JP5626792B2 - 高強度鋼板の圧延方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2あるいは特許文献3の技術では、焼鈍により歪みが開放されるため熱延板の強度を下げることができるかもしれないが、焼鈍用の設備を新たに設ける必要があり、また焼鈍工程を加えることで高強度鋼板の製造工程が複雑なものとなるため、製造コストの高騰が避けられないという問題がある。
即ち、本発明の高強度鋼板の圧延方法は、圧延材を熱間圧延する熱間圧延機と、当該熱間圧延機の下流側に配備されて熱間圧延された前記圧延材を冷却する冷却帯と、当該冷却帯の下流側に配備されて冷却された前記圧延材を巻き取る巻取機とを備える熱間圧延設備で、前記圧延材としてCを0.1〜0.3mass%、Mnを1.0〜3.0mass%、Siを0.8〜2.0mass%含む高強度鋼板を圧延するに際して、前記熱間圧延機の最終圧延スタンドの出側温度が870℃〜900℃になるように前記高強度鋼板を熱間圧延した後、前記冷却帯中で熱間圧延された高強度鋼板を600〜700℃の温度で10秒以上空冷し、前記空冷された高強度鋼板を前記熱間圧延設備の下工程で冷間圧延することを特徴とする。
また、本発明に係る高強度鋼板の圧延方法の最も好ましい形態は、圧延材を熱間圧延する熱間圧延機と、当該熱間圧延機の下流側に配備されて熱間圧延された前記圧延材を冷却する冷却帯と、当該冷却帯の下流側に配備されて冷却された前記圧延材を巻き取る巻取機とを備える熱間圧延設備で、前記圧延材としてCを0.1〜0.3mass%、Mnを1.0〜3.0mass%、Siを0.8〜2.0mass%含む高強度鋼板を圧延するに際して、前記冷却帯中で熱間圧延された高強度鋼板を600〜700℃の温度で10〜20秒に亘って空冷してフェライト変態を行わせることとし、前記フェライト変態を行わせる時間を圧延材が空冷されている時間内に確保するために、前記熱間圧延機の最終圧延スタンドの出側温度を870〜900℃にするものであって、さらに、前記熱間圧延の完了後に水冷を行い、前記冷却帯中で冷却された高強度鋼板を450〜550℃の温度で巻取りを行った後、前記熱間圧延設備の下工程で冷間圧延するものである。
本発明の圧延方法は、圧延材を熱間圧延し、熱間圧延後に空冷(冷却)してから巻き取る熱間圧延工程と、熱間圧延工程で熱間圧延された圧延材を冷間圧延する冷間圧延工程とを備えており、冷間圧延工程後に連続焼鈍などを行って高強度冷延鋼板を製造するものである。この圧延方法の圧延材Pには、Cを0.1〜0.3mass%、Mnを1.0〜3.0mass%、Siを0.8〜2.0mass%含むSi−Mn系高張力鋼(Si−Mn系ハイテン材)の鋼板が用いられる。
図1に示されるように、熱間圧延ライン2は、熱間圧延機4の上流側に鋼板Pを加熱する加熱炉5を有しており、所定の温度に加熱した鋼板Pを下流側に送ることができるようになっている。熱間圧延ライン2は、加熱炉5の下流側に配備されて鋼板Pを熱間圧延する熱間圧延機4と、熱間圧延機4の下流側に配備されて熱間圧延された鋼板Pを冷却する冷却帯6とを備えている。熱間圧延ライン2は、冷却帯6の下流側に冷却帯6で冷却された鋼板Pを巻き取る巻取機7を備えており、冷却帯6で冷却された鋼板Pを一旦巻き取ってから冷間圧延ライン3に送る構成となっている。
熱間圧延機4は熱間粗圧延機8と熱間仕上圧延機9とを有しており、これらの圧延機8、9はそれぞれ上流側から下流側にかけて複数並んだ圧延スタンド10を備えている。それぞれの圧延スタンド10は、鋼板Pを上下から挟み込んで圧延する一対のワークロール11と、これらのワークロール11を支持する一対のバックアップロール12とを有する4段圧延機であり、鋼板Pを徐々に圧下しながら所定の板厚まで圧延できるようになっている。熱間圧延機4で圧延された鋼板Pは、熱間圧延機4の下流側に配備された冷却帯6に送られる。
冷却帯6の内部には、鋼板Pに対して冷却水又は冷却水のミストを噴き付けるノズル(図示略)が複数設けられている。冷却帯6の内部においては、鋼板Pは冷却水又はミストを浴びながら、あるいは冷却水やミストを含まない空気だけを噴きつけながら搬送され冷却される。そして、冷却帯6は、これらのノズルから噴き付けられる冷却水又はミストの供給量を調整することで、鋼板Pを所定の冷却温度や後述する巻取機7での巻取温度に合わせることができるようになっている。
次に、上述の熱間圧延ライン2を用いた鋼板Pの圧延方法、すなわち本実施形態の鋼板Pの圧延方法について説明する。
