JP5627298B2 - 便器の梱包材 - Google Patents

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Description

本発明は、便器の梱包に用いられる梱包材に関するものである。
従来、この種の便器の梱包材として、特許文献1に開示されているような構造のものがある。
この梱包材は、便器の上面に被せる段ボール製の外箱と、その内部に接着されたモールド成形品の緩衝体で構成されたものである。
特開2007−186235号公報
上記特許文献1に開示されている便器の梱包材では、段ボール製の外箱に対し、モールド成形品の緩衝体を所定の位置に接着材により貼着固定する必要があり、接着作業の工数が増え、接着不良が生じることもあった。
また、モールド成形品の緩衝体は段ボール製の外箱とは素材が異なるため、リサイクルし辛いという問題点があった。
更に、モールド成形品は高価であり、外箱に貼着固定するにあたり、接着材等が必要であり、コストがかかるものであった。
本発明は、接着不良の問題が生ずることなく、容易に位置合わせして組み立てることができ、また、リサイクルが容易となる安価な便器の梱包材の提供を目的とし、この目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の便器の梱包材は、便器の上面に被せるトレイと、該トレイの内部に配設される枠状のパットで構成され、
該パットと前記トレイは共に段ボール製であり、
該パットは、全体として前記便器の上面外周に沿う形状に形成されて、前記便器の上方から該便器の上面に当接し、その前後左右の4辺が前記トレイの内周面に面当接されることで、該トレイに接合されていることを要旨とする。
本発明の便器の梱包材では、パットの前後左右の4辺がトレイの内周面に面当接するように、トレイの内側にパットを嵌め込むことで、良好に位置決めして、トレイにパットを接合させることができ、トレイにパットを容易に組み付けることができる。
しかも、パットの4辺が面で支持されて、パットの変形が良好に防止され、パットの位置ずれがなく、パットは、全体として便器の上面外周に沿う形状に形成されて、便器の上面に当接するため、便器の上方から便器をパット全体で受けて緩衝性能が良好なものとなる。
また、トレイとパットは共に段ボール製であるため、分別処理の必要もなく、廃棄物にならず、リサイクルも容易に行えるものとなる。
また、本発明の便器の梱包材において、前記枠状のパットは、対向する2辺に設けた接合部で接合可能に2分割されている構成とすることもできる。
こうすれば、パットは2分割であるため、製造が容易であり、2つのパットをトレイ内に枠状に嵌め込んで、短時間で容易に接合できるものとなる。
また、本発明の便器の梱包材において、前記枠状のパットは、前後左右の4辺のうち少なくとも対向する2辺が、前記トレイに形成された凹部に嵌め込まれているものとすることもできる。
こうすれば、トレイの凹部に容易に位置合わせして枠状のパットを嵌め込み、位置ずれすることなく枠状のパットをトレイの内周に短時間で接合できるものとなる。
また、本発明の便器の梱包材において、前記枠状のパットの対向する2辺間に掛け渡し状に段ボール製の補強材を設けたものとすることもできる。
こうすれば、補強材により、枠状のパットの位置ずれや変形がより強固に防止されて、パットとトレイの接合強度が確保され、さらに、補強材の内部に、部品の収納部を形成させることもできる。
また、本発明の便器の梱包材において、前記枠状のパットは、前記便器のリム部上面に当接するとともに、該枠状のパット内に便器の後部のタンク密結部が収納されるように構成されているものとすることもできる。
こうすれば、便器の後部のタンク密結部が若干立ち上がっていても、枠状のパット内にタンク密結部が収納されて、良好な緩衝性能が確保されるものとなる。
また、パットは高さを揃えたまま構成することが可能で、パットが複雑にならず、組み付けも容易となる。
