JP2008123722A - 冷陰極蛍光ランプ用電極材料 - Google Patents

冷陰極蛍光ランプ用電極材料 Download PDF

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Abstract

【課題】冷陰極蛍光ランプの電極に適した電極材料、この電極材料を用いた冷陰極蛍光ランプ用電極の製造方法、及び高輝度で長寿命な冷陰極蛍光ランプを提供する。
【解決手段】冷陰極蛍光ランプ1は、内壁面に蛍光体層11を有し、内部に希ガス及び水銀が封入されるガラス管10と、このガラス管10内の両端部に配置される一対の電極12とを具える。電極12は、Ca,Sc,Ga,Ge,Ag,Rh,及びTaからなる第1のグループから選ばれた少なくとも1種の元素を合計で0.001質量%以上3.0質量%以下含有し、残部がNi及び不純物からNi合金で構成する。ニッケル単体ではなく、上記添加元素を含有したNi合金からなる電極は、放電性、耐酸化性、耐スパッタリング性、水銀との耐反応性を向上させることができ、蛍光ランプの高輝度化、長寿命化に寄与することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷陰極蛍光ランプの電極に適した電極材料、この電極材料により冷陰極蛍光ランプ用電極を製造する製造方法、及び冷陰極蛍光ランプに関するものである。特に、高輝度で長寿命な冷陰極蛍光ランプに適した電極材料に関するものである。
従来、複写機やイメージスキャナなどの原稿照射用光源、パソコンの液晶モニタや液晶テレビなどの液晶表示装置(液晶ディスプレイ)のバックライト用光源といった種々の光源に冷陰極蛍光ランプが利用されている。冷陰極蛍光ランプは、内壁面に蛍光体層を有する円筒状のガラス管と、ガラス管の両端に配置される一対の電極とを具える構成が代表的である(例えば、特許文献1〜3参照)。ガラス管内には、希ガス及び水銀が封入される。電極は、端面にリード線が接合され、リード線を介して電圧が印加される。この蛍光ランプは、両電極間に高電圧を印加することで、ガラス管内の電子を電極に衝突させて電極を放電させ、この放電と管内の水銀とを利用して紫外線を放射させ、この紫外線を利用して蛍光体を発光させることで発光する。
上記電極を形成する材料(電極材料)は、ニッケル(Ni)が代表的である(特許文献1明細書0003参照)。その他の電極材料として、特許文献1には、Ti,Zr,Hf,Nb又はTa、特許文献2には、Mo,Nb,Ta、特許文献3には、ニッケルにTi,Zr,Hfを含有したニッケル合金が記載されている。
特開2004-71276号公報 特開2004-207056号公報 特開2006-228615号公報
近年、液晶ディスプレイなどに用いられるバックライトユニットは、薄型、軽量、高輝度、長寿命が重要視されている。そのため、バックライト用光源に利用される冷陰極蛍光ランプも、より一層の小型化、高輝度化、長寿命化が強く望まれている。また、イメージスキャナも高速化、長寿命化などが重要視されており、光源となる冷陰極蛍光ランプも高輝度化、長寿命化が強く望まれている。
ニッケルからなる電極を具える従来の冷陰極蛍光ランプは、点灯中、放電により生じた水銀イオンが電極に衝突することで、電極を構成する物質がガラス管内に飛散して管内壁に堆積していくスパッタリングという現象が起こる。スパッタリングが起こると、電極が消耗される。特に、電極の一部分のみが集中的に消耗してその部分に孔があくと、電極が十分に放電できなくなり、蛍光ランプが寿命となる。また、スパッタリング層(蒸発した電極物質からなる層)と水銀とがアマルガムを形成する。そのため、長時間点灯していると、水銀がスパッタリング層にほとんど取り込まれることで、紫外線の放射が十分に行われず、ランプの輝度が極端に低下して、蛍光ランプが寿命となる。このようにニッケルからなる電極を具える従来の冷陰極蛍光ランプでは、上記スパッタリングにより寿命が短くなり易い。
また、蛍光ランプの輝度を高くするために、ランプ電流を大きくすると、電極負荷が増大することで、スパッタリングが起こり易くなる、即ち、スパッタリング速度が速くなる。その結果、上述した電極の消耗やアマルガムの形成を速めて、蛍光ランプの寿命の低下を招く。電極を大型化すれば、スパッタリングによる不具合を低減できる。しかし、この場合、1.薄型化、小型化の要求に逆行する、2.非発光部が大きくなるといった問題がある。
特許文献1,2に記載されるように電極材料にニッケル以外の材料を用いたり、ニッケルからなる本体にニッケル以外の材料からなる層を設けることで、スパッタリングを抑制することが考えられる。しかし、Mo,Nb,Taなどといった材料は、電極に加工しにくかったり、電極に加工できても、この材料からなる電極は、端面にリード線(インナーリード線)を接合しにくい、等の問題がある。更に、Mo,Nb,Taなどの材料は比較的高価であり、この材料からなる電極を蛍光ランプに用いると、かなりのコストアップになる。一方、特許文献3には、Ti,Zr,Hfを含有したニッケル合金が耐スパッタリング性に優れることが開示されている。しかし、このようなニッケル合金からなる電極でも、リード線を溶接する際の加熱により電極を構成する金属の結晶粒が粗大化して、耐スパッタリング性が低下することがある。そのため、結晶粒の粗大化を防止することが望まれる。また、この電極を用いた蛍光ランプは、輝度の向上が十分とは言えない。
