JP5633451B2 - 紙幣取扱装置、及び、当該紙幣取扱装置に用いる受渡ユニット - Google Patents

紙幣取扱装置、及び、当該紙幣取扱装置に用いる受渡ユニット Download PDF

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Description

本発明は、紙幣を取り扱う紙幣取扱装置、及び、当該紙幣取扱装置に用いる受渡ユニットに関する。
紙幣取扱装置としては、例えば、主に金融機関で用いられている自動取引装置(ATM)やキャッシュディスペンサ、窓口装置、両替機、並びに、主に流通機関で用いられているキャッシュレジスタ等がある。
一般に、紙幣取扱装置は、筐体の内部に、複数のユニットが設けられた構成となっている(特許文献1参照)。複数のユニットとしては、例えば、紙幣を鑑別したり仕分けしたりするユニット(以下、「第1ユニット」と称する)や、紙幣を保管するユニット(以下、「第2ユニット」と称する)等がある。
第1ユニットは、紙幣Pを装置内に取り込んだり装置外に放出したりする紙幣入出金部や、紙幣を鑑別する鑑別部、紙幣が走行する搬送路(以下、「第1搬送路」と称する)、第1搬送路に沿って紙幣を搬送する搬送機構(以下、「第1搬送機構」と称する)等を備えた構成となっている。
一方、第2ユニットは、内部に紙幣を収納する1乃至複数のカセットや、紙幣が走行する搬送路(以下、「第2搬送路」と称する)、第2搬送路に沿って紙幣を搬送する搬送機構(以下、「第2搬送機構」と称する)等を備えた構成となっている。
また、第2ユニットは、カセット、第2搬送路、及び、第2搬送機構の周囲を覆う筐体を備えている。第2ユニットの筐体は、カセットの周囲を覆うことにより、カセットの内部に収納された紙幣を保護する金庫として機能する。
その第2ユニットの筐体は、カセットの内部に収納された紙幣を保護するために、頑丈に作製される必要がある。そのため、第2ユニットの筐体は、金属材やコンクリート等の強度の高い材料によって、構成されている。また、第2ユニットの筐体は、板材の厚みが所定の値以上になるように、設計されている。その板材の厚みは、日本では特に規定されていないが、海外では、国や地域毎に、幾つかの規格に対応して、例えば、40mmや80mm等のように、例えば数十mm刻みで、複数通りの厚さに規定されている。
第2ユニットの筐体は、第1ユニットの第1搬送路と第2ユニットの第2搬送路との間に、1乃至複数の開口部が設けられている。開口部は、第1ユニットの第1搬送路と第2ユニットの第2搬送路とを接続する搬送路として機能する。なお、開口部の奥行き方向の長さ(第1搬送路と第2搬送路との間の距離)は、第2ユニットの筐体(金庫)の板材の厚みと同じであり、筐体の板材の厚みに応じて、変化する。
係る構成において、紙幣取扱装置は、運用時に、第1ユニットと第2ユニットとの間で紙幣の受け渡しを行う。しかしながら、紙幣取扱装置は、金庫となる第2ユニットの筐体の板材の厚みが余りにも厚いと、紙幣が開口部の内部で停止する場合がある。例えば、紙幣取扱装置は、紙幣の搬送中に、何らかのエラーが発生すると、第1ユニットの第1搬送機構及び第2ユニットの第2搬送機構が停止する。このとき、紙幣が開口部の内部を走行していると、紙幣取扱装置は、紙幣が開口部の内部で停止した状態になる。その状態は、第2ユニットの筐体の板材の厚みが厚くなるほど、発生する可能性が高くなる。紙幣取扱装置は、紙幣が開口部の内部で停止した場合に、その状態で、第1ユニット又は第2ユニットが紙幣取扱装置の筐体から引き出されると、紙幣を破損させる可能性がある。
そこで、紙幣取扱装置は、金庫となる第2ユニットの筐体の板材の厚みが余りにも厚い場合(少なくとも、紙幣が開口部の内部で停止する可能性のある程度に厚い場合)に、製造時に、第1ユニットの第1搬送路と第2ユニットの第2搬送路との間で紙幣を受け渡すための搬送機構(以下、「受渡搬送機構」と称する)や紙幣の残留を検知するセンサ(以下、「残留センサ」と称する)等が、開口部の内部に追加して設置される。
紙幣取扱装置は、受渡搬送機構及び残留センサが開口部の内部に追加して設置されることにより、残留センサによって、開口部の内部での紙幣の残留の有無を監視しながら、受渡搬送機構によって、紙幣を下流側に向けて搬送する。これにより、紙幣取扱装置は、紙幣が開口部の内部に残留しないように、紙幣を搬送することができる。
特開2000−172946号公報
しかしながら、従来の紙幣取扱装置は、金庫(第2ユニットの筐体)の板材の厚みが国や地域毎に幾つかの規格に対応して変動するため、板材の厚みが異なる各金庫に対応して、受渡搬送機構や残留センサを金庫の開口部に設置するのに手間がかかる、という課題があった。
例えば、紙幣取扱装置の製造工場では、様々な国や地域向けの紙幣取扱装置が、同一の製造ライン上に混在した状態で搬送されながら、製造される。そのため、受渡搬送機構や残留センサの設置作業者は、各金庫に対応する受渡搬送機構や、残留センサを予め用意して、金庫毎に、他の金庫用の部材と取り違えることなく、金庫の開口部に設置する必要がある。部材の取り違えは、取り扱う部品点数が多いほど発生し易くなる。そのため、設置作業者は、部材の取り違えが発生しないように、注意しながら、紙幣取扱装置を製造する必要がある。しかも、残留センサの設置位置は、各金庫の板材の厚みが異なるため、金庫毎に、異なる。したがって、従来の紙幣取扱装置は、板材の厚みが異なる各金庫に対応して、受渡搬送機構や残留センサを金庫の開口部に設置するのに手間がかかっていた。
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、板材の厚みが異なる各金庫に対応して、受渡搬送機構や残留センサを金庫の開口部に設置する手間を軽減する紙幣取扱装置、及び、当該紙幣取扱装置に用いる受渡ユニットを提供することを主な目的とする。
前記目的を達成するため、第1発明は、紙幣を取り扱う紙幣取扱装置であって、前記紙幣を保護する金庫と、前記金庫の外部に設けられた第1搬送路と、前記金庫の内部に設けられた第2搬送路と、前記金庫に用いられている板材の厚みを表す厚み情報を格納する格納部とを有し、前記金庫は、前記紙幣が通過する1乃至複数の開口部を備えており、前記開口部は、前記第1搬送路と前記第2搬送路との間で前記紙幣を受け渡すための受渡搬送機構及び前記紙幣の残留を検知する残留センサを備え、かつ、前記厚み情報に対応する厚みに形成されている受渡ユニットが、内部に着脱自在に設置される構成とする。
また、第2発明は、紙幣を取り扱う紙幣取扱装置であって、前記紙幣を保護する金庫と、前記金庫の外部に設けられた第1搬送路と、前記金庫の内部に設けられた第2搬送路と、前記受渡ユニットの前記残留センサのセンサ側コネクタと接続される装置側コネクタと、前記センサ側コネクタと前記装置側コネクタとの接続を検知するコネクタ接続検知部と、前記第1搬送路に沿って前記紙幣を搬送する第1搬送機構と、前記第2搬送路に沿って前記紙幣を搬送する第2搬送機構と、前記第1搬送機構、前記第2搬送機構、及び、前記受渡ユニットの前記受渡搬送機構の動作を制御する搬送制御部とを有しており、前記金庫は、前記紙幣が通過する1乃至複数の開口部を備えており、前記開口部は、前記第1搬送路と前記第2搬送路との間で前記紙幣を受け渡すための受渡搬送機構及び前記紙幣の残留を検知する残留センサを備える受渡ユニットが、内部に着脱自在に設置され、前記搬送制御部は、前記コネクタ接続検知部が前記センサ側コネクタと前記装置側コネクタとの接続を検知した場合に、当該紙幣取扱装置の現在状態を前記受渡ユニットの設置状態と見なし、前記第1搬送機構、前記第2搬送機構、及び、前記受渡ユニットの前記受渡搬送機構に対して、前記受渡ユニットの設置状態時の動作制御を行う構成とする。
第1発明及び第2発明では、受渡搬送機構及び残留センサが、受渡ユニットとして一体に構成されている。この紙幣取扱装置は、その受渡ユニットを金庫の開口部の内部に設置するだけで、受渡搬送機構及び残留センサを金庫の開口部の内部に設置することができる。しかも、この紙幣取扱装置は、部品点数が減るため、部材の取り違えの発生を抑制することもできる。したがって、この紙幣取扱装置は、板材の厚みが異なる各金庫に対応して、受渡搬送機構や残留センサを金庫の開口部に設置する手間を軽減することができる。なお、開口部の奥行き方向の長さ(第1搬送路と第2搬送路との間の距離)は、金庫の板材の厚みと同じである。その開口部に設置される受渡ユニットは、第1発明では各金庫の開口部に対応する厚みに形成されており、第2発明でもその厚みに形成されていることが好ましい。
また、第発明は、紙幣取扱装置の内部の金庫に設けられた開口部の内部に設置される受渡ユニットであって、前記金庫の外部に設けられた搬送路を第1搬送路とし、前記金庫の内部に設けられた搬送路を第2搬送路とする場合に、当該第1搬送路と当該第2搬送路との間で紙幣を受け渡す受渡搬送路と、前記受渡搬送路に沿って前記紙幣を搬送する受渡搬送機構と、前記受渡搬送路での前記紙幣の残留を検知する残留センサと、前記受渡搬送路、前記受渡搬送機構、及び、前記残留センサを内蔵するとともに、前記紙幣取扱装置の前記開口部に対して着脱自在な寸法であって、かつ、前記紙幣取扱装置に設けられた格納部に格納されている前記金庫に用いられている板材の厚みを表す厚み情報に対応する厚みに形成されている筐体とを有する構成とする。
この受渡ユニットは、受渡搬送機構及び残留センサが一体に構成されており、第1発明に係る紙幣取扱装置に用いることができる。なお、受渡ユニットは、各金庫の開口部に対応する厚みに形成されている
第1発明又は第2発明によれば、板材の厚みが異なる各金庫に対応して、受渡搬送機構や残留センサを金庫の開口部に設置する手間を軽減する紙幣取扱装置を提供することができる。
また、第発明によれば、第1発明に係る紙幣取扱装置に用いる受渡ユニットを提供することができる。
実施形態1に係る紙幣取扱装置の構成を示す図(1)である。 実施形態1に係る紙幣取扱装置の構成を示す図(2)である。 実施形態1に用いる受渡ユニットの構成を示す図(1)である。 実施形態1に用いる受渡ユニットの構成を示す図(2)である。 実施形態1に用いる受渡ユニットの残留センサ周りの構成を示す図(1)である。 実施形態1に用いる受渡ユニットの残留センサ周りの構成を示す図(2)である。 実施形態1に係る紙幣取扱装置の変形例の構成を示す図である。 実施形態2に係る紙幣取扱装置の構成を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[実施形態1]
