JP2010013694A - 冷陰極放電管電極用合金 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加熱工程での電極の酸化及び使用時の寿命低下の問題を解決し、良好な放電特性が得られる電極用合金を提供する。
【解決手段】 質量%で希土類元素を0.01〜0.3%、CrとCoの何れかまたは両方で0.01〜6.0%を含み、残部はNi及び不可避的不純物でなる冷陰極放電管電極用合金である。
本発明において、CrまたはCoを単独で含有する場合の好ましい範囲は、質量%で0.05〜4.0%を含む冷陰極放電管電極用合金であり、CrとCoの両方を含有する場合は、CrとCoの総量が質量%で0.05〜4.0%を含む冷陰極放電管電極用合金である。
【選択図】 なし
【解決手段】 質量%で希土類元素を0.01〜0.3%、CrとCoの何れかまたは両方で0.01〜6.0%を含み、残部はNi及び不可避的不純物でなる冷陰極放電管電極用合金である。
本発明において、CrまたはCoを単独で含有する場合の好ましい範囲は、質量%で0.05〜4.0%を含む冷陰極放電管電極用合金であり、CrとCoの両方を含有する場合は、CrとCoの総量が質量%で0.05〜4.0%を含む冷陰極放電管電極用合金である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、例えば液晶表示装置のバックライト用光源として使用される冷陰極放電管の電極用合金に関するものである。
テレビやパソコンに用いられる液晶表示装置(LCD)には、照明用のバックライトが組み込まれており、このバックライトの光源には、冷陰極放電管が使用されている。
冷陰極放電管は、例えば、希ガス及び水銀蒸気が充填されたガラス管の内部に、一対の電極が対向して配置され、かつガラス管の内壁に蛍光膜を被覆した構造を有している。一対の電極にはリードの一端が接続され、リードの他端はガラス管の両端から外部に導出される。リードを介して一対の電極間に電圧を印加すると、一方の電極から電子が放出され、ガラス管内の水銀原子に電子が衝突して紫外線を発生する。この紫外線は、ガラス管の内壁に被覆した蛍光膜によって可視光線に変換され、照明としての役割を果たす。
上記の冷陰極放電管の電極(以下、電極と記す。)には、薄板形状の素材を深絞り加工等の冷間での塑性加工によってカップ形状に成形した部品を用いる場合が多いことから、例えば特許第3671976号公報(特許文献1)や特許第3610853号公報(特許文献2)等に記されるように、従来、軟らかくて塑性加工性に優れたNiやNi合金の薄板を使用する提案がなされている。
特許第3671976号公報
特許第3610853号公報
冷陰極放電管は、例えば、希ガス及び水銀蒸気が充填されたガラス管の内部に、一対の電極が対向して配置され、かつガラス管の内壁に蛍光膜を被覆した構造を有している。一対の電極にはリードの一端が接続され、リードの他端はガラス管の両端から外部に導出される。リードを介して一対の電極間に電圧を印加すると、一方の電極から電子が放出され、ガラス管内の水銀原子に電子が衝突して紫外線を発生する。この紫外線は、ガラス管の内壁に被覆した蛍光膜によって可視光線に変換され、照明としての役割を果たす。
上記の冷陰極放電管の電極(以下、電極と記す。)には、薄板形状の素材を深絞り加工等の冷間での塑性加工によってカップ形状に成形した部品を用いる場合が多いことから、例えば特許第3671976号公報(特許文献1)や特許第3610853号公報(特許文献2)等に記されるように、従来、軟らかくて塑性加工性に優れたNiやNi合金の薄板を使用する提案がなされている。
電極用の素材としては、純Niを用いるのが殆どである。しかしながら、本発明者らの検討によると、純Niで構成される電極は、長時間使用するうちにスパッタによって消耗し、寿命に到るという問題がある。また、純Niは耐酸化性が必ずしも十分ではないため、冷陰極放電管製造時のガラス封止等の加熱工程において、純Niで構成される電極の表面が酸化されて放電特性が低下する恐れがある。
本発明の目的は、加熱工程での電極の酸化及び使用時の寿命低下の問題を解決し、良好な放電特性が得られる電極用合金を提供することである。