便器と梱包材の分解斜視図である。 便器の上面に被せられる梱包材を裏返した状態の斜視構成図である。 図2の梱包材を構成する船形のトレイの斜視構成図である。 梱包材を構成する枠状のパットの組立状態の斜視構成図である。 枠状のパットを2分割した状態の斜視構成図である。 パットに形成された接合溝部を裏側から見た要部拡大斜視構成図である。 パットの接合溝部を表側から見た要部拡大斜視構成図である。 長尺パットの接合溝部に短尺パットの接合凸部を接合させた状態の要部斜視構成図である。 補強材の組立状態の斜視構成図である。 別の補強材の斜視構成図である。 船形のトレイの展開図である。 長尺パットの展開図である。 短尺パットの展開図である。 補強材の展開図である。 別の補強材の展開図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、便器と、便器用の梱包材の分解斜視図である。
便器1は、ボール部1aの上面外周にリム部1bが形成され、リム部1bから後方側へ略水平に延びて載置上面1cが形成され、載置上面1cの後端に、ロータンクが載るタンク密結部1dが若干立ち上がって形成されており、下部には台座部1eが形成されている。
この便器1を梱包するに際し、上面が開放された方形箱状の箱型トレイ2上に便器の台座部1eを載せ、便器1の上面に、六角形状の船形に形成された船形トレイ3を被せて梱包する。この船形トレイ3を裏返して上向きにした拡大斜視図を図2に示す。
六角形の船形トレイ3の内部には、長尺パット5と短尺パット7で構成された枠状のパットが配設され、枠状のパットは全体として八角形状の便器1の上面外周に沿う形状に形成されており、この枠状のパットの前後左右4辺の当接辺部5a,5b,5c,7aが船形トレイ3の内周面に面当接されて、枠状のパットが船形トレイ3内に接合されている。
また、枠状のパットを構成する長尺パット5と短尺パット7間には、掛け渡し状に補強材9,10が組み付けられている。
船形トレイ3,長尺パット5,短尺パット7,補強材9,補強材10は、全て段ボール製であり、安価に製作できて、しかも全て同一素材であるため、分別処理の必要もなく、容易にリサイクルできるものとなっている。
梱包材を構成する船形トレイ3は図3に斜視図で示し、また、枠状のパットは図4の斜視図で示す。
船形トレイ3は、図3に示すように、底面部3aの外周に、右側面部3bと左側面部3cと後側面部3dと前側面部3eが立ち上がり、さらに、右側面部3bと前側面部3eとを繋ぐ傾斜面部3fと、左側面部3cと前側面部3eとを繋ぐ傾斜面部3gが立ち上がり、六角形船形の箱状に組み立てられたものであり、後側面部3dと前側面部3eの内周側には、凹部4a,4bがそれぞれ凹み状に形成されている。
この船形トレイ3の展開図は図11に示し、その詳細は後述する。
一方、枠状のパットは図4の組立状態で示すように、長尺パット5と短尺パット7が八角形の枠状に組み立てられ、長尺パット5と短尺パット7間に、掛け渡し状に補強材9,10が組み付けられる。
長尺パット5と短尺パット7は、図5の分解斜視図で示すように2分割されており、長尺パット5の前後端にそれぞれ形成されている接合溝部6a,6bに、短尺パット7側の前後端にそれぞれ突出形成されている接合凸部8a,8bを嵌め合わせることで、長尺パット5と短尺パット7が八角形の枠状に組み立てられるものである。
長尺パット5と短尺パット7の組立状態において、長尺パット5の後端の当接辺部5aが、船形トレイ3の凹部4a内に嵌め込まれ、長尺パット5の前端の当接辺部5bが、船形トレイ3の前側の凹部4b内に嵌め込まれ、この状態で、長尺パット5の当接辺部5cが船形トレイ3の左側面部3cの内周に面当接され、短尺パット7の当接辺部7aが船形トレイ3の右側面部3bの内周に面当接される。
