JP5633110B2 - 印刷装置、ディザマスク及び印刷方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のノズルを所定のピッチで副走査方向に並べたノズル列を備えた印刷ヘッドを印刷媒体に対して主走査及び副走査方向に相対移動させながら、ノズル列からインクを吐出して印刷を行う印刷技術に関する。
近年、印刷ヘッドを印刷媒体に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動させながら、インクを吐出して印刷を行うシリアル式インクジェットプリンタが普及している(例えば、下記特許文献1)。シリアル式インクジェットプリンタでは、インターレース走査を行うことにより、バンディングによる印刷画質の低下を抑制することが一般的となっている。
特開2000−52543号公報
しかしながら、インターレース走査を行っても、所定の主走査によって形成されるドットと、別の主走査によって形成されるドットとの副走査方向でのつなぎ目の発生は避けられない。かかるつなぎ目では、ドットの形成タイミングの違いによりインクのにじみ易さが変化することに起因して濃度ムラが発生し、印刷画質を低下させることが問題となっていた。
上述の問題を踏まえ、本発明が解決しようとする課題は、シリアル式インクジェットプリンタにおいて、ドット形成タイミングの違いから生じる濃度ムラによる印刷画質の低下を抑制することである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[形態1]
印刷ヘッドを印刷媒体に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動させながら印刷を行う印刷装置であって、
前記印刷ヘッドに設けられ、インクを吐出する複数のノズルを前記副走査方向に配列したノズル列と、
複数の閾値からなるディザマスクの各閾値と画像を構成する画像データとを比較することにより、ハーフトーン処理を行うハーフトーン処理部と、
前記ハーフトーン処理後のデータを、1回の主走査単位で印画するドットデータに並び替えるインターレース処理を行うインターレース処理部と、
前記インターレース処理を行った後に、前記インターレース処理の結果を用いて、前記ノズル列の各ノズルからのインクの吐出を制御して印刷を行う印刷部と
を備え、
前記印刷媒体上の各位置のドットを前記複数のノズルのうちのいずれのノズルで形成するかを示すノズルパターンの繰返しの最小単位における各位置と、該各位置に適用される前記ディザマスクの各々の閾値の値との対応関係は一定に定まっており、
前記ディザマスクは、所定の範囲のインクデューティの印刷領域において、
前記ノズル列の両端に配置されたノズル、または、前記ノズル列の両端に配置されたノズルとして働くノズルである最先端ノズルの少なくとも一方を含み、該少なくとも一方の最先端ノズルから所定幅の間に配置された先端ノズルがインクを吐出する割合である先端ノズル使用率が、前記複数のノズルから前記先端ノズルを除いた中間ノズルがインクを吐出する割合である中間ノズル使用率よりも小さくなるように、前記複数の閾値が設定された、印刷装置。
この形態によれば、ノズルパターンの繰返しの最小単位における各位置と、各位置に適用されるディザマスクの各々の閾値の値との対応関係が一定に定まっているので、ノズル単位で、ドットの形成のされやすさを制御することができる。ここで、当該ディザマスクは、所定範囲のインクデューティにおいて、先端ノズル使用率が中間ノズル使用率よりも小さくなるように閾値が設定されているので、濃度ムラが発生する、最先端ノズルによってドットが形成されるドット形成位置の周辺部の先端ドット形成位置では、ドットが形成されにくくなる。したがって、最先端ノズルによってドットが形成されるドット形成位置の周辺部において、形成タイミングが異なるドット間の距離を長くすることができ、あるいは、形成タイミングが変化するドットの数を減らすことができ、その結果、濃度ムラを目立たなくし、印刷画質の低下を抑制することができる。また、ディザマスクの構成に配慮するだけでよいので、特別な装置が必要なく、汎用性が高い。
また、本発明は、形態2のディザマスク、形態3の印刷方法としても実現することができる。
[形態2]
複数の閾値からなり、印刷ヘッドを印刷媒体に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動させながら印刷を行うためのハーフトーン処理に用いるディザマスクであって、
前記印刷媒体上の各位置のドットを、前記印刷ヘッドに前記副走査方向に配列して設けられ、インクを吐出する複数のノズルのうちのいずれのノズルで形成するかを示すノズルパターンの繰返しの最小単位における各位置と、該各位置に適用される前記ディザマスクの各々の閾値の値との対応関係が一定に定まり、
前記印刷は、前記ハーフトーン処理後のデータを1回の主走査単位で印画するドットデータに並び替えるインターレース処理を行った後に、前記インターレース処理の結果を用いて、前記ノズル列の各ノズルからインクを吐出することで行われ、
所定の範囲のインクデューティの印刷領域において、前記印刷ヘッドに設けられ、インクを吐出する複数のノズルを前記副走査方向に配列したノズル列の両端に配置されたノズル、または、前記ノズル列の両端に配置されたノズルとして働くノズルである最先端ノズルの少なくとも一方を含み、該少なくとも一方の最先端ノズルから所定幅の間に配置された先端ノズルがインクを吐出する割合である先端ノズル使用率が、前記複数のノズルから前記先端ノズルを除いた中間ノズルがインクを吐出する割合である中間ノズル使用率よりも小さくなるように、前記複数の閾値が設定された、ディザマスク。
[形態3]
印刷ヘッドを印刷媒体に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動させながら、前記印刷ヘッドに設けられ、インクを吐出する複数のノズルを前記副走査方向に配列したノズル列の各ノズルからのインクの吐出を制御して印刷を行う印刷装置を用いて印刷を行う方法であって、
(a)複数の閾値からなるディザマスクの各閾値と画像を構成する画像データとを比較することにより、ハーフトーン処理を行う工程と、
(b)前記ハーフトーン処理後のデータを、1回の主走査単位で印画するドットデータに並び替えるインターレース処理を行う工程と、
(c)前記インターレース処理を行った後に、前記インターレース処理の結果を用いて、前記ノズル列の各ノズルからのインクの吐出を制御して印刷を行う工程と、を備え、
前記印刷媒体上の各位置のドットを前記複数のノズルのうちのいずれのノズルで形成するかを示すノズルパターンの繰返しの最小単位における各位置と、該各位置に適用される前記ディザマスクの各々の閾値の値との対応関係は一定に定まっており、
前記ディザマスクは、所定の範囲のインクデューティの印刷領域において、
前記ノズル列の両端に配置されたノズル、または、前記ノズル列の両端に配置されたノズルとして働くノズルである最先端ノズルの少なくとも一方を含み、該少なくとも一方の最先端ノズルから所定幅の間に配置された先端ノズルがインクを吐出する割合である先端ノズル使用率が、前記複数のノズルから前記先端ノズルを除いた中間ノズルがインクを吐出する割合である中間ノズル使用率よりも小さくなるように、前記複数の閾値が設定された、印刷方法。
[適用例1]印刷ヘッドを印刷媒体に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動させながら印刷を行う印刷装置であって、
前記印刷ヘッドに設けられ、インクを吐出する複数のノズルを前記副走査方向に配列したノズル列と、
複数の閾値からなるディザマスクの各閾値と画像を構成する画像データとを比較することにより、ハーフトーン処理を行うハーフトーン処理部と、
