JP4500056B2 - 段ボール用ライナー及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、段ボール用ライナーに関する。特には、青果物や鮮魚、冷凍、冷蔵品等の輸送用として使用することのできる撥水段ボールの製造に用いることのできる段ボール用ライナーに関する。
段ボールシートは、波状に段繰られた(コルゲート加工された)中芯の両側に、澱粉糊やPVA等の接着剤を用いてライナーを貼合することによって製造されている。両面段ボールシートを製造する場合は、シングルフェーサー部で中芯を段付成形して、裏ライナーと貼り合わせて片面段ボールを形成し、ダブルフェーサー部で中芯の反対側段頂に表ライナーを貼り合わせて、両面段ボールが製造されている。
例えば、野菜を朝採りして段ボールに保管する際に、野菜が朝露でぬれているため、段ボールの強度低下を防止するため、ライナー表面に撥水剤を塗布した撥水ライナーとして用いられている。段ボールは、上述したように、中芯の両側にライナーを塗布して製造されているが、製造の際にコルゲーターによって熱がかかるため、撥水剤がライナーの紙層内部に浸透してしまうため、撥水性能が低下するという問題があった。さらに、時間の経過と共に撥水剤がライナーの紙層の内部に浸透し、撥水性能が低下するという問題があった。
特に、近年ライナーの表層に古紙を多く使用するようになり、古紙に含まれる填料により、撥水剤の浸透が促進され、上記問題が大きくなっている。
かかる問題に対して、ライナーのサイズ度を高めること、すなわち撥水剤を塗布する際の撥水剤の浸透を抑制することによって対応してきた。この方法によれば、ある程度は撥水剤がライナーの紙層内部に浸透することを防止し得るが、熱劣化、経時劣化に対する効果は低く、この方法では限界があった。
また、熱劣化や経時劣化を予め想定して、撥水剤の塗布量を増加させておくことで、対応することもできるが、ライナーが滑りやすくなり、ライナーの巻取りで巻きずれが発生し、使用できなくなるという問題が発生する。また、撥水剤の塗布をコルゲーターで行う場合は、撥水剤の塗布量を多くすると乾燥が不十分となるため貼合速度が遅くなるという問題があり、高い撥水度の段ボールシートを得ることは困難であった。
従って、本発明の目的は、表層に古紙を多く使用しても、撥水度が高く、撥水度が経時的に低下しにくく、熱による劣化の少ない、段ボール用ライナー及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、抄紙機工程内で撥水剤を塗布し、紙面pHを特定の範囲とすることにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、2層以上の多層構造を有し、表層に古紙を含有し、表層の灰分含有量が3質量%以上である段ボール用ライナーであって、抄紙機工程内でライナー表面に撥水剤の塗布が行われており、その紙面pHが3.5〜6.0であることを特徴とする段ボール用ライナーを提供するものである。
上記段ボール用ライナーは撥水度が高く、撥水度が経時的に低下しにくく、熱による劣化の少ないものである。
上記ライナー表面のJIS−P8140で規定される、接触時間120秒におけるコッブ吸水度が50g/m以下であることが好ましい。
上記段ボール用ライナーは硫酸バンドを含有することが好ましい。
上記撥水剤がアニオン性化合物であり、塗布量が0.03〜0.2g/mであることが好ましい。
上記段ボール用ライナーは、JIS−P8137で規定される撥水度がR以上であり、JIS−P8147で規定される滑り角度が13度以上であることが好ましい。
また、本発明は、2層以上の多層構造を有し、表層に古紙を含有し、表層の灰分含有量が3質量%以上である、段ボール用ライナーの表面に撥水剤を塗布する工程を有する、紙面pHが3.5〜6.0である段ボール用ライナーの製造方法であって、抄紙機工程内でライナー表面に撥水剤の塗布を行うことを特徴とする、段ボール用ライナーの製造方法を提供するものである。
上記段ボール用ライナーの製造方法においては、上記撥水剤がアニオン性化合物であり、塗布量を0.03〜0.2g/mとすることが好ましい。
本発明の段ボール用ライナーは、撥水度が高く、撥水度が経時的に低下しにくく、熱による劣化の少ないものである。また、本発明の段ボール用ライナーの製造方法によれば、撥水度が高く、撥水度が経時的に低下しにくく、熱による劣化の少ない段ボール用ライナーを製造することができる。