本実施形態1に係る紙幣取扱装置は、前記した従来の紙幣取扱装置の「板材の厚みが異なる各金庫に対応して、受渡搬送機構や残留センサを金庫の開口部に設置するのに手間がかかる」という課題を解決することが意図されている。そのための構成として、本実施形態1に係る紙幣取扱装置は、受渡ユニットを金庫の開口部の内部に設置するだけで、受渡搬送機構及び残留センサを金庫の開口部の内部に設置するように構成されている。
ただし、本実施形態1に係る紙幣取扱装置は、前記した従来の紙幣取扱装置の課題を解決するだけでなく、さらに、「紙幣取扱装置の特徴」の章で説明するように、以下の追加課題1〜追加課題3を解決することも意図されている。
(追加課題1)
従来の紙幣取扱装置は、後記する「受渡搬送機構の設置登録作業」を設置作業者に強いる、という課題があった。
紙幣取扱装置は、受渡搬送機構が設置されている場合と受渡搬送機構が設置されていない場合とで、第1搬送機構及び第2搬送機構の搬送距離が変わる。そのため、紙幣取扱装置は、受渡搬送機構が設置されている場合と受渡搬送機構が設置されていない場合とで、第1搬送機構及び第2搬送機構の制御を変更する必要がある。
従来の紙幣取扱装置は、受渡搬送機構の設置を自動的に検出する検出機構を有していない。そのため、設置作業者は、受渡搬送機構を金庫の開口部に設置した場合に、受渡搬送機構が設置状態にあることを表す情報(以下、「受渡搬送機構設置情報」と称する)を紙幣取扱装置に登録する作業(以下、「受渡搬送機構の設置登録作業」と称する)を行う必要がある。したがって、従来の紙幣取扱装置は、受渡搬送機構の設置登録作業を設置作業者に強いていた。
(追加課題2)
従来の紙幣取扱装置は、「受渡搬送機構の設置登録作業」が漏れた場合に、紙幣の搬送エラーが発生するときがある、という課題があった。
例えば、設置作業者は、受渡搬送機構を金庫の開口部に設置しても、受渡搬送機構の設置登録作業をし忘れる場合がある。これにより、従来の紙幣取扱装置は、受渡搬送機構の設置登録作業が漏れる場合があった。
従来の紙幣取扱装置は、仮に、受渡搬送機構の設置登録作業が漏れた場合に、受渡搬送機構が設置されたことにより、第1搬送機構及び第2搬送機構の搬送距離が変わっているのに、第1搬送機構及び第2搬送機構の制御が変更されないことになる。そのため、従来の紙幣取扱装置は、この場合に、紙幣の搬送エラー(例えば、ジャムや、所定の搬送区間における所定の時間内での未到達エラー、異なる金種のカセットへの紙幣の収納等の現象)が発生するときがあった。
紙幣の搬送エラーが発生すると、従来の紙幣取扱装置は、運用停止状態になる。この場合に、保守員が、現地に行って搬送エラーの発生要因を調査し、搬送エラーの発生要因を解消しなければならない。そのため、従来の紙幣取扱装置は、この場合に、搬送エラーの発生要因を調査及び解消するための負担を保守員に強いるとともに、運用停止状態が比較的長期間継続してしまい、運用効率が低下していた。
(追加課題3)
仮に、受渡搬送機構の設置を自動的に検出する検出機構を従来の紙幣取扱装置に付加する構成を想定した場合に、想定される構成の紙幣取扱装置は、「検出機構の取り付け作業」が漏れた場合に、紙幣の搬送エラーが発生するという課題が生じると考えられる。
例えば、ここで、受渡搬送機構の設置を自動的に検出する検出機構を従来の紙幣取扱装置に付加する構成を想定するものとする。しかしながら、想定される構成の紙幣取扱装置は、検出機構の取り付け作業(例えば、検出機構のコネクタの接続作業等)が漏れた場合に、前記した追加課題2と同様に、受渡搬送機構が設置されたことにより、第1搬送機構及び第2搬送機構の搬送距離が変わっているのに、第1搬送機構及び第2搬送機構の制御が変更されないことになる。そのため、想定される構成の紙幣取扱装置は、紙幣の搬送エラーが発生すると考えられる。
紙幣の搬送エラーが発生すると、保守員が、現地に行って搬送エラーの発生要因を調査し、搬送エラーの発生要因を解消しなければならない。そのため、想定される構成の紙幣取扱装置は、この場合に、搬送エラーの発生要因を調査及び解消するための負担を保守員に強いるとともに、運用停止状態が比較的長期間継続してしまい、運用効率が低下するものと考えられる。
<紙幣取扱装置の構成>
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態1に係る紙幣取扱装置の構成につき説明する。図1及び図2は、それぞれ、実施形態1に係る紙幣取扱装置の構成を示す図である。図1は、本実施形態1に係る紙幣取扱装置1の外観を示している。図2は、紙幣取扱装置1の内部構成を示している。
紙幣取扱装置1としては、例えば、主に金融機関で用いられている自動取引装置(ATM)やキャッシュディスペンサ、窓口装置、両替機、並びに、主に流通機関で用いられているキャッシュレジスタ等がある。ここでは、紙幣取扱装置1が自動取引装置(ATM)として構成されており、金融機関で用いられる場合を想定して説明する。以下、紙幣取扱装置1を「ATM1」と称する。
図1に示すように、ATM1は、筐体の表面に、カメラ11、表示操作部12、スピーカ13、カード挿入口14、及び、紙幣入出金口15を有している。
カメラ11は、ATM1の操作者の画像を撮影する構成要素である。
表示操作部12は、各種の情報を表示したり、操作者の操作を受け付けたりする構成要素である。ここでは、表示操作部12は、タッチパネルによって構成されているものとして説明する。ただし、表示操作部12は、ディスプレイ等の表示部とテンキー等の入力部とを組み合わせた構成であってもよい。
スピーカ13は、操作音や、警報音、アナウンス音声等を発する構成要素である。
カード挿入口14は、キャッシュカードや、振込カード等の、顧客によって所持されたカードが挿入される部位である。
紙幣入出金口15は、紙幣P(図3B参照)が投入されたり放出されたりする部位である。
また、図2に示すように、ATM1は、筐体の内部に、制御部2、格納部3、及び、紙幣ユニット20を有している。
制御部2は、ATM1の動作を制御する機能手段である。制御部2は、搬送制御部2a、コネクタ接続検知部2b、紙幣残留検知部2c、及び、筐体厚み設定部2dとして機能する。
搬送制御部2aは、紙幣Pの搬送や、鑑別、保管等の動作に係る各構成要素(具体的には、それぞれ後記する紙幣入出金部31、鑑別部32、一時保留部33、搬送機構37,47,57、及び、カセット41)の動作を制御する機能手段である。搬送制御部2aは、各種のセンサSN(例えば、図2に示す搬送センサSN1,SN2や、図4に示す装置上部のセンサ類SNU、装置下部のセンサ類SNL等)による検出信号が入力される。そして、搬送制御部2aは、入力された検出信号に基づいて、各部のモータMO(例えば、図4に示す受渡ユニット用モータMO50、装置上部のモータMOU、装置下部のモータMOL等)を駆動させる。
コネクタ接続検知部2bは、後記する残留センサSNRのセンサ側コネクタCNa(図4及び図5参照)と装置側コネクタCNb(図4及び図5参照)との接続を検出する機能手段である。
紙幣残留検知部2cは、後記する受渡ユニット50の搬送路56の内部に残留する紙幣Pを検出する機能手段である。
筐体厚み設定部2dは、後記する第2ユニット40の筐体49の板材の厚みT49を表す情報を設定する機能手段である。
格納部3は、各種の情報やプログラムが格納される格納手段である。格納部3には、例えば、設定情報3aや、筐体厚み情報3b、動作パラメータ情報3c等の情報が格納される。
設定情報3aは、ATM1の動作に関する各種の設定を表す情報である。設定情報3aとしては、例えば、後記する受渡ユニット50が設置状態にあることを表す情報(以下、「受渡ユニット設置情報」と称する)や、後記する残留センサSNRのセンサ側コネクタCNa(図4及び図5参照)と装置側コネクタCNb(図4及び図5参照)とが接続状態にあることを表す情報(以下、「コネクタ接続情報」と称する)等がある。
筐体厚み情報3bは、後記する第2ユニット40の筐体49の板材の厚みT49を表す情報である。筐体厚み情報3bは、例えば、「○mm」という数値情報でもよいし、又は、例えば、紙幣Pの搬送距離をパルス数でカウントする場合に、パルス数を「○mm」として換算するための換算情報でもよい。筐体厚み情報3bは、第2ユニット40の設計時に決定される。
動作パラメータ情報3cは、後記する搬送機構37,47,57の動作を規定する情報である。なお、本実施形態1では、動作パラメータ情報3cは、紙幣Pの搬送エラー(例えば、ジャムや、所定の搬送区間における所定の時間内での未到達エラー等)の発生を検知するための閾値となる時間(以下、「検知用時間」と称する)を規定する情報を含んでいるものとする。「検知用時間」については、「紙幣取扱装置の動作」の章で詳しく説明する。
紙幣ユニット20は、紙幣Pを鑑別したり、仕分けしたり、保管したりするユニットである。紙幣ユニット20は、複数のユニットによって構成されている。ここでは、紙幣ユニット20が、紙幣Pを鑑別したり仕分けしたりする第1ユニット30と、紙幣Pを保管する第2ユニット40とによって構成されている場合を想定して説明する。また、ここでは、第1ユニット30及び第2ユニット40は、それぞれ、上部ユニット及び下部ユニットとして、ATM1の内部に上下に並べて設置されているものとして説明する。
第1ユニット30は、内部に、紙幣入出金部31、鑑別部32、一時保留部33、搬送路36、搬送機構37、及び、カセット41を備えた構成となっている。
紙幣入出金部31は、紙幣を装置内に取り込んだり装置外に放出したりする構成要素である。紙幣入出金部31は、紙幣入出金口15の内部に設けられている。
鑑別部32は、紙幣Pを鑑別する構成要素である。鑑別部32は、第1ユニット30の搬送路36上に設けられている。鑑別部32は、搬送路36に沿って搬送される紙幣Pの真偽判別や、券種判別、枚数計数等の処理を実行する。
一時保留部33は、紙幣Pを内部に一時的に保留(収納)する構成要素である。一時保留部33は、例えば、入金時に、鑑別部32によって入金可能な真券として鑑別された紙幣Pを内部に一時的に収納する。一時保留部33は、そのための分離集積機構を備えている。一時保留部33に収納された紙幣Pは、この後、分離集積機構によって、1枚ずつに分離されて搬送路36に繰り出され、搬送機構37,47,57によって所定の場所に搬送される。
