JP5736758B2 - 周波数変換回路及びそれを用いた無線中継器並びに無線中継システム - Google Patents

周波数変換回路及びそれを用いた無線中継器並びに無線中継システム Download PDF

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Description

本発明は、周波数変換回路及びそれを用いた無線中継器並びに無線中継システムに係り、特に、狭域放送システムなどにおける無線信号中継の際に、受信信号の搬送波の周波数と送信信号の搬送波の周波数が異なる無線信号中継器を実現するのに適した周波数変換技術に関する。
コンテンツにアナログ変調を施した無線信号で放送するアナログ放送に代わり、コンテンツにデジタル変調を用いて無線信号で放送するデジタル波放送の普及が全世界的に始まっている。デジタル放送では、アナログ放送では実現できない、上り下り非対象通信、デジタルゴースト補整、周波数有効利用等の各種特長を生かしたサービスが展開される。全世界的にアナログ放送にて提供していたコンテンツサービスをデジタル放送でも継続して行うために、ほとんどのアナログ放送のサービスはデジタル放送においても引き継がれる。換言すれば、一旦デジタル放送が開始されれば、アナログ放送のサービスはほぼ完全にデジタル放送で代替されるので、アナログ放送サービスは終了し、これまで該アナログ放送で使用していた周波数は、他の無線システムの再利用が可能となる。これまでアナログ放送で使用していた周波数およびデジタル放送により周波数利用効率が向上したことによる余裕周波数領域を用いて、これまでのアナログ放送ではサービスを提供していなかった新たな放送サービスあるいは放送・通信融合サービスが提案され順次実運用へと移行しつつある。
このような新サービスのほとんどは、アナログ放送時代には出現していなかった、人々の新しい行動様式から喚起される新サービスであり、その大きな部分は携帯無線情報端末を用いた移動環境、あるいは半固定環境での放送サービスである。これまで放送は特定の固定された端末(多くの場合は受像器)を想定して、放送塔に代表される大規模放送基地局を数少なく配備し、該大規模放送基地局がサービスを無線で提供できないエリアについては、高周波ケーブルを用いた有線手段で補間的なサービス提供を行ってきた。
一方、近年のデジタル信号処理デバイスの動作速度の向上はめまぐるしく、無線周波数に匹敵する処理速度がすでに実現され、その数倍の処理速度の達成も視野に入っている。このような高速のデジタル信号処理では、オーバーサンプリングといわれる、信号処理すべきデジタル信号を高い周波数成分の信号で補間して該信号処理の精度を向上させる技術が、たとえば特許文献1、特許文献2などで知られている。
オーバーサンプリングは、第一のサンプリング周波数の逆数で定義される第一の時間間隔で時間軸上に並んでいる元のデジタル信号の間に、第一のサンプリング周波数の整数倍である第二のサンプリング周波数の逆数の間隔で信号を挿入し、元のデジタル信号を補間しデジタル信号の処理精度を向上させるものである。この補間において、第二のサンプリング周波数の逆数の間隔で零信号を挿入すると、元のデジタル信号のイメージが、元のデジタル信号の整数倍で生成され周波数軸上に並ぶことになる。この各イメージの周波数スペクトラムは元のデジタル信号の周波数スペクトラムと同一であることが、1948年にシャノンにより提唱されたサンプリング定理に関係して古くから知られている。
特表2007−509582号公報 特表2010−514279号公報
デジタル放送時代の新サービスは、多くの場合、移動あるいは可動端末を想定するので、大規模放送基地局がサービスを提供すべきエリアは、固定端末の点的分布から移動端末の面的エリアに拡大するので、大規模放送基地局がサービスを提供できないエリアが広がる。このような、端末の移動特性に対応するために、該大規模放送基地局がサービスを提供できないエリアに対する、無線を用いた補間的サービスに対する需要が急拡大している。無線放送に用いることのできる媒体は実質的に電磁波だけであるので、他の通信システムを含めて、他の無線システムが使用している周波数は使用することはきわめて困難である。このため、電磁波の伝搬減衰特性を用いて、基地局からの電波の送信出力を抑えて、遠く離れた場所で基地局から到来する電波が十分減衰する場所で、同じ周波数の電波を用いて放送サービスを行う方式が有効である。
このような方式では、大規模放送基地局(HUB)からサービスの提供を受けて放送サービスを提供する複数の基地局(BS1)、(BS2)が存在する状態を想定した場合、少なくとも放送サービスを提供する特定の周波数を用いる一つの基地局(BS1)が、同一の周波数を用いて放送サービスを提供する他の基地局(BS2)に対して、両基地局の放送サービスとは独立に、大規模放送基地局(HUB)からサービスを提供された放送すべきコンテンツを配信する必要が生じる。
従来は、この複数の基地局への同一のコンテンツの配信は、高周波ケーブルを用いて有線で行っていた。高周波ケーブル内を伝送する信号の外部空間への漏洩は無視できるほど小さいので、当該両基地局が特定の周波数で行っている放送サービスに対して干渉を与えることはない。サービス提供を希望する無線端末(TS)の数が拡大すると、基地局が各無線端末に送信すべき電磁波の量が増加することになり、結果として基地局の送信出力を増大させる必要が生じる。しかしながら、基地局の送信出力を増大させるとこれまで、該基地局が送出する電波が到達できなかったエリアの無線端末(TS)にも該電波が到達することになり、同一の周波数の電波を用いて放送サービスを提供できていた二つの基地局(BS1)、(BS2)が電波の干渉により、サービス提供不能となってしまう。
異なる端末は事実上同一の場所に存在することはほとんどないので、放送サービスの提供を希望する端末が増えるということは、面的に該端末の密度が一様に近づくことに相当する。このような条件では、出力の小さな放送基地局(BS)を多く配置することで、放送サービスの提供を希望する端末(TS)の数の増加に対応可能となる。しかし、これら多数の基地局(BS)にコンテンツを配信する高周波ケーブルの数が指数関数的に増大し、基地局の設置に関して確保すべき地理的面積が増大するのみならず、該高周波ケーブルの増大にともなる基地局の設置コストの増大が重大な問題となる。
従って、高周波ケーブルを用いない、無線媒体を用いたコンテンツの放送基地局(BS)への配信が必要となる。放送に用いる周波数Fと同一の周波数を用いることはできないので、このような無線による基地局へのコンテンツ配信は基地局が端末に送信している周波数fとは別の周波数を用いることとなる。この場合、該基地局(BS)は、コンテンツを配信する大規模放送基地局(HUB)から受ける受信周波数Fが端末(TS)へと同コンテンツを再配信する送信周波数fとは異なる無線中継器となり、その構成要素として周波数変換回路が必要となる。
従来の周波数変換回路は、ミキサ回路と局部発振器を主要構成要素として含む。ミキサは本質的な非線形アナログ回路であり、局部発振器は源振とよばれる周波数安定度に特に優れた発振器を必要とする。そのため、周波数変換回路は高コストであり、その非線形性より、製造器コスト・調整コストがきわめて高価である問題がある。また、変換すべき周波数が異なる場合、新たに局部発振器を作りなおすか、発振周波数を可変とできる高価な周波数シンセサイザ回路が必要となる。一般に放送では、複数のコンテンツを同時に配信するために複数のチャネルと呼ばれる周波数を用いるので、先述の変換すべき周波数は極めて頻繁に変える必要がある。