本発明の目的は、加熱工程での電極の酸化及び使用時の寿命低下の問題を解決し、良好な放電特性が得られる電極用合金を提供することである。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものである。
即ち本発明は、質量%で希土類元素を0.01〜0.3%、CrとCoの何れかまたは両方で0.01〜6.0%を含み、残部はNi及び不可避的不純物でなる冷陰極放電管電極用合金である。
本発明において、Crを単独で含有する場合の好ましい範囲は、質量%で0.05〜4.0%を含む冷陰極放電管電極用合金である。
また本発明において、Coを単独で含有する場合の好ましい範囲は、質量%で0.05〜4.0%を含む冷陰極放電管電極用合金である。
更に本発明において、CrとCoの両方を含有する場合は、CrとCoの総量が質量%で0.05〜4.0%を含む冷陰極放電管電極用合金である。
即ち本発明は、質量%で希土類元素を0.01〜0.3%、CrとCoの何れかまたは両方で0.01〜6.0%を含み、残部はNi及び不可避的不純物でなる冷陰極放電管電極用合金である。
本発明において、Crを単独で含有する場合の好ましい範囲は、質量%で0.05〜4.0%を含む冷陰極放電管電極用合金である。
また本発明において、Coを単独で含有する場合の好ましい範囲は、質量%で0.05〜4.0%を含む冷陰極放電管電極用合金である。
更に本発明において、CrとCoの両方を含有する場合は、CrとCoの総量が質量%で0.05〜4.0%を含む冷陰極放電管電極用合金である。
本発明の電極用合金は、Ni合金の耐酸化性を改善することによって放電特性の劣化を抑制する効果を有するものである。また、Ni合金の耐スパッタ性を改善することによって寿命を向上させる効果を有するものである。
本発明の重要な特徴は、Niが有する優れた塑性加工性を維持しつつ、放電特性を向上させる効果を有する希土類元素を合金元素として含み、かつ耐酸化性を向上させるだけでなく、ランプの長寿命化に起因する耐スパッタ性向上に効果のあるCrと、耐酸化性を向上させるだけでなく、表面酸化による過度の着色を防止して放電特性の劣化を抑制する効果があるCoとを単独または複合添加した新規な化学組成にある。
以下に本発明の電極用合金における化学成分の規定理由を述べる。なお、特に記載のない限り質量%として記す。
以下に本発明の電極用合金における化学成分の規定理由を述べる。なお、特に記載のない限り質量%として記す。
希土類元素:0.01〜0.3%
希土類元素は、合金内部、表面でNiと化合物を生成したり、酸化物を生成したりして表面の放電の起点として作用することで放電特性を改善し、かつごく少量の添加で耐酸化性改善により放電特性の向上に寄与する元素であり、1種または2種以上添加する。
ここで希土類元素(REM)とは、Y及びLa、Ce、Nd、Pr、Sm等のランタノイド元素のことを言う。希土類元素の中では、素材製造時の熱間加工性を劣化させにくいYが最も適している。
希土類元素が0.01%より少ないと放電特性、耐酸化性の向上効果が小さく、一方0.3%を超えて添加すると冷間加工性が低下するため、希土類元素は、1種または2種以上を合計で0.01〜0.3%とした。なお、希土類元素の好ましい上限は、0.2%以下である。
希土類元素は、合金内部、表面でNiと化合物を生成したり、酸化物を生成したりして表面の放電の起点として作用することで放電特性を改善し、かつごく少量の添加で耐酸化性改善により放電特性の向上に寄与する元素であり、1種または2種以上添加する。
ここで希土類元素(REM)とは、Y及びLa、Ce、Nd、Pr、Sm等のランタノイド元素のことを言う。希土類元素の中では、素材製造時の熱間加工性を劣化させにくいYが最も適している。
希土類元素が0.01%より少ないと放電特性、耐酸化性の向上効果が小さく、一方0.3%を超えて添加すると冷間加工性が低下するため、希土類元素は、1種または2種以上を合計で0.01〜0.3%とした。なお、希土類元素の好ましい上限は、0.2%以下である。
次に、必須添加するCrとCoについて説明する。
