JP2008060056A - 冷陰極蛍光ランプ用電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】高輝度で長寿命な冷陰極蛍光ランプ、及びこのランプ用電極を提供する。
【解決手段】電極の表面の少なくとも一部をロジウム、パラジウム、及びこれらの合金からなる群から選択される1種の材料で形成する。例えば、基材上にこのような材料からなる表面層を形成する。また、表面層と基材との密着を高めるために、金又は金合金からなる接合層を基材上に形成する。ロジウムなどの金属は、水銀と合金化しにくく、高融点であることから、この金属からなる電極を具える冷陰極蛍光ランプは、アマルガムを形成して水銀を消費したり、十分に放電できないことで輝度が低下することを低減することができる。また、水銀の消費や電極の消費を低減することができるため、このランプは、寿命が長い。
【選択図】なし

Description

本発明は、冷陰極蛍光ランプに用いる電極、及びこの電極を具える冷陰極蛍光ランプに関するものである。特に、高輝度で長寿命な冷陰極蛍光ランプに適した電極に関するものである。
従来、複写機やイメージスキャナなどの原稿照射用光源、パソコンの液晶モニタや液晶テレビなどの液晶ディスプレイのバックライト用光源といった種々の光源に冷陰極蛍光ランプが利用されている。冷陰極蛍光ランプは、代表的には、内壁面に蛍光体層を有し、希ガス及び水銀が封入されるガラス管内に一対の電極を具える。電極は、端部にリード線が溶接され、リード線を介して電圧が印加される。リード線は、代表的には、ガラス管内に固定されるインナーリード線と、管外に配置されるアウターリード線からなる。この蛍光ランプは、両電極間に高電圧を印加して、ガラス管内の電子を電極に衝突させて電極から電子を放出させ(放電させ)、この放電と管内の水銀とを利用して紫外線を放射させ、この紫外線を利用して蛍光体を発光させることで発光する。
上記電極は、純ニッケル(Ni)からなるものが代表的である。その他、特許文献1には、アマルガムを形成し難くするために、ジルコニア(Zr)からなる電極表面にZrの炭化物層を具える被覆電極が開示されている。
特開2005-85472号公報
近年、高輝度で長寿命な冷陰極蛍光ランプが強く望まれており、このような要求を満たす電極が求められている。
高輝度にするには、電極に流す電流を大きくすることが挙げられる。しかし、電流を大きくすると、スパッタリングなどにより電極の消費が早くなり、寿命が短くなる。また、最近は、省エネ化の事情を考慮して電流を大きくすることを望まない傾向にある。従って、電極自体の特性を改善する必要がある。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、長寿命で高輝度な冷陰極蛍光ランプに適した電極を提供することを主目的とする。また、本発明の他の目的は、高輝度で長寿命な冷陰極蛍光ランプを提供することにある。
本発明者らは、高輝度で長寿命な冷陰極蛍光ランプを実現するために電極に必要な特性として、特に、1.水銀と合金化しにくい(アマルガムを形成しにくい)こと、2.融点が高いこと、に着目して鋭意検討を行った。
冷陰極蛍光ランプでは、電極の放電により生じた水銀イオンが電極に衝突することで、電極物質がガラス管内に飛散してガラス管の内壁に堆積するスパッタリングという現象が生じる。電極物質がアマルガムを形成し易い場合、この堆積物(スパッタリング層)が水銀を取り込むことで、紫外線の照射が十分に行われず、輝度が低下する。また、スパッタリング層が水銀を消費することで、結果として蛍光ランプの寿命を短くする。従って、スパッタリング層による水銀の消費を低減することで、蛍光ランプを高輝度かつ長寿命とすることができる。
一方、ガラス管内の電子が電極に衝突するときのエネルギーは、107eV程度と非常に大きい。そのため、融点(或いは液相温度)が低い電極は、電子との衝突により原子レベルにおいて溶融し、液化や気化することで十分に放電が行えず、結果として蛍光ランプの輝度が低下する。また、上記液化や気化により電極を消費することで、蛍光ランプの寿命を短くする。従って、電子との衝突による電極の消費を低減することで、蛍光ランプを高輝度かつ長寿命とすることができる。