本発明の課題は、周波数変換を必要とする放送サービス無線を提供する無線中継器を、高価な周波数変換回路を用いずに実現することである。また、本発明の他の課題は、放送サービスの特徴である該周波数変換における変換周波数を変化させる要求に対応する無線中継装器並びに無線中継システムを実現することである。
本発明の代表的なものの一例を示せば以下の通りである。すなわち、本発明の無線中継用周波数変換回路は、第一のアナログ信号を第一の周波数でデジタル変換してオリジナルデジタル信号を生成するオリジナルデジタル信号生成部と、前記オリジナルデジタル信号を前記第一の周波数より高い第二の周波数でオーバーサンプリングするオーバーサンプル部と、前記オーバーサンプリング後のデータ点を零補間して複数のイメージデジタル信号を生成する零値補間部と、前記複数のイメージデジタル信号のうち、特定の周波数帯域を占有するイメージデジタル信号を選択する周波数軸イメージ選択部と、前記選択された特定の周波数帯域を占有するイメージデジタル信号の該周波数帯域のノイズ除去及び波形整形を行い、第二のアナログ信号に変換して出力するデジタルアナログ変換部とを備えており、前記デジタルアナログ変換部は、内部に比較器を持つデルタ・シグマ変調回路で構成されており、前記デルタ・シグマ変調回路は、該デルタ・シグマ変調回路の雑音伝達関数が前記イメージデジタル信号の周波数帯域で極小値を示し、該デルタ・シグマ変調回路の信号伝達関数が、前記比較器で生じる有限幅パルス信号のフーリエ変換に相当する波形歪を補正する、該波形歪の逆波形を該イメージデジタル信号の周波数帯域で実現することを特徴とする。
本発明によれば、無線中継器が受信した信号を、ミキサ回路および局部発振器からなるアナログ周波数変換回路を用いることなく、デジタル回路により周波数変換して送信できるので、無線中継器の小型化に効果がある。
本発明の周波数変換回路の第一の実施例の構成を示す図。 第一の実施例の周波数変換回路を適用した無線中継システムの構成例を示す図。 本発明の第二の実施例になる周波数変換デルタ・シグマ送信回路の構成図。 本発明の第三の実施例になる、周波数変換デルタ・シグマ送信回路を用いた無線中継器の構成図。 本発明の第四の実施例になる無線中継システムに用いるハブ基地器局の構成図。 第四の実施例になる無線中継システムに用いる無線中継器の構成図。 第四の実施例におけるデルタ・シグマ型DACのデジタルブロック構成図。 本発明で送受信に使用される電磁波の周波数の関係を示す図。 第四の実施例の無線中継システムの動作を説明する周波数スペクトラム。 第四の実施例の無線中継システムの動作を説明する周波数スペクトラム。 第四の実施例の無線中継システムの動作を説明する周波数スペクトラム。 第四の実施例における周波数変換デルタ・シグマ送信回路の動作を説明する周波数スペクトラム。 第四の実施例における周波数変換デルタ・シグマ送信回路の動作を説明する周波数スペクトラム。 第四の実施例の無線中継システムの作用、効果を説明する周波数スペクトラム。 通常のデルタ・シグマ変調回路の動作を説明する周波数スペクトラム。 本発明の第五の実施例になる、周波数変換デルタ・シグマ送信回路のデジタルブロック構成図。 本発明の第六の実施例になる無線中継システムに用いるハブ基地器局の構成図。 第七の実施例におけるハブ基地局の構成例を示す図。 第七の実施例になる無線中継システムに用いる無線中継器の構成図。 第七の実施例になる無線中継器の動作を示すフローチャート。 第七の実施例になる無線中継システムの動作を説明する周波数スペクトラム。 第七の実施例になる周波数変換デルタ・シグマ送信回路の動作を説明する周波数スペクトラム。 第七の実施例になる周波数変換デルタ・シグマ送信回路の動作を説明する周波数スペクトラム。 本発明の第八の実施例になる、無線中継器を用いた無線中継システムの構成図。 本発明第九の実施例になる、無線中継器を用いた無線中継システムの構成図。 本発明第十の実施例になる、大規模放送基地局及び無線中継器を用いた無線中継システムの構成図。
本発明の代表的な実施の形態によれば、ハブ基地局から無線で送信される電波(第一のアナログ信号)を中継基地局が受信した後、該電波の周波数が、無線中継器が端末に対して送信する周波数が低い場合はそのまま、高い場合はアナログ周波数変換回路により該無線中継器の送信周波数より低い周波数に変換した後、アナログデジタル変換器により第一のサンプリング周波数(fi)でオリジナルデジタル信号に変換し、該オリジナルデジタル信号を第一のサンプリング周波数の整数倍の第二のサンプリング周波数(fos)の逆数に当たる時間間隔で、第一のサンプリング周波数でサンプリングされた時間軸上の信号点の間を零補間する。そして、その結果周波数軸上で生成されるイメージデジタル信号のうち、特定の周波数のイメージデジタル信号(ft)を選択し、デジタルフィルタによって、選択された該特定のイメージデジタル信号以外の信号を所要のレベルまで減衰させ、得られたデジタル信号をデルタ・シグマ変調回路に入力する。該デルタ・シグマ変調回路は、該特定のイメージデジタル信号が占有する周波数帯域で雑音伝達関数の振幅が局所的に零に近い低い値をとり、同周波数帯域内でデルタ・シグマ回路が具備する比較器のサンプル・ホールド動作に起因する波形歪の逆特性を信号伝達関数が有する。そして、該デルタ・シグマ変調回路の出力(第二のアナログ信号)をアナログフィルタを介して直接電力増幅器に入力し、該電力増幅器の出力をアンテナから空間に放射する。
オーバーサンプリングの結果、各イメージデジタル信号のスペクトラムの中心周波数は元のデジタル信号のスペクトラムの中心周波数(fi)の整数倍となるから、適当なイメージデジタル信号を選択することにより、元のデジタル信号の高域への周波数変換が実現することになる。選択されたイメージデジタル信号はアナログ信号に変換され電波として空中に放射される必要があるので、デジタル信号である該適当なイメージをアナログ信号に変換する必要がある。
デジタル信号をアナログ信号に変換する回路はデジタル・アナログ・コンバーター(DAC)と呼ばれ、種々の回路方式が提案されているが、その中でデルタ・シグマ型DACは元のデジタル信号をオーバーサンプリングするため、本発明の技術と親和性がよい。デルタ・シグマ型DACは内部に比較器を持ち、デジタル信号を同一振幅で振幅の幅が変調されたアナログ信号を出力する。デルタ・シグマ回路ではオーバーサンプリング操作により信号に新たに雑音が付加されるが、オーバーサンプリングによりより広い周波数帯域に雑音を分散させることができるだけでなく、ノイズシェーピングと呼ばれる、広い周波数帯域に分散雑音を特定の帯域に集約させ、ある帯域の雑音を大幅に削減できる作用を持つ。デジタル信号処理は幅零のバルス波形であるインパルス波によって理想的には信号処理が行われなくてはならないが、デルタ・シグマ回路では比較器を持つので有限幅のパルスを扱うことになり、出力される信号は有限幅のパルスのフーリエ変換に対応する波形歪を受ける。該パルス幅が十分に小さければパルスのフーリエ変換はほぼ周波数軸と平行な特性を持つが、現実には、オーバーサンプリング周波数を周期とするSinc関数型の波形歪を受ける。このため、選択したイメージデジタル信号の周波数帯域が元のデジタル信号の周波数帯域と近い場合は、Sinc関数の特性により該波形歪はほとんど無視できるが、イメージの周波数帯域がオーバーサンプリング周波数(fos)に近い場合はその波形歪の影響は無視できない程度に大きい。デルタ・シグマ回路では信号伝達関数と雑音伝達関数を別個に設計できるため、信号伝達関数を選択したイメージデジタル信号の周波数帯域内で比較器動作に起因する波形歪の逆数の性質をもつものとし、雑音伝達関数をノイズシェーピングにより該イメージデジタル信号の周波数帯域内で極小とするように設計することにより、デルタ・シグマ型DACを選択する際の雑音と波形歪の問題は解決可能である。
