JP5626838B2 - 高品位なn(n,n)−モノ(ジ)アルキルアクリルアミドの製造方法 - Google Patents
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Description
。さらに詳しくは、アクリル酸エステルのβ位を保護した後、エステル交換反応に用いる
アミンを塩基性金属アルコキシド触媒下でアミド化反応させ、反応終了液から触媒と共に
微量不純物を効率よく除去した後、熱分解させて生成物を得る、高品位なN(N,N)−モノ
(ジ)アルキルアクリルアミドの製造法に関する物である。
い、アクリルアミドの効率的な工業的製法方法を提供することを目的とする。
共重合を行うため、重合によって得られる製品の品質に悪影響を及ぼす不純物が少ない高
純度のものが要求される。その中でもアミン系不純物は重合時に影響を与えることが多く
、重合促進剤として働き重合挙動を変化させることがある。それを防止するために、場合
によっては重合開始前にpH調整が必要になるなど、煩雑なプロセスが発生することもある
。また、アミン自体が酸化することにより着色が促進されることもあり、製品の品質保持
からの面からいってもアミン系不純物が含有することが好ましいことではない。従って、
上述のような影響を極力無くすためN(N,N)−モノ(ジ)アルキルアクリルアミド系モノ
マ−中のアミン系不純物を削減する必要があった。
ためには、一般的に蒸留法により精製される。しかしながら、N(N,N)−モノ(ジ)アル
キルアクリルアミドは、蒸留中に極めて重合し易く、特に、凝縮液の滞留する還流部や充
填塔内で発生した重合物は釜へ落下し、釜液中での重合物増加を引き起こし、製品の得量
を低下させるという問題がある。また、高純度の製品を得る為に還流を強化した際には、
いかなる溶媒にも溶解しない架橋ポリマ−(ポップコーンポリマー)を生成する場合もあ
る。架橋ポリマ−が生成すると塔内が閉塞し運転が不能となり、十分な品質の製品が得ら
れないという問題がある。
ノマ−を合成するに当たり、アクリル酸エステルとアミンを出発物質として製造する際の
中間体である、β位を保護したアミドエステルを合成する際に反応不純物として発生する
。即ち、アクリル酸エステルのβ位を、特許文献1及び2記載の通りアルコールやシクロ
ペンタジエン等で保護した後、塩基性金属アルコキシド触媒存在下対応するアミンを用い
てエステル交換(アミド化反応)させる際に、反応時の僅かな平衡反応のずれによって発
生する、β−アルキルアミノ−N(N,N)−モノ(ジ)アルキルプロピオンアミドやβ−ア
ルキルアミノプロピオン酸アルキルエステル等のアミン系の不純物である。
ピオン酸メチルを合成した後、ジメチルアミンを塩基性金属アルコキシド触媒存在下でア
ミド化反応をさせ、N,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミドを合成する際には、
β−ジメチルアミノ−N(N,N)−ジメチルプロピオンアミドやβ−ジメチルアミノプロピ
オン酸メチル等のアミン系の不純物が発生する。これらの不純物はN,N−ジメチル−β−
メトキシプロピオンアミドを熱分解させてN,N-ジメチルアクリルアミドを得る際にも不純
物として製品中へ僅かに残存する。これらのアミン系不純物は臭気物質であるため、工業
的な用途で取り扱う際、作業環境的に不向きである事は勿論、更には上述の通り重合性の
変化や、長期保存下での色相変化等の様々な影響が予測されるため、使用範囲が限定され
る。特に重合時に於いてはこれらのアミン系不純物が、ごく僅かな量混入していても顕著
に影響が出るため、製品中から完全に排除することが課題であった。
β−アルコキシ−N(N,N)−モノ(ジ)アルキルプロピオンアミドを合成する際、塩基性