その他、電極に電子放出を促す物質、例えば、ランタン化合物、セシウム化合物、イットリウム化合物、バリウム化合物などを塗布することが提案されている。しかし、これら電子放出物質は、ランプ点灯中、放電により生じたイオンの衝突を受けて飛散してしまうため、より一層の蛍光ランプの長寿命化が難しい。
そこで、本発明の主目的は、冷陰極蛍光ランプの長寿命化、高輝度化に寄与することができる電極材料を提供することにある。また、本発明の他の目的は、この電極材料から有底筒状の電極を得るのに適した冷陰極蛍光ランプ用電極の製造方法を提供することにある。更に、本発明の他の目的は、長寿命で高輝度な冷陰極蛍光ランプを提供することにある。
高輝度で長寿命な冷陰極蛍光ランプを得るべく、本発明者らは、ランプの構成部材において、特に電極に注目して鋭意検討を進めた。そして、高輝度で長寿命な冷陰極蛍光ランプを実現するために電極に必要な特性は、1.放電し易い、2.電極表面が酸化し難い、3.水銀とアマルガムを形成し難い、4.スパッタリング速度が遅いことであるとの知見を得た。
電極が放電し難いと、電極から放出される電子が少なくなるため、紫外線が十分に放出されず、蛍光ランプの輝度を高くし難くなる。これに対して、放電し易い電極は、輝度を高くし易いことから、放電し難い電極と同じ輝度で蛍光ランプに使用する場合、ランプの寿命をより長くできる。また、放電し易い電極は、より低い電力で電子の放出を行えるため、消費電力を低減できる。従って、放電し易い材料からなる電極は、冷陰極蛍光ランプの高輝度化、長寿命化に寄与することができる。
電極表面に酸化被膜があると、電極の放電性が阻害される。即ち、電極が放電し難くなる。ここで、電極を製造する際や得られた電極を用いて蛍光ランプを製造する際(電極とリード線との接合時など)に電極材料や電極が加熱されることがある。電極材料が酸素ガスを吸着し易い場合、この加熱により、電極表面に酸化被膜が形成され易くなる。これに対して、酸素ガスを吸着し難い電極材料からなる電極は、その表面に酸化被膜が形成されにくく、放電性の低下を低減できるため、冷陰極蛍光ランプの高輝度化、長寿命化に寄与することができる。
電極材料が水銀とアマルガムを形成し易いと、この電極材料からなる電極は、スパッタリングの際、水銀を消費し易く、結果として蛍光ランプの寿命を短くする。これに対して、アマルガムを形成し難い電極材料からなる電極は、水銀の消費を遅くできるため、冷陰極蛍光ランプの高輝度化、長寿命化に寄与することができる。
電極がスパッタリングを起こし易い、即ち、スパッタリング速度が速いと、電極の消費を早め、結果として蛍光ランプの寿命を短くする。これに対して、スパッタリングを起こし難い電極は、ガラス管内にスパッタリング層を形成しにくいことから輝度の低下を低減できる。従って、スパッタリングを起こし難い、即ち、スパッタリング速度が遅い材料からなる電極は、スパッタリングを生じ易い電極と比較して、長時間に亘って高輝度な状態とすることができ、冷陰極蛍光ランプの高輝度化、長寿命化に寄与することができる。
上記の特性に加えて、本発明者らは、低コストのためにMoやNbなどといった高価な材料を単体で用いない電極材料(成分)について検討した。その結果、比較的安価なNiを用いたNi合金が電極材料に好ましいとの知見を得た。そこで、本発明電極材料は、特定の添加元素を含有するNi合金により構成する。
本発明電極材料は、冷陰極蛍光ランプの電極に用いられる材料であり、Ca,Sc,Ga,Ge,Ag,Rh,及びTaからなる第1のグループから選ばれた少なくとも1種の元素を合計で0.001質量%以上3.0質量%以下含有し、残部がNi及び不純物からなることを特徴とする。このような特定の添加元素を特定の範囲で含有するNi合金で作製された電極は、放電し易く、スパッタリング速度が遅い。また、この電極は、酸化被膜が形成されにくく、アマルガムを形成し難い。従って、上記本発明電極材料からなる電極を用いることで、高輝度で長寿命な冷陰極蛍光ランプが得られる。
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明電極材料は、Ni合金からなるものとする。添加元素は、Ca,Sc,Ga,Ge,Ag,Rh,及びTaからなる第1のグループから選ばれた元素(以下、この元素を元素Iと呼ぶ)とし、1種の元素でも、2種以上の複数の元素でもよい。元素Iの含有量は、0.001質量%以上3.0質量%以下とする。複数種の元素を元素Iとする場合、合計含有量が上記範囲を満たすようにする。元素Iの含有量が0.001質量%未満では、添加元素の含有による高輝度化、長寿命化といった特性改善効果が得られにくい。この特性改善効果は、元素Iの含有量の増加に伴って向上する傾向にあるが、3.0質量%で飽和すると考えられる。元素Iのより好ましい元素は、Ca,Geであり、元素Iのより好ましい含有量は、0.01質量%以上1.5質量%以下である。