オーバーサンプリングによって生成される一連のイメージデジタル信号から特性のイメージデジタル信号を選択するには、デジタルフィルタを用いればよい。該デジタルフィルタおよびデルタ・シグマ型DACの信号伝達関数と雑音伝達関数の特性は、デジタルフィルタおよびデルタ・シグマ回路を構成するデジタルユニットの定数により決定されるので、これらの特性の調整は同定数の変更によって実現され、同一のハードウェアを用いて、ソフトウェア的にこれらの特性を変更することが可能である。
本発明によれば、無線中継器が受信した信号を、ミキサ回路および局部発振器からなるアナログ周波数変換回路を用いることなく、デジタル回路により周波数変換して送信できるので、無線中継器の小型化に効果がある。また、送信周波数の変更を同一のハードウェアで内部の定数をソフトウェア的に変更して実現できるので、同一のハードウェアの無線中継器を具備する、異なる周波数用いるシステムに適用可能となり、該ハードウェア開発工数削減および既存ハードウェア活用によって該システム構築のコストを低減する効果もある。
以下、図を参照しつつ、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1Aは、本発明の周波数変換回路の第一の実施例の構成を示す図であり、図1Bは第一の実施例を適用した本発明の無線中継システムの構成例を示す図である。
周波数変換回路110は、サンプルレート逓倍回路1(オーバーサンプル部)と零値補間回路2とイメージ選択回路3とデジタルアナログ変換部4の縦続接続で形成される。デジタルアナログ変換部4は、ノイズ除去機能4A、波形整形機能4B、DA変換機能4Cを備えている。受信周波数Fの第一のアナログ信号は受信処理部5(オリジナルデジタル信号生成部)を経てデジタル信号に変換され、周波数変換回路110へ入力される。すなわち、周波数変換回路110の前段に接続される、受信処理部5のアナログデジタル変換器(図示略)により、第一のアナログ信号を第一のサンプリング周波数(fi)でデジタル変換してオリジナルデジタル信号を生成する。さらに、サンプルレート逓倍回路1により変換後のデジタル信号(オリジナルデジタル信号)を第一のサンプリング周波数より高い第二のサンプリング周波数(fos)でオーバーサンプリングし複数のイメージデジタル信号を生成する。零値補間回路2では、オーバーサンプリング後の各イメージデジタル信号に関してデータ点を零補間する。すなわち、オリジナルデジタル信号を第一のサンプリング周波数の整数倍の第二のサンプリング周波数の逆数に当たる時間間隔で、第一のサンプリング周波数でサンプリングされた時間軸上の信号点の間を零補間する。イメージ選択回路3では、零補間された複数のイメージデジタル信号のうち選択された特定の周波数帯域(ft)を占有するイメージデジタル信号をデジタルフィルタにより抽出する(ft>fi)。換言すると、サンプルレート逓倍回路1とイメージ選択回路3は、アップコンバージョンの機能を有している。この選択されたイメージデジタル信号をデジタルアナログ変換部4に入力し、該選択された周波数のイメージデジタル信号に対してノイズ除去、波形整形を施し、第二のアナログ信号に変換して出力する。
すなわち、サンプルレート逓倍回路1に入力されたオリジナルデジタル信号は、時間軸上の信号系列の間に新たな複数のデータ点が形成され、該複数のデータ点に零値補間回路2によって零データが確定し周波数軸上には、元の(オリジナル)デジタル信号のスペクトラムと同形のスペクトラムがサンプルレートの逓倍分だけイメージデジタル信号として複製される。これらイメージデジタル信号のうち特定のものを周波数軸イメージ選択回路3により選択・抽出し、引き続いてデジタルアナログ変換部4により、ノイズ除去、波形整形がなされ、該イメージデジタル信号の占有周波数帯域において雑音が極小となる情報を伝達する信号に変換する。さらにこのイメージデジタル信号をDA変換処理して、送信処理部から周波数f(≠F)の第二のアナログ波が出力される。
本実施例によれば、ミキサおよび局部発振器からなるアナログ周波数変換回路あるいはデジタル周波数変換回路を用いることなく構成された周波数変換回路110により、第一のアナログ信号に対応する周波数Fのデジタル信号を周波数変換して周波数fの第二のアナログ信号として出力できる。
図1Bに、本実施例の周波数変換回路110が適用される無線中継システムの例を示す。無線中継システム100は、基地局(BS)101と、周波数変換機能を有する無線中継器(周波数変換リピータ)102と、複数の無線端末(TS)103とで構成されている。無線中継器102は、基地局(BS)101との間で周波数Fの第一のアナログ信号を送受信し、無線端末(TS)103との間で周波数fの第二のアナログ信号を送受信する。なお、周波数変換回路110は、周波数fのアナログ波から周波数Fのデジタル信号への変換も可能である(以下の実施例も同様)。
本実施例の周波数変換回路110を採用することにより、オーバーサンプリングにより生成された複数の異なる周波数帯域を持つイメージデジタル信号の中から、周波数軸イメージ選択回路3によって任意の周波数帯域のイメージデジタル信号を選択することで、周波数変換による送信波の周波数を任意に行える。そのため、無線中継器102の小型化、低コスト化に効果がある。また、同一のハードウェアにより異なる送信周波数を有する送信回路を実現可能であり、異なる周波数を用いる無線システムに対応する周波数変換機能を持つ無線中継器の設計工数低減に効果がある。
図2は、本発明の周波数変換回路の第二の実施例の構成を示す図である。図1Aの周波数変換回路と異なる点は、デジタルアナログ変換部4がデルタ・シグマ変調回路7に置き換わったことである。周波数変換回路110は、サンプルレート逓倍回路1と零値補間回路2とイメージ選択回路3とデルタ・シグマ変調回路7の縦続接続で形成される。サンプルレート逓倍回路1に入力された周波数Fのオリジナルデジタル信号は、時間軸上の信号系列の間に新たな複数のデータ点が形成され、該複数のデータ点に零値補間回路2によって零データが確定し周波数軸上には、元のデジタル信号のスペクトラムと同形のスペクトラムがサンプルレートの逓倍分だけイメージデジタル信号として複製される。これら複数のイメージデジタル信号のうち特定のものを周波数軸イメージ選択回路3により抽出し、引き続いてデルタ・シグマ変調回路7により、該イメージデジタル信号の占有周波数帯域において雑音が極小となりデジタルアナログ変換歪の少ない一定振幅の矩形波の幅が変調を受け信号が有する情報を伝達する周波数fの第二のアナログ波が出力される。
本実施例によれば、ミキサおよび局部発振器からなるアナログ周波数変換回路あるいはデジタル周波数変換回路を用いることなく構成された周波数変換回路110により、周波数Fのデジタル信号を周波数変換して周波数fの第二のアナログ信号として出力できる。この周波数変換回路110を採用することにより、オーバーサンプリングにより生成された複数の異なる周波数帯域を持つイメージデジタル信号の中から、周波数軸イメージ選択回路3によって任意の周波数帯域のイメージデジタル信号を選択することで、周波数変換による送信波の周波数を任意に行える。そのため、周波数変換機能を有する無線中継器の小型化、低コスト化に効果がある。また、周波数変換による送信波の周波数を、周波数軸イメージ選択回路3およびデルタ・シグマ変調回路5の定数変更によって実現できるので、同一のハードウェアにより異なる送信周波数を有する送信回路を実現可能であり、異なる周波数を用いる無線システムに対応する周波数変換機能を持つ無線中継器の設計工数低減に効果がある。