このように、船形トレイ3の凹部4a,4bに位置合わせして、容易に船形トレイ3内に長尺パット5と短尺パット7を枠状に組み付けでき、組付状態では、枠状のパットの前後左右の4辺の当接辺部5a,5b,5c,7aが、船形トレイ3の後側面部3d,前側面部3e,左側面部3c,右側面部3bの内周面に面当接され、この前後左右の4辺の当接辺部5a,5b,5c,7aの面当接により、船形トレイ3の内部に八角形枠状のパット5,7が、接着剤を用いることなく、強固に接合されるものである。しかも、船形トレイ3側の凹部4a,4b内に当接辺部5a,5bが嵌め込まれるため、位置ずれが生ずることがない。
さらに長尺パット5と短尺パット7間に補強材9,10を組み付けることで、より強固に長尺パット5,短尺パット7の変形が防止されて、長尺パット5と短尺パット7の船形トレイ3に対する接合強度が確保されるものである。
なお、船形トレイ3の内部に枠状のパット5,7を接合させ、補強材9,10を組み付けた状態で、船形トレイ3を便器1の上面に被せると、図4における補強材9と補強材10間の長尺パット5と短尺パット7で囲まれた部分S1が、便器1のボール部1aに対向し、補強材9と補強材10間の長尺パット5と短尺パット7および補強材10が、便器1のリム部1bの上面に当接して、便器のリム部1bに対する緩衝性能が確保されるものである。
また、船形トレイ3を便器1の上面に被せた状態では、補強材9が便器1の載置上面1c上に当接状態となり、この時、図4における補強材9と当接辺部5a間の長尺パット5と短尺パット7で囲まれた密結部収納空間S2内に、便器1の載置上面1cより一段高い位置にある便器1のタンク密結部1dが収納されることとなり、タンク密結部1dの外周が長尺パット5と短尺パット7で囲われ、良好な緩衝性能が確保されるものである。
なお、この長尺パット5および短尺パット7は、それぞれ段ボールで三重構造になっており、緩衝性能が極めて高められたものとなっている。この長尺パット5および短尺パット7の展開図は図12および図13に示し、その詳細は後述する。
図5に示すように、長尺パット5は、後端に当接辺部5aを備え、前端に当接辺部5bを備え、中央部に当接辺部5cが存在し、当接辺部5aと当接辺部5c間には傾斜辺部5dが折り曲げ可能に連続形成されており、また、当接辺部5bと当接辺部5c間には傾斜辺部5eが折り曲げ可能に連続形成されている。
当接辺部5aと傾斜辺部5dは、便器のタンク密結部1dの高さに合わせて一段低く段部58が形成されたものである。また、当接辺部5aには、外側に凹み状に接合溝部6aが形成されており、前端の当接辺部5bの外側には、凹み状に接合溝部6bが形成されている。
また、傾斜辺部5dにおける当接辺部5c側には、補強材9の係入片92aを上方より差し込むための、上面が開放されて下方へ向かって凹状をなす係入空間57と、係入空間57の内側に連通状に、上面が開放され下方へ向かってスリット状に縦溝57aが形成されている。
傾斜辺部5eにおける当接辺部5b側には、補強材10の係入片101aを上方より差し込むための、上面が開放されて下方へ向かって凹状に形成された係入空間57と、係入空間57の内側に連通状に、上面が開放され下方へ向かってスリット状に縦溝57aが形成されている。
長尺パット5は三重構造の段ボール製であり、三重構造に重ね合わせるために複数の凹部54,54,54,54が各辺部5a,5b,5c,5d,5eに形成されており、各凹部54には舌片55がそれぞれ嵌め込まれて、三重構造に組み立てられるものである。
一方の短尺パット7は、図5に示すように、中央部に当接辺部7aを有し、この当接辺部7aから後方側へ折り曲げ可能に傾斜辺部7bが連続形成され、傾斜辺部7bの後端に接合凸部8aが突出形成されている。また、当接辺部7aから前方側へ向かって折り曲げ可能に傾斜辺部7cが連続形成され、傾斜辺部7cの前端に接合凸部8bが突出形成されている。
傾斜辺部7bは便器のタンク密結部1dの高さに合わせて一段低く段部78が形成されており、また、この傾斜辺部7bにおける当接辺部7a側には、補強材9の係入片92aを上方より差し込むための、上面が開放され下方へ向かって凹状に形成された係入空間77と、係入空間77の内側に連通状に、上面が開放され下方へ向かってスリット状に縦溝77aが形成されている。