更に、添加元素は、上記第1のグループから選択された元素Iに加えて、Mg,Si,Al,Y,Ti,Sr,Ba,及び希土類元素(但し、Sc,Yを除く)からなる第2のグループから選ばれた元素(以下、この元素を元素IIと呼ぶ)を含むことができる。元素IIは、1種の元素でも、2種以上の複数の元素でもよい。Sc,Yを除く希土類元素は、例えば、ミッシュメタル(MM)が挙げられる。元素IIの含有量は、0.001質量%以上2.0質量%以下とし、複数種の元素を元素IIとする場合、合計含有量が上記範囲を満たすようにする。
このように本発明電極材料は、元素Iを0.001〜3.0質量%、元素IIを0.001〜2.0質量%含有し、残部がNi及び不純物からなるものとすることができる。元素I及び元素IIを添加元素とするNi合金から電極を形成することで、元素Iのみを添加元素とする場合と比較して、放電性、耐酸化性、耐スパッタリング性をより高められる。元素IIの含有量が0.001質量%未満では、上記放電性、耐酸化性、耐スパッタリング性の向上効果が得られにくく、2.0質量%を超えると、その効果は飽和すると考えられる。元素IIのより好ましい元素は、Mg,Y,Tiであり、元素IIのより好ましい含有量は、0.01質量%以上1.0質量%以下である。また、Al,Siは、寿命への効果が大きいと考えられる。
添加元素を元素I及び元素IIとする場合、合計含有量が5.0質量%を超すと、添加元素の増加によるコスト上昇を招く。また、添加元素の増加は、電極材料自体を製造する際やこの電極材料から電極を製造する際に、被加工材(電極材料を作製するための素材や電極材料)の塑性加工性を低下させる。本発明電極材料は、後述するように溶解鋳造以降に圧延加工や伸線加工といった塑性加工を鋳造材に施して作製する。また、本発明電極材料からなる電極は、プレス加工や後述する鍛造加工といった塑性加工を電極材料に施して作製する。従って、被加工材の塑性加工性を低下させないために、添加元素の含有量の上限は、5.0質量%とする。
Yを添加元素とする場合、Ca,Ti,Si及びMgの少なくとも一つを上記の範囲で添加することが好ましい。Yと共にCa,Ti,Si,Mgを添加することで、酸化し易いYの酸化を防止したり(脱酸効果)、Ni中にYを均一的に含有させ易くなったり、Yの添加による塑性加工性の劣化を抑制するといった効果が期待できる。Ca,Ti,Si,Mgの合計含有量は、Yの含有量を100%とするとき、Yの含有量の0.5〜80%が好ましい。
本発明電極材料を構成するNi合金の主成分となるNiは、例えば、純Ni(99.0質量%以上のNi及び不純物)を用いる。そして、Ni合金は、この純Niに上記元素I、元素IIを適宜添加させることで得られる。市販の純Niを利用してもよい。但し、市販の純Ni(99質量%以上がNi)には、不純物としてCやSを含有したものがある。本発明者らが調べたところ、C及びSを合計で0.10質量%超含んだ電極は、輝度及び寿命の低下を招くとの知見を得た。また、Cの含有量が多い電極材料は、強度が上がる反面、塑性加工性が低下し、Sの含有量が多い電極材料は、脆化して塑性加工性が低下するとの知見を得た。従って、本発明電極材料は、CとSの含有量が合計で0.10質量%以下であることが好ましい。一方、CやSの含有量が0.001質量%未満となると、電極材料の強度が不足したり、電極材料を構成するNi合金の結晶粒が粗大化してプレス加工性や鍛造加工性に悪影響を与える恐れがある。従って、本発明電極材料は、CとSの合計含有量が0.001質量%以上であるが好ましい。C,Sの合計含有量を0.001質量%以上0.10質量%以下にするには、CやSの含有量が少ないNiを利用したり、精錬により低減することが挙げられる。C,Sの合計含有量が0.001〜0.10質量%の電極材料から形成した電極は、C,Sの含有量が電極材料と概ね等しくなる。C,Sのより好ましい含有量は、0.001質量%以上0.02質量%以下である。
上記添加元素を含有するNi合金からなる本発明電極材料は、仕事関数が小さく、4.7eV未満である。ここで、仕事関数とは、固体表面から一つの電子を真空中に取り出すのに必要とする最小のエネルギーである。仕事関数が小さいほど、電子を取り出し易い、つまり、放電し易い材料と言える。従って、本発明電極材料からなる電極は、放電性に優れ、高輝度化を実現する。また、本発明電極材料からなる電極を従来の電極と同じ輝度で利用する場合、寿命をより長くできることに加え、より小電流で高い輝度が得られるため、消費電力の低減をも図ることができる。仕事関数は、添加元素の種類や含有量を適宜調整することで変化させることができる。上記添加元素の含有量が多くなると、仕事関数は、小さくなり易い。また、仕事関数が小さいほど、輝度は高くなる傾向にある。より好ましい仕事関数は、4.3eV以下、更に好ましい仕事関数は、4.0eV以下である。本発明電極材料は、特定の添加元素を含有することで、このように仕事関数を低下させて、輝度の更なる向上を図ることできる。仕事関数は、例えば、紫外線光電子分光分析法により測定することができる。