以下、本発明の段ボール用ライナーについて説明する。
本発明の段ボール用ライナーは、2層以上の多層構造を有するものであり、3層以上の多層構造を有することが好ましい。3層構造を有する場合、段ボール用ライナーは、表層、中層及び裏層からなる。また、本発明の段ボール用ライナーは4層以上の多層構造を有するものであってもよく、5層以上の構造を有するものであってもよい。
本発明の段ボール用ライナーを製造する際に用いられる繊維素材としては、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等が挙げられる。また、木材繊維を含む主原料として、化学的に処理されたパルプ、木材以外の繊維原料であるケナフ、麻、葦等非木材繊維を主原料として化学的に処理されたパルプやチップを機械的にパルプ化したグランドパルプ、木材またはチップに化学薬品を添加しながら機械的にパルプ化したケミグランドパルプ、及びチップを柔らかくなるまで蒸解した後、レファイナー等でパルプ化したセミケミカルパルプ等のバージンパルプ及び、段ボールや新聞紙、チラシ等の古紙のほか、塗工紙、非塗工紙、地券、カラー印刷された紙、白黒印刷された紙など種々の耐漂白性を有する紙を含む雑誌古紙などをも使用することができる。
また、上質植物繊維にポリエチレン、ポリプロピレン等を原料とした、合成パルプ等を混合させたものや、合成パルプの他にもレーヨン繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維等の有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の各種繊維を配合することも可能である。
本発明の段ボール用ライナーは、2層以上の多層構造を有し、好ましくは3層以上の多層構造を有するものであり、少なくとも表層、中層及び裏層からなることが好ましい。また、本発明の段ボール用ライナーは4層以上の多層構造を有するものであってもよく、層の数に限定はなく、例えば上述した3層構造のものだけでなく、表層及び中層の間に表下層を設けてもよい。また、本発明の段ボール用ライナーは、上述した3層構造を有するもの、4層構造を有するものだけでなく、5層以上の構造を有する段ボール用ライナーも含まれる。
本発明の段ボール用ライナーは、その表層に古紙を含有し、表層の灰分含有量が3質量%以上、好ましくは5〜10質量%である。表層に含有される古紙としては、段ボールや新聞紙、チラシ等の古紙のほか、塗工紙、非塗工紙、地券、カラー印刷された紙、白黒印刷された紙など種々の耐漂白性を有する紙を含む雑誌古紙が挙げられる。表層中に含有される古紙の含有量は、灰分含有量が上記範囲となる量でよく、具体的には、30〜100質量%程度である。
本発明の段ボール用ライナーは、紙面pHが3.5〜6.0である。紙面pHが3.5より小さいと、公知のとおり、経時による紙の強度劣化が大きくなり、一方、6.0を超えると撥水効果が低く、撥水度の経時劣化、熱劣化が大きくなる。
なお、原紙表面の紙面pHは、紙及び板紙の表面pH試験方法の塗布法(J.TAPPI紙パルプ試験方法No.6−75)により測定した値である。
また、本明細書における紙面pHは、ライナー表面に撥水剤を塗布した後の紙面pHを意味するが、ライナー表面に撥水剤を塗布する前のライナーの紙面pHも、基本的には撥水剤を塗布した後の紙面pHと差はないものである。
原紙の紙面pHを上記範囲にする方法に特に制限はないが、例えば原紙を製造するために用いられる紙料に硫酸バンドを含有させることにより達成することができる。硫酸バンドは硫酸アルミニウムのことを意味し、硫酸バンドを紙料中に含有させることにより、得られる原紙中には活性アルミニウム(カチオン性)が含有されている。従って、アニオン性化合物からなる撥水剤を用いることが好ましい。アニオン性化合物からなる撥水剤を用いることにより、原紙中に含まれる活性アルミニウムとアニオン性化合物からなる撥水剤とが電気的に結合し、撥水剤が原紙表面に定着するので、高い撥水度を得ることができる。用いられる撥水剤としては、アニオン性化合物であれば、制限なく用いることができる。このような撥水剤としては、例えば、ワックス、合成樹脂、及びこれらの混合物が挙げられる。撥水剤としては市販のものを用いてもよく、例えば、近代化学工業株式会社製 商品名:リパックスA−240が使用可能である。