上記1,2の特性を満たす材料としてロジウム、パラジウム、及びロジウム合金やパラジウム合金といったこれらの合金が好ましいとの知見に基づき、本発明電極は、これらの金属を利用して形成する。具体的には、本発明冷陰極蛍光ランプ用電極は、その表面の少なくとも一部をロジウム、パラジウム、及びこれらの合金からなる第一群から選択される1種で構成する。
本発明電極は、アマルガムを形成しにくく、高融点であるロジウムやパラジウム、これらの合金といった金属により、電極表面の少なくとも一部を構成することで、スパッタリング層による水銀の消費や、電子衝突時の溶融による電極の消費を効果的に低減する。従って、本発明電極を用いることで、高輝度で長寿命な冷陰極蛍光ランプが得られる。以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明電極は、上述のようにその表面の少なくとも一部をロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、及びこれらの合金、具体的には、ロジウム合金(Rh合金)、パラジウム合金(Pd合金)、ロジウムパラジウム合金(Rh-Pd合金)からなる第一群から選択される1種の材料(以下、第一材料と呼ぶ)で形成する。Rh合金は、例えば、Rh-Co合金、Rh-Ni合金が挙げられる。Pd合金は、例えば、Pd-Co合金、Pd-Ni合金が挙げられる。公知の組成のPd合金を利用することができる。Rh-Pd合金は、例えば、Rh,Pdの二相合金、Rh-Pd-Co合金、Rh-Ph-Ni合金が挙げられる。二相合金の場合、Rh,Pdのいずれかを主成分とする合金でも、両元素が同量である合金でもよい。
第一材料は、上述のように水銀と合金化しにくく、高融点であることに加えて、抵抗温度係数が小さい。ここで、電極は、電気抵抗が大きいと、投入した電流の一部がジュール熱として利用され、エネルギー効率が悪くなる。従って、電極は、抵抗温度係数が小さい場合、電子の衝突時における原子レベルの発熱により電気抵抗が大きくなり難く、エネルギー効率の劣化を低減することができる。そのため、第一材料を利用した電極を具える冷陰極蛍光ランプは、エネルギー効率がよく、省エネ化も実現する。
本発明電極は、その表面の少なくとも一部が第一材料で構成されていればよく、例えば、電極全体を第一材料で構成したり、表面部を第一材料で構成し、内部を第一材料と異なる材料で構成することができる。前者電極全体を第一材料で構成する場合、アマルガムが最も形成され難く、電子の衝突による電極の消費も最も低減できるため、この電極を用いると、非常に輝度が高く、寿命が長い冷陰極蛍光ランプが得られる。
後者電極の表面部と内部とを異なる材料で構成する場合、本発明電極は、例えば、基材と、基材表面の少なくとも一部に被覆される被覆層とからなるものとし、被覆層の表面側を第一材料で構成する。本発明者らは、被覆層について検討した結果、第一材料からなる層を基材上に直に形成すると、層形成時の残留応力により、基材から第一材料層が剥離してしまう、との知見を得た。特に、第一材料層は、比較的硬度が高いため、剥離し易い。即ち、第一材料層と基材とは、密着性が悪い。そこで、第一材料層の形成時の応力を緩和可能であり、基材との密着性に優れる層を基材直上に設けて、この層を基材と第一材料層との接合に利用する。つまり、被覆層は、基材直上に設けられる接合層と、接合層上に設けられる表面層とからなる構成とし、この表面層を第一材料で形成する。
第一材料からなる表面層は、電気めっき法やスパッタ法により形成することができる。特に、電気めっき法は、基材がカップ状といった複雑な形状であっても、その表面に、特に、カップの内周面に均一的に表面層をつくることができて好ましい。また、電気めっき法は、量産性にも優れる。
表面層は、その厚さが厚いほど、冷陰極蛍光ランプの高輝度化、長寿命化に貢献することができる。従って、表面層の厚さの上限は設けないが、めっき法により表面層を形成する場合、製造限界は10μm程度であると考えられる。一方、表面層が薄過ぎると、特に、0.05μm未満では、冷陰極蛍光ランプの高輝度化、長寿命化の効果に乏しくなる。従って、表面層は、0.05〜10μm、特に、0.2〜5μmが好ましい。
