JP5632530B2 - 偏波角度分割ダイバシチ無線送信機、無線受信機、および無線通信システム - Google Patents
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Description
本発明は、高信頼の無線通信を実現する偏波角度分割ダイバシチ無線送信機、無線受信機、および無線通信システムに関する。
近年、無線通信技術は、放送分野および通信分野で著しい発展を遂げ、無線特有の寸断などの信頼性に係る問題を克服してきた。これにより、無線通信技術は、放送分野や通信分野に比べて高い信頼性が要求される制御分野や計測分野への適用が進んでいる。
特に、制御分野や計測分野においても、社会インフラを構築する機器(以下「社会インフラ系機器」という。)は、放送分野および通信分野の一般民生機器と比べ、通信品質の高信頼性と、通信機器の高信頼性すなわち高寿命化が、特に要求される。社会インフラ機器とは、例えば、図14に示す昇降機システムや、図15に示す変電設備監視システムなどである。
社会インフラ系機器は、一般民生機器と比べて圧倒的に寸法が大きく、かつ金属部材により堅牢に作られている。この社会インフラ機器自体が、電磁波の散乱源となる。よって、社会インフラ系機器に於ける無線通信は、散乱により生じる多重波(マルチパス)が相互に干渉する環境で行われることが多い。このため、多重波(マルチパス)による干渉が発生している環境下で高信頼性の無線通信を実現することが望まれている。
複数の電磁波は、送信点から受信点に到達する距離の差が半波長の奇数倍であるとき、これら複数の電磁波の干渉により、電磁波エネルギーが相殺されゼロとなり、通信不能となる。従来は、複数のアンテナを空間的に半波長離して設置する空間ダイバシチ技術で、この問題に対処してきた。空間ダイバシチ技術とは、ひとつのアンテナが受信する電磁波エネルギーが干渉でゼロになっても、他の半波長離れて設置されたアンテナが受信する電磁波エネルギーは干渉により強めあうことを利用し、どちらかのアンテナで受信を可能とする技術である。
社会インフラ系機器において、無線送信機で生成された電磁波は、社会インフラ機器自体によって反射されて多重波(マルチパス)となり、受信機に向けてあらゆる方向から到来する可能性がある。よって、空間ダイバシチ技術を適用すると、多くのアンテナが必要となる。例えば、平面方向に多重波(マルチパス)が来ると限定したとしても、配列した複数のアンテナを用意する必要がある。隣接するアンテナ間の距離は受信する電磁波の半波長であるから、この社会インフラ機器に装備できる大きさを超えてしまう虞がある。
特許文献1(特開平10−135919号公報)の要約および図3には、無線通信におけるフェージングや雑音の影響を抑止するため、電波の偏波面を回転する技術が開示されている。更に、特許文献1の明細書の段落0006には、「送信側において、電波の偏波面を回転させて送信するための直角に交叉させ送信方向に直角に展張した2対のダイポールアンテナと、これを励振するための2組の平衡変調波出力を有する送信装置とを少くとも具備し、受信側において、到来電波の偏波面の回転を検出して受信する受信装置とより成り、」と記載されている。
特許文献2(特開平2−291731号公報)の184頁右上13行目から左下2行目には、無線通信におけるフェージングの影響を除去して、高品質の信号を送受が行えるようにするため、電波の偏波面を回転する技術が開示されている。特許文献2の192頁左上13行目から右上12行目に記載された応用例6には、偏波面の回転の周波数が搬送波周波数に加算/減算されることにより、小さい(短い)アンテナによる長い波長の送信を行う技術が開示されている。
特許文献1の発明は、電波の送受信において生ずるフェージングや雑音の影響を除去することには有効である。しかし、この発明は、多重波(マルチパス)による干渉が発生している環境下で高信頼性の無線通信を実現することや、送信アンテナや受信アンテナを小さくすることについては、何ら記載されていない。
特許文献2の発明は、無線通信におけるフェージングの影響を除去して、高品質の信号を送受が行えると共に、送信アンテナや受信アンテナを小さくすることについても有効である。しかし、この発明は、多重波(マルチパス)による干渉が発生している環境下で高信頼性の無線通信を実現することについては、何ら記載されていない。
そこで、本発明は、多重波(マルチパス)による干渉が発生している環境下で、小さな送信アンテナや受信アンテナによって高信頼性の無線通信を実現する偏波角度分割ダイバシチ無線送信機、無線受信機、および無線通信システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決し、本発明の目的を達成するために、以下のように構成した。
すなわち、本発明の偏波角度分割ダイバシチ無線送信機は、第1の周波数の情報信号を第2の周波数で変調し、第1の変調信号を出力する第1の変調手段と、前記情報信号を、前記第2の周波数と僅かに異なる第4の周波数で変調し、第4の変調信号を出力する第4の変調手段と、前記第1の変調信号と前記第4の変調信号とを合成して、前記第2の周波数と前記第4の周波数の差によって生じた第3の周波数で更に変調した第1の出力信号を出力する第1の合成手段と、前記第1の変調信号と前記第4の変調信号の反転信号とを合成して、前記第2の周波数と前記第4の周波数の反転信号との差によって生じた前記第3の周波数で更に変調した第2の出力信号を出力する第2の合成手段と、前記第1の出力信号を、第1の偏波で送信する第1の送信アンテナと、前記第2の出力信号を、第2の偏波で送信する第2の送信アンテナとを有することを特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
すなわち、本発明の偏波角度分割ダイバシチ無線送信機は、第1の周波数の情報信号を第2の周波数で変調し、第1の変調信号を出力する第1の変調手段と、前記情報信号を、前記第2の周波数と僅かに異なる第4の周波数で変調し、第4の変調信号を出力する第4の変調手段と、前記第1の変調信号と前記第4の変調信号とを合成して、前記第2の周波数と前記第4の周波数の差によって生じた第3の周波数で更に変調した第1の出力信号を出力する第1の合成手段と、前記第1の変調信号と前記第4の変調信号の反転信号とを合成して、前記第2の周波数と前記第4の周波数の反転信号との差によって生じた前記第3の周波数で更に変調した第2の出力信号を出力する第2の合成手段と、前記第1の出力信号を、第1の偏波で送信する第1の送信アンテナと、前記第2の出力信号を、第2の偏波で送信する第2の送信アンテナとを有することを特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、多重波(マルチパス)による干渉が発生している環境下で、小さな送信アンテナや受信アンテナによって高信頼性の無線通信を実現する偏波角度分割ダイバシチ無線送信機、無線受信機、および無線通信システムが提供可能である。
以降、本発明を実施するための形態(「本実施形態」という)を、図等を参照して詳細に説明する。
≪電磁波の偏波について≫
本発明の実施形態では、多重波(マルチパス)による干渉が発生している環境下で、小さな送信アンテナや受信アンテナによって高信頼性の無線通信を実現する偏波角度分割ダイバシチ無線送信機、無線受信機、および無線通信システムを提供するため、電磁波の偏波を用いる。
本発明の実施形態では、多重波(マルチパス)による干渉が発生している環境下で、小さな送信アンテナや受信アンテナによって高信頼性の無線通信を実現する偏波角度分割ダイバシチ無線送信機、無線受信機、および無線通信システムを提供するため、電磁波の偏波を用いる。
図2は、無線通信システムに於けるマルチパスを示す図である。
この無線通信システムは、無線送信機10と、無線受信機30とを有している。無線送信機10から直交する2つの独立した直線偏波が送信される。電磁波反射体300−1によって、無線送信機10から無線受信機30への行路が遮られている。しかし、無線送信機10から送信された電磁波は、電磁波反射体300−2によって反射され、無線受信機30に到達する。この電磁波は、電磁波反射体300−2によって反射されると、行路長Lrを経ているので、無線送信機10から無線受信機30への最短の行路長Ldに比べて、以下の数式1に示すφだけ位相がずれる。
φ=((Lr−Ld)÷λ)×2π ・・・ (数式1)
ここで、λは、電磁波の波長である。電磁波の波長λは、光速をcとし、電磁波の周波数をfとすると、以下の数式2で算出される。
λ=c÷f ・・・ (数式2)
この無線通信システムは、無線送信機10と、無線受信機30とを有している。無線送信機10から直交する2つの独立した直線偏波が送信される。電磁波反射体300−1によって、無線送信機10から無線受信機30への行路が遮られている。しかし、無線送信機10から送信された電磁波は、電磁波反射体300−2によって反射され、無線受信機30に到達する。この電磁波は、電磁波反射体300−2によって反射されると、行路長Lrを経ているので、無線送信機10から無線受信機30への最短の行路長Ldに比べて、以下の数式1に示すφだけ位相がずれる。
φ=((Lr−Ld)÷λ)×2π ・・・ (数式1)
ここで、λは、電磁波の波長である。電磁波の波長λは、光速をcとし、電磁波の周波数をfとすると、以下の数式2で算出される。
λ=c÷f ・・・ (数式2)
電磁波は更に、電磁波反射体300−2によって反射されると、偏波面がθだけ位相変移する。例えば、電磁波反射体300−2の接平面に対して垂直な偏波の反射において、偏波面の位相変移θは0度である。電磁波反射体300−2の接平面に対して水平な偏波の反射において、偏波面の位相変移θは180度となる。すなわち、電磁波の偏波は、電磁波反射体300−2に入射するそれぞれの角度によって、それぞれ反射波の偏波面の位相変移θが発生する。
更に、無線送信機10から送信された電磁波が、更に他のn番目の電磁波反射体によって反射されると、異なる行路長Lnを経ることにより、φnの位相ずれが発生する。ここでφnは、以下の数式3で算出される。
φn=((Ln−Ld)÷λ)×2π ・・・ (数式3)
更に、電磁波のそれぞれの偏波面がn番目の電磁波反射体の接平面に対して反射することにより、それぞれ反射波の偏波面の位相変移θが発生する。
φn=((Ln−Ld)÷λ)×2π ・・・ (数式3)
更に、電磁波のそれぞれの偏波面がn番目の電磁波反射体の接平面に対して反射することにより、それぞれ反射波の偏波面の位相変移θが発生する。
n個の電磁波反射体により、無線送信機10からn個の行路を介して無線受信機30に到達したとき、これらの偏波面の位相変移θnが異なる偏波を、行路ごとにそれぞれ検知して分離する。さらに、行路ごとの位相ずれφnをそれぞれ補正して合成することにより、多重波(マルチパス)の干渉により、電磁波エネルギーがゼロとなる現象を回避可能である。
更に、この状態で送信する電磁波の偏波を回転させると、電磁波反射体による電波の反射に起因する偏波の回転方向が変化し、同時に行路も変化する。このとき、特別な条件を除けば、受信点で干渉する電磁波の偏波面は時間ごとに異なるものとなる。電磁波の偏波はそれぞれ独立して送信されるので、この受信点における電磁波のエネルギーはゼロとはならない。独立した2つの直交した偏波は、例えば2つの直交した垂直偏波のアンテナによって送信可能である。これら2つのアンテナは空間的に離す必要はなく、最小面積でアンテナを設置可能となる。尚、特別な条件とは、送信電磁波の偏波回転に際し瞬時的に受信点における電磁波エネルギーがゼロと成り、情報伝達に対する影響は無視できるほどに小さい場合である。
(第1の実施形態の構成)
図1(a),(b)は、第1の実施形態に係る無線通信システムを示す概略の構成図である。図1(a)は、無線送信機10の構成を示し、図1(b)は、無線受信機30の構成を示している。
本実施形態の無線通信システムは、無線送信機10と無線受信機30とを有している。