傾斜辺部7cにおける前端側には、補強材10の係入片101aを上方より差し込むための、上面が開放され下方へ向かって凹状に形成された係入空間77と、係入空間77の内側に連通状に、上面が開放され下方へ向かってスリット状に縦溝77aが形成されている。
また、短尺パット7の各辺7a,7b,7cは段ボール製の三重構造であり、それぞれ凹部74,74,74が形成されて、各凹部74には舌片75が嵌め込まれて三重構造に組み立てられている。
図6は、長尺パット5の前端側の内側から見た拡大斜視図であり、また図7は、長尺パットの前端側の外側から見た拡大斜視図である。
このように、当接辺部5bの外側には接合溝部6bが形成されており、この接合溝部6b内に、短尺パット7に形成された接合凸部8bを嵌め込んで、長尺パット5と短尺パット7を連結できるものである。
なお、図8は、長尺パット5と短尺パット7の後端側の連結状態を拡大して示すものであり、長尺パット5の後端の当接辺部5aに形成された接合溝部6a内に、短尺パット7の後端に突出形成された接合凸部8aが折り曲げて嵌め込まれて、長尺パット5と短尺パット7が連結される。この連結状態において、前述した如く、長尺パット5の当接辺部5aは船形トレイ3の凹部4a内に嵌め込まれるものである。
次に、図9は、補強材9の組立状態の斜視図であり、補強材9は、外立上片91の内側に内立上片92が重ね合わされ、下端には水平に底片93が配置されて、左右方向中央部には、コの字状に収納壁片94と収納側壁片95,95が組み付けられるものであり、この収納壁片94と左右の収納側壁片95,95と内立上片92で囲まれた部分は、上面が開放された部品収納部S3となっており、この部品収納部S3内にボルトなどの部品を入れておくことができるものである。
また、補強材9の左右端には、長尺パット5と短尺パット7側へそれぞれ突出して折り曲げ可能に係入片92a,92aが形成されており、この係入片92a,92aを、長尺パット5の係入空間57,縦溝57aおよび短尺パット7の係入空間77,縦溝77aに上方から係入して、補強材9を長尺パット5と短尺パット7間に掛け渡し状に組み付けることができるものである。
なお、この補強材9の展開図は図14に示し、その詳細は後述する。
また、図10は、補強材10の組立状態の斜視図であり、補強材10は、立上片101の下端に略水平に底片102が形成され、立上片101の左右端側に、長尺パット5と短尺パット7側へそれぞれ突出して折り曲げ可能に係入片101a,101aが突出形成されたものである。
一方の係入片101aを、長尺パット5の傾斜辺部5eに形成された係入空間57および縦溝57aに係入し、他方の係入片101aを、短尺パット7の傾斜辺部7cに形成された係入空間77および縦溝77aに係入して、補強材10を長尺パット5と短尺パット7間に掛け渡し状に組み付けることができるものである。
なお、この補強材10の展開図は図15に示す。
図15に示すように、立上片101に対し底片102および左右の係入片101a,101aは、それぞれ折れ線を介して折り曲げることができるものである。
引き続き、図3の船形トレイ3の詳細を図11の展開図に基づき説明する。
図11において、底面部3aの図示上部には、横折線を介して折り曲げ可能に、左側面部3cと傾斜面部3gが連続して形成され、左側面部3cの図示右端には内立上片35が、また傾斜面部3gの図示左端側には内立上片36がそれぞれ折り曲げ可能に形成されている。左側面部3cの内立上片35側には差込孔38が貫通形成されている。また、内立上片36の左端側には係合切欠36aが切り欠き形成されて、その先端側は係合片36bとなっている。
底面部3aの図示下部には、横折線を介して折り曲げ可能に、右側面部3bと傾斜面部3fが連続して形成され、右側面部3bの図示右端には内立上片35が、また傾斜面部3fの図示左端には内立上片36が形成され、右側面部3bの内立上片35側に差込孔38が貫通形成され、内立上片36には係合切欠36aが形成されて、先端側に係合片36bが形成されている。