金属アルコキシド触媒下にβ−アルコキシプロピオン酸アルキルエステルと対応するアミ
ンをアミド化反応させ、酸を用いて触媒を中和し、発生した塩を濾過や薄膜蒸発機を用い
て除去した後、熱分解させてN(N,N)−モノ(ジ)アルキルアクリルアミド得ていた。高
品位のN(N,N)−モノ(ジ)アルキルアクリルアミドを得るためには、アミド化反応時に
発生するアミン系の不純物を除去する必要があり、通常は多段の蒸留塔に分離精製を行い
高品位のN(N,N)−モノ(ジ)アルキルアクリルアミドを得ることができるが、N(N,N)
−モノ(ジ)アルキルアクリルアミドと先述のアミン系不純物の蒸気圧が近接する場合は
困難を極める。
で凝縮液の滞留する還流部や充填塔内で発生した重合物は釜へ落下し、釜液中での重合物
増加を引き起こし、製品の得量を低下させるという問題がある。また、高純度の製品を得
る為に還流を強化した際には、いかなる溶媒にも溶解しない架橋ポリマ−(ポップコーン
ポリマー)を生成する場合もある。架橋ポリマ−が生成すると塔内が閉塞し運転が不能と
なり、十分な品質の製品が得られず、収率も低下するという問題がある。
2重結合部分を保護した後の、アミド化反応により得られる中間体においても同様であり
、反応に於いてアミン系不純物が発生し、中間体であるN(N,N)-モノ(ジ)アルキルノル
ボルナ-5-エン-2-カルボキサミド等を熱分解させた後の精製工程に於いても同様の現象が
発生する。
よって、アミン系の不純物を著しく低減した、簡便な製造方法で高品位のN(N,N)−モノ
(ジ)アルキルアクリルアミドの製造方法が望まれていた。
酸エステルを出発物質として、アクリル酸エステルの2重結合部分をアルコールやシクロ
ペンタジエン等で保護された、3−アルコキシプロピオン酸アルキルエステルやノルボル
ナ-5-エン-2-カルボン酸メチルをアルカリ金属等の塩基性金属アルコキシド触媒を用いて
対応するアミンを反応させβ−アルコキシ−N(N,N)−モノ(ジ)アルキルプロピオンア
ミドやN(N,N)-モノ(ジ)アルキルノルボルナ-5-エン-2-カルボキサミドの中間体を合成
する際に、中間体中のアミン不純物を簡便に除去する事で、β−アルコキシ−N(N,N)−
モノ(ジ)アルキルプロピオンアミドやN(N,N)-モノ(ジ)アルキルノルボルナ-5-エン-2
-カルボキサミドを熱分解した際に、高品位なN(N,N)−モノ(ジ)アルキルアクリルア
ミドを得る事ができる方法である。即ち、上記の問題を解決し得られた中間体の反応液か
ら容易に触媒と発生する微量な不純物を除去し、且つ効率よく高品位な製品の取得が出来
るN(N,N)−モノ(ジ)アルキルアクリルアミドの製造方法を提供するものである。
下記一般式(II)(式中、R1は上記と同じ、R2 はメチル基または水素原子を示す)で表されるアクリル酸エステルを反応させて、得られる二重結合部分を保護した
下記一般式(IV)(式中、R1 、R2は上記と同じ)で表される3−アルコキシプロピオン酸アルキルエステルを
該3−アルコキシプロピオン酸アルキルエステルに対して0.1〜5.0モル%(4モル%以上を除く)量の塩基性金属アルコキシドを触媒として、1級アミンまたは2級アミンと反応させて下記一般式(III)(式中、R1 、R2は上記と同じ、R3 、R4は水素原子若しくは炭素数1〜4の低級アルキル基を示す)で表されるβ−アルコキシ−N(N,N)−モノ(ジ)アルキルプロピオンアミドを得た後、
反応後の溶液を強酸性陽イオン交換樹脂と接触させて触媒及び不純物を除去させた後、熱分解させることを特徴とする高品位N(N,N)−モノ(ジ)アルキルアクリルアミドの製造方法を提供するものである。
コキシ−N(N,N)−モノ(ジ)アルキルプロピオンアミドやN(N,N)-モノ(ジ)アルキル