該ハーフトーン処理の結果を用いて、前記ノズル列の各ノズルからのインクの吐出を制御して印刷を行う印刷部と
を備え、
前記印刷媒体上の各位置のドットを前記複数のノズルのうちのいずれのノズルで形成するかを示すノズルパターンの繰返しの最小単位における各位置と、該各位置に適用される前記ディザマスクの各々の閾値の値との対応関係は一定に定まっており、
前記ディザマスクは、所定の範囲のインクデューティの印刷領域において、
前記ノズル列の両端に配置されたノズル、または、前記ノズル列の両端に配置されたノズルとして働くノズルである最先端ノズルの少なくとも一方を含み、該少なくとも一方の最先端ノズルから所定幅の間に配置された先端ノズルがインクを吐出する割合である先端ノズル使用率が、前記複数のノズルから前記先端ノズルを除いた中間ノズルがインクを吐出する割合である中間ノズル使用率よりも小さくなるように、前記複数の閾値が設定された
印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、ノズルパターンの繰返しの最小単位における各位置と、各位置に適用されるディザマスクの各々の閾値の値との対応関係が一定に定まっているので、ノズル単位で、ドットの形成のされやすさを制御することができる。ここで、当該ディザマスクは、所定範囲のインクデューティにおいて、先端ノズル使用率が中間ノズル使用率よりも小さくなるように閾値が設定されているので、濃度ムラが発生する、最先端ノズルによってドットが形成されるドット形成位置の周辺部の先端ドット形成位置では、ドットが形成されにくくなる。したがって、最先端ノズルによってドットが形成されるドット形成位置の周辺部において、形成タイミングが異なるドット間の距離を長くすることができ、あるいは、形成タイミングが変化するドットの数を減らすことができ、その結果、濃度ムラを目立たなくし、印刷画質の低下を抑制することができる。また、ディザマスクの構成に配慮するだけでよいので、特別な装置が必要なく、汎用性が高い。なお、請求項の所定幅とは、幅がゼロである場合を含み、その場合、最先端ノズルは、先端ノズルと同一のものとなる。
[適用例2]先端ノズルの各々のノズル使用率のうち、最先端ノズルのノズル使用率が最も小さい適用例1記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、所定範囲のインクデューティにおいて、濃度ムラが発生する最先端ノズルによってドットが形成されるドット形成位置で、ドットが最も形成されにくくなるので、濃度ムラを効果的に目立たなくすることができる。
[適用例3]先端ノズルの各々のノズル使用率は、最先端ノズルに近い位置に配列されたノズルほど小さい適用例2記載の印刷装置。
かかる印刷装置は、所定範囲のインクデューティにおいて、先端ノズルによってドットが形成されるドット形成位置のうち、最先端ノズルによってドットが形成されるドット形成位置に近いドット形成位置ほど、ドットが形成されにくくなるので、形成タイミングが異なるドットの数を段階的に変化させて、ドットの濃度変化を視覚的に緩やかにし、濃度ムラを目立たなくする効果を高めることができる。
[適用例4]適用例1記載の印刷装置であって、ディザマスクは、先端ノズルによってドットが形成される先端ドット形成位置に適用する、ディザマスクの閾値の少なくとも一部を、該少なくとも一部を除く各々の閾値よりもドット形成の優先順位が低くなるドット抑制閾値として設定した印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、ドット抑制閾値が適用されるドット形成位置においては、他のいずれのドット形成位置よりもドットが形成されにくいので、広範なインクデューティの印刷領域において、適用例1の効果を奏する。
[適用例5]適用例4記載の印刷装置であって、ディザマスクのドット抑制閾値は、先端ドット形成位置に適用する各々の閾値の主走査方向ごとの並びである各々の閾値行のうち、最先端ノズルによりドットが形成される最先端ドット形成位置に適用される最先端閾値行で最も多い印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、広範なインクデューティの印刷領域において、適用例2の効果を奏する。
[適用例6]ディザマスクのドット抑制閾値は、最先端閾値行に近い閾値行ほど多くなる適用例5記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、広範なインクデューティの印刷領域において、適用例3の効果を奏する。
[適用例7]ディザマスクは、副走査方向のサイズが、ノズルパターンの繰返しの最小単位の正整数倍のサイズである適用例1ないし適用例6のいずれか記載の印刷装置。
[適用例8]ディザマスクは、主走査方向のサイズが、ノズルパターンの繰返しの最小単位の正整数倍のサイズである適用例7記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、ノズルパターンの繰り返し単位の正整数倍のサイズのディザマスクを用いてハーフトーン処理を行うので、容易に、ノズルパターンの繰返しの最小単位における各位置と、当該各位置に適用されるディザマスクの各々の閾値の値との対応関係を一定に定めることができる。
また、本発明は、適用例9のディザマスク、適用例10の印刷方法としても実現することができる。
[適用例9]複数の閾値からなり、印刷ヘッドを印刷媒体に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動させながら印刷を行うためのハーフトーン処理に用いるディザマスクであって、印刷媒体上の各位置のドットを、印刷ヘッドに副走査方向に配列して設けられ、インクを吐出する複数のノズルのうちのいずれのノズルで形成するかを示すノズルパターンの繰返しの最小単位における各位置と、各位置に適用されるディザマスクの各々の閾値の値との対応関係が一定に定まり、印刷ヘッドに設けられ、インクを吐出する複数のノズルを副走査方向に配列したノズル列の両端に配置されたノズル、または、前記ノズル列の両端に配置されたノズルとして働くノズルである最先端ノズルの少なくとも一方から所定幅の間に配置された先端ノズルによってドットが形成される先端ドット形成位置に適用する、ディザマスクの閾値の少なくとも一部を、少なくとも一部を除く各々の閾値よりもドット形成の優先順位が低くなるドット抑制閾値として設定したディザマスク。
[適用例10]印刷ヘッドを印刷媒体に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動させながら、印刷ヘッドに設けられ、インクを吐出する複数のノズルを副走査方向に配列したノズル列の各ノズルからのインクの吐出を制御して印刷を行う印刷装置を用いて印刷を行う方法であって、所定の範囲のインクデューティの印刷領域において、ノズル列の両端に配置されたノズル、または、前記ノズル列の両端に配置されたノズルとして働くノズルである最先端ノズルの少なくとも一方を含み、少なくとも一方の最先端ノズルから所定幅の間に配置された先端ノズルがインクを吐出する割合である先端ノズル使用率が、複数のノズルから先端ノズルを除いた中間ノズルがインクを吐出する割合である中間ノズル使用率よりも小さくなるように、インクの吐出を制御して印刷を行う印刷方法。
A.実施例:
本発明の実施例について説明する。
A−1.装置構成:
図1は、本発明の実施例としてのプリンタ20の概略構成図である。プリンタ20は、シリアル式インクジェットプリンタであり、図示するように、プリンタ20は、紙送りモータ74によって印刷媒体Pを搬送する機構と、キャリッジモータ70によってキャリッジ80をプラテン75の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ80に搭載された印刷ヘッド90を駆動してインクの吐出及びドット形成を行う機構と、これらの紙送りモータ74,キャリッジモータ70,印刷ヘッド90及び操作パネル99との信号のやり取りを司る制御ユニット30とから構成されている。
