JPH08340290A - 短波送信装置 - Google Patents

短波送信装置

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JPH08340290A
JPH08340290A JP7168375A JP16837595A JPH08340290A JP H08340290 A JPH08340290 A JP H08340290A JP 7168375 A JP7168375 A JP 7168375A JP 16837595 A JP16837595 A JP 16837595A JP H08340290 A JPH08340290 A JP H08340290A
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JP
Japan
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wave
frequency
antenna
short
output
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Application number
JP7168375A
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English (en)
Inventor
Iwao Ishijima
巖 石島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsujita Masao
Ishijima Iwao
Original Assignee
Tsujita Masao
Ishijima Iwao
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B14/00Transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B14/08Transmission systems not characterised by the medium used for transmission characterised by the use of a sub-carrier

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)
  • Transmitters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フェージングの影響を除去して、高品質の信
号の送受が行えるようにした短波帯の送信装置を実現す
る。 【構成】 短波帯の搬送波を発生する手段、副搬送波を
発生する手段、搬送波と副搬送波とを入力する第1の混
合器、副搬送波をπ/2移相する移相器、搬送波とπ/
2移相された副搬送波とを入力する第2の混合器、直交
させた2個のダイポールアンテナとを備え、第1の混合
器出力を2個のダイポールアンテナの一方へ入力し、第
2の混合器の出力をダイポールアンテナの他方へ入力す
ることにより、短波の円偏波を放射する。 【効果】 海上通信や国際放送等で重要な短波帯の無線
通信に最適で、デジタルデータやファクシミリ等の短波
無線伝送の実用化にも極めて有用であるから、その利用
範囲が著しく拡大される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、短波を使用した無線
送受信による通信方式の改良に係り、特に、フェージン
グの影響を除去して、高品質の信号の送受が行えるよう
にした短波送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、短波帯の無線通信では、フェー
ジング現象が発生して一時的に受信が不能になる、とい
うことは、従来から広く知られている。このようなフェ
ージング現象による受信不能を回避するために、従来の
短波通信では、受信機側にAGC回路を設けることによ
って、その影響を軽減させるようにした受信方式が現用
されている。
【0003】しかしながら、実際の短波通信において
は、このAGC回路によっても除去できないフェージン
グ現象があるので、短波回線の品質は大きく損なわれ、
信頼性を失なう結果となっている。そのために、例えば
ラジオの短波放送では、複数の周波数帯(3MHz帯,6
MHz帯,9MHz帯の周波数)を使用して送信し、受信地
や受信機において、その中から最も良好な周波数を選択
しながら受信する方法が採用されている。短波帯は、こ
のような問題がありながらも、電離層に反射して長距離
を伝搬するという優れた特性を有する周波数帯であるた
め、重要な通信媒体である。
【0004】例えば、国際海事機関および世界無線主管
庁会議では、海上通信において、従来のモールス通信に
代わるシステムとして、デジタル選択呼び出しによる短
波の狭帯域直接印刷電信方式の導入を決定し、一般通信
は無論のこと、捜索救難通信の媒体としても利用を計画
している。また、国際放送においても、重要なメディア
であることは、改めて説明するまでもない。
【0005】このように、短波帯の無線通信は、その通
達範囲の広さから有用な波長帯であり、フェージング現
象さえなければ、テレストリアル(地上の)リンクとし
てこれに優るものはない。この出願の発明者は、このよ
うなフェージング現象を除去することにより、高品質の
信号の送受を可能にした無線通信方式を、先に提案した