ノルボルナ-5-エン-2-カルボキサミドを合成する際、つまり、アルコールやシクロペンタ
ジエン等でアクリル酸エステルの2重結合を保護した後、アルカリ金属等の塩基性金属ア
ルコキシド触媒を用いて3−アルコキシプロピオン酸アルキルエステルやノルボルナ-5-
エン-2-カルボン酸メチルに対応するアミンを反応させる際に、反応時の僅かな平衡反応
のずれにより、発生するβ−アルキルアミノ−N(N,N)−モノ(ジ)アルキルプロピオン
アミドやβ−アルキルアミノプロピオン酸エステル等のアミン系の不純物と触媒を除去す
るために、反応後の溶液を強酸性陽イオン交換樹脂と接触させ、β−アルコキシ−N(N,N
)−モノ(ジ)アルキルプロピオンアミドやN(N,N)-モノ(ジ)アルキルノルボルナ-5-エ
ン-2-カルボキサミドを熱分解させて、簡単な蒸留をすることで高品位なN(N,N)−モノ
(ジ)アルキルアクリルアミドを得ることが出来る。これにより、塩基性金属アルコキシ
ド触媒中和の為に酸を使用しなくて良いため芒硝、硫カリ等の塩が発生することは回避さ
れる。よって、中和後の脱塩処理、即ち薄膜蒸発機や濾過等の処理が無くなり、熱分解工
程で発生するロスも殆ど無く製品を取得することが出来る。
アミドが、塩基性金属アルコキシド触媒下、3−アルコキシプロピオン酸アルキルエステ
ルやノルボルナ-5-エン-2-カルボン酸メチルに対応するアミンを用いてアミド化反応をす
る際に発生する不純物、即ちβ−アルキルアミノ−N(N,N)−モノ(ジ)アルキルプロピ
オンアミドやβ−アルキルアミノ−プロピオン酸アルキルエステル等のアミン系不純物と
非常に近い蒸気圧を有している場合には特に有効であり、β−アルコキシ−N(N,N)−モ
ノ(ジ)アルキルプロピオンアミドやN(N,N)-モノ(ジ)アルキルノルボルナ-5-エン-2-
カルボキサミドの熱分解を実施した場合、効率よく高品位なN(N,N)−モノ(ジ)アルキ
ルアクリルアミドを回収することができる。尚、ここで得られる中間体のβ−アルコキシ
−N(N,N)−モノ(ジ)アルキルプロピオンアミドやN(N,N)-モノ(ジ)アルキルノルボ
ルナ-5-エン-2-カルボキサミドは強酸性陽イオン交換樹脂と接触させることで、熱分解後
に得られる最終組成物であるN(N,N)−モノ(ジ)アルキルアクリルアミドはいうまでも
なく金属フリーにもなる。
ないがアミド化反応に於ける立体障害の観点から、1級アルコールが好ましく、例えば、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールが挙げられる。更に用いるア
クリル酸エステルのエステル部分のアルキル基と対応するアルコールを用いることが望ま
しい。また、Diels-Alder反応によりアクリル酸エステルの二重結合保護に用いるジエン
はシクロペンタジエンやフラン、N-メチルピロール、チオフェン等が挙げられる。
、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、
ジメチルアミン、ジエチルアミン、モルホリン等が挙げられる。アミド化反応に使用され
るアミンは3−アルコキシプロピオン酸エステル及びノルボルナ-5-エン-2-カルボン酸メ
チル等の1モルに対し、1.0〜10.0モル用いられる。
カリ金属のアルコキシドであり、炭素数が1〜4の1級〜2級アルコールのアルコキシドが
好ましく、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキ
シド、ナトリウムブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等が挙げられる
。また、不純物発生防止の観点から、アクリル酸エステルは二重結合保護用にアルコール
を用いる場合は、用いられるアルコールと同一のエステルが好ましく、更に塩基性金属ア