図3は、本発明の第三の実施例になる無線中継器の構成例を示す図である。無線中継器102は、受信アンテナ10、低雑音増幅器11、高域阻止型フィルタ12、アナログデジタル変換器(ADC)13、周波数変換回路110、低域通過型フィルタ17、電力増幅器18および送信アンテナ20の縦続接続で構成されている。周波数変換回路110は、オーバーサンプリング器14、帯域通過型フィルタ15、デルタ・シグマ型デジタルアナログ変換器16の縦続接続で構成されている。この実施例では、デルタ・シグマ型デジタルアナログ変換器16に、第二の実施例の周波数変換デルタ・シグマ変調回路5を用いている。
受信アンテナ10から入力された第一のアナログ信号は、低雑音増幅器11により信号が増幅され、高域阻止型フィルタ12によりアナログデジタル変換した際にデジタルアナログ変換の妨げとなるエイリアス生成を防止するために不要な高周波成分を該信号から除去し、ADC13により第一のサンプリング周波数によりオリジナルデジタル信号に変換され周波数変換回路110に入力される。周波数変換回路110では、オーバーサンプリング器14と帯域通過型フィルタ15およびデルタ・シグマ型DAC16により、実施例2で説明した上記一連の動作を実現し、周波数fの第二のアナログ信号として出力する。周波数変換回路110で得られた、幅に変調を受けた低振幅パルスであるアナログ信号を、低域通過型フィルタ17によりアナログ信号に含まれる不必要な逓倍成分を除去し、電力増幅器18により出力を増大させ、送信アンテナ20により端末に向け電波を空中に放射する。
本実施例によれば、ミキサおよび局部発振器からなるアナログ周波数変換回路あるいはデジタル周波数変換回路を用いることなく構成された周波数変換回路110により周波数変換機能を有する無線中継器を実現できるので、無線中継器の小型化、低コスト化に効果がある。また、同一のハードウェアにより異なる送信周波数を有する送信回路を実現可能であり、異なる周波数を用いる無線システムに対応する周波数変換機能を持つ無線中継器の設計工数低減に効果がある。
次に、本発明の第四の実施例として無線中継システムの例を、図4A乃至図10Bを参照しながら説明する。無線中継システムはハブ基地局101と無線中継器102とを含んでいる。
図4Aは、本発明の第四の実施例における、無線中継システムのハブ基地局の一構成例を示す図である。ハブ基地局101は、信号発生器31、基地局低雑音増幅器32、基地局局部発振器34と結合する基地局ミキサ33、基地局帯域通過型フィルタ35、基地局電力増幅器36および基地局送信アンテナ30の従属接続の構成を取る。システムが中継すべき信号は信号発生器31により生成され、基地局低雑音増幅器32によりその電力が雑音付加少なく増幅され、基地局局部発振器34と基地局ミキサ33からなる周波数変換器により周波数が無線周波数に引き上げられ、空間に放射できない不要な周波数成分をすべて基地局帯域通過型フィルタ35により抑制し、基地局電力増幅器36により電力増幅し基地局送信アンテナ30より無線中継器に向かって電波を発射する。
無線中継器には、図3の実施例を採用しても良いが、ここでは、図4Bに示したものを採用することとする。
図4Bは、第四の実施例における周波数変換デルタ・シグマ送信回路を用いた無線中継器の構成例の構成を示す図である。図4Bの無線中継器102が図3の実施例と異なる点は、低雑音増幅器11と高域阻止型フィルタ12の間に、局部発振器22と結合するミキサ21と第二の低域通過型フィルタ23が挿入されている点である。低雑音増幅器11で増幅された信号はミキサ21と局部発振器22で構成されるアナログ周波数変換回路によって元の信号より局部発振器の周波数だけ低い周波数および高い周波数に変換され、第二の低域通過型フィルタ23によって前者が選択され、低い周波数に変換された信号が高域阻止型フィルタ12を介してADC13に入力される。図4Bの構成によれば、無線中継器が送信する周波数が、同装置が受信する周波数よりも低い場合において、実施例2と同じ効果を実現できる。
図5は、本実施例のデルタ・シグマ型デジタルアナログ変換器16のデジタル回路ブロックの構成の一実施例を示す図である。このデジタル回路ブロックは、無遅延器Z/(1−Z)と遅延器1/(1−Z)とが合成器(+)を介して6段従属接続されている。各合成器には、入力信号が定数倍器b1〜b7を介して重み付けされフィードフォワード加算され、出力信号が他の定数倍器a1〜a6を介して重み付けされフィードバック減算され、従属最終段の遅延器の出力は量子化器である比較器を介して量子化され出力Qとなり、無遅延器Z/(1−Z)と合成器と遅延器1/(1−Z)の経路には、重み付け局部フードバックループg1〜g3が形成され、Cascade Resonator Feed-forward Feedback (CRFF)と呼ばれる回路構成になっている。
ここで、本発明の各実施例で送受信に使用される電磁波の周波数の関係を、図6に示す。電磁波のうち、電波の波長は3テラHz以下であり、このうち無線通信に適した周波数は300MHzから3GHzの範囲である。地上波デジタル放送用の電波の周波数は470MHzから770MHzである。本発明において、基地局と無線中継器と間の通信には、2.4GHz〜2.5GHzの周波数F、すなわちISMバンド(Industry Science Medical band)が用いられ、無線中継器と端末と間の通信には、470MHzから770MHzの周波数fが使用される。なお、ISMバンドに相当する周波数帯域として他の周波数帯が使用される国や地域もあり、それらの国や地域では周波数Fとしてそれらの帯域を使用するのが望ましい。
図7は、周波数スペクトラムを用いて、第四の実施例になる無線中継システムの動作を説明する図である。すなわち、図7は、図4Aおよび図4Bのハブ基地局および無線中継器の各部における信号の周波数スペクトラムを示す図である。
図7の(A)は信号発生器31から生成された信号であり、搬送周波数fb、例えば600MHz、を中心に複数のチャネルと呼ばれるコンテンツそのものの情報を含む狭い周波数帯域を占有するスペクトラムが複数配置されている。ハブ基地局101は、搬送周波数fbを使用している同コンテンツの放送サービスを行っている他の基地局(無線中継器)との干渉を避けるために、搬送波fbを他の周波数fc(=F、例えば2.4GHz、)へと変換する。これに伴い、チャネル内のスペクトラムも同一の周波数変換を受け、(B)に示されるように全体の周波数スペクトラムはその形を維持したまま、高い周波数Fに移動する。(B)のスペクトラムを有する信号はハブ基地局101より送信アンテナ30を介して送信され、無線中継器102は受信アンテナ10により(B)のスペクトラムを受信する。
