JP5629544B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、サイド部表面に装飾を設けてなる、空気入りタイヤおよびソリッドタイヤとすることができるタイヤに関するものであり、特には、標章の視認性およびタイヤの外観性を高めることができる技術を提案するものである。
通常、サイドウォール部およびビード部のそれぞれの外表面を含むサイド部表面に、会社名、ブランド名、タイヤサイズ、製造時期その他の情報を、文字、図形、バーコードを含む記号、模様等からなる標章によって表示することが行われており、このようなタイヤサイド部表面の標章は、隆起部、窪み部、リッジ等の凹凸面によって形成するのが一般的であった(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−201384号公報
ところで、標章をタイヤのサイド部表面の凹凸面によって形成したのみでは、標章と該標章に対する背景部分とのコントラストが小さく、標章の視認性が低いという問題があった。また、タイヤの外観としても改良の余地があった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的とするところは、標章の視認性およびタイヤの外観性を向上させることができるタイヤを提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のタイヤは、タイヤのサイド部表面に、対向する一対の側面を有する凸状の装飾部を少なくとも一つ設け、前記一対の側面は、相互に異なる色を有し、前記装飾部は、タイヤ周方向に沿って延びることを特徴とするものである。
このようなタイヤにおいて、装飾部の側面の色は、白色ゴムおよび黒色ゴムをも含む彩色ゴム、印刷、塗料の塗布による塗装または、貼着されたシールによって形成することができ、特には、印刷による着色処理により形成することが製造上および美観上の理由から好ましい。ところで、このような装飾部は、標章の視認性を高める目的の下で、タイヤのサイド部表面の、標章を施す領域の地色(すなわちタイヤのサイド部を構成するゴム色)とは相違する彩色(白、黒をも含む)を付すことが好ましい。
また、この発明のタイヤにあっては、前記装飾部は、断面三角形状をなすことが好ましい。なお、ここでいう「断面三角形状」には、一対の側面の一方と他方が、各上端にて点で接続された形状のみならず、上面を介して接続された形状(例えば台形)も含むものとする。
さらに、この発明のタイヤにあっては、前記装飾部に隣接して、標章を配置してなることが好ましい。ここで「標章」とは、文字、記号、絵柄、図形および模様のうちの一種類からなるもの、あるいはこれらのうちの二種類以上の組み合わせからなるものをいうものとする。
この発明では、装飾部を一対の側面を有する凸状に形成し、一対の側面の色を相互に異ならせたことから、見る角度により異なる色を視認できるようにしてタイヤのサイド部を目立たせることができ、タイヤの外観性を向上させることができる。また、装飾部と標章のコントラスト効果により標章の視認性を向上させることができる。
特に、装飾部の断面形状を三角形とした場合には、装飾部を真上から見た場合(すなわちサイド部表面に対する垂直方向に沿って見た場合)にも装飾部の側面の色を視認することが可能となり、標章の視認性およびタイヤの外観性をより一層高めることができる。
また、装飾部をタイヤ周方向に沿って延在させることで、装飾部に付した異なる色の両方を確実に視認できるようになる。
また、タイヤに付す標章は、装飾部の隣接した位置とすることで、標章と装飾部とのコントラスト効果をより高めて標章の視認性をより一層向上させることができる。
この発明にしたがう一実施形態のタイヤの側面図である。 図1のA−A線に沿う断面を示す断面図である。
以下にこの発明の実施形態を図面に基いて説明する。なお、図中の符号1は、空気入りタイヤのサイドウォール部およびビード部を含むタイヤサイド部を示し、実施形態の空気入りタイヤは、タイヤサイド部1の外表面に設けた、会社名、タイヤサイズ等の表示のための複数の標章2、3、4を有する。
図1に示す実施形態では、タイヤサイド部1の、タイヤ最大幅位置より半径方向外側の外表面に、平滑面となる会社名等を示す標章2、3を印刷により施す一方、タイヤ最大幅位置より半径方向内側の外表面に、凹凸面からなる、例えばタイヤサイズ等の刻印その他からなる標章4を施す。