ルコキシドにおいては対応するエステルと同一のアルコールからの金属アルコキシドを用
いることがさらに好ましい。
を利用して調整することが望ましい。例えば、出発物質のアクリル酸エステルをアクリル
酸ブチルとした場合、アルコールにて2重結合を保護する場合、n-ブタノールを使用する
ことが望ましく、その際使用する塩基性金属アルコキシド触媒も、n-ナトリウムブトキシ
ドやn-カリウムブトキシド等が好適である。しかし、触媒自体が高価である事から、安価
なナトリウムメトキシドにブタノールを添加し、蒸留にてメタノールを留去させることに
より簡単にナトリウムブトキシドを得たのちに反応を実施することが望ましい。尚、これ
ら触媒の添加量は、2重結合部分が保護されたアルキルエステルに対し、0.1〜5.0モル%
が好ましい。
ともできる。反応温度は室温〜120℃程度で、反応時間は1〜48時間の範囲である。反応終
了後、反応液は必要に応じ、室温程度まで冷却して強酸性陽イオン交換樹脂の接触処理に
供する。
ピオン酸アルキルエステルやノルボルナ-5-エン-2-カルボン酸メチル等に対応するアミン
をアミド化反応する際に発生する微量不純物、即ちβ−アルキルアミノ−N(N,N)−モノ
(ジ)アルキルプロピオンアミドやβ−アルキルアミノプロピオン酸アルキルエステルの
アミン系不純物を除去することが出来、効率よく高純度のβ−アルコキシ−N(N,N)−モ
ノ(ジ)アルキルプロピオンアミドやN(N,N)-モノ(ジ)アルキルノルボルナ-5-エン-2-
カルボキサミド等を得ることが出来る。その結果、強酸性陽イオン交換樹脂にて触媒及び
アミン不純物を除去したβ−アルコキシ−N(N,N)−モノ(ジ)アルキルプロピオンアミ
ドやN(N,N)-モノ(ジ)アルキルノルボルナ-5-エン-2-カルボキサミド等を熱分解させる
ことにより、アミン不純物のない高純度のN(N,N)−モノ(ジ)アルキルアクリルアミド
を得ることが出来る。
ゲル状物質を生じるおそれがあるので、必要に応じ触媒の重量濃度が1%以下になるように
調製するのが好ましい。この場合、反応に使用したアクリル酸エステルに対応するアルコ
ールで希釈して用いることが好ましい。
スルホン酸基を有するものが使用される。交換容量は1.0meq/ml以上、粒度範囲は200〜12
00μmのものが好ましく、例えば三菱化成社製SKシリーズ、UBKシリーズ、PKシリーズ、オ
ルガノ社製アンバーライトIRシリーズ、1006HF、200CT、252、アンバーリスト15、16、31
、35等が挙げられる。これらのイオン交換樹脂は酸型で使用する。尚、Na型の場合は塩酸
等の酸で処理し、酸型として使用する。
のまま用いてもよいが、樹脂内水分によるβ−アルコキシ−N(N,N)−モノ(ジ)アルキ
ルプロピオンアミドやN(N,N)-モノ(ジ)アルキルノルボルナ-5-エン-2-カルボキサミド
等加水分解防止の観点から、処理に先立ち、反応に用いたアルコールと同一のアルコール
を樹脂の2〜5容量倍用いて溶媒置換して使用するのが好ましい。樹脂の使用量は、β−ア
ルコキシ−N(N,N)−モノ(ジ)アルキルプロピオンアミドやN(N,N)-モノ(ジ)アルキ
ルノルボルナ-5-エン-2-カルボキサミド等生成反応に用いた触媒と発生するアミン系不純
物の合計に対して1当量以上、好ましくは1〜10当量の交換容量を有すればよい。
攪拌、混合し、0.5〜10時間接触処理した後、樹脂を濾別する回分式方法、または樹脂を
充填したカラムに反応液を通液する連続式方法のいずれでもよい。接触処理の温度は、室
温〜使用するイオン交換樹脂の耐熱温度以下の範囲である。連続式方法においては、反応
液をLHSV=20Hr-1以下の流速で処理することが好ましい。 また、使用したイオン交換樹脂
は酸処理等の方法により再生して再使用可能である。
