JP5629148B2 - 冷陰極放電管用電極及びそれを用いた冷陰極放電管 - Google Patents
冷陰極放電管用電極及びそれを用いた冷陰極放電管 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5629148B2 JP5629148B2 JP2010156641A JP2010156641A JP5629148B2 JP 5629148 B2 JP5629148 B2 JP 5629148B2 JP 2010156641 A JP2010156641 A JP 2010156641A JP 2010156641 A JP2010156641 A JP 2010156641A JP 5629148 B2 JP5629148 B2 JP 5629148B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cold cathode
- cathode discharge
- discharge tube
- electrode
- tube
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Discharge Lamp (AREA)
Description
冷陰極放電管は内部にHg蒸気とAr,Ne等の不活性ガスとが封入されるとともに細径のガラス管と、該ガラス管内の両端に管軸方向に互いに対向させて取り付けられた1対の冷陰極蛍光管用電極とを備える。ここでガラス管内壁面に蛍光体が塗着されたものは冷陰極蛍光管となり、ガラス管内壁面に蛍光体が塗着されていないものは冷陰極紫外線管となる。
冷陰極放電管では、通常、1対の冷陰極放電管用電極間に高電圧を印加することにより電界が発生し、非加熱状態の陰極(冷陰極)から電子が放出される。次いで、この電子がHg原子に衝突することによりHg原子が励起され、該Hg原子が励起状態から基底状態に遷移するときに紫外線が放出される。冷陰極蛍光管は放出された紫外線が蛍光体に照射することにより該蛍光体から可視光が放出される。
例えば、冷陰極蛍光管では特開2008−204803号として、電極が平均結晶粒子径25μm以下のNiまたはNi合金を主成分とする微細組織を有する冷陰極蛍光管が提案されている(特許文献1参照)。また、冷陰極紫外線管用電極として、Niより形成される電極材料が示されている(例えば、特許文献2参照)
本発明は、かかる不都合を解消して、優れた耐スパッタ性及び加工性を備えた新規で安価な冷陰極放電管用電極及びそれを用いた冷陰極放電管を提供することを目的とする。
しかし、実質的にFeのみからなる冷陰極放電管用電極は、放電特性に課題が残るため、Feを主成分として種々の合金元素の添加を試みた。
その結果、所定の範囲のWを含有するFe基合金からなる冷陰極放電管用電極は、実質的にNiのみからなる前記冷陰極放電管用電極より優れた放電特性と耐スパッタ性との両立が可能であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、質量%で、W:0.1〜9.6%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、前記組成を有する冷間圧延材を冷陰極放電管用電極に成形した冷陰極放電管用電極である。
更に本発明は、上記の冷陰極放電管用電極に、更に質量%で、Mo:0.1〜7.0%を含有する冷陰極放電管用電極である。
まず、Feを基とした理由から述べる。
本発明において、基となる金属をFeとしたのは、冷陰極放電管用電極からのスパッタ粒子と、ガラス管内に封入されたHg原子との反応を抑制し、Hgの消耗を抑制することにより、冷陰極放電管の長寿命化がはかれるためである。
また、Feを基とすることにより、電極としての基本的な電気特性を得ることができ、且つ優れた塑性加工性を得ることができる。そして、従来から用いられているNiと比較して、入手もし易く経済的である。
これらの理由から、本発明ではFeを基とした。
本発明において、Feに0.1〜9.6%のWを含有することにより、放電時の管電圧を低下させて電子放出特性を向上させるだけでなく、Wを添加したFe基合金とHgとの反応をさらに確実に抑制することができる。
また、WはFe基合金の発錆を抑制して耐食性を向上させることができるため、0.1%を下限として必須で添加する。
しかし、Wを過度に添加すると、脆性の金属間化合物(Fe2W)を生成し加工性を劣化させる。
そのため、電子放出特性の改善効果を得つつ、加工性を劣化させない範囲として、Wの上限を9.6%とした。
MoはWと同様に、Feと合金化することによって電子放出特性を改善できる元素である。Moの有する電子放出特性向上効果と、Wの有する電子放出特性向上効果とを比較すると、Wの方が優れているため本発明ではWを必須としているが、更にMoを添加することによりFe基合金の発錆防止させ耐食性をより一層向上させたり、電子放出特性の向上が望める。
しかしながら、7.0%を超える添加は冷陰極放電管用電極用の素材の硬さを高めて加工性が劣化し易くなる。そのため、Moを添加する場合は、その上限を7.0%とする。より加工性を重んじる場合は、WとMoとの合計で10%以下の範囲がよい。
図1に示す本実施形態の冷陰極放電管1は、液晶ディスプレイのバックライト用光源等に用いられる冷陰極蛍光管を示したものであり、例えば直径3mmのガラス管2と、ガラス管2内の両端に取り付けられた1対の冷陰極蛍光管用電極3とを備える。
