JP5629110B2 - 座席付手押し車 - Google Patents
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Description
このため、保護者等がベビーカー等に乳幼児等を乗せて移動するとき、保護者等は、着座している乳幼児等の背中側を見ながら移動することとなり、移動中の乳幼児等の顔等を見ることができなかった。
そこで、ハンドルの位置を変更可能な構成とし、ハンドルの位置が着座している乳幼児等の前方側にも変更することができる機構を採用する構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
これにより、保護者等が着座している乳幼児等の顔を見ながらベビーカー等を押すことができるようになっている。
図9に示すように、ベビーカー100は乗車者が乗車する座席部110と、操作者が操作するハンドルフレーム120と、メインフレーム130とを有し、このメインフレーム130に、前輪部140及び後輪部150が形成されている。
図9の(a)は、ハンドルフレーム120が、後輪部150側に配置された状態を示す概略図であって、図9の(b)は、ハンドルフレーム120が前輪部149側に配置された状態を示す概略図である。
図9(a)に示すように、座席部110の重心が後輪部150側に近接して配置(図9(a)の矢印b)され、ハンドルフレーム120の先端側(操作者が把持する部分)と後輪部150とが離れて配置(図9(a)の矢印a)されている場合は操作性が向上する。
このように、従来のベビーカー100は、着座している乳幼児等の乗車者の背もたれ部側である後輪部150側にハンドルフレーム120を配置したとき、操作性が向上するように構成されている。
この場合は、図9(a)と異なり、ベビーカー100の操作性が悪くなるという問題があった。
ベビーカー等の座席付手押し車は、ハンドル部の位置を乗車者の後側に配置したときは、その重心が、後輪部側に置かれると共に、重心がハンドルフレームの先端側(操作者が把持する部分)とは離れるようになる。
したがって、このようなハンドル部の配置では、ハンドル部を把持する操作者が操作し易い配置となる(図9参照)。
すなわち、前輪部と後輪部は、それぞれ前輪側及び後輪側で使用されて初めて、操作性が向上する構成となっている。
この点、前記構成では、乗車者の背中側を見ながら走行する場合でも、乗車者の顔等を見ながら走行する場合でも、常に、前輪部を前側、後輪部を後側とすることができるので、極めて操作性が優れた座席付手押し車となる。
しかしながら、前記構成では、ハンドル部が固定で、可動でないため、フレーム全体を構成する部材が最小限に抑えられ、軽量フレームでかつ、かかる剛性の低下という問題の発生も未然に防ぐことができる。
このため、座面部を座席支持フレーム部から持ち上げて、背もたれ部を座面部側に移動させた状態で、境界部を中心に回転等させることができるので、座面部及び背もたれ部を回転等させる際、これらを大きく外側に突出させることなく、回転等させることができる。
したがって、座面部及び背もたれ部を回転等させる際に、これらがフレーム等に当接することを未然に防ぐことができる。
したがって、乗車者の着座中に座面部が移動等することを未然に防止することができる。
特に、座席部を回転等させて、座面部がハンドル部側に位置するようにした状態で、高さ調整部を操作して、座席部の高さを高く配置させた場合は、座席付手押し車の操作者は、乗車させる、例えば月齢の低い乳幼児等を自己の近くに配置させることができると共に、乳幼児等の顔等を近くで観察しながら移動することができるので、安心して座席付手押し車を操作することができる。
すなわち、上記構成では、座席部を例えば、高く位置した状態で、座面部をハンドル部側に配置させることで、乗車者を操作者に最も近くに配置できると共に、乗車者の正面を操作者に向かわせることができる。
さらに、座席部を低くした場合でも、同様に、乗車者を操作者に向かわせる位置に配置させ、若しくは、進行方向に向かわせる位置に配置させることができる。
このように、前記構成では、座席部を例えば、少なくとも4種類の異なった座席位置とすることができるので、操作者は、その目的にあった最適の使用位置を選ぶことができる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1に示すように、ベビーカー1は、走行するための車輪部を有し、具体的には、前輪部11と、後輪部12を有している。前輪部11と、後輪部12は、それぞれ、2つずつ配置されている。