図1(a),(b)は、第1の実施形態に係る無線通信システムを示す概略の構成図である。図1(a)は、無線送信機10の構成を示し、図1(b)は、無線受信機30の構成を示している。
本実施形態の無線通信システムは、無線送信機10と無線受信機30とを有している。
図1(a)に示す無線送信機10は、情報生成回路11と、発振器12と、第1の変調手段である変調器13と、電磁波発信手段である送信アンテナ20と、回転手段であるモータ14とを有している。
情報生成回路11の出力側と、発振器12の出力側は、変調器13に接続されている。変調器13の出力側は、送信アンテナ20に接続されている。
情報生成回路11は、第1の周波数である周波数帯域f1の情報信号を、変調器13に出力する機能を有している。
発振器12は、第2の周波数である搬送波f2を、変調器13に出力する機能を有している。
変調器13は、周波数帯域f1の情報信号を搬送波f2で変調し、第1の変調信号として送信アンテナ20に出力する機能を有している。
情報生成回路11の出力側と、発振器12の出力側は、変調器13に接続されている。変調器13の出力側は、送信アンテナ20に接続されている。
情報生成回路11は、第1の周波数である周波数帯域f1の情報信号を、変調器13に出力する機能を有している。
発振器12は、第2の周波数である搬送波f2を、変調器13に出力する機能を有している。
変調器13は、周波数帯域f1の情報信号を搬送波f2で変調し、第1の変調信号として送信アンテナ20に出力する機能を有している。
送信アンテナ20は、直線偏波を送信する機能を有している。モータ14は、この送信アンテナ20を(1/f3)周期、すなわち、周波数f3で回転させる機能を有している。
図1(b)に示す無線受信機30は、複数の受信アンテナ31−1〜31−6からなるダイバシチ受信アンテナ31と、複数の信号補正手段である行路差位相変移器32(=32−1〜32−6)と、合成手段である合成器33とを有している。
受信アンテナ31−1〜31−6は、それぞれ60度の角度をもって回転対象に配置され、それぞれ60度の角度を有する直線偏波を受信する機能を有している。受信アンテナ31−1〜31−6は、それぞれ行路差位相変移器32−1〜32−6に接続されている。
行路差位相変移器32(=32−1〜32−6)の出力は、すべて合成器33に接続されている。
行路差位相変移器32(=32−1〜32−6)の出力は、すべて合成器33に接続されている。
受信アンテナ31−1〜31−6は、それぞれ所定の角度の直線偏波を受信する機能を有している。行路差位相変移器32(=32−1〜32−6)は、それぞれ入力信号の行路差にもとづく位相の変移を補正して出力する機能を有している。合成器33は、全ての入力信号を合成して出力する機能を有している。本実施形態において、電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φnは、周波数f2における位相ずれを示している。
(第1の実施形態の動作)
図3(a)〜(c)は、第1の実施形態に係る無線通信システムの動作を示す図である。
図3(a)は、送信アンテナ20(図1)から送信された電磁波の、y軸上の時間変化を示す図である。横軸は時間tを示し、縦軸はy軸座標を示している。送信アンテナ20から送信された電磁波は、搬送波f2によって、(1/f2)周期で振動する。更に、モータ14によって、送信アンテナ20は周波数f3で回転しているので、この送信アンテナ20から送信された電磁波の偏波面は、(1/f3)周期で回転する。
図3(a)〜(c)は、第1の実施形態に係る無線通信システムの動作を示す図である。
図3(a)は、送信アンテナ20(図1)から送信された電磁波の、y軸上の時間変化を示す図である。横軸は時間tを示し、縦軸はy軸座標を示している。送信アンテナ20から送信された電磁波は、搬送波f2によって、(1/f2)周期で振動する。更に、モータ14によって、送信アンテナ20は周波数f3で回転しているので、この送信アンテナ20から送信された電磁波の偏波面は、(1/f3)周期で回転する。
第1の周波数である周波数f1は、第2の周波数である搬送波の周波数f2および第3の周波数である周波数f3よりも低く設定されている。搬送波の周波数f2は、周波数f3よりも高く設定されている。
図3(b)は、送信アンテナ20が、x−y平面上を周波数f3で回転している動作を示す図である。送信アンテナ20は、x−y平面上を、周波数f3で時計回りに回転している。この回転により、電磁波の偏波面は、周波数f3で回転する。
図3(c)は、送信アンテナ20によって送信された電磁波の、x−y平面上の時間変化を示す立体図である。x軸,y軸,t軸の座標がそれぞれ立体で示され、図3(b)に示すアンテナの回転方向が点線の矢印でx−y平面に描かれている。電磁波の偏波面は、周波数f2の波形で示される。この周波数f2の波形で示される偏波面は、x−y平面上を周波数f3で回転するので、包絡線の時間変化は、x−y−t空間で螺旋状となる。
無線送信機10から放射された電磁波が、無線受信機30に到達する過程で、図示しない電磁波反射体によって反射されると、電磁波の偏波面は、電磁波反射体に対する入射角度に応じて回転する。従って、無線送信機10と無線受信機30が設置されている空間内に、複数の電磁波反射体が存在する場合、異なる行路と異なる偏波面を持った複数の電磁波が受信される。これら複数の電磁波の偏波面は、周波数f3で時間的に変化する。
或る瞬間において、波長の半分の行路差を有する2つの反射波(電磁波)が、単一の受信アンテナ31−1に到来して干渉を起こし、電磁波エネルギーがゼロになる現象が発生したと仮定する。しかし、受信アンテナ31−2〜31−6は受信アンテナ31−1と回転対称に角度を変えて設置されている。受信アンテナ31−2〜31−6に到来する電磁波のいずれかは他の行路から到来し、よって電波干渉を起こさず、電磁波エネルギーがゼロになる現象が発生しない。
更に、無線送信機10が送信する電磁波の偏波面は回転しているので、受信アンテナ31−1で干渉が発生しても、次の瞬間には受信アンテナ31−1に到来する電磁波の行路は変化し、よって電波干渉を起こさなくなる。
本実施形態の無線受信機30は、複数の異なる偏波角で到来する電磁波を、複数の異なる偏波を受信するダイバシチ受信アンテナ31で受信している。或る瞬間において、受信アンテナ31−1が電波干渉を起こし、電磁波エネルギーがゼロになる現象が発生しても、別の受信アンテナ31−2〜31−6のいずれかでは電波干渉していない場合が多い。
異なる偏波面で到来する電磁波を、複数の受信アンテナ31−1〜31−6でそれぞれ受信し、受信した電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φ6を行路差位相変移器32によって補正し、この補正した信号を合成器33によって合成することによって、受信感度を向上可能であると共に、無線通信の信頼性を向上可能である。
行路差位相変移器32−i(i=1〜6)は、例えば、搬送波f2における位相ずれφiを補正するときには、入力信号を、t0−(φi÷(2π×f2))だけ遅延させる。ここで、t0は定数である。
本実施形態では更に、情報信号を伝達する周波数帯域f1よりも、電磁波の偏波面の回転の周波数f3を大きく設定している。無線受信機30は、合成した受信信号を更に(1/f3)時間の分解能で処理することにより、電波干渉によって電磁波エネルギーがゼロになる現象を回避し、周波数帯域f1の情報信号をエラーなく受信することが可能である。
(第1の実施形態の効果)
以上説明した第1の実施形態では、次の(A)〜(D)のような効果がある。
(A) 無線送信機10が送信する電磁波の偏波面は回転しているので、受信アンテナ31−1で干渉が発生しても、次の瞬間には受信アンテナ31−1に到来する電磁波の行路は変化し、よって電波干渉を起こさなくなる。よって、電磁波エネルギーがゼロになる現象を回避可能である。
以上説明した第1の実施形態では、次の(A)〜(D)のような効果がある。
(A) 無線送信機10が送信する電磁波の偏波面は回転しているので、受信アンテナ31−1で干渉が発生しても、次の瞬間には受信アンテナ31−1に到来する電磁波の行路は変化し、よって電波干渉を起こさなくなる。よって、電磁波エネルギーがゼロになる現象を回避可能である。
(B) 或る瞬間において受信アンテナ31−1が電波干渉を起こし、電磁波エネルギーがゼロになる現象が発生しても、別の受信アンテナ31−2〜31−6のいずれかでは偏波面が異なるので電波干渉しない。よって、電磁波エネルギーがゼロになる現象を回避可能である。
(C) 異なる偏波面で到来する電磁波を、複数の受信アンテナ31−1〜31−6でそれぞれ受信し、行路差位相変移器32によって、それぞれのアンテナで受信した電磁波の行路差にもとづく位相ずれφ1〜φ6を補正し、この補正した信号を合成器33によって合成することによって、受信感度を向上可能であると共に、無線通信の信頼性を向上可能である。
(D) 情報信号を伝達する周波数帯域f1よりも、電磁波の偏波面の回転の周波数f3を大きくしている。無線受信機30は、合成した受信信号を更に(1/f3)時間の分解能で処理することにより、電波干渉によって電磁波エネルギーがゼロになる現象を回避し、周波数帯域f1の情報信号を、エラーなく受信することが可能である。
(第2の実施形態の構成)
図4(a),(b)は、第2の実施形態に係る無線通信システムを示す概略の構成図であり、第1の実施形態を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。図4(a)は、無線送信機10の構成を示し、図4(b)は、無線受信機30aの構成を示している。
本実施形態の無線通信システムは、無線送信機10と無線受信機30aとを有している。図4(a)に示す無線送信機10は、第1の実施形態を示す図1(a)の無線送信機10と同様な構成を有している。このため、説明を省略する。
図4(a),(b)は、第2の実施形態に係る無線通信システムを示す概略の構成図であり、第1の実施形態を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。図4(a)は、無線送信機10の構成を示し、図4(b)は、無線受信機30aの構成を示している。
本実施形態の無線通信システムは、無線送信機10と無線受信機30aとを有している。図4(a)に示す無線送信機10は、第1の実施形態を示す図1(a)の無線送信機10と同様な構成を有している。このため、説明を省略する。
図4(b)に示す無線受信機30aは、第1の実施形態を示す図1(b)の無線受信機30と同様に、複数の受信アンテナ31−1〜31−6からなるダイバシチ受信アンテナ31と、複数の信号補正手段である行路差位相変移器32(=32−1〜32−6)と、合成手段である合成器33とを有している。更に無線受信機30aは、遅延器34(=34−1〜34−6)と、時分割スイッチ37と、遅延器35(=35−1〜35−6)とを有している。時分割スイッチ37は、入力側スイッチ37aと、出力側スイッチ37bとを備え、それぞれの接続の組合せを切替え可能である。
本実施形態の受信アンテナ31−1〜31−6は、時分割スイッチ37を経由して、それぞれ遅延器34−1〜34−6と、行路差位相変移器32−1〜32−6と、遅延器35−1〜35−6に接続されたのち、すべて合成器33に接続されている。
(第2の実施形態の動作)
無線受信機30aは、時分割スイッチ37によって、受信アンテナ31−1〜31−6と遅延器34−1〜34−6との接続を(1/f3)周期で高速に切替えている。
無線受信機30aは、時分割スイッチ37によって、受信アンテナ31−1〜31−6と遅延器34−1〜34−6との接続を(1/f3)周期で高速に切替えている。
本実施形態において、第1の実施形態と同様に、第1の周波数である周波数f1は、第2の周波数である搬送波の周波数f2および第3の周波数である周波数f3よりも低く設定している。搬送波の周波数f2は、周波数f3よりも高く設定している。
