JP5632192B2 - クラフト紙 - Google Patents

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Description

本発明は、クラフト紙に関する。
クラフト紙は、木材をクラフト蒸解して得られるクラフトパルプを用いたものであり、主に農産物、化学薬品、小麦粉、セメント等を充填して搬送するための重包装用紙や、事務用封筒、ショッピング袋等の軽包装用紙などに使用されている。かかる包装用紙に対しては、強度が強いこと、製袋性等の加工適性や印刷適性に優れていることなどが要求される。
クラフト紙の強度を高めるための一般的な方法としては、パルプスラリーの中に紙力増強剤を添加して抄紙する方法が挙げられる。この紙力増強剤としては、ポリアクリルアミド、CMC、澱粉誘導体、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂等が用いられている。
一方、このようなクラフト紙は、冬場などの乾燥状況下での製袋において、紙の過乾燥による底割れ、背割れが発生しやすいという不都合を有している。そこで、乾燥状況下での製袋が想定されるクラフト紙においては、内添される紙力増強剤の添加量を減らして紙の硬さを抑えることで、この底割れ、背割れを防止する方法などが採られている。しかしながら、紙力増強剤を減らしたクラフト紙は、必然的に紙の表面強度が低下する。従ってこのようなクラフト紙は、印刷工程において紙表面が剥がれやすくなるので印刷適性も低下してしまう。
また、上記紙力増強剤として酸化澱粉や、両性澱粉等、各種澱粉誘導体を用いたクラフト紙が開発されている(例えば特開2002−69887号公報等参照)。しかしながら紙力増強剤として一般的に粘性の高い澱粉を用いると、原料パルプの一部に古紙パルプを含む場合に古紙由来の灰分が抄紙後の紙中に留まる比率が高くなり、その結果、印刷工程において紙表面に残留する灰分が剥がれ取られることによって生じる印刷欠陥(白抜け)や、灰分が繊維間強度を弱めることによって生じる紙力強度の低下が起こりやすくなる。このため資源の有効利用のために、クラフト紙中の古紙パルプ比率を増加させると、強度が低下するという不都合がある。
特開2002−69887号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、古紙パルプを含むパルプを主原料とした場合も、強度が高く、白抜けによる印面低下が抑えられることで印刷適性に優れ、底割れや、背割れなどが生じにくいという製袋性に優れたクラフト紙を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための発明は、
古紙パルプ及びクラフトパルプを含む原料パルプを主原料とするクラフト紙であって、
アルファ化した米澱粉を含有し、
灰分が4.0質量%以下であることを特徴とする。
当該クラフト紙によれば、紙力増強剤として保湿性に優れるアルファ化した米澱粉が含有されていることで、紙力向上に加え、紙の過乾燥を防ぐことができる。また、灰分を所定量以下に抑えることで、印刷時に灰分が取られることによる印刷欠陥の発生や、パルプ繊維間強度の低下を抑制することができる。従って、当該クラフト紙によれば、過乾燥による底割れ、背割れの発生を抑えつつ、紙の強度を高めることができ、優れた印刷適性及び製袋性を備えることができる。
上記米澱粉の原料パルプに対する含有量としては、0.1質量%以上1.0質量%以下が好ましい。米澱粉の含有量を上記範囲とすることで、上記の強度と、印刷適性と、製袋性とをより高いレベルでバランスよく発揮することができる。
当該クラフト紙のJIS−P8111に準拠した標準状態での水分率を7.0%以上8.5%以下とするとよい。このような水分率を備えるクラフト紙は、冬場などの乾燥状態においても、優れた製袋性を発揮することができる。