また、前輪部11及び後輪部12は、それぞれ車輪を有し、この車輪が回動することでベビーカー1が移動する構成となっている。
すなわち、前輪部11は、その向きが360度、変更可能となっている。
一方、後輪部12は、回動可能となっておらず、その向きが、ベビーカー1の前後方向の向きで固定された状態で、脚フレーム部21に支持されている。
すなわち、回動し易い前輪部11と、向きが固定されている後輪部12の組み合わせによって、操作者が操作し易いベビーカー1となっている。
なお、本実施の形態のハンドル部30は、図1に示すように、後輪部12側に配置され、従来のベビーカー1のように、前輪部11側にハンドル部30が移動しない構成となっている。
そして、ベビーカー1は、このような座席部40を支持するための座席支持フレーム部24を有している。
すなわち、ベビーカー1のフレーム部は、これら脚フレーム部21、ハンドルフレーム部22、座席支持フレーム部24及び連結部23等を有している。また、ベビーカー1は、操作者がハンドル部30を操作することで移動可能な構成となっている。
このため、ハンドル部30の先端側を把持してベビーカー1を操作する操作者にとって、取り回し易い構成となっている。
すなわち、座席部40は、ハンドル部30に対する向きを変化させることができる構成となっている。
具体的には、座席部40を図1に示すように、背もたれ部42をハンドル部30側に配置すると、乗車者である乳幼児等は、ベビーカー1の進行方向の前方を見る位置で着座することができる(正面向き状態)。
一方、座席部40を180度回転させると、座面部41がハンドル部30側に配置され、乗車者である乳幼児等は、進行方向の後向きとなり、ベビーカー1の操作者は、乳幼児等を対面しながらベビーカー1を操作することができる構成となっている(対面状態)。
図2は、図1の座面部41と座席支持フレーム部24との関係を示す概略斜視図である。図2に示すように、座席支持フレーム24部は、座面部41を直接支持する座席支持本体24aと、この座席支持本体24aを支持する座席支持フレーム24bを有している。
また、座面部41は、この座席支持本体24aに対して、図2の矢印A方向に移動可能な構成となっている。
すなわち、座面部41は、座席支持本体24aから離間させることも、近接させ当接させることもできる構成となっている。
また、座席支持本体24aは、図2に示すように回転部24cを備え、図2の矢印D方向に、少なくとも180度回転可能な構成となっている。
具体的には、座席支持本体24aの回転部24cは、座面部41の回転接続部41eを介して、接続されている。
この座面部41の回転は、少なくとも180度となっているので、座席部40が、ベビーカー1の進行方向の前方に向かって配置される位置と、後方に向かって配置される位置の2つの位置とすることができる。すなわち、回転部24cの回転によって座席部40を上記いずれかの位置に容易に配置、変更することができる構成となっている。
図4の矢印Aで示すように、座面部41は、境界部41aを軸に、図2に示す座席支持本体24aから離間方向に移動可能となっていると共に、図4の矢印Fで示すように、座席部40の背もたれ部42も境界部41aを軸に座面部41に近接方向に移動可能な構成となっている。
また、図2の回転部24c及び回転接続部41eは、図3及び図4に示す境界部41a近傍で座面部41に接続されている。
そして、このように構成されるため、座席部40を回転させる際、座面部41及び背もたれ部42の長手方向が上方に移動する(図3及び図4参照)。
したがって、座席部40の回転の際、図1のハンドルフレーム部22に、座面部41や背もたれ部42が当接し、回転できないという事態の発生を未然に防ぐことができるようになっている。
一方、座席支持本体24aには、図2に示すように、係合カム41bを収容できるように対応してフレーム側係合部である例えば、被係合切り欠き部24dが形成されている。
これにより、座面部41は、図2の矢印D方向の移動(回転方向)が規制される。すなわち、これら係合カム41bと被係合切り欠き部24bが、回転規制手段(規制手段)の一例となっている。
したがって、これら係合カム41b及び座席支持本体24a等が、係脱規制手段(規制手段)の一例となっている。