上記添加元素を含有するNi合金からなる本発明電極材料は、エッチングレートが小さく、22nm/min未満である。ここで、スパッタリングが生じると、電極において水銀イオンの衝突により原子が放出された部分は、窪みが生じて表面が荒れる。スパッタリングを起こし易い電極ほど、時間当たりの窪みの深さが大きくなる。この時間当たりの窪みの平均深さをエッチングレートと呼び、スパッタリング速度と実質的に同義である。エッチングレートが小さいほど、スパッタリングを起こし難い材料と言える。従って、本発明電極材料からなる電極は、耐スパッタリング性に優れ、スパッタリングされにくいことから長時間の使用でもランプの輝度の低下が少なく、蛍光ランプの長寿命化を実現する。また、本発明電極材料からなる電極を従来の電極と同じ寿命となるようにランプに利用する場合、本発明電極材料からなる電極は、スパッタリングされにくいことから、長期に亘り輝度が高い状態を維持でき、蛍光ランプの高輝度化を実現する。更に、スパッタリングされにくいことから、本発明電極材料からなる電極は、大電流により輝度を高めた場合にスパッタリング層が形成されにくく、蛍光ランプの輝度の低下や寿命の低下を低減できる。エッチングレートは、添加元素の種類や含有量を適宜調整することで変化させることができる。上記添加元素の含有量が多くなると、エッチングレートは、小さくなり易い。また、エッチングレートが小さいほど、蛍光ランプの寿命が長くなる傾向にある。エッチングレートは、20nm/min以下がより好ましく、18nm/min以下が更に好ましく、16nm/min以下が特に好ましい。エッチングレートは、以下のようにして測定する。電極材料を真空装置内に配置して、不活性元素のイオン照射を所定時間行い、照射後の電極材料の表面粗さを測定し、表面粗さを照射時間で割った値(表面粗さ/照射時間)をエッチングレートとする。
本発明電極材料は、板状材又は線状材(ワイヤ)とすることができる。板状材は、例えば、溶解→鋳造→熱間圧延→冷間圧延及び熱処理により得られる。線状材は、例えば、溶解→鋳造→熱間圧延→冷間伸線及び熱処理により得られる。より具体的には、主成分となるNiと、上述した添加元素とを用意し、これらを真空溶解炉や大気溶解炉などで溶解して、Ni合金の溶湯を得る。この溶湯を適宜調整し(例えば、真空溶解炉による溶解の場合、温度調整を行ったり、大気溶解炉による溶解の場合、精錬などにより不純物や介在物を除去又は低減したり、温度調整を行ったりし)、真空鋳造といった鋳造により鋳塊を得る。本発明電極材料を板状材とする場合、この鋳塊に熱間圧延を施し、圧延板材を得る。この圧延板材に冷間圧延と熱処理とを繰り返し行い、板状の本発明電極材料を得る。一方、本発明電極材料を線状材とする場合、上記鋳塊に熱間圧延を施し、圧延線材を得る。この圧延線材に冷間伸線と熱処理とを繰り返し行い、線状の本発明電極材料を得る。本発明電極材料が板状材、線状材のいずれであっても、最終熱処理(軟化処理)は、水素雰囲気下、又は窒素雰囲気下で700〜1000℃、特に、800〜900℃程度で行うことが好ましい。
上述のようにして得られた本発明電極材料に含まれる水素の含有量は、質量割合で0.1ppm以上20ppm以下であることが好ましい。電極材料の水素含有量が質量割合で20ppm超であると、この電極材料からなる電極は、インナーリード線との接合部分が脆化し易く、接合強度の低下を起こしたり、この電極が不純物ガスを生じる発生源となり、ランプ内で不純物ガスが発生してランプの寿命低下につながる。一方、水素含有量が質量割合で0.1ppm未満の場合、この電極材料からなる電極にコバールなどからなるインナーリード線を溶接する際、電極が酸化変色し易くなる。より好ましい水素含有量は、質量割合で1ppm以上10ppm以下である。電極材料の水素含有量を質量割合で0.1ppm以上20ppm以下とするには、例えば、上記電極材料の製造にあたり上記最終熱処理の雰囲気を調整することが挙げられる。例えば、最終熱処理の雰囲気を水素雰囲気とするとき、水素含有量を調整したり、窒素雰囲気などの水素以外の雰囲気とすることが挙げられる。窒素雰囲気にて最終熱処理を行った電極材料やこの電極材料からなる電極は、水素含有量が質量割合で10ppm以下にできる。