搬送路36は、紙幣Pが走行する通路である。搬送路36は、第1ユニット30の内部に設けられた各構成要素の間を接続している。以下、搬送路36を他の搬送路46,56と区別する場合に、「第1搬送路36」と称する。
搬送機構37は、第1搬送路36に沿って紙幣Pを搬送する構成要素である。以下、搬送機構37を他の搬送機構47,57と区別する場合に、「第1搬送機構37」と称する。ここでは、第1搬送機構37は、搬送ローラによって構成されているものとして説明する。ただし、第1搬送機構37は、搬送ローラ以外の搬送手段(例えば、搬送ベルト等)によって構成することもできる。
カセット41は、内部に紙幣Pを収納する収納庫である。図2に示す例では、カセット41は、第2ユニット40に5つ設けられており、第1ユニット30に1つ設けられている。以下、各カセット41をそれぞれ区別する場合に、第2ユニット40に設けられた5つのカセット41を「カセット41a〜41e」と称し、第1ユニット30に設けられた1つのカセット41を「カセット41f」と称する。
ここでは、カセット41a〜41eは、それぞれ、紙幣Pを金種別に収納する収納庫として用いられ、一方、カセット41fは、取り忘れ紙幣を収納する収納庫として用いられるものとして説明する。ただし、カセット41fは、運用に応じて、他の用途(例えば、リジェクト紙幣を収納する収納庫)に用いることもできる。なお、「取り忘れ紙幣」は、操作者が取り忘れた紙幣Pである。また、「リジェクト紙幣」は、出金時に、鑑別部32によって出金に適さないと鑑別された紙幣Pである。
一方、第2ユニット40は、内部に、1乃至複数のカセット41(図2に示す例では、5つのカセット41a〜41e)、搬送路46、及び、搬送機構47を備えた構成となっている。
カセット41は、前記した通り、内部に紙幣Pを収納する収納庫である。図2に示す例では、カセット41として、5つのカセット41a〜41eが、水平方向に並べて設置されている。ここでは、カセット41a〜41eは、前記した通り、それぞれ、紙幣Pを金種別に収納する収納庫として用いられるものとして説明する。ただし、カセット41a〜41eは、運用に応じて、他の用途に用いることもできる。
搬送路46は、紙幣Pが走行する通路である。搬送路46は、第2ユニット40の内部に設けられた各構成要素の間を接続している。以下、搬送路46を他の搬送路36,56と区別する場合に、「第2搬送路46」と称する。
搬送機構47は、第2搬送路46に沿って紙幣Pを搬送する構成要素である。以下、搬送機構47を他の搬送機構37,57と区別する場合に、「第2搬送機構47」と称する。ここでは、第2搬送機構47は、搬送ローラによって構成されているものとして説明する。ただし、第2搬送機構47は、搬送ローラ以外の搬送手段(例えば、搬送ベルト等)によって構成することもできる。
図2に示す例では、第2搬送機構47は、搬送部47a、及び、分離集積部47bを備えた構成となっている。
搬送部47aは、第2搬送路46に沿って紙幣Pを搬送する構成要素である。
分離集積部47bは、出金時に、カセット41の内部に収納された紙幣Pを1枚ずつに分離して、紙幣Pをカセット41から搬送路46に繰り出したり、入金時に、搬送路46からカセット41に紙幣Pを搬送して、紙幣Pをカセット41の内部に集積させたりする構成要素である。
また、第2ユニット40は、カセット41、第2搬送路46、及び、第2搬送機構47の周囲を覆う筐体49を備えている。筐体49は、カセット41の周囲を覆うことにより、カセット41の内部に収納された紙幣Pを保護する金庫として機能する。
その筐体49は、カセット41の内部に収納された紙幣Pを保護するために、頑丈に作製される必要がある。そのため、筐体49は、金属材やコンクリート等の強度の高い材料によって、構成されている。また、筐体49は、板材の厚みT49が所定の値以上になるように、設計されている。その板材の厚みT49は、国や地域毎に、幾つかの規格に対応して、例えば、40mmや80mm等のように、例えば数十mm刻みで、複数通りの厚さに規定されている。
筐体49は、第1ユニット30の第1搬送機構37と第2ユニット40の第2搬送機構47との間に、1乃至複数(図2に示す例では1つ)の開口部49aが設けられている。開口部49aは、第1ユニット30の第1搬送路36と第2ユニット40の第2搬送路46とを接続する搬送路として機能する。なお、開口部49aの奥行き方向の長さ(第1搬送路36と第2搬送路46との間の距離)は、筐体49の板材の厚みT49に応じて、変化する。ただし、第2ユニット40の内部の各構成要素の位置関係は、筐体49の板材の厚みT49が変化しても、変化しない。
開口部49aの周囲には、搬送センサSN1,SN2が設けられている。搬送センサSN1,SN2は、それぞれ、搬送中の紙幣Pの到達位置を検知するためのセンサである。搬送センサSN1,SN2は、それぞれ、開口部49aを挟むように、設けられている。図2に示す例では、搬送センサSN1は、開口部49aの直上の、第1搬送路36側に設けられている。一方、搬送センサSN2は、開口部49aの直下の、第2搬送路46側に設けられている。なお、搬送センサSN1は、図4に示す装置上部のセンサ類SNUの一種であり、一方、搬送センサSN2は、図4に示す装置下部のセンサ類SNLの一種である。以下、搬送センサSN1,SN2を区別する場合に、搬送センサSN1を「第1搬送センサSN1」と称し、搬送センサSN2を「第2搬送センサSN2」と称する。
係る構成において、ATM1は、運用時に、第1ユニット30と第2ユニット40との間で紙幣Pの受け渡しを行う。例えば、ATM1は、入金時に、紙幣Pが紙幣入出金口15に投入されると、紙幣Pを第1ユニット30の内部の鑑別部32で鑑別して、真券として鑑別された紙幣Pを第1ユニット30から第2ユニット40に受け渡し、第2ユニット40の内部の該当金種のカセット41に収納する。また、ATM1は、出金時に、第2ユニット40の内部のカセット41から紙幣Pを繰り出して、紙幣Pを第2ユニット40から第1ユニット30に受け渡し、紙幣Pを第1ユニット30の内部の鑑別部32で鑑別して、再使用可能な券として鑑別された紙幣Pを紙幣入出金部31に集積し、紙幣入出金口15から放出する。
その際に、紙幣Pが、開口部49aの内部を走行する。しかしながら、ATM1は、金庫となる第2ユニット40の筐体49の板材の厚みT49が余りにも厚いと、紙幣Pが開口部49aの内部で停止する可能性がある。例えば、ATM1は、紙幣Pの搬送中に、何らかのエラーが発生すると、第1ユニット30の第1搬送機構37及び第2ユニット40の第2搬送機構47が停止する。このとき、紙幣Pが開口部49aの内部を走行していると、ATM1は、紙幣Pが開口部49aの内部で停止した状態になる。その状態は、筐体49の板材の厚みT49が厚くなるほど、発生する可能性が高くなる。ATM1は、紙幣Pが開口部49aの内部で停止した場合に、その状態で、第1ユニット30又は第2ユニット40がATM1の筐体から引き出されると、紙幣Pを破損させる可能性がある。
そこで、ATM1は、筐体49の板材の厚みT49が余りにも厚い場合(少なくとも、紙幣Pが開口部49aの内部で停止する可能性のある程度に厚い場合)に、製造時に、図2に示すように、開口部49aの内部に、追加ユニット50が設置される。追加ユニット50は、第1ユニット30と第2ユニット40との間で紙幣Pを受け渡すユニットである。以下、追加ユニット50を「受渡ユニット50」と称する。
<受渡ユニットの構成>
以下、図3A及び図3Bを参照して、本実施形態1に用いる受渡ユニット50の構成につき説明する。図3A及び図3Bは、それぞれ、本実施形態1に用いる受渡ユニット50の構成を示す図である。図3Aは、受渡ユニット50を開口部49aの内部に設置した状態を示している。図3Bは、搬送路56(図3A参照)に沿って、受渡ユニット50の筐体49を切断した構成を示している。
なお、図3Aは、受渡ユニット50の筐体49が立方体状に形成されている場合を一例として示している。しかしながら、筐体49は、後記する受渡搬送路56、受渡搬送機構57、及び、残留センサSNRを所定の位置に固定する構成であれば、立方体以外の形状(例えば、複数本の棒状の部材をネジ等によって固定した構成等)にすることも可能である。
また、図3Bは、搬送路36,46,56の左右に一対ずつ設けられている各構成要素に対して、符号の末尾に、左側に設けられた構成要素であることを表す英文字記号「(L)」、又は、右側に設けられた構成要素であることを表す英文字記号「(R)」を付して示している。
受渡ユニット50の設置作業者は、ATM1の製造時に、各金庫(第2ユニット40の筐体49)の開口部49aに対応する寸法の受渡ユニット50を予め用意する。図3Aに示す例では、第2ユニット40の筐体49に設けられた開口部49aは、縦幅L49、横幅W49、及び、厚みT49の寸法で形成されている。これに対して、受渡ユニット50の筐体59は、縦幅L50及び横幅W50が開口部49aの縦幅L49及び横幅W49よりも若干小さな寸法で形成されており、また、厚み(高さ)T50が開口部49aの厚みT49にほぼ等しい寸法(又は、若干小さな寸法)で形成されている。これにより、受渡ユニット50の筐体59は、開口部49aの内部に着脱自在に設置することが可能になっている。
なお、受渡ユニット50は、比較的高価なユニットになる見込みである。そのため、受渡ユニット50は、開口部49aの内部に常設せずに、筐体49の板材の厚みT49が余りにも厚い場合(少なくとも、紙幣Pが開口部49aの内部で停止する可能性のある程度に厚い場合)にのみ、設置することが好ましい。
図3Aに示す例では、受渡ユニット50は、筐体59の底部に、溝部55が設けられた構成となっている。溝部55は、第2ユニット40の筐体49に設けられた突出部45と係合することにより、受渡ユニット50を所定の位置に固定する位置決め手段として機能する。
また、図3Aに示す例では、受渡ユニット50は、残留センサSNR(図2及び図3B参照)のコネクタCNが筐体59から引き出された構成となっている。
受渡ユニット50は、図3Bに示すように、内部に、搬送路56、搬送機構57、及び、残留センサSNRを備えた構成となっている。
