜Szの6個のゲート信号の動作例を示す。前述の3相とも下アームのスイッチング素子(Sx、Sy、Sz)が導通(ON)しているV0期間と、上アームのスイッチング素子(Su、Sv、Sw)が導通(ON)しているV7期間をこの図に具体的に示している。低速では電圧指令が小さいため、三相の各電圧指令もほぼ三角波キャリア波形の振幅に対してほぼ中央レベルに集中している。そのため、V0期間もV7期間も他の電圧ベクトル期間に比べて長いことも読み取れる。
このような三角波キャリア比較法によるPWM制御を利用して電流制御系を構成するためには、図7の時刻tm、tm+1、tm+2、tm+3のようにキャリア信号の上下限の頂点に同期して電流検出する方法が使用されている。
図8は図7に示したPWM波形発生時において、本実施形態で提案する電流微分を検出するための電流検出時刻と、PWMリプルを除去した電流成分と等価な同期電流の検出結果との関係を示したものである。図8において、時刻tm、tm+1、tm+2、tm+3は、前述のように従来の電流制御に利用していた検出時刻であり、iumなどの電流を検出している。これに対して、各頂点に対称な検出時刻を追加する。例えば、時刻tm+1に対してはt2とt3、時刻tm+2に対してはt4とt5などであり、このときの電流iu2やiu3などを検出する。各t2とt3、t4とt5の検出時刻の時間差をΔTpとする。この時間幅は電圧振幅の最大量を考慮して決定する。
なお、図7では後述の実施形態3や実施形態4のために必要なV0期間とV7期間の中間に設定した例で示しているが、本実施形態1や後述の実施形態2においては電流微分が検出できればよく、中間ではなくて多少のズレが生じても問題はない。
このときの三相電流の波形と電流の検出点を図8の下段に○印や□印で示している。同図は定常時でデッドタイムの影響を受けていない場合のチャート例であるが、各零電圧ベクトル期間中の電流変化量は一定であり、2点間の電流検出値の差分は電流の時間微分と比例することが分かる。
以上の内容をふまえて、図1における電流引込法の基本構成について説明する。電流制御部1は、電流値Iγ *=|I1 *|とIδ *=0および角周波数ω*からなる電流指令と、基本波電流検出部8の電流サンプラ8Aで検出した電流iu,iv,iwを3相/2相変換部8Bで2相に変換し、これを固定/回転座標変換部8Cで座標変換し、さらに電流サンプラ8Dで同期検出した基本波検出電流iγ、iδから電流制御を行なう。電流制御部1は、制御基準である回転座標上の2軸電圧成分vγ *とvδ *を出力するので、これを回転座標変換部(e-jθ)2により固定座標系の電圧値va *とvb *に変換した後、2相/3相変換部3による2相/3相変換や零相変調などを適用して三相の電圧指令(vu *、vv *、vw *)に変換し、最後にPWM制御部4でPWM波形に変換してインバータ6の主回路のスイッチング素子を制御するゲー卜信号を生成する。電流誤差の大きな要因であるデッドタイムはこのPWM制御部4で付加されている。そして、インバータ6にてゲート信号に応じてPWM電圧指令と等価なPWM電圧パターンを出力してPMモータ7に給電する。
PMモータ7の三相電流は電流検出器(HCT)で信号に変換して検出する。電流サンプラ8は、マイクロコンピュータ構成など、ディジタル制御で構成する場合には、アナログの電流検出信号をサンプルホールドしてからA/D変換し、その後、3相/2相変換や回転座標変換e(exp(jθ))を介してγ−δ座標成分の検出電流iγとiδを得る。この検出電流は前述の電流制御に利用される。
PWM生成のために必要な三角波発振部5とそれに同期したトリガ信号発生部9が、PWM制御に必要な三角波と電流検出時刻tmやt2n、t(2n+1)を生成している。また、回転座標変換に入力される位相情報θは、補正を加えていない角周波数指令ω*を積分部10が時間積分して推定位相θ^(図面中では^マークをθの頂部に付けて記載)得る。
以上が従来の電流引込法の構成であるが、本実施形態ではこれに新たに下記の機能を追加する。