1番目の((1/f3)÷6)の期間において、無線受信機30aは、時分割スイッチ37によって、受信アンテナ31−1と遅延器34−1とを接続し、受信アンテナ31−2と遅延器34−2とを接続し、以下同様に受信アンテナ31−6と遅延器34−6とを接続する。
2番目の((1/f3)÷6)の期間において、無線受信機30aは、時分割スイッチ37によって、受信アンテナ31−1と遅延器34−2とを接続し、受信アンテナ31−2と遅延器34−3とを接続し、以下同様に受信アンテナ31−6と遅延器34−1とを接続する。
3番目の((1/f3)÷6)の期間において、無線受信機30aは、時分割スイッチ37によって、受信アンテナ31−1と遅延器34−3とを接続し、受信アンテナ31−2と遅延器34−4とを接続し、以下同様に受信アンテナ31−6と遅延器34−2とを接続する。
4番目の((1/f3)÷6)の期間において、無線受信機30aは、時分割スイッチ37によって、受信アンテナ31−1と遅延器34−4とを接続し、受信アンテナ31−2と遅延器34−5とを接続し、以下同様に受信アンテナ31−6と遅延器34−3とを接続する。
5番目の((1/f3)÷6)の期間において、無線受信機30aは、時分割スイッチ37によって、受信アンテナ31−1と遅延器34−5とを接続し、受信アンテナ31−2と遅延器34−6とを接続し、以下同様に受信アンテナ31−6と遅延器34−4とを接続する。
6番目の((1/f3)÷6)の期間において、無線受信機30aは、時分割スイッチ37によって、受信アンテナ31−1と遅延器34−6とを接続し、受信アンテナ31−2と遅延器34−1とを接続し、以下同様に受信アンテナ31−6と遅延器34−5とを接続する。
この切替えは、送信アンテナ20の機械的な回転と同期している。この切替えにより、遅延器34−1〜34−6にそれぞれ接続されている受信アンテナ31−1〜31−6と送信アンテナ20との相対角度は、常に所定の範囲になる。
無線受信機30aは更に、遅延器34−1〜34−6により、入力信号をそれぞれ遅延量T〜6Tだけ遅延させる。入力される電磁波は、(1/f3)周期で偏波面が回転しているので、電波散乱による干渉は、(1/f3)周期で発生する。この電波散乱による干渉を抑圧するため、遅延量Tは、(1/f3)周期を均等にサンプリング可能な値((1/f3)÷6)である。
行路差位相変移器32−1〜32−6は、これら遅延信号における、電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φ6を補正する。電磁波の行路差は、偏波の反射によって生じ、電磁波の偏波は、(1/f3)周期で回転しているので、電磁波の行路差による位相ずれも、(1/f3)周期となる。しかし、全ての瞬間で最適な位相ずれの補正を行わなくとも、他の遅延信号によって電波干渉を抑圧可能である。よって、電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φ6の補正値を、それぞれ最も干渉が少ない所定の固定値としても良い。
遅延器35−1〜35−6は、回転位相を補償した入力信号をそれぞれ(t1−T)〜(t1−6T)だけ遅延させる。所定時間t1は定数であり、6T以上の値であれば良い。これにより、全ての遅延信号の遅延量を所定時間t1に揃えることができる。
合成器33は、全ての入力信号を加算する。これにより、いずれかの受信アンテナ31−1〜31−6で電波干渉が発生しても、干渉によって電磁波エネルギーがゼロになる現象を回避可能である。
更に、情報信号の周波数帯域f1は、周波数f3よりも低い周波数なので、合成した受信信号は、(1/f3)周期のいずれかで所定の信号強度が有れば良い。したがて、電波干渉による通信誤りを回避することが可能である。
よって、本実施形態の無線送信機10と無線受信機30aは、設置環境が変化し、無線送信機10から無線受信機30aに到達する電磁波の行路が動的に変化する場合でも、電波干渉による通信誤りを回避することが可能である。これにより、受信感度を向上可能であると共に、無線通信の信頼性を向上可能である。
(第2の実施形態の効果)
以上説明した第2の実施形態では、次の(E),(F)のような効果がある。
(E) 本実施形態の無線送信機10と無線受信機30aは、設置環境が変化し、無線送信機10から無線受信機30aに到達する電磁波の行路が動的に変化する場合でも、電波干渉による通信誤りを回避することが可能である。これにより、受信感度を向上可能であると共に、無線通信の信頼性を向上可能である。
以上説明した第2の実施形態では、次の(E),(F)のような効果がある。
(E) 本実施形態の無線送信機10と無線受信機30aは、設置環境が変化し、無線送信機10から無線受信機30aに到達する電磁波の行路が動的に変化する場合でも、電波干渉による通信誤りを回避することが可能である。これにより、受信感度を向上可能であると共に、無線通信の信頼性を向上可能である。
(F) 無線受信機30aが受信する電磁波の偏波面の回転の周期または半周期を、均等にサンプリングしている。よって、いずれかのタイミングで電波干渉が発生しても、他の遅延タイミングでは電波干渉が発生せず、干渉によって電磁波エネルギーがゼロになる現象を回避可能である。
≪無線通信システムのデジタル化による利点≫
通信機器の高寿命化の妨げとなっているのは、アナログ非線形素子である。アナログ非線形素子は、例えば、アナログミキサ、アナログ変調器、アナログ周波数シンセサイザなど、無線通信機器を構成する基本素子である。これらアナログ非線形素子は、アナログ信号を取り扱うため、半導体素子の動作点(動作領域)が厳格に固定される必要がある。アナログ非線形素子の主流である半導体素子では、環境温度の変化や経年変化によって、半導体素子の動作点(動作領域)が変動する。よって、半導体素子の動作点の再調整が必要であり、これが無線通信機器の高寿命化の妨げとなっていた。
通信機器の高寿命化の妨げとなっているのは、アナログ非線形素子である。アナログ非線形素子は、例えば、アナログミキサ、アナログ変調器、アナログ周波数シンセサイザなど、無線通信機器を構成する基本素子である。これらアナログ非線形素子は、アナログ信号を取り扱うため、半導体素子の動作点(動作領域)が厳格に固定される必要がある。アナログ非線形素子の主流である半導体素子では、環境温度の変化や経年変化によって、半導体素子の動作点(動作領域)が変動する。よって、半導体素子の動作点の再調整が必要であり、これが無線通信機器の高寿命化の妨げとなっていた。
しかし、近年の目覚しいデジタル素子の高速化により、従来はアナログ非線形素子で行われていたミキサ、変調、周波数変換などの機能を、デジタル回路で実現することが可能となった。よって、半導体素子の動作点の再調整が不要となり、無線通信機器の高寿命化に貢献可能である。
サンプリング定理によると、デシダル回路でアナログ回路と同等の機能を実現するためには、取り扱う周波数の少なくとも2倍以上のサンプリング周期でアナログ信号をデジタル化し、このサンプリング周期でデジタル回路が動作することが必要である。このサンプリング周期に係る周波数は、ナイキスト周波数と呼ばれている。デジタル信号処理を安定に動作させるためには、アナログ信号を、所望の周波数あの4倍以上のサンプリング周期でサンプリングし、このサンプリングしたデジタル信号をデジタル回路で処理させることが必要である。
無線通信機器は、通信の伝送媒体として空間中を伝播する電磁波を用いる。空間中を伝播可能な電磁波の周波数は、300MHzから3GHzの範囲である。電磁波の周波数が300MHz以下の場合、電波を空中に放射する効率が著しく低下する。電磁波の周波数が3GHz以上の場合、電波が空中を伝播する際に被る遮蔽、反射、回折などによる散乱現象により電磁波エネルギーの減衰が大きくなり、遠距離間の通信はできず、近距離通信のみ可能となる。よって、無線通信機器が取り扱う周波数は、300MHzから3GHzの範囲に限られる。現在では、汎用デジタル素子の動作周波数は、数百MHzから数GHzに高速化されているので、無線通信機器にデジタル回路を導入し、無調整化および高寿命化を図ることが可能となった。
以下、第3の実施形態から第7の実施形態において、アナログ信号からデジタル信号に変換して処理する例を示す。
以下、第3の実施形態から第7の実施形態において、アナログ信号からデジタル信号に変換して処理する例を示す。
(第3の実施形態の構成)
図5(a),(b)は、第3の実施形態に係る無線通信システムを示す概略の構成図であり、第1の実施形態を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施形態の無線通信システムは、無線送信機10bと無線受信機30bとを有している。
図5(a),(b)は、第3の実施形態に係る無線通信システムを示す概略の構成図であり、第1の実施形態を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施形態の無線通信システムは、無線送信機10bと無線受信機30bとを有している。
図5(a)に示す無線送信機10bは、第1の実施形態の無線送信機10と同様な情報生成回路11と、発振器12、変調器13とを備え、第1の実施形態の無線送信機10とは異なる送信アンテナ20b−1,20b−2を備え、更に、ベースバンド回路17と、発振器16と、移相手段である移相回路15と、第2の変調手段である変調器18−1と、第3の変調手段である変調器18−2とを備えている。
情報生成回路11の出力側は、ベースバンド回路17に接続されている。ベースバンド回路17の出力側と、発振器12の出力側は、変調器13に接続されている。
変調器13の出力側は、変調器18−1と、変調器18−2とに接続されている。変調器18−1には更に、発振器16の出力側が接続されている。変調器18−2には更に、発振器16の出力側が移相回路15を介して接続されている。
変調器18−1の出力側は、第1の送信アンテナである送信アンテナ20b−1に接続されている。変調器18−2の出力側は、第2の送信アンテナである送信アンテナ20b−2に接続されている。
ベースバンド回路17は、 情報生成回路11から出力された信号を、デジタル信号に変換する機能を有している。
発振器16は、周波数f3の発振信号を出力する機能を有している。
変調器18−1,18−2は、変調器13から出力された信号を、更に周波数f3で変調する機能を有している。
移相回路15は、周波数f3の発振信号の位相を90度移動させる機能を有している。しかし、この角度は厳密に90度でなくともよく、85度から95度の間であれば良い。このとき、角度ずれに起因する発振信号のノイズ成分の最大値は、COS(85度)=COS(95度)=8.7%となる。85度未満の場合や、95度を超えた場合には、角度ずれに起因する発振信号のノイズ成分の最大値は、8.7%以上となる。
送信アンテナ20b−1と、送信アンテナ20b−2とは、直線偏波を送信する機能を有し、相互に90度の角度となるように配置されている。しかし、この角度は厳密に90度でなくともよく、85度から95度の間であれば良い。このとき、角度ずれに起因する直線偏波のノイズ成分の最大値は、COS(85度)=COS(95度)=8.7%となる。85度未満の場合や、95度を超えた場合には、角度ずれに起因する発振信号のノイズ成分の最大値は、8.7%以上となる。
ベースバンド回路17は、 情報生成回路11から出力された信号を、デジタル信号に変換する機能を有している。
発振器16は、周波数f3の発振信号を出力する機能を有している。
変調器18−1,18−2は、変調器13から出力された信号を、更に周波数f3で変調する機能を有している。
移相回路15は、周波数f3の発振信号の位相を90度移動させる機能を有している。しかし、この角度は厳密に90度でなくともよく、85度から95度の間であれば良い。このとき、角度ずれに起因する発振信号のノイズ成分の最大値は、COS(85度)=COS(95度)=8.7%となる。85度未満の場合や、95度を超えた場合には、角度ずれに起因する発振信号のノイズ成分の最大値は、8.7%以上となる。