また、本発明者らが調べたところ、電極材料を構成する合金の結晶粒が微細である場合、この電極材料からなる電極を用いた蛍光ランプの長寿命化、高輝度化に効果があるとの知見を得た。具体的には、電極材料を構成する合金の平均結晶粒径は、70μm以下が好ましく、より好ましくは、50μm以下、更に好ましくは20μm以下である。電極材料を構成する合金の平均結晶粒径は、添加元素の種類や含有量を調整したり、電極材料の製造時における最終熱処理条件により調整することができる。例えば、最終熱処理において、加熱温度(熱処理温度)を比較的高い温度とし、加熱時間を短くすれば、粒成長の促進を抑制できる。具体的には、熱処理温度を700〜1000℃、特に800℃程度とし、板状材の場合、移動速度を50℃/sec以上、線状材の場合、線速を50℃/sec以上とすることが挙げられる。移動速度や線速を大きくすると、平均結晶粒径は小さくなる傾向にある。平均結晶粒径70μm以下の電極材料を用いて電極を製造する際、プレス加工や鍛造加工、インナーリード線の接合などにより、電極を構成するNi合金の結晶粒径が若干変化する。しかし、電極の結晶粒径は、上記電極材料の結晶粒径に基本的に依存し、概ね平均結晶粒径が70μm以下となる。本発明電極材料は、このように結晶粒を微細化させて、耐スパッタリング性の向上を図ることができる。
本発明電極材料を板状材とする場合、この板状材を所定形状にプレス加工することでカップ状の電極を簡単に製造できる。プレス加工によりカップ状の電極を作製すると、板状材に廃棄部分が生じるため、歩留まりを低下させ、その分コスト高を招くことが考えられる。しかし、従来の電極製造装置(プレス装置)を使用でき、設備コストの低減により、電極製造コストの低減を図ることができる。
一方、本発明電極材料を線状材(ワイヤ)とする場合、棒状体の電極や、カップ状の電極が簡単に得られる。棒状の電極は、所定長にワイヤを切断することで製造できる。カップ状の電極は、ワイヤを切断して所定長の短尺材とし、この短尺材に鍛造加工を施して有底筒状に成形することで製造できる。本発明電極材料は、Ni合金で構成することで、蛍光ランプの高輝度化、長寿命化に寄与できることに加えて、上述のように添加元素による塑性加工性の低下が抑制されており、鍛造加工といった比較的強加工の塑性加工を十分施せる。このように線状の本発明電極材料は、棒状の電極、カップ状の電極のいずれを製造する場合であっても廃棄部分がほとんど生じないことから歩留まりがよく、電極製造コストの低減を図ることができる。また、上記線状の本発明電極材料に鍛造加工を施してカップ状の電極を作製する場合、電極の底部の厚さを側面部分の厚さよりも厚くすることが容易である。電極の底部を厚くすることで、電極底面とコバールなどからなるインナーリード線とを十分に接合できるため、接合強度を高められる。このような電極を使用することで、高品質の蛍光ランプの提供を可能にする。一般的には、電極底部の厚さが側面部分の厚さの4倍程度であると、十分な接合強度が期待できる。板状材にプレス加工を施してカップ状の電極を作製する場合、底部のみを厚くすることに限界があり、せいぜい側面部分の厚さの2倍が限度である。これに対して、線状体(短尺材)に鍛造加工を施してカップ状の電極を作製する場合、電極底部のみを側面部分の厚さの2倍以上に厚くすることが容易である。従って、線状の電極材料は、電極の製造に際して歩留まりの向上及び低コスト化に加えて、ランプの品質の向上をも図ることができる。
上記特定の添加元素を含有した特定組成のNi合金からなる本発明電極材料は、冷陰極蛍光ランプの電極に好適に利用することができる。この蛍光ランプは、高輝度かつ長寿命を実現する。この蛍光ランプは、内壁面に蛍光体層を有するガラス管と、この管内に配置させる電極とを具える構成とする。特に、電極は、一端が開口し、他端が有底であるカップ状とすると、ホローカソード効果による耐スパッタリング性の向上を図ることができる。このカップ状の電極は、上述のように本発明電極材料にプレス加工や鍛造加工を施すことで簡単に得られる。ガラス管は、内部に希ガス及び水銀が封入されることが多い。ガラス管に希ガスのみを封入した水銀フリーの蛍光ランプとすることもできる。また、ガラス管は、I字状のものが代表的であり、その他、L字状やT字状などがある。I字状のガラス管の場合、上記カップ状の電極を一対用意し、両電極の開口部が対向するように両電極をガラス管の両端に固定した蛍光ランプや、ガラス管の片端にのみ電極を固定させた蛍光ランプとすることができる。L字状のガラス管の場合、直線部の二つの端部や、これら端部に加えて角部の合計三箇所、T字状のガラス管の場合、三つの端部に電極を配置する。
上記特定の組成を有するNi合金からなる本発明電極材料や、この電極材料からなる電極は、耐酸化性に優れており、電極製造時や、インナーリード線との接合時などで、酸化被膜が形成されにくい。具体的には、電極の表面に形成される酸化被膜の厚さを1μm以下とすることができる。従って、この電極は、放電性の劣化が少なく、ランプの高輝度化、長寿命化を図ることができる。酸化被膜のより好ましい厚さは、0.3μm以下である。添加元素をCa,Ge,AgとするNi合金からなる電極は、特に酸化被膜が形成され難く、その厚さを0.3μm以下とすることができる。酸化被膜の形成され易さは、電極を構成する合金の組成に依存する。例えば、Alが特に多い場合、酸化被膜が形成されやすくなる。特定組成のNi合金にて電極を構成することで、酸化被膜を1μm以下とすることができる。また、電極材料の製造時において熱処理を酸素以外の雰囲気下で行うことで、電極材料に酸化被膜が形成されることを防止できる。