キャリッジ80をプラテン75の軸方向に往復動させる機構は、プラテン75の軸と並行に架設され、キャリッジ80を摺動可能に保持する摺動軸73と、キャリッジモータ70との間に無端の駆動ベルト71を張設するプーリ72等から構成されている。
キャリッジ80には、カラーインクとして、シアンインクC、マゼンタインクM、イエロインクY、ブラックインクK、ライトシアンインクLc、ライトマゼンタインクLmをそれぞれ収容したカラーインク用のインクカートリッジ82〜87が搭載される。キャリッジ80の下部の印刷ヘッド90には、上述の各色のカラーインクに対応するノズル列が形成されている。キャリッジ80にこれらのインクカートリッジ82〜87を上方から装着すると、各カートリッジから印刷ヘッド90へのインクの供給が可能となる。
制御ユニット30は、CPU40や、ROM51、RAM52、EEPROM60がバスで相互に接続されて構成されている。制御ユニット30は、ROM51やEEPROM60に記憶されたプログラムをRAM52に展開し、実行することにより、プリンタ20の動作全般を制御するほか、ハーフトーン処理部41、印刷部42としても機能する。この機能部の詳細については後述する。
EEPROM60には、ディザマスク62が記憶されている。ディザマスク62は、組織的ディザ法によるハーフトーン処理に用いるものであり、本実施例では、いわゆるブルーノイズ特性を備えている。
制御ユニット30には、メモリカードスロット98が接続されており、メモリカードスロット98に挿入したメモリカードMCから画像データORGを読み込んで入力することができる。本実施例においては、メモリカードMCから入力する画像データORGは、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3色の色成分からなるデータである。
以上のようなハードウェア構成を有するプリンタ20は、キャリッジモータ70を駆動することによって、印刷ヘッド90を印刷媒体Pに対して主走査方向に往復動させ、また、紙送りモータ74を駆動することによって、印刷媒体Pを副走査方向に移動させる。制御ユニット30は、キャリッジ80が往復動する動き(主走査)や、印刷媒体の紙送りの動き(副走査)に合わせて、印刷データに基づいて適切なタイミングでノズルを駆動することにより、印刷媒体P上の適切な位置に適切な色のインクドットを形成する。こうすることによって、プリンタ20は、印刷媒体P上にメモリカードMCから入力したカラー画像を印刷することが可能となっている。
上述の印刷ヘッド90の詳細を図2に示す。本図は、印刷ヘッド90の底面(印刷媒体Pと対向する面)を概略的に示している。図示するように、印刷ヘッド90は、副走査方向に複数のノズルが並んで形成されたノズル列92〜97を備えている。本実施例では、各ノズル列は、ノズルピッチKで配列された30個のノズルから形成されている。30個のノズルから形成されている。これらのノズル列92〜97は、キャリッジ80に装着されるカートリッジのインク色に対応しており、それぞれシアンインクC、マゼンタインクM、イエロインクY、ブラックインクK、ライトシアンインクLc、ライトマゼンタインクLmを吐出するものである。なお、本実施例では、各インク色に対応するノズル列は、ノズルが1列に並んで構成されるが、1つのノズル列におけるノズルの配置は、特に限定するものではなく、例えば、1つのインク色に対して、ノズルが複数列に並んでいてもよいし、更に、かかる複数列のノズルが千鳥状となるように構成されてもよい。
A−2.印刷処理:
プリンタ20における印刷処理について説明する。図3は、本実施形態における印刷処理のフローチャートである。ここでの印刷処理は、ユーザが操作パネル99等を用いて、メモリカードMCに記憶された所定の画像の印刷指示操作を行うことで開始される。印刷処理を開始すると、CPU40は、まず、メモリカードスロット98を介してメモリカードMCから印刷対象であるRGB形式の画像データORGを読み込んで入力する(ステップS110)。
画像データORGを入力すると、CPU40は、EEPROM60に記憶されたルックアップテーブル(図示せず)を参照して、画像データORGについて、RGB形式をCMYKLcLm形式に色変換する(ステップS120)。
色変換処理を行うと、CPU40は、ハーフトーン処理部41の処理として、組織的ディザ法により、ディザマスク62を用いて、画像データを各色のドットのON/OFFデータに変換するハーフトーン処理を行う(ステップS130)。組織的ディザ法については、周知の技術なので詳しい説明は省略するが、要するに、着目画素の階調データに対応する記録率と、その着目画素の位置に対応するディザマスク内の閾値とを比較し、記録率の方が大きければ、その画素にドットを形成するとし、記録率の方が小さければドットを形成しないと判断するのである。ここで用いるディザマスク62の詳細については、後述する。なお、ハーフトーン処理は、ドットのON/OFFの2値化処理に限らず、大ドット及び小ドットのON/OFFなど、多値化処理であってもよい。
ハーフトーン処理を行うと、CPU40は、プリンタ20のノズル配置や紙送り量などに合わせて、1回の主走査単位で印画するドットパターンデータに並び替えるインターレース処理を行う(ステップS140)。インターレース処理を行うと、CPU40は、印刷部42の処理として、印刷ヘッド90、キャリッジモータ70、モータ74等を駆動させて、印刷を実行する(ステップS150)。
A−3.ノズルパターンの特性:
本実施例のプリンタ20は、印刷媒体P上の各位置のドットを印刷ヘッド90が備える複数のノズルのうちのいずれのノズルで形成するかを示すノズルパターンに周期性が現れる。以下、かかる周期性について説明する。
本実施例において、上述の印刷処理では、印刷ヘッド90等の駆動制御の態様として、オーバラップ数を「2」、ノズルピッチを「2」、紙送り量を「15」とし、印刷ヘッド90の往動時と復動時の両方でインクを吐出する双方向印刷を行うこととした。オーバラップ数とは、主走査方向(横方向)に形成する1本のラスタをドットですべて埋めるために必要な主走査の回数のことをいう。つまり、オーバラップ数が「2」ということは、2回の主走査で、主走査方向の1本のラスタが完成することになる。また、ノズルピッチとは、副走査方向に隣り合うノズルの中心間のドット数であり、隣り合う2つのノズル間に存在するラスタ(ドット)の数に値1を加えた数のことをいう。本実施例では、ノズルピッチを「2」としたため、1回の印刷ヘッド90の主走査で1ラスタおきにドットが形成されることになる。また、紙送り量とは、1回の主走査につき、印刷ヘッド90が副走査方向に搬送される量(ラスタ数)のことをいう。本実施例では、紙送り量は「15」、つまり、奇数の紙送り量であるため、1ラスタおきに先行して形成されたドットの隙間に、次の主走査で新たなドットが形成されていくことになる。
図4及び図5は、プリンタ20によってドットが形成される様子を示す図である。図4及び図5は、連続する図であるが、紙面の都合上、図4と図5とに2分割して示している。ここでは、ノズル列92によってドットが形成される様子を代表的に説明するが、他のノズル列も同様である。図4(a),図5(a)には、ノズル列92が、主走査の度に副走査方向に移動していく様子を示している。各ノズルは、説明の便宜上、0から29番目までの番号で表示している。本願では、ノズル列の両端に配置されたノズル、すなわち、ノズル番号が0番と29番のノズルを最先端ノズルという。図示するように、本実施例では、紙送り量を「15」にしたため、印刷ヘッド90は、主走査毎に、15ラスタ分、副走査方向に移動している。また、図示するノズル位置(主走査方向)は、相対的に何回目の主走査であるかを示す主走査番号(図4(a)上部の表を参照)の位置に対応している。例えば、最も左側に図示したノズル列の位置は、主走査番号「−3」に対応している。なお、主走査番号は、図示する4回目の主走査を基準(0回目の主走査)として、相対的な番号で表している。