ガラス管2は、内壁面にそれ自体周知の蛍光体が塗着されていて、内部にHgとAr,Ne等の不活性ガスとが封入されている。ガラス管2の内壁面にそれ自体周知の蛍光体が塗着されていないのもが冷陰極紫外線管となる。
冷陰極放電管用電極3は、一方が開口する有底筒状体であって、開口部の外径が2.1mm、肉厚が0.15mm、長さが7.0mmとなっている。冷陰極放電管用電極3は、薄板状としてもよいが、前記有底筒状体であることにより、該電極3から電子を放出させ易くすることができる。
1対の各冷陰極放電管用電極3は、前記開口部をガラス管2の軸方向に互いに対向させて、ガラス管2内に取り付けられている。冷陰極放電管用電極3の底部には、コバール線からなり、ガラス管2に封着されてガラス管2の外方に突出する封着ピン4が接続されている。封着ピン4の冷陰極放電管用電極3とは反対側の端部には、ジュメット線からなる外部リード線5が接続されている。また、封着ピン4には、ガラス管2との封着用ガラスビーズ(図示せず)が取り付けられている。
なお、表1中に示す「残部」及び「100」には、製造上、不可避的に混入した不純物も含まれる。また、「−」とするのは無添加である。
No.1〜No.3及びNo.21の熱間鍛造材からワイヤカットにて、厚さ1mmの冷間圧延用素材を採取した。冷間圧延用素材表面に形成された酸化膜を機械研磨にて除去し、冷間圧延と焼鈍とを繰返して厚さ0.2mmの冷陰極放電管用電極用素材とした。本発明のNo.1〜No.3及びNo.21については、塑性加工中に割れ等は発生せず、優れた塑性加工性を有するものであった。なお、焼鈍は、水素雰囲気下で900℃の温度で実施した。
冷陰極放電管用電極用素材に、水素雰囲気下で900℃×3分の焼鈍を実施してから、機械的特性と電極特性評価用試験片を切り出して、各種試験を実施した。
また、電極特性評価として、スパッタリング特性及び仕事関数を測定した。
スパッタリング特性の評価は、20mm(w)×20mm(l)×0.2mm(t)の試験片を作製し、スパッタ装置の真空チャンバー内に設置し、5.33×10−1PaのAr雰囲気下、投入電力150Wの条件で8時間連続スパッタを行った。そして、連続スパッタされた前記試験片の重量減を測定することにより、冷陰極放電管用電極用素材におけるスパッタによる消耗量を測定した。なお、スパッタ率(スパッタ率の値が小さい程、スパッタによる消耗が少なく、耐スパッタ性が優れていることを意味する。)の評価は純Ni(No.21)を基準とした。また、スパッタリング後のサンプルを用いて仕事関数の測定も行った。
機械的特性及び電極特性の結果を表2に示す。
次に、本実施例で得られた冷陰極放電管用電極3の性能評価を行うために、内壁面に蛍光体が塗着されていないガラス管の内部に、1対の該電極3を備える冷陰極紫外線管Aを製造した。
次に、内壁面に蛍光体が塗着されていない直径3mm、長さ300mmのガラス管内の両端に、封着ピン4が接続された薄板状の冷陰極放電管用電極3を取り付けた。このとき、1対の冷陰極放電管用電極3は、封着ピン4が接続されていない側の端部が互いに対向するように、軸方向に取り付けられた。
次に、前記ガラス管の内部にHgとArガスとNeガスとを封入した後に、封着ピン4と該ガラス管とを封着した。このとき、封着ピン4を前記ガラス管の外方に突出させることにより、冷陰極紫外線管Aを得た。
次に、不可避的不純物を除き実質的にNiのみからなる電極材料を用いた以外は、本実施例と全く同一にして、参考例としての冷陰極放電管用電極を1対製造し、該電極を備える冷陰極紫外線管Bを製造した。得られた冷陰極紫外線管Bについて、1対の前記電極の間に、5mA,6mA,7mA,8mAの管電流をそれぞれ印加し、それぞれの管電流に対して生じた管電圧を測定した。結果を図2に示す。
Claims (3)
- 質量%で、W:0.1〜9.6%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、前記組成を有する冷間圧延材を冷陰極放電管用電極に成形したことを特徴とする冷陰極放電管用電極。
- 質量%で、Mo:7.0%以下を更に含有することを特徴とする請求項1に記載の冷陰極放電管用電極。
- 請求項1または2に記載の冷陰極放電管用電極を用いたことを特徴とする冷陰極放電管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010156641A JP5629148B2 (ja) | 2009-08-05 | 2010-07-09 | 冷陰極放電管用電極及びそれを用いた冷陰極放電管 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009182518 | 2009-08-05 | ||
JP2009182518 | 2009-08-05 | ||
JP2010156641A JP5629148B2 (ja) | 2009-08-05 | 2010-07-09 | 冷陰極放電管用電極及びそれを用いた冷陰極放電管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011054557A JP2011054557A (ja) | 2011-03-17 |
JP5629148B2 true JP5629148B2 (ja) | 2014-11-19 |