無線中継局102は、第一のアナログ信号に対応する搬送周波数fc(=F)の信号をアナログデジタル変換可能な周波数の信号に変換する。このとき、受信した信号に含まれるすべてのチャネルの信号の周波数を変換する必要はなく、受信したチャネルの中で、実際に信号が送信されている(図7の(B)中の実線)チャネルを含む全体のチャネルの内、一部の複数のチャネルを含む周波数帯のみを周波数変換によって所定の周波数帯域fiに移動すればよい。このように周波数fiに移動された信号は、信号が送信されていないチャネルを含む不要な周波数帯域のあらゆる電波成分を高域阻止型フィルタ12によって削除され、(C)のスペクトラムのオリジナルデジタル信号(第一のサンプリング周波数fi、例えば20MHz)となり、ADC13に入力される。無線中継局102内部の周波数変換回路(デジタル信号処理部)110では、オーバーサンプリング器14によるオーバーサンプリングにより、(C)のスペクトラムのオリジナルデジタル信号を逓倍して、オーバーサンプリング周波数(第二のサンプリング周波数)fosと第一のサンプリング周波数fiの比の整数倍の(複数の)イメージデジタル信号を生成し、(D)のスペクトラムが形成される。具体例として、(D)においては、20MHzのオリジナルデジタル信号が6倍されて、40MHz〜120MHzの5つの新たなイメージデジタル信号が生成されている。実用的には、より多くの数のイメージデジタル信号が生成される。最終的に帯域通過型フィルタ15により、これら複数のイメージデジタル信号から、必要とされる選択周波数ft、例えば80MHz、のイメージデジタル信号のスペクトラムだけが選択され、(E)のスペクトラム、すなわち選択された80MHzのイメージデジタル信号が得られる。帯域通過型フィルタ15の特性を変える(選択する)ことで任意の1つの選択周波数ft、あるいは、複数の選択周波数ftを選択できることは言うまでも無い。
(E)のスペクトラムは、デルタ・シグマ型DAC16に入力され、さらに、低域通過型フィルタ17によりアナログ信号に含まれる不必要な逓倍成分が除去され、電力増幅器18により出力が増大され、(E)の周波数スペクトラムを保ったまま、第二のアナログ信号として無線中継器の送信アンテナ20より空中に電波として発射される。
次に、オーバーサンプリングの後段に位置するデルタ・シグマ型DAC16の機能について説明する。図8A、図8Bは、通常の周波数変換デルタ・シグマ送信回路の動作を説明する図である。図8Aは理想的なデジタル信号処理の状態を示し、オーバーサンプリングすべての周波数帯域で波形の歪は無く、最大振幅は一定である。図8Bは実際の装置で得られるデジタル信号処理の状態を示す。すなわち、図8Bは、デルタ・シグマ回路が有する比較器のサンプル・ホールド効果とよばれる有限幅のパルス波形がデジタル信号処理において及ぼす波形歪の様子を記すものである。オーバーサンプリングにより生成した、オーバーサンプリング周波数fosとADCのサンプリング周波数の比の整数倍のイメージは、図8Bに示したように、パルス波形のフーリエ変換であるSinc関数の歪を受け、逓倍化され選択された周波数ft及びその近傍では波形が大きなひずみを受ける。デルタ・シグマ回路では、この歪を補正する、該歪の逆特性の信号伝達関数の形を信号の占有周波数帯域内で実現する必要がある。
そのため、本実施例のデルタ・シグマ型DAC16は、オーバーサンプリングされた周波数帯域における上記歪を補正する機能を備えている。
図9A、図9Bにより図5のデルタ・シグマ型DACの動作を説明する。図9A、図9Bは、第四の実施例における周波数変換デルタ・シグマ送信回路の動作を説明する周波数スペクトラムを示している。図5の回路構成において、各重み付けの係数a1〜a6, b1〜b7を調整することにより、デルタ・シグマ回路の信号伝達関数として図9Aに破線の矩形で示した信号伝達関数を実現することができる。また、図5の回路構成において、重み付けの係数a1〜a6,g1〜g3を調整することにより、図9B破線の矩形で示した特性の雑音伝達関数を実現することができる。
図10Aは、第四の実施例の無線中継システムの作用、効果を説明する周波数スペクトラムである。周波数軸上で生成されるイメージデジタル信号のうち、特定の周波数のイメージデジタル信号(ft)を選択し、デジタルフィルタすなわち帯域通過型フィルタ15によって、選択された特定のイメージデジタル信号以外の信号を所要のレベルまで減衰させ、得られたイメージデジタル信号をデルタ・シグマ型DAC16に入力する。このデジタルフィルタおよびデルタ・シグマ型DAC16の信号伝達関数と雑音伝達関数の特性は、デジタルフィルタ15およびデルタ・シグマ型DAC16を構成するデジタルユニットの定数により決定されるので、これらの特性の調整は同じ定数の変更によって実現され、同一のハードウェアを用いて、ソフトウェア的にこれらの特性を変更することが可能である。すなわち、デルタ・シグマ型DAC16では、信号伝達関数と雑音伝達関数を別個に設計できるため、信号伝達関数を選択したイメージデジタル信号の周波数帯域内で比較器動作に起因する波形歪の逆数の性質をもつものとし、雑音伝達関数をノイズシェーピングにより該イメージデジタル信号の周波数帯域内で極小とするように設計が可能である。
一方、図10Bは、比較のために示した、通常のデルタ・シグマ変調回路の動作を説明する周波数スペクトラムである。通常のデルタ・シグマ変調回路では、主にサンプリング周波数fiの周波数帯域のノイズシェーピングがなされる。一方、イメージの周波数帯域がオーバーサンプリング周波数(fos)に近い場合はその波形歪の影響は無視できない程度に大きい。そのため、通常のデルタ・シグマ変調回路では、逓倍化され選択された周波数ft及びその近傍のノイズシェーピングが十分ではない。
本実施例によれば、オーバーサンプリングによって生成されたイメージデジタル信号を用いて、周波数変換作用をするデルタ・シグマ型DACを採用する際に課題となる、雑音増加の問題と波形歪の問題を、該選択されたイメージデジタル信号の周波数帯域において解決できる。
また、本実施例によれば、無線中継システムにおいて、ハブ基地局からの信号を無線により無線中継器に伝送できるので、同システム設置において、該ハブ基地局と無線中継器の間の、高周波ケーブル等の伝送ハードウェアを削減でき、同無線中継システムの敷設工数低減と、装置設置場所に対する自由度向上、システム保守コストに削減が実現される。
また、無線中継器が受信した信号を、ミキサ回路および局部発振器からなるアナログ周波数変換回路を用いることなく、デジタル回路により周波数変換して送信できるので、無線中継器の小型化に効果がある。また、送信周波数の変更を同一のハードウェアで内部の定数をソフトウェア的に変更して実現できるので、同一のハードウェアの無線中継器を具備する、異なる周波数用いるシステムに適用可能となり、該ハードウェア開発工数削減および既存ハードウェア活用によって該システム構築のコストを低減する効果もある。
図11は、本発明の周波数変換デルタ・シグマ型DAC16のデジタル回路ブロックの構成の他の一実施例を示す図である。図5の実施例と異なる点は、遅延器1/(1−Z)と合成器(+)と無遅延器Z/(1−Z)の経路には、新たに、重み付け局部フードバックループg4〜g5が形成される点である。本実施例によれば、デジタル回路ブロックの重み付け係数を決定する際の計算自由度が増すので、周波数変換デルタ・シグマ送信回路のデジタル回路ブロック設計工数の低減に効果がある。
図12は、本発明の周波数変換デルタ・シグマ送信回路を用いた無線中継器の他の一実施例を示す図である。図3の実施例と異なる点は、帯域通過型フィルタ15とデルタ・シグマ型DAC16に周波数設定器19が結合していることである。本発明の例えば第四の実施例で説明したように、デルタ・シグマ型送信回路の変換する周波数を変更する場合、デルタ・シグマ型DAC16に入力されるイメージデジタル信号の選択を行うフィルタの周波数特性変更と、該イメージデジタル信号の周波数帯域にデルタ・シグマ回路の信号伝達関数の逆歪特性を有する周波数帯域と雑音伝達関数が極小値を持つ周波数帯域の合致が必要である。そのため、帯域通過型フィルタ15およびデルタ・シグマ型DAC16のデジタル回路ブロックの定数変更をする機能を有する周波数設定器19を、これらの回路ブロックに付加すれば、該変換周波数の制御が可能となる。