搬送路56は、紙幣Pが走行する通路である。搬送路56は、受渡ユニット50の内部に設けられており、第1ユニット30の第1搬送路36と第2ユニット40の第2搬送路46とに接続される。以下、搬送路56を他の搬送路36,46と区別する場合に、「受渡搬送路56」と称する。
搬送機構57は、受渡搬送路56に沿って紙幣Pを搬送する構成要素である。以下、搬送機構57を他の搬送機構37,47と区別する場合に、「受渡搬送機構57」と称する。
図3Bに示す例では、受渡搬送機構57は、ギヤ列G50と搬送ローラ58とによって構成されている。ギヤ列G50は、ATM1側に設けられた駆動機構67のギヤG1と係合して、駆動機構67のモータMO50による回転駆動力を搬送ローラ58に伝達する。これにより、ギヤ列G50は、搬送ローラ58を回転させる。なお、駆動機構67は、モータMO50とギヤG1とによって構成されており、ATM1の第1搬送路36の周囲に設けられている。
残留センサSNRは、受渡搬送路56の内部に残留する紙幣Pを検出するためのセンサである。本実施形態1では、残留センサSNRのコネクタCN(図4参照)は、センサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとの接続を検知する機能が付加された構成となっている。
ところで、ATM1は、受渡ユニット50が設置されている場合と受渡ユニット50が設置されていない場合とで、第1搬送機構37及び第2搬送機構47の搬送距離が変わる。そのため、受渡ユニット50が設置されている場合と受渡ユニット50が設置されていない場合とで、第1搬送機構37及び第2搬送機構47の制御を変更する必要がある。そこで、設置作業者は、受渡ユニット50を開口部49aに設置した場合に、受渡ユニット設置情報(すなわち、受渡ユニット50が設置状態にあることを表す情報)を設定情報3a(図2参照)として登録する作業(以下、「受渡ユニット50の設置登録作業」と称する)を行う。
これにより、ATM1は、運用時に、設定情報3aに基づいて、受渡ユニット設置情報が登録されているか否かを判定し、受渡ユニット50が設置されている場合と受渡ユニット50が設置されていない場合とで、第1搬送機構37及び第2搬送機構47の制御を自動的に変更することができる。
しかしながら、受渡ユニット50の設置登録作業は、設置作業者がし忘れることによって、漏れる可能性がある。そこで、本実施形態1に係るATM1は、受渡ユニット50の設置登録作業が漏れた場合の対策として、受渡ユニット50に設けられた残留センサSNRのコネクタCN(図4及び図5参照)の接続の有無によって、受渡ユニット50の設置の有無を自動的に識別する機能が付加されている。図4及び図5に、その機能を実現するための構成を示す。
図4及び図5は、それぞれ、実施形態1に用いる受渡ユニット50の残留センサSNR周りの構成を示す図である。図4及び図5に示すように、受渡ユニット50の残留センサSNRのコネクタCNは、接続検知機能付きコネクタとして構成されている。具体的には、図5に示すように、コネクタCNは、ラインL1とラインL2とを備えた構成となっている。
ラインL1は、残留センサSNRによる紙幣Pの検出信号を紙幣残留検知部2cに入力するためのラインである。ラインL1は、紙幣残留検知部2cと残留センサSNRとを接続している。
一方、ラインL2は、センサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとの接続検知用の信号をコネクタ接続検知部2bに入力するためのラインである。ラインL2は、センサ側コネクタCNaの内部でループしており、センサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとが接続されることにより、抵抗器及びコネクタCNを介して、電源Vccとグランド(0V)とが接続された構成となるラインである。係る構成において、コネクタCNは、センサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとが接続されていない場合に、OFF状態となり、一方、センサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとが接続された場合に、ON状態となる、スイッチとして機能する。
コネクタ接続検知部2bは、コネクタCNがOFF状態である場合に、印加される電圧の値がVccとなり、コネクタCNがON状態である場合に、印加される電圧の値が0Vとなる。これにより、コネクタ接続検知部2bは、コネクタCNがOFF状態(センサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとが接続されていない状態)であるのか、又は、ON状態(センサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとが接続された状態)であるのかを検知することができる。
<紙幣取扱装置の動作>
以下、図1及び図2を参照して、ATM1の動作につき説明する。ここでは、まず、ATM1の運用開始前の動作を説明し、次に、ATM1の運用時の動作を説明する。
なお、ATM1は、後記する「運用開始前の動作2」で、第2ユニット40の筐体49の厚みT49を筐体厚み情報3bとして設定される。しかしながら、ATM1は、その後に、紙幣Pの走行で、厚みT49の違いを検知した場合に、保守員に通知することや、又は、筐体厚み情報3bの設定を変更することができる。
(運用開始前の動作1)
ここでは、「運用開始前の動作」は、受渡ユニット50の設置作業がATM1の製造時に製造工場で行われる場合を想定して説明する。ただし、受渡ユニット50の設置作業は、ATM1の製造時に限らず、ATM1を金融機関に納入した後に行うことも可能である。この場合に、「運用開始前の動作」は、ATM1の製造工場ではなく、納入先で行われる。また、この場合に、ATM1の保守員が受渡ユニット50の設置作業者となる。
ATM1は、製造時に、必要があれば、受渡ユニット50の設置作業が行われる。
この場合に、設置作業者が、受渡ユニット50を第2ユニット40の筐体49の開口部49aに設置して、残留センサSNR(図4及び図5参照)に設けられたセンサ側コネクタCNaとATM1に設けられた装置側コネクタCNbとを接続する。
このとき、ATM1は、コネクタ接続検知部2b(図2、図4、及び、図5参照)が、センサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとの接続を検知する。なお、当然ながら、センサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとが接続された状態とは、受渡ユニット50がATM1に設置された状態を意味する。
そこで、コネクタ接続検知部2bは、センサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとの接続を検知した場合に、ATM1の現在状態を受渡ユニット50の設置状態と見なし、受渡ユニット設置情報(すなわち、受渡ユニット50が設置状態にあることを表す情報)を設定情報3aに登録する。これにより、ATM1は、コネクタ接続検知部2bが、設置作業者に代わって、前記した「受渡ユニット50の設置登録作業」を自動的に行うことができる。
なお、ATM1は、この場合に、後記する「運用開始前の動作3」及び「運用時の動作」で、搬送制御部2aが、第1搬送機構37、第2搬送機構47、及び、受渡ユニット50の受渡搬送機構57に対して、受渡ユニット50の設置状態時の動作制御を行う。例えば、この場合に、搬送制御部2aは、事前に設定された筐体厚み設定情報3bに基づいて、筐体49の板材の厚みT49を特定し、また、ATM1の現在状態を受渡ユニット50の設置状態と見なし、さらに、動作パラメータ情報3cに基づいて、厚みT49及び受渡ユニット50の設置状態に対応するパラメータを特定し、特定されたパラメータで搬送機構37,47,57の動作を制御する。
したがって、ATM1は、受渡ユニット50に設けられた残留センサSNRのセンサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとが接続されると、自動的に、ATM1の現在状態を受渡ユニット50の設置状態と見なし、最適なパラメータで搬送機構37,47,57の動作を制御することができる。
(運用開始前の動作2)
ATM1は、製造時に、組み立てが終了すると、各部の動作の設定が行われる。
このとき、ATM1は、筐体厚み情報3bや動作パラメータ情報3c等の情報が格納部3に格納される。
ここでは、筐体厚み情報3bは、例えば、「○mm」という、第2ユニット40の設計時に決定された筐体49の板材の厚みT49を表しているものとして説明する。筐体厚み情報3bは、筐体厚み設定部2dによって登録される。
また、ここでは、動作パラメータ情報3cは、厚みT49の値が異なる様々なタイプの第2ユニット40に共通して用いることができるように、複数パタンに場合分けされた構成になっているものとして説明する。
例えば、動作パラメータ情報3cは、厚みT49が「○mm」の場合で受渡ユニット50の設置が「有り」の場合のパタンのパラメータや、厚みT49が「○mm」の場合で受渡ユニット50の設置が「無し」の場合のパタンのパラメータ、厚みT49が「△mm」の場合で受渡ユニット50の設置が「有り」の場合のパタンのパラメータや、厚みT49が「△mm」の場合で受渡ユニット50の設置が「無し」の場合のパタンのパラメータ等が網羅された構成になっているものとする。
ATM1は、紙幣Pを搬送する場合に、搬送制御部2aが、筐体厚み情報3bを参照して、厚みT49の値を特定し、また、設定情報3aを参照して、受渡ユニット50の設置の有無を特定し、動作パラメータ情報3cに基づいて、該当パタンのパラメータを選択し、選択されたパタンのパラメータを用いて、搬送機構37,47,57の動作を制御する。例えば、搬送制御部2aは、筐体厚み情報3bを参照して、厚みT49が「○mm」であること、及び、設定情報3aを参照して、受渡ユニット50の設置が「有り」であることが特定された場合に、動作パラメータ情報3cに基づいて、厚みT49が「○mm」の場合で受渡ユニット50の設置が「有り」の場合のパタンのパラメータを選択し、選択されたパタンのパラメータを用いて、搬送機構37,47,57の動作を制御する。