本発明者らは、接合層に要求される特性を満たす材料として、柔らかく、基材との密着性に優れることから、金(Au)が好ましいとの知見を得た。そこで、接合層の形成材料は、金又は金合金とする。特に、接合層は、高濃度の金からなることが好ましく、純Auが最も好ましい。
接合層を金合金で構成する場合、Auの含有量は、95質量%以上が好ましい。金合金の添加元素は、基材を構成する元素が挙げられる。純Auを用いて接合層を形成しても、基材を構成する元素が接合層を構成するAu中に拡散して合金化することがある。従って、接合層を構成する金合金は、意図的に添加元素を含有させたものの他、基材を構成する元素が拡散してなる金合金を含むものとする。
なお、金は、融点が低いため、電子の衝突による発熱に対する耐性を考慮すると、被覆層に好ましい膜質ではない。しかし、本発明では、金や金合金を耐熱性層として利用するのでなく、上述のように高融点の第一材料からなる表面層と基材との接合層に利用する。従って、このような低融点の元素からなる層を基材上に具えていても、本発明電極は、高輝度で長寿命な冷陰極蛍光ランプの実現に貢献することができる。
接合層は、電気めっき法や蒸着法により形成することができる。特に、電気めっき法は、上述のように均一的に接合層を形成することができ、かつ量産性に優れて好ましい。
接合層は、基材と表面層とが十分に接合できる程度の厚さを有していればよい。接合層が薄過ぎると、表面層が剥離し易くなり、厚過ぎると、接合層(金)の内部での破壊が起こり、剥離し易くなる。接合層の具体的な厚さは、0.01〜1μm、好ましくは、0.03〜0.10μmとする。
基材の形成材料には、例えば、従来の電極材料を利用できる。具体的には、ニッケル(Ni)やタングステン(W)、モリブデン(Mo)などが挙げられる。純Niは、加工性や経済性に優れる。WやMoは、純Niと比較して非常に高融点であり、仮に被覆層がなくなっても、電極の消費や輝度の低下を低減することができる。
また、基材の形成材料として、純Niに添加元素を添加してなるNi合金が利用できる。具体的には、Ti,Hf,Zr,V,Fe,Nb,Mo,Mn,W,Sr,Ba,B,Th,Be,Si,Al,Y,及び希土類元素(Yを除く)から選ばれる1種以上の元素を合計で0.001質量%以上5.0質量%以下含有し、残部がNi及び不純物からなるNi合金が挙げられる。上記元素のうち、Be,Si,Al,Y,及び希土類元素(Yを除く)から選ばれる1種以上の元素を合計で0.001質量%以上3.0質量%以下含有し、残部がNi及び不純物からなるNi合金としてもよい。特に、Yを含有するNi合金は、耐スパッタリング性を高めることができて好ましい。
上記Ni合金は、1.純Niよりも仕事関数が小さいため放電し易い、2.スパッタリングし難い(スパッタリング速度又はエッチングレートが小さい)、3.アマルガムを形成し難い、4.酸化被膜を形成し難いため、放電が阻害され難い、といった様々な利点を有している。そのため、このNi合金からなる基材に被覆層を設けた電極は、仮に被覆層が消費されて基材が露出しても、輝度の低下や電極の消費を低減できる。仕事関数やエッチングレートは、Ni合金の添加元素の種類や含有量を調整することで変化させることができる。
更に、基材の形成材料として、鉄(Fe)又は鉄合金(Fe合金)が利用できる。ここで、電極に電力を供給するリード線のうち、ガラス管内に固定されるインナーリード線は、一般に、ガラスと熱膨張係数が近い材料から構成される。このような材料として、鉄にコバルト(Co)、ニッケル(Ni)を添加した鉄ニッケルコバルト合金がある。この鉄ニッケルコバルト合金として、例えば、コバールと呼ばれるものがある。その他、インナーリード線の形成材料として、鉄ニッケル合金や鉄ニッケルクロム合金が利用できる。これらの鉄合金は、塑性加工性や切削加工性にも優れる。従って、このような鉄合金でインナーリード線と電極とを一体に形成すれば、両者を別個に作製したり、両者を溶接などにより接合することが不要になり、製造性を向上できる。一方、鉄は、タングステンやモリブデンと比較して、塑性加工性に優れていることに加えて、インナーリード線の形成材料に利用される上記鉄合金に融点が近い。従って、鉄からなる基材は、インナーリード線との接合を溶接によって容易にかつ確実に行うことができる。