当該クラフト紙において、上記クラフトパルプが針葉樹クラフトパルプと広葉樹クラフトパルプとを含み、上記原料パルプにおける古紙パルプの含有量が5質量%以上50質量%以下、針葉樹クラフトパルプの含有量が10質量%以上43質量%以下、広葉樹クラフトパルプの含有量が28質量%以上76質量%以下であるとよい。当該クラフト紙は、アルファ化した米澱粉を含有することに加え、このような含有比率からなる原料パルプを用いることで、灰分含有率をより好適な範囲とすることができるとともに、パルプ繊維種のバランスが適当なものとなるため、強度並びに印刷適性及び製袋性をさらにバランスよく発揮することができる。
ここで、「灰分」とは、JIS−P8251(2003)「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準拠して測定した値である。「水分率」とは、JIS−P8127「紙及び板紙−ロットの水分試験方法−乾燥器による方法」に準拠して測定した値である。
以上説明したように、本発明のクラフト紙は、古紙パルプを含む原料パルプを主原料としているにもかかわらず、強度が高く、白抜けによる印面低下が抑えられることで印刷適性に優れ、底割れ、背割れなどの製袋性に優れており、このため重包装用紙や、軽包装用紙等に好適に用いることができる。
以下、本発明のクラフト紙を詳細に説明する。
本発明のクラフト紙は、主原料である原料パルプと紙力増強剤としてのアルファ化した米澱粉とを含有し、その他の添加剤を含有していてもよい。また、当該クラフト紙は、パルプスラリー中に、アルファ化した米澱粉及びその他の添加剤を配合したものを抄紙することによって得られるものである。なお、当該クラフト紙は、このようなパルプスラリーを抄紙した単層の構造体であってもよく、多層構造体であってもよく、また、この抄紙された層の表面に他の塗工層等を設けたものであってもよい。
〔原料パルプ〕
本発明のクラフト紙の主原料である原料パルプは、古紙パルプ及びクラフトパルプを含むものである。
この古紙パルプとしては、特に限定されず、例えば新聞古紙、茶古紙、雑誌古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙などから製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、離解・脱墨・漂白古紙パルプなどを挙げることができる。
原料パルプ全体に対する古紙パルプの含有量の下限としては、5質量%が好ましく、30質量%がさらに好ましい。一方、古紙パルプの含有量の上限としては、50質量%が好ましく、45質量%がさらに好ましい。古紙パルプの含有量が上記下限未満の場合は、古紙パルプ由来の灰分量が少なく、不透明度が低下するおそれがある。逆に、古紙パルプの含有量が上記上限を超えると、灰分量が増えるため、また、細いパルプ繊維の割合が高まるため、紙力が低下するおそれがあり、また、灰分量の増加により、白抜け等により印刷適性が低下するおそれもある。
クラフトパルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)等の針葉樹クラフトパルプ、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)等の広葉樹クラフトパルプなどを挙げることができる。
本発明のクラフト紙は、上述した古紙パルプ及びクラフトパルプを原料のパルプとし、米澱粉や、必要に応じその他の添加剤とともに配合して抄紙する。原料パルプの配合量としては、古紙パルプを5質量%以上50質量%以下、針葉樹クラフトパルプを10質量%以上43質量%以下、及び広葉樹クラフトパルプを28質量%以上76質量%以下とすることが好ましい。当該クラフト紙は、アルファ化した米澱粉を含有することに加え、このような比率からなる原料パルプを用いることで、当該クラフト紙は、灰分含有率を抑えるとともに、パルプ繊維種のバランスが適当なものとなるため、強度並びに印刷適性及び製袋性をさらにバランスよく発揮することができる。なお、この原料パルプの配合比と、抄紙して得られるクラフト紙におけるパルプの含有比とは、実質的に一致するものである。
上記原料パルプにおける針葉樹クラフトパルプの含有率が10質量%未満の場合は、製袋加工における紙質強度が不足し、断紙や紙折部からの破れ、手提げ紐類の取り付けにおける破断が生じ易くなる。逆に、針葉樹クラフトパルプの含有率が43質量%を超えると紙質強度は十分ながら、針葉樹クラフトパルプが長繊維なために均質な地合を得がたく、厚薄ムラが生じ易くなるため、光沢やインキ着肉ムラなどの印刷適性が劣り、見栄えの悪い印刷となり、製袋加工品として見劣りするおそれがある。