特定組成のNi合金から構成される本発明電極材料は、冷陰極蛍光ランプの電極に要求される放電性、耐酸化性、水銀に対する耐反応性、耐スパッタリング性を十分に具える。そのため、本発明電極材料から製造された電極を具える本発明冷陰極蛍光ランプは、電極を大型化することなく、より一層の高輝度化及び長寿命化を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
表1に示す組成(金属No.1〜13)のNi合金を用いて、冷陰極蛍光ランプ用電極を作製した。具体的には、Ni合金からなる線状の電極材料及び板状の電極材料を用意し、線状の電極材料には、鍛造加工を施すことでカップ状の電極を作製し、板状の電極材料には、プレス加工を施すことでカップ状の電極を作製した。また、比較として、表1に示す添加元素を含有していないニッケル(金属No.20)からなる電極を同様に作製した。
Figure 2008123722
<線状の電極材料>
線状の電極材料は、以下のように作製した。通常の真空溶解炉を用いて表1に示す組成を有する金属の溶湯を作製し、溶湯温度を適宜調整して真空鋳造により、鋳塊を得た。得られた鋳塊を熱間圧延により線径5.5mmφまで加工し、圧延線材を得た。この圧延線材に冷間伸線及び熱処理を組み合わせて施し、得られた線材に最終熱処理(軟化処理)を施して、線径1.6mmφの軟材を得た。軟化処理は、温度を800℃、線速を10〜150℃/secの範囲で適宜選択し、窒素雰囲気又は水素雰囲気で行った(表2,3に示す試料のうち、水素含有量が10ppm以下の試料が窒素雰囲気)。また、主成分としたNiは、市販の純Ni(99.0質量%以上Ni)を用い、精錬具合を変化することで、C及びSの合計含有量を変化させた(この点は、後述する板状の電極材料も同様である)。
<板状の電極材料>
板状の電極材料は、以下のように作製した。上記線状の電極材料と同様の手法で、表1に示す成分組成の金属の溶湯から鋳塊を作製した。得られた鋳塊に熱間圧延を施し、厚さ4.2mmの圧延板材を得た。この圧延板材に熱処理を施した後、表面を切削し、厚さ4.0mmの処理板材を得た。この処理板材に冷間圧延及び熱処理を繰り返し行い、得られた板材に最終熱処理(軟化処理)を施して、厚さ0.2mmの板状の軟材を得た。軟化処理は、温度を800℃、移動速度を10〜150℃/secの範囲で適宜選択し、窒素雰囲気又は水素雰囲気で行った。
得られた線状の軟材及び板状の軟材について、水素含有量(質量割合ppm)、軟材を構成する金属の平均結晶粒径(μm)、仕事関数(eV)、エッチングレート(nm/min)を測定した。その結果を表2,3に示す(表2:線状の電極材料を用いた試料、表3:板状の電極材料を用いた試料)。
水素含有量は、不活性ガス中融解−熱伝導度法により測定した(測定装置:堀場製作所製 EMGA-620)。
金属の平均結晶粒径は、JIS H 0501(1986)に示す求積法に準じて測定した。
仕事関数は、紫外線光電子分光分析法により測定した。具体的には、前処理として、Arイオンエッチングを数分間実施した後、複合電子分光分析装置(PHI製 ESCA-5800 付属 UV-150HI)を用い、紫外線源:He I (21.22eV)/8W,測定時の真空度:3×10-9〜6×10-9torr(0.4×10-9〜0.8×10-9kPa),測定前のベース真空度:4×10-10torr(5.3×10-11kPa),印加バイアス:約-10V,エネルギー分解能:0.13eV,分析エリア:φ800μm 楕円形,分析深さ:約1nmとして測定した。
エッチングレートは、鏡面研磨した軟材に真空装置内でアルゴンイオンを照射した後、表面粗さを測定し、照射時間と表面粗さとから求めた。前処理として、軟材に部分的にマスキングを行ってからイオン照射を行った。
イオン照射は、X線光電子分光分析装置(PHI製 Quantum-2000)を用い、加速電圧:4kV,イオン種:Ar,照射時間:120min,真空度:2×10-8〜4×10-8torr(2.7×10-9〜5.3×10-9kPa),アルゴン圧:約15mPa,入射角度:試料面に対して約45度として行った。
表面粗さの測定は、触針式表面形状測定器(Vecco社製 Dektak-3030)を用い、触針:ダイヤモンド 半径=5μm,針圧:20mg,走査距離:2mm,走査速度:Mediumとして行った。軟材においてイオン照射により表面に窪みができた箇所(マスキングされていない箇所)について窪みの平均深さを表面粗さとし、表面粗さ/照射時間(120min)をエッチングレートとした。
次に、得られた線状の軟材を所定長(1.0mm)に切断し、得られた短尺材に冷間鍛造加工を施して、カップ状の電極を作製した。その結果、いずれの組成を有する軟材もカップ状の電極(外径1.6mmφ、長さ3.0mm、開口部の内径1.4mmφ、深さ2.6mm、底部の厚さ0.4mm)を得ることができた。
