JP2009215646A - 冷陰極放電管電極用合金 - Google Patents

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祐治 川内
Shinji Yamamoto
晋司 山本
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【課題】 従来から使用される純Niと比較して、寿命を向上させ、更に耐スパッタ性を飛躍的に向上することが可能な冷陰極放電管電極用合金を提供する。
【解決手段】 質量%でAlを0.3〜8.0%含有し、残部はFe及び不純物でなる冷陰極放電管電極用合金である。また本発明は、前記組成に加えて、電子放出特性改善元素として、質量%で、WとMoの何れかまたは両方で20.0%以下を更に含む冷陰極放電管電極用合金であり、前記の電子放出特性改善元素は、13.0質量%以下のWを含むことが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば液晶表示装置のバックライト用光源として使用される冷陰極放電管の電極用合金に関するものである。
テレビやパソコンに用いられる液晶表示装置(LCD)には、照明用のバックライトが組み込まれており、このバックライトの光源には、冷陰極放電管が使用されている。
冷陰極放電管は、例えば、希ガス及び水銀蒸気が充填されたガラス管の内部に、一対の電極が対向して配置され、かつガラス管の内壁に蛍光膜を被覆した構造を有している。一対の電極にはリードの一端が接続され、リードの他端はガラス管の両端から外部に導出される。リードを介して一対の電極間に電圧を印加すると、一方の電極から電子が放出され、ガラス管内の水銀原子に電子が衝突して紫外線を発生する。この紫外線は、ガラス管の内壁に被覆した蛍光膜によって可視光線に変換され、照明としての役割を果たす。
上記の冷陰極放電管の電極(以下、電極と記す。)には、実質的にMoのみからなる冷陰極蛍光管用電極が一部に使用されている。実質的にMoのみからなる前記冷陰極蛍光管用電極は、管電圧が低くエネルギー効率が良好であるので放電特性に優れている。
また、別の冷陰極蛍光管用電極材料として、薄板形状の素材を深絞り加工等の冷間での塑性加工によってカップ形状に成形した部品を用いる場合が多いことから、軟らかくて塑性加工性に優れ、Moよりも安価な純Niの薄板が使用されており、現在のところ、純Niの冷陰極蛍光管用電極が主流となっている。
純Niの薄板で構成される電極は、長時間の使用により、電極がスパッタによって消耗して寿命に到る。この電極の寿命は、電極を構成する材料の耐スパッタ性(スパッタによる消耗のし難さ)に依存することから、電極の耐スパッタ性を改善し、電極の寿命を向上することが可能な電極用合金の提案がなされている。
例えば、本発明者による特開2007−31832号公報(特許文献1)には、質量%でNb:1.0%以上〜6.0%未満、Mo:3.0〜15.0%、残部は実質的にNi及び不可避的不純物からなるNi−Nb−Mo合金を電極として用いる提案を行っている。この提案は、純Niと比較してスパッタによる消耗が起こり難いNb及びMoをNiと合金化させたNi−Nb−Mo合金とすることにより、電極の耐スパッタ性を向上させ、更に放電特性も向上させるようとするものである。
特開2007−31832号公報
上記のNi−Nb−Mo合金の耐スパッタ性は、純Niと比較して、約20%程度向上させることができるものである。しかしながら、耐スパッタ性の改善が不十分であるため、残念ながら実用化には至っていない。
本発明の目的は、従来から使用される純Niと比較して、寿命を向上させ、更に耐スパッタ性を飛躍的に向上することが可能な冷陰極放電管電極用合金を提供することである。
本発明者は、耐スパッタ性を飛躍的に向上させることが可能な元素と共に、寿命(輝度)を向上させる元素とその適正な含有量について鋭意検討した。その結果、ベースとなる金属がNiの場合、例えば、液晶表示装置のバックライト用光源として使用される冷陰極放電管に用いられる水銀との反応により、化合物を生成して、寿命を劣化させることから、主成分となる元素は、冷陰極放電管に用いられる水銀との反応を防止することができるFeをベースとし、更に耐スパッタ性を向上させるAlの添加が有効であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、質量%でAlを0.3〜8.0%含有し、残部はFe及び不純物でなる冷陰極放電管電極用合金である。