時刻t(2n)とt(2n+1)の時間差ΔTpの電流検出のためのトリガ信号の発生には、電流差分を検出する最初の時刻をt(2n)とするトリガ信号と、次の時刻をt(2n+1)とするトリガ信号をトリガ信号発生部9が発生している。γ軸電流差分検出部11は、トリガ信号の発生に基づく時刻t2nの電流検出値iγ(t2n)と検出時刻t(2n+1)の電流検出値iγ(t2n+1)から電流差分iγ(t2n+1)−iγ(t2n)を求める。これは、(14)式の微分電流成分と時間の積であるΔTp(p・iγ)に相当している。
抵抗と速度起電力による電流差分成分演算部12は、前記(14)式の(ΔTp/L)(R・iγ−ω*・L・iδ)成分を演算する部分であり、電流制御用の電流検出値iγとiδからモータ抵抗Rによる電圧降下分とインダクタンスLおよび周波数指令ω*より速度起電力を演算し、インダクタンスLと電流差分の時間差ΔTpを利用して、電圧成分による生じる電流差分成分に変換し、電圧差分成分演算部12の出力をγ軸電流差分検出部11から出力される電流差分iγ(t2n+1)−iγ(t2n)と加算する。11の出力である電流検出差分は端子からモータに流入する方向の電流成分に定義しているが、12の出力である電流検出差分は端子からモータ外部に流出するという逆方向の電流成分に定義しているので、ここではこれを考慮して極性の反転と減算をまとめて加算演算に簡略化している。
バンドパスフィルタ13は電流差分成分演算部12の出力から高周波帯域と低周波帯域を抑制し、このフィルタ出力に補正ゲイン乗算部14で補正ゲインKpとを乗じたものに、周波数重み関数乗算部15で角周波数指令ω*の除算の代わりに設定した角周波数重み関数Kωを乗じた値を乗算することにより補正角周波数Δωp *を演算し、これを角周波数指令ω*に加算して、(14)式に従った新しい角周波数指令ωp *を演算する。これら13〜15は、補正角周波数指令演算部を構成する。
上記では従来の電流制御のタイミングと、電流微分による補償演算のタイミングとの相関を明記していないが、この安定化方式では電流制御などに比べて低い周波数成分しか補償しない。そのため、安定化補償のフィードバックにPWM周期程度の遅れ時間か存在しても大きな影響は無い。そのため、電流制御との関係までは限定する必要は無い。
(4)実施形態2
本実施形態は、図2に示す装置構成とする。同図は、図1の構成に対して、電流差分成分演算部12を省いた点が異なる。すなわち、前記(14)式の(R・iγ−ω*・L・iδ)成分の変化量が小さい場合には、後段のバンドパスフィルタ13で抑制されてしまうことを考慮して、この電流差分成分演算部12を省略した構成とする。
(5)実施形態3
本実施形態は、図3に示す装置構成とする。同図は、図1の構成に対して、電流差分成分演算部12の演算機能を変更した点にある。
図1の構成では(14)式中の(R・iγ−ω*・L・iδ)の演算に使用する電流成分iγとiδを、三角波キャリアの頂点である同期電流の検出値を利用していたが、時刻tmに対して検出時刻t2nとt(2n+1)を前後に均等な時間差に設定すれば、電流差分用に検出した2点の電流成分iγとiδの平均を利用しても時刻tmの電流検出と等価な値が得られる。
そこで、電流差分成分の平均値演算部12Aは、電流差分用に検出した電流成分iγとiδの平均値{iγ(t2n+1)+iγ(t2n)}/2と{iδ(t2n+1)+iδ(t2n)}/2で時刻tmの電流成分iγとiδと等価な電流検出値として置き換え、この平均値{iγ(t2n+1)+iγ(t2n)}/2と{iδ(t2n+1)+iδ(t2n)}/2と、上アームと下アームそれぞれの電流差分を検出する時刻のモータ抵抗Rによる電圧降下分とインダクタンスLおよび角周波数指令ω*より速度起電力を演算し、インダクタンスLと電流差分の時間差ΔTpを利用してその電圧成分により生じる電流差分成分に変換する。この電流差分成分の平均演算部12Aの出力を電流差分の平均値の出力と加算部12Cで加算する。
(6)実施形態4
本実施形態は、図4に示す装置構成とする。図3の演算は、(R・iγ−ω*・L・iδ)や{iγ(t2n+1)−iγ(t2n)}成分について常に最新の値を利用していたが、実際には零電圧ベクトル期間は、V0とV7という異なる条件が交互に生じている。そのため、インバータの主回路などの電圧降下が異なったり、デッドタイムなどの影響によって基本波成分の電流値も変動する可能性がある。