なお、ここでは、「動作パラメータ情報3c」は、前記した「検知用時間」を規定する情報として、後記する「厚みT49分の論理的な搬送時間」を規定する情報を含んでいるものとして説明する。
また、ATM1は、「運用開始前の動作1」で、受渡ユニット50が開口部49aに設置されている場合に、受渡ユニット設置情報(すなわち、受渡ユニット50が設置状態にあることを表す情報)が設定情報3aとして登録されている。したがって、受渡ユニット設置情報が設定情報3aとして登録されている場合とは、受渡ユニット50の設置が「有り」である場合であることを意味している。
(運用開始前の動作3)
ATM1は、各部の動作の設定が終了すると、各部の動作の検証が行われる。
このとき、ATM1は、装置内で紙幣Pを搬送することにより、設定情報3aとして装置に登録された設定(例えば、受渡ユニット50を未設置状態とする設定等)の誤りの有無や、紙幣Pの搬送エラー(例えば、ジャムや、所定の搬送区間における所定の時間内での未到達エラー等)の発生の有無の検証が行われる。
ここでは、ATM1は、紙幣Pを紙幣入出金部31から該当金種のカセット41に向けて搬送し、その際に、搬送制御部2aが、受渡ユニット50の内部での紙幣Pの搬送時間を監視することにより、設定の誤りの有無や、受渡ユニット50の内部での紙幣Pの搬送エラーの発生の有無が検証されるものとして説明する。なお、「受渡ユニット50の内部での紙幣Pの搬送時間」は、搬送制御部2aが、第1搬送センサSN1から出力される紙幣Pの検出信号と第2搬送センサSN2から出力される紙幣Pの検出信号とに基づいて、紙幣Pの通過タイミングを検出することによって行われる。
ATM1は、各部の動作の検証時に、搬送制御部2aが、格納部3から事前に設定された筐体厚み情報3b及び設定情報2aを読み取り、筐体厚み情報3bを参照して、筐体49の厚みT49の値を特定し、また、設定情報3aを参照して、受渡ユニット50の設置の有無状態を特定する。そして、搬送制御部2aは、動作パラメータ情報3cに基づいて、特定された筐体49の厚みT49の値及び受渡ユニット50の設置の有無状態に対応する該当パタンのパラメータを選択し、選択されたパタンのパラメータを用いて、搬送機構37,47,57の動作を制御する。ここで、「受渡ユニット50の設置の有無状態」とは、受渡ユニット50の設置が「有り」の状態及び受渡ユニット50の設置が「無し」の状態のいずれか一方を意味している。
なお、前記した「運用開始前の動作1」で、コネクタ接続検知部2bがセンサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとの接続を検知した場合に、設定情報2aとして、受渡ユニット設置情報が登録されている。そのため、この場合に、搬送制御部2aは、動作パラメータ情報3cに登録された複数パタンのパラメータの中から、受渡ユニット50の設置が「有り」の場合のパタンのパラメータを選択することになる。
なお、搬送制御部2aによる搬送機構37,47,57の動作の制御は、例えば、以下のように、紙幣Pの搬送時間を監視することによって行われる。
例えば、まず、ATM1は、搬送制御部2aが、検知用時間を算出する。「検知用時間」は、前記した通り、紙幣Pの搬送エラー(例えば、ジャムや、所定の搬送区間における所定の時間内での未到達エラー等)の発生を検知するための閾値となる時間である。なお、「検知用時間」は、当然ながら、検知の対象となる搬送区間の距離が長くなると、延びる。
「検知用時間」は、紙幣Pの滞留の許容時間(以下、「Wait時間」と称する)を、所定の搬送区間における論理的な搬送時間に付加することによって、算出される。したがって、受渡ユニット50の内部での搬送エラーを検知するための検知用時間(以下、「ユニット内エラー検知用時間」と称する)は、Wait時間を、第1搬送センサSN1がON状態になってから第2搬送センサSN2がON状態になるまでに要する論理的な搬送時間(以下、「センサ間の論理的な搬送時間」と称する)に付加することによって、算出される。
ここでは、受渡ユニット50の受渡搬送路56が設けられた区間を「所定の搬送区間」とし、搬送制御部2aは、ユニット内エラー検知用時間を算出するものとする。また、ここでは、受渡ユニット50の受渡搬送路56が設けられた区間は、第1搬送センサSN1と第2搬送センサSN2との間の区間(以下、「センサ間」と称する)と等価であり、また、その区間の長さは、筐体49の板材の厚みT49に等しい長さであるものとする。
この場合に、搬送制御部2aは、筐体厚み設定情報3bを参照して、筐体49の板材の厚みT49の値を特定し、また、設定情報3aを参照して、受渡ユニット50の設置の有無状態を特定する。そして、搬送制御部2aは、動作パラメータ情報3cに基づいて、特定された筐体49の厚みT49の値及び受渡ユニット50の設置の有無状態に対応する該当パタンのパラメータとして、動作パラメータ情報3cによって規定された厚みT49分の論理的な搬送時間を特定する。そして、搬送制御部2aは、Wait時間を、厚みT49分の論理的な搬送時間に付加することによって、ユニット内エラー検知用時間を算出する。
搬送制御部2aは、ユニット内エラー検知用時間を算出すると、第1搬送機構37と第2搬送機構47と、さらに、受渡ユニット50が設置されていれば、受渡搬送機構57とを駆動させて、紙幣Pを紙幣入出金部31から該当金種のカセット41に向けて搬送させる。
その際に、紙幣Pは、第1搬送センサSN1と第2搬送センサSN2との間の区間(すなわち、センサ間)を走行する。このとき、搬送制御部2aは、センサ間における紙幣Pの搬送時間とユニット内エラー検知用時間とを比較することにより、センサ間における紙幣Pの搬送時間を監視する。
そして、搬送制御部2aは、センサ間における紙幣Pの搬送時間がユニット内エラー検知用時間を超える場合に、受渡ユニット50の内部での紙幣Pの搬送エラーが発生したと見なして、これを検知する。
この場合に、搬送制御部2aは、第1搬送機構37と第2搬送機構47と、さらに、受渡ユニット50が設置されていれば、受渡搬送機構57とを停止させる。ただし、紙幣Pが開口部49a(又は、受渡ユニット50)の内部に残留する場合に、搬送制御部2aは、紙幣Pを開口部49a(又は、受渡ユニット50)の外部に搬送させてから、搬送機構37,47,57を停止させる。
具体的には、ATM1は、紙幣残留検知部2cが、残留センサSNRからの検出信号に基づいて、開口部49a(又は、受渡ユニット50)の内部での紙幣Pの残留の有無を監視している。紙幣残留検知部2cは、開口部49a(又は、受渡ユニット50)の内部での紙幣Pの残留の有無に応じた値の通知信号を搬送制御部2aに出力する。搬送制御部2aは、搬送機構37,47,57を停止させる場合に、紙幣残留検知部2cから出力された通知信号の値に基づいて、紙幣Pが開口部49a(又は、受渡ユニット50)の内部に残留しているか否かを判定する。そして、紙幣Pが受渡ユニット50の内部に残留している場合に、搬送制御部2aは、搬送機構37,47,57を稼動させて、紙幣Pが開口部49a(又は、受渡ユニット50)の外部に出るまで、紙幣Pを搬送させてから、搬送機構37,47,57を停止させる。
このようにして、搬送制御部2aは、筐体49の厚みT49の値及び受渡ユニット50の設置の有無状態に対応する最適なパラメータを用いて、搬送機構37,47,57の動作を制御することができる。
なお、ATM1は、コネクタの接続作業の漏れや、受渡ユニットの設置登録作業の漏れ等がある場合に、搬送エラーの発生要因があることを事前に予測することができる。そのため、ATM1は、運用開始前に、このような搬送エラーの発生要因があれば、搬送エラーの発生要因を解消するように、保守員を誘導することができる。これにより、ATM1は、運用停止状態になるのを回避することができるため、運用効率を向上させることができる。
(運用時の動作)
ここでは、「運用時の動作」は、ATM1が金融機関に納品されて、金融機関のATMコーナーで運用されている場合を想定して説明する。運用時の動作は、主に、搬送制御部2aによって実行される。ここでは、運用時の動作の一例として、入金時の動作を説明する。また、ここでは、受渡ユニット50が、開口部49aに設置されているものとして説明する。
ATM1は、予め、「運用開始前の動作3」と同様に、搬送制御部2aが、格納部3から事前に設定された筐体厚み情報3b及び設定情報2aを読み取り、筐体厚み情報3bを参照して、厚みT49の値を特定し、また、設定情報3aを参照して、受渡ユニット50の設置の有無状態を特定する。そして、搬送制御部2aは、動作パラメータ情報3cに基づいて、特定された厚みT49の値及び受渡ユニット50の設置の有無状態に対応する該当パタンのパラメータを選択する。以後、搬送制御部2aは、選択されたパタンのパラメータを用いて、搬送機構37,47,57の動作を制御する。
例えば、入金時に、まず、ATM1の操作者(ここでは、金融機関の顧客)は、表示操作部12で取引内容として「入金取引」を選択する。次に、操作者は、キャッシュカードをカード挿入口14に挿入し、さらに、紙幣Pを紙幣入出金口15に投入する。
ATM1は、紙幣Pが紙幣入出金口15に投入されると、紙幣入出金部31が紙幣Pを1枚ずつ第1搬送路36に繰り出すとともに、第1搬送機構37が第1搬送路36に沿って各紙幣Pを搬送し、鑑別部32が各紙幣Pを鑑別しながら各紙幣Pの枚数を自動計数する。その際に、ATM1の搬送制御部2aは、予め選択された該当パタンのパラメータを用いて、第1搬送機構37の動作を制御する。
そして、ATM1は、真券として鑑別された紙幣Pを一時保留部33の内部に収納するとともに、投入された紙幣Pの合計金額(以下、「投入金額」と称する)を表示操作部12に表示する。
操作者は、表示された投入金額が誤っていなければ、表示操作部12でOKボタン(図示せず)を押下する。すると、ATM1は、金融機関のホストコンピュータ(図示せず)と通信して、キャッシュカードによって指定された口座への投入金額分の入金処理を実行する。