送信アンテナ20b−1と、送信アンテナ20b−2とは、直線偏波を送信する機能を有し、相互に90度の角度となるように配置されている。しかし、この角度は厳密に90度でなくともよく、85度から95度の間であれば良い。このとき、角度ずれに起因する直線偏波のノイズ成分の最大値は、COS(85度)=COS(95度)=8.7%となる。85度未満の場合や、95度を超えた場合には、角度ずれに起因する発振信号のノイズ成分の最大値は、8.7%以上となる。
図5(b)に示す無線受信機30bは、第1の受信アンテナである受信アンテナ31b−1と、第2の受信アンテナである受信アンテナ31b−2と、第1の回転周波数検出手段である回転周波数検出回路60−1と、第2の回転周波数検出手段である回転周波数検出回路60−2と、遅延合成手段である遅延合成回路40と、デジタル復調回路47と、ベースバンド回路48とを備えている。更に、回転周波数検出回路60−1,60−2は、それぞれ整流回路61と、ローパスフィルタ62と、アナログ/デジタル変換器(以下、「A/Dコンバータ」という。)63を具備している。
受信アンテナ31b−1,31b−2の出力側は、それぞれ回転周波数検出回路60−1,60−2に接続されている。回転周波数検出回路60−1,60−2の出力側は、遅延合成回路40に接続されている。遅延合成回路40の出力側は、デジタル復調回路47に接続されている。デジタル復調回路47の出力側は、ベースバンド回路48に接続されている。ベースバンド回路48の出力端子が、この無線受信機30bの出力端子である。
受信アンテナ31b−1,31b−2は、相互に垂直に設置されており、それぞれ直線偏波を受信する機能を有している。しかし、この角度は厳密に90度でなくとも良く、85度から95度の間であれば良い。このとき、角度ずれに起因する受信信号のノイズ成分は、COS(85度)=COS(95度)=8.7%以下となる。85度未満の場合や、95度を超えた場合には、角度ずれに起因する発振信号のノイズ成分の最大値は、8.7%以上となる。
移相回路15の位相の移動量と、送信アンテナ20b−1,20b−2の設置角度と、受信アンテナ31b−1,31b−2の設置角度とが、すべて85度または95度であった場合を考える。このとき、角度ずれに起因するノイズ成分の総和は、8.7%×3=26.1%である。よって、移相回路15の位相の移動量と、送信アンテナ20b−1,20b−2の設置角度と、受信アンテナ31b−1,31b−2の設置角度のずれ、全てが復号して起因する発振信号のノイズ成分は、26.1%以下となる。
回転周波数検出回路60−1,60−2は、入力された信号を整流してf3以下の周波数の信号を検出し、アナログ/デジタル変換する機能を有している。
回転周波数検出回路60−1,60−2への入力端子は、整流回路61に接続されている。整流回路61の出力側は、ローパスフィルタ62に接続されている。ローパスフィルタ62の出力側は、A/Dコンバータ63に接続されている。A/Dコンバータ63の出力側は、この回転周波数検出回路60−1,60−2の出力端子に接続されている。
受信アンテナ31b−1,31b−2は、相互に垂直に設置されており、それぞれ直線偏波を受信する機能を有している。しかし、この角度は厳密に90度でなくとも良く、85度から95度の間であれば良い。このとき、角度ずれに起因する受信信号のノイズ成分は、COS(85度)=COS(95度)=8.7%以下となる。85度未満の場合や、95度を超えた場合には、角度ずれに起因する発振信号のノイズ成分の最大値は、8.7%以上となる。
移相回路15の位相の移動量と、送信アンテナ20b−1,20b−2の設置角度と、受信アンテナ31b−1,31b−2の設置角度とが、すべて85度または95度であった場合を考える。このとき、角度ずれに起因するノイズ成分の総和は、8.7%×3=26.1%である。よって、移相回路15の位相の移動量と、送信アンテナ20b−1,20b−2の設置角度と、受信アンテナ31b−1,31b−2の設置角度のずれ、全てが復号して起因する発振信号のノイズ成分は、26.1%以下となる。
回転周波数検出回路60−1,60−2は、入力された信号を整流してf3以下の周波数の信号を検出し、アナログ/デジタル変換する機能を有している。
回転周波数検出回路60−1,60−2への入力端子は、整流回路61に接続されている。整流回路61の出力側は、ローパスフィルタ62に接続されている。ローパスフィルタ62の出力側は、A/Dコンバータ63に接続されている。A/Dコンバータ63の出力側は、この回転周波数検出回路60−1,60−2の出力端子に接続されている。
遅延合成回路40は、入力信号をそれぞれ所定量だけ遅延させて、電磁波の反射による偏波面の位相変移θを補正する偏波位相回転を行い、行路差による電磁波の位相ずれφを補正する行路差位相補正を行ったのち、当該所定量の遅延を補償して合成する機能を有している。
デジタル復調回路47は、入力されたデジタル信号をベースバンド信号に復調する機能を有している。
ベースバンド回路48は、入力されたベースバンド信号を処理する機能を有している。
デジタル復調回路47は、入力されたデジタル信号をベースバンド信号に復調する機能を有している。
ベースバンド回路48は、入力されたベースバンド信号を処理する機能を有している。
本実施形態において、第1の実施形態と同様に、第1の周波数である周波数f1は、第2の周波数である搬送波の周波数f2および第3の周波数である周波数f3よりも低く設定されている。搬送波の周波数f2は、周波数f3よりも高く設定されている。
(第3の実施形態の動作)
図6(a)〜(c)は、第3の実施形態に係る無線通信システムの動作を示す図である。
図6(a)は、横軸に時間tを示し、縦軸に電圧Vcを示している。電圧Vcは、搬送波f2で細かく振動すると共に、波形の包絡線は、周波数f3で大きく振動している。
図6(a)〜(c)は、第3の実施形態に係る無線通信システムの動作を示す図である。
図6(a)は、横軸に時間tを示し、縦軸に電圧Vcを示している。電圧Vcは、搬送波f2で細かく振動すると共に、波形の包絡線は、周波数f3で大きく振動している。
図6(b)は、横軸に時間tを示し、縦軸に電圧Vdを示している。電圧Vdは、搬送波f2で細かく振動すると共に、波形の包絡線は、周波数f3で大きく振動していると共に、電圧Vcとは90度ずれた位相で振動している。
図6(c)は、送信アンテナ20b−1,20b−2から送信され合成された電磁波のx−y平面上の時間変化を示す立体図である。図3(c)に示す電磁波の時間変化と同様に、この周波数f2の波形で示される電磁波の偏波面は、x−y平面上を周波数f3で回転するので、包絡線の時間変化は、x−y−t空間で螺旋状となる。
無線送信機10bは、搬送波f2で変調された信号に、周波数f2よりも大きい周波数f3の信号で変調して第1の出力信号を生成し、送信アンテナ20b−1で送信する。更に無線送信機10bは、搬送波f2で変調された信号に、周波数f3の位相を90度回転した信号で変調して第2の出力信号を生成し、送信アンテナ20b−1に対して90度の角度で設置された送信アンテナ20b−2で送信する。送信アンテナ20b−1と送信アンテナ20b−2とは、直交する2つの独立の偏波成分を有する電磁波を送信するので、相互の設置位置によって干渉することはない。よって、2つの送信アンテナ20b−1,20b−2を十字状に貼りあわせて一体化し、送信アンテナ全体を小型化することが可能である。
無線受信機30bは、垂直方向に設置されている受信アンテナ31b−1によって電磁波の垂直偏波成分を受信し、水平方向に設置されている受信アンテナ31b−2によって電磁波の水平偏波成分を受信する。受信アンテナ31b−1と、受信アンテナ31b−2とは、直交する2つの独立の偏波成分を有する電磁波を受信するので、相互の設置位置によって干渉することはない。よって、2つの受信アンテナ31b−1,31b−2を十字状に貼りあわせて一体化し、受信アンテナ全体を小型化することが可能である。
本実施形態によれば、直交する2つの偏波成分は独立なので、一つの情報が直交関係を保つ2系統の伝送路で送受信される。よって、受信感度の向上と無線通信の信頼性向上が実現できる。
本実施形態によれば、2つの一体化した受信アンテナ31b−1,31b−2によって、任意の偏波角で到来する電磁波を受信可能である。よって、受信アンテナ数の削減による装置の小型化およびコスト低減が可能である。
本実施形態によれば、送信アンテナ20b−1,20b−2を機械的に回転する必要がないので、回転手段であるモータ14などの搭載が不要となり、装置の小型化と高信頼化に寄与する。
(第3の実施形態の効果)
以上説明した第3の実施形態では、次の(G)〜(J)のような効果がある。
(G) 送信アンテナ20b−1と送信アンテナ20b−2とは、直交する2つの独立の偏波成分を電磁波を送信するので、相互の設置位置によって干渉することはない。よって2つの送信アンテナ20b−1,20b−2を一体化して、送信アンテナ全体を小型化することが可能である。
以上説明した第3の実施形態では、次の(G)〜(J)のような効果がある。
(G) 送信アンテナ20b−1と送信アンテナ20b−2とは、直交する2つの独立の偏波成分を電磁波を送信するので、相互の設置位置によって干渉することはない。よって2つの送信アンテナ20b−1,20b−2を一体化して、送信アンテナ全体を小型化することが可能である。
(H) 受信アンテナ31b−1と、受信アンテナ31b−2とは、直交する2つの独立の偏波成分の電磁波を受信するので、相互の設置位置によって干渉することはない。よって、2つの受信アンテナ31b−1,31b−2は一体化して、受信アンテナ全体を小型化することが可能である
(I) 2つの一体化した受信アンテナ31b−1,31b−2によって、任意の偏波角で到来する電磁波を受信可能である。よって、受信アンテナ数の削減による装置の小型化およびコスト低減が可能である。
(J) 送信アンテナ20b−1,20b−2を機械的に回転する必要がないので、回転手段であるモータ14などの搭載が不要となり、装置の小型化と高信頼化に寄与する。
(第4の実施形態の構成)
図7(a),(b)は、第4の実施形態に係る無線通信システムを示す概略の構成図である。第3の実施形態を示す図5中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
図7(a),(b)は、第4の実施形態に係る無線通信システムを示す概略の構成図である。第3の実施形態を示す図5中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
図7(a)に示す無線送信機10cは、第3の実施形態を示す図5(a)の無線送信機10bと同様な情報生成回路11と、発振器12と、変調器13と、ベースバンド回路17と、変調器18−1,18−2とを備えている。更に、第3の実施形態の無線送信機10bとは異なる送信アンテナ20c−1,20c−2を備えている。
送信アンテナ20c−1と、送信アンテナ20c−2とは、それぞれ円偏波の電磁波を送信する機能を有し、相互に反対方向の円偏波を送信するように配置されている。本実施形態において、第1の送信アンテナである送信アンテナ20c−1は、右旋円偏波を送信する機能を有している。第2の送信アンテナである送信アンテナ20c−2は、左旋円偏波を送信する機能を有している。
送信アンテナ20c−1と送信アンテナ20c−2とは、お互いに回転方向が反対となる円偏波の電磁波を送信する。送信アンテナ20c−1と送信アンテナ20c−2は、回転方向が反対になるように貼りあわせるだけで、2つの独立した偏波成分を有する電磁波を送信する。すなわち、第3の実施形態の送信アンテナ20b−1,20b−2と比べて、正確に垂直に配置しなくとも偏波成分が相互に混入する虞は少なく、製造しやすく、かつ、製造後の調整が不要という効果を奏する。