(特願平1−113192号)。
【0006】この無線通信方式においては、短波帯の搬
送波の偏波面を、地球磁場の影響を受けてフェージング
の原因となる回転、すなわち、電離層を通過する際に電
界のベクトルが約3秒ないし1分間に1回程度のゆっく
りとした速度(1/3〜1/60Hz)に比較して、極め
て速い、例えば100kHzのような高速度で回転させる
ことにより、地球磁場によって磁化された磁化プラズマ
による偏波面回転の影響を除去し、フェージングに起因
する受信不能を回避するようにしている。この先に提案
した無線通信方式では、直交するダイポールアンテナを
使用し、それぞれのアンテナ(アンテナXとアンテナ
Y)から、平衡変調された変調信号の位相が互いに90
°異なる電波を送出する。
【0007】図8は、先に提案した無線通信方式を実施
する送信装置について、その要部構成の一例を示す機能
ブロック図である。図において、1は搬送波発振器、2
は低周波発振器、3は90°移相器、4Xと4Yは平衡
変調器(ダブル・バランスト・モジュレータ)、5Xは
90°上側波帯フィルタ(バンドパス・フィルタ)、5
Yは0°上側波帯フィルタ(バンドパス・フィルタ)、
6Xは90°下側波帯フィルタ(バンドパス・フィル
タ)、6Yは0°下側波帯フィルタ(バンドパス・フィ
ルタ)、7Xと7YはSSB(上側)送信機、8Xと8
YはSSB(下側)送信機、9Xと9Yは出力合成器、
10Xと10Yはバルン(空中線整合器)、11XはX
アンテナ、11YはYアンテナを示す。
【0008】この図8で、左方の搬送波発振器1は、搬
送周波数(F1 )の短波を発生する機能を有している。
その右方に示す低周波発振器2は、電波の偏波面を回転
させる周波数(F2 )の低周波を発生する。そのため、
上方に示す平衡変調器4Yにおいて、搬送周波数Aが、
電波の偏波面を回転させる低周波の周波数Bにより、平
衡変調されて周波数(F1 ±F2 )の2つの信号が得ら
れる。
【0009】この平衡変調器4Yから出力される2つの
信号は、次段の0°上側波帯フィルタ5Yと0°下側波
帯フィルタ6Yによって、それぞれ分離されて、電力増
幅を行うSSB(上側)送信機7YとSSB(下側)送
信機8Yへ送られる。その後、出力合成器9Yで合成さ
れ、バルン10Yを介して、Yアンテナ11Yへ供給さ
れる。
【0010】他方、図8の下方に示す平衡変調器4Xに
は、低周波発振器2から90°移相器3を介して低周波
の周波数Bが入力される。そのため、先の平衡変調器4
Yから出力される平衡変調された周波数(F1 ±F2
に比べて、変調信号に90°の位相差を有し、同様に平
衡変調された周波数(F1 ±F2 )の2つの信号が出力
される。
【0011】この平衡変調器4Xから出力される2つの
信号も、次段の90°上側波帯フィルタ5Xと90°下
側波帯フィルタ6Xによって、それぞれ分離されて、電
力増幅を行うSSB(上側)送信機7XとSSB(下
側)送信機8Xへ送られる。その後、出力合成器9Xで
合成され、バルン10Xを介して、Xアンテナ11Xへ
供給される。
【0012】したがって、右方に示す直交したダイポー
ルアンテナ(Y,X)には、変調信号に90°の位相差
を有し、かつ搬送波Aが同じ周波数で、同位相の平衡変
調波が供給され、Yアンテナ11YとXアンテナ11X
から発射される。ここで、ダイポールアンテナ(Y,
X)から発射される信号波形について説明する。
【0013】図9は、先に提案した無線通信方式におい
て、ダイポールアンテナから発射される信号波形の一例
を示すタイムチャートである。
【0014】図10は、図9に示した電波が直交したア
ンテナから放射されることにより偏波面が回転する状態
をコンピュータによつて描画した図である。
【0015】直交するダイポールアンテナからは、図9
に示すような波形の電波が発射されることになる。この
場合に、その合成ベクトルとしての偏波面は、例えば、
毎秒θ/2π(=1/F2 )の速さで回転することにな
る。この電波の回転は、図10から明らかなように、出
力電流ixとiyとにより、直交アンテナX,Yから放射
された電波の合成ベクトルとして回転し、Z方向に伝搬
する。
【0016】通常は、偏波面の回転数は数秒から1分間
に1回であるが、先の図8の無線通信方式の場合には、
毎秒θ/2πのような地球磁場の影響が結果的に無視で
きる程度の高速度で回転される。また、回転している電
波の周波数はFであり、その振幅Aは一定である。次
に、図8に示した送信装置について、各ブロックを通過
する際の信号の周波数(スペクトラム)の変化と、位相
の変化を数式で説明する。
【0017】図11は、図8に示した送信装置につい
て、各ブロックを通過する際の信号の周波数(スペクト
ラム)の変化と、位相の変化を数式的に説明する図であ
る。図において、各ブロックに付けた符号は図8に対応
しており、DBMは平衡変調器(ダブル・バランスト・
モジュレータ)を示す。
【0018】この図11では、搬送波発振器1から出力
される搬送波の周波数をF1 、その振幅をA、低周波発
振器2から出力される電波の偏波面を回転させる低周波
の周波数をF2 、その振幅をBとする。なお、搬送波の
振幅Aは100mV、低周波の振幅Bは10mV程度の
電圧が適当である。また、搬送波の角周波数をω、低周
波の角周波数(偏波面の回転の角周波数に相当する)を
θとし、90°はπ/2で表現している。
【0019】この場合には、搬送波発振器1から出力さ