また、底面部3aの図示右端には、後側面部3dを構成する外立上片31と折り返し垂下片32が、それぞれ縦折れ線で折り曲げ可能に外側へ向かって連続形成されており、折り返し垂下片32には凹部4aが形成されている。
底面部3aの図示左端側には、前側面部3eを構成する外立上片33と折り返し垂下片34が、それぞれ縦折れ線で折り曲げ可能に外側へ向かって連続形成されており、折り返し垂下片34には、凹部4bが形成されている。更に、折り返し垂下片34の図示上下端側には、それぞれ嵌合片34a,34aが外側へ向かって突出形成されている。
なお、底面部3aには、傾斜面部3g側および傾斜面部3f側へ延びて、それぞれ三角形状の立上三角片37,37が折り曲げ可能に形成されており、各立上三角片37には嵌合凹部37aが形成されている。
この図11の展開図の状態から、底面部3aに対し左右側の左側面部3c,右側面部3b,傾斜面部3g,傾斜面部3fを立ち上げさせ、後端側では、左右側の内立上片35,35を突き合せ状に立ち上げさせて、その外側に外立上片31を立ち上げさせ、更に内立上片35,35の内側に向かって折り返し垂下片32を垂下状に折り返し、折り返し垂下片32に形成されている差込舌片32a,32aをそれぞれ差込孔38,38に差し込むことで、後端側においては、内立上片35,35と外立上片31と折り返し垂下片32が三重構造で重ね合わされて組み立てられる。
この組立状態において、図3のように、後側面部3dの内側に凹部4aが露出することとなる。
一方、前端側においては、左右側の内立上片36と内立上片36を突き合わせ状態に立ち上げ、それぞれの係合切欠36a,36aを係合させて、係合片36b,36bを重ね合わせて組み付け、その外側に、外立上片33を立ち上げさせ、更に内立上片36,36の内側に折り返し垂下片34を垂下状に重ね合わせて、嵌合片34a,34aを、傾斜面部3g,3fの内側に起立させた立上三角片37,37のそれぞれの嵌合凹部37a,37aに嵌め込んで、内立上片36,36と外立上片33と折り返し垂下片34からなる三重構造の前側面部3eを形成させることができ、この状態で前側面部3eの内側に凹部4bが図3のように露出することとなる。
このように船形トレイ3においては、後側面部3dと前側面部3eは、段ボールを三重に重ね合わせた三重構造となり、良好な緩衝性能が確保されるものである。
次に、図12の展開図に基づき、長尺パット5の詳細を説明する。
長尺パット5を構成する当接辺部5a,傾斜辺部5d,当接辺部5c,傾斜辺部5e,当接辺部5bは、それぞれ三重構造となるように、図示上下方向に折り曲げ可能に連続する外片51と内片52と中片53でそれぞれ形成され、各辺部5a,5d,5c,5e,5bにおける各中片53のみが、図12の右端側から左端側に向かって折り曲げ可能に連続されている。
なお、当接辺部5aの外片51,内片52,中片53は上下寸法が短いものとなっており、また、傾斜辺部5dの外片51には一段低く段部55が形成され、更に山部59が形成されている。
また、各辺部5a,5d,5c,5e,5bの外片51の図示上端には舌片55,55,55,55,55がそれぞれ形成され、傾斜辺部5dと当接辺部5cと傾斜辺部5eのそれぞれの中片53の図示下端には、突出した凸部53a,53a,53aが形成されている。
傾斜辺部5dと当接辺部5cと傾斜辺部5eにおける外片51と内片52間には、横方向に貫通して横孔56,56,56が形成されており、また、各辺部5a,5d,5c,5e,5bの各内片52と中片53間にも横方向に貫通して横孔56,56,56が形成され、当接辺部5cにおける内片52と中片53には横孔56と交差状にそれぞれ凹部54,54が貫通形成されている。また、傾斜辺部5d,5eにおける内片52と中片53においても、横孔56と交差状に凹部54,54が貫通形成されている。