図7(b)に示す無線受信機30cは、第3の実施形態を示す図5(b)の無線受信機30bと同様な回転周波数検出回路60−1,60−2と、遅延合成回路40と、デジタル復調回路47と、ベースバンド回路48とを備えている。更に、第3の実施形態を示す図5(a)の無線送信機10bとは異なる受信アンテナ31c−1,31c−2を備えている。
第1の受信アンテナである受信アンテナ31c−1と、第2の受信アンテナである受信アンテナ31c−2とは、それぞれ円偏波の電磁波を受信する機能を有し、相互に反対方向の円偏波を受信するように配置されている。本実施形態において、受信アンテナ31c−1は、右旋円偏波を受信する機能を有している。受信アンテナ31c−2は、左旋円偏波を受信する機能を有している。
受信アンテナ31c−1,31c−2も同様に、回転方向が反対になるように貼りあわせるだけで、2つの独立した偏波成分を有する電磁波を送信する。すなわち、正確に垂直に設置しなくとも、2つの偏波成分が相互に混入してしまう虞が少なく、第3の実施形態の受信アンテナ31b−1と受信アンテナ31b−2と比べ、製造しやすく、かつ、製造後の調整が不要という効果を奏する。
本実施形態において、第1の実施形態と同様に、第1の周波数である周波数f1は、第2の周波数である搬送波の周波数f2および第3の周波数である周波数f3よりも低い。搬送波の周波数f2は、周波数f3よりも高い。
(第4の実施形態の動作)
第4の実施形態の無線送信機10cは、第3の実施形態の無線送信機10bの垂直偏波と水平偏波からなる電磁波とは異なり、左旋円偏波と右旋円偏波からなる電磁波を送信するほかは、第3の実施形態の無線送信機10bの動作と同様である。
第4の実施形態の無線送信機10cは、第3の実施形態の無線送信機10bの垂直偏波と水平偏波からなる電磁波とは異なり、左旋円偏波と右旋円偏波からなる電磁波を送信するほかは、第3の実施形態の無線送信機10bの動作と同様である。
第4の実施形態の無線受信機30cは、第3の実施形態の無線受信機30bの垂直偏波と水平偏波からなる電磁波とは異なり、左旋円偏波と右旋円偏波からなる電磁波を受信するほかは、第3の実施形態の無線受信機30bの動作と同様である。
(第4の実施形態の効果)
以上説明した第4の実施形態では、次の(K),(L)のような効果がある。
(K) 送信アンテナ20c−1と送信アンテナ20c−2は、回転方向が反対になるように貼りあわせるだけで、2つの独立した偏波成分を有する電磁波を送信する。よって、製造しやすく、かつ製造後の調整が不要という効果を奏する。
以上説明した第4の実施形態では、次の(K),(L)のような効果がある。
(K) 送信アンテナ20c−1と送信アンテナ20c−2は、回転方向が反対になるように貼りあわせるだけで、2つの独立した偏波成分を有する電磁波を送信する。よって、製造しやすく、かつ製造後の調整が不要という効果を奏する。
(L) 受信アンテナ31c−1,31c−2も同様に、回転方向が反対になるように貼りあわせるだけで、2つの独立した偏波成分を有する電磁波を送信する。よって、製造しやすく、かつ、製造後の調整が不要という効果を奏する。
(第5の実施形態の構成)
図8(a),(b)は、第5の実施形態に係る無線通信システムを示す概略の構成図である。第4の実施形態を示す図7中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
図8(a),(b)は、第5の実施形態に係る無線通信システムを示す概略の構成図である。第4の実施形態を示す図7中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
図8(a)に示す無線送信機10dは、第4の実施形態の無線送信機10cと同様な情報生成回路11と、ベースバンド回路17と、第1の送信アンテナである送信アンテナ20c−1と、第2の送信アンテナである送信アンテナ20c−2とを備えている。更に、第4の実施形態の無線送信機10cとは異なる発振器12−1,12−2と、第1の変調手段である変調器13−1と、第4の変調手段である変調器13−2と、反転移相回路15bと、第1の合成手段である加算器19−1と、第2の合成手段である加算器19−2とを有している。
情報生成回路11の出力側は、ベースバンド回路17に接続されている。ベースバンド回路17の出力側と、発振器12−1の出力側は、変調器13−1に接続されている。ベースバンド回路17の出力側と、発振器12−2の出力側は、変調器13−2に接続されている。
変調器13−1の出力側と、変調器13−2の出力側とは、加算器19−1に接続されている。加算器19−1の出力側は、送信アンテナ20c−1に接続されている。
更に、変調器13−2の出力側は、反転移相回路15bに接続され、この反転移相回路15bの出力側と、変調器13−1の出力側とは、加算器19−2に接続されている。加算器19−2の出力側は、送信アンテナ20c−2に接続されている。
図8(b)に示す無線受信機30cは、第4の実施形態の無線受信機30cと同様な同じ構成を有している。
本実施形態において、第1の周波数である周波数f1は、第2の周波数である搬送波の周波数f2a、第4の周波数である搬送波の周波数f2b、第3の周波数である周波数f3のいずれよりも低い。搬送波の周波数f2aと周波数f2bとは、周波数f3よりも高い。
本実施形態において、第1の周波数である周波数f1は、第2の周波数である搬送波の周波数f2a、第4の周波数である搬送波の周波数f2b、第3の周波数である周波数f3のいずれよりも低い。搬送波の周波数f2aと周波数f2bとは、周波数f3よりも高い。
(第5の実施形態の動作)
発振器12−1は、第2の周波数である搬送波f2aを、変調器13−1に出力する機能を有している。
発振器12−2は、搬送波f2aと僅かに周波数が異なる第4の周波数である搬送波f2bを、変調器13−2に出力する機能を有している。本実施形態において、周波数f2aと周波数f2bとの差は、周波数f2aの80パーセントから125パーセントの間である。周波数f2aと周波数f2bとの差が、周波数f2aの80パーセント未満や125パーセント以上であると、後述する合成波f3,f3bの包絡線の周波数が周波数f2a,f2bに近接してしまい、合成波f3,f3bの包絡線の抽出が困難となる。
変調器13−1は、周波数帯域f1の情報信号を、第2の周波数である搬送波f2aで変調し、第1の変調信号として出力する機能を有している。
変調器13−2は、周波数帯域f1の情報信号を、第4の周波数である搬送波f2bで変調し、第4の変調信号として出力する機能を有している。
反転移相回路15bは、第1の変調信号を反転して出力する機能を有している。
加算器19−1は、反転した第1の変調信号と第4の変調信号を加算して、送信アンテナ20c−1に出力する機能を有している。
加算器19−2は、第1の変調信号と第4の変調信号を加算して、送信アンテナ20c−2に出力する機能を有している。
発振器12−1は、第2の周波数である搬送波f2aを、変調器13−1に出力する機能を有している。
発振器12−2は、搬送波f2aと僅かに周波数が異なる第4の周波数である搬送波f2bを、変調器13−2に出力する機能を有している。本実施形態において、周波数f2aと周波数f2bとの差は、周波数f2aの80パーセントから125パーセントの間である。周波数f2aと周波数f2bとの差が、周波数f2aの80パーセント未満や125パーセント以上であると、後述する合成波f3,f3bの包絡線の周波数が周波数f2a,f2bに近接してしまい、合成波f3,f3bの包絡線の抽出が困難となる。
変調器13−1は、周波数帯域f1の情報信号を、第2の周波数である搬送波f2aで変調し、第1の変調信号として出力する機能を有している。
変調器13−2は、周波数帯域f1の情報信号を、第4の周波数である搬送波f2bで変調し、第4の変調信号として出力する機能を有している。
反転移相回路15bは、第1の変調信号を反転して出力する機能を有している。
加算器19−1は、反転した第1の変調信号と第4の変調信号を加算して、送信アンテナ20c−1に出力する機能を有している。
加算器19−2は、第1の変調信号と第4の変調信号を加算して、送信アンテナ20c−2に出力する機能を有している。
図9(a),(b)は、第5の実施形態に係る無線通信システムの動作を示す図である。
図9(a)の横軸は時間tを示し、縦軸はそれぞれの信号電圧を示している。搬送波f2aの波形が一点鎖線で、搬送波f2bの波形が鎖線で、これらを加算器19−2で合成した合成波f3が太線で示されている。搬送波f2aと搬送波f2bの僅かな周波数の違いによって、合成波f3は搬送波(f2a+f2b)÷2で細かく振動すると共に、合成波f3の包絡線は周波数f3で大きく振動している。ここで、f2aとf2bとは僅かに周波数が違うだけなので、以下、合成波に含まれている搬送波の周波数をf2aとする。
図9(a)の横軸は時間tを示し、縦軸はそれぞれの信号電圧を示している。搬送波f2aの波形が一点鎖線で、搬送波f2bの波形が鎖線で、これらを加算器19−2で合成した合成波f3が太線で示されている。搬送波f2aと搬送波f2bの僅かな周波数の違いによって、合成波f3は搬送波(f2a+f2b)÷2で細かく振動すると共に、合成波f3の包絡線は周波数f3で大きく振動している。ここで、f2aとf2bとは僅かに周波数が違うだけなので、以下、合成波に含まれている搬送波の周波数をf2aとする。
図9(b)の横軸は時間tを示し、縦軸はそれぞれの信号電圧を示している。搬送波f2aの波形が一点鎖線で、反転した搬送波(−f2b)の波形が鎖線で、これらを加算器19−2で合成した合成波f3bが太線で示されている。搬送波f2aと搬送波(−f2b)の僅かな周波数の違いによって、合成波f3bは搬送波f2で細かく振動すると共に、合成波f3bの包絡線は周波数f3で大きく振動している。合成波f3bの包絡線は、合成波f3の包絡線とは位相が90度ずれている。
本実施形態の無線送信機10dによれば、僅かに周波数がずれている2つの発振器の出力信号を、それぞれ搬送波として変調し、この変調した2つの信号を加算することによって、周波数f3を生成する。加算後の信号の時間波形は、搬送波f2aと搬送波f2bの周波数差の絶対値である周波数|f2a−f2b|で包絡線が変化する。第4の実施形態における90度位相を回転させる移相回路15の代わりに、信号を反転させて位相を180度回転させる反転移相回路15bを搭載している。よって、移相回路15の位相回転量の調整が不要で、よって、無線送信機10dの無調整化に寄与するという効果を奏する。
(第5の実施形態の効果)
以上説明した第5の実施形態では、次の(M)のような効果がある。
(M) 位相を90度回転させる移相回路15の代わりに、信号を反転させて位相を180度回転させる反転移相回路15bを搭載しているので、移相回路15の位相回転量の調整が不要で、よって、無線送信機10dの無調整化に寄与するという効果を奏する。
以上説明した第5の実施形態では、次の(M)のような効果がある。
(M) 位相を90度回転させる移相回路15の代わりに、信号を反転させて位相を180度回転させる反転移相回路15bを搭載しているので、移相回路15の位相回転量の調整が不要で、よって、無線送信機10dの無調整化に寄与するという効果を奏する。
(第6の実施形態の概念)
図10は、第6の実施形態に係る遅延合成回路の概念を示す図である。
遅延合成回路40には、受信アンテナ31c−1,31c−2の出力側が回転周波数検出回路60−1,60−2を介して接続されている。遅延合成回路40の出力側は、デジタル復調回路47に接続されている。デジタル復調回路47の出力側は、ベースバンド回路48に接続されている。ベースバンド回路48の出力側は、この無線受信機30eの出力である。
図10は、第6の実施形態に係る遅延合成回路の概念を示す図である。