また、鉄や鉄合金は、比較的安価であり、経済性に優れる。更に、鉄や鉄合金は、仕事関数が低い。これらのことから、鉄又は鉄合金は、基材の形成材料に好ましい。しかし、鉄又は鉄合金で形成した電極は、仕事関数が低いものの、ガラス管内の水銀と速やかに反応することで、電子放出性が劣化すると予想される。そのため、鉄又は鉄合金は、電極の形成に用いても、電極に求められる特性を十分に有することが難しいと考えられる。これに対して、上記被覆層を構成するロジウムやパラジウムといった金属は、鉄や鉄合金と比較して仕事関数が若干大きいものの、電子の放出に非常に寄与する表面原子の存在数が多いことで、電子放出性に優れる。従って、鉄や鉄合金からなる基材に上述した被覆層を設けることで、電子放出性を向上することができ、このような電極は、蛍光ランプの高輝度化、長寿命化に寄与できると考えられる。
鉄や鉄合金は、炭素(C)の含有量が0.1質量%以下で、Feが99.9質量%以上、残部が不純物からなるいわゆる純鉄や鋼が挙げられる。炭素が0.1質量%超の鋼では、硬くなり、機械加工時に疵や凹凸などが発生し、表面性状に影響を与えるため、好ましくない。鋼以外の鉄合金は、上述のようにガラスの熱膨張係数に近いものが好ましく、このような合金として、Niを含有する鉄ニッケル合金が挙げられる。その他、鉄ニッケル合金に、コバルトを添加した鉄ニッケルコバルト合金、クロムを添加した鉄ニッケルクロム合金が挙げられる。鉄合金の具体的な組成を以下に示す。
1. 鉄ニッケル合金:質量%でNi:41〜52%を含有し、残部:Fe及び不純物からなる合金
この合金は、更に、質量%でMn:0.8%以下,Si:0.3%以下を含んでいてもよい。
2. 鉄ニッケルコバルト合金:質量%で、Ni:28〜30%,Co:16〜20%を含有し、残部:Fe及び不純物からなる合金
この合金は、更に、質量%でMn:0.1〜0.5%,Si:0.1〜0.3%を含んでいてもよい。また、この合金は、市販のコバールを利用することができる。
3. 鉄ニッケルクロム合金:質量%で、Ni:41〜46%,Cr:5〜6%を含有し、残部:Fe及び不純物からなる合金
この合金は、更に、Mn:0.25質量%以下を含んでいてもよい。
本発明電極は、種々の形状が利用できる。代表的には、中空の有底筒からなるカップ状や中実の柱状が挙げられる。カップ状の電極は、ホローカソード効果により、スパッタリングをある程度抑制できるため好ましい。柱状の電極は、第一材料又は基材形成材料からなる線状材を所定長に切断することにより形成することができ、製造が容易である。カップ状の電極は、代表的には、第一材料又は基材形成材料からなる板状材をプレス加工することにより形成することができる。基材形成材料からなる電極本体(被覆層形成前のもの)とインナーリード線とを一体に形成する場合は、基材形成材料からなる線状材を作製し、この線状材の一端に鍛造加工を施すことで、カップ状の電極本体を形成することができる。この線状材の他端に適宜切削加工を施して、インナーリード線の径を調整してもよい。或いは、上記基材形成材料からなる線状材全体に切削加工を施して、カップ状の電極本体と線状のインナーリード線とを一体に形成してもよい。中実の柱状の電極本体と線状のインナーリード線とを一体に形成する場合は、上記線状材の一端を電極本体とし、他端をインナーリード線とすることができる。この線状材の他端に適宜切削加工を施して、インナーリード線の径を調整してもよい。本発明電極は、電極本体とインナーリード線とが一体形成された構成を含むものとする。
本発明電極を基材(電極本体)と被覆層とで構成する場合に基材の形状をカップ状とするとき、被覆層は、少なくともカップの内周面、つまり、カップの筒状部分の内周面、及び底部分の内周面の全面を覆うように形成することが好ましい。もちろん、カップの内周面及び外周面の全面を覆うように被覆層を設けてもよい。部分的に被覆層を設ける場合は、被覆層を設けない部分に被覆層が設けられないような対策を行ってから被覆層を形成するとよい。例えば、めっき法で被覆層を形成する場合、基材を部分的にマスキングしたり、基材において被覆層を設けない部分の近傍に犠牲電極を配置したり、遮蔽板を配置することが挙げられる。スパッタ法や蒸着法により被覆層を形成する場合、被覆層を形成する粒子の拡散範囲を規制する遮蔽板を利用することが挙げられる。インナーリード線を電極本体と一体に設けた電極とする場合、インナーリード線の表面に被覆層が形成されないように上記マスキングなどを行う。