なお、傾斜辺部5dの凹部54,54には、一段低くするために段部58,58が形成されている。また、当接辺部5aと当接辺部5bの内片52と中片53にも、それぞれ凹部54,54が貫通形成されている。
また、傾斜辺部5dと傾斜辺部5eには、横孔56,56と交差状に連通して上下方向に係入空間57と縦溝57aがそれぞれ貫通形成されている。
また、当接辺部5aの外片51および中片53の右端側には、接合溝部6a,6aが形成され、当接辺部5bの外片51と中片53の左端側には、接合溝部6b,6bが形成されている。
図12のような展開状態から、各辺部5a,5d,5c,5e,5bの内片52に対し中片53を折り曲げて重ね合わせてゆき、更に中片53の外側に外片51を重ねて三重構造に折り畳むことができ、この状態で各横孔56内に各凸部53aが嵌まり込んで良好な三重構造が形成され、更に各凹部54,54内に各舌片55を嵌め込んで、強固な三重構造に組み立てることができ、組立状態においては、図5に示すように、傾斜辺部5dおよび傾斜辺部5eにそれぞれ上方が開放された係入空間57と縦溝57aが形成されるものである。
次に、図13の展開図に基づいて短尺パット7の詳細を説明する。
短尺パット7を構成する傾斜辺部7b,当接辺部7a,傾斜辺部7cは、それぞれ三重構造となるように、図示上下方向に折り曲げ可能に連続する中片73,内片72,外片71でそれぞれ形成され、各辺部7b,7a,7cにおける各中片73のみが右端側から左端側に向かって折り曲げ可能に連続されている。
各外片71,71の図示下端側には、舌片75,75,75がそれぞれ形成されており、逆に各中片73の図示上端には凸部73a,73a,73aが形成されている。
各中片73と各内片72間および各内片72と各外片71間には、それぞれ横孔76,76が貫通形成されており、各中片73と各内片72間の横孔76には、それぞれ交差状に凹部74,74,が貫通形成されている。更に傾斜辺部7bと傾斜辺部7cにおける横孔76には、横孔76と交差状に連通して上下方向に係入空間77と縦溝77aがそれぞれ貫通形成されている。
なお、傾斜辺部7bの横孔には一段低くするために段部78,78が形成されている。また、傾斜辺部7bにおける中片73と外片71のそれぞれの右端側には、突出状に接合凸部8a,8aが形成されている。逆に傾斜辺部7cにおける中片73と外片71の各左端には、突出状に接合凸部8b,8bが形成されている。
図13の展開状態から、各辺部7b,7a,7cにおける内片72に対し中片73を折り曲げて重ね合わせ、更に中片73の外側に折り曲げて外片71を重ね合わせて、各辺部7a,7b,7cを三重構造に組み立てることができ、この組立状態において、各横孔76内にそれぞれ凸部73aが嵌まり込み、更に各凹部74に対し舌片75を折り曲げて嵌め込むことで、強固な三重構造の短尺パット7を組み立てることができる。
このように長尺パット5および短尺パット7は、それぞれ段ボール製の三重構造をなすものであり、良好に便器のリム部1b等に当接して良好な緩衝性能を発揮することができるものである。
次に、図14の展開図に基づいて補強材9を詳細に説明する。
図14のように、外立上片91の上方に内立上片92が折り曲げ可能に連続し、更にその上方に底片93が折り曲げ可能に連続し、更にその上方に収納壁片94が折り曲げ可能に形成されており、収納壁片94の左右側には収納側壁片95,95が折り曲げ可能に形成されている。
内立上片92の左右端には突出して係入片92a,92aが形成されている。また、左右の収納側壁片95,95には、それぞれ係合溝95aが形成されて突出片95bが形成されている。
また、外立上片91および内立上片92には対向状に一対の縦溝96,96が貫通形成されている。
図14の展開状態から、内立上片92の外側に外立上片91を重ね合わせ、水平にした底片93に対して、収納壁片94および左右の収納側壁片95,95を立ち上げさせて、この状態で、縦溝96,96内に、上方から係合溝95a,95aをそれぞれ係入させて両者を係合させ、突出片95bを外立上片91の外側へ突出状にして、図9のように組み立てることができる。