れる搬送波(短波)は、 短波の搬送波F1 =A・sinωt ……(1) 低周波発振器2から出力される低周波は、 低周波の信号F2 =B・cosθt ……(2) で表記される。
【0020】したがって、平衡変調器4Yから出力され
る2つの信号が、次の式(3) と(4)で示すように、0°
上側波帯フィルタ5Yと0°下側波帯フィルタ6Yへ入
力される。この場合の信号の周波数を、それぞれF11
12とすれば、 F11=C・sin(ω+θ)t ……(3) F12=C・sin(ω−θ)t ……(4) となる。Cは変調により減衰した振幅であり、ほぼBに
近い電圧である。
【0021】この式(3) と(4) で表わされる2つの信号
が、SSB(上側)送信機7YとSSB(下側)送信機
8Yへ送られて電力増幅され、振幅がMに増加するた
め、次の式(5) と(6) に変換される。 F11=M・sin(ω+θ)t ……(5) F12=M・sin(ω−θ)t ……(6)
【0022】その後、出力合成器9Yで両者が合成(加
算)されて、次の式(7) の信号が生成される。 F11+F12 =M・sin(ω+θ)t+M・sin(ω−θ)t ……(7) 他方、下方に示す平衡変調器4Xには、90°移相器3
から、次の式(8) に示す低周波の信号が入力される。 F2 =B・cos(θt−π/2) ……(8)
【0023】したがって、平衡変調器4Xから出力され
る2つの信号は、 F21=C・sin{(ω+θ)t−π/2} ……(9) F22=C・sin{(ω−θ)t−π/2} ……(10) となる。
【0024】この式(9) と(10)の信号が、90°上側波
帯フィルタ5Xと90°下側波帯フィルタ6Xによって
分離され、SSB(上側)送信機7XとSSB(下側)
送信機8Xへ送られて電力増幅され、次の出力合成器9
Xで、両者が合成(加算)されて、次の式(11)の信号が
生成される。 F21+F22 =M・sin{(ω+θ)t−π/2} +M・sin{(ω−θ)t−π/2} ……(11)
【0025】このようにして、式(7) の信号が出力合成
器9Yで生成され、バルン10Yを介して、直交するダ
イポールアンテナの一方(Yアンテナ11Y)へ、ま
た、式(11)の信号が出力合成器9Xで生成され、バルン
10Xを介して他方のダイポールアンテナ(Xアンテナ
11X)へ出力される。したがって、直交するダイポー
ルアンテナ(11Y,11X)からは、偏波面がθtで
回転された信号が発射されることになる。
【0026】図12は、直交するダイポールアンテナか
ら発射される短波の信号波形を示す図である。図の10
Y出力は、バルン10Yから出力される信号、10X出
力はバルン10Xから出力される信号を示す。
【0027】この図12に示すような波形の信号、すな
わち、偏波面がθtで回転する短波の信号が、ダイポー
ルアンテナから発射されることになる。このような電波
を、一条の受信アンテナで受信し、受信機で例えば上側
波帯のみを選択すれば、次の式(12)で示すフェージング
の生じない信号が得られる。 F=M・sin{(ω+θ±p)t} ……(12) この式(12)にあっては、電離層において生じる偏波面回
転の微少な増減角周波数を±pで表している。
【0028】以上のように、先に提案した無線通信方式
は、送信側において、2つの平衡変調波の電波、すなわ
ち、角周波数で示すと、(ω+θ)と(ω−θ)の2つ
の平衡変調波の電波を発生させ、受信側でその一方のみ
を受信する方式である。そして、受信アンテナ上では、
角周波数(ω+θ),(ω−θ)の等振幅の2つの高周
波電流が誘起され、この両者が干渉して平衡変調波とな
っていることが理解できる。
【0029】図13は、偏波面が回転している電波によ
って受信アンテナに誘起される電流の干渉波形につい
て、その一例を示す図である。図において、a,b,c
は位相変化点を示す。
【0030】この干渉波形は、到来波〔k・A・sinω
t〕を〔cosθt〕で平衡変調した波形と同じである。
この各点a,b,cでは、エンベロープがX軸と交差
し、その点では位相が180°変化する。
【0031】位相変化点での電流の振幅は“0”であ
り、その近傍での振幅は殆ど“0”に近い。このような
位相変化点は、θ/2πにつき二回ずつ発生し、偏波面
の回転が1分間に1回というような低速度の場合には、
時間的に数秒というような長い不感期間となる。
【0032】一方、AGC機能を有する受信機が周期的
に受信不能になるという深いフェージングの原因と考え
られるものは、偏波性フェージングだけである。その理
由は、無線通信用の高感度の受信機の場合、短波帯にお
いて、受信出力50mWをSN比20dBで得るために
必要な入力電圧は、0dBμV程度であり、フェージン
グ現象によって受信出力が聞えなくなる入力レベルは、
例えばSN比が6dB程度に低下するときであると考え
られるから、受信機の入力で−14dBμVになったと
き、ということができる。
【0033】ここで、受信アンテナがダイポールである
とすれば、周波数によって多少は異なるが、平均的に考
えて、利得を12dB程度とした場合に、−26dBμ
V/mの電界強度まで低下したときに、はじめて聞えな
くなる、という現象が発生することになる。先に提案し
た無線通信方式では、このような偏波性フェージングに
よる影響を除去するために、電離層を通過する際に電界
のベクトルがファラデー・ローテーションにより自然に
回転する約3秒ないし1分間に1回程度のゆっくりとし
た速度(1/3〜1/60Hz)に比べて、極めて速い、
例えば100kHzのような高速度で回転させている。と