遅延合成回路40には、受信アンテナ31c−1,31c−2の出力側が回転周波数検出回路60−1,60−2を介して接続されている。遅延合成回路40の出力側は、デジタル復調回路47に接続されている。デジタル復調回路47の出力側は、ベースバンド回路48に接続されている。ベースバンド回路48の出力側は、この無線受信機30eの出力である。
遅延合成回路40は、受信アンテナ31c−1,31c−2が受信した電磁波の周波数f3成分が入力されると、遅延量T〜nTのn個の信号を作成し、これら遅延信号における、電磁波の偏波面の位相変移θiを補正し、電磁波の行路差による位相ずれφiを補正して、遅延量を元に戻した信号を合成することによって信号電力を増大させる。
遅延合成回路40は、複数の反射移相変移遅延器42(=42−1〜42−n)と、複数の遅延器43(=43−1〜43−n)と、複数の加算器44(=44−1〜44−n)と、複数の行路差位相変移遅延器45(=45−1〜45−n)と、合成器46とを有している。
反射移相変移遅延器42−i(iは1からnの自然数)は、入力信号を(i×T)だけ遅延させると共に、電磁波の反射による偏波面の位相変移θiを補正する機能を有している。
遅延器43−iは、入力信号を(i×T)だけ遅延させる機能を有している。加算器44−iは、反射移相変移遅延器42−iの出力信号と、遅延器43−iの出力信号とを加算し、受信アンテナ31c−1,31c−2で受信した多重波を、それぞれ遅延時間T〜6Tだけ遅延させた偏波信号を出力する機能を有している。
加算器44−iは、反射移相変移遅延器42−iの出力信号と、遅延器43−iの出力信号とを加算する機能を有している。
加算器44−iは、反射移相変移遅延器42−iの出力信号と、遅延器43−iの出力信号とを加算する機能を有している。
電磁波の偏波面は、(1/f3)周期で回転しているので、電波の散乱による干渉は、(1/f3)周期で発生する。この電波散乱による干渉を抑圧するため、遅延量Tは、(1/f3)周期を偏りなく均等にサンプリング可能な値である((1/f3)÷n)である。これにより、遅延時間T〜6Tのいずれかのタイミングで電波干渉が発生しても、干渉によって電磁波エネルギーがゼロになる現象を回避可能である。更に、これに限定されず、遅延量Tを、((1/f3)÷n)周期の整数倍、1/2倍、3/2倍など、任意の値に設定しても良い。
行路差位相変移遅延器45−iは、電磁波の行路差による位相ずれφiを補正すると共に、反射移相変移遅延器42−iと遅延器43−iにおける入力信号の遅延を揃える。合成器46は、これらの信号を合成することによって信号電力を増大させる。
回転周波数検出回路60−1の出力側は、反射移相変移遅延器42−1〜42−nに接続され、回転周波数検出回路60−2の出力側は、遅延器43−1〜43−nに接続されている。反射移相変移遅延器42−1の出力側と、遅延器43−1の出力側は、加算器44−1に接続されている。加算器44−1の出力側は、行路差位相変移遅延器45−1に接続されている。この接続により、電磁波の行路差による位相ずれが補正されて合成器46に出力される。
反射移相変移遅延器42−iの出力側と、遅延器43−iの出力側は、加算器44−iに接続されている。加算器44−iの出力側は、行路差位相変移遅延器45−iに接続されている。行路差位相変移遅延器45−iにより、第iの遅延信号の電磁波の行路差による位相ずれが補正され、合成器46に入力される。合成器46は、第1の遅延信号から第nの遅延信号まで全てを合成することによって、出力信号の信号電力を増大させる。
合成器46の出力側は、この遅延合成回路40の出力側であり、デジタル復調回路47に接続されている。デジタル復調回路47の出力側は、ベースバンド回路48に接続されている。遅延合成回路40は、補正によって信号電力を増大させることにより、デジタル復調回路47の復調後の誤り率を最小化することが可能である。
(第6の実施形態の構成)
図11は、第6の実施形態に係る遅延合成回路を示す概略の構成図である。
遅延合成回路40aには、図10の遅延合成回路40と同様に、受信アンテナ31c−1,31c−2の出力側が回転周波数検出回路60−1,60−2を介して接続されている。遅延合成回路40の出力側は、デジタル復調回路47に接続されている。デジタル復調回路47の出力側は、ベースバンド回路48に接続されている。遅延合成回路40aには更に、デジタル復調回路47からの制御信号が接続されている。この制御信号により、電磁波の反射による偏波面の位相変移θ1〜θnの補正と、電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φnの補正とを制御可能である。
図11は、第6の実施形態に係る遅延合成回路を示す概略の構成図である。
遅延合成回路40aには、図10の遅延合成回路40と同様に、受信アンテナ31c−1,31c−2の出力側が回転周波数検出回路60−1,60−2を介して接続されている。遅延合成回路40の出力側は、デジタル復調回路47に接続されている。デジタル復調回路47の出力側は、ベースバンド回路48に接続されている。遅延合成回路40aには更に、デジタル復調回路47からの制御信号が接続されている。この制御信号により、電磁波の反射による偏波面の位相変移θ1〜θnの補正と、電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φnの補正とを制御可能である。
遅延合成回路40aは、図10の遅延合成回路40と同様に、複数の遅延器43(=43−1〜43−n)と、複数の加算器44(=44−1〜44−n)と、合成器46とを有している。更に、複数の反射移相変移遅延器42(=42−1〜42−n)の代わりに、遅延器43a(=43a−1〜43a−n)と反射移相変移器49(=49−1〜49−n)とを有し、複数の行路差位相変移遅延器45(=45−1〜45−n)の代わりに、行路差位相変移器49a(=49a−1〜49a−n)と遅延器50(=50−1〜50−n)とを有している。
遅延器43a(=43a−1〜43a−n)は、入力信号を(i×T)だけ遅延させる機能を有している。反射移相変移器49(=49−1〜49−n)は、電磁波の反射による偏波面の位相変移θ1〜θnを補正する機能を有している。
遅延器43−iは、入力信号を(i×T)だけ遅延させる機能を有している。加算器44−iは、反射移相変移器49−iの出力信号と、遅延器43−iの出力信号とを加算し、受信アンテナ31c−1,31c−2で受信した多重波を、それぞれ遅延時間T〜6Tだけ遅延させた偏波信号を出力する機能を有している。
行路差位相変移器49a−iは、電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φnを補正する機能を有している。遅延器50−iは、遅延時間(t2−i×T)だけ信号を遅延させる機能を有している。これにより、遅延器50−1〜50−nから出力される信号は、すべて所定時間t2だけ遅延した信号となる。合成器46は、これらの信号を合成することによって信号電力を増大させる。
合成器46の出力側は、この遅延合成回路40の出力側であり、デジタル復調回路47aに接続されている。デジタル復調回路47aの出力側は、ベースバンド回路48に接続されている。デジタル復調回路47aは更に、遅延合成回路40aの電磁波の反射による偏波面の位相変移θ1〜θnの補正と、電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φnの補正とを制御する機能を有している。本実施形態において、電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φnは、周波数f3における位相ずれを示している。
(第6の実施形態の動作)
受信アンテナ31c−1,31c−2に到来する電磁波は、回転周波数検出回路60−1,60−2によって、それぞれ(1/f3)周期の2つのデジタル信号に変換される。
受信アンテナ31c−1,31c−2に到来する電磁波は、回転周波数検出回路60−1,60−2によって、それぞれ(1/f3)周期の2つのデジタル信号に変換される。
一方のデジタル信号は、遅延器43a−1〜43a−nに入力され、他方のデジタル信号は、遅延器43−1〜43−nに入力されて、それぞれ所定の遅延量だけ遅延される。
更に遅延器43a−1〜43a−nの出力信号は、それぞれ反射位相変移器49−1〜49−nで、電磁波の反射による偏波面の位相変移θiが補正される。反射位相変移器49−1〜49−nは、例えば、入力信号を所定時間((θi÷2π)÷f3)だけ遅延させることにより、偏波面の位相変移θiを補正する。
反射位相変移器49−1〜49−nから出力される補正信号と、遅延器43−1〜43−nの出力信号は、それぞれ加算器44−1〜44−nで加算される。加算器44−1〜44−nの出力信号は、それぞれ遅延時間T〜nTに対応し、かつ電磁波の反射による偏波面の位相変移θ1〜θnが補正された受信信号である。
加算器44−1〜44−nの出力信号は、それぞれ行路差位相変移器49a−1〜49a−nで、電磁波の行路差による位相ずれを補正され、遅延器50−1〜50−nによって、それぞれの信号の遅延量は全て所定時間t2となる。遅延器50−1〜50−nの出力信号は、合成器46によって合成され、出力信号の信号電力は増大する。
受信アンテナ31c−1,31c−2に到来する電磁波は、(1/f3)周期で偏波面が回転しているので、電波散乱による干渉が発生する場合には、(1/f3)周期となる。この電波散乱による干渉を抑圧するため、遅延器43−1〜43−nと、遅延器43a−1〜43a−nによって、(1/f3)周期を偏りなく均等に抽出して信号処理する。よって、遅延器43−1〜43−nと、遅延器43a−1〜43a−nの遅延量の単位Tは、(1/f3)周期をnで除算した値か、または(1/f3)周期の1/2をnで除算した値とする。これにより、(1/f3)周期のいずれかのタイミングで、特定の遅延時間において特定の偏波面の電磁波エネルギーが干渉によってゼロになる現象が発生したとしても、他の遅延時間における他の偏波面は干渉せず、電磁波エネルギーはゼロにならないことが期待される。
更に、これに限定されず、遅延量Tを、((1/f3)÷n)周期の整数倍、1/2倍、3/2倍など、任意の値に設定しても良い。
更に、これに限定されず、遅延量Tを、((1/f3)÷n)周期の整数倍、1/2倍、3/2倍など、任意の値に設定しても良い。
図12は、第6の実施形態に係る無線通信システムの動作を示す図である。横軸には、無線送信機10の動作と、伝送路と、無線受信機30fの動作とが記載されており、縦軸には、時間tの経過が示されている。
無線送信機10は、トレーニング期間であるタイミングT1において、トレーニング信号を送信する。伝送路には、このトレーニング信号が送信される。無線受信機30fのデジタル復調回路47aは、タイミングR1において、このトレーニング信号を受信し、合成した受信信号の強度が最大となるよう、電磁波の反射による偏波面の位相変移θ1〜θnの補正と、電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φnの補正とを最適化する。
無線送信機10は、タイミングT2において、情報信号を送信する。伝送路には、この情報信号が送信される。無線受信機30fは、タイミングR2において、この情報信号を受信し、最適化した電磁波の反射による偏波面の位相変移θ1〜θnの補正と、電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φnの補正とを行って復号化する。最適化とは、例えば各遅延時間T〜nTにおける電磁波の反射による偏波面の位相変移θ1〜θnの補正量を変更すると共に、行路差による位相ずれφ1〜φnの補正量を調整することである。
この調整は、例えば偏波面の位相変移θ1の値を所定範囲で変更して最適値を求めたのち、行路差による位相ずれφ1の値を所定範囲で変更して最適値を求め、これを偏波面の位相変移θ2以降の値と,行路差による位相ずれφ2以降の値に繰り返し適用することによって行うことが可能である。