図4(b),図5(b)は、印刷媒体上に形成される各ドットが、何回目の主走査で形成されるかを主走査番号で表示している。図4(b),図5(b)に示す各格子は、各ラスタにおける奇数番目及び偶数番目のドットを表しており、その格子内の数値が図4(a),図5(a)の上部に示した主走査番号に対応している。つまり、図4(b),図5(b)によれば、最も上部のラスタは、奇数番目のドットが0回目の主走査で形成され、偶数番目のドットが−2回目の主走査で形成されていることがわかる。
図4(b),図5(b)に示すように、本実施例では、2×2の局所的な領域(以下、局所領域という)に注目すると、主走査番号は、最も上部の2つのラスタでは、左上、左下、右上、右下の順に「0」、「−1」、「−2」、「−3」である。すなわち、この局所領域においては、右下、右上、左下、左上の順で各ドットが埋められている。この順序のことを、「埋め順」という。局所領域のサイズは、横方向(主走査方向)がオーバラップ数(本実施例では「2」)に一致し、縦方向(副走査方向)がノズルピッチ(本実施例では「2」)に一致している。図4(b),図5(b)では、各格子は、局所領域ごとに実線で区切って表示している。埋め順は、印刷ヘッド90が副走査方向に移動される毎(つまり主走査が行われる毎)に、最先端ノズル(ノズル番号0,29)によってドットが形成されるドット形成位置で変化していく性質を有しており、本実施例では、この埋め順が4回変化すると、元の埋め順に戻る。この埋め順の繰り返し単位数は、ノズルピッチとオーバラップ数との積となる。なお、図4(b),図5(b)では、埋め順が変化する位置の主走査番号を反転表示している。このような埋め順の設定は、上述した印刷処理のステップS140で行われる。
図4(c),図5(c)は、印刷媒体上の各位置のドットを、いずれのノズルによって形成するかを示すノズルパターンを表している。各格子内の数値が、図4(a),図5(a)に示したノズル番号に対応している。また、説明の便宜上、図の上端には、ドット列番号、左端にはドット行番号を表示している。この図4(c),図5(c)と図4(b),図5(b)とを併せて見れば、図中、最も上部のラスタのうち、奇数番目のドットは、0回目の主走査において0番目のノズルによって形成され、偶数番目のドットは、−2回目の主走査において15番目のノズルによって形成されていることが理解できる。また、2番目のラスタについては、奇数番目のドットは、−1回目の主走査において8番目のノズルによって形成され、偶数番目のドットは、−3回目の主走査において23番目のノズルによって形成されていることが理解できる。
かかるノズルパターンでは、同一ラスタ上(主走査方向)においては、奇数列、偶数列のドット形成位置は、それぞれ同一のノズル番号に対応している。また、副走査方向においては、第1行〜第60行を一つの単位としたノズル番号の繰り返しが生じている。すなわち、プリンタ20のノズルパターンは、第1列〜第2列及び第1行〜第60行からなる繰り返し最小単位RUが、走査方向及び副走査方向に繰り返して構成されるのである。このようなノズルパターンの周期性は、上述した埋め順の繰返しと関連しており、主走査方向では、オーバラップ数を単位として繰返しが生じ、副走査方向では、紙送り量と上述した埋め順の繰返し単位数との積を単位として繰返しが生じる。
また、かかるノズルパターンにおいて、埋め順が切り替わるドット形成位置、すなわち、最先端ノズルでドットが形成されるドット形成位置では、副走査方向において、主走査番号が偶数列または奇数列単位で同時に切り替わることとなる。例えば、第10行、12行及び14行の偶数列は、それぞれノズル番号27,28,29によって−3回目の主走査でドットが形成されるが、第16行、18行、20行の偶数列は、それぞれノズル番号0,1,2によって1回目の主走査でドットが形成される。すなわち、第14行と第16行とでは、全ての偶数列において主走査番号が同時に切り替わるのである。このように、最先端ノズルでドットが形成され、副走査方向において当該ドットを形成する主走査番号が切り替わる位置を、本願では、最先端ドット形成位置ともいう。最先端ドット形成位置は、図4(c),図5(c)では、ハッチングで表示したドット形成位置である。
このように、主走査番号が全ての偶数列または奇数列において同時に切り替わると、主走査番号の違いによりドット着弾位置のずれが発生する可能性が大きい上に、ドットの形成タイミングの違いによりインクのにじみ易さが変化するので、この最先端ドット形成位置間での濃度ムラが目立ち、印刷画質の低下を招くこととなる。
A−4.ディザマスクによるノズルパターン制御:
本発明は、上述したノズルパターン特性に起因する印刷画質の低下を抑制するものであり、その原理を以下に説明する。プリンタ20のハーフトーン処理(図3、ステップS130参照)において用いるディザマスク62の主走査方向及び副走査方向のサイズは、上述したノズルパターンの繰返し最小単位RUの正整数倍となっている。本実施例では、ディザマスク62は、主走査方向には繰返し最小単位RUの6倍、副走査方向には繰返し最小単位RUの1倍、すなわち、第1列〜第12列及び第1行〜第60行のドット形成位置のドットのON/OFFを決定できるサイズとした。
ディザマスク62をこのようなサイズとすることで、容易に、繰返し最小単位RUの各ドット形成位置と、その位置でのドットのON/OFFの判断に適用されるディザマスク62の閾値の値との対応関係を一定に定めることができる。このようにすれば、ノズルパターンは繰返し最小単位RUの周期性を有しているので、ディザマスク62の閾値の値の設定次第で、ノズルごとのドット形成のされやすさを制御することができる。ただし、ディザマスク62のサイズは、ノズルパターンの繰返し最小単位RUの正整数倍に限るものではなく、ディザマスク62が、繰返し最小単位RUの各ドット形成位置と、その位置でのドットのON/OFFの判断に適用されるディザマスク62の閾値の値との対応関係を一定に定めることができるものであればよい。例えば、図4(c),図5(c)に示したノズルパターンのうち、ノズルパターンの繰返し最小単位RUの半分に相当する1行1列から30行2列までのノズルパターンは、31行2列から60行3列までのノズルパターンと同じであるから、各ドット形成位置に対して、ディザマスクを1列分ずつずらして副走査方向に敷き詰めるように適用するのであれば、ディザマスク62の副走査方向のサイズをノズルパターンの繰返し最小単位RUの2分の1のサイズとしてもよい。
かかるサイズのディザマスク62の閾値の特性を図6及び図7を用いて説明する。図6及び図7は、ディザマスク62のサイズに対応するドット形成位置のノズルパターンを示している。ディザマスク62では、図示するドット形成位置のうち、反転表示したノズル番号で示す位置に適用される閾値は、その他の位置に適用される閾値よりも、ドット形成の優先順位が低くなるように、すなわち、閾値が相対的に大きくなるように設定されている。かかる相対的に大きな閾値を本願では、ドット抑制閾値という。
ドット抑制閾値を適用するドット形成位置は、最先端ノズルから所定幅のノズルによってドットが形成されるドット形成位置のうちから設定されている。本願では、かかる最先端ノズルから所定幅のノズルを先端ノズルともいい、先端ノズルによってドットが形成されるドット形成位置を先端ドット形成位置ともいう。本実施例では、最先端ノズル(ノズル番号が0番,29番のノズル)から2ノズル分を所定幅とした。すなわち、先端ノズルは、ノズル番号が0番、1番,2番、29番,28番,27番のノズルである。