本実施例によれば、同一のハードウェアにより異なる送信周波数を有する送信回路を実現可能で、異なる周波数を用いる無線システムに対応する周波数変換機能を持つ無線中継器の設計工数低減に効果がある。
次に、本発明の第七の実施例になる無線中継システムを、図13乃至図17Bを参照しながら説明する。無線中継システムはハブ基地局101と無線中継器102とを含んでいる。
図13に、第七の実施例におけるハブ基地局101の構成例を示す。図4Aの実施例と異なる点は、図13のハブ基地局101がチャネル設定信号発生器41を新たに具備し、その出力を第二の局部発振器44と結合した変調器42で信号発生器31が発生する信号の周波数帯域の近傍に周波数変換し、該周波数変換された出力を合成回路43によって、信号発生器31が発生する信号に重畳するように構成したことである。
図14は、第七の実施例になる無線中継器102の構成を示す図である。図4Bの実施例と異なる点は、無線中継器102の周波数変換回路110において、帯域阻止型フィルタ24の入力信号の一部を分岐して復調器25に入力し、復調器25の出力を、帯域通過型フィルタ15とデルタ・シグマ型DAC16に結合し、該復調器25にはタイマ26を結合したことである。この構成により、復調器25が、受信信号の中に含まれるチャネルの周波数帯域にあるコンテンツ信号と、チャネルの周波数帯域外にあるチャネル設定信号の復調結果を、送信波の周波数決定に関係するデジタル回路ブロック定数を変化させる周波数設定器19の制御信号として入力する。この構成によれば、無線中継器が受信する信号に、あらかじめ周波数変換デルタ・シグマ送信回路が選択するイメージの周波数帯域を指定する信号を重畳させておき、この信号を用いて、無線中継器の送信周波数を可変とすることができる。このように、無線中継器の送信周波数を外部より無線で制御可能となるため、無線中継器の送信周波数変更に要する工数を削減できる。
図15は、図13に示したハブ基地局101と図14に示した無線中継器102を有する無線中継システム100における、無線中継器102の動作を説明するフローチャートである。無線中継器102にはあらかじめタイマ閾値Tsが設定されておりタイマ動作に条件を付ける(S1501)。無線中継器はハブ基地局から無線信号を受信するが、受信信号の中のチャネルの周波数帯域に信号がある場合は、該無線中継器の動作に変更を行わない(S1502、S1503)。該チャネルの周波数帯域に信号がない場合、タイマの時間を確認し、タイマの時間がTsより小さい場合は、該無線中継器の動作に変更を行わないが(S1504)、タイマの時間がTsより大きい場合は、該無線中継器の出力を停止し(S1505)、該チャネル設定信号を解読して(S1506)、イメージ選択フィルタ、デルタ・シグマ回路の定数を再設定し(S1507)、該無線中継器の送信周波数を維持あるいは変更して送信を再開する(S1508)。それと同時にタイマの時間を零としてタイマの動作を開始させる(S1509)。
図16は、第七の実施例の動作を説明する図であり、図13および図14のハブ基地局および無線中継器各部の周波数スペクトラムを示す。(A)は信号発生器から生成された信号で、搬送周波数fbを中心に複数のチャネルと呼ばれるコンテンツそのものの情報を含む狭い周波数帯域を占有するスペクトラムが複数配置されており、そのチャネルの隙間にチャネル設定信号が周波数fb-chで挿入されている。ハブ基地が搬送波fbを他の周波数fc(=F)へと変換する際に、チャネル内のスペクトラムも同一の周波数変換を受け、(B)に示されるように全体の周波数スペクトラムはその形を維持したまま、高い周波数に移動する。(B)のスペクトラムを有する信号はハブ基地局より送信アンテナ30を介して送信され、無線基地局は受信アンテナ10により(B)のスペクトラムを受信する。無線中継局は搬送周波数fc(=F)の第一のアナログ信号をアナログデジタル変換可能な第一の周波数fiに変換する。このとき、受信した信号に含まれるすべてのチャネルの信号の周波数を変換する必要はないが、周波数fc-chで受信されるチャネル設定信号は該周波数変換によってfiの第一の周波数帯域に移動しなければならない。このようにfiの基本周波数に移動された信号は、信号が送信されていないチャネルを含む不要な周波数帯域のあらゆる電波成分を高域阻止型フィルタ12によって削除し、(C)のスペクトラムのオリジナルデジタル信号としたのちADC13に入力される。
第一の周波数fiの帯域内に変換されたチャネル設定信号は、図14の無線中継器の復調器25と帯域阻止型フィルタ24に入力されるが、前者は復調器25によりチャネル設定内容が復調され制御信号として周波数設定器19に入力され、後者は帯域阻止型フィルタ24により削除され、周波数fc-chのチャネル設定信号を含まないオリジナルデジタル信号の周波数スペクトラム(D)が生成される。無線中継器102の内部のデジタル信号処理部では、オーバーサンプリングにより、(D)のスペクトラムはオーバーサンプリング周波数fosとADC13の(第一の)サンプリング周波数(fi)の比の整数倍の複数のイメージデジタル信号を生成し、(E)のスペクトラムが形成される。これら複数のイメージデジタル信号から最終的に帯域通過型フィルタ15により必要とされる1つのイメージデジタル信号のスペクトラムだけが選択され(F)のスペクトラムが得られる。(F)の選択されたイメージデジタル信号スペクトラムはデルタ・シグマ型DAC16に入力され、実施例2の説明の動作と同様に、(F)の周波数スペクトラムを保ったまま、第二のアナログ信号として無線中継器の送信アンテナ20より空中に電波として発射される。
図17Aはデルタ・シグマ回路の信号伝達関数の特性,図17Bはデルタ・シグマ回路の雑音伝達関数の特性を示す。すなわち、周波数変換デルタ・シグマ送信回路が、チャネル設定信号を用いる場合の動的な特性であり、それぞれチャネル設定信号により逆歪特性と雑音極小特性を、所要の周波数帯域において動的に実現することができる。
本実施例によれば、無線中継器が受信信号に含まれるチャネル設定信号を自動的に解読して送信周波数を変更できるので、無線端末が享受するコンテンツを配信するチャネルを動的に変更することが出来、放送配信システムのサービスを多様化する効果がある。
また、本実施例によれば、無線中継器が受信信号の中に、該無線中継器の送信周波数を変更する制御信号を含ませることが出来るので、無線中継器の送信周波数を動的に可変とすることが出来、無線中継器とハブ基地局を具備する、周波数変換デルタ・シグマ送信回路を用いた無線中継器を用いた無線中継システムにおいて、無線端末が享受するコンテンツを配信するチャネルを動的に変更することが出来る。そのため、放送配信システムのサービスを多様化する効果がある。
図18は、本発明の第八の実施例になる、無線中継器を用いた無線中継システム100の他の実施例の構成を示す図である。無線中継システム100は、前記いずれかの実施例に記載した、ハブ基地局101と無線中継器102と無線端末103からなるシステムである。無線中継器102と無線端末103は近い距離で無線の放送サービスを実現し、ハブ基地局101から無線中継器102への送信距離は遠いため、ハブ基地局101の送信出力は、無線中継器102の送信出力よりも大きくする必要がある。ハブ基地局101からの大きな送信出力が無線端末103に干渉を与えないようにするために、ハブ基地局101の第一のアナログ信号の送信周波数Fは無線中継器102の第二のアナログ信号の送信周波数fと異なる必要がある。本図には、障害物104があるためにハブ基地局101と無線端末103は見通しの位置関係にない。