ころで、このような平衡変調波を構成する2つの周波数
は、搬送波の周波数から上下に±(θ/2π)Hz離調す
るので、両周波数の間隔は(θ/π)Hzとなる。
【0034】この両周波数の間隔を、例えば12kHzだ
け離調させるためには、先のθを、約37.7キロラジ
アンとすればよい。この場合には、偏波面は約6kHzで
回転する。しかしながら、この偏波面回転波に、変調に
伴う6kHzの占有周波数帯幅があるとすれば、全体の占
有周波数帯幅は18kHzとなる。
【0035】一方、現行の電波法規では、短波帯での許
容占有周波数帯幅は、放送を除く他の無線局の場合、6
kHz以下とされている。したがって、先に提案した無線
通信方式、すなわち、電波の偏波面を高速回転させてフ
ェージングを除去する通信方式は、法的規制に合致しな
い、という問題が残ってしまう。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】先に提案した無線通信
方式における問題、すなわち、電波の偏波面を高速回転
させてフェージングを除去する通信方式は、現行の法的
規制に合致しないので、通常の無線局で実用化する上で
大きな障害になる。この発明では、この問題を解決し、
海上通信における短波の狭帯域直接印刷電信方式、一般
通信、捜索救難通信、さらには、国際放送等において重
要なメディアである短波帯の無線通信において、フェー
ジングの影響を除去した高品質の信号の送受が行えるよ
うにした送信装置を提供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】この発明では、第1に、
短波帯の搬送波を発生する搬送波発生手段と、副搬送波
を発生する副搬送波発生手段と、前記搬送波と前記副搬
送波とが入力される第1の混合器と、前記副搬送波発生
手段から発生される副搬送波をπ/2移相する移相器
と、前記搬送波と該移相器によってπ/2移相された副
搬送波とが入力される第2の混合器と、直交させた2個
のダイポールアンテナ、とからなる送信装置を備え、前
記第1の混合器の出力を前記2個のダイポールアンテナ
の一方へ入力し、前記第2の混合器の出力を前記2個の
ダイポールアンテナの他方へ入力することにより、円偏
波を放射するように構成している。
【0038】第2に、短波帯の搬送波を発生する搬送波
発生手段と、搬送波を増幅する増幅手段と、増幅された
搬送波を分配する手段と、同軸ケーブルと、直交させた
2個のダイポールアンテナ、とからなる送信装置を備
え、前記ダイポールアンテナには、その一方のアンテナ
素子の位相を他方に比べてπ/2だけ遅らせる長さを有
する同軸ケーブルが接続されている構成である。
【0039】第3に、短波帯の搬送波を発生する搬送波
発生手段と、搬送波を増幅する増幅手段と、増幅された
搬送波を出力するインピーダンス整合手段と、ヘリカル
アンテナ、とからなる送信装置を備え、前記インピーダ
ンス整合手段から前記ヘリカルアンテナへ入力すること
によって、円偏波を放射するように構成している。
【0040】
【発明の着目点と基本原理】この出願の発明者は、理論
的な計算処理と多数の実験結果によって、先に提案した
無線通信方式を実施すれば、技術的には、フェージング
の影響を除去することが可能であり、高品質の信号送受
が行える、という確信を得た。この無線通信方式を実用
化する上で、唯一残された障害は、現行の電波法規に合
致した短波帯の許容占有周波数帯幅、すなわち、6kHz
以下(放送を除く他の無線局)の許容占有周波数帯幅の
制限内で使用が可能な方式を実現する点のみである。
【0041】先の図11では、図8に示した送信装置に
おける各ブロックを通過する際の信号の周波数(スペク
トラム)の変化と、位相の変化を数式的に説明した。こ
の図11の場合には、搬送波の角周波数をω、低周波の
角周波数(偏波面の回転の角周波数に相当する)をθと
した。
【0042】すなわち、偏波面の回転の角周波数に相当
するθ=搬送波の角周波数ωの値に設定して、理論的な
演算と実験とを行った。この場合に、各ブロックを通過
する際の信号の周波数(スペクトラム)の変化と位相の
変化との関係を、先の図11と対応させて数式的に説明
する。
【0043】図2は、この発明において、電波の偏波面
の回転の角周波数θを搬送波の角周波数ωと同じ値に設
定した場合について、各ブロックを通過する際の信号の
周波数(スペクトラム)の変化と、位相の変化とを数式
的に説明する図である。図において、各ブロックに付け
た符号は図8に対応しており、また、図11と同様であ
る。
【0044】この図2は、先の図11に相当する図であ
り、θ=ωと設定した場合を示している。そのため、低
周波発振器2から出力される低周波の信号は、先の式
(2) の代りに、次の式(13)で表わされることになる。 低周波の信号F2 =B・cosωt ……(13)
【0045】したがって、図2の上方に示した平衡変調
器4Yから出力される2つの信号は、次の式(14)と(15)
で示すように、0°上側波帯フィルタ5Yと0°下側波
帯フィルタ6Yへ入力される。 F11=C・sin(ω+ω)t ……(14) F12=C・sin(ω−ω)t ……(15) この式(14)は、先の式(3) で、θ=ωの場合であり、同
様に、式(15)は、先の式(4) で、θ=ωの場合であ
る。。
【0046】そして、後者の式(15)は“0”であるか
ら、0°下側波帯フィルタ6Yへ入力される信号は
“0”となる。したがって、SSB(下側)送信機8Y
で電力増幅される信号成分も“0”である。そのため、