また、本実施例のディザマスク62では、最先端ドット形成位置から副走査方向に距離が近い先端ドット形成位置に適用する閾値ほど、ドット抑制閾値として設定される閾値の数が多くなるように、ドット抑制閾値の数を段階的に変化させている。具体的には、例えば、最先端ドット形成位置である第14行の偶数列及び第16行の偶数列に適用される閾値については、ドット抑制閾値の数は6個であり、最先端ドット形成位置から2ラスタ分(1ノズル分)だけ副走査方向に離れた第12行の偶数列及び第18行の偶数列に適用される閾値については、ドット抑制閾値の数は4個であり、最先端ドット形成位置から4ラスタ分(2ノズル分)だけ離れた第10行の偶数列及び第20行の偶数列に適用される閾値については、ドット抑制閾値の数は2個である。図示する他の最先端ドット形成位置についても、ドット抑制閾値を同様の方法で設定しており、ドット抑制閾値の数は合計で96個となっている。
なお、上述したディザマスク62は、以下のようにして作成することができる。まず、ドット抑制閾値が適用されるドット形成位置を除いて、ディザマスクの閾値を最適に配置する。そして、当該ドット形成位置よりもドット形成の優先順位が低くなる閾値(ドット抑制閾値)を用いて、ドット抑制閾値が適用されるドット形成位置について、閾値を最適に配置する。例えば、ディザマスク62の閾値が「1」から「960」までの値をとるとすれば、ドット抑制閾値の数は96個であるから、ドット抑制閾値を除いた「1」から「864」までの864個の閾値を、ドット抑制閾値を設定する位置を除いたドット形成位置のそれぞれに最適に配置し、その後、「865」から「960」までの96個のドット抑制閾値を、ドット抑制閾値を設定するドット形成位置のそれぞれに最適に配置するのである。なお、閾値配置の最適化方法は、種々の方法が知られているので、その説明は省略するが、例えば、各閾値の配置を、所定の粒状性評価値に基づいて、最も小さい閾値から順に決定していく方法を用いることができる。
かかるディザマスク62の特性を、ノズル番号ごとの全てのドット形成位置の数に対する、ドット抑制閾値が適用される位置を除いたドット形成位置の数の割合であるノズル有効率で示せば、図8のようになる。すなわち、先端ノズルとして設定したノズル番号0〜2及び27〜29のノズルは、ノズル列の先端ほど、すなわち、最先端ドット形成位置に対して副走査方向に距離が近い位置にドットを形成するノズルほど、ノズル有効率が低くなる。
かかるディザマスク62を用いて、ハーフトーン処理を行えば、先端ドット形成位置では、最先端ドット形成位置に近づくほどドットが形成されにくくなる。特に、インクデューティが90%(864/960)以下の印刷を行う場合であれば、ドット抑制閾値が適用されるドット形成位置にはドットが全く形成されないので、その効果は顕著となる。なお、図8に示したノズル有効率は、インクデューティが90%時における、各ノズルがインクを吐出する割合であるノズル使用率に等しい。
かかる構成のプリンタ20は、ノズルパターンの繰返し最小単位RUの正整数倍のサイズのディザマスク62を用いて、組織的ディザ法によりハーフトーン処理を行うので、繰返し最小単位RUの各ドット形成位置と、その位置でのドットのON/OFFの判断に適用されるディザマスク62の閾値の値との対応関係を一定に定めることができる。すなわち、ディザマスク62の閾値の値の設定次第で、ノズルごとのドット形成のされやすさを制御することができる。さらに、プリンタ20において、ディザマスク62は、濃度ムラが生じる最先端ドット形成位置の周辺、すなわち、先端ドット形成位置では、最先端ドット形成位置に向かって、ドット抑制閾値の数が多くなるように設定されている。したがって、先端ドット形成位置では、必ず、最先端ドット形成位置に向かって、ドットが徐々に発生しにくくなる。特に、インクデューティが各ノズルのノズル有効率の平均値以下となる場合には、先端ドット形成位置では、必ず、最先端ドット形成位置に向かって、形成されるドットの数が減少していく。したがって、濃度ムラが生じる最先端ドット形成位置の周辺において、ドットの濃度変化を視覚的に緩やかにすることができ、その結果、濃度ムラを目立たなくし、印刷画質の低下を抑制することができる。
なお、このような濃度ムラを目立たなくする印刷処理は、ノズル列の端部に余剰ノズルを設けて、余剰ノズルの使用率を段階的に変化させることでも実現できる。その具体例について図9を用いて説明する。図9(a)に示すノズル列は、図4に示したノズル列と比較して、ノズル番号0側の端部に、更に、ノズル番号−3〜−1の余剰ノズルを備えている。かかる余剰ノズルは、ノズル番号27〜29のノズルの機能を一部代替するノズルである。
余剰ノズルによる代替の例を図9(b)に示す。この例では、第10行,第12行,第14行の偶数列においては、それぞれ、ノズル番号27,28,29でドットの形成が可能であるが、これらのドット形成位置の一部では、ノズル番号−3〜−1の余剰ノズルによりドットを形成させる。図9(b)では、余剰ノズルにドット形成を代替させるドット形成位置には、ノズル番号を反転表示で示している。図示するように、ラスタごとの余剰ノズルの使用率は、第10行から第14行にかけて段階的に増加するように変化させる。こうすれば、1つのラスタに占める、−3回目の主走査で形成されたドットと1回目の主走査で形成されたドットとの割合が、副走査方向において段階的に変化するので、ドットの濃度変化を視覚的に緩やかにして、濃度ムラを目立たなくすることができる。
上述した本発明のプリンタ20は、印刷画質の低下を抑制するにあたり、このような余剰ノズルも必要ないため、装置構成を単純化することができる。また、プリンタ20は、上述したディザマスク62を用いてハーフトーン処理を行うだけで、濃度ムラによる印刷画質の低下を抑制することができるので、製造に際して汎用性が高い。また、ディザマスク62をインストールすれば、既存のシリアル式インクジェットプリンタにも適用することができる。
B.変形例:
上述の実施形態の変形例について説明する。
B−1.変形例1
上述の実施例においては、ディザマスク62の閾値のうち、ドット抑制閾値を適用する先端ドット形成位置にドットを形成する先端ノズルは、最先端ノズルから2ノズル分までのノズルとしたが(図6及び図7参照)、この先端ノズルとして設定する所定幅は、任意に設定すればよく、例えば、0ノズル分でもよく(すなわち、先端ノズルと最先端ノズルは同一)、4ノズル分でもよい。図10では、図4及び図5に示したノズルパターンの一部を用いて、上述の所定幅を4ノズル分とした場合のディザマスク62の特性を示している。この例では、図6及び図7と同様に、ドット抑制閾値が適用されるドット形成位置を、ノズル番号の反転表示で示している。
図示するように、変形例としてのディザマスク62は、最先端ドット形成位置である第14行の偶数列及び第16行の偶数列から、8ラスタ分離れた第6行の偶数列及び第24行の偶数列に向かって、ドット抑制閾値の数が徐々に少なくなるように設定している。これをノズル有効率で示せば、図11のようになり、実施例としての図8の場合と比べ、より緩やかにノズル有効率が変化していることがわかる。
以上のように、先端ノズルとして設定する所定幅を大きくすれば、ノズル有効率の変化をより緩やかにすることができる。したがって、濃度ムラが生じる最先端ドット形成位置の周辺において、ドットの濃度変化を視覚的に緩やかにして、濃度ムラを目立たなくする効果を向上させることができる。
B−2.変形例2:
上述の実施形態においては、上端ノズル(ノズル番号0側のノズル)によるドット形成位置におけるドット抑制閾値設定領域と、下端ノズル(ノズル番号29側のノズル)によるドット形成位置におけるドット抑制閾値設定領域とは、重複しない構成として示したが、両領域は重複するように設定してもよい。図12では、第6行〜第9行及び第21行〜第24行において、上述の両領域が重複する例を示している。こうすれば、ドット抑制閾値を設定する副走査方向の幅を大きくできるので、変形例1と同様に、濃度ムラを目立たなくする効果を向上させることができる。