このとき、ATM1は、一時保留部33が内部に収納された紙幣Pを1枚ずつ第1搬送路36に繰り出し、第1搬送機構37が第1搬送路36に沿って各紙幣Pを第2ユニット40に向けて搬送する。これにより、紙幣Pが、受渡ユニット50の受渡搬送路56の内部を走行する。その際に、途中から、受渡ユニット50の受渡搬送機構57が、紙幣Pを第2ユニット40の第2搬送路機構47に向けて搬送する。このとき、ATM1の搬送制御部2aは、予め選択された該当パタンのパラメータを用いて、搬送機構37,47,57の動作を制御する。
この後、ATM1は、第2搬送機構47が第2搬送路46に沿って各紙幣Pを該当金種のカセット41まで搬送し、各紙幣Pを該当金種のカセット41の内部に収納する。
<紙幣取扱装置の特徴>
(1)本実施形態1では、受渡搬送機構57及び残留センサSNRが、受渡ユニット50として一体に構成されている。なお、受渡ユニット50は、各金庫(第2ユニット40の筐体49)の開口部49aに対応する寸法のものであることが好ましい。
ATM1は、その受渡ユニット50を金庫49の開口部49aの内部に設置するだけで、受渡搬送機構57及び残留センサSNRを金庫49の開口部49aの内部に設置することができる。これにより、取り扱う部品点数が減るため、設置作業者は、部材の取り違えが発生しないように、注意しながら、ATM1を製造するための負担が軽減される。
その結果、ATM1は、板材の厚みT49が異なる各金庫49に対応して、受渡搬送機構57や残留センサSNRを金庫49の開口部49aに設置する手間を軽減することができる。したがって、ATM1は、前記した従来の紙幣取扱装置の課題(すなわち、板材の厚みが異なる各金庫に対応して、受渡搬送機構や残留センサを金庫の開口部に設置する手間がかかる、という課題)を解決することができる。
(2)本実施形態1では、コネクタ接続検知部2b(図2、図4、及び、図5参照)が、受渡ユニット50の設置(すなわち、受渡搬送機構57の設置)を自動的に検出する検出機構として機能する。
これにより、ATM1は、センサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとが接続されると、コネクタ接続検知部2bが、ATM1の現在状態を受渡ユニット50の設置状態と見なし、設置作業者に代わって、受渡ユニット設置情報を設定情報3aに登録することができる。
そのため、設置作業者は、必ずしも、受渡搬送機構57の設置登録作業を行う必要がない。したがって、ATM1は、前記した追加課題1(すなわち、受渡搬送機構の設置登録作業を設置作業者に強いる、という課題)を解決することができる。
また、本実施形態1では、コネクタ接続検知部2bが、センサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとの接続を検知すると、コネクタ接続検知部2bが、第1搬送機構37、第2搬送機構47、及び、受渡ユニット50の受渡搬送機構57に対して、受渡ユニット50の設置状態時の動作制御を行う。
そのため、ATM1は、第1搬送機構37、第2搬送機構47、及び、受渡搬送機構57の制御を自動的に変更することができる。その結果、ATM1は、受渡搬送機構57の設置登録作業が漏れた場合であっても、紙幣Pの搬送エラーが発生するのを回避することができる。したがって、ATM1は、前記した追加課題2や追加課題3(すなわち、受渡搬送機構の設置登録作業が漏れた場合や検出機構の取り付け作業が漏れた場合に、紙幣の搬送エラーが発生するときがある、という課題)を解決することができる。
以上の通り、本実施形態1に係る紙幣取扱装置1によれば、板材の厚みT49が異なる各金庫49に対応して、受渡搬送機構57や残留センサSNRを金庫49の開口部49aに設置する手間を軽減することができる。
<紙幣取扱装置の変形例>
なお、本実施形態1に係るATM1は、例えば、図6に示すように、変形することができる。図6は、実施形態1に係る紙幣取扱装置の変形例の構成を示す図である。以下、図6に示す紙幣取扱装置1を「紙幣取扱装置1A」と称する。
図6に示すように、紙幣取扱装置1Aは、第2ユニット40の内部に設けられた各カセット41a〜41eに対応して、複数(図6に示す例では、5つ)の開口部49aが第2ユニット40の筐体49に設けられ、その各開口部49aに向けて、第1搬送路36が分岐して設けられた構成となっている。
また、紙幣取扱装置1Aは、受渡ユニット50が各開口部49aの内部に設置されており、さらに、各開口部49aと各カセット41a〜41eとを結ぶ複数の第2搬送路46、及び、各第2搬送路46に対応する第2搬送機構47が設けられた構成になっている。なお、図6に示す例では、第2搬送機構47は、分離集積部47bのみからなる構成となっている。この変形例に係るATM1Aによっても、実施形態1に係るATM1と同様の効果を得ることができる。
[実施形態2]
実施形態1に係るATM1は、受渡搬送路56の走行精度が悪いと、紙幣Pのセンサ間の搬送時間の計測精度が低下する。そのため、事前に(「運用開始前の動作3(すなわち、各部の動作検証時の動作)」を行う前に)、受渡搬送路56の走行精度を確認することが好ましい。しかしながら、ATM1は、事前に、受渡搬送路56の走行精度を確認することができない。
そこで、本実施形態2は、事前に、受渡搬送路56の走行精度を確認することができるATM1Bを提供することを目的とする。
また、実施形態1に係るATM1は、残留センサSNRのコネクタCNの接続作業及び受渡ユニット50の設置登録作業がともに漏れた場合や、受渡ユニット50の設置登録作業が適切でない場合に、受渡ユニット50の内部での紙幣Pの搬送エラーが発生し易くなるため、動作を停止し易くなり、動作の検証に時間を要する可能性がある。
そこで、本実施形態2は、残留センサSNRのコネクタCNの接続作業及び受渡ユニット50の設置登録作業がともに漏れた場合や、受渡ユニット50の設置登録作業が適切でない場合であっても、受渡ユニット50の内部での紙幣Pの搬送エラーの発生を抑制して、動作の検証を継続的に行えるATM1Bを提供することを副次的な目的とする。
以下、図7を参照して、本実施形態2に係るATM1Bの構成につき説明する。図7は、実施形態2に係る紙幣取扱装置の構成を示す図である。
本実施形態2に係るATM1Bは、実施形態1に係るATM1(図4参照)と比較すると、制御部2が、搬送時間計測部2e、搬送時間比較部2f、及び、通知部2gとしても機能する構成となっている。また、ATM1Bは、搬送時間情報3d及び通知先情報3eが予め格納部3に格納されている。
搬送時間計測部2eは、センサ間の搬送時間(すなわち、紙幣Pの第1搬送センサSN1と第2搬送センサSN2との間の搬送時間)を計測する機能手段である。
搬送時間比較部2fは、搬送時間計測部2eによって計測されたセンサ間の搬送時間と予め設定された搬送時間情報3dとを比較する機能手段である。
通知部2gは、アナウンスすべき情報を受渡ユニット50の設置作業者や保守員に通知する機能手段である。なお、通知は、設置作業者が設置作業中であったり又は保守員が保守中であれば(例えば、ATM1の扉が開いていれば)、通知部2gが、スピーカ13に音を発生させたり、表示操作部12(又は、ATM1Bの内部に設けられた保守用の表示操作部(図示せず))に情報を表示させたりすることにより、実現される。又は、通知は、通知部2gが、保守員によって所持されている端末装置(図示せず)にメールを送信することによっても、実現される。
搬送時間情報3dは、筐体49の厚みT49の値に対応する紙幣Pの「センサ間の論理的な搬送時間(第1搬送センサSN1がON状態になってから第2搬送センサSN2がON状態になるまでに要する論理的な搬送時間)」を規定する情報である。なお、搬送時間情報3dは、紙幣Pのセンサ間の搬送時間に基づいて、受渡ユニット50が開口部49aに設置されているか否かを判定する場合の閾値時間を表す情報(以下、「閾値時間情報」と称する)としても用いられる。
通知先情報3eは、アナウンスすべき情報をメールで保守員に通知する場合に用いられるメールアドレスである。
以下、ATM1Bの動作につき説明する。ATM1Bの動作は、実施形態1に係るATM1と比較すると、「運用開始前の動作1(すなわち、受渡ユニット50の設置作業時の動作)」と「運用開始前の動作2(すなわち、各部の動作設定時の動作)」との間、又は、「運用開始前の動作2(すなわち、各部の動作設定時の動作)」と「運用開始前の動作3(すなわち、各部の動作検証時の動作)」との間で、以下の「センサ間の搬送時間に基づく走行精度検証動作」を行う点で相違する。ここでは、ATM1Bの「センサ間の搬送時間に基づく走行精度検証動作」について説明し、実施形態1に係るATM1と同様の動作については、詳細な説明を省略する。
(センサ間の搬送時間に基づく走行精度検証動作)
ATM1Bは、「運用開始前の動作1(すなわち、受渡ユニット50の設置作業時の動作)」と「運用開始前の動作2(すなわち、各部の動作設定時の動作)」との間、又は、「運用開始前の動作2(すなわち、各部の動作設定時の動作)」と「運用開始前の動作3(すなわち、各部の動作検証時の動作)」との間で、以下の動作を行う。
ここでは、ATM1Bは、事前に、厚みT49の値が不定な場合のパラメータを含む、様々な厚みT49の値に対応する搬送時間情報3dが格納部3に格納されているものとして説明する。また、ここでは、受渡ユニット50が設置されており、受渡ユニット設置情報が設定情報2aとして登録されているものとして説明する。
ATM1Bは、搬送制御部2aが、筐体49の厚みT49の値を不定とし、厚みT49の値が不定な場合のパラメータを用いて、搬送機構37,47,57の動作を制御する。これにより、ATM1Bは、紙幣Pの搬送を開始する。ここでは、ATM1Bは、1枚の紙幣Pを紙幣入出金部31から該当金種のカセット41に向けて搬送するものとして説明する。
その際に、紙幣Pが、センサ間(第1搬送センサSN1と第2搬送センサSN2との間の区間)を走行する。このとき、搬送時間計測部2eが、センサ間の搬送時間を計測する。そして、搬送時間比較部2fが、格納部3に予め格納された搬送時間情報3dを参照して、搬送時間計測部2eによって計測されたセンサ間の搬送時間に対応する筐体49の厚みT49を特定する。
搬送時間比較部2fは、特定された筐体49の厚みT49を筐体厚み設定部2dに通知する。筐体厚み設定部2dは、通知された筐体49の厚みT49を、筐体49の仮の厚みT49とし、その値を表す仮の筐体厚み情報3bを格納部3に一時的に格納する。