平衡変調器4Yからは、先の式(14)で示される信号、す
なわち、SSB(上側)送信機7Yで電力増幅された信
号のみが、出力合成器9Yで合成(加算)されて、次の
式(16)の信号が生成されることになる。 F11=M・sin(ω+ω)t =M・sin2ωt ……(16)
【0047】また、下方に示す平衡変調器4Xには、9
0°移相器3から、次の式(17)に示す低周波の信号が入
力される。 F2 =B・cos(ωt−π/2) ……(17)
【0048】したがって、平衡変調器4Xから出力され
る2つの信号は、 F21=C・sin{(ω+ω)t−π/2} ……(18) F22=C・sin{(ω−ω)t−π/2} ……(19) となる。
【0049】この場合に、後者の式(19)は、次の式(20)
に変換される。 F22=C・sin{(ω−ω)t−π/2} =C・sin(−π/2) =−C ……(20)
【0050】その結果、90°下側波帯フィルタ6Xへ
入力される信号は、定数“−C”となり、搬送波や偏波
面の回転の角周波数ωと無関係の値になる。したがっ
て、先の式(18)と(20)で示される信号、すなわち、SS
B(上側)送信機7XとSSB(下側)送信機8Xへ送
られて電力増幅され、次段の出力合成器9Xで両者が合
成(加算)される信号は、次の式(21)で示される。
【0051】 F21+F22 =M・sin{(ω+ω)t−π/2} +M・sin{(ω−ω)t−π/2} =M・sin(2ωt−π/2)+M・sin(−π/2) =M・sin(2ωt−π/2)+M・(−1) =M・sin(2ωt−π/2)−M ……(21)
【0052】この式(21)の信号は、第2項の値がtと無
関係であるから、中心位置がずれる実質的な円偏波であ
る。以上のようにして、図2の送信装置によれば、先の
式(16)に示した信号が出力合成器9Yで生成され、バル
ン10Yを介して、直交するダイポールアンテナの一方
(Yアンテナ11Y)へ、また、先の式(21)に示した信
号が出力合成器9Xで生成され、バルン10Xを介して
他方のダイポールアンテナ(Xアンテナ11X)へ出力
されることになる。
【0053】そして、2つのバルン10Yと10Xから
出力される信号は、90°位相のずれた搬送波と等しく
なる。したがって、直交するダイポールアンテナから
は、偏波面が角周波数ωで回転する信号が発射されるこ
とになる。
【0054】以上のような解析結果から、搬送波の角周
波数ωと、電波の偏波面を回転させる低周波の角周波数
θ(=ω)とを等しくすれば、角周波数ωの搬送波が角
周波数ωで高速回転して、結果的に、角周波数2ωの円
偏波として発射されることが解明された。この場合に、
直交するダイポールアンテナの各素子、すなわち、Yア
ンテナ11YとXアンテナ11Xへ供給される信号は、
平衡変調波ではないので、これらの各アンテナ11Y,
11Xから放射された電界内においた受信アンテナにも
平衡変調波は発生せず、フェージングが生じることはな
い。
【0055】先に提案した無線通信方式では、2つの電
波が存在したが、ここでは、1つの円偏波を使用するこ
とになるので、一方の電波のスペクトラムが消去される
ことになり、占有周波数帯幅を規定値内に収めることが
可能になる。このような認識に基いて、図2のブロック
の内、上方のY波に関しては、入力される信号が“0”
の0°下側波帯フィルタ6Yと、SSB(下側)送信機
8Yとは不要であり、下方のX波に関しても、式(19)の
信号は、tに関係のない定数(−M)で、回転中心を少
し左にずらす意味しか有しない90°下側波帯フィルタ
6Xと、SSB(下側)送信機8Xとは、機能上不要で
ある、という結論に達した。
【0056】以上の理由によって、実質的に意味のない
部分を除くと、後述する図1のような送信装置を構成す
ることができる。この発明の短波送信装置は、以上のよ
うな基本原理によって、従来、短波帯で不可避といわれ
ているフェージングを実質的に除去し、高品質の無線通
信を可能にすると共に、短波帯の許容占有周波数帯幅に
関しても、現行電波法規に適合する実用性の高いもので
ある。
【0057】
【作用】この発明では、先に提案した無線通信方式の問
題点、すなわち、1回線の通信に2つの電波を必要とす
るので、その許容占有周波数帯幅が現行の電波法規に適
合しないため実用化できない、という問題を解決するた
めに、電波の偏波面を、搬送波と同じ周波数で回転させ
ることによって、1つの電波で送受信を可能にしてい
る。しかも、送信側だけを改良しているので、受信側の
装置は、従来の短波受信機能を有していれば十分であ
り、フェージングを伴わないため小電力により省エネル
ギー化も可能である。
【0058】
【実施例1】次に、この発明の短波送信装置について、
図面を参照しながら、その実施例を詳細に説明する。こ
の実施例は、請求項1の発明に対応している。
【0059】図1は、この発明の短波送信装置につい
て、その要部構成の一実施例を示す機能ブロック図であ
る。図において、21は搬送波発振器、22は逓倍器、
23は副搬送波発振器、24はπ/2移相器、25Xと
25Yは混合器、26Xと26Yは同調増幅器、27X
と27Yは電力増幅器、28Xと28Yはバルン、29
XはXアンテナ、29YはYアンテナを示し、foは搬
送波の周波数、fsは副搬送波の周波数、fs′はπ/
2移相器24のπ/2移相のずれた副搬送波の出力周波
数、fiは混合器25Yの出力周波数で、電力増幅器2
7Yの出力周波数、fi′は混合器25Xの出力周波数