B−3.変形例3:
上述の実施形態においては、図8や図11に示したように、ノズル列の先端ほど、すなわち、最先端ドット形成位置に近い位置にドットを形成するノズルほど、ノズル有効率が低くなる構成、すなわち、ノズル列先端部に向かってノズル有効率が漸減する構成について示した。このような構成としているのは、ドットの濃度変化を視覚的により緩やかにして、濃度ムラを目立たなくする効果を高めるためである。ただし、ノズル有効率は、必ずしも漸減する必要はなく、ノズル列の先端ほど低くなる傾向を全体として概ね示していればよい。あるいは、ノズル有効率が最先端ノズルで最も低くなる構成であってもよい。例えば、図13に示すように、ノズル番号4とノズル番号0との間で、一部増減が逆転する部分があってもよい。こうしても、濃度ムラが生じる最先端ドット形成位置の周辺において、ドットの濃度変化を視覚的に緩やかにすることができ、その結果、濃度ムラを目立たなくすることができる。
B−4.変形例4:
上述の実施形態においては、先端ノズルについて、ノズル有効率を段階的に変化させる構成について示したが、先端ノズルのノズル有効率は、固定値として設定してもよい。例えば、図14(a)に示すように固定値50%としてもよい。こうしても、先端ドット形成位置において、形成タイミングが変化するドットの数を減らすことによりドットの濃度変化を視覚的に緩和できるので、濃度ムラを目立たなくする効果が期待できる。
あるいは、図14(b)に示すように固定値0%としてもよい。こうした場合には、インクデューティが各ノズルのノズル有効率の平均値以下であれば、濃度変化の境界となるラスタ間の距離を大きくすることができる。例えば、図4を例にとれば、濃度変化の境界となるラスタである第14行と第16行との間の距離は1ラスタ分であるが、図14(b)に示したノズル有効率とすれば、第10,12,14,16,18,22の偶数列には、ドットが形成されないので、濃度変化の境界となるラスタは、第8行と第24行とになり、その離隔距離は15ラスタ分まで大きくなる。したがって、濃度ムラを目立たなくする効果が期待できる。また、インクデューティが各ノズルのノズル有効率の平均値よりも大きくても、インクデューティが100%でなければ、先端ドット形成位置において、形成タイミングが変化するドットの数を減らすことができるので、上述の実施形態と同様の効果を奏する。
B−5.変形例5:
上述の実施形態においては、等間隔の紙送り量で印刷ヘッド90が副走査方向に相対移動するプリンタ20の例を示したが、本発明は、紙送り量を主走査ごとに変化させる(不等間隔紙送りという)プリンタにも適用可能である。図15は、不等間隔紙送りのプリンタ20によってドットが形成される様子を示す図である。ここでは、プリンタ20は、図15(a)に示すように、ノズル列のノズル数を「14」とした。また、プリンタ20は、印刷ヘッド90の駆動制御の態様として、オーバラップ数を「2」、ノズルピッチを「2」、紙送り量を「7→6→7→8」の繰返しとし、印刷ヘッド90の往動時と復動時の両方でインクを吐出する双方向印刷を行うこととした。
図15(b)に示すように、かかるプリンタ20においても、実施例と同様に、印刷ヘッド90が副走査方向に相対移動する毎に、最先端ノズルによってドットが形成されるドット形成位置で埋め順が変化していき、元の埋め順に戻ることとなる。なお、図中では、埋め順が変化する位置の主走査番号を反転表示している。
そして、図15(c)に示すように、第1列〜第2列及び第1行〜第28行からなる繰り返し単位RUによるノズルパターンが確認できる。不等間隔紙送りのプリンタにおけるノズルパターンにも、主走査方向では、オーバラップ数を単位として繰返しが生じ、副走査方向では、紙送り量の平均量と埋め順の繰返し単位数との積を単位として繰返しが生じるのである。したがって、不等間隔紙送りのプリンタであっても、ディザマスク62を上述の実施形態と同様の構成とすれば、同様の効果を奏する。
B−6.変形例6:
上述の実施形態において、ディザマスク62のサイズは、ノズルパターンの繰返し最小単位RUの正整数倍のサイズである旨を説明したが、ディザマスクの主走査方向の幅は、大きいほうが望ましい。主走査方向の幅を大きく取れば、1つのディザマスクが適用されるドット形成位置のうち、主走査方向におけるドット抑制閾値を適用可能なドット形成位置が増加する。例えば、ディザマスク62の主走査方向の幅が2ドット分であれば、先端ノズル列のノズル有効率は、0%と100%としかとり得えないが、副走査方向の幅が4ドット分であれば、先端ノズル列のノズル有効率は、0%,50%,100%とをとり得えることとなる。このように、ノズル有効率の変化をより緩やかにし、濃度ムラを目立たなくする効果を向上させることができるからである。
B−7.変形例7:
上述の実施形態においては、最先端ノズルである上端ノズル(ノズル番号0側のノズル)と下端ノズル(ノズル番号29側のノズル)の両方について、当該両ノズルから所定幅の間に配置された先端ノズルによりドットが形成される先端ドット形成位置について、ドット抑制閾値を適用する構成としたが、最先端ノズルのいずれか一方、すなわち、上端ノズルと下端ノズルのうちいずれか一方について、同様の構成としてもよい。こうしても、濃度ムラを目立たなくすることができる。
B−8.変形例8:
上述の実施形態においては、ディザマスク62の閾値のうち、先端ドット形成位置に適用される一部の閾値を、他のいずれの閾値よりもその値が大きくなるように、すなわち、他のいずれのドット形成位置よりもドットが形成されにくいように設定する構成について示したが、ディザマスク62は、かかる構成に限るものではなく、所定範囲のインクデューティにおいて、先端ノズルがインクを吐出する割合である先端ノズル使用率が、先端ノズルを除くノズルがインクを吐出する割合である中間ノズル使用率よりも小さくなるように設定すればよい。
具体的には、例えば、ディザマスク62の閾値は、中間デューティ(例えば、インクデューティ30%〜70%)の印刷領域においてのみ、先端ノズル使用率が、中間ノズル使用率よりも小さくなるように設定してもよい。ドット形成タイミングの違いにより発生する濃度ムラは、ドット密度が小さく、ドットがまばらな低デューティの印刷領域や、ドット間のにじみが大きくなる高デューティの印刷領域では、比較的目立ちにくく、中間デューティ領域で比較的目立ちやすいからである。
かかるディザマスク62は、例えば、ディザマスク62の各閾値が0〜255までの値をとるとすれば、次のように作成してもよい。まず、値0〜76までの閾値(インクデューティが30%未満に対応)を自由に最適化する。次に、値77〜179までの閾値(インクデューティが30%以上70%未満に対応)を、実施例と同様に、先端ドット形成位置の一部に、値77〜179までの閾値の中で最も大きい部分が適用されるように最適化する。そして、値180以上の閾値(インクデューティが70%以上に対応)については、自由に最適化する。こうしても、濃度ムラが目立ちやすい中間デューティにおいて、実施例と同様の効果を奏することができる。
また、ディザマスク62の閾値は、例えば、各ノズルのノズル使用率が図16に示すノズル使用率となるように設定してもよい。この例では、図示するように、各インクデューティの印刷領域のいずれにおいても、先端ノズル使用率が中間ノズル使用率よりも小さくなるように、ディザマスク62の閾値が設定されている。また、先端ノズル使用率と中間ノズル使用率との差は、インクデューティが50%の時に最大となり、インクデューティが25%、10%と小さくなるにしたがって、また、インクデューティが75%、90%と大きくなるにしたがって、小さくなる。