また本発明は、上記組成に加えて、電子放出特性改善元素として、質量%で、WとMoの何れかまたは両方で20.0%以下を更に含む冷陰極放電管電極用合金である。
上記の電子放出特性改善元素は、13.0質量%以下のWを含む冷陰極放電管電極用合金である。
本発明の冷陰極放電管電極用合金は、耐スパッタ性を大幅に向上させ、輝度の低下を抑制することが可能なため、冷陰極放電管の寿命が向上するという効果を奏するものである。
本発明の重要な特徴は電極の特性を維持しつつ、耐スパッタ性を飛躍的に向上できる合金組成にある。以下に本発明の電極用合金における化学成分の規定理由を述べる。なお、特に記載のない限り質量%として記す。
Al:0.3〜8.0%
Alは、Feと合金化することによって耐スパッタ性を向上させる本発明の重要な元素であり、必須で含有する。
本発明において、Alを8.0%以下としたのは、Alが8.0%を超えて含有すると、脆性の金属間化合物(FeAl等)の生成が著しくなり、熱間加工時や冷間加工時に割れが発生しやすく、塑性加工性を劣化させるためである。電極は、薄板形状の素材を深絞り加工等の冷間での塑性加工によってカップ形状等に成形するため、脆性の金属間化合物が過度に析出すると加工が困難となる。そのため、Alの上限を8.0%とした。
なお、金属間化合物の形成を抑制し、加工性を維持しつつ、優れた耐スパッタ性を得るための望ましい上限は7.0%であり、より望ましくは6%、更に望ましくは5.5%である。
また、Al含有量が少なくなりすぎると、耐スパッタ性向上の効果が期待できなくなる。そのため、Alによる耐スパッタ性向上の効果を確実に得るための下限を0.3%とする。好ましい下限は1.0%であり、更に好ましくは1.5%、更に好ましくは2.0%であり、2.5%以上であれば耐スパッタ性の向上が顕著となり、特に好ましい。
本発明では、更にWとMoの何れかまたは両方で20.0%以下を含有することができる。
WとMoは、Feと合金化することによって電子放出特性を改善できる元素であるが、0.1%未満であると、電子放出特性を改善する効果が得難くなる。また、20.0%を超える添加は脆性の金属間化合物(FeWやFeMo等)を生成し加工性を劣化させる。そのため、電子放出特性の改善効果を得つつ、加工性を劣化させない範囲として、WとMoの何れかまたは両方で20.0%以下の範囲とした。好ましい下限は0.1%である。
なお、本発明においては、上記のWまたはMoの何れかまたは両方を利用することも可能である。その場合のMoとWの総量の好ましい含有量は、0.5〜10.0%であり、好ましい上限は5.5%である。また、電子放出特性の改善効果を確実に得るための下限は0.5%であり、更に好ましくは1.0%、更に好ましくは2.0%であり、3.0%以上であれば電子放出特性の改善が顕著となり、特に好ましい。
また、本発明において、Moの有する電子放出特性向上効果とWの有する電子放出特性向上効果とを比較すると、Wの方が優れているため、WまたはMoの何れか一方を添加する場合は、Wを選択すると良い。
Wを利用する場合は、13.0%以下の範囲がよい。Wを13.0%を超えて含有すると、脆性の金属間化合物(FeW等)の生成が著しくなり、塑性加工性が劣化するためである。電極は、薄板形状の素材を深絞り加工等の冷間での塑性加工によってカップ形状にするため、脆性の金属間化合物が過度に析出すると加工が困難となる。よって、Wの上限を13.0%とする。
なお、金属間化合物の形成を抑制しつつ、優れた電子放出特性を得るための望ましい上限は10.0%であり、好ましくは8%以下、更に好ましくは5.5%以下の範囲である。
また、W含有量が少なくなりすぎると、純Feの電子放出特性と同等程度になる。Wを添加したときの電子放出特性の改善効果を確実に得るための好ましい下限は0.5%であり、更に好ましくは0.7%を下限とすると良い。0.7%以上であれば電子放出特性の改善が顕著となり、特に好ましい。
残部はFe及び不純物
本発明の電極用合金において、Feは電極としての基本的な電気特性を得て、且つ優れた加工性を確保するために必要な必須元素である。またFeは、例えば、液晶表示装置のバックライト用光源として使用される冷陰極放電管に用いられる水銀との反応を防止し、寿命(輝度)を長く維持する効果がある。そのため、本発明においては、従来から用いられるNiではなく、Feをベースとした。