そこで、本実施形態の電流差分成分の移動平均値演算部12Bでは、図3に示す移動平均値演算部12Aに、最新検出電流微分値と前回の電流微分値との2点の移動平均を取る機能を加えたもので、統計的な処理により外乱成分を抑制する。
なお、図4は図3に示す実施形態3の演算部12Aを12Bに変更した場合を示すが、図1に示す実施形態1の構成に対しても、または図2の実施形態2の構成に対しても同様な改善を適用することは可能である。
また、以上までの装置構成は、前記の(14)式に基づいた演算部構成の例を示したが、原理的には(11)式に準拠していれば、サンプラの位置を座標変換の前に移動したり、演算の順序を入れ替えたり、係数にインダクタンス成分を含ませて演算形式を変更するなど、上記実施形態1乃至4以外の異なる形態でも同様な効果が得られることは明白である。
これら実施形態1乃至4より、磁気的に突極性のないPMモータの磁極位相θを電流位相に追従させて始動する電流引込法を適用した場合の振動抑制をするようにしたため、電流引込法による速度振動(軸振動)の抑制および脱調を防止できる。
(7)シミュレーション
上記の実施形態4の装置構成と従来の電流引込法による装置を例にしてシミュレーションを行い、本発明の効果を確認した。
図10は従来の基本的な電流引込法のシミュレーション波形図である。この場合の可変速周波数指令は、時刻0.05Sの時点までに指令した電流値になるように電流制御により直流電流を確立させ、時刻0.05S〜0.25Sの期間で0%から10%の速度まで周波数を連続的に増加させた。そして、時刻0.4Sから0.65Sの間に今度は10%から0%速度に連続的に周波数を減少させ、そのまま引き続いて時刻0.65S〜0.85Sにかけて0%から−10%速度まで逆転方向に周波数を増加させている。
図10のチャートの第1段は2軸電流成分を示したものである。ここには制御軸γ−δ軸の電流指令と、実際の磁極軸d軸とq軸の実電流成分を示している。制御基準であるγ−δ座標成分に換算した実電流は、ほぼ指令値と等しい電流が流れているので省略している。制御軸の電流が安定していても、実際の磁極軸d軸とγ軸との位相差ψが存在するため、実際のd軸電流とq軸電流はこの位相差ψに応じて変動する。このd軸とq軸電流の脈動状態からも軸位相が振動的であることが推定できる。
第2段は、三相の交流電流波形であり、電流指令どおりの一定振幅でかつ周波数指令どおりに電流が流れていることが確認できる。
第3段は、モータの回転子に発生するトルクを示している。このトルクにはモータの出力軸成分ではなくモータの回転子の慣性モーメントを加減速するためのトルク成分も含まれている。トルク波形からも振動的であることが分かる。
第4段目は、周波数指令とモータ回転子の実速度を比較したものである。台形波形の周波数指令に対して、回転子速度には振動的な正負の偏差が生じている。
第5段目は電流差分成分とそれにバンドパスフィルタをかけた成分、そしてこれに周波数重みを乗算したものである。電流差分成分に対して、直流分か抑制されていること、速度が零付近では補償量が強制的に零に抑制されていること、そして、周波数の極性が反転すると補償量の正負の極性が反転していることが確認できる。
しかし、この補償演算量はまだ周波数に対して加算していないので、発生した振動は減衰せず持続しやすい。
図11は、本発明の実施形態4の振動抑制を適用した例であり、上記の周波数補正量を指令周波数に加算補正した。
第4段目の速度を見れば振動成分が抑制されていることがよく分かる。その結果γ軸とd軸間との位相角ψの変動が緩やかになり、その結果第2段目のトルク波形のように振動し始めても緩やかに減衰する特性を実現できている。
また、この振動抑制効果は逆転周波数でも有効である。また、零速度領域では補償が停止しているが、周波数指令が零速度領域を短時間で通過する場合には、振動が大きくなる前に零速度域を通過できている。

Claims (4)

  1. 非突極機でかつダンパ巻線を有しない永久磁石を界磁源とする同期電動機の磁極位相θを電流位相に追従させて始動し、前記磁極位相θの振動情報を推定して角周波数指令を補正する手段を有する永久磁石同期電動機の制御装置であって、
    前記角周波数指令を補正する手段は、