撥水剤の塗布量は、好ましくは0.03〜0.2g/mであり、更に好ましくは、0.05〜0.1gである。撥水剤の塗布量が0.03g/m未満であると、撥水度が向上しない場合があり、一方、0.2g/mを超えると、滑り角度が低下する問題がある。
本発明の段ボール用ライナーは、その表面が、JIS−P8140で規定される、接触時間120秒おけるコッブ吸水度が50g/m以下あることが好ましく、40g/m以下であることが更に好ましい。原紙表面のJIS−P8140で規定される、接触時間120秒におけるコッブ吸水度が50g/m以下であると、撥水剤を塗布した際に、撥水剤が原紙中に浸透することを防止でき、撥水度を向上させることが可能となる。
本発明の段ボール用ライナーは、抄紙機工程内で撥水剤の塗布を行ったものである。撥水剤の塗布方法については後述する。
本発明の段ボール用ライナーの坪量は、好ましくは100〜300g/m程度であり、更に好ましくは120〜280g/m程度である。
なお、本発明の段ボール用ライナーは、JIS−P8137で規定される撥水度がR以上であることが好ましい。撥水度がR以下であると、例えば、本発明の段ボール用ライナーを用いて製造した段ボールによって青果物等を輸送する場合、青果物等に含まれる水分が段ボールに吸収され、段ボールの強度が低下する場合がある。段ボール用ライナーのJIS−P8137で規定される撥水度をR以上とするには、撥水剤の種類、塗布量を調節し、後述する方法で製造することによって実施することができる。
また、本発明の段ボール用ライナーは、JIS−P8147で規定される滑り角度が13度以上であることが好ましく、15度以上であることが更に好ましい。滑り角度が13度未満であると、段ボール製造工程で段ボールシートが滑って荷崩れを起こしたり、内容物を箱詰めした後の運搬時に荷崩れを起こし、内容物が破損して重大な問題になる場合がある。
次に、本発明の段ボール用ライナーの製造方法について説明する。
本発明の段ボール用ライナーの製造方法は、2層以上の多層構造を有し、表層に古紙を含有し、表層の灰分含有量が3質量%以上である、段ボール用ライナーの表面に撥水剤を塗布する工程を有する、紙面pHが3.5〜6.0である段ボール用ライナーの製造方法であって、抄紙機工程内でライナー表面に撥水剤の塗布を行うことを特徴とする。
本発明の段ボール用ライナーの製造方法は2層以上の多層構造を有し、その紙面pHが3.5〜6.0である段ボール用ライナーを製造するための方法であり、多層構造、紙面pHに関しては上述した通りである。
また、表層に古紙を含有させるが、古紙、及びその他に用いられるパルプ等についても上述した通りである。
本発明の段ボール用ライナーの製造方法においては、抄紙機工程内でライナー表面に撥水剤の塗布を行うことを特徴とする。
本明細書において「抄紙機工程内」とは、原紙を抄紙し、リールに巻き取るまでの工程をいい、通常は乾燥工程内で撥水剤を塗布するか、又は乾燥工程の後に設置された塗工装置により撥水剤を塗布される。塗工装置としては、カレンダー、バーコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、エアーナイフコーター等、公知の装置が使用できる。
なお、原紙を抄紙する際に用いられる抄紙機としては、従来よりライナーを製造するために用いられている抄紙機を使用することができる。このような抄紙機としては、例えば、円網抄紙機ウルトラフォーマー抄紙機、ベルボンドフォーマー抄紙機等が挙げられる。また、抄き合わせた原料を乾燥させる方法としては、例えば、ヤンキードライヤー、多筒ドライヤー、熱風ドライヤー、赤外線ドライヤー等が挙げられる。
本発明の段ボール用ライナーの製造方法において用いられる塗液は、撥水剤を含有してなるものである。撥水剤としては、上述した本発明の段ボール用ライナーの説明において記載したものを用いることができる。
撥水剤を含有する塗液を塗布する際、塗液の粘度を調製するため、及び塗布性を向上させるため、塗液に水溶性樹脂、及び必要に応じて耐水化剤を添加してもよい。上記水溶性樹脂としては、例えば、デンプン、変性デンプン、ポリビニルアルコール、カゼイン、カルボキシメチルセルロース、アクリル樹脂、アクリルアミド、ポリエステル等が挙げられる。また、上記耐水化剤としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド−ホルムアルデヒド樹脂、グリオキザール樹脂、ケトンアルデヒド樹脂、ポリグリシジルエーテル、ジアルデヒドデンプン等が挙げられる。また、分散剤、消泡剤、調滑剤、染料等の各種添加剤も必要に応じて適宜加えることができる。