また、得られた板状の軟材を所定の大きさ(10mm角)に切断し、得られた板状片に冷間プレス加工を施して、カップ状の電極を作製した。その結果、いずれの組成を有する軟材もカップ状の電極(外径1.6mmφ、長さ3.0mm、開口部の内径1.4mmφ、深さ2.8mm、底部の厚さ0.2mm)を得ることができた。
得られた電極において、電極を構成する金属の酸化被膜の厚さ(μm)を測定した。その結果を表2,3に示す(表2:線状の電極材料を用いた試料、表3:板状の電極材料を用いた試料)。酸化被膜の厚さは、電極を切断し、電極表面をオージェ電子分光法により測定して求めた。なお、得られた電極について、上記と同様にして水素含有量、平均結晶粒径を測定したところ、軟材の場合とほぼ同様であった。また、得られた電極についてC,Sの含有量を測定したところ、軟材の場合とほぼ同様であった。
次に、得られた電極を用いて図1に示すような冷陰極蛍光ランプ1を作製した。蛍光ランプ1は、内壁面に蛍光体層11を有するI字状のガラス管10と、ガラス管10内の両端部に配置される一対の電極12とを具える。作製手順は、以下の通りである。コバール(KOV)からなるインナーリード線13iと銅被覆Ni合金線からなるアウターリード線13oとを溶接し、リード線13を作製する。インナーリード線13iの外周にガラスビーズ14を挿通してから、インナーリード線13iと電極12の底面とを溶接し、インナーリード線13iにガラスビーズ14を溶着する。このような電極12,リード線13(13i,13o),ガラスビーズ14が一体となった電極部材を二つ用意する。そして、内壁面に蛍光体層(本試験ではハロリン酸塩蛍光体層)11を有し、両端が開口したI字状のガラス管10を用意し、開口した管10の一端に一方の電極部材を挿入し、ガラスビーズ14と管10とを溶着して、管10の一端を封止すると共に、電極部材を管10に固定する。次に、開口したガラス管10の他端から真空引きして希ガス(本試験ではArガス)及び水銀を導入し、他方の電極部材を同様にして管10に固定して管10を封止する。この手順により、一対の電極12の開口部が対向するようにガラス管10内に配置された冷陰極蛍光ランプ1を得る。
各組成の電極についてそれぞれ、上記一対の電極部材を作製し、これら電極部材を用いて冷陰極蛍光ランプを作製する。得られた蛍光ランプについて、輝度と寿命を調べた。本試験では、ニッケルからなる電極を具える試料No.20A,20Bの冷陰極蛍光ランプの中央輝度(43000cd/m2)及び寿命を100とし、その他の試料No.1A〜15A,1B〜15Bの輝度及び寿命を相対的に表わした。その結果を表2,3に示す。なお、寿命は、中央輝度が50%になったときとした。
Figure 2008123722
Figure 2008123722
表2に示すように、Ni合金からなる電極を具える試料No.1A〜15Aの蛍光ランプは、ニッケルからなる電極を具える試料No.20Aの蛍光ランプと比較して、高輝度で長寿命である。また、表3に示すように、Ni合金からなる電極を具える試料No.1B〜15Bの蛍光ランプは、ニッケルからなる電極を具える試料No.20Bの蛍光ランプと比較して、高輝度で長寿命である。これは、金属No.1〜13がニッケル単体の金属No.20と比較して、仕事関数及びエッチングレートが小さい材料、つまり、放電され易く、スパッタリング速度が遅い材料であるためと考えられる。また、Ni合金からなる金属No.1〜13は、ニッケル単体の金属No.20と比較して、酸化被膜が形成され難いことから放電性を劣化させにくく、水銀とアマルガムを形成し難い材料であるためと考えられる。
試料No.1A〜15A,1B〜15Bの蛍光ランプのうち、軟化処理を窒素雰囲気下で行うことで水素含有量が低減されたNi合金は、水素含有量が質量割合で10ppm以下であった。そして、添加元素が同じ場合、水素含有量が10ppm以下のNi合金からなる電極を具える蛍光ランプは、より長寿命、高輝度であった。また、線速又は移動速度を50℃/sec以上とした試料は、Ni合金の平均結晶粒径が70μm以下であった。そして、添加元素が同じ場合、平均結晶粒径が70μm以下のNi合金からなる電極を具えた蛍光ランプは、より長寿命、高輝度であった。
更に、質量%で、Ti:0.05%、C:0.007%、S:0.003%、残部はNiおよび不純物からなるNi合金を用いて、上記と同様にして電極材料を作製し、得られた電極材料から上記と同様にしてカップ状の電極を形成した。この電極にインナーリード線を溶接し、ガラス封着後に電極の平均結晶粒径を測定したところ、143μmであった。従って、この電極を用いた蛍光ランプは、電極部材の平均結晶粒径が70μm超である試料No.8A,8Bの蛍光ランプよりも、輝度が低くなったり、寿命が短くなると思われる。一方、試料No.13A,13Bについて、ガラス封着後に電極の結晶粒径を測定したところ、それぞれ39μm,43μmであり、電極材料の場合よりも若干大きくなっていた。しかし、平均粒径が70μm以下であるため、表2,3に示すように、高輝度で長寿命である。