本発明において、CrとCoは共に耐酸化性を向上させる元素である。これに加えて、Crはランプの長寿命化に起因する耐スパッタ性向上に効果があり、Coは表面酸化による過度の着色を防止して放電特性の劣化を抑制する効果がある。そのため、CoとCrが有する共通の効果や単独の効果を考慮し、Cr若しくはCoの何れかを単独で添加させても良いし、複合で添加しても差し支えない。
以下にCrとCoの限定理由を説明する。
本発明において、CrとCoは共に耐酸化性を向上させる元素である。これに加えて、Crはランプの長寿命化に起因する耐スパッタ性向上に効果があり、Coは表面酸化による過度の着色を防止して放電特性の劣化を抑制する効果がある。そのため、CoとCrが有する共通の効果や単独の効果を考慮し、Cr若しくはCoの何れかを単独で添加させても良いし、複合で添加しても差し支えない。
以下にCrとCoの限定理由を説明する。
Cr:0.01〜6.0%
Crは、Niと合金化することによって耐酸化性および耐スパッタ性を向上させる本発明の重要な元素である。
本発明において、Crを6.0%以下としたのは、Crが6.0%を超えて含有すると、電気抵抗が高くなりすぎるためである。電極は、電気抵抗が高いと放電時に発熱してしまい寿命に起因するスパッタ率が急激に上昇してしまう。このことで、ランプとしての寿命が著しく低下する。そのため、Crの上限を6.0%とした。
なお、電気抵抗の上昇を抑制しつつ、優れた耐スパッタ性を得るための望ましい上限は4.0%であり、より望ましくは2.0%、更に望ましくは1.0%である。
また、Cr含有量が少なくなりすぎると、純Niの耐スパッタ性と同等程度になる。Crを添加した時の耐スパッタ性向上の効果を確実に得るための下限を0.01%とする。好ましい下限は0.05%であり、更に好ましくは0.1%であり、0.5%以上であれば耐スパッタ性の向上が顕著となり、特に好ましい。
Crは、Niと合金化することによって耐酸化性および耐スパッタ性を向上させる本発明の重要な元素である。
本発明において、Crを6.0%以下としたのは、Crが6.0%を超えて含有すると、電気抵抗が高くなりすぎるためである。電極は、電気抵抗が高いと放電時に発熱してしまい寿命に起因するスパッタ率が急激に上昇してしまう。このことで、ランプとしての寿命が著しく低下する。そのため、Crの上限を6.0%とした。
なお、電気抵抗の上昇を抑制しつつ、優れた耐スパッタ性を得るための望ましい上限は4.0%であり、より望ましくは2.0%、更に望ましくは1.0%である。
また、Cr含有量が少なくなりすぎると、純Niの耐スパッタ性と同等程度になる。Crを添加した時の耐スパッタ性向上の効果を確実に得るための下限を0.01%とする。好ましい下限は0.05%であり、更に好ましくは0.1%であり、0.5%以上であれば耐スパッタ性の向上が顕著となり、特に好ましい。
Co:0.01〜6.0%
CoもCrと同様に、Niと合金化することによって耐酸化性を向上させ、表面酸化による過度の着色を防止して放電特性の劣化を抑制する本発明の重要な元素である。
本発明において、Coを6.0%以下としたのは、Coを6.0%を超えて含有すると電気抵抗が高くなりすぎるためである。電極は、電気抵抗が高いと放電時に発熱してしまい寿命に起因するスパッタ率が急激に上昇してしまう。このことで、ランプとしての寿命が著しく低下する。そのため、Coの上限を6.0%とした。
なお、電気抵抗の上昇を抑制しつつ、優れた耐酸化性を得るための望ましい上限は4.0%であり、より望ましくは2.0%、更に望ましくは1.0%である。
また、Co含有量が少なくなりすぎると、純Niの耐酸化性と同等程度になるだけでなく、表面酸化による過度の着色を防止して放電特性の劣化を抑制する効果が得難くなる。そのため、Coを添加した時の耐酸化性向上の効果と、過度の着色を防止する効果を確実に得るための下限を0.01とする。好ましい下限は0.05%であり、更に好ましくは0.1%であり、0.5%以上であれば耐酸化性の向上と、着色防止の効果が顕著となり、特に好ましい。
CoもCrと同様に、Niと合金化することによって耐酸化性を向上させ、表面酸化による過度の着色を防止して放電特性の劣化を抑制する本発明の重要な元素である。