    PWM制御による出力電圧期間のうち、三相とも上アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間(V7)、または、三相とも下アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間(V0)において、各前記零電圧ベクトル期間中に少なくとも2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流を検出する基本波電流検出部(8)と、
    前記2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流検出値から端子からモータに流入する方向の電流成分の電流差分を演算する電流差分検出部(11)と、
    前記時刻t2n,t2(n+1)の時間差ΔTpと前記同期電動機の抵抗Rによる電圧降下分とインダクタンスLおよび角周波数指令ω*より速度起電力を演算し、前記時間差ΔTpをインダクタンスLで除した値と前記速度起電力との乗算値となる電流差分成分を出力する電流差分成分演算部(12)と、
    前記電流差分成分演算部の出力は、逆起電力成分によりモータ端子から外部に流出する方向の電流成分で、前記電流差分検出部の出力に対して極性や符号が逆であるので、加算によりこの2種類の電流差分の誤差分を求め、この加算値をフィルタで直流分を除去して補正ゲインKpを乗算し、さらに前記補正ゲインKpを乗算した出力に周波数が零付近では補償量の大きさを零に抑圧する角周波数重み関数Kωを乗じることにより補正角周波数Δωp*を演算し、これを前記角周波数指令ω*に加算して新しい角周波数指令ωp*を演算する補正角周波数指令演算部(13〜15)と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石同期電動機の位置センサレス制御装置。
  2. 非突極機でかつダンパ巻線を有しない永久磁石を界磁源とする同期電動機の磁極位相θを電流位相に追従させて始動し、前記磁極位相θの振動情報を推定して角周波数指令を補正する手段を有する永久磁石同期電動機の制御装置であって、
    前記角周波数指令を補正する手段は、
    PWM制御による出力電圧期間のうち、三相とも上アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間(V7)、または、三相とも下アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間(V0)において、前記零電圧ベクトル期間中に少なくとも2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流を検出する基本波電流検出部(8)と、
    前記2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流検出値から電流差分を演算する電流差分検出部(11)と、
    前記電流差分をフィルタにより直流分を除去して補正ゲインを乗算し、さらに前記補正ゲインKpを乗算した出力に周波数が零付近では補償量の大きさを零に抑圧する角周波数重み関数Kωを乗じることにより補正角周波数Δωp*を演算し、これを角周波数指令ω*に加算して新しい角周波数指令ωp*を演算する補正角周波数指令演算部(13〜15)と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石同期電動機の位置センサレス制御装置。
  3. 非突極機でかつダンパ巻線を有しない永久磁石を界磁源とする同期電動機の磁極位相θを電流位相に追従させて始動し、前記磁極位相θの振動情報を推定して各周波数指令を補正する手段を有する永久磁石同期電動機の制御装置であって、
    前記角周波数指令を補正する手段は、
    PWM制御による出力電圧期間のうち、三相とも上アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間(V7)、または、三相とも下アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間(V0)において、前記零電圧ベクトル期間中に三角波キャリア信号の上下限の頂点に対して対称な少なくとも2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流を検出する基本波電流検出部(8)と、