そして、このタイヤは、タイヤサイド部1の表面に、対向する一対の側面7、8を有する凸状の装飾部9を少なくとも一つ(ここでは一つ)設け、一対の側面7、8に、相互に異なる色を付したことを特徴とするものである。装飾部9の側面7、8の色は、白色ゴムおよび黒色ゴムをも含む彩色ゴム、印刷、塗料の塗布による塗装または、貼着されたシールによって形成することができ、ここでは印刷による着色処理により形成されている。
また、装飾部9は、タイヤ幅方向に沿った断面でみて、図2に示すように、三角形状に形成され、かつ、タイヤ周方向に沿って連続して延びる。また、装飾部9は、標章2、3のタイヤ径方向の下方に隣接して配置されている。
装飾部9の一対の側面7、8の色は、相互に異なるものであればどのような組合せでもよく、例えば、タイヤ径方向外側に位置する側面7を白色、タイヤ径方向内側に位置する側面8を赤色とすることができ、これに限定されない。あるいは、色の組み合わせにより、商品、ブランド、社名を示すコーポレートアイデンティティまたはヴィジュアルアイデンティティを表現してもよい。
このようになるタイヤによれば、見る角度により異なる色の側面7、8を視認できるようにしてタイヤのサイド部1を目立たせることができ、タイヤの外観を向上させることができる。また、装飾部9と標章2、3とのコントラスト効果により、標章2、3の視認性を向上させることができる。
特に、装飾部9の断面形状を三角形としたので、装飾部9を真上から見た場合(すなわちサイド部1の表面に対する垂直方向に沿って見た場合)にも装飾部9の側面7、8の色を視認することが可能となり、標章2、3の視認性およびタイヤの外観性をより一層高めることができる。なお、装飾部9は、その頂部に、両側面7、8につながる湾曲面10(図2参照)を有するものであるが、この湾曲面10にも、一対の側面7、8とは、さらに異なる色を付してもよく、このようにした場合には、タイヤ側面側から見たときの、タイヤの外観性および標章2、3の視認性をより一層高めることができる。
また、このタイヤによれば、装飾部9をタイヤ周方向に沿って延在させたことで、装飾部9に付した、側面7、8の異なる色の両方を確実に視認できる。
さらに、このタイヤによれば、タイヤに付す標章2、3を装飾部9に隣接した位置としたことで、標章2、3と装飾部9とのコントラスト効果をより高めて標章2、3の視認性をより一層向上させることができる。
なお、上述の例では、装飾部9は、タイヤ周方向に連続して延びるものとして説明したが、装飾部9は、タイヤ径方向に沿って複数配置してもよい。また、標章2、3を構成する文字の色は、単色としても、色相、明度および彩度のうちの少なくとも一つを変化させてなるグラデーション色でもよい。例えば、図示は省略するが、標章2、3を構成する各文字の基本色を白色とし、文字の輪郭部分において外側に向かうに連れてインクの量を減らして明度を連続的かつ段階的に暗くし、タイヤの地色(黒色ゴムの色)に近づけるよう印刷、着色することにより、文字の輪郭部分にグラデーションを形成して文字の周囲にボカシを施すことができる。このようにすれば、文字と、タイヤのサイド部表面の、標章2、3を施す領域の下地との境界における印刷ムラ、擦れなどを分かり難くすることができ、外観を良好に保つことができる。
かくしてこの発明によって、標章の視認性およびタイヤの外観性を向上させることができるタイヤを提供することが可能となった。
1 タイヤのサイド部
2、3、4 標章
7、8 側面
9 装飾部
10 湾曲面

Claims (3)

  1. タイヤのサイド部表面に、対向する一対の側面を有する凸状の装飾部を少なくとも一つ設け、前記一対の側面は、相互に異なる色を有し、
    前記装飾部は、タイヤ周方向に沿って延びることを特徴とするタイヤ。
  2. 前記装飾部は、断面三角形状をなす、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記装飾部に隣接して、標章を配置してなる、請求項1または2に記載のタイ
    ヤ。
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