撥水剤の塗布量は、好ましくは0.03〜0.2g/mであり、更に好ましくは、0.05〜0.1g/mである。撥水剤の塗布量が0.03g/m未満であると、撥水度が向上しない場合があり、一方、0.2g/mを超えると、滑り角度が低下する場合がある。
撥水剤を含有する塗液を原紙表面に塗布した後、スーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を用いて平滑化処理を行ってもよい。
以下に、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、%は、特に断りのない限り質量%を表す。
実施例1
下記の原材料を用いて、下記の製造方法に従って、段ボール用ライナーを得た。なお、原材料の配合量kg/tとは、パルプ1tあたりの固形分換算の配合量である。
<原材料>
・表層
パルプ;NUKP(フリーネス450mlCSF)、段ボール古紙、配合比率90:10
紙力増強剤;ポリアクリルアマイド、5kg/t
サイズ剤;酸性ロジンエマルジョンサイズ1.2kg/t
定着剤;硫酸バンド、15kg/t
・表下層
パルプ;NUKP(フリーネス480mlCSF)段ボール古紙(フリーネス380mlCSF)、配合比率50/50
紙力増強剤;ポリアクリルアマイド、2kg/t
サイズ剤;酸性ロジンエマルジョンサイズ1.2kg/t
定着剤;硫酸バンド、15kg/t
・中層
パルプ;段ボール古紙(フリーネス380mlCSF)、雑誌古紙(フリーネス320mlCSF)、配合比率50/50
紙力増強剤;ポリアクリルアマイド、2kg/t
サイズ剤;酸性ロジンエマルジョンサイズ0.4kg/t
定着剤;硫酸バンド、15kg/t
・裏層
パルプ;段ボール古紙(フリーネス380mlCSF)
紙力増強剤;ポリアクリルアマイド、5kg/t
サイズ剤;酸性ロジンエマルジョンサイズ0.6kg/t
定着剤;硫酸バンド、10kg/t
<製造方法>
抄紙速度;650m/min
各層の坪量を、表層40g/m、表下層40g/m、中層50g/m、裏層50g/mとし、段ボール用ライナーの坪量を180g/mとした。
上記パルプを用いて、4層抄きを行い、抄紙機工程内でカレンダーにて下記組成の塗液を塗布した。塗布量は、15g/mとした(撥水剤の量に換算すると、0.03g/m)。次いで、乾燥を行い、段ボール用ライナーを得た。
塗液の組成
ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製 商品名:クラレポバールPVA−117) 固形分濃度1%、撥水剤(近代化学工業株式会社製 商品名:リパックスA−240)固形分0.2%の水溶液。
得られた段ボール用ライナーについて下記評価方法により評価を行った。結果を表1に示す。
(1)表層の灰分
得られた段ボール用ライナーを蒸留水に浸し、紙の内部まで十分に蒸留水を浸透させた後、表層をはがし、ドラム式シートドライヤーで乾燥させたあと、JIS−P8128により、灰分を測定した。
(2)紙面pH
J.TAPPI紙パルプ試験方法No.6−75で規定される方法により測定した。
(3)コッブ吸水度
コッブ吸水度は、JIS−P8140で規定される方法によって、接触時間120秒におけるコッブ吸水度を測定した。具体的には、段ボール用ライナー原紙の裏面に円状のゴムパッキン等により10cmになるように区切り、そこにライナーの裏面が覆われる程度の水を載せ、120秒保持し、段ボール用ライナーの初期の重量と、120秒経過後の重量とを比較し、1mあたりの吸水度を計算し、吸水性を測定する。
(4)撥水度
撥水度は、JIS−P8137で規定される方法に従って測定した。具体的には、得られた段ボール用ライナーを、幅200mm、長さ300mmに切断して試料とし、45度の傾斜を有する試験片取付面に固定する。ビュレットより蒸留水を1滴滴下し、流下の跡を観察して撥水度を決定した。撥水度は以下の基準に従って決定した。
:連続した跡であって、一様な幅を示した。
:連続した跡であって、水滴よりわずかに狭い幅を示した。
:連続した跡であるが、ところどころ切れていて、明らかに水滴より狭い幅を示した。