この後、ATM1Bは、搬送制御部2aが、仮の筐体厚み情報3bを参照して、筐体49の仮の厚みT49の値を特定し、また、設定情報3aを参照して、受渡ユニット50の設置の有無状態を特定する。ここでは、受渡ユニット設置情報が設定情報2aとして登録されているため、受渡ユニット50の設置の有無状態は、受渡ユニット50の設置が「有り」の状態になる。そして、搬送制御部2aは、動作パラメータ情報3cに基づいて、特定された筐体49の仮の厚みT49の値及び受渡ユニット50の設置の有無状態に対応する該当パタンのパラメータを選択し、選択されたパタンのパラメータを用いて、搬送機構37,47,57の動作を制御する。これにより、ATM1Bは、2枚目以降の紙幣Pの搬送を開始して、引き続き、センサ間の搬送時間を計測する。
なお、筐体49の仮の厚みT49が設計値と異なる場合は、受渡搬送路56の搬送精度が悪いことを意味する。そのため、走行精度検証の終了時に、ATM1Bは、筐体49の仮の厚みT49を設置作業者に通知することが好ましい。そこで、本実施形態2では、通知部2gが、走行精度検証の終了時に、筐体49の仮の厚みT49を設置作業者に通知する。設置作業者は、通知された筐体49の仮の厚みT49と設計値とを比較することにより、事前に、受渡搬送路56の走行精度を確認することができる。
なお、この「センサ間の搬送時間に基づく走行精度検証動作」で、紙幣Pのセンサ間の搬送時間を計測する場合に、ATM1Bは、適切な搬送速度で紙幣Pを搬送する必要がある。「適切な搬送速度」は、通常の運用時の搬送速度とは異なる、高い計測精度を得ることができる速度である。計測精度は、一般的に、速度を下げることによって向上させることができるが、下げすぎても、アクチュエータの特性(振動が大きくなったり、共振が発生する等)によって低下する。そのため、計測精度を向上させるには、「適切な搬送速度」が存在する。ATM1Bは、適切な搬送速度を事前に求めておき、紙幣Pのセンサ間の搬送時間の計測時に、適切な搬送速度で紙幣Pを搬送することによって、センサ間の搬送時間を計測する。
また、ATM1Bは、紙幣Pのセンサ間の搬送時間を計測する場合にだけ、紙幣Pの搬送速度を落とすようにしてもよい。これにより、ATM1Bは、紙幣Pの搬送でのもたつきや引っ掛かり等の影響を受け難くなり、紙幣Pの搬送時間の計測精度を向上させることができる。
また、ATM1Bは、紙幣Pのセンサ間の搬送時間を計測する場合に、1枚の紙幣Pの搬送時間を計測するだけでは、紙幣Pの搬送時間の計測精度に誤差が生じる可能性がある。そのため、好ましくは、複数枚を連続して搬送して、各紙幣Pの搬送時間を計測し、その平均値を算出するとよい。これにより、ATM1Bは、紙幣Pの搬送でのもたつきや引っ掛かり等の影響を受け難くなり、紙幣Pの搬送時間の計測精度を向上させることができる。
なお、ATM1Bは、以下の要因により、「センサ間の搬送時間に基づく走行精度検証動作」時に、筐体49の厚みT49を誤検知する可能性がある。そのため、ATM1Bは、以下の解決手段を講じることにより、誤検知を回避するとよい。
(要因1)
運用媒体の中には、状態が悪い(破れ、折れ、汚れ等がある)紙幣Pが含まれている。紙幣Pは、状態が悪い(破れ、折れ、汚れ等がある)と、検知される搬送時間や媒体幅が狂う。これにより、ATM1Bは、「センサ間の搬送時間に基づく走行精度検証動作」時に、筐体49の厚みT49を誤って検知する可能性がある。
(解決手段)
運用媒体は、状態がよい(破れ、折れ、汚れ等がない)紙幣Pであるほど、搬送時間や検知される媒体幅が理論値と一致し易くなる。そのため、運用媒体は、状態がよい紙幣Pを用いるとよい。なお、ATM1Bは、好ましくは、その綺麗な紙幣Pを、平らな搬送路36,47,57で搬送して、その搬送時間を計測するとよい。
(要因2)
ATM1Bは、搬送中の紙幣Pにスキューやもたつき等の紙幣Pの搬送エラーがあると、検知される搬送時間が狂う。これにより、ATM1Bは、「センサ間の搬送時間に基づく走行精度検証動作」時に、筐体49の厚みT49を誤って検知する可能性がある。
(解決手段)
ATM1Bは、左右に設けられた搬送センサSN1,SN2や残留センサSNRの検知タイミングに基づいて、スキューやもたつき等を検知するとよい。具体的には、第1搬送センサSN1及び第2搬送センサSN2は、それぞれ、左右(L及びR)に設けられている。そのため、ATM1Bは、第1搬送センサSN1(L)と第2搬送センサSN2(L)との間の搬送時間及び第1搬送センサSN1(R)と第2搬送センサSN2(R)との間の搬送時間を測定し、これによって、左右の測定時間が著しく異なる場合に、スキューやもたつき等があったものとして、これを検知するとよい。
(要因3)
ATM1Bは、凸凹が搬送路36,47,57にあると、検知される搬送時間や媒体幅が狂う。これにより、ATM1Bは、「センサ間の搬送時間に基づく走行精度検証動作」時に、筐体49の厚みT49を誤って検知する可能性がある。
(解決手段)
搬送路36,47,57は、平らな形状にするとよい。これにより、ATM1Bは、紙幣Pを安定して搬送することができるため、搬送エラーが発生し難くなるとともに、媒体幅の短い紙幣Pを折れた紙幣Pとして検知したり、又は、媒体幅の長い紙幣Pを重走している複数枚の紙幣Pとして検知したりすることができる。
(要因4)
ATM1Bは、第1ユニット30、受渡ユニット50、及び、第2ユニット40が、異なるユニットとして、別体に分離して構成されており、また、第1搬送センサSN1及び第2搬送センサSN2は、異なるユニットに跨って設けられている。そのため、ATM1Bは、第1搬送路36と受渡搬送路56との位置合わせ及び受渡搬送路56と第2搬送路46との位置合わせのいずれか一方又は双方がずれた場合に、搬送性能が低下するとともに、それを検知することができない。これにより、ATM1Bは、「センサ間の搬送時間に基づく走行精度検証動作」時に、筐体49の厚みT49を誤って検知する可能性がある。
(解決手段)
ATM1Bは、第1搬送路36と受渡搬送路56との位置合わせ及び受渡搬送路56と第2搬送路46との位置合わせが一致した状態にするとよい。これにより、ATM1Bは、筐体49の厚みT49を誤検知し難くなる。
また、受渡搬送路57の長さ(筐体49の厚みT49)は、数十mm刻みにするとよい。これにより、ATM1Bは、数十mm刻みの受渡搬送路57の長さに対応して、紙幣Pの搬送時間や媒体幅を検出するので、筐体49の厚みT49を誤検知し難くなる。
なお、ATM1Bは、好ましくは、残留センサSNRのコネクタCNの接続作業及び受渡ユニット50の設置登録作業がともに漏れた場合や、受渡ユニット50の設置登録作業が適切でない場合に、以下のように動作するとよい。
ATM1Bは、搬送制御部2aが、初期値として与えられたパラメータで、搬送機構37,47,57を稼動して、紙幣Pを搬送させる。
すると、搬送時間計測部2eは、紙幣Pがセンサ間を走行する度に、センサ間の搬送時間を計測し、計測されたセンサ間の搬送時間を搬送時間比較部2fに通知する。
搬送時間比較部2fは、搬送時間計測部2eによって計測されたセンサ間の搬送時間と格納部3に予め格納された搬送時間情報3dとを比較して、計測された紙幣Pの搬送時間が予め定められた搬送時間情報3d以上になっているか否かを判定し、判定結果を搬送制御部2aに通知する。
この後、搬送制御部2aは、搬送時間比較部2fから通知された判定結果で、計測された紙幣Pの搬送時間が予め定められた搬送時間情報3d以上になっている場合に、ATM1Bの現在状態を受渡ユニット50の設置状態と見なす。そして、搬送制御部2aは、格納部3に格納された設定情報2aがATM1Bの現在状態を受渡ユニット50の未設置状態として登録されている場合に、ATM1Bの現在状態を受渡ユニット50の設置状態とする仮の設定情報2aを格納部3に一時的に格納する。
以後、搬送制御部2aは、格納部3に一時的に格納された仮の設定情報2aを用いて、「運用開始前の動作3(すなわち、各部の動作検証時の動作)」を行う。すなわち、搬送制御部2aは、「運用開始前の動作3(すなわち、各部の動作検証時の動作)」を行う場合に、第1搬送機構37、第2搬送機構47、及び、受渡搬送機構57に対して、受渡ユニット50の設置状態時の動作制御を行う。
したがって、搬送制御部2aは、コネクタ接続検知部2bが残留センサSNRのセンサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとの接続を検知していない場合であっても、また、受渡ユニット50の設置登録作業が漏れている場合や適切でない場合であっても、搬送時間計測部2eによって計測されたセンサ間の搬送時間が格納部3に予め格納された搬送時間情報3d以上であるときに、ATM1Bの現在状態を受渡ユニット50の設置状態と見なし、第1搬送機構37、第2搬送機構47、及び、受渡搬送機構57に対して、受渡ユニット50の設置状態時の動作制御を行うことができる。
なお、通知部2gは、残留センサSNRのコネクタCNの接続作業が漏れた場合や、受渡ユニット50の設置登録作業が漏れた場合又は適切でない場合にも、アナウンスすべき情報を通知することができる。したがって、ATM1Bは、作業漏れやミス等を自動で検知して設置作業者や保守員に通知することもできる。
以上の通り、本実施形態2に係るATM1Bによれば、実施形態1に係るATM1と同様の効果に加え、事前に、受渡搬送路56の走行精度を確認することができる。
また、ATM1Bによれば、設定情報への受渡ユニット50の設置登録作業や接続検知機能付きコネクタCNの接続作業が漏れても、装置の状態を自動的に判別することができ、装置の状態に最適なパタンのパラメータで装置を制御することができる。
なお、従来の紙幣取扱装置に対して、センサ間の搬送時間に基づいて、受渡搬送機構が開口部に設置されたことを検出する検出機構を設けることが考えられる。しかしながら、仮に、従来の紙幣取扱装置に対して、そのような検出機構を設けることができたとしても、そのような検出機構は、センサ間の走行精度が悪いと、受渡搬送機構の設置を検出することができない。ATM1Bは、そのような検出機構によって、受渡搬送機構57(ここでは、受渡ユニット50)の設置を検出することができる。
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