図2に示すように、本実施形態の圧延方法は、加熱炉5で鋼板Pを1100℃の雰囲気中に30分保持して加熱し、次に加熱された鋼板Pを熱間粗圧延機8及び熱間仕上圧延機9で熱間圧延する構成となっている。
上述の圧延方法においては、鋼板Pは加熱炉5で1100℃で30分間に亘り加熱され、次に熱間圧延機4で熱間圧延される。このとき、圧延しようとする鋼板PがSi−Mn系のように高強度な鋼材である場合、熱間圧延時の温度が低すぎると熱間圧延機4に大きな負荷が加わるため、一般には熱間圧延機4(熱間仕上圧延機9)で鋼板Pの温度を高くして熱間圧延が行われる。具体的には、最終圧延スタンド10の出側温度が900℃以上、例えば920℃〜940℃と高い温度になるように熱間圧延が行われることが多い。
図3(a)の加工温度920℃のときのTTT曲線から判断すると、熱間圧延後の鋼板Pの組織を形成するオーステナイト相(図中のA)がフェライト相(図中のF)に変態(以下、フェライト変態という)するには、600℃〜700℃程度の温度で一定時間に亘り冷却する必要がある。このフェライト変態を開始させるのに必要な保持時間は例えば冷却温度が700℃を例に挙げれば18秒程度は必要である。
つまり、図3(b)の熱延上がりの鋼板温度が850℃のTTT線図から明らかなように、鋼板温度を900℃以下に下げるとTTT図におけるノーズが短時間側に遷移し、フェライト変態に必要な時間も短くなる。このフェライト変態に必要な時間は、鋼板温度が850℃の場合は(変態の温度が700℃のときで)5秒程度であるが、870℃の場合で10秒程度、900℃の場合でも12秒程度であり、設備上の制約から許容される時間内に収まるものとなる。
上述のようにして冷却帯6で冷却された鋼板Pは、巻取機7を用いて巻き取られる。この巻取機7は、450〜550℃の温度で鋼材を巻き取る構成とされている。このように冷却後の鋼板Pを巻き取る温度を450℃〜550℃とすることで、Si−Mn系のようにシリコンが多い鋼種であってもコイル冷却中にSiO2が表層から結晶粒界に沿って内部に濃化する、いわゆる粒界酸化を防止することが可能となる。そこで、本発明の圧延方法では、巻き取り温度の制御精度も含めて鋼板Pを450〜550℃の温度で巻き取る構成とされている。
表1に示されるように、実施例及び比較例(従来例)は、加熱炉5を用いて加熱した鋼板Pを実験用の熱間圧延機4を用いて最終圧延スタンド10の出側温度が872℃〜934℃で変化するように熱間圧延し、次に冷却帯6の中で600℃〜700℃の温度で15秒間冷却し、次に実験用の冷間圧延機13を用いて冷間圧延したものである。
この冷間圧延機13でテストピースを冷間圧延する際に、第1圧延機〜第3圧延機のそれぞれに加わる圧延荷重を実施例と比較例とで比較して表2に示す。
以上の結果を総合的に勘案すると、熱間圧延機4の最終圧延スタンド10の出側温度を870℃〜900℃にすれば、TTT線図に示されるノーズの位置が短時間側に遷移してフェライト変態に必要な時間が短くなり、設備上の制約から許容される時間内で鋼板Pの組織が十分にフェライト変態し、鋼板Pの組織中に軟質なフェライト相がさらに増加して冷間圧延機13への負荷を大幅に軽減しつつ冷間圧延を行うことができると判断される。
2 熱間圧延ライン
3 冷間圧延ライン
4 熱間圧延機
5 加熱炉
6 冷却帯
6a冷却帯の上流部
6b冷却帯の中央部
6c冷却帯の下流部
7 巻取機
8 熱間粗圧延機
9 熱間仕上圧延機
10 圧延スタンド
11 ワークロール
12 バックアップロール
13 冷間圧延機
Claims (1)
- 圧延材を熱間圧延する熱間圧延機と、当該熱間圧延機の下流側に配備されて熱間圧延された前記圧延材を冷却する冷却帯と、当該冷却帯の下流側に配備されて冷却された前記圧延材を巻き取る巻取機とを備える熱間圧延設備で、前記圧延材としてCを0.1〜0.3mass%、Mnを1.0〜3.0mass%、Siを0.8〜2.0mass%含む高強度鋼板を圧延するに際して、
前記冷却帯中で熱間圧延された高強度鋼板を600〜700℃の温度で10〜20秒に亘って空冷してフェライト変態を行わせることとし、前記フェライト変態を行わせる時間を圧延材が空冷されている時間内に確保するために、前記熱間圧延機の最終圧延スタンドの出側温度を870〜900℃にするものであって、さらに、前記熱間圧延の完了後に水冷を行い、前記冷却帯中で冷却された高強度鋼板を450〜550℃の温度で巻取りを行った後、前記熱間圧延設備の下工程で冷間圧延することを特徴とする高強度鋼板の圧延方法。
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