かかるディザマスク62は、例えば、ディザマスク62の各閾値が0〜255までの値をとるとすれば、次のように作成してもよい。まず、全てのノズルを平等に使用する既存のディザマスクを用意する。次に、既存のディザマスクの各閾値を、当該各閾値がノズルパターンにおけるいずれのノズルに対応するかに応じて、図17に示す特性の閾値変換テーブルを用いて変換する。
図17は、既存のディザマスクの閾値である入力閾値と、ディザマスク62の閾値である出力閾値との対応関係を示している。図17に示すテーブルの変換特性を示す曲線は、例えば、ノズル番号0及び29について見れば、図16では、インクデューティ50%の時にノズル使用率13.89%になるので、図17閾値変換テーブルはその逆、すなわち、入力閾値13.89%の時に出力閾値50%となるように設定されている。また、ノズル番号1及び28について見れば、図16では、インクデューティ50%の時にノズル使用率27.78%になるので、図17閾値変換テーブルはその逆、すなわち、入力閾値27.78%の時に出力閾値50%となるように設定されている。要するに、図17は、インクデューティが10%,25%,50%,75%,90%の時に、全てのノズルの値が等しいノズル使用率が、図16に示したノズル使用率に変換されるように逆算した線形を示している。このようにしても、インクデューティに応じて、すなわち、濃度ムラの目立ちやすさに応じて、濃度ムラを目立たなくし、印刷画質の低下を抑制することができる。
B−9.変形例9:
上述の実施形態においては、各ノズルが均等な数でノズルパターンが形成される例について示したが、このような態様に限るものではなく、例えば、部分オーバラップによりドットを形成する態様であってもよい。部分オーバラップとは、同一のドット形成位置にドットを形成可能な2グループのノズルで、当該ドット形成位置でのドットの形成を分担することをいう。図18及び図19に、部分オーバラップのノズルパターンの第1の具体例を示す。この例では、ノズル列92〜97がノズル番号0〜36の37個のノズルで構成されている点が上述の実施形態(ノズル数30個)と異なる。ノズル番号30〜36のノズルは、本変形例においては、ノズル番号0〜6のノズルと同一のドット形成位置にドットを形成可能であり、当該両者間でドットの形成を分担するため、余剰ノズルともいう。
図18及び図19は、余剰ノズルを備えたプリンタによってドットが形成される様子を示す図である。図18及び図19は、連続する図であるが、紙面の都合上、図18と図19とに2分割して示している。図18(a),図19(a)は、ノズル列92が、主走査の度に副走査方向に移動していく様子を示している。図18(b),図19(b)は、印刷媒体上に形成される各ドットが、何回目の主走査で形成されるかを主走査番号で表示している。図18(b),図19(b)に示す各格子は、左から順に、各ラスタにおけるN,N+1,N+2,N+3(Nは1以上の整数)番目のドットを表している。これらの図については、上述した図4,図5と同様の考え方に基づいているため、詳しい説明は省略する。図18(c),図19(c)は、ノズルパターンを示している。実施例のノズルパターン(図4(c),図5(c)参照)との違いは、ノズル番号0〜6のノズルでドットを形成する位置の半分については、余剰ノズル(ノズル番号30〜36)でドットを形成する点である。図18(c),図19(c)では、余剰ノズルでドットが形成されるドット形成位置をグレー表示で示している。かかるノズルパターンは、繰返しの最小単位RUが、図18(c),図19(c)に示すように、第1列〜第4列及び第1行〜第60行からなる。かかる余剰ノズルを備えたプリンタは、主走査番号が異なるドットのつなぎ目が分散することとなるので、バンディングを目立たなくすることができるからである。
上述のノズルパターンは、第1列及び第2列においては、ノズル番号29のドット形成位置とノズル番号0のドット形成位置との間で主走査番号が切り替わることとなる(例えば、第14行2列と第16行2列)。また、第3列及び第4列においては、ノズル番号36のドット形成位置とノズル番号7のドット形成位置との間で主走査番号が切り替わることとなる(例えば、第13行3列と第15行3列)。このように、列によって、主走査番号が切り替わる位置が異なるのは、第1列及び第2列においては、余剰ノズルでドットを形成しないために、ノズル番号0及び29がノズル列の両端に配置されたノズルとして働き、第3列及び第4列においては、余剰ノズルでドットを形成する(ノズル番号0〜6ではドットを形成しない)ために、ノズル番号7及び36がノズル列の両端に配置されたノズルとして働くからである。
このようなノズルパターンであっても、ノズル列の両端に配置されたノズルとして働くノズルを、実施例の最先端ノズルとして扱って、実施例と同様にドット抑制閾値を設定すれば、実施例と同様の効果を奏することができる。
また、余剰ノズルを用いたノズルパターンの第2の具体例を図20及び図21に示す。この例では、ノズル番号0〜6のノズルとノズル番号30〜36のノズルとの分担率を行によって変化させている。かかるノズルパターンの繰返し最小単位RUは、第1列〜8列及び第1行〜第60行からなる。このように、余剰ノズルを用いたノズルパターンでは、上述の分担率の変化の規則性により、繰返し最小単位RUの主走査方向のサイズが異なる結果となるのである。
また、余剰ノズルを用いたノズルパターンに対しては、部分オーバラップがないものと扱って、ドット抑制閾値を設定してもよい。すなわち、図示したノズルパターンのうち、ノズル番号30〜36をノズル番号0〜6に置き換えて、あるいは、ノズル番号0〜6をノズル番号30〜36に置き換えて、ドット抑制閾値を設定してもよい。換言すれば、実施例で示したディザマスク62をそのまま図18〜図21のノズルパターンのプリンタに使用してもよい。こうしても、ドット抑制閾値を設定しない場合と比べれば、一定程度の効果を得ることができる。
なお、かかる場合には、ディザマスク62の主走査方向のサイズは、必ずしも繰返し最小単位RUの正整数倍としなくてもよい。例えば、図20及び21に示したノズルパターンの繰返し最小単位RUの主走査方向のサイズは8列分であるが、適用するディザマスク62は部分オーバラップを無視した閾値設定とするのであるから、部分オーバラップがない場合のノズルパターンの繰返し最小単位RUの正整数倍(例えば、2列分)としてもよいのである。
B−10.変形例10:
上述の実施形態においては、カラー印刷が可能なプリンタ20としての構成を示したが、モノクロ印刷を行うプリンタであっても、同様の効果を奏することは勿論である。
B−11.変形例11:
上述した実施形態においては、プリンタ20が図2の印刷処理の全てを実行する構成としたが、プリンタ20にコンピュータが接続される場合には、印刷処理の一部を当該コンピュータが実行してもよい。かかる場合、コンピュータとプリンタ20とによって構成される印刷システムは、広義の印刷装置として捉えることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、本発明は、印刷装置としての構成の他、ディザマスク等としても実現することができる。
本発明の実施例としてのプリンタ20の概略構成図である。 印刷ヘッド90のノズル配置を示す説明図である。 プリンタ20による印刷処理のフローチャートである。 プリンタ20によってドットが形成される様子を示す説明図である。 プリンタ20によってドットが形成される様子を示す説明図である。 ディザマスク62の閾値の特性を示す説明図である。 ディザマスク62の閾値の特性を示す説明図である。 ディザマスク62によるノズルごとのノズル有効率を示す説明図である。 余剰ノズルを用いたプリンタのノズルパターンを示す説明図である。 変形例1としてのディザマスク62の閾値の特性を示す説明図である。 変形例1としてのディザマスク62によるノズルごとのノズル有効率を示す説明図である。 変形例2としてのディザマスク62の閾値の特性を示す説明図である。 変形例3としてのディザマスク62によるノズルごとのノズル有効率を示す説明図である。 変形例4としてのディザマスク62によるノズルごとのノズル有効率を示す説明図である。 変形例5としてのプリンタ20によってドットが形成される様子を示す説明図である。 変形例8としてのディザマスク62の閾値の特性を示す説明図である。 変形例8としてのディザマスク62の作成方法を示す説明図である。 変形例9の第1の例としてのノズルパターンを示す説明図である。 変形例9の第1の例としてのノズルパターンを示す説明図である。 変形例9の第2の例としてのノズルパターンを示す説明図である。 変形例9の第2の例としてのノズルパターンを示す説明図である。