本実施例によれば、ハブ基地局101から見通し外の直接電波が届きにくい場所に無線端末103があっても、該ハブ基地局101からの送信サービスを該無線端末103が享受でき、結果として放送システムのサービスエリアを拡大する効果がある。
図19は、本発明の第九の実施例になる無線中継器を用いた無線中継システムの他の実施例の構成を示す図である。無線中継システム100は、前記いずれかの実施例に記載した、ハブ基地局101と複数の無線中継器102(a〜b)と複数の無線端末103(a〜n)からなるシステムである。無線中継器102から無線端末103へ第二のアナログ信号の送信波の周波数f1〜fnと、ハブ基地局101から無線中継器102への第一のアナログ信号の送信周波数F1〜Fnは異なる。
無線中継器102から無線端末103へは近い距離で無線の放送サービスを実現し、ハブ基地局101から無線中継器102への送信距離は遠いため、ハブ基地局101の送信出力は、無線中継器の送信出力よりも大きくする必要がある。ハブ基地局からの大きな送信出力が無線端末103に干渉を与えないために、ハブ基地局101の送信周波数F1〜Fnは無線中継器102の送信周波数f1〜fnと異なる必要がある。放送サービスを享受する端末数が増えるとこれに対応する基地局は送信出力を増加させなければならない。また、より遠方に電力を到達させるためには、より多くの送信出力を必要とする。
本実施例によれば、ハブ基地局から無線中継器への遠い電波の送信を少ない受信機に対して行い、無線中継器から無線端末への近い電波の送信を多い受信機に対して行うことができるので、システムが用いる全送信電力を低減することが出来、システムの運用コスト削減、消費電力低減による環境に対する低負荷を実現できる。
図20は、本発明の第十の実施例になる無線中継器を用いた無線中継システムの他の実施例の構成を示す図である。無線中継システム100は、ハブ基地局400と、前記いずれかの実施例に記載した、ハブ基地局201、301と複数の無線中継器102と複数の無線端末103からなるシステムである。
本実施例では、大規模放送基地局(HUB)であるハブ基地局400から遠距離の位置に、高周波ケーブル500、501を用いて有線でサービスの提供を受けて放送サービスを提供する複数の基地局201、301が存在する。放送サービスを提供する基地局201は特定の周波数F1、F2を用い、他の基地局301は同一の周波数F1を用いて放送サービスを提供する。大規模放送基地局(HUB)からは、高周波ケーブルを用いて両基地局に放送すべきコンテンツを配信する。
サービス提供を希望する無線端末(TS)の数が拡大すると、基地局が各無線端末に送信すべき電磁波の量が増加することになり、結果として基地局の送信出力を増大させる必要が生じる。基地局の送信出力を増大させるとこれまで、該基地局が送出する電波が到達できなかったエリアの無線端末(TS)にも該電波が到達する恐れが生ずる。大規模放送基地局(HUB)と基地局(BS1)、(BS2)とは、有線でサービスの提供を行うことにより、基地局(BS1)、(BS2)は、電波の干渉無く、同一の周波数の電波を用いて放送サービスを提供できる。これにより、大規模放送基地局がサービスを提供できないエリアに対する、無線を用いた補間的サービスに対する需要に対処できる。また、高周波ケーブル等の伝送ハードウェアの使用を必要最小限に抑えることで、基地局の設置に関して確保すべき地理的面積の増大や、高周波ケーブルの増大にともなる基地局の設置コストの増大を抑えることができる。
1…サンプルレート回路、2…零値補間回路、3…イメージ選択回路、4…デジタルアナログ変換部、5…デルタ・シグマ型DAC、
10…受信アンテナ、11…低雑音増幅器、12…高域阻止型フィルタ、13…アナログデジタル変換器、14…オーバーサンプリング器、15…帯域通過型フィルタ、16…デルタ・シグマ型DAC、17…低域通過型フィルタ、18…電力増幅器、19…周波数設定器、
20…送信アンテナ、21…ミキサ、22…局部発振器、23…低域通過型フィルタ、24…帯域阻止型フィルタ、25…復調器、26…タイマ、
30…送信アンテナ、31…信号発生器、32…低雑音増幅器、33…ミキサ、34…局部発振器、35…帯域通過型フィルタ、36…電力増幅器、
41…チャネル設定信号発生器、42…変調器、43…加算器、44…局部発振器、
100…無線中継システム、101…ハブ基地局、102…無線中継器、103…無線端末、110…無線中継用の周波数変換回路、
201…ハブ基地局、301…ハブ基地局、400…ハブ基地局、500…高周波ケーブル、501…高周波ケーブル。

Claims (12)

  1. 第一のアナログ信号を第一の周波数でデジタル変換してオリジナルデジタル信号を生成するオリジナルデジタル信号生成部と、
    前記オリジナルデジタル信号を前記第一の周波数より高い第二の周波数でオーバーサンプリングするオーバーサンプル部と、
    前記オーバーサンプリング後のデータ点を零補間して複数のイメージデジタル信号を生成する零値補間部と、
    前記複数のイメージデジタル信号のうち、特定の周波数帯域を占有するイメージデジタル信号を選択する周波数軸イメージ選択部と、
    前記選択された特定の周波数帯域を占有するイメージデジタル信号の該周波数帯域のノイズ除去及び波形整形を行い、第二のアナログ信号に変換して出力するデジタルアナログ変換部とを備えており、
    前記デジタルアナログ変換部は、内部に比較器を持つデルタ・シグマ変調回路で構成されており、
    前記デルタ・シグマ変調回路は、
    該デルタ・シグマ変調回路の雑音伝達関数が前記イメージデジタル信号の周波数帯域で極小値を示し、
    該デルタ・シグマ変調回路の信号伝達関数が、前記比較器で生じる有限幅パルス信号のフーリエ変換に相当する波形歪を補正する、該波形歪の逆波形を該イメージデジタル信号の周波数帯域で実現することを特徴とする周波数変換回路。
  2. 請求項1において、
    前記周波数軸イメージ選択部は、帯域通過型フィルタで構成されており、
    前記デルタ・シグマ変調回路と前記帯域通過型フィルタによりデジタルユニットが構成され、
    該デルタ・シグマ変調回路と該帯域通過型フィルタの信号伝達関数と雑音伝達関数の特性が、前記デジタルユニットの定数により決定されることを特徴とする周波数変換回路。
  3. 請求項2において、
    前記デルタ・シグマ変調回路は、
    無遅延器Z/(1−Z)と遅延器1/(1−Z)とが第1の合成器を介して交互に従属接続されており、
    従属初段の前記無遅延器Z/(1−Z)の入力側に第2の合成器が接続されており、
    従属最終段の前記遅延器1/(1−Z)の出力側に第3の合成器が接続されており、
    前記各第1および第2の合成器には、入力信号が定数倍器を介して重み付けされフィードフォワード加算され、出力信号が他の定数倍器を介して重み付けされフィードバック減算され、
    従属最終段の前記遅延器1/(1−Z)の出力は入力信号が定数倍器を介して重み付けされフィードフォワード加算される前記第3の合成器と量子化器である前記比較器を介して量子化され出力となり、
    前記無遅延器Z/(1−Z)と前記合成器と前記遅延器1/(1−Z)の経路には、前記遅延器1/(1−Z)の出力から前記無遅延器Z/(1−Z)の入力に重み付け局部フードバックループが形成された、デジタル回路ブロックを備えていることを特徴とする周波数変換回路。