本発明においては、上記のAlと、必要に応じてWまたはMoの何れかまたは両方を添加すること以外は実質的にFeである。残部をFe及び不可避的不純物とすることで、十分に優れた耐スパッタ性と優れた放電特性効果を両立することができる。
なお、不純物含有量はできるだけ少ないことが望まれるが、電極用合金の耐スパッタ性と塑性加工性に悪影響を与えない範囲として、それぞれ、以下に示す範囲であれば、含有しても差し支えない。
C≦0.10%、Mn≦1.0%、Si≦1.0%、P≦0.05%、S≦0.05%
真空溶解炉にて溶解、調製し、鋳造後約10kgのインゴットを得た。このインゴットからブロックを切り出した。
また、比較例としては実質Ni及び不可避的不純物からなる純Niと、実質Mo及び不可避的不純物からなる純Moを準備した。
このうち、純Moについては、不可避的不純物を除き実質的にMoからなる素材を粉末HIP法で製造した。
化学組成を表1に示す。
Figure 2009215646
前記のブロックを1100℃で熱間鍛造を行い、厚さ20mmの板材を得た。次に、前記厚さ20mmの板材をワイヤーカットすることにより、厚さが約1mmの板材を得た後、板材を研磨して酸化スケールを除去し、厚さを1mmに整えた。
次に、酸化スケールを除去した板材に対し、常温での冷間圧延と、水素雰囲気下800℃の温度での焼鈍とをこの順で繰り返し行うことにより、厚さ0.2mmの薄板材を得た。更に、前記0.2mmの薄板材を、水素雰囲気下800℃での焼鈍を10分間行った後に、常温に冷却することにより、冷陰極蛍光管用電極に用いられる電極材料を得た。
次に、前記電極材料から、縦20mm、横20mm、厚さ0.2mmの薄板状のスパッタ率及び仕事関数測定用試験片を切り出した。純Moについては、前記のHIP法で製造したブロックから縦20mm、横20mm、厚さ0.2mmの薄板状のスパッタ率及び仕事関数測定用試験片を切り出した。
評価用サンプルをArガスによるスパッタリング処理を行い、スパッタリング処理前後の質量変化からスパッタ率を求めた。スパッタ率は純Ni(No.7)を基準とした。また、スパッタリング後のサンプルを用いて仕事関数の測定も行った。
スパッタ率及び仕事関数の結果を表2に示す。
Figure 2009215646
表2の結果から、本発明合金は純Niと比較してスパッタ率が小さくなっていることがわかる。中でも、電子放出特性改善元素としてWを含有するNo.3〜6においてはスパッタ率は特に向上しており、No.8(純Mo)よりも低くなっており、電極として使用する場合の長寿命化に効果がある事がわかる。
また、Al単独添加の本発明No.2合金と、電子放出特性改善元素を添加した他の本発明合金とを比較すると、電子放出特性改善元素を含有する本発明合金の方がスパッタ率が改善されているのがわかる。
以上の結果から、本発明合金はスパッタ率の改善、電極の長寿命化に効果があると言える。
また、表2の結果から、本発明合金と、比較例(純Ni及び純Mo)とでは仕事関数には大きな差は認められなかった。むしろ、本発明合金No.6のようにW、Alの添加量が増えると仕事関数は若干大きくなる傾向も認められるため、電子放出特性改善元素とAlの添加量の上限は何れも5.5質量%程度が良いことがわかった。
本発明の電極用合金では、上記の構成により、耐スパッタ性に優れた従来のNiをベースとしたNi基合金より優れた耐スパッタ性を確保することができ、輝度を維持することが可能なため、長寿命とすることができる。また、更に脆性の金属間化合物が析出しない範囲でAlを含有することで電極への塑性加工が容易となるため、冷陰極放電管の電極用合金として好適である。
本発明の電極用合金は、耐スパッタ性に優れ、輝度を維持することが可能なため、数年以上の長期間に渡って使用される冷陰極放電管の電極用合金として適用できる。例えば、液晶表示装置のバックライト用光源として使用される冷陰極放電管の電極用合金に好適である。

Claims (3)

  1. Alを質量%で0.3〜8.0%含有し、残部はFe及び不純物でなることを特徴とする冷陰極放電管電極用合金。
  2. 電子放出特性改善元素として、質量%で、WとMoの何れかまたは両方で20.0%以下を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の冷陰極放電管電極用合金。
  3. 電子放出特性改善元素は、質量%で、13.0%以下のWであることを特徴とする請求項2に記載の冷陰極放電管電極用合金。
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