本発明において、Coを6.0%以下としたのは、Coを6.0%を超えて含有すると電気抵抗が高くなりすぎるためである。電極は、電気抵抗が高いと放電時に発熱してしまい寿命に起因するスパッタ率が急激に上昇してしまう。このことで、ランプとしての寿命が著しく低下する。そのため、Coの上限を6.0%とした。
なお、電気抵抗の上昇を抑制しつつ、優れた耐酸化性を得るための望ましい上限は4.0%であり、より望ましくは2.0%、更に望ましくは1.0%である。
また、Co含有量が少なくなりすぎると、純Niの耐酸化性と同等程度になるだけでなく、表面酸化による過度の着色を防止して放電特性の劣化を抑制する効果が得難くなる。そのため、Coを添加した時の耐酸化性向上の効果と、過度の着色を防止する効果を確実に得るための下限を0.01とする。好ましい下限は0.05%であり、更に好ましくは0.1%であり、0.5%以上であれば耐酸化性の向上と、着色防止の効果が顕著となり、特に好ましい。
本発明の電極用合金において、上記した元素以外はNi及び不可避的不純物である。
Niは電極としての基本的な電気特性を得て、且つ優れた加工性を確保するために必要な必須元素である。
本発明においては、残部をNi及び不可避的不純物とすることで、優れた耐スパッタ性と優れた放電特性効果を両立することができる。
なお、不純物含有量はできるだけ少ないことが望まれるが、電極用合金の耐スパッタ性と塑性加工性に悪影響を与えない範囲として、それぞれ、以下に示す範囲であれば、含有しても差し支えない。
C≦0.10%、Si≦0.50%、Mn≦0.50%、P≦0.05%、S≦0.05%
Niは電極としての基本的な電気特性を得て、且つ優れた加工性を確保するために必要な必須元素である。
本発明においては、残部をNi及び不可避的不純物とすることで、優れた耐スパッタ性と優れた放電特性効果を両立することができる。
なお、不純物含有量はできるだけ少ないことが望まれるが、電極用合金の耐スパッタ性と塑性加工性に悪影響を与えない範囲として、それぞれ、以下に示す範囲であれば、含有しても差し支えない。
C≦0.10%、Si≦0.50%、Mn≦0.50%、P≦0.05%、S≦0.05%
真空溶解炉により、表1に示す組成のNi基合金の10kgインゴットを溶解した。
表1のNo.1〜No.4は本発明の電極用合金である。一方、No.5は比較例の純Niである。
表1のNo.1〜No.4は本発明の電極用合金である。一方、No.5は比較例の純Niである。
各合金を1100℃に加熱して熱間鍛造を行い、厚さ20mmの板材を得た。更に、この熱間鍛造材からワイヤーカットにより厚さ1mmの板材を得た。ワイヤーカット中に生じた酸化スケールを#500研磨により除去した。
これらの板材に冷間圧延と800℃での焼鈍を繰り返し、厚さ0.2mmの薄板材を得た。最終工程では圧下率80%の冷間圧延後、800℃に保持した水素雰囲気炉内で30分間の焼鈍を行った後、冷却した。この時の硬さを測定した。結果を表2に示す。
硬さは低い方が冷間加工性に優れ、120HV以下であれば冷陰極管製造時の冷間加工が容易であることから、本発明合金は優れた加工性を具備していることが分かる。
これらの板材に冷間圧延と800℃での焼鈍を繰り返し、厚さ0.2mmの薄板材を得た。最終工程では圧下率80%の冷間圧延後、800℃に保持した水素雰囲気炉内で30分間の焼鈍を行った後、冷却した。この時の硬さを測定した。結果を表2に示す。
硬さは低い方が冷間加工性に優れ、120HV以下であれば冷陰極管製造時の冷間加工が容易であることから、本発明合金は優れた加工性を具備していることが分かる。
次に、作製した薄板材に対して耐スパッタ性評価を行った。
厚さ0.2mmのNo.1〜No.5の薄板材より、耐スパッタ性評価用の試料として縦20mm×横20mm×厚さ0.2mmの耐スパッタ性評価用試験片を作製した。これらの耐スパッタ性評価用試験片をスパッタ装置の真空チャンバー内に設置し、Ar圧力5.33×10−1Pa、投入電力150Wの条件で8時間、連続スパッタした後、チャンバー内から耐スパッタ性評価用試験片を取り出し、スパッタによる薄板材の消耗量(重量変化)を測定した。