以下、このタイミングT1〜T2,R1〜R2の処理を繰り返すことにより、無線送信機10と無線受信機30fは、設置環境が変化し、無線送信機10から無線受信機30fに到達する電磁波の行路が動的に変化する場合でも、電波干渉による通信誤りを更に回避することが可能である。
(第6の実施形態の効果)
以上説明した第6の実施形態では、次の(N)のような効果がある。
(N) トレーニング期間において、反射による偏波面の位相変移θ1〜θnの補正量と、行路差による位相ずれφ1〜φnの補正量とを最適化しているので、設置環境が変化し、無線送信機10から無線受信機30fに到達する電磁波の行路が動的に変化する場合でも、電波干渉による通信誤りを更に回避することが可能である。
以上説明した第6の実施形態では、次の(N)のような効果がある。
(N) トレーニング期間において、反射による偏波面の位相変移θ1〜θnの補正量と、行路差による位相ずれφ1〜φnの補正量とを最適化しているので、設置環境が変化し、無線送信機10から無線受信機30fに到達する電磁波の行路が動的に変化する場合でも、電波干渉による通信誤りを更に回避することが可能である。
(第7の実施形態の構成)
図13は、第7の実施形態に係る遅延合成回路を示す概略の構成図である。第6の実施形態を示す図11中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例における無線受信機30gは、第6の実施形態に示す無線受信機30fが有するデジタル復調回路47aとは異なるデジタル復調回路47と、第6の実施形態に示す無線受信機30fが有するベースバンド回路48とは異なるベースバンド回路48aとを有している他は、第6の実施形態に示す無線受信機30fと同様の構成を有している。
図13は、第7の実施形態に係る遅延合成回路を示す概略の構成図である。第6の実施形態を示す図11中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例における無線受信機30gは、第6の実施形態に示す無線受信機30fが有するデジタル復調回路47aとは異なるデジタル復調回路47と、第6の実施形態に示す無線受信機30fが有するベースバンド回路48とは異なるベースバンド回路48aとを有している他は、第6の実施形態に示す無線受信機30fと同様の構成を有している。
ベースバンド回路48aは、遅延合成回路40aの電磁波の反射による偏波面の位相変移θ1〜θnの補正量と、電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φnの補正量とを制御する機能を有している。
(第7の実施形態の動作)
図12を元に、第7の実施形態に係る無線受信機30gの動作を説明する。
無線送信機10は、トレーニング期間であるタイミングT1において、トレーニング信号を送信する。伝送路には、このトレーニング信号が送信される。無線受信機30gのベースバンド回路48aは、タイミングR1において、このトレーニング信号を受信し、合成した受信信号の復調後の誤り率が最小となるよう、電磁波の反射による偏波面の位相変移θ1〜θnの補正量と、電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φnの補正量とを最適化する。
図12を元に、第7の実施形態に係る無線受信機30gの動作を説明する。
無線送信機10は、トレーニング期間であるタイミングT1において、トレーニング信号を送信する。伝送路には、このトレーニング信号が送信される。無線受信機30gのベースバンド回路48aは、タイミングR1において、このトレーニング信号を受信し、合成した受信信号の復調後の誤り率が最小となるよう、電磁波の反射による偏波面の位相変移θ1〜θnの補正量と、電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φnの補正量とを最適化する。
(第7の実施形態の効果)
以上説明した第7の実施形態では、次の(O)のような効果がある。
(O) トレーニング期間において電磁波の反射による偏波面の位相変移θ1〜θnの補正量と、電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φnの補正量とを最適化しているので、設置環境が変化し、無線送信機10から無線受信機30fに到達する電磁波の行路が動的に変化する場合でも、電波干渉による復調後の誤り率を最小にすることが可能である。
以上説明した第7の実施形態では、次の(O)のような効果がある。
(O) トレーニング期間において電磁波の反射による偏波面の位相変移θ1〜θnの補正量と、電磁波の行路差による位相ずれφ1〜φnの補正量とを最適化しているので、設置環境が変化し、無線送信機10から無線受信機30fに到達する電磁波の行路が動的に変化する場合でも、電波干渉による復調後の誤り率を最小にすることが可能である。
(第8の実施形態の構成)
図14は、第8の実施形態に係る昇降機システムを示す概略の構成図である。
この昇降機システム100は、縦長の直方体である建物101と、昇降カゴ111とを有している。建物101の内部には、昇降カゴ111が昇降する空間が設けられている。昇降カゴ111は図示しないロープと駆動機構によって、建物101の内部空間を昇降する。
図14は、第8の実施形態に係る昇降機システムを示す概略の構成図である。
この昇降機システム100は、縦長の直方体である建物101と、昇降カゴ111とを有している。建物101の内部には、昇降カゴ111が昇降する空間が設けられている。昇降カゴ111は図示しないロープと駆動機構によって、建物101の内部空間を昇降する。
建物101の内部空間の天井部には、基地局無線機102−1とアンテナ103−1とが設置され、建物101の内部空間の床部には、基地局無線機102−2とアンテナ103−2とが設置されている。基地局無線機102−1,102−2は、図8(b)に示す無線受信機30cと同一の構成を有している偏波角分割ダイバシチ無線機であり。アンテナ103−1,103−2は、図8(b)に示す受信アンテナ31cと同様の直交偏波一体アンテナである。
昇降カゴ111の上面にはアンテナ113−1が設けられ、下面にはアンテナ113−2が設けられ、高周波ケーブル114によって端末局無線機112に接続されている。端末局無線機112は、図8(a)に示す無線送信機10dと同様の偏波角分割ダイバシチ無線機である。このアンテナ113−1,113−2は、図8(a)に示す送信アンテナ20cと同様の直交偏波一体アンテナである。
(第8の実施形態の動作)
端末局無線機112から送信された電波は、アンテナ113−1とアンテナ113−2を介して送信される。送信された電波は、建物101の内部空間を無線伝送媒体とするので、建物101の内壁および昇降カゴ111の外壁により多重反射を受ける。すなわち、建物101の内部空間は、多重波干渉環境を形成する。多重反射を受けた電波は、それぞれアンテナ103−1,103−2に到達する。
端末局無線機112から送信された電波は、アンテナ113−1とアンテナ113−2を介して送信される。送信された電波は、建物101の内部空間を無線伝送媒体とするので、建物101の内壁および昇降カゴ111の外壁により多重反射を受ける。すなわち、建物101の内部空間は、多重波干渉環境を形成する。多重反射を受けた電波は、それぞれアンテナ103−1,103−2に到達する。
本実施形態では偏波角度分割ダイバシチにより、多重波干渉環境下でも高品質の無線伝送が実現可能となる。建物101から無線接続手段によって昇降カゴ111の制御/監視が可能となるので、ケーブル等の有線接続手段によって昇降カゴ111が昇降する空間を無駄にすることがなくなる。よって、建物101を小さい体積とするか、または、同一の建物101の体積で昇降カゴ111の寸法を増大させて輸送能力を向上させることが可能である。
あわせて、昇降カゴ111の軽量化も可能となる。昇降カゴ111に接続されるケーブル等の有線接続手段の重さは、高層ビルにおいて、無視し得ない重さとなる為である。
あわせて、昇降カゴ111の軽量化も可能となる。昇降カゴ111に接続されるケーブル等の有線接続手段の重さは、高層ビルにおいて、無視し得ない重さとなる為である。
(第8の実施形態の効果)
以上説明した第8の実施形態では、次の(P)のような効果がある。
(P) 建物101から無線接続手段によって昇降カゴ111の制御/監視が可能となるので、ケーブル等の有線接続手段によって昇降カゴ111が昇降する空間を無駄にすることがなくなる。よって、小さい建物101の体積とするか、または、同一の建物101の体積で昇降カゴ111の寸法を増大させて輸送能力を向上させることが可能である。
以上説明した第8の実施形態では、次の(P)のような効果がある。
(P) 建物101から無線接続手段によって昇降カゴ111の制御/監視が可能となるので、ケーブル等の有線接続手段によって昇降カゴ111が昇降する空間を無駄にすることがなくなる。よって、小さい建物101の体積とするか、または、同一の建物101の体積で昇降カゴ111の寸法を増大させて輸送能力を向上させることが可能である。
(第9の実施形態の構成)
図15は、第9の実施形態に係る変電設備監視システムを示す概略の構成図である。
本実施形態の変電設備監視システム200は、複数の変電機201−1〜201−12と、これらの近傍に設定されている複数の無線基地局211−1〜211−4とを備えている。本実施形態では、変電機201−1〜201−12の数は無線基地局211−1〜211−4の数より多い。
図15は、第9の実施形態に係る変電設備監視システムを示す概略の構成図である。
本実施形態の変電設備監視システム200は、複数の変電機201−1〜201−12と、これらの近傍に設定されている複数の無線基地局211−1〜211−4とを備えている。本実施形態では、変電機201−1〜201−12の数は無線基地局211−1〜211−4の数より多い。
それぞれの変電機201−1〜201−12は、偏波角分割ダイバシチを行う端末局無線機203と直交偏波一体アンテナ202とを備えている。変電機201−1〜201−12の寸法は、数mのオーダである。
無線基地局211−1〜211−4は、それぞれ偏波角分割ダイバシチを行う基地局無線機213と直交偏波一体アンテナ212とを備えている。無線機が使用する数百MHzから数GHzの周波数の電磁波の波長に比べて、変電機201−1〜201−12の寸法は圧倒的に大きい。
(第9の実施形態の動作)
本実施形態の変電設備監視システム200において、電磁波は、複数の変電機201−1〜201−12により多重反射を受ける。変電設備監視システム200には、多重波干渉環境が形成される。
本実施形態の変電設備監視システム200において、電磁波は、複数の変電機201−1〜201−12により多重反射を受ける。変電設備監視システム200には、多重波干渉環境が形成される。
本実施形態の端末局無線機203と、基地局無線機213とは、偏波角度分割ダイバシチ機能により、多重波干渉環境下でも高品質の無線伝送が実現可能となり、複数の無線基地局211−1〜211−4によって、変電機201−1〜201−12の遠隔制御と遠隔監視が可能である。よって、ケーブルなどを用いる場合に問題となる高圧誘導電力の問題を解決できると共に、ケーブルの敷設コストを削除でき、変電機201−1〜201−12の制御/監視システムの安全性の向上、および、コストの削減が可能となる。
(第9の実施形態の効果)
以上説明した第9の実施形態では、次の(Q)のような効果がある。
(Q) 本実施形態の偏波角度分割ダイバシチ無線機により、多重波干渉環境下でも高品質の無線伝送が実現可能となる。変電機201−1〜201−12の制御・監視を複数の無線基地局211−1〜211−4により遠隔で実施可能である。よって、ケーブル等の該有線接続手段を用いる場合に問題となる高圧誘導電力の問題を解決できると共に、ケーブルの敷設コストを削除でき、変電機201−1〜201−12の制御/監視システムの安全性向上、および、コスト削減が可能となる。