したがって、座席部40が回転し、座面部41がハンドル部30及び後輪部12側に配置されたときに、座面部41を座席支持本体24aに当接させ、係合カム41bを後輪部12側に形成された被係合切り欠き部24d内に配置し、係合カム41bを図2の矢印B方向に移動させることで、座席部40の移動を規制することができる構成となっている。
また、このとき、座席部40は、そこに乳幼児等が乗車した場合、乳幼児等がハンドル部30側を向く位置となっている。このため、保護者等の操作者は、乳幼児等の顔等を見ながら対面状態でベビーカー1を移動させることができることになる。
特に、月齢の低い乳幼児等の場合は、このような対面状態で走行することで、保護者は安心してベビーカー1を操作することができる。
したがって、従来のように、前輪部11が後輪側となるということがなく、常に前輪部11を前輪として、また、後輪部12を後輪として用いるため、ベビーカー1の操作性が劣化することがない。
また、座席部40に着座する乳幼児等の乗車者の重心が後輪部12側にあり、ハンドル部30の先端側が後輪部12から離れた位置に配置され、この相対的位置が変更されないので、ベビーカー1の操作性が低下することなく、操作し易い(取り回しし易い)ベビーカー1となる。
具体的には、駐車ブレーキ部は、レバー等を有し、このレバーが後輪に当接し、その動きを制御する構成となっている。
また、駐車ブレーキ部は、後輪部12に形成されることで、ベビーカー1の操作者の足下に配置されることになり、極めて操作し易い構成となっている。
この点、本実施の形態では、常に、駐車ブレーキ部が操作者の足下に配置されているため、常に操作性が良く、使いやすい状態となる。
図5に示すように、係合カム41bは、背もたれ部42の矢印Fの動きに対応して、図5及び図6の矢印B又はC方向に、その相対的位置を移動させる構成となっている。
図6に示すように、背もたれ部42を座面部41側に近接するように、すなわち、背もたれ部42を座面部41側に倒すように図5の矢印F1方向に移動させると、係合カム41bは、図6の矢印C方向に動く。
これは、図2における係合カム41bの矢印B方向の動きと反対の方向となる。すなわち、背もたれ部42を倒すと、係合カム41bは、図2の座席支持本体24aとの係合が外れ、規制されない状態となり、座面部41が上方へ移動可能となり、座面部41を上方へ移動し、係合カム41bが座席支持本体24aの被係合切り欠き部24d外へ配置されることで、座席部40は回転可能な状態となる。
これは、図2における矢印B方向の動きと同様であり、座席支持本体24aの被係合切り欠き部24d内に配置された係合カム41bが、座席支持本体24aと係合し、その動きが規制され、固定されることなる。
また、背もたれ部42の背面側には、リクライニング用支持棒41fの移動を案内し規制するリクライニング用支持棒案内部42aが、例えば、2個形成されている。
具体的には、リクライニング用支持棒案内部42aは、リクライニング用支持棒41fを貫通させる貫通孔42bを備えており、この貫通孔42b内に配置されたリクライニング用支持棒41fが、この貫通孔42b内を移動することにより、背もたれ部42が、図5の矢印F方向に移動する構成となっている。
具体的には、リクライニング用支持棒41fに形成された支持棒側ロック部41gの凸部が、背もたれ部42の背面側に形成された段部42cと係止することで、背もたれ部42の移動を規制する構成となっている。
そして、支持棒側ロック部41gには、この支持棒側ロック部41gの凸部を段差42cから待避させるための解除機構が形成され、この解除動作をさせるための解除レバー41hを有している。
したがって、操作者は、この解除レバー41hを操作し、支持棒側ロック部41gの凸部を段差42cから待避させることで、リクライニング用支持棒41fの移動を自由にし、背もたれ部42を所望の位置に移動させることができ、その後、再び解除レバー41hを操作し、支持棒側ロック部41gの凸部を段差42cと係止させることで、背もたれ部42を、その位置に固定することができる。
すると、図6に示すように、座面部41の係合カム41bが、同図の矢印C方向に移動して、座面支持本体24aとの係合が外れ、規制されない状態となる。
その後、座面部41を図2に示すように、座面支持本体24aから離間する方向に持ち上げ、図3に示すように、背もたれ部42と座面部41を相互に近接させた状態する。
この状態で、座席部40を回転部24cを中心に180度回転させ、座席部40の向きを変える。