ルコールを蒸留留去した後、アミン系不純物の除去されたβ−アルコキシ−N(N,N)−モ
ノ(ジ)アルキルプロピオンアミドやN(N,N)-モノ(ジ)アルキルノルボルナ-5-エン-2-
カルボキサミドの熱分解を行い、還流を掛けない簡単な蒸留を行うことで高品位のN(N,N
)−モノ(ジ)アルキルアクリルアミドを得ることができる。
,N)−モノ(ジ)アルキルプロピオンアミドと非常に近い蒸気圧を有している場合は特に
有効である。即ち、アクリル酸エステルを出発物質として2重結合を保護した、3−アル
コキシプロピオン酸アルキルエステルやノルボルナ-5-エン-2-カルボン酸メチル等を、塩
基性金属アルコキシド触媒下、対応するアミンをアミド化反応させる際に、反応時の僅か
な平衡反応のずれにより、発生するβ−アルキルアミノ−N(N,N)−モノ(ジ)アルキル
プロピオンアミドやβ−アルキルアミノプロピオン酸エステル等のアミン系の不純物が、
アミド化反応後の中間体であるβ−アルコキシ−N(N,N)−モノ(ジ)アルキルプロピオ
ンアミドやN(N,N)-モノ(ジ)アルキルノルボルナ-5-エン-2-カルボキサミドを熱分解し
て得られるN(N,N)−モノ(ジ)アルキルプロピオンアミドと非常に近い蒸気圧を有して
いる場合には特に有効であり、効率よくアミン系不純物のない高品位な(N,N)−モノ(
ジ)アルキルアクリルアミドを得ることができる。
実施例1
温度計、攪拌機および冷却器の付いた500mlの三つ口フラスコ内にメタノール96.1g(3mol
)を投入し、ナトリウムメトキシド1.62g(30mmol)を溶解させた後、アクリル酸メチル
258.3g(3mol)を加えて、50℃で2時間反応させ3−メトキシプロピオン酸メチルを得た
。その後、ジメチルアミン135.2g(3mol)を液状化させて仕込み、50℃で5時間反応させ、
3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドを得た。反応率は90%で進行し、アミン系
の不純物としてβ−ジメチルアミノ−N,N−ジメチルプロピオンアミドが1.45%、β−ジメ
チルアミノプロピオン酸メチルが0.32%検出された。
未反応のジメチルアミンを減圧蒸留にて留去した後、反応液を室温程度まで冷却し、強酸
性陽イオン交換樹脂PK216(三菱化学社製)20mlを直径2cmのカラム管に充填し、メタノー
ル40mlを流して溶媒置換した。この樹脂床に上述の反応液をLHSV=10Hr-1で通液し、無色
透明な溶液を得た。
相熱分解し、水凝縮器にて純度94%の粗N,N−ジメチルアクリルアミド236.7gを得た。尚
、この粗N,N−ジメチルアクリルアミド中の不純物は未分解の3−メトキシ−N,N−ジメ
チルプロピオンアミドのみで、アミン由来の不純物は検出されなかった。
還留分配器付きのバッチ式蒸留装置に仕込んで、還流をかけることなく59〜61℃/0.13kPa
の留分として、ガスクロマトグラフィーで純度99.94%のN,N−ジメチルアクリルアミド20
0.2g(2.02mol)を得た。このときアミン系不純物であるβ−ジメチルアミノ−N,N−ジメ
チルプロピオンアミドやβ−ジメチルアミノプロピオン酸メチルはガスクロマトグラフィ
ー上では確認されなかった。
温度計、攪拌機および冷却器の付いた500mlの三つ口フラスコ内にアクリル酸メチル258.3g(3mol)とシクロペンタジエン198.3g(3mol)を加えて、Diels-Alder反応によりアクリル酸エステルの二重結合保護した、ノルボルナ5-エン-2-カルボン酸メチルを得た。この溶液にナトリウムメトキシド1.62g(30mmol)を溶解させた後、ジメチルアミン135.2g(3mol)を液状化させて仕込み、50℃で5時間反応させ、N,N-ジメチルノルボルナ-5-エン-2-カルボキサミドを得た。反応率は98%で進行し、アミン系の不純物としてβ−ジメチルアミノ−N,N−ジメチルプロピオンアミドが0.71%、β−ジメチルアミノプロピオン酸メチルが0.02%検出された。