で、電力増幅器27Xの出力周波数、nは逓倍器22の
逓倍数を示す。
【0060】この図1で左方に示す搬送波発振器1から
周波数foの搬送波が出力され、次段の逓倍器22によ
ってn逓倍されて、短波帯の搬送波が発生される。この
n逓倍された搬送波は、混合器25Y,25Xへ入力さ
れる。また、副搬送波発振器23からは、周波数fsの
副搬送波が出力され、混合器25Yとπ/2移相器24
へ入力される。
【0061】そのため、Y波に関する上側では、混合器
25Yから出力周波数fi=(fo×n)−fsの信号
が生成されて、同調増幅器26Y,電力増幅器27Yに
より増幅された信号が、バルン28Yを介してYアンテ
ナ29Yへ供給される。他方、X波に関する下側では、
混合器25Xに、周波数fsの副搬送波とπ/2移相の
ずれた出力周波数fs′の副搬送波とが入力されて、出
力周波数fi′=(fo×n)−fs′の信号が生成さ
れる。
【0062】この出力周波数fi′の信号は、次段の同
調増幅器26X,電力増幅器27Xによって増幅され
て、バルン28Xを介してXアンテナ29Xへ供給され
る。したがって、直交されたダイポールアンテナでは、
Yアンテナ29YとXアンテナ29Xから、周波数f′
の円偏波が放射される。
【0063】この円偏波の電波のスペクトラムは単一で
あるから、先に提案した無線通信方式に比べて、その占
有周波数帯幅は小さな値となり、充分に現行の電波法規
に合致する。したがって、直交されたダイポールアンテ
ナから放射された円偏波を受信すれば、フェージングの
影響を受けない、高品質の短波を受信することができ
る。
【0064】なお、図1では、基準となる搬送波(周波
数fi)を生成するために、搬送波発振器21と逓倍器
22とを設ける場合を示しているが、シンセサイザ発振
器等で構成することも可能であることは、いうまでもな
い。このように、この発明の無線通信方式および送信装
置は、極めて簡単な構成であり、しかも、従来のように
フェージングの影響も受けない。
【0065】その上、現行の電波法規の規定、特に、許
容占有周波数帯幅の規定も、充分に満すものである。し
たがって、海上通信や国際放送等で重要な短波帯の無線
通信に最適であり、その実用的な効果は顕著である。
【0066】
【実験例】実験では、以上のような直交させた二条のY
アンテナ29Y,Xアンテナ29Xを、その位相が正確
にπ/2異なる(短波帯の)搬送波電流で励振する。そ
して、ファクシミリ送信機の場合、搬送周波数を中心周
波数とする±400Hzの周波数偏移信号であり、−40
0Hz偏移のとき“黒”、+400Hz偏移のとき“白”を
表わすようにした。
【0067】水平の1走査を1秒とし、協動係数を57
6とした。なお、この係数は、短波ファクシミリにおい
てWMO標準とされている定数である。そして、画像送
信機側の水平走査の1/2に等しい500mSのパルス
を、他の正確な発振周波数を分周して発生させ、そのパ
ルスによって被制御側の送信出力を交互に断続させる方
法を採用した。
【0068】この方法を採用することにより、500m
S毎に直線偏波と円偏波とが順次切り換えられて送信さ
れるので、この電波をファクシミリ受信機で受信すれ
ば、受信画像上で、直線偏波の受信部分と円偏波の受信
部分とが左右に分割される。また、同時に、受信アンテ
ナの出力電圧を連続記録すれば、両者の受けるフェージ
ングの相違を対比して観測することも可能になる。
【0069】送信周波数は、10.100MHzから1
0.150MHzの範囲とし、2本のダイポールアンテナ
の放射電力が正確に75W程度の等しいレベルとなるよ
うに調整した。受信地点は、この周波数帯で、直接波は
通達せず、電離層反射波のメインパスは良く通達すると
共に、多重反射波のマルチパスも受信できると予想され
る送信地から約350kmの遠方に設けた(東京と三重
県四日市市)。
【0070】この受信地点では、1/2波長のダイポー
ルアンテナを展張し、同軸ケーブルによって屋内に引き
込み、ディバイダにより2分して、ファクシミリ受信機
と短波受信機とに接続した。ファクシミリ受信機は、送
信画像を受信するためであるが、短波受信機は、同時
に、アンテナの出力電圧を測定するのが目的である。
【0071】このように、直線偏波と円偏波とを順次切
り換えた画像を受信すると、円偏波の画像は極めて良質
であるが、直線偏波の画像は、フェージングにより判読
し難い画像部分も発生した。その他にも、送信電波の形
式を種々に変化させて実験を行った。
【0072】図3は、実験結果の一例を示す図で、円偏
波・無変調電波による受信アンテナの出力電圧の変化例
を示す図である。図の横軸は時間、縦軸はアンテナ出力
電圧を示す。
【0073】図4は、実験結果の一例を示す図で、直線
偏波・無変調電波による受信アンテナの出力電圧の変化
例を示す図である。図の横軸と縦軸は図3と同様であ
る。
【0074】この図3と図4とを対比すれば明らかなよ
うに、円偏波による送受信を示す図3の方が、受信アン
テナの出力電圧の変動が極めて小さい。すなわち、フェ
ージングによる影響が著しく低減され、実用上は極めて
良質の送受信が可能であることが確認された。
【0075】図5は、円偏波と直線偏波のフェージング
点における受信アンテナの出力電圧の一実験例を示す図
である。図の横軸は時間軸、縦軸は受信アンテナ出力電
圧を示し、破線のaは直線偏波だけで送信した場合の推
定出力レベル、一点鎖線のbは円偏波だけで送信した場
合の推定出力レベル、cはフェージングが生じなかった