:跡の半分がぬれていた。
:跡の1/4以上は長く伸びた水滴によってぬれていた。
:跡の1/4以上は、球形の小滴が散在していた。
:ところどころに球形の小水滴が散らばっていた。
10:完全に水滴が転がり落ちた。
(5)滑り角度
滑り角度は、JIS−P8147で規定される摩擦係数試験方法の傾斜方法により測定した。具体的には、以下のように試験を行った。
本体及びおもりからなり、本体が固定台と、固定台に平行になる蝶番で取り付けた傾斜板を有する測定装置を用いた。おもりは、長方形の平らな底面をもつ金属製のブロックである。本体傾斜板及びおもりに、それぞれ測定面を外側にして試験片を取り付け、一定速度で傾斜板の傾斜角度を上げて行き、おもりが滑り始めたときの傾斜角を読み取る。
(6)撥水度の経時変化
段ボール用ライナーを40℃の熱風乾燥機に24時間入れ、標準状態に戻した後、撥水度を測定し、処理前後の撥水度から次の評価基準で評価した。
◎:撥水度の低下がなかった。
○:撥水度の低下が1であった。
△:撥水度の低下が2であった。
×:撥水度の低下が3以上であった。
(7)熱による劣化
段ボール用ライナーを120℃の熱風乾燥機に5分間入れ、標準状態に戻した後、撥水度を測定し、処理前後の撥水度から次の評価基準で評価した。
◎:撥水度の低下がなかった。
○:撥水度の低下が1であった。
△:撥水度の低下が2であった。
×:撥水度の低下が3以上であった。
実施例2〜7
表層中の段ボール古紙の配合割合を表1に示す通りとし、撥水剤塗布量、撥水剤塗布方法を表1に示す通りとした以外は実施例1と同様に操作を行い、段ボール用ライナーを得た。
得られた段ボール用ライナーについて実施例1と同様に評価を行った。
比較例1〜7
表層中の段ボール古紙の配合割合を表1に示す通りとし、撥水剤塗布量、撥水剤塗布方法を表1に示す通りとした以外は実施例1と同様に操作を行い、段ボール用ライナーを得た。
得られた段ボール用ライナーについて実施例1と同様に評価を行った。
Figure 0004500056
上記表1において、撥水剤塗布方法の欄にコルゲーターと記載してあるものは、抄紙機工程外で行ったものである。
表1から明らかな通り、本発明に係る段ボール用ライナーは、撥水度が高く、撥水度が経過的に低下しにくく、熱による劣化が少ないことがわかる。これに対し、比較例では撥水度、撥水度の経時劣化、撥水度の熱劣化のうち、少なくとも1項目が劣っている。

Claims (4)

  1. 2層以上の多層構造を有し、表層に古紙を含有し、表層の灰分含有量が3質量%以上である段ボール用ライナーであって、
    抄紙機工程内でライナー表面に撥水剤としてアニオン性ワックスの塗布が行われており、
    上記アニオン性ワックスの塗布量が0.03〜0.15g/mであり、
    上記撥水剤を含有する塗液を塗布する際、該塗液に水溶性樹脂が添加されており、
    紙面pHが3.5〜6.0となるよう硫酸バンドを含有させ、
    JIS−P8137で規定される撥水度がR8以上であり、かつ、40℃の熱風乾燥機に24時間入れ、標準状態に戻した後に、撥水度が低下しないか、撥水度の低下が1以下であることを特徴とする段ボール用ライナー。
  2. 上記ライナー表面のJIS−P8140で規定される、接触時間120秒におけるコッブ吸水度が50g/m以下である、請求項1に記載の段ボール用ライナー。
  3. JIS−P8137で規定される滑り角度が13度以上である、請求項1又は2に記載の段ボール用ライナー。
  4. 2層以上の多層構造を有し、表層に古紙を含有し、表層の灰分含有量が3質量%以上である、段ボール用ライナーの表面に撥水剤を塗布する工程を有する、紙面pHが3.5〜6.0であり、JIS−P8137で規定される撥水度がR8以上であり、かつ、40℃の熱風乾燥機に24時間入れ、標準状態に戻した後に、撥水度が低下しないか、撥水度の低下が1以下である段ボール用ライナーの製造方法であって、抄紙機工程内で表層に硫酸バンドを上記紙面pHとなるよう含有させ、ライナー表面に撥水剤としてアニオン性ワックスを0.03〜0.15g/mとなるよう塗布を行い、上記撥水剤を含有する塗液に水溶性樹脂が添加されていることを特徴とする、段ボール用ライナーの製造方法。




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