この組立状態において、左右の係入片92a,92aを折り曲げて、前述した長尺パット5および短尺パット7に形成した係入空間57,77と縦溝57a,77a内に、係入片92a,92aをそれぞれ係入して組み付けることができるものである。
組付状態において、部品収納部S3が形成されるため、この部品収納部S3内にはボルト等の付属品を良好に入れて、部品等の小物を収納できるものである。
このように図11,図12,図13,図14,図15に展開図で示すような、船形トレイ3,長尺パット5,短尺パット7,補強材9,補強材10を、安価に段ボールで製作して、これを組み立て、船形トレイ3内に、良好に位置決めして長尺パット5および短尺パット7を枠状に組み込み、更に補強材9,10で補強して、強固に長尺パット5および短尺パット7の当接辺部5a,5b,5c,7aを船形トレイ3の内周面に面当接させて、接着剤を用いることなく接合させることができ、位置合わせが容易であり、梱包材の組立作業を容易に行えて、組み立てた梱包材を便器1の上面に被せることで、便器1に対する良好な緩衝性能を確保することができるものである。
1 便器
1b リム部
1d タンク密結部
1e 台座部
2 箱形トレイ
3 船形トレイ
3a 底面部
3b 右側面部
3c 左側面部
3d 後側面部
3e 前側面部
3f,3g 傾斜面部
4a,4b 凹部
5 長尺パット
5a,5b,5c 当接辺部
5d,5e 傾斜辺部
6a,6b 接合溝部
7 短尺パット
7a 当接辺部
7b,7c 傾斜辺部
8a,8b 接合凸部
9,10 補強材
31,33 外立上片
32,34 折り返し垂下片
32a 差込舌片
34a 嵌合片
35,36 内立上片
36a 係合切欠
36b 係合片
37 立上三角片
37a 嵌合凹部
38 差込孔
51 外片
52 内片
53 中片
54 凹部
55 舌片
56 横孔
57 係入空間
57a 縦溝
71 外片
72 内片
73 中片
74 凹部
75 舌片
76 横孔
77 係入空間
77a 縦溝
91 外立上片
92 内立上片
92a 係入片
93 底片
94 収納壁片
95 収納側壁片
95a 係合溝
96 縦溝
101 立上片
101a 係入片
102 底片
S2 密結部収納空間
S3 部品収納部

Claims (5)

  1. 便器の上面に被せるトレイと、該トレイの内部に配設される枠状のパットで構成され、
    該パットと前記トレイは共に段ボール製であり、
    該パットは、全体として前記便器の上面外周に沿う形状に形成されて、前記便器の上方から該便器の上面に当接し、その前後左右の4辺が前記トレイの内周面に面当接されることで、該トレイに接合されていることを特徴とする便器の梱包材。
  2. 前記枠状のパットは、対向する2辺に設けた接合部で接合可能に2分割されていることを特徴とする請求項1に記載の便器の梱包材。
  3. 前記枠状のパットは、前後左右の4辺のうち少なくとも対向する2辺が、前記トレイに形成された凹部に嵌め込まれていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の便器の梱包材。
  4. 前記枠状のパットの対向する2辺間に掛け渡し状に段ボール製の補強材を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載の便器の梱包材。
  5. 前記枠状のパットは、前記便器のリム部上面に当接するとともに、該枠状のパット内に便器の後部のタンク密結部が収納されるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4に記載の便器の梱包材。
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