以上説明した第9の実施形態では、次の(Q)のような効果がある。
(Q) 本実施形態の偏波角度分割ダイバシチ無線機により、多重波干渉環境下でも高品質の無線伝送が実現可能となる。変電機201−1〜201−12の制御・監視を複数の無線基地局211−1〜211−4により遠隔で実施可能である。よって、ケーブル等の該有線接続手段を用いる場合に問題となる高圧誘導電力の問題を解決できると共に、ケーブルの敷設コストを削除でき、変電機201−1〜201−12の制御/監視システムの安全性向上、および、コスト削減が可能となる。
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(b)のようなものがある。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(b)のようなものがある。
(a) 第2の実施形態の無線受信機30aは、6本の受信アンテナ31−1〜31−6を備えている。しかし、これに限定されず、任意のn本(nは自然数)の受信アンテナでも良い。このとき、遅延量Tは、電磁波の偏波面の回転周期である(1/f3)を偏りなくサンプリング可能な値である((1/f3)÷n)であることが望ましい。または、電磁波の偏波面の回転周期の半分である((1/f3)÷2)を偏りなくサンプリング可能な値である(((1/f3)÷2)÷n)であることが望ましい。
(b) 第5の実施形態の無線送信機10dは、円偏波を送信する第1の送信アンテナである送信アンテナ20c−1と、第2の送信アンテナである送信アンテナ20c−2とを備えている。しかし、これに限られず、第1の送信アンテナが直線偏波を送信し、第2の送信アンテナが、前記第1の送信アンテナが送信する直線偏波と所定角度(85度から95度)を成す直線偏波を送信しても良い。
(c) 本発明の偏波角度分割ダイバシチ無線送信機、無線受信機を、セキュリティシステムにおける集中制御装置と、扉センサや、窓センサなどとの無線通信に適用しても良い。これにより、高度な通信品質が求められるセキュリティシステムを提供することが可能となる。
10,10b,10c,10d 無線送信機
11 情報生成回路
12,12−1,12−2 発振器
13,13−1 変調器(第1の変調手段)
13−2 変調器(第4の変調手段)
14 モータ(回転手段)
15 移相回路(移相手段)
15b 反転移相回路
16 発振器
17 ベースバンド回路
18−1 変調器(第2の変調手段)
18−2 変調器(第3の変調手段)
19−1 加算器(第1の合成手段)
19−2 加算器(第2の合成手段)
20 送信アンテナ(電磁波発信手段)
20b−1,20c−1 送信アンテナ(第1の送信アンテナ)
20b−2,20c−2 送信アンテナ(第2の送信アンテナ)
30,30a,30b,30c,30d,30e 無線受信機
31 ダイバシチ受信アンテナ
31b−1,31c−1 受信アンテナ(第1の受信アンテナ)
31b−2,31c−2 受信アンテナ(第2の受信アンテナ)
32−1〜32−6 行路差位相変移器(複数の信号補正手段)
33 合成器(合成手段)
34−1〜34−6 遅延器
35−1〜35−6 遅延器
37 時分割スイッチ
37a 入力側スイッチ
37b 出力側スイッチ
40,40a 遅延合成回路(遅延合成手段)
42(=42−1〜42−n) 反射移相変移遅延器
43(=43−1〜43−n),43a(=43a−1〜43a−n) 遅延器
44−1〜44−n 加算器
45(=45−1〜45−n) 行路差位相変移遅延器
46 合成器
47,47a デジタル復調回路
48,48a ベースバンド回路
49(=49−1〜49−n) 反射移相変移器
49a(=49a−1〜49a−n) 行路差位相変移器
50(=50−1〜50−n) 遅延器
60−1 回転周波数検出回路(第1の回転周波数検出手段)
60−2 回転周波数検出回路(第2の回転周波数検出手段)
61 整流回路
62 ローパスフィルタ
63 A/Dコンバータ
11 情報生成回路
12,12−1,12−2 発振器
13,13−1 変調器(第1の変調手段)
13−2 変調器(第4の変調手段)
14 モータ(回転手段)
15 移相回路(移相手段)
15b 反転移相回路
16 発振器
17 ベースバンド回路
18−1 変調器(第2の変調手段)
18−2 変調器(第3の変調手段)
19−1 加算器(第1の合成手段)
19−2 加算器(第2の合成手段)
20 送信アンテナ(電磁波発信手段)
20b−1,20c−1 送信アンテナ(第1の送信アンテナ)
20b−2,20c−2 送信アンテナ(第2の送信アンテナ)
30,30a,30b,30c,30d,30e 無線受信機
31 ダイバシチ受信アンテナ
31b−1,31c−1 受信アンテナ(第1の受信アンテナ)
31b−2,31c−2 受信アンテナ(第2の受信アンテナ)
32−1〜32−6 行路差位相変移器(複数の信号補正手段)
33 合成器(合成手段)
34−1〜34−6 遅延器
35−1〜35−6 遅延器
37 時分割スイッチ
37a 入力側スイッチ
37b 出力側スイッチ
40,40a 遅延合成回路(遅延合成手段)
42(=42−1〜42−n) 反射移相変移遅延器
43(=43−1〜43−n),43a(=43a−1〜43a−n) 遅延器
44−1〜44−n 加算器
45(=45−1〜45−n) 行路差位相変移遅延器
46 合成器
47,47a デジタル復調回路
48,48a ベースバンド回路
49(=49−1〜49−n) 反射移相変移器
49a(=49a−1〜49a−n) 行路差位相変移器
50(=50−1〜50−n) 遅延器
60−1 回転周波数検出回路(第1の回転周波数検出手段)
60−2 回転周波数検出回路(第2の回転周波数検出手段)
61 整流回路
62 ローパスフィルタ
63 A/Dコンバータ
Claims (10)
- 第1の周波数の情報信号を第2の周波数で変調し、第1の変調信号を出力する第1の変調手段と、
前記情報信号を、前記第2の周波数と僅かに異なる第4の周波数で変調し、第4の変調信号を出力する第4の変調手段と、
前記第1の変調信号と前記第4の変調信号とを合成して、前記第2の周波数と前記第4の周波数の差によって生じた第3の周波数で更に変調した第1の出力信号を出力する第1の合成手段と、
前記第1の変調信号と前記第4の変調信号の反転信号とを合成して、前記第2の周波数と前記第4の周波数の反転信号との差によって生じた前記第3の周波数で更に変調した第2の出力信号を出力する第2の合成手段と、
前記第1の出力信号を、第1の偏波で送信する第1の送信アンテナと、
前記第2の出力信号を、第2の偏波で送信する第2の送信アンテナと、
を有することを特徴とする偏波角度分割ダイバシチ無線送信機。 - 前記第1の送信アンテナは、直線偏波を送信するアンテナであり、
前記第2の送信アンテナは、前記第1の送信アンテナと85度から95度の間を成して設置され、直線偏波を送信するアンテナである
ことを特徴とする請求項1に記載の偏波角度分割ダイバシチ無線送信機。 - 前記第1の送信アンテナは、円偏波を送信するアンテナであり、
前記第2の送信アンテナは、前記第1の送信アンテナとは反対方向に回転する円偏波を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の偏波角度分割ダイバシチ無線送信機。 - 前記第1の周波数は前記第2の周波数、前記第4の周波数、前記第3の周波数のいずれよりも低く、前記第2の周波数と前記第4の周波数は、前記第3の周波数よりも高いことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の偏波角度分割ダイバシチ無線送信機。
- 請求項1に記載の偏波角度分割ダイバシチ無線送信機が発信する電磁波を受信する偏波角度分割ダイバシチ無線受信機であって、
この偏波角度分割ダイバシチ無線送信機が発信する前記第1の偏波を受信して第1の入力信号を得る第1の受信アンテナと、
この偏波角度分割ダイバシチ無線送信機が発信する前記第2の偏波を受信して第2の入力信号を得る第2の受信アンテナと、
前記第1の入力信号を、前記第3の周波数以下の周波数の信号を検出して第1の受信信号を生成する第1の回転周波数検出手段と、
前記第2の入力信号を、前記第3の周波数以下の周波数の信号を検出して第2の受信信号を生成する第2の回転周波数検出手段と、
前記第1の受信信号と前記第2の受信信号を遅延して合成する遅延合成手段と
を備えたことを特徴とする偏波角度分割ダイバシチ無線受信機。 - 前記第1の受信アンテナは、円偏波を受信するアンテナであり、
前記第2の受信アンテナは、前記第1の受信アンテナと反対方向に回転する円偏波を受信するアンテナである
ことを特徴とする請求項5に記載の偏波角度分割ダイバシチ無線送信機。 - 請求項5に記載の前記遅延合成手段は、
所定の遅延時間ごとに、前記第1の受信信号と前記第2の受信信号の偏波位相回転を行って加算し、
前記加算した受信信号ごとに、行路差にもとづく行路差位相補正を行い、
前記補正した受信信号を合成する
ことを特徴とする偏波角度分割ダイバシチ無線受信機。 - 前記合成した受信信号の強度が最大となるよう、前記偏波位相回転および前記行路差位相補正を決定することを特徴とする請求項7に記載の偏波角度分割ダイバシチ無線受信機。
- 前記合成した受信信号の復調後の誤り率が最小となるよう、前記偏波位相回転および前記行路差位相補正を決定することを特徴とする請求項7に記載の偏波角度分割ダイバシチ無線受信機。
- 第1の周波数の情報信号を第2の周波数で変調し、第1の変調信号を出力する第1の変調手段と、
前記第1の変調信号を独立した2つの偏波で送信すると共に、この偏波に第3の周波数を重畳する電磁波発信手段と、
を備え、
前記電磁波発信手段は、
前記第1の変調信号を、前記第3の周波数で変調して第1の出力信号を得る第2の変調手段と、
前記第1の出力信号を、第1の偏波で送信する第1の送信アンテナと、
前記第3の周波数の位相を、所定角度だけシフトする移相手段と、
前記第1の変調信号を、前記シフトした第3の周波数で変調して第2の出力信号を得る第3の変調手段と、
前記第2の出力信号を第2の偏波で送信する第2の送信アンテナと、
を有している偏波角度分割ダイバシチ無線送信機、
または、
前記第1の周波数の情報信号を前記第2の周波数で変調し、前記第1の変調信号を出力する第1の変調手段と、
前記情報信号を、前記第2の周波数と僅かに異なる第4の周波数で変調し、第4の変調信号を出力する第4の変調手段と、
前記第1の変調信号と前記第4の変調信号とを合成して、前記第2の周波数と前記第4の周波数の差によって生じた第3の周波数で更に変調した第1の出力信号を出力する第1の合成手段と、
前記第1の変調信号と前記第4の変調信号の反転信号とを合成して、前記第2の周波数と前記第4の周波数の反転信号との差によって生じた前記第3の周波数で更に変調した第2の出力信号を出力する第2の合成手段と、
前記第1の出力信号を、第1の偏波で送信する第1の送信アンテナと、
前記第2の出力信号を、第2の偏波で送信する第2の送信アンテナと、
を有している偏波角度分割ダイバシチ無線送信機と、
請求項7に記載の偏波角度分割ダイバシチ無線受信機と、
を具備する偏波角度分割ダイバシチ無線通信システムであって、
この偏波角度分割ダイバシチ無線送信機は、情報を送受信する前に、あらかじめ定められた既知の情報を送信する所定のトレーニング動作を行い、
この偏波角度分割ダイバシチ無線受信機は、前記所定のトレーニング動作において、前記合成した受信信号の復調後の誤り率が最小となるよう、偏波位相回転および行路差位相補正を決定する
ことを特徴とする偏波角度分割ダイバシチ無線通信システム。
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