  4. 請求項3において、
    前記遅延器1/(1−Z)と前記合成器と前記無遅延器Z/(1−Z)の経路に、前記無遅延器Z/(1−Z)の出力から前記遅延器1/(1−Z)の入力に重み付け局部フードバックループが形成されていることを特徴とする周波数変換回路。
  5. 請求項2において、
    前記帯域通過型フィルタと前記デルタ・シグマ変調回路に、該帯域通過型フィルタおよび該デルタ・シグマ変調回路の定数変更をする機能を有する周波数設定器が結合されていることを特徴とする周波数変換回路。
  6. 受信アンテナで受信した第一のアナログ信号の周波数を周波数変換回路で変換して第二のアナログ信号を生成し、該第二のアナログ信号を電力増幅器および送信アンテナを介して空間に放射する無線中継器であって、
    前記周波数変換回路は、
    前記第一のアナログ信号を第一の周波数でデジタル変換してオリジナルデジタル信号を生成するアナログデジタル変換器と、
    前記オリジナルデジタル信号を前記第一の周波数より高い第二の周波数でオーバーサンプリングするオーバーサンプル部と、
    前記オーバーサンプリング後のデータ点を零補間して複数のイメージデジタル信号を生成する零値補間部と、
    前記零値補間により生成された前記複数のイメージデジタル信号のうち、特定の周波数帯域を占有するイメージデジタル信号を選択する周波数軸イメージ選択部と、
    前記選択された特定のイメージデジタル信号の周波数帯のノイズ除去及び波形整形を行い、前記第二のアナログ信号として前記電力増幅器に出力するデジタルアナログ変換部とを備えており、
    前記デジタルアナログ変換部は、内部に比較器を持つデルタ・シグマ変調回路で構成されており、
    前記デルタ・シグマ変調回路は、
    該デルタ・シグマ変調回路の雑音伝達関数が前記イメージデジタル信号の周波数帯域で極小値を示し、
    該デルタ・シグマ変調回路の信号伝達関数が、前記比較器で生じる有限幅パルス信号のフーリエ変換に相当する波形歪を補正する、該波形歪の逆波形を該イメージデジタル信号の周波数帯域で実現することを特徴とする無線中継器。
  7. 請求項6において、
    前記デルタ・シグマ変調回路は、
    無遅延器Z/(1−Z)と遅延器1/(1−Z)とが第1の合成器を介して交互に従属接続されており、
    従属初段の前記無遅延器Z/(1−Z)の入力側に第2の合成器が接続されており、
    従属最終段の前記遅延器1/(1−Z)の出力側に第3の合成器が接続されており、
    前記各第1および第2の合成器には、入力信号が定数倍器を介して重み付けされフィードフォワード加算され、出力信号が他の定数倍器を介して重み付けされフィードバック減算され、
    従属最終段の前記遅延器1/(1−Z)の出力は入力信号が定数倍器を介して重み付けされフィードフォワード加算される前記第3の合成器と量子化器である前記比較器を介して量子化され出力となり、
    前記無遅延器Z/(1−Z)と前記合成器と前記遅延器1/(1−Z)の経路には、前記遅延器1/(1−Z)の出力から前記無遅延器Z/(1−Z)の入力に重み付け局部フードバックループが形成された、デジタル回路ブロックを備えていることを特徴とする無線中継器。
  8. 請求項6において、
    前記周波数軸イメージ選択部は、帯域通過型フィルタで構成されており、
    前記第一のアナログ信号を増幅する低雑音増幅器と、局部発振器とミキサで構成されるアナログ周波数変換回路と、を具備し、さらに
    前記帯域通過型フィルタ及び前記デルタ・シグマ型デジタルアナログ変換器のデジタル回路ブロックの定数を変更する周波数設定器を具備し、
    前記低雑音増幅器の出力を前記アナログ周波数変換回路によって別の周波数のアナログ信号に変換したのち、該アナログ信号を前記第一の周波数でデジタル変換して前記オリジナルデジタル信号を生成することを特徴とする無線中継器。
  9. 請求項8において、
    復調器を具備し、
    前記第一のアナログ信号に含まれる送信周波数制御信号を前記復調器により復調信号を生成し、該復調信号を用いて前記前記イメージ選択用の帯域通過型フィルタおよび前記デルタ・シグマ型デジタルアナログ変換器のデジタル回路ブロックの定数を該送信周波数制御信号により前記無線中継器の外部より変更することを特徴とする無線中継器。
  10. ハブ基地局と、少なくとも1つの無線中継器とを備え、
    前記ハブ基地局は、送信アンテナから第一のアナログ信号を放射し、
    前記各無線中継器は、受信アンテナで受信した第一のアナログ信号の周波数を周波数変換回路で変換して第二のアナログ信号を生成し、該第二のアナログ信号を電力増幅器および送信アンテナを介して空間に放射するものであって、
    前記周波数変換回路は、
    前記第一のアナログ信号を第一の周波数でデジタル変換してオリジナルデジタル信号を生成するアナログデジタル変換器と、
    前記オリジナルデジタル信号を前記第一の周波数より高い第二の周波数でオーバーサンプリングするオーバーサンプル部と、
    前記オーバーサンプリング後のデータ点を零補間して複数のイメージデジタル信号を生成する零値補間部と、
    前記零値補間により生成された前記複数のイメージデジタル信号のうち、特定の周波数帯域を占有するイメージデジタル信号を選択する周波数軸イメージ選択部と、
    前記選択された特定のイメージデジタル信号の周波数帯のノイズ除去及び波形整形を行い、前記第二のアナログ信号として前記電力増幅器に出力するデルタ・シグマ型デジタルアナログ変換器とを備えており、
    前記デジタルアナログ変換部は、内部に比較器を持つデルタ・シグマ変調回路で構成されており、
    前記デルタ・シグマ変調回路は、
    該デルタ・シグマ変調回路の雑音伝達関数が前記イメージデジタル信号の周波数帯域で極小値を示し、
    該デルタ・シグマ変調回路の信号伝達関数が、前記比較器で生じる有限幅パルス信号のフーリエ変換に相当する波形歪を補正する、該波形歪の逆波形を該イメージデジタル信号の周波数帯域で実現することを特徴とする無線中継システム。
  11. 請求項10において、
    前記ハブ基地局は、信号発生器と低雑音増幅器と、第1の局部発振器とミキサで構成されるアナログ周波数変換回路と、チャネル設定信号発生器と変調器と、第2の局部発振器と合成器とを具備しており、
    前記信号発生器が生成する信号を前記低雑音増幅器により増幅した信号と、前記チャネル設定信号発生器の出力を前記変調器と前記第2の局部発振器とにより前記信号発生器が生成する信号の周波数帯域内のチャネルの周波数帯域外の周波数に変換したチャネル設定信号と、を前記合成器で合成し、
    前記アナログ周波数変換回路によって無線伝送可能な周波数に搬送波の周波数を変換することを特徴とする無線中継システム。
  12. 請求項11において、
    前記各無線中継器は、復調器及びタイマを有しており
    前記復調器には前記タイマの閾値が記憶され、
    前記復調器が第一のアナログ信号を復調し、前記チャネル設定信号を検出し、該チャネル設定信号が設定すべき信号の周波数帯域に信号がない場合に、前記タイマの時間が前記タイマの閾値を超えるとき、前記チャネル設定信号に基づいて前記無線中継器の送波数変更することを特徴とする無線中継システム。
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