    前記上アームと下アーム2種類の零電圧ベクトル期間(V7,V0)の頂点に対して対称な2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流検出値の電流成分の平均値を求め、前記時刻t2n,t2n+1の時間差ΔTpと、前記同期電動機の抵抗Rによる電圧降下分とインダクタンスLおよび角周波数指令ω*より速度起電力を演算し、前記時間差ΔTpをインダクタンスLで除した値と前記速度起電力との乗算値となる電流差分成分について、V7とV0の2種類の検出期間の成分を平均して出力する平均値演算部(12A)と、
    前記基本波電流検出部(8)が出力する零電圧ベクトル期間の頂点に対して対称な2点以上の時刻t2n,t(2n+1)における電流検出値の電流差分の平均値出力は端子からモータに流入する方向の電流成分であり、前記電流差分成分の平均値演算部(12A)の出力は、逆起電力成分によりモータ端子から外部に流出する方向の電流成分で、前記電流差分検出部の出力に対して極性や符号が逆であるので、加算(12C)によりこの2種類の電流差分の誤差分を求め、この加算値をフィルタで直流分を除去して補正ゲインKpを乗算し、さらに前記補正ゲインKp乗算した出力に周波数が零付近では補償量の大きさを零に抑圧する角周波数重み関数Kωを乗じることにより補正角周波数Δωp*を演算し、これを前記角周波数指令ω*に加算して新しい角周波数指令ωp*を演算する補正角周波数指令演算部(13〜15)と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石同期電動機の位置センサレス制御装置。
  4. 非突極機でかつダンパ巻線を有しない永久磁石を界磁源とする同期電動機の磁極位相θを電流位相に追従させて始動し、前記磁極位相θの振動情報を推定して各周波数指令を補正する手段を有する永久磁石同期電動機の制御装置であって、
    前記角周波数指令を補正する手段は、
    PWM制御による出力電圧期間のうち、三相とも上アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間、または、三相とも下アームのスイッチング素子が導通する零電圧ベクトル期間において、前記零電圧ベクトル期間中に少なくとも2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流を検出する基本波電流検出部(8)と、
    前記上アームの零電圧ベクトル期間(V7)と下アームの零電圧ベクトル期間(V0)の2種類の検出期間における前記2点以上の時刻t2n、t(2n+1)の電流成分を移動平均し、前記時刻t2n、t2n+1の時間差ΔTpと、前記同期電動機の抵抗Rによる電圧降下分とインダクタンスLおよび角周波数指令ω*より速度起電力を演算し、前記時間差ΔTpをインダクタンスLで除した値と前記速度起電力との乗算値となる電流差分成分を出力する移動平均値演算部(12B)と、
    前記基本波電流検出部(8)が出力する零電圧ベクトル期間の頂点に対して対称な2点以上の時刻t2n,t(2n+1)における電流検出値の電流差分の平均値出力は端子からモータに流入する方向の電流成分であり、移動平均値演算部(12B)の出力は逆起電力成分によりモータ端子から外部に流出する方向の電流成分で、前記電流差分検出部の出力に対して極性や符号が逆であるので、加算によりこの2種類の電流差分の誤差分を求め(12C)、この加算値をフィルタで直流分を除去して補正ゲインKpを乗算し、さらに前記補正ゲインKp乗算した出力に周波数が零付近では補償量の大きさを零に抑圧する角周波数重み関数Kωを乗じることにより補正角周波数Δωp*を演算し、これを前記角周波数指令ω*に加算して新しい角周波数指令ωp*を演算する補正角周波数指令演算部(13〜15)と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石同期電動機の位置センサレス制御装置。
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