20…プリンタ
30…制御ユニット
40…CPU
41…ハーフトーン処理部
42…印刷部
51…ROM
52…RAM
60…EEPROM
62…ディザマスク
70…キャリッジモータ
71…駆動ベルト
72…プーリ
73…摺動軸
74…紙送りモータ
75…プラテン
80…キャリッジ
82〜87…インクカートリッジ
90…印刷ヘッド
92〜97…ノズル列
98…メモリカードスロット
99…操作パネル
P…印刷媒体
MC…メモリカード
RU…繰返し最小単位

Claims (10)

  1. 印刷ヘッドを印刷媒体に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動させながら印刷を行う印刷装置であって、
    前記印刷ヘッドに設けられ、インクを吐出する複数のノズルを前記副走査方向に配列したノズル列と、
    複数の閾値からなるディザマスクの各閾値と画像を構成する画像データとを比較することにより、ハーフトーン処理を行うハーフトーン処理部と、
    前記ハーフトーン処理後のデータを、1回の主走査単位で印画するドットデータに並び替えるインターレース処理を行うインターレース処理部と、
    前記インターレース処理を行った後に、前記インターレース処理の結果を用いて、前記ノズル列の各ノズルからのインクの吐出を制御して印刷を行う印刷部と
    を備え、
    前記印刷媒体上の各位置のドットを前記複数のノズルのうちのいずれのノズルで形成するかを示すノズルパターンの繰返しの最小単位における各位置と、該各位置に適用される前記ディザマスクの各々の閾値の値との対応関係は一定に定まっており、
    前記ディザマスクは、所定の範囲のインクデューティの印刷領域において、
    前記ノズル列の両端に配置されたノズル、または、前記ノズル列の両端に配置されたノズルとして働くノズルである最先端ノズルの少なくとも一方を含み、該少なくとも一方の最先端ノズルから所定幅の間に配置された先端ノズルがインクを吐出する割合である先端ノズル使用率が、前記複数のノズルから前記先端ノズルを除いた中間ノズルがインクを吐出する割合である中間ノズル使用率よりも小さくなるように、前記複数の閾値が設定された
    印刷装置。
  2. 前記先端ノズルの各々のノズル使用率のうち、前記最先端ノズルのノズル使用率が最も小さい請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記先端ノズルの各々のノズル使用率は、前記最先端ノズルに近い位置に配列されたノズルほど小さい請求項2記載の印刷装置。
  4. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記ディザマスクは、前記先端ノズルによってドットが形成される先端ドット形成位置に適用する、前記ディザマスクの閾値の少なくとも一部を、該少なくとも一部を除く各々の閾値よりもドット形成の優先順位が低くなるドット抑制閾値として設定した
    印刷装置。
  5. 請求項4記載の印刷装置であって、
    前記ディザマスクのドット抑制閾値は、前記先端ドット形成位置に適用する各々の閾値の前記主走査方向ごとの並びである各々の閾値行のうち、前記最先端ノズルによりドットが形成される最先端ドット形成位置に適用される最先端閾値行で最も多い
    印刷装置。
  6. 前記ディザマスクのドット抑制閾値は、前記最先端閾値行に近い閾値行ほど多くなる請求項5記載の印刷装置。
  7. 前記ディザマスクは、前記副走査方向のサイズが、前記ノズルパターンの繰返しの最小単位の正整数倍のサイズである請求項1ないし請求項6のいずれか記載の印刷装置。
  8. 前記ディザマスクは、前記主走査方向のサイズが、前記ノズルパターンの繰返しの最小単位の正整数倍のサイズである請求項7記載の印刷装置。
  9. 複数の閾値からなり、印刷ヘッドを印刷媒体に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動させながら印刷を行うためのハーフトーン処理に用いるディザマスクであって、
    前記印刷媒体上の各位置のドットを、前記印刷ヘッドに前記副走査方向に配列して設けられ、インクを吐出する複数のノズルのうちのいずれのノズルで形成するかを示すノズルパターンの繰返しの最小単位における各位置と、該各位置に適用される前記ディザマスクの各々の閾値の値との対応関係が一定に定まり、
    前記印刷は、前記ハーフトーン処理後のデータを1回の主走査単位で印画するドットデータに並び替えるインターレース処理を行った後に、前記インターレース処理の結果を用いて、前記ノズル列の各ノズルからインクを吐出することで行われ、
    所定の範囲のインクデューティの印刷領域において、前記印刷ヘッドに設けられ、インクを吐出する複数のノズルを前記副走査方向に配列したノズル列の両端に配置されたノズル、または、前記ノズル列の両端に配置されたノズルとして働くノズルである最先端ノズルの少なくとも一方を含み、該少なくとも一方の最先端ノズルから所定幅の間に配置された先端ノズルがインクを吐出する割合である先端ノズル使用率が、前記複数のノズルから前記先端ノズルを除いた中間ノズルがインクを吐出する割合である中間ノズル使用率よりも小さくなるように、前記複数の閾値が設定された
    ディザマスク。
  10. 印刷ヘッドを印刷媒体に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動させながら、前記印刷ヘッドに設けられ、インクを吐出する複数のノズルを前記副走査方向に配列したノズル列の各ノズルからのインクの吐出を制御して印刷を行う印刷装置を用いて印刷を行う方法であって、
    (a)複数の閾値からなるディザマスクの各閾値と画像を構成する画像データとを比較することにより、ハーフトーン処理を行う工程と、
    (b)前記ハーフトーン処理後のデータを、1回の主走査単位で印画するドットデータに並び替えるインターレース処理を行う工程と、
    (c)前記インターレース処理を行った後に、前記インターレース処理の結果を用いて、前記ノズル列の各ノズルからのインクの吐出を制御して印刷を行う工程と、を備え、
    前記印刷媒体上の各位置のドットを前記複数のノズルのうちのいずれのノズルで形成するかを示すノズルパターンの繰返しの最小単位における各位置と、該各位置に適用される前記ディザマスクの各々の閾値の値との対応関係は一定に定まっており、
    前記ディザマスクは、所定の範囲のインクデューティの印刷領域において、
    前記ノズル列の両端に配置されたノズル、または、前記ノズル列の両端に配置されたノズルとして働くノズルである最先端ノズルの少なくとも一方を含み、該少なくとも一方の最先端ノズルから所定幅の間に配置された先端ノズルがインクを吐出する割合である先端ノズル使用率が、前記複数のノズルから前記先端ノズルを除いた中間ノズルがインクを吐出する割合である中間ノズル使用率よりも小さくなるように、前記複数の閾値が設定された、
    印刷方法。
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