その後、座面部41を座席支持本体24aに近接する方向に移動させ、座席支持本体24a上に戻した後に、背もたれ部42を座面部41から離間する方向に起こすと、図5の係合カム41bが矢印B方向に動き、座席支持本体24aに係合し、その動きが規制され、固定される。
したがって、乳幼児等が座席部40に座っている状態では、座席部40は回転することはなく、ベビーカー1の走行中に座席部40が回転等するという事態の発生を未然に防ぐことができる。
図8に示すように、ベビーカー1は、座席支持フレーム部24を保持するためのL字支持フレーム部25を備えている。この座席支持フレーム部24は、高さ調整部である例えば、ブラケット26を介して、L字支持フレーム部25に移動可能に接続されている。
すなわち、ブラケット26は、座席支持フレーム部24をL字支持フレーム部25の任意の位置で固定又は解除することができる構成となっている。
また、図8のブラケット26は、ブラケット26の上述の固定又は解除の動作を操作する制御ノブ26aを有している。
また、操作者は、このように、制御ノブ26aを操作することで、L字支持フレーム部25の任意の位置に、座席支持フレーム部24を移動させることができる構成ともなっている。
そして、図8の制御ノブ16aを操作して、この対面位置に配置された座席部40を支持する座席支持本体24aを有する座席支持フレーム部24を、L字支持フレーム部25に沿って上方に移動させ、上方で固定する。
これにより、操作者である乳幼児の保護者は、乳幼児を対面状態で、且つ自己に最も近い位置に座らせることができる。
このように、本実施の形態では、座席部40の上下移動と座席部40の回転を組み合わせることで、当該操作者及び乳幼児等の乗車者にとって最も好ましい位置を選ぶことができる構成となっている。
Claims (4)
- 車輪を有する車輪部と、
乗車者が着座する座席部と、
利用者が操作するハンドル部と、
前記車輪部、前記座席部及前記ハンドル部を支持するフレーム部と、を有し、
前記車輪部は、前輪部と後輪部を備え、
前記ハンドル部は、前記後輪部側に配置され、
前記座席部が回転又は回動することで前記ハンドル部に対する向きが変化する構成となっており、
前記座席部及び/又は前記フレーム部には、前記座席部を回転又は回動させるための回転部が形成され、
前記フレーム部は、前記座席部を支持する座席支持フレーム部を有し、
前記座席支持フレーム部には、前記回転部が形成され、
前記座席部は、
乗車者の臀部側を保持する座面部と、
乗車者の背中側を保持する背もたれ部と、
前記座面部と前記背もたれ部との境界部と、を有し、
前記背もたれ部は、前記境界部を軸に前記座面部に近接する方向に移動可能であると共に、前記座面部は前記境界部を軸に前記背もたれ部に近接する方向に移動可能であり、
前記背もたれ部と前記座面部を相互に近接させるように移動させた状態で、前記回転部と共に前記座席部を回転又は回動させる際に、これら前記背もたれ部及び前記座面部が、前記フレーム部に当接しない構成となっていることを特徴とする座席付手押し車。 - 前記座席部の移動を規制する規制手段を有し、前記規制手段は、前記座席部の回転又は回動を規制する回転規制手段と、前記座席部の前記座席支持フレームからの係脱を規制する係脱規制手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の座席付手押し車。
- 前記回転規制手段は、前記座面部に形成されている座面側係合部と、前記座席支持フレーム部に形成されているフレーム側係合部とを有し、
前記係脱規制手段は、前記座面側係合部を有し、この座面側係合部と前記座席支持フレーム部が係合することで、前記座面部の前記座席支持フレームからの係脱が規制される構成となっており、
前記座席部の前記背もたれ部を前記座面部に近接する方向に移動させることで前記係脱規制手段の規制が解除される構成となっていることを特徴とする請求項2に記載の座席付手押し車。 - 前記回転規制手段は、前記座席部の前記背もたれ部が前記ハンドル部側に位置するように規制し、又は前記座面部が前記ハンドル部側に位置するように規制する構成となっており、
前記フレーム部には、前記座席部の位置を高さ方向に移動させるための高さ調整部が配置されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の座席付手押し車。
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