本発明電極は、冷陰極蛍光ランプの電極に利用する。冷陰極蛍光ランプは、内壁面に蛍光体層を有し、内部にアルゴンやキセノンといった希ガス、及び水銀が封入されるガラス管を具え、この管内に本発明電極を配置して構成する。
本発明電極は、その表面の少なくとも一部を水銀と合金化しにくく、高融点である材料で構成していることから、冷陰極蛍光ランプの電極に利用した際、水銀の消費による輝度の低下や、不十分な放電による輝度の低下を低減し、かつ水銀の消費や電極の消費を低減することができる。従って、本発明電極を具える本発明冷陰極蛍光ランプは、高輝度で長寿命である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
表1に示す組成の基材の形成材料を用いて、カップ状の電極又は円柱状の電極(いずれも直径φ1.6mm×長さ3.0mm)を作製し、この電極を用いた冷陰極蛍光ランプを作製し、輝度及び寿命を評価した。
カップ状の電極は、以下のように作製する。表1に示す組成の基材の形成材料からなる鋳塊に熱間圧延を施し、得られた圧延板材に熱処理を施した後、表面切削を行う。この表面処理材に冷間圧延及び熱処理を繰り返し行った後、最終熱処理(軟化処理)を施して、板状材(厚さ:0.1mm)を作製する。この板状材を所定の大きさに切断し、得られた板状片に冷間プレス加工を施して、カップ状の基材を作製する。被覆層を有していない電極は、この基材をカップ状の電極とし、被覆層を具える電極は、電気めっき法により、表1に示す組成の接合層及び表面層を形成して、カップ状の電極とする。被覆層の厚さは、めっき時間を調整することで変化させる。被覆層は、電極の表面全体(内周面及び外周面全体)に亘って設けている。
円柱状の電極は、以下のように作製する。表1に示す組成の基材の形成材料からなる鋳塊に熱間圧延を施す。得られた圧延線材に冷間伸線及び熱処理を組み合わせて施した後、最終熱処理(軟化処理)を施して、線状材(線径φ1.6mm)を作製する。この線状材を所定の長さ(3mm)に切断して、円柱状の基材を作製する。被覆層を有していない電極は、この基材を円柱状の電極とし、被覆層を具える電極は、電気めっき法により、表1に示す組成の接合層及び表面層を形成して、円柱状の電極とする。被覆層の厚さは、めっき時間により調整する。被覆層は、電極の表面全体に亘って設ける。
被覆層形成後、表面層の密着状態を調べてみたところ、いずれの電極においても、接合層が基材から剥離することなく、十分に密着されていた。また、被覆層の形成後において接合層の組成を調べると、合金化したもの(Au-Ni合金、Au-Fe合金)が認められた。このNi,Feは、基材から拡散されたものと考えられる。なお、接合層が合金化していても、密着性に問題はなかった。
Figure 2008060056
冷陰極蛍光ランプは、以下のように作製する。コバールからなるインナーリード線と銅被覆Ni合金線からなるアウターリード線とを溶接し、インナーリード線を上述のようにして作製した電極の底面又は端面に溶接して接続する。ニッケルやニッケル合金、鉄や鉄合金からなる電極(基材)とコバールからなるインナーリード線とは、融点が同程度或いは比較的近いため、溶接により簡単に接合することができる。インナーリード線の外周にガラスビーズを溶着させて、リード線、電極、ガラスビーズを一体にした電極部材が得られる。このような電極部材を二つ用意する。なお、両リード線及びガラスビーズを装着した状態で基材に被覆層を形成してもよい。
基材の形成材料として、鉄ニッケル合金や鉄ニッケルコバルト合金を利用する場合、基材とインナーリード線とを一体に形成することもできる。この一体物の作製手順を以下に示す。まず、上述した円柱状の電極を作製する場合と同様に線状材を作製し、この線状材を所定の長さ(4mm)に切断する。得られた短尺材の一端側(端面から長手方向に1mmまでの範囲)に冷間鍛造加工を施してカップ状の電極を作製し、他端側に適宜切削加工を施して線状のインナーリード線を作製する。インナーリード線の一端には、アウターリード線を接合する。