また、広葉樹クラフトパルプの含有率が28質量%を下回ると、用紙表面の緻密性が悪くなり、精細な印刷情報の再現性が劣り、光沢が低いものになる。逆に、広葉樹クラフトパルプの含有率が76質量%を超えると、製袋及び印刷加工適性が低下する。さらには、この含有率が76質量%を超えると、平坦化処理においては、密度が上がり、製袋加工時の糊の浸透が抑えられ、貼合部の剥離など加工後に問題が生じる場合がある。
原料パルプのJIS−P8121(1995)に準拠して測定したフリーネスとしては480ccCSF以下が好ましく、300ccCSF以上450ccCSF以下がさらに好ましい。このように、フリーネスの比較的低い原料パルプを用いることで、パルプ繊維長が短くなる。パルプ繊維長を短くすることで、パルプ表面積が拡大し、米澱粉やその他の添加剤のパルプへの固着効率を向上させることができるため、各種添加剤の機能を十分に発揮することができるとともに、使用する添加剤の量を抑えることができる。また、このように短繊維のパルプを用いること、及び添加剤の使用量を抑えることで、クラフト紙の柔軟性が高まり、製袋性が向上する。
〔米澱粉〕
本発明のクラフト紙に含有されるアルファ化した米澱粉としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。アルファ化した米澱粉は、他の澱粉と比べて優れた保湿性を備えている。このため当該クラフト紙によれば、保湿性の優れる米澱粉が含有(内添)されていることで、紙の過乾燥を防ぐことができる。従って、当該クラフト紙によれば、過乾燥による紙割れの発生を抑えつつ、紙の強度を高めることができ、優れた印刷適性及び製袋性を備えることができる。
米澱粉のアルファ化の方法としては、特に限定されず、公知の方法の例えば、以下の方法を用いることができる。
粒子状の天然米澱粉(ベータ澱粉)の水懸濁液を加熱、又はアルカリ性とする等により澱粉粒子を膨潤させ、最終的に粘性を持った透明又は半透明の澱粉糊液とする(アルファ化)。この澱粉糊液をホットロールやスプレー乾燥機等を用いて乾燥することにより、粒子状のアルファ化澱粉を得ることができる。
なお、アルファ化された米澱粉の市販品としては、上越スターチ株式会社製の「マイアルファーK」、「モチールアルファー」等を挙げることができる。
また、アルファ化された米澱粉は、例えばカチオン化などされていない、非イオン性であることが好ましい。この米澱粉がイオン性を有さないことで、原料パルプスラリー中における粘性の上昇を抑えることができ、またカチオン性を有さないことで古紙パルプに含まれる灰分の繊維への定着を抑制し当該クラフト紙の灰分の上昇を抑えることができる。
なお、このアルファ化した米澱粉は、エステル化、酸化等の処理が施されたものであってもよい。
上記アルファ化した米澱粉のパルプに対する含有量としては、0.1質量%以上1.0質量%以下が好ましく、0.3質量%以上0.8質量%以下がさらに好ましい。米澱粉の含有量を上記範囲とすることで強度と、印刷適性と、製袋性とをより高いレベルでバランスよく発揮することができ、印刷工程、製袋工程等におけるマシントラブルの発生を低減させることができる。
米澱粉の含有量が上記下限未満の場合は、保湿性が十分に発揮されず、乾燥時における製袋性が低下するおそれがある。逆に、米澱粉の含有量が上記上限を超える場合は、パルプスラリーの粘性が高まり、灰分がパルプ繊維間に留まりやすくなるため、その結果灰分量が上昇し、印刷適性や強度を低下させるおそれがある。また、米澱粉量の含有量が上記上限を超えると、吸水能が上昇しすぎる結果、例えば湿潤環境において紙表面にシワが生じるおそれがある。