No.1〜No.5のスパッタ率(スパッタ率の値が小さい程、スパッタによる消耗が少なく、耐スパッタ性が優れていることを意味する。)の結果を表3に示す。
厚さ0.2mmのNo.1〜No.5の薄板材より、耐スパッタ性評価用の試料として縦20mm×横20mm×厚さ0.2mmの耐スパッタ性評価用試験片を作製した。これらの耐スパッタ性評価用試験片をスパッタ装置の真空チャンバー内に設置し、Ar圧力5.33×10−1Pa、投入電力150Wの条件で8時間、連続スパッタした後、チャンバー内から耐スパッタ性評価用試験片を取り出し、スパッタによる薄板材の消耗量(重量変化)を測定した。
No.1〜No.5のスパッタ率(スパッタ率の値が小さい程、スパッタによる消耗が少なく、耐スパッタ性が優れていることを意味する。)の結果を表3に示す。
従来から使用されている純Ni(No.5)の消耗量を基準(100%)とした時、本発明の合金No.1〜No.4のスパッタ率はそれぞれ105%、104%、99%、96%であった。この結果より、Crの添加量に比例して耐スパッタ性向上に効果があることが確認できる。
以上の実施例から、Crを添加すると優れた耐スパッタ性を確保できることが分かり、冷陰極放電管の電極用合金として適していることが示された。
以上の実施例から、Crを添加すると優れた耐スパッタ性を確保できることが分かり、冷陰極放電管の電極用合金として適していることが示された。
本発明の合金No.1〜No.4と、従来から使用されている純Ni(No.5)について、電子が電極から放出される際の仕事関数(値が小さい程、電子放出が起こり易いことを意味する。)を、大気中光電子分光法を用いて測定した。No.1〜No.5の仕事関数測定結果を表4に示す。
従来から使用されている純Ni(No.5)の仕事関数より、本発明の合金No.1〜No.4は低い仕事関数であり、電子放出特性に優れていることが確認できた。
以上の結果から、本発明の電極用合金で成る電極は、これまで主に使用されてきた純Ni製の電極と比較して、電子放出特性の観点からも実用に供し得ることが確認された。
本発明の冷陰極放電管の電極用合金は希土類元素とCrもしくはCoの合金成分を熱伝導率、冷間加工性を低下させない少量の範囲で適正量を添加するように調整したため、良好な耐酸化性、放電特性を有するという効果を奏することが期待できる。
以上の結果から、本発明の電極用合金で成る電極は、これまで主に使用されてきた純Ni製の電極と比較して、電子放出特性の観点からも実用に供し得ることが確認された。
本発明の冷陰極放電管の電極用合金は希土類元素とCrもしくはCoの合金成分を熱伝導率、冷間加工性を低下させない少量の範囲で適正量を添加するように調整したため、良好な耐酸化性、放電特性を有するという効果を奏することが期待できる。
本発明の電極用合金は、表面酸化による放電特性劣化の抑制もしくは耐スパッタ性に優れているため、数年以上の長期間に渡って使用される冷陰極放電管の電極用合金として適用できる。例えば、液晶表示装置のバックライト用光源として使用される冷陰極放電管の電極用合金に好適である。
Claims (4)
- 質量%で希土類元素を0.01〜0.3%、CrとCoの何れかまたは両方で0.01〜6.0%を含み、残部はNi及び不可避的不純物でなることを特徴とする冷陰極放電管電極用合金。
- 請求項1に記載の冷陰極放電管電極用合金は、Crを単独で質量%で0.05〜4.0%を含むことを特徴とする冷陰極放電管電極用合金。
- 請求項1に記載の冷陰極放電管電極用合金は、Coを単独で質量%で0.05〜4.0%を含むことを特徴とする冷陰極放電管電極用合金。
- 請求項1に記載の冷陰極放電管電極用合金は、CrとCoの両方を含み、且つCrとCoの総量が質量%で0.05〜4.0%を含むことを特徴とする冷陰極放電管電極用合金。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008174315A JP2010013694A (ja) | 2008-07-03 | 2008-07-03 | 冷陰極放電管電極用合金 |
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