例えば、ATM1,1Aは、ATM1Bと同様に、左右に設けられた搬送センサSN1,SN2や残留センサSNRの検知タイミングに基づいて、スキューやもたつき等の紙幣Pの搬送エラーを検知するとよい。
また、例えば、紙幣Pの搬送距離は、パルス数で換算することができる。そのため、ATM1,1A,1Bは、第2ユニット40の筐体49の厚みT49を検知する場合に、紙幣Pの搬送時間ではなく、紙幣Pの搬送パルス数を測定するようにしてもよい。この場合に、ATM1,1A,1Bは、測定中の紙幣Pの速度を変更することが可能になる。
また、例えば、実施形態では、紙幣取扱装置1が、紙幣Pを還流して使用する自動取引装置(ATM)として構成されている場合を想定して説明した。しかしながら、本発明は、紙幣還流型の自動取引装置(ATM)に限らず、出金専用のキャッシュディスペンサにも適用することができる。また、本発明は、主に金融機関で用いられている窓口装置や、両替機、主に流通機関で用いられているキャッシュレジスタ等の装置にも適用することができる。
また、例えば、コネクタ接続検知部2b(図4参照)は、残留センサSNRだけでなく、残留センサSNR以外の様々なセンサSN(例えば、搬送センサSN1,SN2や、装置上部のセンサ類SNU、装置下部のセンサ類SNL等)のセンサ側コネクタCNaと装置側コネクタCNbとの接続を検出するようにしてもよい。また、実施形態では、接続検知機能付きコネクタCNの接続作業について例示したが、これ以外に、制御部で接続を検知できるものは適用可能である。
1,1A,1B 紙幣取扱装置(自動取引装置(ATM))
2 制御部
2a 搬送制御部
2b コネクタ接続検知部
2c 紙幣残留検知部
2d 筐体厚み設定部
2e 搬送時間計測部
2f 搬送時間比較部
2g 通知部
3 格納部
3a 設定情報
3b 筐体厚み情報
3c 動作パラメータ情報
3d 搬送時間情報(閾値時間情報)
3e 通知先情報
11 カメラ
12 表示操作部
13 スピーカ
14 カード挿入口
15 紙幣入出金口
20 紙幣ユニット
30 第1ユニット(上部ユニット)
31 紙幣入出金部
32 鑑別部
33 一時保留部
36 搬送路(第1搬送路)
37 搬送機構(第1搬送機構)
40 第2ユニット(下部ユニット)
41(41a〜41f) カセット
46 搬送路(第2搬送路)
47 搬送機構(第2搬送機構)
47a 搬送部
47b 分離集積部
49 筐体(金庫)
49a 開口部
50 受渡ユニット(追加ユニット)
56 搬送路(受渡搬送路)
57 搬送機構(受渡搬送機構)
58 搬送ローラ
59 筐体
67 駆動機構
CN コネクタ
CNa センサ側コネクタ
CNb 装置側コネクタ
G1 ギヤ
G50 ギヤ列
L1,L2 ライン
L49,L50 縦幅
MO(MO50,MOL,MOU) モータ類
P 紙幣
SN(SNL,SNU) センサ類
SN1,SN2 第1,第2搬送センサ
SNR 残留センサ
T49 厚み
T50 高さ
W49,W50 横幅

Claims (11)

  1. 紙幣を取り扱う紙幣取扱装置において、
    前記紙幣を保護する金庫と、
    前記金庫の外部に設けられた第1搬送路と、
    前記金庫の内部に設けられた第2搬送路と
    前記金庫に用いられている板材の厚みを表す厚み情報を格納する格納部とを有し、
    前記金庫は、前記紙幣が通過する1乃至複数の開口部を備えており、
    前記開口部は、前記第1搬送路と前記第2搬送路との間で前記紙幣を受け渡すための受渡搬送機構及び前記紙幣の残留を検知する残留センサを備え、かつ、前記厚み情報に対応する厚みに形成されている受渡ユニットが、内部に着脱自在に設置される
    ことを特徴とする紙幣取扱装置。
  2. 紙幣を取り扱う紙幣取扱装置において、
    前記紙幣を保護する金庫と、
    前記金庫の外部に設けられた第1搬送路と、
    前記金庫の内部に設けられた第2搬送路と、
    記受渡ユニットの前記残留センサのセンサ側コネクタと接続される装置側コネクタと、
    前記センサ側コネクタと前記装置側コネクタとの接続を検知するコネクタ接続検知部と、
    前記第1搬送路に沿って前記紙幣を搬送する第1搬送機構と、
    前記第2搬送路に沿って前記紙幣を搬送する第2搬送機構と、
    前記第1搬送機構、前記第2搬送機構、及び、前記受渡ユニットの前記受渡搬送機構の動作を制御する搬送制御部とを有しており、
    前記金庫は、前記紙幣が通過する1乃至複数の開口部を備えており、
    前記開口部は、前記第1搬送路と前記第2搬送路との間で前記紙幣を受け渡すための受渡搬送機構及び前記紙幣の残留を検知する残留センサを備える受渡ユニットが、内部に着脱自在に設置され、
    前記搬送制御部は、前記コネクタ接続検知部が前記センサ側コネクタと前記装置側コネクタとの接続を検知した場合に、当該紙幣取扱装置の現在状態を前記受渡ユニットの設置状態と見なし、前記第1搬送機構、前記第2搬送機構、及び、前記受渡ユニットの前記受渡搬送機構に対して、前記受渡ユニットの設置状態時の動作制御を行う
    ことを特徴とする紙幣取扱装置。
  3. 請求項2に記載の紙幣取扱装置において、
    さらに、運用開始前に、前記金庫の板材の厚みを表す筐体厚み情報と、前記受渡ユニットの内部での前記紙幣の搬送エラーの発生を検知するための検知用時間を規定する動作パラメータ情報とが格納される格納部を有しており、
    前記搬送制御部は、
    運用開始前に、当該紙幣取扱装置の現在状態を前記受渡ユニットの設置状態と判定した場合に、前記動作パラメータ情報に基づいて、前記筐体厚み情報に対応する前記検知用時間を特定し、
    運用時に、特定された前記検知用時間を用いて前記受渡ユニットの内部での前記紙幣の搬送エラーの発生を監視する
    ことを特徴とする紙幣取扱装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の紙幣取扱装置において、
    さらに、前記金庫の前記開口部を通過する前記紙幣の、予め定められた二地点間の搬送時間を計測する搬送時間計測部と、
    前記搬送時間計測部によって測定された前記紙幣の前記搬送時間と予め定められた閾値時間とを比較する搬送時間比較部とを有しており、
    前記搬送制御部は、前記コネクタ接続検知部が前記センサ側コネクタと前記装置側コネクタとの接続を検知していない場合であっても、前記搬送時間比較部による比較で、前記紙幣の前記搬送時間が前記閾値時間以上である場合に、当該紙幣取扱装置の現在状態を前記受渡ユニットの設置状態と見なし、前記第1搬送機構、前記第2搬送機構、及び、前記受渡ユニットの前記受渡搬送機構に対して、前記受渡ユニットの設置状態時の動作制御を行う
    ことを特徴とする紙幣取扱装置。
  5. 請求項4に記載の紙幣取扱装置において、
    前記搬送制御部は、前記第1搬送機構及び前記第2搬送機構に対して、複数枚の前記紙幣を搬送させ、
    前記搬送時間計測部は、前記金庫の前記開口部を通過する複数枚の前記紙幣の前記搬送時間を計測し、
    前記搬送時間比較部は、前記搬送時間計測部によって計測された複数枚の前記紙幣の前記搬送時間の平均値と前記閾値時間とを比較する
    ことを特徴とする紙幣取扱装置。
  6. 請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の紙幣取扱装置において、
    前記搬送制御部は、前記第1搬送機構、前記第2搬送機構、及び、前記受渡ユニットの前記受渡搬送機構に対して、前記金庫の前記開口部での前記紙幣の搬送時間を計測する場合に、事前に求めた搬送速度で前記紙幣を搬送するように、動作制御を行う
    ことを特徴とする紙幣取扱装置。
  7. 請求項乃至請求項6のいずれか一項に記載の紙幣取扱装置において、
    さらに、当該紙幣取扱装置に対する前記受渡ユニットの設置登録作業の漏れがある場合又は前記センサ側コネクタと前記装置側コネクタとの接続作業の漏れがある場合に、当該紙幣取扱装置の保守員に通知する通知部を有する
    ことを特徴とする紙幣取扱装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の紙幣取扱装置において、
    前記金庫の前記開口部の周囲に設けられ、前記受渡ユニットの前記受渡搬送機構と係合することにより、当該受渡搬送機構に対して駆動力を供給する駆動機構を有する
    ことを特徴とする紙幣取扱装置。
  9. 紙幣取扱装置の内部の金庫に設けられた開口部の内部に設置される受渡ユニットであって、
    前記金庫の外部に設けられた搬送路を第1搬送路とし、前記金庫の内部に設けられた搬送路を第2搬送路とする場合に、当該第1搬送路と当該第2搬送路との間で紙幣を受け渡す受渡搬送路と、
    前記受渡搬送路に沿って前記紙幣を搬送する受渡搬送機構と、
    前記受渡搬送路での前記紙幣の残留を検知する残留センサと、
    前記受渡搬送路、前記受渡搬送機構、及び、前記残留センサを内蔵するとともに、前記紙幣取扱装置の前記開口部に対して着脱自在な寸法であって、かつ、前記紙幣取扱装置に設けられた格納部に格納されている前記金庫に用いられている板材の厚みを表す厚み情報に対応する厚みに形成されている筐体とを有する
    ことを特徴とする受渡ユニット。
  10. 請求項9に記載の受渡ユニットにおいて、
    前記受渡搬送機構は、前記紙幣取扱装置に設けられた駆動機構と係合することにより駆動力を得て、前記紙幣を搬送する
    ことを特徴とする受渡ユニット。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の受渡ユニットにおいて、
    前記残留センサのセンサ側コネクタは、
    当該残留センサによる前記紙幣の検出信号を、前記紙幣取扱装置に設けられた、前記受渡搬送路での前記紙幣の残留を検知する紙幣残留検知部に出力する第1ラインと、
    当該装置側コネクタと前記紙幣取扱装置に設けられた装置側コネクタとが接続された場合に、接続検知用の電流を、前記紙幣取扱装置に設けられた、当該センサ側コネクタと当該装置側コネクタとの接続を検知するコネクタ接続検知部に流す第2ラインとを備えている
    ことを特徴とする受渡ユニット。
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