上記アルファ化した米澱粉は、完全にパルプスラリー中で溶解した状態で抄紙されたものであってもよいし、完全に溶解せずパルプスラリー中に微粒子状に分散した状態で抄紙されたものであってもよいが、完全に溶解せず、微粒子状に分散した状態で抄紙されたものが好ましい。このアルファ化した米澱粉がパルプスラリー中で完全には溶解していないことで、スラリーの粘性上昇を抑えることができ、その結果、抄紙工程において灰分が湿紙から抜けやすくなるため、クラフト紙の灰分含有率を好適な範囲まで容易に抑えることができる。また、当該クラフト紙によれば、このようにアルファ化した米澱粉を微粒子として含有する場合、この米澱粉が填料として機能し、不透明度を高めることができる。
上記米澱粉を原料パルプスラリーに配合する際は、冷水に懸濁させて、この懸濁液を原料パルプスラリーと配合させることが好ましい。このように冷水に懸濁させることで、米澱粉の溶解を抑え、抄紙工程において脱水する際に灰分が抜けやすくなり、灰分含有率を好適な範囲まで容易に下げることができる。
この冷水の温度としては、例えば2℃以上30℃以下が好ましく、5℃以上15℃以下がさらに好ましい。
〔その他の添加剤〕
本形態の原料パルプには、サイズ剤、米澱粉以外の紙力増強剤、填料、紙厚向上剤、歩留向上剤等の通常クラフト紙に配合される種々の添加剤を、その種類及び配合量を適宜調整して用いることができる。
サイズ剤としては、例えば、酸性抄紙用ロジンサイズ剤、中性抄紙用変性ロジンサイズ剤、アルケニルコハク酸系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤、ワックス系サイズ剤、スチレン樹脂系サイズ剤、オレフィン樹脂系サイズ剤、スチレン−アクリル樹脂系サイズ剤、高級脂肪酸系サイズ剤、カチオンポリマー型サイズ剤等があげられる。
当該クラフト紙に含有されるサイズ剤の含有量としては、全パルプ固形分に対して固形分で0.2質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.2質量%以下がさらに好ましい。サイズ剤の含有量が上記下限より小さいと十分なサイズ性を発揮することができない場合がある。逆にサイズ剤の含有量が上記上限を超えると、乾燥状態において紙が硬くなり易くなり、底割れ、背割れなどの製袋適性が低下するおそれがある。また、サイズ剤の含有量が上記上限を超えると、フェルト目詰まりやスライム発生が生じやすくなり、操業効率の低下や、印刷適性の低下に繋がるおそれがある。
米澱粉以外の紙力増強剤としては、例えば、ポリアクリルアミド、CMC、ポリアミドエピクロロヒドリン、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらの米澱粉以外の紙力増強剤の含有量としては、全パルプ固形分に対して固形分で0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上0.4質量%以下がさらに好ましい。米澱粉以外の紙力増強剤の含有量が上記下限より小さいと、この紙力増強剤を添加した十分な効果を発揮することができない。逆に、この含有量が上記上限を超えると、乾燥状態において紙が硬くなり易くなり、製袋性が低下するおそれがある。また、この含有量が上記上限を超えると、フェルト目詰まりやスライム発生が生じやすくなり、操業効率の低下や、印刷適性の低下に繋がるおそれがある。
当該クラフト紙に含有する填料としては、例えば、再生粒子、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料;スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等があげられる。
〔クラフト紙の製造方法〕
本発明のクラフト紙は、原料パルプスラリーに、米澱粉及び必要に応じて各種添加剤を添加したスラリーを、例えばワイヤーパート、プレスパート、塗工設備、ヤンキードライヤー等を備えた通常の抄紙機にて抄紙し、得ることができる。また、抄紙機としては、例えば長網式抄紙機、オントップ式抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の通常の湿式抄紙機を使用することができる。