Family
ID=43943325
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010156641A Expired - Fee Related JP5629148B2 (ja) | 2009-08-05 | 2010-07-09 | 冷陰極放電管用電極及びそれを用いた冷陰極放電管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5629148B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6825613B2 (en) * | 2002-09-12 | 2004-11-30 | Colour Star Limited | Mercury gas discharge device |
JP2008060056A (ja) * | 2006-08-04 | 2008-03-13 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 冷陰極蛍光ランプ用電極 |
-
2010
- 2010-07-09 JP JP2010156641A patent/JP5629148B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011054557A (ja) | 2011-03-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI320803B (en) | Electrode material | |
KR20090080990A (ko) | 냉음극 형광 램프용 전극 부재 | |
JP4831481B2 (ja) | 冷陰極放電管電極用合金 | |
CN101633989A (zh) | 电极材料 | |
JP5629148B2 (ja) | 冷陰極放電管用電極及びそれを用いた冷陰極放電管 | |
JP5451688B2 (ja) | 冷陰極蛍光管電極用合金、冷陰極蛍光管用電極及び冷陰極蛍光管 | |
JP2008123722A (ja) | 冷陰極蛍光ランプ用電極材料 | |
JP4934156B2 (ja) | 冷陰極蛍光管用電極及びそれを用いた冷陰極蛍光管 | |
JP4394748B1 (ja) | 冷陰極放電管用電極及び冷陰極放電管 | |
JP4994989B2 (ja) | 冷陰極蛍光放電管用電極合金、その電極合金で形成された冷陰極蛍光放電管用電極及びその電極を備えた冷陰極蛍光放電管 | |
JP4091508B2 (ja) | 冷陰極放電管用電極及び冷陰極放電管用電極組立体 | |
JP2007220669A (ja) | 冷陰極放電管電極用合金、冷陰極放電管用電極、液晶ディスプレイ用バックライト用冷陰極放電管 | |
TWI451469B (zh) | A cold cathode fluorescent tube electrode, and a cold cathode fluorescent tube using the same | |
JP2011181275A (ja) | 冷陰極紫外線管用電極及びこれを用いた冷陰極紫外線管 | |
JP4531125B1 (ja) | 冷陰極放電管用電極及び冷陰極放電管 | |
JP2009215646A (ja) | 冷陰極放電管電極用合金 | |
US20090108731A1 (en) | Electrode for cold-cathode fluorescent lamp | |
JP2009197319A (ja) | 冷陰極放電管電極用合金 | |
JP4612748B2 (ja) | 電極材料 | |
JP2008050690A (ja) | 冷陰極放電管電極用合金 | |
JP2010013694A (ja) | 冷陰極放電管電極用合金 | |
KR20100032336A (ko) | 냉음극 형광관용 전극 및 그것을 이용한 냉음극 형광관 | |
JP4168983B2 (ja) | 冷陰極放電管用電極材料 | |
JP2008204837A (ja) | 冷陰極蛍光ランプ用電極 | |
JP2009161852A (ja) | 冷陰極放電管電極用合金 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130624 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140123 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140410 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140512 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140919 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141003 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5629148 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |