JP3274258B2 - N−モノ置換−(メタ)アクリルアミドの製法 - Google Patents

N−モノ置換−(メタ)アクリルアミドの製法

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JP3274258B2
JP3274258B2 JP27482893A JP27482893A JP3274258B2 JP 3274258 B2 JP3274258 B2 JP 3274258B2 JP 27482893 A JP27482893 A JP 27482893A JP 27482893 A JP27482893 A JP 27482893A JP 3274258 B2 JP3274258 B2 JP 3274258B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、他のモノマーと共重合
してコンクリート混和剤、水処理剤、紙薬品、ラテック
ス安定剤等に用いられるN−モノ置換−(メタ)アクリ
ルアミドの工業的に有利な製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、N−モノ置換−(メタ)アクリル
アミド類の製法としては、(メタ)アクリル酸クロライ
ドと1級アミンをカセイソーダ等の中和剤の存在下で反
応させる方法が公知である。しかしながら本方法は、高
価な原料や中和剤を使用すること、操作が煩雑であるこ
と等の欠点を有し、工業的に有利な製法とはいい難い。
一方、(メタ)アクリル酸エステルとアミンとを反応さ
せて(メタ)アクリルアミド類を製造する方法は、安価
な原料を使用できることから、いくつかのN−置換(メ
タ)アクリルアミドの製法が公知である。この場合、
(メタ)アクリル酸エステルの二重結合が極めて反応性
に富む為に、アミン、シクロペンタジエン、アルコール
等を予め二重結合に保護基として付加させ、アミド化終
了後加熱して保護基を脱離させ目的物を製造するのが一
般的である。例えば、シクロペンタジエンを保護基とす
るものとして特公昭54−9170号等を、またアルコ
ールを保護基とするものとしてUSP3,914,30
3号等を挙げる事が出来る。
【0003】更に、アミンを保護基とするものとして、
例えばUSP2、451、436号には、アクリル酸エ
ステルと1種類のモノあるいはジアルキルアミンとを反
応させてN−アルキル−β−アルキルアミノプロピオン
酸アミドに変換し、次いでそれを酸存在下熱分解してN
−アルキルアクリルアミドを製造する方法が、また特開
平4−154749号には、N−ジメチルアミノ−β−
ジメチルアミノプロピオン酸アミドを液相で熱分解する
ことにより、好収率でジメチルアクリルアミドを製造で
きることが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】(メタ)アクリル酸エ
ステルを出発物質としてN−置換−(メタ)アクリルア
ミドを製造するに際し、アミンを保護基とする方法はア
ルコールやシクロペンタジエンを使う方法に比べ、液相
でしかも比較的低い温度で熱分解出来ることから工業的
に優れている方法といえる。しかしながら該方法は、
N、N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドを製造する
場合には収率もよく工業的に有利な方法であるが、N−
モノ置換−(メタ)アクリルアミドに適用する場合には
大きな欠点があった。すなわち、(メタ)アクリル酸エ
ステルと1級アミンとの反応で得られるN−モノ置換−
β−アミノ(メチル)プロピオン酸アミドには、高沸
点、高粘度の不純物が多量に生成することから収率を低
下させ、またこれを熱分解して目的物を得ようとした場
合、これら高沸点、高粘度の不純物の存在により沸点
(反応温度)が上昇し、目的物の重合が極めて起こり易
くなり更に収率を低下さると共に精製コストの上昇をま
ねき、また甚だしい場合は操作が困難となり、目的物が
取得できない場合もあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる欠
点を解決するため検討した結果、N−モノ置換−β−ア
ミノ(メチル)プロピオン酸アミドを製造する過程に於
いて、異なった2種類のアミンを用い、2段階の反応に
分けて実施し、しかる後にこのアミドを酸触媒の存在下
熱分解することにより、不純物も副生することなく高収
率で、かつ簡便に目的物を製造できることを見いだし、
本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、下記
(イ)〜(ハ)の三工程からなる、化6で表されるN−
モノ置換−(メタ)アクリルアミドの工業的に有利な製
法を提供するものである。
【0006】
【化6】CH2=CRCO−NHQ (式中、Rは水素原子またはメチル基を、Qは炭素数1
〜12のアルキル基、炭素数1〜5のジメチルアミノア
ルキル基または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を
表す。)
【0007】(イ)化1で表される(メタ)アクリル酸
エステルと化2で表されるジアルキルアミンとを反応し
化3で表される化合物を製造する工程。
【0008】
【化1】CH2=CRCOOR’ (式中、Rは水素原子またはメチル基を、R’は低級ア
ルキル基を表す。)
【0009】
【化2】R12NH (式中、R1及びR2は低級アルキル基を表す。)
【0010】
【化3】R12N−CH2−CHRCOOR’ (式中、Rは水素原子またはメチル基を、R’は低級ア
ルキル基を、R1及びR2は低級アルキル基を表す。)
【0011】(ロ)上記化3で表される化合物を化4で
表される1級アミンと反応し、化5で表される化合物を
製造する工程。
【0012】
【化4】NH2−Q (式中、Qは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜
5のジメチルアミノアルキル基または炭素数1〜3のヒ
ドロキシアルキル基を表す。)
【0013】
【化5】R12N−CH2−CHRCO−NHQ (式中、Rは水素原子またはメチル基を、R1及びR2
低級アルキル基を、Qは炭素数1〜12のアルキル基、
炭素数1〜5のジメチルアミノアルキル基または炭素数
1〜3のヒドロキシアルキル基を表す。)
【0014】(ハ)化5で表される化合物を熱分解し、
目的物である上記化6で表されるN−モノ置換−(メ
タ)アクリルアミドを製造する工程。
【0015】本明細書において、低級アルキル基として
は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル基
の炭素数1〜3のアルキル基を、炭素数1〜12のアル
キル基としては、メチル、エチル、プロピル、n−ブチ
ル、2−エチルヘキシル、n−オクチル基を、炭素数1
〜5のジメチルアミノアルキル基としてはジメチルアミ
ノプロピル基を、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基
としては2−ヒドロキシエチル基を例示することができ
る。
【0016】以下、本発明を詳述する。 (イ)の工程 この工程は、化1で表される(メタ)アクリル酸エステ
ルと化2で表されるジアルキルアミンとを加熱下反応さ
せることによって行われる。本工程で使用される(メ
タ)アクリル酸エステルは低級アルキル基のエステルで
あれば特に制限はないが、価格が安価なこと、アミド化
反応により交換脱離するアルコールの蒸留分離が容易な
ことから、メチルエステルが好ましい。一方、ジアルキ
ルアミンは、ジエチルアミンあるいはジプロピルアミン
が好ましい。ブチル以上の炭素数のアルキルアミンを使
用すると二重結合への付加反応が起こりにくく、反応に
長時間を要する。また以下で述べる(ハ)の工程での熱
分解は通常減圧下実施されるため、生成したジアルキル
アミンを好適に回収するためには、沸点の低いジメチル
アミンは好ましくない。反応は、(メタ)アクリル酸エ
ステルに対して1〜2倍モル量、好ましくは1.1〜
1.3倍モル量のジアルキルアミンとを混合した後、メ
トキシハイドロキノンのような重合禁止剤存在下、反応
液を沸点温度に加熱することにより実施される。反応時
間は反応条件にもよるが5〜24時間程度である。触媒
としてアルカリ金属炭酸塩等を使用すれば反応は速い
が、エステルのアミド化等の副反応をおさえ、収率良く
反応を実施するためには無触媒の方が好ましい。反応は
無溶媒で実施できるが、本発明者らにより見いだされた
ごとく、アルコールを添加して反応速度を速めることも
できる(特願平5−223928号)。化3で表される
化合物は、反応終了後、未反応のジアルキルアミン(及
びアルコール)を蒸留により除去することにより単離さ
れ、精製することなく次の工程に供することができる。
【0017】(ロ)の工程 この工程は、化3で表される化合物と化4で表される1
級アミンとを触媒存在下反応させることによって行われ
る。使用される触媒としては、アルカリ金属水素化物、
アルカリ金属アルコシド等を挙げることができる。反応
温度は20〜100℃、好ましくは30〜60℃であ
り、反応時間は1〜5時間程度で十分である。反応終了
後、硫酸を添加しアルカリ触媒を中和し、析出した塩を
濾去後、重合禁止剤を添加して未反応アミン及び副生す
るアルコールを蒸留で除去することにより、化5で表さ
れる化合物を単離することができる。本化合物も、精製
することなく次の工程に供することができる。
【0018】(ハ)の工程 この工程は、化5で表される化合物を酸触媒存在下、減
圧下熱分解することにより行われる。使用できる酸触媒
としては、硫酸、アクリル酸等が挙げられるが、硫酸が
好ましく、化5で表されるアミドに対して0.5〜2モ
ル%程度で十分である。酸触媒の過剰の使用は、副生物
や重合物が生じ好ましくない。熱分解は減圧下、100
〜200℃の温度で実施される。操作圧は、化6で表さ
れる目的物は非常に重合しやすい為、速やかに系外に取
り出す事ができ、かつ副生するジアルキルアミンを効率
的に回収できる圧であればよく、通常10〜200to
rrである。(例えばジエチルアミンの場合、40to
rrでは−10℃で凝縮するため、工業的に極めて容易
に回収される。) 化6で表される目的物は、反応終了後、熱分解流出液を
蒸留することにより単離される。蒸留残渣は化5で表さ
れる化合物がほとんどであるので、回収し熱分解工程に
戻し使用することができるのも、本発明の特徴の一つで
ある。
【0019】
【作用】(メタ)アクリル酸エステルを出発物質として
N−置換−(メタ)アクリルアミドを製造するに際し、
アミンを保護基とする方法は、N、N−ジアルキル(メ
タ)アクリルアミドを製造する場合には好適に実施され
るが、N−モノ置換−(メタ)アクリルアミドに適用す
る場合には、上述の通り沸点や粘度が高い不純物を大量
に副生する。これは、(メタ)アクリル酸エステルの二
重結合に1級アミンが付加した化合物に活性水素が残っ
ているためで、これが(メタ)アクリル酸エステルにさ
らに付加して、化7で表される化合物を生成する。
【0020】
【化7】R3N(CH2CHRCOOR’)2 (式中、Rは水素原子またはメチル基を、R’は低級ア
ルキル基を、R3 はアルキル基を表す。)
【0021】化7で表される化合物はアミド化される
と、沸点や粘度が高く、また熱分解もしにくい化合物に
変換され、N−モノ置換−β−アミノ(メチル)プロピ
オン酸アミドを熱分解した場合、収率を低下させる。本
発明では最初に二重結合にジアルキルアミンを付加させ
るが、これによって生成したβ−ジアルキルアミノプロ
ピオン酸エステルは活性水素を持っていない為に、(メ
タ)アクリル酸エステルの二重結合にもはや付加するこ
とが出来ず、不純物を副生せず、高沸点不純物を生成し
ない。従って、収率も上がりまた熱分解時に温度が不必
要に上がって重合を起こすこともない。また、2種類の
アミンを使用する場合、二重結合に付加しているアミン
と、アミド化反応に使用されるアミンとで交換反応が起
こり、不純物を生成する可能性があるが、本発明のよう
に、二重結合の保護基がジアルキルアミンでアミド化に
使用されるアミンが1級アミンである場合、反応性の差
に由来すると推察されるが、交換反応は起こらず、高収
率で反応を実施することができる。
【0022】
【実施例】
実施例1 メトキシハイドロキノン500ppmを含んだアクリル
酸メチル344g(4モル)にジエチルアミン350g
(4.8モル)を加え70〜80℃で15時間反応し、
二重結合への付加を完結させた。反応終了後、蒸留によ
り未反応ジエチルアミンを除去し、β−ジエチルアミノ
プロピオン酸メチル630gを得た。(収率99%)。
これにソヂウムメトキシド28%メタノール溶液15.
4gを加え、水浴で液温を40℃以下に保ち攪拌しなが
らメチルアミンガスを0〜0.5kg/cm2の圧で液
中に導入した。3時間後ガス吸収が行われなくなったの
で反応を停止した。反応液に濃硫酸3.8gを加えて中
和し、析出した塩を濾去し、重合禁止剤としてフェノチ
アジン0.3gを加えた後、蒸留により低沸点物を除く
ことにより、N−メチル−β−ジエチルアミノプロピオ
ン酸アミド620gを得た。このものをガスクロマトグ
ラフィーにより分析したところ純度98.5%であっ
た。(アクリル酸メチルからの収率96.6%) 得られたN−メチル−β−ジエチルアミノプロピオン酸
アミド620gの中から200gを充填物を入れた分留
管付きフラスコに入れ、濃硫酸1mlを加え攪拌しなが
ら45torrで155℃まで昇温した。熱分解により
N−メチルアクリルアミドとジエチルアミンが生じてく
るので、分留管頂部を123〜130℃に保って留出し
たN−メチルアクリルアミドを水冷コンデンサーで凝縮
し分取した。フラスコ内の液が減ってきたら残りのN−
メチル−β−ジエチルアミノプロピオン酸アミドを継ぎ
足し、7時間で全量を処理し、留出液325gを得た。
また、ジエチルアミンは−10℃の冷却トラップで凝縮
させて捕え、214g(ジエチルアミン99%以上)を
回収した。また、フラスコ残液(N−メチルアクリルア
ミド約20%、N−メチル−β−ジエチルアミノプロピ
オン酸アミド約70%)は70gであり、まだ流動性が
あり、不溶解分も認められなかった。上記留出液全量に
フェノチアジン0.2gを加えた後、1.5torrで
蒸留し、67〜69℃の留分を分取することにより、N
−メチルアクリルアミド268gを得た。(ガスクロ純
度99%、総合収率78%) 本化合物は、NMR及びGC−MS分析によりその構造
を確認した。
【0023】比較例1 オートクレーブにアクリル酸メチル4モル(344g)
を入れ、水冷で反応温度を40℃以下に保ちながらメチ
ルアミンガスを吹き込み、二重結合への付加反応を行っ
た。2時間後、ガス吸収が起こらなくなったので反応を
終結した。ガスクロ分析によればアクリル酸メチルの転
化率は100%であったが、β−メチルアミノプロピオ
ン酸メチルの選択率はわずか18%にしかすぎず、82
%はさらにアクリル酸メチルと付加した、メチルアミノ
−N,N−ビスプロピオン酸メチルであった。本反応液
を実施例1と同様に後処理し、更に実施例1と同様にメ
チルアミンでアミド化した後、硫酸1モル%を加えて4
5torrで加温し熱分解を実施した。しかしながら、
155℃に加温してもN−メチルアクリルアミドは留出
せず、更に加温し、釜温を220℃とし7時間反応を実
施することにより留出物88gを得た。フラスコ残液を
室温まで冷やしたものは極めて粘凋なタール状物質であ
った。
【0024】実施例2 実施例1と同様にして得られたβ−ジエチルアミノプロ
ピオン酸メチル636g(4モル)にソヂウムメトキシ
ド28%メタノール溶液15.4gを加え、攪拌しなが
らn−ブチルアミン350.4g(4.8モル)を加え
た。添加終了後、温浴で液温を70〜80℃に保ちなが
ら4時間反応を続けアミド化を完了した。次いで中和、
脱塩後、フェノチアジン0.3gを加え蒸留により低沸
点物を除くことによりガスクログラフィーによる純度9
9%のN−ブチル−β−ジエチルアミノプロピオン酸ア
ミド801gを得た。(収率99.1%)。次いでこれ
を45torr、180℃で実施例1と同様にして7時
間熱分解することにより、留出液468gを得た。フラ
スコ残液は流動性がありポリマー分は見られなかった。
上記留出液全量にフェノチアジン0.2gを加え1.5
torrで蒸留し、83〜86℃の留分を分取すること
によりN−ブチルアクリルアミド390gを得た。(ガ
スクロ純度99%、総合収率76%) 本化合物は、NMR及びGC−MS分析によりその構造
を確認した。
【0025】比較例2 フラスコにアクリル酸メチル344g(4モル)を入
れ、水冷で50℃以下に保ち攪拌しながらn−ブチルア
ミン642.4g(8.8モル)を加えた。2時間後に
付加反応は終了したが、不純物ブトキシアミン−N,N
ビス−3−プロピオン酸メチルがβ−ブチルアミノプロ
ピオン酸メチルに対してガスクロ面積比で約12%生成
していた。次いで反応液にソヂウムメトキシド28%メ
タノール溶液15.4gを加え、70〜80℃で4時間
アミド化反応を続けた。反応終了後、中和、脱塩し、フ
ェノチアジン0.3gを加え蒸留で低沸点物を留去する
ことにより、ガスクロ純度86%のN−ブチル−β−ブ
チルアミノプロピオン酸アミド780gを得た。得られ
たアミドを用いて 実施例2と同様に熱分解を行った
が、180℃では熱分解が進行せず、200℃以上の温
度が必要であった。また熱分解が進むにつれて液温が上
がり、7時間後、留出液が236g得られた所で熱分解
を終了せざるを得なかった。本熱分解留出液を蒸留精製
しn−ブチルアクリルアミド178gを得た。(総合収
率35%)
【0026】実施例3 メトキシハイドロキノン500ppmを含んだアクリル
酸メチル344g(4モル)にメタノール128gを加
え、水浴中攪拌下ジプロピルアミン404g(4モル)
を30分間で滴下した。滴下終了後、70℃で3時間反
応した。反応終了後メタノールを留去することにより、
β−ジプロピルアミノプロピオン酸メチル746gを得
た。(ガスクロ純度99%) 次いでこれにソジウムメトキシド28%メタノール溶液
15.4g及び2−エチルヘキシルアミン619g
(4.8モル)を加え、80℃で4時間アミド化反応を
実施した。反応終了後、中和、脱塩し、フェノチアジン
0.3gを加え蒸留により低沸物を除去し、N−2−エ
チルヘキシル−β−ジプロピルアミノプロピオン酸アミ
ド1131gを得た。(アクリル酸メチルからの収率9
7.8%、ガスクロ純度98.2%) ついでこれを、13torr、190℃で実施例1と同
様に10時間熱分解を実施し、留出液590gを得た。
上記留出液にフェノチアジン0.2gを加えた後、2t
orrで蒸留し、133〜138℃の留分を分取するこ
とにより、N−2−エチルヘキシルアクリルアミド50
2gを得た。(ガスクロ純度98.4%、総合収率6
7.5%)本化合物は、NMR及びGC−MS分析によ
りその構造を確認した。
【0027】比較例3 比較例2において、n−ブチルアミンに代えて2−エチ
ルヘキシルアミン8.8モルを使用した以外は比較例2
と同様に付加反応、アミド化反応を実施し、蒸留により
低沸点物を除去し、N−2−エチルヘキシル−β−ジプ
ロピルアミノプロピオン酸アミドの粗生成物を得た。本
生成物中には、高沸点不純物が約9%含有されていた。
これに硫酸を加え、13torr、210℃で熱分解
し、得られた留出液を蒸留することにより、N−2−エ
チルヘキシルアクリルアミド301gを得た。(ガスク
ロ純度98.7%、総合収率41%)
【0028】実施例4 メトキシハイドロキノン500ppmを含んだアクリル
酸メチル344g(4モル)にメタノール128g(4
モル)を加え水浴中攪拌しながらジプロピルアミン40
4g(4モル)を30分間で滴下した。滴下終了後70
℃に液温を上げ3時間反応した。反応終了後メタノール
を蒸留で除去し、純度99%のβ−ジプロピルアミノプ
ロピオン酸メチル746gを得た。次いでこれにソヂウ
ムメトキシド28%メタノール溶液15.4gを加えた
後、ジメチルアミノプロピルアミン490g(4.8モ
ル)を加え80℃で4時間アミド化反応を行った。反応
終了後、中和、脱塩し、フェノチアジン0.3gを加え
蒸留により低沸物を除くことにより、N−ジメチルアミ
ノプロピル−β−ジプロピルアミノプロピオン酸アミド
1025g(ガスクロ純度98.6%)を得た。 (収
率98.5%) 得られたアミドを、13torr、190℃で実施例1
と同様にして9時間熱分解を行うことにより、留出液5
35gを得た。フラスコ残液はまだ流動性があり、不溶
解分も認められなかった。上記留出液全量にフェノチア
ジン0.2gを加えた後、2torrで蒸留し、113
〜117℃留分を分取することにより、N−ジメチルア
ミノプロピルアクリルアミド458gを得た。(純度9
8.6%、総合収率72.3%) 本化合物は、NMR及びGC−MS分析によりその構造
を確認した。
【0029】比較例4 アクリル酸メチル4モルにジメチルアミノプロピルアミ
ン8.8モルを加え、比較例2と同様に付加反応を行っ
た。次いでソジウムメトキシドを加えてアミド化反応
し、反応終了後蒸留により低沸点物を取り除き、N−ジ
メチルアミノプロピル−β−ジメチルアミノプロピルア
ミノプロピオン酸アミドの粗生成物を得たが、このもの
には高沸点不純物が約13%含まれていた。これに硫酸
を加え210℃で熱分解させたが、途中で沸点が上昇
し、かつ熱分解速度が非常に遅くなった。熱分解留出液
を蒸留しガスクロ純度99%のN−ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミド168gを得た。(総合収率27
%)
【0030】実施例5 実施例4と同様にして得られたβ−ジプロピルアミノプ
ロピオン酸メチル746gに、28%ソジウムメトキシ
ドメタノール溶液15.4gを加え、次いでエタノール
アミン293g(4.8モル)を滴下し、70℃で1時
間反応した。反応終了後中和脱塩し、フェノチアジン
0.3gを加えた後低沸点物を蒸留で留去しN−ヒドロ
キシエチル−β−ジプロピルアミノプロピオン酸アミド
858gを得た。(ガスクロ純度98%、収率97.3
%) 得られた上記アミド200gに濃硫酸1mlを加え10
torr、180℃で熱分解を行い、釜液が減ればアミ
ドを継ぎ足すことにより9時間反応し、留出物375g
を得た。この留出物を1torrで蒸留し140℃での
留分として、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド31
3gを得た。(ガスクロ純度98%、総合収率67%)
【0031】比較例5 比較例2において、n−ブチルアミンに代えてエタノー
ルアミン8.8モルを使用した以外は比較例2と同様に
付加反応、アミド化反応を実施し、中和、脱塩後低沸点
物を蒸留で除いた。このものは非常に粘凋な液体であ
り、10torrで熱分解しようと試みたが液温を22
0℃まで上げても全く分解せず、目的物を取得すること
はできなかった。
【0032】実施例6 メトキシハイドロキノン500ppmを含んだメタクリ
ル酸メチル400g(4モル)にメタノール128gを
加え、液温を60℃に保ちながらジエチルアミン344
g(4モル)を加え、60℃で5時間反応した。反応終
了後、メタノールを留去し、純度99%のβ−ジエチル
アミノ(1−メチル)プロピオン酸メチル690gを得
た。次いでこれにソジウムメトキシド28%メタノール
溶液15.4gを加え、オーロクレーブ中で、メチルア
ミンガスを40℃、0〜0.5kg/cm2 で5時間導
入し、アミド化反応を行った。反応終了後、中和、脱塩
し、フェノチアジン0.3gを加え、蒸留により低沸点
物を除去し、N−メチル−β−ジエチルアミノ(1−メ
チル)プロピオン酸アミド685gを得た。(メタクリ
ル酸メチルからの収率97.8%、ガスクロ純度98.
2%) 次いで45torr、155℃で実施例1と同様に8時
間熱分解を行い、留出液340gを得た。上記留出液に
フェノチアジン0.2gを加えた後、1.5torrで
蒸留し、75〜80℃の留分を分取することにより、N
−メチルメタクリルアミド276gを得た。(ガスクロ
純度98.8%、総合収率69%)
【0033】比較例6 オートクレーブにメタクリル酸メチル400gを添加
し、40℃、0〜0.5kg/cm2 でメチルアミンガ
スを5時間導入した。反応終了後、反応液をガスクロで
分析すると、N−メチル−β−ジエチルアミノ(1−メ
チル)プロピオン酸アミド以外に面積比で約30%の不
純物が観察された。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、
(メタ)アクリル酸エステルと2種類のアミンを組み合
わせて使用することにより、なんら副生物を伴うことな
く高収率で、工業的に有利にN−モノ置換−(メタ)ア
クリルアミドを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 231/12 C07C 233/09 C07C 233/20 C07C 233/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1で表される(メタ)アクリル酸エス
    テルと化2で表されるジアルキルアミンとを反応し化3
    で表される化合物とし、ついで化4で表される1級アミ
    ンと反応し、化5で表される化合物に変換後熱分解する
    ことを特徴とする、化6で表されるN−モノ置換−(メ
    タ)アクリルアミドの製法。 【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を、R’は低級ア
    ルキル基を表す。) 【化2】 (式中、R及びRは低級アルキル基を表す。) 【化3】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を、R’は低級ア
    ルキル基を、R及びRは低級アルキル基を表す。) 【化4】 (式中、Qは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜
    5のジメチルアミノアルキル基または炭素数1〜3のヒ
    ドロキシアルキル基を表す。) 【化5】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を、R及びR
    は低級アルキル基を、Qは炭素数1〜12のアルキル
    基、炭素数1〜5のジメチルアミノアルキル基または炭
    素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表す。) 【化6】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を、Qは炭素数1
    〜12のアルキル基、炭素数1〜5のジメチルアミノア
    ルキル基または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を
    表す。)
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