上記抄紙機で抄紙後、加熱可能なカレンダー装置で表面の平坦化処理を行い、高精度な印刷が可能となる印刷適性が備わる程度まで当該表面を平滑化してもよい。この場合、平坦化処理するためのカレンダー装置を金属ロールと弾性ロールによる1〜2段のニップ部を有する装置とし、さらに当該金属ロールの表面温度を80〜150℃、より好ましくは100〜120℃に保持した状態で処理する。このような製造方法とすることにより、クラフト包装用紙の表面の平滑性が向上し、より高精度な印刷が可能となる。金属ロールの表面温度が80℃未満であると、表面の平滑性が充分に上げることができないおそれがある。
さらに、必要に応じて、クラフト紙表面に例えば、表面処理剤が含浸された塗工層を形成してもよい。この場合、塗工層は、表面処理剤の含浸量が1.0〜4.0g/m、より好ましくは、1.2〜3.0g/mとなるようにロールコータによって含浸処理するとよい。表面処理剤の含有量が1.0g/m未満の場合、インキ着肉性の向上、白抜けの抑制など印刷適性を上げる効果が小さく、4.0g/mを超えると、紙が硬くなりすぎるために製袋機の折工程で紙が詰まる等の不都合が生じるおそれがある。
〔クラフト紙〕
(坪量)
当該クラフト紙の坪量としては、特に限定がなく、例えば50〜150g/m程度の通常のクラフト紙と同程度でよい。
(灰分)
当該クラフト紙の灰分としては、4.0質量%以下であり、0.1質量%以上2.5質量%以下が好ましく、0.2質量部以上2.0質量部以下がさらに好ましい。当該クラフト紙は、古紙パルプを含む原料パルプを抄紙して得られているにもかかわらず、アルファ化した米澱粉を含有することで、灰分の残留率をこのように低くすることができる。
クラフト紙の灰分が上記下限未満の場合は、不透明度が不十分となるおそれがある。逆に、灰分が上記上限を超えると、印刷時に灰分が剥がれ取られて欠陥となるなど、印刷適性が低下することとなる。また、灰分が上記上限を超えることで、パルプ繊維間の強度が弱まり紙力強度が低下し、断紙や紙折部からの破れなど製袋性等が低下する場合がある。
(水分率)
当該クラフト紙の水分率としては、JIS−P8111に準拠した標準状態における測定値において、7.0%以上8.5%以下が好ましく、7.2%以上8.0%以下がより好ましい。当該クラフト紙は、このように優れた保湿性を備えているため、冬場等の乾燥状態においても、紙中にある程度の水分を備えることができ、底割れ、背割れ等、製袋適性の低下を防ぐことができる。
当該クラフト紙の水分率が、上記下限より小さいと、このような乾燥状態における製袋性低下防止能を十分に発揮することができない場合がある。逆に、この水分率が上記上限を超えると、水分ムラによるシワが入りやすくなる恐れがある。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
古紙パルプ(DIP)40質量部、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)20質量部及び広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)40質量部が配合された原料パルプスラリーに、澱粉系の紙力増強剤として、アルファ化した米澱粉(上越スターチ株式会社製の「マイアルファーK」)をパルプ固形分に対する含有量が固形分で0.3質量%となるように添加した。その他の紙力増強剤としてハリマ化成株式会社製の「ハーマイドRB−236Y」をパルプ固形分に対し、固形分で0.15質量%、硫酸バンドをパルプ固形分に対し固形分で1.3質量%、サイズ剤として東邦化学工業株式会社製の「ペローザーE−3600」をパルプ固形分に対し固形分で0.15質量%を配合した後、歩留向上剤としてハイモ株式会社製の「ハイモロックND−270」をパルプ固形分に対し固形分で50ppm添加し、長網ヤンキー抄紙機で抄紙し、実施例1のクラフト紙を得た。
なお、原料パルプのフリーネスは、450ccCSFであった。このフリーネスは、JIS−P8121(1995)「パルプのろ水度試験方法」に記載の方法に準拠してカナダ標準ろ水度試験器で測定した値である。
また、用いたアルファ化した米澱粉は10℃の冷水に分散させて懸濁液を得た後、この懸濁液を原料パルプスラリーに配合した。
(実施例3〜12及び比較例1〜4並びに参考例1〜4)
各パルプ配合比、及び澱粉系の紙力増強剤を表1中に記載の条件とした以外は実施例1と同様にして実施例3〜12及び比較例1〜4並びに参考例1〜4のクラフト紙を得た。