送信部分、dは円偏波の送信部分、eは直線偏波の送信
部分を示す。
【0076】この図5では、先の図3と図4に示した円
偏波と直線偏波とを500mSずつ交互に送信した場合
を示している。左側にcで示した送信部分は、直線偏波
もフェージングしなかったため、円偏波と同様のレベル
になっている。一方、右側にeで示したレベルの低下し
ている部分が、直線偏波で送信部分であり、フェージン
グした結果である。これに対して、右側にdで示したレ
ベル変化の少ない部分は、円偏波で送信された部分であ
る。この図5から、直線偏波で送信した場合にフェージ
ングが生じても、円偏波で送信した場合には、フェージ
ングが生じないことが分る。なお、櫛の歯状の1本に相
当する横軸上の時間(dやeの送信時間)は、500m
Sである。
【0077】直線偏波の部分(eの部分)で生じるレベ
ル低下の原因は、電離層において生じた偏波面回転に起
因して、受信アンテナに到達した電波の偏波面も回転し
ているためである。このレベル変化は、最高レベルから
の差では、26dBから30dBにも達しているが、円
偏波の部分でのレベル変動は6dB程度に過ぎない。な
お、この図5のデータは、測定用受信機の入力電圧対A
GC電圧の関係を標準電圧発生器を使用して実験周波数
で測定した結果で校正した値である。
【0078】以上の実験結果から、直線偏波の送信に比
べて、円偏波の送信の方が、フェージングによる影響に
対して安定であることが実証された。したがって、この
発明による短波送信装置は、フェージングによる影響に
対して安定で、しかも、その占有周波数帯幅も、現行の
電波法規に合致することが確認できた。
【0079】また、変調方式としては、ファクシミリの
場合には、周波数変調方式(例えば±400Hzで、白と
黒との区別を示す信号を送信する方式)が最適である
が、通常の振幅変調方式や、その他公知の変調方式にも
適用可能である。すでに述べたように、従来の短波放送
では、フェージングによる影響を避けるために、複数の
周波数帯で同時に送信してフェージングの少ないものを
選んで受信しているが、この発明の短波送信装置では、
通達可能な1つの周波数だけで高品質の送受信が可能で
ある。
【0080】なお、短波帯の放送の場合には、例えば半
径が100km前後の範囲では、受信できないが、例え
ば関東の1局と、100km以上離れた場所に1局の計
2局を設置すれば、日本全体をカバーすることができ
る。この場合に、従来は、10kW以上の送信出力が必
要のとき、この発明の短波送信装置では、その1/10
の1kW程度で十分であるから、小電力による省電力化
や、設備の小型化等も可能である。
【0081】
【実施例2】次に、第2の実施例を説明する。この実施
例は、請求項2の発明に対応している。
【0082】図6は、この発明の短波送信装置につい
て、その要部構成の第2の実施例を示す機能ブロック図
である。図において、31は発振器、32は周波数逓倍
器、33はバッファー増幅器、34は電力増幅器、35
は電力分配器、36Xと36Yは同軸ケーブル、37X
と37Yはバルン、38XはXアンテナ、38YはYア
ンテナを示し、foは発振周波数、Lは同軸ケーブル3
6Xの長さ、L′は同軸ケーブル36Yの長さを示し、
pとqは接続点の位置を示す。
【0083】この図6の短波送信装置では、1台の送信
装置から、直交する二条のXアンテナ38XとYアンテ
ナ38Yによって、円偏波を送信する場合を示してい
る。発振器31から発生される信号は、その発振周波数
=foとして、ωo=2πfoとし、また、その振幅を
Aとすれば、発振電流ioは、 io=A・sin(ωo・t) ……(22) となる。
【0084】この信号が、次段の周波数逓倍器32へ出
力される。ここで、その逓倍数をnとすれば、逓倍後の
周波数fcは、fc=n・foであり、ωc=2πfc
となる。また、振幅をBとすれば、電流i1 は、 i1 =B・sin(ωc・t) ……(23) となる。
【0085】その後、この周波数fcの信号が、バッフ
ァー増幅器33、電力増幅器34によって増幅される。
最終段の振幅をCとすれば、送信搬送波電流icは、 ic=C・sin(ωc・t) ……(24) となる。その後段の電力分配器35では、入力された電
力を、それぞれ1/2ずつに分配するので、各々の電流
の振幅は、C/√2となる。
【0086】ここで、各同軸ケーブル36X,36Yへ
供電される電流をic1,ic2とすれば、 ic1=ic2=C/(√2)・sin(ωc・t) ……(25) となる。そして、一方の同軸ケーブル、例えば、同軸ケ
ーブル36Xの長さをLとすれば、他方の同軸ケーブル
36Yの長さL′を、 L′=L+λ/4 ……(26) とする。なお、λは波長である。
【0087】このように、一対の同軸ケーブル36X,
36Yについて、その片方の長さを1/4波長だけ遅れ
るようにすれば、接続点pにおける電流ic1が、 ic1≒C/(√2)・sin(ωc・t) ……(27) のとき、他方の接続点qにおける電流ic2は、 ic2≒C/(√2)・cos(ωc・t) ……(28) となって、円偏波が発生される。
【0088】
【実施例3】次に、第3の実施例を説明する。この実施
例は、請求項3の発明に対応している。
【0089】図7は、この発明の短波送信装置につい
て、その要部構成の第3の実施例を示す機能ブロック図
である。図における符号は図6と同様であり、41はイ
ンピーダンス整合器、42は反射板、43はヘリカルア
ンテナを示す。
【0090】この図7の短波送信装置も、基本的な構成