未反応のジメチルアミンを減圧蒸留にて留去した後、反応液を室温程度まで冷却し、強酸性陽イオン交換樹脂PK216(三菱化学社製)20mlを直径2cmのカラム管に充填し、メタノール40mlを流して溶媒置換した。この樹脂床に上述の反応液をLHSV=10Hr-1で通液し、無色透明な溶液を得た。
にて加熱された熱分解塔にて気相熱分解を行った。水凝縮器にて得られた純度98%の粗N,
N−ジメチルアクリルアミドは221.2gであった。尚、この粗N,N−ジメチルアクリルアミ
ド中の不純物は未分解のN,N-ジメチルノルボルナ-5-エン-2-カルボキサミドのみで、アミ
ン由来の不純物は検出されなかった。
還留分配器付きのバッチ式蒸留装置に仕込んで、59〜61℃/0.13kPaの留分として、ガスク
ロマトグラフィーで純度99.90%のN,N−ジメチルアクリルアミド168.2g(1.70mol)を得
た。このときアミン系不純物であるβ−ジメチルアミノ−N,N−ジメチルプロピオンアミ
ドやβ−ジメチルアミノプロピオン酸メチルはガスクロマトグラフィー上では確認されな
かった。
上記実施例1と同様に反応を行い3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドを合成
した後、得られた反応溶液を濃硫酸1.47g(15mmol)にて中和した。そして、常圧にて過剰
のメタノールを留去した。以下実施例1に従い液相にて熱分解を実施した後、得られた溶
液を、減圧可能な真空ポンプを備えた蒸留段数10段、還留分配器付きのバッチ式蒸留装
置に仕込んで、還流を掛けながら59〜61℃/0.13kPaの留分として、ガスクロマトグラフィ
ーで純度99.67%のβ−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド150.7g(1.52mol)を得
た。このときアミン系不純物であるβ−ジメチルアミノ−N,N−ジメチルプロピオンアミ
ドの含有量は2200ppmであった。
、工業的な用途で取り扱う際、作業環境的に満足出来、重合性の変化や長期保存下での色
相変化等の様々な影響が回避され工業的な使用用途が広がると考えられる。
Claims (1)
- 下記一般式(I)(式中、R1 は炭素数1〜4の低級アルキル基を示す)で表されるアルコールと、
下記一般式(II)(式中、R1は上記と同じ、R2 はメチル基または水素原子を示す)で表されるアクリル酸エステルを反応させて、得られる二重結合部分を保護した
下記一般式(IV)(式中、R1 、R2は上記と同じ)で表される3−アルコキシプロピオン酸アルキルエステルを
該3−アルコキシプロピオン酸アルキルエステルに対して0.1〜5.0モル%(4モル%以上を除く)量の塩基性金属アルコキシドを触媒として、1級アミンまたは2級アミンと反応させて下記一般式(III)(式中、R1 、R2は上記と同じ、R3 、R4は水素原子若しくは炭素数1〜4の低級アルキル基を示す)で表されるβ−アルコキシ−N(N,N)−モノ(ジ)アルキルプロピオンアミドを得た後、
反応後の溶液を強酸性陽イオン交換樹脂と接触させて触媒及び不純物を除去させた後、熱分解させることを特徴とする高品位N(N,N)−モノ(ジ)アルキルアクリルアミドの製造方法。
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JP2011168514A (ja) | 2011-09-01 |
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