なお、上述した実施例は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。
本発明電極材料は、冷陰極蛍光ランプの電極に好適に利用することができる。本発明電極の製造方法は、線状の本発明電極材料からカップ状の冷陰極蛍光ランプ用電極の製造に好適に利用することができる。本発明蛍光ランプは、例えば、液晶ディスプレイのバックライト用光源、小型ディスプレイのフロントライト用光源、複写機やスキャナなどの原稿照射用光源、複写機のイレイサー用光源といった種々の電力機器の光源として好適に利用することができる。
冷陰極蛍光ランプの概略構成を示す断面図である。
符号の説明
1 冷陰極蛍光ランプ 10 ガラス管 11 蛍光体層 12 電極
13 リード線 13i インナーリード線 13o アウターリード線
14 ガラスビーズ

Claims (16)

  1. Ca,Sc,Ga,Ge,Ag,Rh,及びTaからなる第1のグループから選ばれた少なくとも1種の元素を合計で0.001質量%以上3.0質量%以下含有し、残部がNi及び不純物からなることを特徴とする冷陰極蛍光ランプ用電極材料。
  2. 更に、Mg,Si,Al,Y,Ti,Sr,Ba,及び希土類元素(但し、Sc,Yを除く)からなる第2のグループから選ばれた少なくとも1種の元素を合計で0.001質量%以上2.0質量%以下含有し、残部がNi及び不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の冷陰極蛍光ランプ用電極材料。
  3. 仕事関数が4.7eV未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷陰極蛍光ランプ用電極材料。
  4. エッチングレートが22nm/min未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ用電極材料。
  5. C及びSの含有量が合計で0.001質量%以上0.10質量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ用電極材料。
  6. 水素含有量が0.1ppm以上20ppm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ用電極材料。
  7. 電極材料を構成する金属の平均結晶粒径が70μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ用電極材料。
  8. 電極材料は、板状材であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ用電極材料。
  9. 電極材料は、線状材であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ用電極材料。
  10. 請求項9に記載の線状材を切断し、所定長の短尺材を得る工程と、
    前記短尺材に鍛造加工を施し、有底筒状に成形して電極を得る工程とを具えることを特徴とする冷陰極蛍光ランプ用電極の製造方法。
  11. 内壁面に蛍光体層を有し、内部に希ガス及び水銀、又は希ガスが封入されるガラス管と、
    前記ガラス管内に配置される電極とを具え、
    前記電極は、
    Ca,Sc,Ga,Ge,Ag,Rh,及びTaからなる第1のグループから選ばれた少なくとも1種の元素を合計で0.001質量%以上3.0質量%以下含有し、残部がNi及び不純物からなり、
    一端が開口し、他端が有底のカップ状であることを特徴とする冷陰極蛍光ランプ。
  12. 電極は、更に、Mg,Si,Al,Y,Ti,Sr,Ba,及び希土類元素(但し、Sc,Yを除く)からなる第2のグループから選ばれた少なくとも1種の元素を合計で0.001質量%以上2.0質量%以下含有し、残部がNi及び不純物からなることを特徴とする請求項11に記載の冷陰極蛍光ランプ。
  13. 電極は、C及びSの含有量が合計で0.001質量%以上0.10質量%以下であることを特徴とする請求項11又は12に記載の冷陰極蛍光ランプ。
  14. 電極は、水素含有量が0.1ppm以上20ppm以下であることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ。
  15. 電極を構成する金属の平均結晶粒径が70μm以下であることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ。
  16. 電極の表面に形成される酸化被膜の厚さが1μm以下であることを特徴とする請求項11〜15のいずれかに記載の冷陰極蛍光ランプ。
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