は図6と同様であるが、ダイポールアンテナの代りに、
ヘリカルアンテナ43を使用した点が異なっている。す
なわち、電力増幅器34によって増幅された送信搬送波
電流icが、インピーダンス整合器41を介して、反射
板42を有するヘリカルアンテナ43へ与えられる。
【0091】ヘリカルアンテナ43の場合には、アンテ
ナ特性として、そのまま円偏波が得られる。なお、この
場合には、ヘリカルアンテナ43の円周を波長λと等し
くする必要があるのが、直径が約λ/3となる。
【0092】
【発明の効果】請求項1から請求項3の短波送信装置に
よれば、従来は余り利用できなかった短波帯における無
線通信において、フェージングに起因する受信不能を回
避し、高品質の送受信が可能になる。したがって、海上
通信や国際放送等で重要な短波帯の無線通信に最適であ
り、また、デジタルデータやファクシミリ等の短波無線
伝送の実用化にも極めて有用であるから、その利用範囲
を著しく拡大することができる。その上に、送信側や受
信側の装置は、いずれも簡単に構成することができるの
で、コスト面でも有利である上、貴重な電波の有効利用
も実現される、等の多くの優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の短波送信装置について、その要部構
成の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図2】この発明において、電波の偏波面の回転の角周
波数θを搬送波の角周波数ωと同じ値に設定した場合に
ついて、各ブロックを通過する際の信号の周波数(スペ
クトラム)の変化と、位相の変化とを数式的に説明する
図である。
【図3】実験結果の一例を示す図で、円偏波・無変調電
波による受信アンテナの出力電圧の変化例を示す図であ
る。
【図4】実験結果の一例を示す図で、直線偏波・無変調
電波による受信アンテナの出力電圧の変化例を示す図で
ある。
【図5】円偏波と直線偏波のフェージング点における受
信アンテナの出力電圧の一実験例を示す図である。
【図6】この発明の短波送信装置について、その要部構
成の第2の実施例を示す機能ブロック図である。
【図7】この発明の短波送信装置について、その要部構
成の第3の実施例を示す機能ブロック図である。
【図8】先に提案した無線通信方式を実施する送信装置
について、その要部構成の一例を示す機能ブロック図で
ある。
【図9】先に提案した無線通信方式において、ダイポー
ルアンテナから発射される信号波形の一例を示すタイム
チャートである。
【図10】図9に示した電波が直交したアンテナから放
射されることにより偏波面が回転する状態をコンピュー
タによつて描画した図である。
【図11】図8に示した送信装置について、各ブロック
を通過する際の信号の周波数(スペクトラム)の変化
と、位相の変化を数式的に説明する図である。
【図12】直交するダイポールアンテナから発射される
短波の信号波形を示す図である。
【図13】偏波面が回転している電波によって受信アン
テナに誘起される電流の干渉波形について、その一例を
示す図である。
【符号の説明】
21 搬送波発振器 22 逓倍器 23 副搬送波発振器 24 π/2移相器 25Xと25Y 混合器 26Xと26Y 同調増幅器 27Xと27Y 電力増幅器 28Xと28Y バルン 29X Xアンテナ 29Y Yアンテナ 31 発振器 32 周波数逓倍器 33 バッファー増幅器 34 電力増幅器 35 電力分配器 36Xと36Y 同軸ケーブル 37Xと37Y バルン 38X Xアンテナ 38Y Yアンテナ 41 インピーダンス整合器 42 反射板 43 ヘリカルアンテナ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短波帯の搬送波を発生する搬送波発生手
    段と、 副搬送波を発生する副搬送波発生手段と、 前記搬送波と前記副搬送波とが入力される第1の混合器
    と、 前記副搬送波発生手段から発生される副搬送波をπ/2
    移相する移相器と、 前記搬送波と該移相器によってπ/2移相された副搬送
    波とが入力される第2の混合器と、 直交させた2個のダイポールアンテナ、とからなる送信
    装置を備え、 前記第1の混合器の出力を前記2個のダイポールアンテ
    ナの一方へ入力し、前記第2の混合器の出力を前記2個
    のダイポールアンテナの他方へ入力することにより、円
    偏波を放射することを特徴とする短波送信装置。
  2. 【請求項2】 短波帯の搬送波を発生する搬送波発生手
    段と、 搬送波を増幅する増幅手段と、 増幅された搬送波を分配する手段と、 同軸ケーブルと、 直交させた2個のダイポールアンテナ、とからなる送信
    装置を備え、 前記ダイポールアンテナには、その一方のアンテナ素子
    に供給する位相を他方に比べてπ/2だけ遅らせる長さ
    を有する同軸ケーブルが接続されていることを特徴とす
    る短波送信装置。
  3. 【請求項3】 短波帯の搬送波を発生する搬送波発生手
    段と、 搬送波を増幅する増幅手段と、 増幅された搬送波を出力するインピーダンス整合手段
    と、 ヘリカルアンテナ、とからなる送信装置を備え、 前記インピーダンス整合手段から前記ヘリカルアンテナ
    へ入力することによって、円偏波を放射することを特徴
    とする短波送信装置。
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