表1中、記号で示す各澱粉系紙力増強剤は以下のものを表す。
A:アルファ化米澱粉(上越スターチ株式会社製の「マイアルファーK」)
a:タピオカ澱粉(アベベジャパン株式会社製の「アミロファックスT2600」)
b:コーンスターチ(日本食品加工株式会社製の「ネオタック#130」)
c:馬鈴薯澱粉(三晶株式会社製の「マーメイドM−350B」)
d:アルファ化されていない米澱粉(上越スターチ株式会社製の「モチールB」)
(評価結果)
評価結果を表1に示す。なお、測定方法は、以下のとおりである。
(1)灰分
JIS−P8251(2003)「紙、板紙及びパルプ−灰分試験法−525℃燃焼法」に記載の方法に準じて測定した。
(2)米坪
JIS−P8124(1998)「紙及び板紙−坪量測定方法」に記載の方法に準じて測定した。
(3)水分率
JIS−P8111(1998)「紙、板紙及びパルプ−調湿及び試験のための標準状態」に記載の方法に準拠し、温度23℃、相対湿度50%r.hにおいて、平衡水分となった試料の水分率を、JIS−P8127(1998)「紙及び板紙−ロットの水分試験方法−乾燥器による方法」に記載の方法に準じて測定した。
(4)引裂強度(縦、横)
JIS−P8116(2000)「紙−引裂強さ試験方法−エルメンドルフ形引裂試験機法」に記載の方法に準じてクラフト紙の縦方向、横方向について測定した。
(5)引張強度(縦、横)
JIS−P8113(2006)「紙及び板紙−引張特性の試験方法−第2部:定速伸張法」に記載の方法に準じてクラフト紙の縦方向、横方向について測定した。
(6)印刷適性
オフセット印刷機(型番:リソピアL−BT3−1100 三菱重工業株式会社製)を使用し、カラーインク(品番:ADVAN 大日本インキ化学工業株式会社製)にてカラー4色印刷を500部行った。この印刷面について、目視にて、印刷物の印刷不良(主に白抜けとインキ着肉ムラ)を観察し、その程度を以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:印刷不良がなく、印刷適性に優れ、実使用可能
○:印刷不良が僅かに発生し、印刷適性が上記◎評価よりも僅かに劣るが、実使用可能
△:印刷不良が多少発生し、印刷適性が上記○評価よりも劣るが、実使用可能
×:印刷不良が発生し、印刷適性に劣り、実使用不可能
(7)製袋適性
室温10℃、相対湿度40%の乾燥状況下、角底製袋機127T型(ニューロング工業(株)社製)を用いて製袋加工を行い、10,000袋実施した結果を、底破れ、背割れについて4段階に評価した(ロス率は、10,000袋中の底破れ、背割れの発生率)。
◎:ロス率1%以下
○:ロス率2〜3%
△:ロス率3〜5%
×:ロス率5%以上
Figure 0005632192
表1に示された結果から、実施例3〜12のクラフト紙は、比較例1〜4のクラフト紙と比べ、強度(引裂強度、引張強度)、印刷適性及び製袋適性に優れており、特に冬場等の乾燥状況においても優れた製袋性を発揮することがわかる。
本発明のクラフト紙は、強度が高く、印刷適性及び製袋性に優れており、このため重包装用紙や、軽包装用紙等に好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. 古紙パルプ及びクラフトパルプを含む原料パルプを主原料とするクラフト紙であって、
    アルファ化した米澱粉を含有し、
    灰分が4.0質量%以下であり、
    上記クラフトパルプが、針葉樹クラフトパルプと広葉樹クラフトパルプとを含み、
    上記原料パルプにおける古紙パルプの含有量が5質量%以上50質量%以下、針葉樹クラフトパルプの含有量が10質量%以上43質量%以下、広葉樹クラフトパルプの含有量が28質量%以上76質量%以下であり、
    上記米澱粉の原料パルプに対する含有量が0.3質量%以上1.0質量%以下であることを特徴とするクラフト紙。
  2. JIS−P8111に準拠した標準状態での水分率が7.0%以上8.5%以下である請求項1に記載のクラフト紙。
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