一方、内壁面に蛍光体層(本試験ではハロリン酸塩蛍光体層)を有し、両端が開口したガラス管を用意し、開口した管の一端に一方の電極部材を挿入し、ガラスビーズと管の端部とを溶着して、管の一端を封止すると共に、この電極部材を管内に固定する。次に、開口したガラス管の他端から真空引きして希ガス(本試験ではArガス)及び水銀を導入し、他方の電極部材を同様に固定すると共にガラス管を封止する。この手順により、カップ状の電極の場合、一対の電極の開口部が対向配置された冷陰極蛍光ランプ(サンプル)を得る。円筒状の電極の場合、一対の電極の端面が対向配置された冷陰極蛍光ランプ(サンプル)を得る。
作製した各サンプルについて輝度及び寿命は、電極No.1(Niからなるカップ状の電極)を具えるサンプルNo.1の中央輝度(43000cd/m2)及び寿命を100とし、その他の電極を具える各サンプルの輝度及び寿命を相対的に表して評価している。その結果を表2に示す。なお、寿命は、中央輝度が50%になったときとしている。
Figure 2008060056
表2に示すように、ロジウムからなる基材、及びロジウムやパラジウムなどからなる被覆層を有する電極を具えるサンプルは、被覆層を有していない電極を具えるサンプルと比較して、高輝度で長寿命である。特に、表面層が厚い電極を具えるサンプルほど、高輝度で長寿命である。このことから、ロジウム、パラジウム、及びこれらの合金から選択される材料で表面を構成した電極は、高輝度で長寿命な冷陰極蛍光ランプの実現に貢献すると推測される。
その他、カップ状の電極を具えるサンプルは、円柱状の電極を具えるサンプルよりも高輝度で長寿命である。また、被覆層がロジウムからなる電極を具えるサンプルは、被覆層がパラジウムからなる電極を具えるサンプルよりも高輝度で長寿命である。基材がNi合金からなる電極を具えるサンプルは、基材がNiからなる電極を具えるサンプルよりも長寿命である。Ni合金からなる基材は、基材自体が放電し易く、耐スパッタリング性に優れることから、被覆層が消費された後でも輝度の低下や電極の消費が低減できたため、この基材からなる電極を具えるサンプルは長寿命となったと考えられる。更に、Fe(C:0.025質量%含有)やFe合金で基材を形成した電極を具えるサンプルも高輝度で長寿命である。これは、被覆層が電子放出性に優れるためであると考えられる。
なお、上述した実施形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。例えば、電極の基材をWやMoで形成してもよい。また、ガラスビーズを用いなくてもよい。
本発明電極は、冷陰極蛍光ランプの電極に好適に利用することができる。本発明冷陰極蛍光ランプは、例えば、液晶ディスプレイのバックライト用光源、小型ディスプレイのフロントライト用光源、複写機やスキャナなどの原稿照射用光源、複写機のイレイサー用光源といった種々の電気機器の光源として好適に利用することができる。

Claims (5)

  1. 電極表面の少なくとも一部がロジウム、パラジウム、及びこれらの合金からなる第一群から選択される1種の材料からなることを特徴とする冷陰極蛍光ランプ用電極。
  2. 電極は、基材と、基材表面に被覆される被覆層とから構成され、
    被覆層は、第一群から選択される材料からなる表面層と、基材と表面層との間に被覆され、金又は金合金からなる接合層とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の冷陰極蛍光ランプ用電極。
  3. 電極の形状がカップ状であることを特徴とする請求項1に記載の冷陰極蛍光ランプ用電極。
  4. 基材は、ニッケル、ニッケル合金、鉄、鉄合金、タングステン、及びモリブデンからなる第二群から選択される1種の材料からなることを特徴とする請求項2に記載の冷陰極蛍光ランプ用電極。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電極を具えることを特徴とする冷陰極蛍光ランプ。
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